(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びウェアラブル筋力補助装置
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20240312BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20240312BHJP
A61F 2/54 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A61H1/02 K
A61F2/54
(21)【出願番号】P 2019208997
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039683
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベ 基 鉉
(72)【発明者】
【氏名】林 賢 燮
(72)【発明者】
【氏名】金 範 洙
(72)【発明者】
【氏名】尹 主 榮
(72)【発明者】
【氏名】金 奎 正
(72)【発明者】
【氏名】玄 東 眞
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特許第4987148(JP,B1)
【文献】特開2018-001391(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1896181(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 11/00
A61H 1/02
A61F 2/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の身体に連結され、前記着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部と、
一端が前記ベース部に固定点を中心として回転可能に結合し、前記着用者の上腕に対応するように延び、前記着用者の上腕に回転トルクを印加するように前記着用者の上腕に結合した上腕部と、
一端が前記上腕部の一端、及び前記上腕部の延びた方向に離隔した位置に固定されるように結合し、変形により弾性力を発生する弾性体と、
一端が前記固定点から離隔するように位置した作用点で前記ベース部に回転可能に結合し、前記上腕部が前記固定点を中心に回転することにより他端の移動がガイドされるように前記上腕部に結合した第1リンクと、
第1ポイントで前記第1リンクの他端と回転可能に結合し、前記上腕部が前記固定点を中心に回転することにより前記第1ポイントから離隔した第2ポイントの移動がガイドされるように前記上腕部に結合し、前記第1ポイント及び前記第2ポイントから離隔した第3ポイントで前記弾性体の他端に結合した第2リンクと、を含んで構成されることを特徴とするウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項2】
前記弾性体は、一端が前記上腕部に回転可能に固定されて結合し、前記第2リンクの第3ポイントに結合した他端が移動することによる長さの変化によって弾性力の大きさが可変するばねであることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項3】
前記作用点は、前記ベース部で前記固定点よりも上部に位置し、前記固定点から前記作用点に向かう方向は地面から上方に傾斜した方向であることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項4】
前記第2リンクと前記弾性体との間で一端が前記第2リンクと回転可能に結合し、他端が前記弾性体の他端に結合した第3リンクと、
前記弾性体と前記上腕部との間で一端が前記上腕部に回転可能に結合し、他端が前記弾性体の一端に結合した第4リンクと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項5】
前記弾性体は、両端が前記第3リンクと前記第4リンクにそれぞれ結合した複数のばねで構成され、前記第3リンクの他端及び前記第4リンクの他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びることを特徴とする請求項4に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項6】
前記第2リンクには、前記第1ポイントと前記第2ポイントで前記上腕部側へそれぞれ突出した第1スライドピン及び第2スライドピンが設けられ、
前記上腕部には、前記第1スライドピン及び前記第2スライドピンがそれぞれ挿入されてスライドされることにより前記第1ポイント及び前記第2ポイントの移動をガイドする第1スライド溝及び第2スライド溝がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項7】
前記弾性体の弾性力によって発生する回転トルクは、前記上腕部が前記固定点を中心に回転するにつれて可変するが、前記上腕部が前記ベース部を基準として下方に回転すればするほど大きさが増加し、地面との所定の角度で最大値を持った後にさらに減少するプロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項8】
