特許7452993IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

工作機械、測定機械、マニピュレータ、およびロボットといった位置決め機械の軸方向運動の幾何学的な精度を向上させるための、機械的な修正方法

この特許の権利範囲[特許請求の範囲]

知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)

この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

以下に、本発明および本発明のいくつかの実施形態を例示すると共に添付図面を参照して説明する。
【図1】 3軸工作機械を示す図である。
【図2】 図2a、図2b、図2cおよび図2dは、トラバースの取付け面の幾何学形状的な狂いの測定を示す図である。
【図3】 図3a、図3bおよび図3cは、それぞれ異なる軸方向位置における機械フレームコンポーネントの変向を示す図である。
【図4】 取付け面における修正プロファイルを示す図である。
【図5】 幾何学形状的な欠陥を補正するために必要とされる、取付け面における材料除去を示す図である。
【図6】 算出された、機械フレームコンポーネントの変向を補正するために必要とされる、取付け面における材料除去を示す図である。
【図7】 測定されたシムプレート厚さの狂いを補正するために必要とされる、取付け面における材料除去を示す図である。
【図8】 蓄積された静的誤差を補正するために必要とされる、取付け面における材料除去を示す図である。
【図9】 図9aおよび図9bは、転動部材であるリニアガイドを示す図である。
【図10】 狂いの要因および取付け面修正プロファイルを示すチャートである。
【図11】 方法の実施を示すチャートである。
【図12】 レーザ加工による機械的な修正のために供与された装置を示す図である。
【図13】 レーザ加工による機械的な修正のために供与された装置を示す図である。
明確性のために、最初に本発明において用いるいくつかの用語を説明する。 本発明では、「取付け面」という用語は、軸方向のガイドが取り付けられた機械フレームコンポーネントの支持面、つまりガイドの支持面、特にレールの底部または側面および中間コンポーネントの表面を定義するために用いられる。中間コンポーネントは、ガイドレールと機械フレームコンポーネントの取付け面との間に取り付けられた機械コンポーネントである。この中間コンポーネントはシムプレートである。取付け面の寸法は、ガイドレールの底面に実質的に相当する。取付け面は、軸方向運動の真直度にとって重要である。 本発明では、ガイド、中間コンポーネント(シム)およびガイドに隣接する、機械フレームコンポーネントの取付け面は、「軸方向ガイドコンポーネント」と定義される。軸方向ガイドコンポーネントは互いに隣り合ってステープルで留められており、共同して軸方向運動精度を決定する。 本発明では、「取付け面修正プロファイル」は、取付け面に沿った各位置において除去される材料の量を定義しており、取付け面の機械的な修正の入力情報として用いられる。修正プロファイルは、取付け面に沿って除去される材料の深さを、位置の関数で示す。 本発明では、「機械的な修正」という用語は、1つの軸の複数の取付け面のうちの1つの修正を意味する。機械的な修正とは、軸方向に対して垂直な方向での、取付け面における材料の除去(または追加)である。 本発明では、「機械モデル」は、機械構造コンポーネントの幾何学形状的な特性および変形特性を表すモデルである。機械モデルは、基準形状における機械フレームコンポーネントの静的な変形量を算出するために用いられる。機械モデルは、例えば使用中の機械アセンブリの機械フレームコンポーネントの変位により確定される、機械フレームの変形量を算出するためにも用いられる。 シムは、1つの整合技術であり、構造コンポーネントの所望の誤差を、使用可能な機械加工装置のみによって保証することが不可能な場所において、幾何学形状的な精度を向上させるために、工作機械アセンブリにおいて時々使用される。典型的には、シム手法は、基部に対するクイルの動きの所望の直交性を達成するために採用される。例えば、基部はクイルを支持する支柱を支持している。リニアガイドのキャリッジを取り付けるための支柱の取付け表面は、基部に取り付けられたテーブルに対して直交すべきである。