IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許-巻取り機 図1
  • 特許-巻取り機 図2
  • 特許-巻取り機 図3
  • 特許-巻取り機 図4
  • 特許-巻取り機 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】巻取り機
(51)【国際特許分類】
   B65H 54/72 20060101AFI20240312BHJP
   B65H 67/048 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B65H54/72
B65H67/048 A
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019218700
(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公開番号】P2020090394
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】10 2018 009 586.0
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】307031976
【氏名又は名称】エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D-42897 Remscheid, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アブデラティ ハミド
(72)【発明者】
【氏名】ライナルト フォス
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-215477(JP,A)
【文献】実開昭60-145153(JP,U)
【文献】実開平05-016771(JP,U)
【文献】特開昭63-225072(JP,A)
【文献】特開2000-128435(JP,A)
【文献】国際公開第2018/036916(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第19818715(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 54/56-54/88
B65H 67/00-67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を巻き取るための巻取り機であって、糸を交互に巻き取ってパッケージ(10)を形成するための、長く突出した2つの巻取りスピンドル(3.1,3.2)を支持する回転可能な巻取りリボルバ(2)と、前記巻取りスピンドル(3.1,3.2)の一方において最後まで巻成されたパッケージ(10)を他方の巻取りスピンドル(3.1,3.2)に対してカバーするための少なくとも1つの可動の遮蔽手段(13)を有する遮蔽装置(12)とを備え、前記遮蔽手段(13)が回転可能な巻取りローラ(15)に保持された巻上げ式遮蔽部(14)により形成されている、巻取り機において、
前記巻上げ式遮蔽部(14)に、前記巻取りリボルバ(2)に取り付けられた少なくとも1つのリボルバガイド(18.1,18.2)が対応配置されていて、該リボルバガイド(18.1,18.2)が、前記巻上げ式遮蔽部(14)をガイドするために、機械フレーム(1)に設けられた少なくとも1つのフレームガイド(19)と協働することを特徴とする、巻取り機。
【請求項2】
前記巻取りリボルバ(2)の前記リボルバガイド(18.1,18.2)に、第2のリボルバガイド(18.1,18.2)が鏡像対称的に対応配置されていて、前記リボルバガイド(18.1,18.2)が、前記巻取りリボルバ(2)の回転により、前記巻上げ式遮蔽部(14)をガイドするために交互に前記フレームガイド(19)と協働する、請求項1記載の巻取り機。
【請求項3】
前記フレームガイド(19)が、走入区分(19.1)と走出区分(19.2)とを有していて、前記走入区分(19.1)と前記走出区分(19.2)とが前記巻取りリボルバ(2)に対峙して配置されている、請求項1または2記載の巻取り機。
【請求項4】