前記第2リンクの第3ポイントが、前記第1ポイントと前記第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部または下部に位置して前記第1ポイント、前記第2ポイント及び前記第3ポイントが三角形を形成し、前記第2リンクは前記上腕部が前記固定点を中心に回転することにより並進運動及び回転運動するように、前記第1ポイント及び前記第2ポイントの移動がガイドされることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項9】
前記第2リンクの第3ポイントが、前記第1ポイントと前記第2ポイントとを結んだ直線よりも上部に位置し、前記上腕部が前記ベース部を基準に地面との所定の角度よりも下方に回転すると、前記第3ポイントが下方に移動するように前記第1ポイント及び前記第2ポイントの移動がガイドされることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項10】
前記第2リンクの第3ポイントは、前記第1ポイントと前記第2ポイントとを結んだ直線よりも上部に位置し、前記第2リンクの第2ポイントは、前記固定点側へ移動しながら漸次急激に下方に向かうようにガイドされ、前記第1ポイントは、前記固定点側へ移動しながら下方に向かってから上方に向かうようにガイドされることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項11】
前記固定点を中心に前記ベース部に相対回転可能に結合し、ロック装置によるロックの際に前記ベース部との相対回転が阻止される回転部をさらに含み、
前記第1リンクが作用点で前記回転部に回転可能に結合して前記回転部が前記ベース部に対して相対回転することにより、前記第1リンク及び前記上腕部が同時に回転することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項12】
前記ロック装置は、前記回転部が前記ベース部に対して複数の回転角度ポイントでロックされるようにすることを特徴とする請求項11に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項13】
前記ベース部及び前記上腕部が前記着用者の上腕の外側方に位置し、
前記上腕部から前記着用者の上腕の内側方に延びて前記着用者の上腕の下部を包む支持台をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項14】
請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置であって、
ベース部は、複数の結合装置を介して着用者の胴体部に結合したことを特徴とするウェアラブル筋力補助装置。
【請求項15】
前記ベース部は、前記着用者の上下方向に延びた回転軸に対して回転可能に前記複数の結合装置に結合したことを特徴とする請求項14に記載のウェアラブル筋力補助装置。
【請求項16】
着用者の身体に連結され、前記着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部と、
一端が前記ベース部に固定点を中心に回転可能に結合し、前記着用者の上腕に対応するように延び、前記着用者の上腕に回転トルクを印加するように前記着用者の上腕に結合した上腕部と、
一端が前記上腕部の一端、及び前記上腕部が延びた方向に離隔した位置に固定されるように結合し、変形により弾性力を発生する弾性体と、
一端が前記固定点から離隔するように位置した作用点で前記ベース部に回転可能に結合し、他端が前記弾性体の他端に結合し、前記上腕部が前記固定点を中心に回転することにより前記弾性体の長さを変形させる連結リンクと、を含んで構成されることを特徴とするウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びウェアラブル筋力補助装置に係り、より詳細には、重力による荷重を補償して着用者の上腕を支持する上腕モジュール及びウェアラブル筋力補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブルロボットは、身体の特定の部位に着用したり特定の部位を据え置いたりして身体の動きを補助するロボットであって、医療用、軍事用又は作業用に設計されている。特に、作業用ウェアラブルロボットの場合は、作業者に付加される荷重を減少させることにより負傷を防止し且つ筋力を補助するように設計されている。このようなウェアラブルロボットは、着用者の外骨格を模写したもので、身体の実際の動きと同じ動きを持つように関節を設計することが技術の核心といえる。
【0003】
特に、ウェアラブル筋力補助装置は、ツールの重量をサポートするように構成された手動支持装置が含まれる。典型的な手動装置は、構造要素、ばね、ケーブル、滑車の組み合わせを用いて位置の範囲の下で重力を補償するように構成される。これらの装置の構成は、制限された動作範囲内で重力補償を提供する。