直交性誤差は、薄い箔、すなわちシムプレートを、キャリッジと、支柱におけるキャリッジの取付け面との間に挿入することにより相殺される。これらの箔は、典型的にはシムプレートまたはシム板、または単にシムとして知られた鋼帯材である。 次に図1を参照して、本発明による例示的な位置決め機械の重要な部分を説明する。特定のケースにおいて3軸工作機械である図示の位置決め機械の構造フレーム99は、3つ以上の機械取付け台19により支持されている基部10と、支柱11と、横送り台12と、トラバース13と、クイル15とを有している。これらの機械フレームコンポーネントの間には、複数の対のリニアガイド20,30,40が存在している。これらのガイドは、高精度の直線運動のための成形レールガイド(または直線運動ガイド)である。図9aに示すように、リニアガイドは主に、成形レール17と、循環転動部材を内蔵するキャリッジ16(またはブロック)とから成っている。機械フレームコンポーネントと各レールとの間には、シムプレート23,33,43が存在している。各軸は、モータ(図示せず)、典型的には直接駆動式の回転モータシステム、ボールねじを備えた回転モータシステムまたはリニアモータを有している。各軸は、位置測定手段、典型的にはガラススケール(図示せず)も有している。さらに図示の工作機械は、機械基部10に取り付けられた固定テーブル3と、固定テーブル3に取り付けられたワークピース2とを有している。特定のケースにおいて工具1である端部エフェクタが、工具ホルダ4によりクイル15に取り付けられている。 機械フレームコンポーネント、支柱11、横送り台12、トラバース13およびクイル15は、ガイドレールおよびキャリッジ用の取付け面を有している。個々の機械フレームコンポーネントのこれらの取付け面は、平坦な取付け面14を得るために、フライス切削および研削により所定のように機械加工され、次いで明確に定義された基準形状に対して許容誤差内にあることを確認するために測定される。図2a~図2dには、トラバース13の取付け面14の、修正された幾何学形状的なずれ(狂い)を割り出すための個々のステップが示されている。特に図2aには、ガイドレールを取り付けることを考慮して、取付け面14が機械加工されているトラバース13の基準形状が示されている。より接近し易くするために、トラバース13は3つの支点60上に逆さまに配置されている。実線は、変形していない理想的なフレームコンポーネントを表しているのに対し、破線は、取付け面における、相応する真直度の狂いを伴った変形を誇張して表している。図2bには、取付け面14における幾何学的な狂いのそのままの測定値、例えば鉛直方向の真直度が示されている。重力および取付け具に対するフレームコンポーネントの向きが、基準形状を規定する。取付け面に沿った真直度は、例えばCMMまたはダイアル表示器を備えた機器を用いて測定される。取付け面14における鉛直方向の真直度測定は、まっすぐな縁部に対して直交方向のずれを提示する。この例示的な取付け面は、凸状領域61と凹状領域62とを含む測定された真直度狂いを有している。 所与の基準形状において確定された真直度のずれ(狂い)の一部は、トラバース自体の重さによるトラバースの湾曲に基づく。図2cに定性的に示された部分は、(トラバースの設計により確定される)トラバースの剛性および特定の基準形状を考慮して、トラバースおよび支点の機械モデル、例えば有限要素モデル(FEM)を用いて算出されている。算出された湾曲は、機械フレームコンポーネントの逆さの向きの配置および支点および/または固定点の位置および剛性を考慮したものである。つまり、個々の機械フレームコンポーネントの取付け面の真直度が基準形状において測定され、次いで測定値が、基準形状において個々の機械フレームコンポーネントが受ける変形を算出することにより修正される。図2dには、取付け面における修正された真直度狂い、すなわち、図2bに示した幾何学形状的な狂いの未処理の測定値から、図2cに示した、算出された湾曲分を引いたものが示されている。念のために述べておくと、図2a~図2dに示す図面は、基準形状において、つまり組み立てられた位置決め機械の状態に関して反転させられて示されている。 構造フレーム99は、固定テーブル3を備えたオープンフレームであり、この構造体に固有の主な欠点は、Y軸方向に運動中のトラバース13のゆがみである。