(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
G05B23/02 301U
(21)【出願番号】P 2020019535
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】赤井 直之
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-142860(JP,A)
【文献】特開2014-142823(JP,A)
【文献】特開2019-016186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1機器
と制御システムとの接続状態および
前記制御システムに新たに追加された第2機器と
前記制御システムとの接続状態を示す第1接続データを記憶するように構成された第1記憶部と、
前記複数の第1機器と機器管理装置との接続状態を示す第2接続データを記憶するように構成された第2記憶部と、
前記第1接続データによる第1接続状態および前記第2接続データによる第2接続状態を第1表示領域に表示し、前記第2機器の情報を、第2表示領域に表示するように構成された表示部と、
前記第1接続状態および前記第2接続状態を各々個別に前記第1表示領域に表示させるように構成された第1表示制御部と、
前記第1表示制御部が、前記第1表示領域に前記第2接続状態を表示している状態で、前記第2機器の情報を前記第2表示領域に表示させるように構成された第2表示制御部と
を備える表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置において、
前記第1接続データへの前記第2機器の追加を受け付けるように構成された第1受付部と、
前記第1受付部が、前記第1接続データへの前記第2機器の追加を受け付けると、前記第1接続データを、前記複数の第1機器および前記第2機器と前記制御システムとの接続状態が示される状態に更新するように構成された第1更新部と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の表示装置において、
前記第2表示領域に表示されている前記第2機器の情報の文字列またはアイコンを、前記第1表示領域に表示されている前記第2接続状態の文字列またはアイコンに重ねる操作を受け付けるように構成された第2受付部と、
前記第2受付部が、前記操作を受け付けると、前記第2接続データを、前記複数の第1機器および前記第2機器と前記機器管理装置との接続状態が示される状態に更新するように構成された第2更新部と
をさらに備えることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記第1接続データは、中継器を経由した前記複数の第1機器および前記第2機器と前記制御システムとの接続情報が含まれ、
前記第1表示制御部は、中継器を経由した前記複数の第1機器および前記第2機器と前記制御システムとの前記第1接続状態を階層的に前記第1表示領域に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記第2接続データは、中継器を経由した前記複数の第1機器と前記制御システムとの接続情報が含まれ、
前記第1表示制御部は、中継器を経由した前記複数の第1機器と前記制御システムとの前記第2接続状態を階層的に前記第1表示領域に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記第1表示制御部は、前記第1接続状態に表示される前記複数の第1機器および前記第2機器の中の選択された機器の情報を、前記表示部の第3表示領域に表示させることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムおよび機器管理装置などに接続される機器の接続状態を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、建築物に付帯している各設備の監視制御や、プラントなどの制御には制御システムが用いられ、さらに機器管理装置が用いられている場合がある(特許文献1参照)。例えば、機器管理装置は、フィールドバスなどのネットワークにより接続している現場に設置されたプロセス機器や各種センサなどのフィールド機器との間で信号をやりとりし、従来、ユーザが可搬型端末を現場でフィールド機器に直結して行っていた較正を、上位からのパラメータ設定で行い、また、フィールド機器が正常に動作している状態に関する診断結果を表示している。
【0003】
このような制御のシステムにおいて、機器管理装置とフィールド機器とを接続するネットワークとして、「4-20mA」信号と呼ばれる4mAから20mAまでの電流値を信号として用いた規格(国際規格)が、広く用いられている。このネットワークでは、古くは、電流値(4-20mA)で、フィールド機器であるセンサの値やバルブ開度(プライマリ測定値)の0-100%値を示すようにしていた。
【0004】
また、現在では、上述したアナログ制御信号上にデジタル信号を重畳し、フィールド機器のセカンダリ測定値(例えば、圧力計における温圧補正のための温度)や、フィールド機器の設定パラメータなどの「付加情報」を、機器管理装置との間で送受信するネットワークシステムも開発されている。このネットワークシステムは、HART(Highway Addressable Remote Transducer;登録商標)通信と呼ばれ、HART通信仕様に準拠した機器の採用が増えてきている。