従来のウェアラブル筋力補助装置は、要求されるトルクプロファイル(Torque Profile:トルク特性)のためにカム(Cam)とワイヤー(Wire)とを組み合わせてトルクプロファイルを形成したが、このようなカムとワイヤーとを組み合わせた構成は、組立性及び加工性が低下し、構成要素間の摩擦及びスライドによる耐久性及び騒音の問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ワイヤーなしに複数のリンクをガイドして耐久性及び組立性を向上させることができるウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールは、着用者の身体に連結され、着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部と、一端がベース部に固定点を中心として回転可能に結合し、着用者の上腕に対応するように延び、着用者の上腕に回転トルクを印加するように着用者の上腕に結合した上腕部と、一端が上腕部の一端、及び上腕部が延びた方向に離隔した位置に固定されるように結合し、変形によって弾性力を発生する弾性体と、一端が固定点から離隔して位置した作用点でベース部に回転可能に結合し、上腕部が固定点を中心に回転することにより他端の移動がガイドされるように上腕部に結合した第1リンクと、第1ポイントで第1リンクの他端と回転可能に結合し、上腕部が固定点を中心に回転することにより、第1ポイントから離隔した第2ポイントの移動がガイドされるように上腕部に結合し、第1ポイント及び第2ポイントから離隔した第3ポイントで弾性体の他端に結合した第2リンクと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0007】
弾性体は、一端が上腕部に回転可能に固定されて結合し、第2リンクの第3ポイントに結合した他端が移動することによる長さの変化によって弾性力の大きさが可変するばねであることを特徴とする。
【0008】
作用点はベース部で固定点よりも上部に位置し、固定点から作用点に向かう方向は地面から上方に傾斜した方向であることを特徴とする。
【0009】
第2リンクと弾性体との間で一端が第2リンクと回転可能に結合し、他端が弾性体の他端に結合した第3リンクと、弾性体と上腕部との間で一端が上腕部に回転可能に結合し、他端が弾性体の一端に結合した第4リンクと、をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
弾性体は、両端が第3リンクと第4リンクにそれぞれ結合した複数のばねで構成され、第3リンクの他端及び第4リンクの他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びることを特徴とする。
【0011】
第2リンクには、第1ポイントと第2ポイントで上腕部側にそれぞれ突出した第1スライドピン及び第2スライドピンが設けられ、上腕部には、第1スライドピン及び第2スライドピンがそれぞれ挿入されてスライドされることにより第1ポイント及び第2ポイントの移動をガイドする第1スライド溝及び第2スライド溝がそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0012】
弾性体の弾性力によって発生する回転トルクは、上腕部が固定点を中心に回転することによって可変するが、上腕部がベース部を基準として下方に回転すればするほど大きさが増加し、地面との所定の角度で最大値を持った後にさらに減少するプロファイルを有することを特徴とする。
【0013】
第2リンクの第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部または下部に位置して、第1ポイント、第2ポイント及び第3ポイントが三角形を形成し、第2リンクは上腕部が固定点を中心に回転することにより並進運動及び回転運動するように、第1ポイント及び第2ポイントの移動がガイドされることを特徴とする。
【0014】
第2リンクの第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結んだ直線よりも上部に位置し、上腕部がベース部を基準に地面との所定の角度よりも下方に回転すると、第3ポイントが下方に移動するように、第1ポイント及び第2ポイントの移動がガイドされることを特徴とする。
【0015】
第2リンクの第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結んだ直線よりも上部に位置し、第2リンクの第2ポイントは、固定点側へ移動しながら漸次急激に下方に向かうようにガイドされ、第1ポイントは、固定点側へ移動しながら下方に向かってから上方に向かうようにガイドされることを特徴とする。
【0016】
固定点を中心にベース部に相対回転可能に結合し、ロック装置によるロックの際にベース部との相対回転が阻止される回転部をさらに含み、第1リンクが作用点で回転部に回転可能に結合して回転部がベース部に相対回転することにより、第1リンク及び上腕部が同時に回転することを特徴とする。
【0017】
ロック装置は、回転部がベース部に対して複数の回転角度ポイントでロックされることを特徴とする。
【0018】
ベース部及び上腕部が着用者の上腕の外側方に位置し、上腕部から着用者の上腕の内側方に延びて着用者の上腕の下部を包む支持台をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
本発明によるウェアラブル筋力補助装置は、ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置であって、ベース部が複数の結合装置を介して着用者の胴体部に結合されることを特徴とする。
【0020】
ベース部は、着用者の上下方向に延びた回転軸に対して回転可能に複数の結合装置に結合されることを特徴とする。
【0021】