図3a、図3bおよび図3cは、それぞれ異なる軸方向位置でのトラバースおよび隣接するコンポーネントのゆがみを、定性的に示したものである。実線は、期待される位置において示された工具中心点TCPを伴う、機械フレームコンポーネントの理想的な形状および位置を示しているのに対し、破線は、ずらされた工具中心点TCP’を伴う、コンポーネントの変形を強調して示している。構造的なループの変形は特に、トラバースの軸方向位置に応じて異なって圧縮されるX軸ガイドおよびY軸ガイドの各キャリッジの限定された剛性、およびさらには、その変形がやはりガイドのキャリッジの位置、つまりトラバースの軸方向位置に依存するトラバースの限定された剛性に基づくことが判っている。変形の要因は、主にY方向送り台(トラバース13)自体の重さ、およびY方向送り台により支持されるコンポーネントの重さ、特にZ軸(クイル15)の重さにある。固定基部10および支柱11の変形は僅かである。図3a、図3bおよび図3cに示すように、機械コンポーネントの変形は、主にZ方向でのずれである、TCPの変向または位置的な誤差に反映される。さらに機械コンポーネントのゆがみは、X/Y平面に対するZ軸の垂直性に狂いを生ぜしめる。 Y軸方向トラバース13の変形に応じた位置を考慮するために、TCPにおける変位は軸方向の行程に沿って計算される。図4は、Y軸方向運動中にトラバース13のY軸ガイド用取付け面において観察された変形を修正するために算出された修正プロファイルを、定性的に示すものである。重力、すなわちコンポーネントの重さおよび構造的なループのコンポーネントの剛性に基づく変形に応じた位置の計算は、機械モデル、特に有限要素モデル(FEM)を用いて行われる。好適には、機械アセンブリの全ての構造コンポーネントが、その特性と共に算入される。使用中の状態に近づけるためには、典型的な工具の重さ、例えば工具の最大重量の1/4が、変形算出用に、TCPにおける重さに加えられてよい。FEMモデル用に設定された境界条件は、完全に組み立てられた状態でTCPが水平運動を実行することである。 看取されるように、個々の機械フレームコンポーネントのモデルおよび全ての機械フレームコンポーネントと軸方向ガイドコンポーネントとを含むフレーム全体の機械モデルが、個々の機械コンポーネントの測定中にこれらに生じる変形を予測するため、および使用中の個々の機械コンポーネントのアセンブリの変形を予測するために使用される。この知識は、規格部品の製造および機械的な修正のための入力情報を導出するための基礎として役立つ。コンポーネントモデルおよび機械モデルには、機械構造コンポーネントの幾何学形状的な特性および変形特性が含まれている。 軸方向ガイドコンポーネントは、適当な測定器具を用いて測定可能な真直度狂い、典型的には鉛直方向および横方向の真直度狂いを有している。ガイドレールは、例えばレールを基準面に取り付け、レールに沿ってキャリッジが運動する間にキャリッジにおける高さ変化を測定すること、または固定基部にキャリッジを取り付け、レールを運動させ、レールにおける高さ変化を測定すること、またはレールに沿って個々のボール軌道の鉛直方向の真直度を測定することにより観察され得る真直度誤差を有している。高さ変化に応じた位置が、ダイアルゲージを用いて測定されるか、または択一的にはサプライヤにより提供される検査プロトコルから導かれる。狂いは主に、レールの幾何学形状誤差に基づくものであり、精度階級に応じて5~50μmの範囲内である。要するに、レールに沿った位置の関数として高さ変化を求め、取付け面修正プロファイルを確定するために算入することができる。図7は、取付け面に沿って測定されたレールの高さ変化を、増大した厚さを有する取付け面の領域でもって例示する、定性的な図である。 ガイドは、(所要の剛性を保証するために)典型的には平行な対として用いられ、その結果得られる軸方向運動の真直度は、幾何学形状作用および弾性作用の平均化に基づき、個別のガイドレールの真直度よりも良好である、ということに留意されたい。よって、Y方向送り台における接触面の平面度は、好適には2つのレールの真直度の組み合わせとして測定される。 シムプレート23,33,43のような中間コンポーネントは、図1に示したように、機械フレームコンポーネントの取付け面と、ガイドレールとの間に挿入され得る。