【0005】
当初は、HART通信仕様のハンディターミナルによるレンジ設定など、フィールド機器のパラメータ設定が、主な目的であったが、近年は、フィールド機器による自己診断についての仕様化が行われるなど、多様化が進んでいる。例えば、フィールド機器自己診断情報を、ユーザが、機器管理装置に加えられた「機器管理ステーション」上で監視することも主な目的の1つとなってきている。
【0006】
また、近年では、機器管理装置が組み込まれていない制御システムのフィールド機器との構成に、後から機器管理装置を導入する事例が増えている。これらのような制御システムおよび機器管理装置におけるエンジニアリング作業においては、ユーザ(エンジニア)が、各フィールド機器の接続状態を把握することが重要となる。
【0007】
例えば、
図7に示すように、機器管理装置401および制御システム402と各フィールド機器405とが接続されている。制御システム402には、ネットワーク411を介して、中継器となる複数のコントローラ403a,403b,403cが接続し、各コントローラ403a,403b,403cの各々に、中継器となるI/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cが接続している。また、I/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cには、ネットワーク421を介して機器管理装置401も接続している。
【0008】
また、各I/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cには、信号線412a,412b,412cおよび信号線422a,422b,422cにより複数のフィールド機器405が接続している。この中で、各フィールド機器405は、信号線412a,412b,412cを介し、制御システム402-コントローラ403a,403b,403c-I/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cの経路に接続している。
【0009】
また、各フィールド機器405は、信号線422a,422b,422cを介し、機器管理装置401-I/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cの経路に接続している。I/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cにおいて、機器管理装置401がネットワーク421で接続する信号と、信号線422a,422b,422cでフィールド機器405に接続するための信号とを相互に変換している。
【0010】
このような接続状態が、ユーザにより容易に確認できる表示装置がある(特許文献1参照)。この種の表示装置では、機器管理装置401から見た各フィールド機器405の接続状態と、制御システム402から見た各フィールド機器405の接続状態とが、各々個別に確認することが可能とされている。この表示装置では、I/Oモジュール信号変換器404a,404b,404cの各々に接続されているコントローラ403a,403b,403cの情報を、機器管理装置401の側に登録しておくことで、機器管理装置401から見た各フィールド機器405の接続状態においても、各フィールド機器405が接続されているコントローラ403a,403b,403cを確認することができる。
【0011】
また、上述した表示装置では、既に制御システムとフィールド機器とが接続されている構成に、後から機器管理装置を組み込んだ分離型においても、制御システムとフィールド機器との接続状態に加え、機器管理装置と各フィールド機器との接続状態が容易に確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述した技術では、制御システムによる制御対象に新たにフィールド機器を追加した場合、追加したフィールド機器について、機器管理装置と各フィールド機器との接続状態に反映させることができない場合があった。このように、追加したフィールド機器の接続状態が反映されない状態では、追加されたフィールド機器について、例えば、ユーザが確認することができない場合が発生する。
【0014】
例えば、
図7において、I/Oモジュール信号変換器404cに、新たなフィールド機器405を収容させた(接続した)場合を考える。この場合、制御システム402の側においては、追加したフィールド機器405について、コントローラ403cに接続されていることが自動的に認識できる。一方、機器管理装置401の側においては、追加したフィールド機器405が、コントローラ403cを経由することなく機器管理装置401に接続されているので、コントローラ403cに接続されていることを認識することができない。このような場合、表示装置において、機器管理装置401から見た接続状態の表示には、新たに追加したフィールド機器405について示すことができない。
【0015】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、機器管理装置の側から見た接続状態表示において、新たに追加された機器の情報が確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る表示装置は、複数の第1機器および第2機器と制御システムとの接続状態を示す第1接続データを記憶するように構成された第1記憶部と、複数の第1機器と機器管理装置との接続状態を示す第2接続データを記憶するように構成された第2記憶部と、第1接続データによる第1接続状態および第2接続データによる第2接続状態を第1表示領域に表示し、第2機器の情報を、第2表示領域に表示するように構成された表示部と、第1接続状態および第2接続状態を各々個別に第1表示領域に表示させるように構成された第1表示制御部と、第1表示制御部が、第1表示領域に第2接続状態を表示している状態で、第2機器の情報を第2表示領域に表示させるように構成された第2表示制御部とを備える。