本発明による他のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールは、着用者の身体に連結され、着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部と、一端がベース部に固定点を中心に回転可能に結合し、着用者の上腕に対応するように延び、着用者の上腕に回転トルクを印加するように着用者の上腕に結合した上腕部と、一端が上腕部の一端、及び上腕部が延びた方向に離隔した位置に固定されるように結合し、変形により弾性力を発生する弾性体と、一端が固定点から離隔して位置した作用点でベース部に回転可能に結合し、他端が弾性体の他端に結合し、上腕部が固定点を中心に回転することにより弾性体の長さを変形させる連結リンクと、を含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びウェアラブル筋力補助装置によれば、簡単な連結リンクと弾性体の構成のみで上腕部の角度に応じて着用者の上腕部を上方に回転させる回転トルクを可変させるトルクプロファイルを実現することができる。また、ワイヤー及びカムを用いずにリンクを用いることにより、耐久性及び組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの内部を示す正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを示す透視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの回転過程の状態を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの回転過程の状態を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールのトルクプロファイルを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールに含まれている弾性体の変形プロファイルを示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの外部正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールのロック装置が解除された状態を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。各図面に示された同一の参照符号は、同一の部材を示す。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの内部を示す正面図、
図2は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールを示す透視図である。
【0026】
図1と
図2に示すように、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールは、着用者の身体に連結され、着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部100と、一端がベース部100に固定点300を中心に回転可能に結合し、着用者の上腕に対応するように延び、着用者の上腕に回転トルクを印加するように着用者の上腕に結合した上腕部200と、一端が上腕部200の一端、及び上腕部200が延びた方向に離隔した位置に固定されるように結合し、変形により弾性力を発生する弾性体500と、一端が固定点300から離隔して位置した作用点400でベース部100に回転可能に結合し、他端が弾性体500の他端に結合し、上腕部が固定点を中心に回転することにより弾性体500の長さを変形させる連結リンク610、620、630、640と、を含む。
【0027】
ベース部100は、着用者の肩部に位置するもので、着用者の上腕の上端部に対応して着用者の上腕の回転中心に位置することができる。着用者の上腕に対応する上腕部200は、着用者の上腕が上端部を中心に上方または下方に回転する動作を模写するように着用者の上腕の側方に位置し、固定点300を中心にベース部100に回転可能に結合することができる。弾性体500の一端は、上腕部200に結合し、特に上腕部200が延びた方向に離隔して上腕部200の他端に固定できる。弾性体500は、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより長さが変形し、これにより発生させる弾性力を可変にできる。弾性力は、上腕部200が固定点300を中心に回転する特定の回転角度では0であり得る。一端と他端との距離が増加するように変形して弾性力による引張力を発生させることができる。
【0028】
特に、弾性体500に連結された連結リンク610、620、630、640の一端は、上腕部200の回転中心である固定点300から離隔した作用点400に回転可能に結合する。これにより、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより、弾性体500の長さを変形させることができる。これにより、上腕部200が固定点300を中心にベース部100に回転しながら、弾性体500から発生した弾性力の大きさ及び方向によって、ベース部100及び上腕部200に作用する回転トルクを可変にすることができる。
【0029】
具体的には、
図1に示すように、ベース部100には、下方に回転する方向の回転トルクが発生する。トルクは、次の式で表せる。
【0030】
【0031】