シムは任意のコンポーネントであり、位置決め機械の幾何学的な運動誤差の機械的な修正を容易にするために使用され得る。シムは2つの側面を有しており、本発明では、2つの側面のそれぞれが「取付け面」であり、したがって取付け面修正プロファイルは、シムの各側面のうちの一方に付与され得る。シムは、5μmの範囲内の極めて小さな厚さ変化を有することが想定されている。この場合も、位置の関数としての厚さ変化は測定により明らかにすることができ、取付け面修正プロファイルを確定するために、誤差コンポーネントとして算入することもできる。 全ての狂いは、取付け面に沿った位置の関数として得られる。各取付け面に沿った狂いに対する個々の位置の原点は、組み立てられた状態においてこれらが一致するように設定され、これにより、取付け面修正プロファイルを用いて狂いを合計し、まとめられた狂いを修正することが可能になる。 図5は、トラバース13の取付け面における、修正された真直度狂いを定性的に示す図、すなわち、測定中に逆さまに向けられた図2dを反転させた図である。図6は、トラバース13の取付け面における、算出された修正プロファイルを定性的に示す図、すなわち、図4を反転させた図である。図7は、リニアガイドのレールの高さ変化を定性的に示す図である。 図5~図7は、個々の狂いを補正するために取付け面において除去されるべき材料の量を表す定性的な図である。特に図5の斜線領域は、幾何学形状的な欠陥、正確には図2dに示した、修正された幾何学形状誤差を相殺するために取付け面において除去されるべき材料の量を表す。図2aに示したように、トラバース13における取付け面14の基準形状は逆さになっているため、図5に示す修正プロファイルは、180°だけ回動されている。さらに、図6に示す斜線領域は、軸方向運動中の機械フレームコンポーネントの算出されたゆがみを相殺するために取付け面において除去されるべき材料の量を表すのに対し、図7に示す斜線領域は、測定されたシムプレート厚さの狂いを相殺するために取付け面において除去されるべき材料の量を表す。最後に図8は、合成された狂いを相殺するために取付け面において除去されるべき材料の量、つまり取付け面修正プロファイルを表す定性的な図である。 図10は、狂いが生じているコンポーネントの取付け面修正プロファイルを確定する方法およびレーザ加工により所要修正量を除去するためのNCプログラムを作成する方法の概要である。 要するに、各軸方向ガイドコンポーネントのうちの1つの取付け面に付与される取付け面修正プロファイルは、各狂いの正しい正負の符号を考慮して、得られた個々の狂いを合算することにより導出される。これは図8に示したような、機械フレームコンポーネント取付け面の測定された狂いの反転値、軸方向運動に基づく変形を相殺するために算出された修正プロファイル、レールガイドの高さ変化の反転値および取付け面に沿った任意のシムの厚さ変化の反転値の合算を意味する。 求められた取付け面修正プロファイルは、例えばレーザ加工による取付け面の機械的な修正用の機械加工プログラムに変換される。機械的な修正は、各取付け面のうちの1つ、例えばガイドレールの底面において実施される。修正は、例えば深さ0.5μm以下の有効範囲内の極めて小さな材料除去増分を可能にする超短パルスレーザを含むレーザ加工装置の使用により、極めて良好な再現性および精度でもって自動的に実施される。取付け面から材料を選択的に除去するために、機械的な削り取りに代えてレーザ源を使用することにより、修正プロセスがより精密、迅速になると共に、一般により効率的になり、コンポーネントが摩耗することはなく、屑を生ぜしめるリスクが低くなる。このようにして、取付け面の機械的な修正を、精密な機構の連続生産に適用することができるようになる。 レーザ加工プロセスは、特に取付け面に沿った位置の関数として所定量の材料を除去するという本発明による方法により要求されるような、材料の精密な選択的除去を可能にするため、他の機械加工法以上に好適である。除去される材料の量は比較的少量であり、典型的には深さ30μm未満であるため、この比較的低い除去率は問題とはならない。さらに、これは機械加工流体を必要としない非接触プロセスであり、レーザ加工により処理される取付け面の周囲は影響を受けないままである。 