【0017】
上記表示装置の一構成例において、第1接続データへの第2機器の追加を受け付けるように構成された第1受付部と、第1受付部が、第1接続データへの第2機器の追加を受け付けると、第1接続データを、複数の第1機器および第2機器と制御システムとの接続状態が示される状態に更新するように構成された第1更新部とを備える。
【0018】
上記表示装置の一構成例において、第2表示領域に表示されている第2機器の情報の文字列またはアイコンを、第1表示領域に表示されている第2接続状態の文字列またはアイコンに重ねる操作を受け付けるように構成された第2受付部と、第2受付部が、操作を受け付けると、第2接続データを、複数の第1機器および第2機器と機器管理装置との接続状態が示される状態に更新するように構成された第2更新部とをさらに備える。
【0019】
上記表示装置の一構成例において、第1接続データは、中継器を経由した複数の第1機器および第2機器と制御システムとの接続情報が含まれ、第1表示制御部は、中継器を経由した複数の第1機器および第2機器と制御システムとの第1接続状態を階層的に第1表示領域に表示させる。
【0020】
上記表示装置の一構成例において、第2接続データは、中継器を経由した複数の第1機器と機器管理装置との接続情報が含まれ、第1表示制御部は、中継器を経由した複数の第1機器と機器管理装置との第2接続状態を階層的に第1表示領域に表示させる。
【0021】
上記表示装置の一構成例において、第1表示制御部は、第1接続状態に表示される複数の第1機器および第2機器の中の選択された機器の情報を、表示部の第3表示領域に表示させる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、第2接続データを記憶する第2記憶部に記憶されていない第2フィールド機器の情報は、第2表示制御部により、表示部の第2表示領域に表示されるので、機器管理装置の側から見た接続状態表示において、新たに追加された機器の情報が確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の構成を示す構成図である。
【
図2】
図2は、表示部103に表示される状態を示す説明図である。
【
図3】
図3は、表示部103に表示される状態を示す説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態2に係る表示装置の構成を示す構成図である。
【
図5】
図5は、表示部103に表示される状態を示す説明図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る表示装置のハードウエア構成を示す構成図である。
【
図7】
図7は、制御システムおよび機器管理装置とフィールド機器との接続状態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る表示装置について説明する。
【0025】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1に係る表示装置について、
図1を参照して説明する。この表示装置は、第1記憶部101,第2記憶部102,表示部103,第1表示制御部104、および第2表示制御部105を備える。また、この表示装置は、第1受付部106、第1更新部107を備える。
【0026】
第1記憶部101は、複数の第1フィールド機器(第1機器)と制御システムとの接続状態を示す(記述する)第1接続データを記憶する。ここで、第1接続データには、第2フィールド機器(第2機器)と制御システムとの接続状態も含まれている(記述されている)。また、第1接続データは、中継器(コントローラやI/Oモジュール信号変換器)を経由した複数の第1機器と制御システムとの接続情報が含まれている。
【0027】
第2記憶部102は、複数の第1フィールド機器と機器管理装置との接続状態を示す(記述する)第2接続データを記憶する。第2接続データは、中継器を経由した複数の第1機器と機器管理装置との接続情報が含まれる。
【0028】
このようにして記憶されている第1接続データによる第1接続状態および第2接続データによる第2接続状態が、表示部103に表示される。第1接続データによる第1接続状態および第2接続データによる第2接続状態は、表示部103の第1表示領域に表示され、第2フィールド機器の情報が、表示部103の第2表示領域に表示される。
【0029】
第1表示制御部104は、第1接続状態および第2接続状態を各々個別に第1表示領域に表示させる。第1表示制御部104は、中継器を経由した複数の第1機器と制御システムとの第1接続状態を階層的に第1表示領域に表示させる。また、第1表示制御部104は、中継器を経由した複数の第1機器と制御システムとの第2接続状態を階層的に第1表示領域に表示させる。また、第1表示制御部104は、第1接続状態に表示される複数の第1機器および第2機器の中の選択された機器の情報を、表示部103の第3表示領域に表示させる。
【0030】