前記リボルバガイド(18.1,18.2)と、前記フレームガイド(19)とは、前記巻上げ式遮蔽部(14)が運転位置において前記巻取りスピンドル(3.1,3.2)の前記パッケージ(10)を90°以上の角度で取り巻くように、形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項5】
前記巻上げ式遮蔽部(14)が、前記巻取りスピンドル(3.1,3.2)に沿って平行に、前記巻取りスピンドル(3.1,3.2)の突出した自由端に至るまで延びている、請求項1から4までのいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項6】
前記巻取りスピンドル(3.1,3.2)の突出した自由端の付近に、前記機械フレーム(1)において前記巻上げ式遮蔽部(14)をガイドするための別のフレームガイド(20)が配置されている、請求項5記載の巻取り機。
【請求項7】
前記巻上げ式遮蔽部(14)を繰り出し、または巻き上げるための前記巻取りローラ(15)が、電気的な巻上げ駆動装置(16)により制御可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載の巻取り機。
【請求項8】
前記巻上げ式遮蔽部(14)が、互いに可動に結合された複数の細長片(22)を備えた部材カバーとして形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の巻取り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の巻取り機に関する。
【0002】
合成糸を巻き取るためには、通常、巻取り機が使用される。巻取り機は、糸を連続的に巻き取ってパッケージを形成することを可能にする。このためには、巻取り機は2つの巻取りスピンドルを有している。これらの巻取りスピンドルは、回転可能に支承された巻取りリボルバに保持され、したがって、少なくとも1本の糸を巻き取るための運転領域と、最後まで巻成されたパッケージの取出しのための交換領域とに交互に保持される。したがって、たとえば溶融紡糸装置における1本または複数本の糸を連続的に収容し、巻成してパッケージを形成することができる。巻取りスピンドルは、好適には、巻取りリボルバにおいて突出して保持されるので、最後まで巻成されたパッケージは、巻取りスピンドルの一方の自由端において取出し可能である。この場合、交換領域においてパッケージに保持されている解けた糸端部が、新規に巻き取られるパッケージの運転領域に到達しないことを確実にしなければならない。その限りでは、交換段階中に、遮蔽部材が巻取りスピンドル間にガイドされることが公知である。このためには先行技術において種々異なる多数の遮蔽装置が公知である。
【0003】
たとえば独国特許出願公開第10016161号明細書から遮蔽装置を備えた巻取り機が明らかである。この巻取り機では、遮蔽装置が旋回可能な複数の遮蔽金属薄板を有している。これらの遮蔽金属薄板は、側方の静止位置から、巻取りスピンドル間の運転位置へと旋回させられる。しかしこのような遮蔽手段は、金属薄板の旋回運動を可能にするために、大きな組込みスペースを必要とする。
【0004】
独国特許出願公開第19818715号明細書からは、遮蔽装置を備えた巻取り機が明らかである。この遮蔽装置では、遮蔽手段が、複数の個別の部材から形成されたフレキシブルな分離壁により形成される。これらの部材はテレスコープ状に互いに内外に走入可能かつ走出可能である。しかし、このような遮蔽手段は、走出状態において安定性に欠けている。この安定性の欠如は、特に、複数のパッケージを備えた長く突出している巻取りスピンドルにおいて顕著である。
【0005】
しかし過去には、運転位置へと到達するために巻成ローラから引き出されるフレキシブルな遮蔽手段も使用された。このような巻取り機は、たとえば米国特許第3165274号明細書から公知である。しかしこのような巻上げ式遮蔽部は、極めてフレキシブルであり、小さな遮蔽作用を備える部分カバーのために適している。したがって、公知の巻取り機では、巻上げ式遮蔽部が巻成ローラから引き出されて、押圧ローラと最後まで巻成されたパッケージとの間の領域へとガイドされる。
【0006】
本発明の課題は、遮蔽装置を備えた冒頭で述べた巻取り機を改良して、特に極めて長く突出している巻取りスピンドルのために適しているようにすることである。