それでもなお、機械的な修正は、択一的な加工プロセスを用いて取付け面に付与されてもよい。この加工プロセスは、機械的な加工プロセスまたは化学的な加工プロセスまたは熱的な加工プロセスまたは付加製造プロセスのうちの1つであってよい。例えば、CNC制御式のショットピーニングまたはジェット噴射加工が、上述したレーザ加工に対する代替手段である。 機械フレームコンポーネントおよび軸方向ガイドコンポーネントの関連する取付け面は隣り合ってステープルで留められているので、取付け面修正プロファイルは、好適には各コンポーネントのうちの1つのみに付与される。取付け面修正プロファイルは、最も好適にはガイドレールの底面に付与される。なぜならば、レールの寸法は、機械フレームコンポーネントの寸法よりも大幅に小さいからである。このようにして、修正量をレーザ加工するための装置をより一層コンパクトに製造することができ、これらのコンポーネントの取扱いが大幅に容易になる。同様に、取付け面修正プロファイルは、シムプレートまたはシムブロックのような中間コンポーネントに付与されてもよい。これらのコンポーネントは、レールと同じ利点をもたらすと共に、より一層扱いやすい。ただし、取付け面修正プロファイルを、機械フレームコンポーネントにおける取付け面に付与することも可能である。 好適には、軸方向ガイドコンポーネントの取付け面の少なくとも一方の面は、レーザシステムにより、例えばシンボルまたはテキスト(文字データ)でもってマーキングされている。このようにして、連続的なアセンブリにおいて、軸方向ガイドコンポーネントの取付け方向をうっかりと反転させる危険が防止される。 最後に、取付け面が修正された軸方向ガイドコンポーネントまたは機械フレームコンポーネントを含む位置決め機構が組み立てられる。次いで、組み立てられた位置決め機構は、この位置決め機構が想定した運動精度を満たすことを証明するために、TCPにおける測定を実行することにより検査される。この手順では、例外的な場合にのみ、追加的なループが必要とされることがある。 次に、位置決め機械の製造における本発明の方法の実施を、図11を参照して説明する。構造的な機械コンポーネントの幾何学形状的な特性および変形特性を表す機械モデルを製作する。この「機械モデル」は、個々の機械フレームコンポーネントの変形と、軸方向運動を伴う構造フレームの変形に基づくTCPにおける狂いとを導出し、取付け面において必要とされる相殺を確定するために用いられる。個々のフレームコンポーネントは、「規格部品製造」において機械加工され、特定の基準形状において実施される「部品測定」において測定される。測定は、取付け面の目標幾何学形状に対する実際の幾何学形状の狂いを規定する。「修正計算」には、機械フレームコンポーネントの修正された測定値を導くための、基準形状における湾曲の計算、および軸方向運動に基づく変形の修正、取付け面の機械的な修正用の入力情報として用いられる取付け面修正プロファイルの形成が含まれる。「機械的な修正」は、取付け面修正プロファイルに応じて、レーザ加工により、軸方向ガイドコンポーネントの取付け面に付与される。次いで「機械構造体の完全組立」のステップにおいて位置決め機械を組み立て、与えられた取付け面修正プロファイルでもってTCPにおける軸方向運動精度を確定するために、「TCP測定」を実施する。 位置決め機械の製造における本発明の方法の使用は、製品基本動作精度の一貫した向上につながり、特に真直度の狂いおよび回転動作の誤差を減らす。好適には、製造プロセスは統計的工程管理(SPC)により監視される。全ての位置決め機構の測定値が、系統的な狂いを割り出すために集められて分析され、次いでこれらの狂いは、取付け面修正プロファイルひいては位置決め機構の運動精度をさらに改良するために修正され得る。 本発明において開示する機械的な修正法に追加して、数値補正のような別の修正法が周知のように加えられてもよい。機械の幾何学形状的な狂いは、組み立てられた機械における測定により確定され、次いで測定された狂いは、機械精度をさらに向上させるために、数値補正用に用いられる。 軸方向ガイドコンポーネントの取付け面に沿った材料除去による、取付け面修正プロファイルの付与は、一般的なレーザ加工機、典型的にはレーザテクスチャ加工機を用いて行われてよい。取付け面修正プロファイルを付与するこの方法は、典型的には極めて大型でありかつ典型的には間隔をあけられた2つの平行な取付け面を有する機械フレームコンポーネントの取付け面の修正に適している。