これに対する反作用として、上腕部200には上方に回転する方向の回転トルクが同じ大きさで発生する。これにより、簡単な連結リンク610、620、630、640と弾性体500の構成のみで、着用者の上腕部200を上方に回転させる回転トルクを発生させることができ、これを上腕部200の角度に応じて可変させるように回転トルクのプロファイルを形成することができる。特に、ワイヤー及びカムを用いずに、リンクを用いることにより、耐久性と組立性を向上させることができる。
【0032】
より具体的には、連結リンク610、620、630、640は、一端が固定点300から離隔して位置した作用点400でベース部100に回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより他端の移動がガイドされるように上腕部200に結合した第1リンク610と、第1ポイントで第1リンク610の他端と回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより、第1ポイントから離隔した第2ポイントの移動がガイドされるように上腕部200に結合し、第1ポイント及び第2ポイントから離隔した第3ポイントで弾性体500の他端に結合した第2リンク620と、を含むことができる。
【0033】
すなわち、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールは、着用者の身体に連結されて着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部100と、一端がベース部100に固定点300を中心に回転可能に結合し、着用者の上腕に結合した上腕部200と、一端が上腕部200の一端、及び上腕部200の延びた方向に離隔した位置に固定されるように結合し、変形により弾性力が発生する弾性体500と、一端が固定点300から離隔して位置した作用点400でベース部100に回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより他端の移動がガイドされるように上腕部200に結合した第1リンク610と、第1ポイントで第1リンク610の他端と回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより、第1ポイントから離隔した第2ポイントの移動がガイドされるように上腕部200に結合し、第1ポイント及び第2ポイントから離隔した第3ポイントで弾性体500の他端に結合した第2リンク620と、を含むことができる。
【0034】
第1リンク610は、一端が作用点400でベース部100に回転可能に結合し、他端は上腕部200に結合して移動がガイドされる。第1リンク610は、上腕部200が延びた方向に延びることができる。特に、作用点400は、固定点300から離隔して位置するので、上腕部200が固定点300を中心にベース部100に対して回転すると、第1リンク610は、一端が作用点400を基準に回転し、これにより、第1リンク610の他端は固定点300との距離が可変しながら移動がガイドできる。
【0035】
第2リンク620は、第1ポイントで第1リンク610の他端と回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより、第1ポイントから離隔した第2ポイントの移動がガイドされるように上腕部200に結合し、第1ポイント及び第2ポイントから離隔した第3ポイントで弾性体500の他端に結合することができる。特に、第1ポイントと第2ポイントは、上腕部200が延びた方向に離隔し、第2リンク620は、上腕部200が延びた方向に延びることができ、第3ポイントは、第1ポイント及び第2ポイントと三角形をなすように、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線の上部または下部に位置することができる。すなわち、第2リンク620は、三角形の形状、またはそれ以上の角を有する形状である。
【0036】
第2リンク620の第1ポイントは、第1リンク610の他端と回転可能に結合し、第1リンク610の他端と同時に移動するようにガイドできる。第2リンク620の第2ポイントは、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより第1ポイントが移動し、第1ポイントとの距離を維持するように移動しながら上腕部200によって移動がガイドできる。
【0037】
弾性体500の他端に結合した第2リンク620の第3ポイントは、第2リンク620の第1ポイント及び第2ポイントの移動が上腕部200によってガイドされることにより決定できる。したがって、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより弾性体500の他端が移動し、これにより、弾性体500の長さが可変することにより弾性力が可変することができる。特に、弾性体500は、一端が上腕部200に回転可能に固定されて結合され、第2リンク620の第3ポイントと結合した他端が移動することによる長さの変化によって弾性力の大きさが可変するばねである。これにより、弾性体500として、耐久性に優れたばねを用いて、ワイヤーが切れるなどの破損を防止することができ、ばねを交替することにより、弾性力及びこれに伴う回転トルクの大きさを容易に可変させることができる。
【0038】