【0007】
本発明の別の目的は、遮蔽装置による最後まで巻成されたパッケージの可能な隔離(Kapselung)を実現することにある。
【0008】
この課題は、本発明によれば、巻上げ式遮蔽部に、巻取りリボルバに取り付けられた少なくとも1つのリボルバガイドが対応配置されており、このリボルバガイドが、巻上げ式遮蔽部をガイドするために機械フレームに設けられた少なくとも1つのフレームガイドと協働することにより解決される。
【0009】
本発明の有利な別の形態は、それぞれの従属請求項に記載の特徴および特徴の組み合わせにより定義される。
【0010】
本発明は、交換領域にガイドされた巻取りスピンドルが、パッケージが取り出され、新規の空管に交換されるまで、巻取りリボルバにおいてその位置に固持されるという認識に基づいている。この時間区分は、このような巻取り機において、いわゆるパーキングタイムと呼ばれ、このパーキングタイムに新規のパッケージの巻取りが巻取りリボルバの回転運動なしに行われる。したがって、巻取りリボルバは、交換領域に保持された巻取りスピンドルを備えたその位置において有利には、リボルバガイドにより、巻上げ式遮蔽部を、運転位置に到達するまでの走出運動においてガイドするために利用することができる。さらに、巻取りリボルバの位置は、リボルバガイドが機械フレームに設けられたフレームガイドと一緒に協働することにより、巻上げ式遮蔽部の安定的なガイドを保証するために適している。本発明は、巻取り機における極めて小さな中間スペースを最後まで巻成されたパッケージの巻掛けおよびカバーのために使用することができるという特別な利点を有している。リボルバガイドと、対応配置されたフレームガイドとにより、巻上げ式遮蔽部の運動が制御されかつ確実にされている。
【0011】
各巻取りスピンドルにおいて同一の遮蔽作用を極めて小さな中間スペースの使用において得るために、巻取りリボルバに設けられたリボルバガイドに第2のリボルバガイドが鏡像対称的に対応配置されていて、これらのリボルバガイドが、巻取りリボルバの回転により、巻上げ式遮蔽部をガイドするために交互にフレームガイドと協働する本発明の別の構成が提案されている。これにより、各巻取りスピンドルが互いに独立して、巻成されたパッケージと一緒に交換位置へ到達した後に、運転領域に位置する巻取りスピンドルに対して完全に遮蔽されかつ隔離される。
【0012】
一方では巻上げ式遮蔽部のガイドを改善し、他方ではパッケージのできるだけ完全な隔離を得るために、フレームガイドが走入区分と走出区分とを有していて、走入区分と走出区分とが巻取りリボルバに対峙して配置されていて、巻取りリボルバに設けられたそれぞれのリボルバガイドと協働する本発明の別の構成が特に有利である。これにより、交換位置の到達時にフレームガイドとリボルバガイドとの間での巻上げ式遮蔽部の進入およびガイドが容易にされる。
【0013】
完全な隔離のためには、リボルバガイドとフレームガイドとが、巻上げ式遮蔽部が運転位置において巻取りスピンドルのパッケージを90°以上の最小角度で取り巻くように形成されている、本発明に係る巻取り機の別の実施形態が有利であると実証されている。これにより、巻取りスピンドルの交換領域は完全に巻取り機内で隔離される。
【0014】
極めて長く突出した巻取りスピンドルを交換領域において運転確実にカバーすることができるように、巻上げ式遮蔽部が巻取りスピンドルの突出した自由端に至るまで巻取りスピンドルに沿って平行に延びている、本発明の別の実施形態が設けられている。この場合、巻取りスピンドルの突出した自由端付近には、別のフレームガイドが設けられていて、このフレームガイドは巻上げ式遮蔽部をガイドするために機械フレームに配置されている。その限りでは、巻上げ式遮蔽部は巻取り機の駆動装置側でも巻取り機の突出している側でも確実にガイドされる。
【0015】
巻上げ式遮蔽部のガイドは、さらに押込み力により形成される巻上げ式遮蔽部の走出運動を可能にする。その限りでは、巻上げ式遮蔽部を繰り出しかつ巻き上げるための巻取りローラが電気的な駆動装置により制御可能である本発明による別の形態が有利である。これにより、巻取りローラの走出運動は、駆動装置により形成された押込み力により実現され、巻上げ式遮蔽部の巻上げは、電気的な駆動装置により形成された引っ張り力により実現される。
【0016】