ただし、加工対象、例えばガイドレールの底面は、取付け面の主延在方向に沿って少量の材料が除去されることを特徴とするのに対し、市販のレーザテクスチャ加工機は、典型的には2D、2.5Dまたは3D物体に適応するように設計されている。この場合、このような市販のレーザテクスチャ加工機の機械加工範囲(容積)は、不必要に大きい。軸方向ガイドコンポーネントの取付け面の主延在方向は、軸方向に相当する。例えばレールの底面またはシムプレートの表面は、図9bに示したように、典型的には1つの主延在方向を有している。よって、軸方向ガイドコンポーネントの1つの取付け面を機械的に修正するための装置は、好適には特定の目的に適合されている。 図12に示す位置決め機械の軸方向ガイドコンポーネントの取付け面の幾何学的な運動誤差を機械的に修正するための専用装置100を表している。この装置100は、ガイドレール17またはシムプレートを取り付けるための取付けテーブル105、取付けテーブル上で軸方向ガイドコンポーネントを正確に位置合わせするための1つ以上の基準ピン121,122またはストッパおよび/または取付けテーブルに対して軸方向ガイドコンポーネントを固定するための保持手段および/または緊締手段(図示せず)、レーザ源および反照検流計(両方共図示せず)を含むレーザユニット111を有しており、レーザユニットは、軸線が取付けテーブル105に対して実質的に直交するレーザビーム112を生ぜしめ、取付けテーブル105およびレーザユニット111は、軸方向ガイドコンポーネントの軸方向において互いに対して可動であり、さらに装置100は、レーザユニット111のレーザビーム112と、レーザユニット111に対する取付けテーブル105の相対的な位置とを、軸方向ガイドコンポーネントに取付け面修正プロファイルが付与されるように制御する、制御ユニット(図示せず)を有している。 専用修正装置100のテーブル105は、固定基部に取り付けられており、水平方向のX軸に沿って可動である。専用修正装置のこの水平方向の軸の行程は、加工される軸方向ガイドコンポーネントの表面全体をカバーする。専用修正装置は、固定基部に取り付けられた支柱102、およびこの支柱102に取り付けられた鉛直方向のZ軸110を有している。Z軸は、レーザユニット111と、任意には、例えば光学手段またはタッチプローブを含む測定ユニット(図示せず)とを支持している。装置100は単純である。それというのも、装置100は実質的に2つの直線的な軸、すなわち、5~50mmの範囲内の極めて短い行程を有するZ軸、および取り付けられる全てのガイドレールまたはシムプレートに適応するために長い行程を有するX軸を有しているからである。 次に、専用修正装置100により取付け面修正プロファイルを付与するプロセスを例示的に説明する。長さL=1050mm、幅W=34mmおよび厚さH=30mmを有するリニアガイドのレールを、その取付け面を上にして逆さまに、修正装置100の取付けテーブル105に正確に取り付ける。レールは、頂部が前記取付けテーブル105上の第1の基準ピン121に当接して、レール17の原点を確定し、かつ横方向では2つの追加的な基準ピン122に当接して、レール17の横方向位置を確定すると共に、レールとテーブル105のX方向運動とを整合させる。レーザユニット111の鉛直方向位置は、レール17の高さに応じてZ軸110を位置決めすることにより調整される。修正プログラムが開始され、これによりテーブル105はレールの原点に位置決めされ、次いで取付け面修正プロファイルに応じた材料の量が、レールから自動的に除去される。検流計スキャナは、取付け面の規定された領域を段階的かつ層毎に処理し、かつ追加的な横方向での軸運動無しで、取付け面の幅全体をカバーするために必要な自由度を提供する。 図13に示す別の実施形態では、位置決め機械の軸方向ガイドコンポーネントの取付け面の幾何学的な運動誤差を機械的に修正するための装置200は、ガイドレール17を支持しかつガイドするための複数の支持ロール225を備えた基部201、加工される領域においてレールを正確に支持するためのキャリアロール220、レールを制御して送るための2つの摩擦式フィードロール221および222を有している。