また、第2表示制御部105は、第1表示制御部104が、第1表示領域に第2接続状態を表示している状態で、第2フィールド機器の情報を第2表示領域に表示させる。ここで、例えば、第2フィールド機器は、制御システムに新たに追加された機器であり、機器管理装置には情報が登録されていない機器である。
【0031】
第1受付部106は、第1記憶部101に記憶されている第1接続データへの第2フィールド機器の追加を受け付ける。第1受付部106は、ユーザの操作による上記追加を受け付ける。第1更新部107は、第1受付部106が、第1接続データへの第2フィールド機器の追加を受け付けると、第1接続データを、複数の第1機器および第2フィールド機器と制御システムとの接続状態が示される状態に更新する。上述したように、制御システムに新たに追加された第2フィールド機器の情報は、ユーザの操作により、第1受付部106により受け付けられ、第1更新部107により、第1接続データに登録される。
【0032】
例えば、第1表示制御部104は、
図2に示すように、表示部103の第1表示領域201に、第2接続状態を表示する。
図2に示す例では、選択タグ211で機器管理装置との接続である「HARTコミュニケーション」が、ユーザの操作により選択されて第2接続状態の表示モードとされ、第1表示領域201には、第2接続状態が表示されている。
【0033】
この第2接続状態の表示モードの例では、ネットワークグループに関する情報(識別情報)を示す文字列212と、このネットワークグループに含まれる(収容されている)I/Oモジュール信号変換器(中継器)に関する情報(識別情報)を示す文字列213とが第1表示領域201に表示される。この表示モードでは、第2接続状態で用いられる表現で、I/Oモジュール信号変換器の識別情報を示す文字列213が示される。また、この例では、ユーザの操作により選択されたI/Oモジュール信号変換器を示す文字列213が、他の表示とは異なる表示形式(反転表示)で示されている。また、この例では、文字列とともに、ネットワークグループを示すアイコン、I/Oモジュール信号変換器を示すアイコンも、第1表示領域201に表示されている。
【0034】
一方、第2表示制御部105は、表示部103の第2表示領域202に、第2フィールド機器の情報を示す文字列214を表示する。この例では、ユーザの操作により選択されて反転表示されている文字列213で識別されるI/Oモジュール信号変換器に接続され、第1接続データには記述されている(含まれている)第2フィールド機器の情報を示す文字列214が表示される。また、この例では、文字列とともに、第2フィールド機器を示すアイコン、第2フィールド機器を収容しているI/Oモジュール信号変換器の情報を示す文字列、およびこのI/Oモジュール信号変換器を示すアイコンも、第2表示領域202に表示されている。
【0035】
このように、実施の形態1によれば、第2接続データを記憶する第2記憶部に記憶されていない第2フィールド機器については、第2表示領域202に示されるので、例えば、ユーザは、制御システムに新たに追加された第2フィールド機器が、機器管理装置の側においては登録されておらず、機器管理ができない状態であることが容易に確認できる。
【0036】
なお、
図2に示すように、第1表示制御部104は、表示部103の第1表示領域201および第2表示領域202とは別の第3表示領域203に、第2接続状態に表示される複数の第1フィールド機器の中の、ユーザの操作により選択された文字列213で識別されるI/Oモジュール信号変換器の情報を表示させることもできる。第3表示領域203には、機器管理装置において必要となる詳細な情報が示される。また、第3表示領域203には、各情報が項目毎に表示され、情報の表示領域には、ユーザの操作による情報の新規入力、更新、削除などが可能とされている。
【0037】
また、第1表示制御部104は、
図3に示すように、表示部103の第1表示領域201に、第1接続状態を表示することもできる。
図3に示す例では、選択タグ211で制御システムとの接続である「DCS」が、ユーザの操作により選択されて第1接続状態の表示モードとされ、第1表示領域201には、第1接続状態が表示されている。
【0038】
この第1接続状態の表示モードにおいては、複数の第1フィールド機器および第2フィールド機器の情報(識別情報)を示す文字列215が、第1表示領域201に表示される。この中で、第2フィールド機器の情報(識別情報)が、文字列214で示されている。また、第1接続状態の表示モードでは、フィールド機器が接続して売るI/Oモジュール信号変換器の情報(識別情報)を示す文字列216が、第1表示領域201に表示される。この第1接続状態の表示モードで、文字列216で識別されるI/Oモジュール信号変換器は、第2接続状態の表示モードでは、
図2に示すように、文字列213で示される。また、第1接続状態の表示では、第2表示領域202には、第2フィールド機器の情報について表示されない。
【0039】
なお、この例では、文字列214がユーザの操作により選択された状態を示し、ユーザの操作により選択された第2フィールド機器のより詳細な情報が、第3表示領域203に表示される。
【0040】
ここで、第1記憶部101に記憶されている第1接続データについて、1例を示す。前述したように、第1接続データは、複数の第1フィールド機器と制御システムとの接続状態を示している。制御システムでは、複数のコントローラが接続し、また、各コントローラには、複数のI/Oモジュールが接続し、各I/Oモジュールに第1フィールド機器が接続している。第1フィールド機器は、例えば、センサやバルブ、また、PIDのような制御を行う機能ブロックがある。