リボルバガイドとフレームガイドとのフレキシブルな構成のために、巻上げ式遮蔽部が互いに可動に結合された多数の細長片を有する部材カバーとして形成されている、巻取り機の構成が特に有利である。これにより、有利には巻上げ式遮蔽部の容易なガイドが実現される。リボルバガイドまたはフレームガイド内での巻上げ式遮蔽部の引っ掛かりは不可能である。
【0017】
本発明を以下に本発明に係る巻取り機の実施例につき添付の図面を参照して詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る巻取り機の実施例の概略的な側面図である。
図2図1に示した実施例の概略的な正面図である。
図3図1に示した実施例の巻取りリボルバの概略的な正面図である。
図4図1に示した実施例を走出された巻上げ式遮蔽部と共に示す概略的な側面図である。
図5図4に示した実施例の概略的な正面図である。
【0019】
図1および図2には、本発明に係る巻取り機の実施形態が複数の視点で示されている。図1には、側面図が、図2には実施例の正面図が図示されている。本発明に係る巻取り機の実施例は、複数の糸から成る糸群が同時に巻成されてパッケージを形成する運転状態において示されている。図1および図2に示した実施例の以下の説明は、図面のうちの一方に明瞭に関連付けがなされない限り、両図面に関連する。
【0020】
この実施例は、機械フレーム1を有している。この機械フレーム1内には、巻取りリボルバ2が回転可能に支承されている。機械フレーム1における巻取りリボルバ2の回転運動は、リボルバ駆動装置5により行われる。巻取りリボルバ2には、180°だけ互いに対してずらされて配置された2つの巻取りスピンドル3.1,3.2が突出して保持されている。巻取りスピンドル3.1,3.2には、それぞれ2つのスピンドル駆動装置4.1,4.2が対応配置されている。リボルバ駆動装置5により、巻取りリボルバ2は、巻取りスピンドル3.1,3.2と一緒に運動させられる。したがって、巻取りスピンドル3.1,3,2は交互に交換領域と運転領域とにガイドされる。図1および図2に示された運転状態において、巻取りスピンドル3.1は、複数の糸9が巻取りスピンドル3.1の周面に巻き取られてパッケージ10を形成する運転領域に位置している。第2の巻取りスピンドル3.2は、交換領域に位置していて、複数の巻管11を備えられている。
【0021】
巻取りスピンドル3.1,3.2は、機械フレーム1に相並んで配置された巻取り箇所に沿って延びていて、巻取り箇所毎にそれぞれ1つの巻管11を有している。この実施例は、ここでは例示的に合計4つの巻取り箇所を備えて実施されている。基本的には、巻取り箇所のこの個数は単に例示的なものである。このような巻取り機は、16個までの巻取り箇所を同時に備えて形成され、この場合、巻取りスピンドル3.1,3.2は、たとえば1.8mの突出長さに達する。
【0022】
この巻取り機内に形成された巻取り箇所は、糸9を分離しかつガイドするために、それぞれ走入領域においてヘッド糸ガイド8を有している。パッケージ10の周面に糸9を敷設するために、綾振り装置7と、コンタクトローラ(接触ローラ)6とが設けられている。コンタクトローラ6は、巻取りスピンドル3.1,3.2の長さにわたって延びている。コンタクトローラ6は、可動のローラ支持体21に保持されていて、回転可能に支承されている。綾振り装置7は、各巻取り箇所に対してそれぞれ1つの駆動された綾振りユニットを有している。綾振りユニットは、糸を往復ガイドし、これによりパッケージ10の周面において綾巻きが生じる。
【0023】
特に新しく巻成されるパッケージ10において解けた糸端部または糸くずの巻込みを阻止するために、機械フレーム1には遮蔽装置12が配置されている。遮蔽装置12は、巻上げ式遮蔽部14の形の可動の遮蔽手段13を有している。巻上げ式遮蔽部14は、巻取りローラ15上に巻き上げられている。巻取りローラ15は、ケーシング17内に回転可能に支承されて保持されていて、巻上げ駆動装置16に連結されている。ケーシング出口17では、巻上げ式遮蔽部14に対して、巻取りリボルバ2の領域における駆動端部ではフレームガイド19が配置されていて、巻取りスピンドルの突出した端部では第2のフレームガイド20が配置されている。フレームガイド19,20は機械フレーム1に取り付けられている。
【0024】