キャリアロールは、レール位置フィードバックを供給するためのエンコーダを有していてよい。専用修正装置は、固定基部に取り付けられた支柱202、およびこの支柱202に取り付けられた鉛直方向のZ軸210を有している。Z軸は、レーザユニット211と、任意には測定ユニット(図示せず)とを支持している。レーザユニット211の鉛直方向位置は、レール17の高さに応じてZ軸210を位置決めすることにより調整される。修正プログラムが開始され、これにより摩擦式フィードロール221および222がレールを進めると共にレールの位置を制御する一方で、レーザビーム212が、取付け面修正プロファイルに応じた材料の量を除去する。 上述した、軸方向ガイドコンポーネントの取付け面を機械的に修正するための装置100,200は、取付け面とレーザユニットとを相対的に位置決めするために制御される送り軸を、実質的に1つだけ有していてよく、したがって、コンパクトで、一般的な機械よりも正確かつ低価格である、という利点を有している。 位置決め機械の軸方向ガイドコンポーネントの取付け面を機械的に修正するための装置100,200はさらに、軸方向ガイドコンポーネントの装着および取出し、寸法および位置の測定、軸方向ガイドコンポーネントの取付け面の初期測定および最終測定等を含む自動化手段を有していてよい。 本発明を、典型的な幾何学的な運動誤差、つまりトラバースにおける鉛直方向の真直度狂いのケースを図示して説明してきた。本発明による機械的な修正のための方法は、他の幾何学的な運動誤差、特に横方向の真直度狂いを修正するためにも使用され得る。この場合、横方向の取付け面修正プロファイルもやはり、個々の狂いの要因を確定しかつこれらの要因をまとめることにより確定される。横方向の取付け面修正プロファイルは、ガイドレールの側面または対応する、機械フレームコンポーネントの取付け面またはシムに付与され得る。 機械フレームコンポーネントは、典型的にはガイドレールが取り付けられる各軸に関して、間隔をあけられた2つの平行な取付け面を有している。よって、図2a~図2dを参照して説明したフレームコンポーネントの取付け面における個々の真直度測定および個別の補正に対して択一的に、機械フレームコンポーネントの取付け面における真直度を個別に測定し組み合わせて、フレームコンポーネント取付け面における平面度を確定すると共に、確定した平面度を考慮して、間隔をあけられた2つの平行な取付け面に適合する取付け面修正プロファイルを確定することもできる。 本発明を詳細に図示して前記説明において説明してきた一方で、このような図示および説明は実例的または例示的なものであり、限定的なものではないと見なされる。以下の請求項の範囲内で、当業者による変更および修正が行われてもよいということを理解されたい。特に、本発明は上述および後述のそれぞれ異なる実施形態の特徴のあらゆる組合せを有する別の実施形態をもカバーする。

代表図 図1本件の代表的な図

TCP 工具中心点 1 工具 2 ワークピース 3 テーブル 4 工具ホルダ 10 基部 11 支柱 12 横送り台 13 トラバース 14 トラバースにおける取付け面 15 クイル 16 ガイドキャリッジ 17 ガイドレール 19 機械取付け台 20 X軸ガイド 21 X軸キャリッジ 22 X軸レール 23 X軸シム 30 Y軸ガイド 31 Y軸キャリッジ 32 Y軸レール 33 Y軸シム 40 Z軸ガイド 41 Z軸キャリッジ 42 Z軸レール 43 Z軸シム 60 測定用の支点 61 凸状の真直度狂い 62 凹状の真直度狂い 99 構造フレーム 100,200 レーザ加工による機械的な修正のための装置 101,201 機械的な修正のための装置の基部 102,202 機械的な修正のための装置の支柱 110,210 機械的な修正のための装置のZ軸 111,211 レーザユニット 112,212 レーザビーム 121,122 基準ピン 105 機械的な修正のための装置のテーブル 220 機械的な修正のための装置のキャリアロール 221,222 機械的な修正のための装置の摩擦式フィードロール 225 機械的な修正のための装置の支持ロール

全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録

[広告欄]

ログインすれば広告は減ります

ログインすれば広告は減ります