さらに具体的には、第2リンク620と弾性体500との間で一端が第2リンク620と回転可能に結合し、他端が弾性体500の他端に結合した第3リンク630と、弾性体500と上腕部200との間で一端が上腕部200に回転可能に結合し、他端が弾性体500の一端に結合した第4リンク640とをさらに含むことができる。第3リンク630と第4リンク640は、第2リンク620の第3ポイントと上腕部200にそれぞれ回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することによる第2リンク620の第3ポイントと上腕部200と弾性体500の一端との間の長さ変化に応じて弾性体500の長さが滑らかに変化することができる。特に、弾性体500は、両端が第3リンク630と第4リンク640にそれぞれ結合した複数のばねで構成され、第3リンク630の他端及び第4リンク640の他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びることができる。複数のばねは、初期の長さが同じものであってもよく、長さの変化による弾性力の大きさが互いに対称となるように配置できる。これにより、第3リンク630と第4リンク640との間で上下方向に並んで配置された複数のばねから発生する弾性力が均一に作用する。
【0039】
図3と
図4は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの回転過程の状態をそれぞれ示す図である。
【0040】
図3と
図4に示すように、第2リンク620には、第1ポイントと第2ポイントで上腕部200側にそれぞれ突出した第1スライドピン(図示せず)及び第2スライドピンが設けられ、上腕部200には、第1スライドピン(図示せず)及び第2スライドピンがそれぞれ挿入されてスライドされることにより第1ポイント及び第2ポイントの移動をガイドする第1スライド溝210及び第2スライド溝220がそれぞれ設けられる。第1スライドピン(図示せず)は、第2リンク620の第1ポイント及び第1リンク610の他端を回転可能に結合し、上腕部200の第1スライド溝210に挿入された状態で自由に回転しながら第1スライド溝210の内部にスライド可能に結合することができる。
【0041】
また、第2スライドピン(図示せず)は、第2リンク620の第2ポイントに設けられ、上腕部200の第2スライド溝220に挿入された状態で自由に回転しながら第2スライド溝220の内部にスライド可能に結合することができる。図示してはいないが、第1スライドピン(図示せず)及び第2スライドピン(図示せず)の端部には、第1スライド溝210及び第2スライド溝220から離脱しないように溝のサイズよりも大きく拡張された固定点300が設けられる。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールのトルクプロファイル(実線)を示す図である。
図5に示すように、本発明に係るトルクプロファイルは実線で表示し、従来技術に係るトルクプロファイルは破線で表示した。ここで、トルクプロファイルグラフは、0よりも小さい負数にマッピングされる。
【0043】
弾性体500の弾性力によって発生する回転トルクは、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより可変であるが、上腕部200がベース部100を基準に下方に回転すればするほど大きさが増加し、地面との所定の角度で最大値を持った後にさらに減少するプロファイルを有することができる。
【0044】
着用者の上腕を支持するウェアラブル筋力補助装置1000は、着用者の上腕に重力を補償するために、地面との所定の第1固定角度(例えば、+60[deg])で上方に傾斜した状態で着用者の上腕が下降することにより、上方に回転させる回転トルクが増加するように設計されるべきである。これにより、着用者の上腕に作用する重力を補償して、着用者の上腕が上方に傾斜した状態を維持するように支持することができるためである。
【0045】
また、着用者の上腕が地面との所定の角度(例えば、0[deg]付近)で所定の第2固定角度(例えば、-90[deg])に下降することにより、上方に回転する回転トルクが減少するように設計されるべきである。これにより、着用者が上腕を下ろす動作の邪魔を受けないからである。したがって、破線で表示した従来技術に係るトルクプロファイルと比較して、本発明に係るトルクは、着用者の上腕が相対的に高い角度で大きさが最大値を持ち、相対的に低い角度で上腕の下降動作に有利であるように大きさが小さく形成される。
【0046】
本発明の上腕部200に作用する回転トルク(実線)がこのようなトルクプロファイルに設計されるために、本発明の作用点400は、ベース部100で固定点300よりも上部に位置し、固定点300から作用点400に向かう方向は、地面から上方に傾斜した方向である。
【0047】
上腕部200またはベース部100に作用する回転トルクの大きさは、弾性力の大きさ、及び作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度によって決定される。特に、作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度のサイン値(sine)に比例する。
【0048】
具体的には、作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度は、そのサイン値が、上腕部200が固定点300を基準に回転しながら徐々に増加し、着用者の上腕が地面との所定の角度付近で最大値を持った後にさらに減少するように、作用点400は固定点300よりも上部に位置することができる。
【0049】