巻取りリボルバ2の領域の駆動端部における巻上げ式遮蔽部14のガイドを説明するために付加的に図3が参照される。
【0025】
図3には、巻取りリボルバ2の正面図が図示されている。巻取りリボルバ2は、巻取りスピンドル3.1,3.2の間でそれぞれ各巻取りスピンドル3.1,3.2に対してリボルバガイド18.1,18.2を有している。リボルバガイド18.1,18.2は、巻取りリボルバ2の中間の領域に鏡像対称的に形成されている。図示された運転状態では、リボルバガイド18.1に、機械フレーム1に設けられたフレームガイド19が対応配置されている。このためには、フレームガイド19が、走入区分19.1と、走出区分19.2とにより形成されている。走入区分19.1と走出区分19.2とは巻取りリボルバ2に対峙して配置されている。この場合、巻取りリボルバ2の図示された位置では、走入区分19.1と走出区分19.2とがリボルバガイド18.1に対応しているので、巻上げ式遮蔽部は、巻上げ駆動装置16の操作時に、走入区分19.1を介してリボルバガイド18.1内にガイドされ、その後に走出区分19.2へとガイドされる。したがって、リボルバガイド18.1は、交換領域における巻取りスピンドル3.2を遮蔽する際に、巻上げ式遮蔽部14をガイドするために働く。リボルバガイド18.2は、対応して、交換領域における巻取りスピンドル3.1を遮蔽するために、使用される。
【0026】
巻取りローラ15のケーシング17は、機械フレーム1に側方で、巻上げ式遮蔽部14の下側の運転位置よりも上方に位置する高さに配置されている。
【0027】
遮蔽装置12の機能を説明するために、図4および図5の図面が参照される。図4は、図1に示した実施例を側面図で変更された運転状態において示し、図5はこの実施例を正面図で示している。下記の説明は、図面のうちの一方に明瞭に関連付けがなされない限り、両図面に関連する。
【0028】
図4および図5に図示された運転状態では、巻取りスピンドル3.1が巻取りリボルバ2により運転領域から交換領域へとガイドされている。同時に巻取りスピンドル3.2が交換領域から運転領域へと旋回されている。巻取りスピンドル3.2では、糸の分断後にそれぞれ新規のパッケージ10が巻成される。
【0029】
いわゆるパーキングタイム内に、巻取りスピンドル3.2におけるパッケージ10の巻成時に、可動のコンタクトローラ6による、パッケージ直径を増大させるための退避運動が実施される。コンタクトローラ6は、このためには好適には可動の揺動部21またはローラ支持体に保持されている。パーキングタイム中に、交換領域に保持された巻取りスピンドル3.1は交換位置に保持され、この交換位置では、最後まで巻成されたパッケージ10の取出しが実施可能である。巻取りリボルバ2の運動は、パーキングタイム中には行われない。
【0030】
巻取りリボルバ2がその交換位置に到達するや否や、巻上げ駆動装置16が作動させられ、巻上げ式遮蔽部14が巻取りローラ15から繰り出され、フレームガイド19およびリボルバガイド18.2ならびにフレームガイド20内に押し込まれる。巻上げ式遮蔽部14は、その端部位置まで移動され、したがって運転位置に到達する。この運転位置において、巻取りスピンドル3.1のパッケージ10は、巻取りスピンドル3.2に対して完全に隔離されかつ遮蔽されている。
【0031】
特に図5に示した図面から判るように、巻上げ式遮蔽部14は、可動に結合された複数の細長片22から成る部材カバーとして構成されている。
【0032】
運転位置における巻上げ式遮蔽部14の端部位置は、巻上げ駆動装置16により、または択一的にはフレームガイド19,20の端部に設けられたストッパにより実現される。
【0033】
巻取りスピンドル3.1において巻成されたパッケージが取り出され、新規の巻管11に交換されるや否や、巻上げ駆動装置16が作動され、巻上げ式遮蔽部14を休止位置へと戻すことができる。この場合、巻上げ式遮蔽部14は巻取りローラ15上に巻き取られ、ケーシング17内に引き戻される。
【0034】
本発明に係る巻取り機は、特に、複数のパッケージを備えた長く突出する巻取りスピンドルを遮蔽するために適している。完全な隔離が達成されるので、糸くずが交換領域に侵入することは完全に排除されている。これにより、品質的に高価値のパッケージが巻取りスピンドルの交換領域において生じる。
図1
図2
図3
図4
図5