すなわち、作用点400は、固定点300から作用点400に向かう方向が、地面から上方に傾斜した方向に位置することができ、これにより、作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度は、上腕部200が地面から上方に最大回転した状態で0[deg]に近く、上腕部200が地面との所定の角度付近にある状態では90[deg]に近く、上腕部200が下方に最大回転した状態では180[deg]に近くなることができる。
【0050】
図6は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールに含まれている弾性体500の変形プロファイルを示す図である。より具体的には、
図5と
図6に示すように、
図5と
図6の実線グラフは、本発明の実施形態に係るトルクプロファイル及び弾性体500の変形プロファイルを示すもので、破線グラフは、第1リンク610又は第2リンク620のガイドなしに単純な連結リンク610、620、630、640のみで構成された実施形態のトルクプロファイル、及び弾性体500の変形プロファイルを示すものである。
【0051】
つまり、後述するように、本発明の一実施形態に係る第1リンク610及び第2リンク620の移動によれば、単純な連結リンク610、620、630、640のみで構成された実施形態と比較するとき、上腕部200が地面から上方に傾斜した角度領域で弾性体500の弾性力を効果的に利用し、これによる回転トルクを向上させることができる。
【0052】
具体的には、第2リンク620の第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部または下部に位置して、第1ポイント、第2ポイント及び第3ポイントが三角形を形成し、第2リンク620は、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより並進運動及び回転運動するように、第1ポイント及び第2ポイントの移動がガイドできる。つまり、上腕部200が固定点300を中心に下方に回転することにより、第1ポイントと第2ポイントが固定点300側へ移動して弾性力を発生させるように構成するが、上腕部200の角度変化による弾性力の変化率を可変させるために、第2リンク620が並進運動だけでなく回転運動まで実現するように第1ポイント及び第2ポイントを移動させることができる。これにより、第1ポイント及び第2ポイントと三角形を形成する第3ポイントは、第2リンク620の並進運動と回転運動によって移動することにより、上腕部200の角度変化に伴う弾性力の変化率が上腕部200の角度に応じて可変にすることができる。
【0053】
より具体的には、第2リンク620の第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部に位置し、上腕部200がベース部100を基準に地面との所定の角度よりも下方に回転すると、第3ポイントが下方に移動するように第1ポイント及び第2ポイントの移動がガイドできる。上腕部200がベース部100を基準に地面と所定の角度よりも下方に回転すると、第2リンク620は、固定点300側に並進移動するとともに回転運動を介して第3ポイントを下方に移動させることができる。第3ポイントが下方に移動することにより、弾性体500の他端が固定された位置との距離が減少して、第2リンク620の固定点300側に並進移動効果を相殺または減少させることができる。
【0054】
これにより、
図6に示すように、上腕部200がベース部100を基準に地面との所定の角度よりも下方に回転する区間では、上腕部200が地面から上方に回転する区間に比べて相対的に上腕部200の角度変化による弾性体500の長さ変化率が減少し、これにより、上腕部200の角度変化による弾性力の増加率が減少することができる。つまり、上腕部200が固定点300を基準に地面との所定の角度よりも下方に回転する区間では回転トルクを迅速に減少させ、逆に、上腕部200がベース部100を基準に上方に傾斜した角度で上腕部200がベース部100を基準に地面との所定の角度で下方に回転する区間では回転トルクが迅速に増加する効果を有する。
【0055】
より具体的には、第2リンク620の第3ポイントは、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部に位置し、第2リンク620の第2ポイントは、固定点300側へ移動しながら漸次急激に下方に向かうようにガイドされ、第1ポイントは、固定点300側へ移動しながら下方に向かってから上方に向かうようにガイドされる。
【0056】
第1リンク610の第1ポイント及び第2ポイントは、上腕部200が固定点300を基準に最大に上方に傾斜した位置で、それぞれ固定点300から最大に離隔した位置に位置することができる。また、第1リンク610の第1ポイント及び第2ポイントは、上腕部200が固定点300を基準に下方に回転することにより、固定点300側に隣接して移動するようにガイドできる。第2リンク620の第2ポイントは、固定点300側へ移動しながら漸次急激に下方に向かうようにガイドできる。第2リンク620の第2ポイントは、上腕部200が固定点300を基準に下方に回転することにより第3ポイントが固定点300側へ移動しながら、漸次急激に下方に移動するようにガイドできる。第2リンク620の第1ポイントは、固定点300側へ移動しながら、下方に向かってから上方に向かうようにガイドできる。第2リンク620の第1ポイントは、固定点300側へ移動しながら下方に向かうようにガイドされることにより、上腕部200が固定点300を基準に下方に回転することにより、第3ポイントが固定点300側へ移動しながら下方に移動するようにガイドされた後、再び固定点300側へ移動しながら上方に向かうようにガイドされて、第3ポイントが固定点300から離隔する方向に第2リンク620を回転させることができる。
【0057】
これにより、第2リンク620の第3ポイントは、上腕部200が固定点300を基準に下方に回転しながら上腕部200の回転角度の変化による弾性力の変化率が急激に減少する弾性力プロファイルを実現し、これにより、設計上要求されるトルクプロファイルを実現することができる。
【0058】
図7は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの外部正面図、
図8は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールのロック装置800が解除された状態を示す図である。
【0059】
図7と
図8に示すように、固定点300を中心にベース部100に相対回転可能に結合するが、ロック装置800によるロックの際にベース部100との相対回転が阻止される回転部700をさらに含み、第1リンク610は、作用点400で回転部700に回転可能に結合して回転部がベース部100に対して相対回転することにより、第1リンク610及び上腕部200が同時に回転することができる。
【0060】
すなわち、第1リンク610の一端は、ベース部100に直接結合することもできるが、回転部700を経由して結合してもよい。回転部700は、固定点300を中心にベース部100に回転可能に結合し、ロック装置800のロック時にはベース部100との相対回転が阻止され、ロック装置800のロック解除時にはベース部100に対して自由に回転することができる。ロック装置800は、回転部700がベース部100に複数の回転角度ポイントでロックすることが可能である。回転部700は、ベース部100に複数の回転角度ポイントで固定でき、回転部700が固定点300を中心にベース部100に対して回転すると、第1リンク610及び上腕部200が回転部700と同時に回転して、上腕部200に印加される回転トルクのトルクプロファイルが移動する効果を有する。
【0061】
すなわち、回転トルクが最大値を持つ所定の角度をはじめとする角度範囲全体でトルクプロファイルが移動する効果を有する。これにより、着用者の要求に応えて、トルクプロファイルが形成される角度範囲を移動させて、所望の角度で回転トルクを実現するように調節することができる。具体的には、ロック装置800は、ベース部100にスライド可能に結合し、回転部700には、ベース部100に対して回転する方向に沿って離隔した複数の結合溝710が設けられ、ロック装置800が結合溝710に挿入されて係合されると、回転部700とベース部100との相対回転が阻止できる。
【0062】
ロック装置800は、ベース部100を貫通する結合スリットでスライドされて回転部700の結合溝710に対して係合されるか或いは係合解除され得る。別途の弾性力を備えた弾性体500を介してロック装置800が結合溝710に挿入される方向に弾性力を印加するように構成することができる。ベース部100及び上腕部200が着用者の上腕の外側方に位置し、上腕部200から着用者の上腕の内側方に延びて着用者の上腕の下部を包む支持台230をさらに含むことができる。支持台230によって、着用者の上腕は下部から支持され、これにより、上腕部200に作用する回転トルクが着用者の上腕に安定的に作用することができる。
【0063】
図9は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置1000の背面図である。
図9に示すように、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置1000は、ベース部100が複数の結合装置を介して着用者の胴体部に結合できる。具体的には、ハーネスなどを介して着用者の肩及び腰などに固定された結合装置が含まれ、本発明の上腕モジュールは、結合装置を介して着用者の胴体部に結合して着用者の胴体部に固定されるように支持できる。特に、ベース部100は、着用者の上下方向に延びた回転軸900に対して回転可能に複数の結合装置に結合することができる。
【0064】
回転軸900は、複数の結合装置に結合して着用者の胴体部に固定され、着用者の背面に位置して上下方向に延びることができる。ベース部100は、着用者の背面に位置した回転軸900に回転可能に結合し、回転軸900から着用者の上腕の外側面に延びることができる。これにより、着用者は、上腕を上方又は下方に回転させることができるとともに、内側及び外側に自由に回転(内部回転(Internal Rotation)、外転(Abduction))させることができる。
【0065】
本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、多様な改良及び変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0066】
100 ベース部
200 上腕部
210 第1スライド溝
220 第2スライド溝
230 支持台
300 固定点
400 作用点
500 弾性体
610、620、630、640 連結リンク
610 第1リンク
620 第2リンク
630 第3リンク
640 第4リンク
700 回転部
800 ロック装置
900 回転軸
1000 ウェアラブル筋力補助装置