【0041】
これらの第1フィールド機器の各々について、第1フィールド機器を識別するためのポイントタグ、コントローラ番号,I/Oモジュール番号,スロット番号などの接続状態を示す情報(第1接続データ)、値の電流値/工業単位変換データ、アラームしきい値などのデータ処理情報が定義されている。第1記憶部101には、制御システムで第1フィールド機器を制御するために用いられるデータが記憶されている。この中で、上述した接続状態を示す第1接続データにより、第1接続状態が生成される。
【0042】
また、第2記憶部102には、機器管理装置で用いられるデータが記憶されている。例えば、第1フィールド機器の各々について、通信モジュールの上位のIPアドレスの定義,第1フィールド機器のベンダ名、第1フィールド機器のタイプ、HARTバージョンなどの第1フィールド機器における環境設定データが記憶されている。
【0043】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る表示装置について、
図4を参照して説明する。この表示装置は、第1記憶部101,第2記憶部102,表示部103,第1表示制御部104、第2表示制御部105、第1受付部106、第1更新部107を備える。これらは、前述した実施の形態1と同様である。実施の形態2では、さらに、第2受付部108、第2更新部109を備える。
【0044】
第2受付部108は、ユーザの入力操作による、第2表示領域202に表示されている第2機器の情報の文字列またはアイコンを、第1表示領域201に表示されている第2接続状態の文字列またはアイコンに重ねる操作を受け付ける。第2更新部109は、第2受付部108が、上述した操作を受け付けると、第2記憶部102に記憶されている第2接続データを、複数の第1機器および第2機器と機器管理装置との接続状態が示される状態に更新する。
【0045】
例えば、
図2に例示した表示部103に表示される画面において、第2表示領域202に表示されている文字列214を、ユーザの入力操作(ドラッグアンドドロップ)により、第1表示領域201に移動し、第1表示領域201に表示されている文字列213の上に重ねる。このユーザ操作は、第2受付部108により受け付けられ(検出され)、第2更新部109が、第2接続データを更新する。第2更新部109は、複数の第1機器および第2機器と機器管理装置との接続状態が示される状態に、第2接続データを更新する。
【0046】
上述した第2接続データの更新の結果、第1表示制御部104は、
図5に例示するように、表示部103の第1表示領域201に、第2接続状態を表示する。
図5に示す例では、選択タグ211で機器管理装置との接続である「HARTコミュニケーション」が、ユーザの操作により選択されて第2接続状態の表示モードとされ、第1表示領域201には、第2接続状態が表示されている。
【0047】
この第2接続状態の表示モードにおいては、ネットワークグループに関する識別情報を示す文字列212と、このネットワークグループに含まれるI/Oモジュール信号変換器に関する識別情報を示す文字列213とが第1表示領域201に表示される。また、文字列213の下位層に、複数の第1フィールド機器および第2フィールド機器の情報(識別情報)を示す文字列215が、第1表示領域201に表示される。この中で、第2フィールド機器の識別情報が、文字列214で示されている。
【0048】
また、第1表示制御部104により、第3表示領域203に、文字列214で識別される第2フィールド機器の情報が表示される。また、第2表示領域202には、第2フィールド機器の情報について表示されない。
【0049】
なお、上述した実施の形態に係る表示装置は、
図6に示すように、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)301と主記憶装置302と外部記憶装置303とネットワーク接続装置304とモニタ305などを備えたコンピュータ機器とし、主記憶装置302に展開されたプログラムによりCPU301が動作し(プログラムを実行し)、モニタ305に表示することで、上述した各機能が実現されるようにすることもできる。上記プログラムは、上述した実施の形態で示した表示装置の機能をコンピュータが実行するためのプログラムである。ネットワーク接続装置304は、ネットワーク306に接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。
【0050】
また、上述した実施の形態に係る表示装置は、FPGA(field-programmable gate array)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)により構成することも可能である。例えば、FPGAのロジックエレメントに、第1記憶部、第2記憶部、第1表示制御部、第2表示制御部、第1受付部、第1更新部の各々を回路として備えることで、表示装置として機能させることができる。第1記憶回路、第2記憶回路、第1表示制御回路、第2表示制御回路、第1受付回路、第1更新回路の各々は、所定の書き込み装置を接続してFPGAに書き込むことができる。また、FPGAに書き込まれた上記の各回路は、FPGAに接続した書き込み装置により確認することができる。
【0051】
以上に説明したように、本発明によれば、第2接続データを記憶する第2記憶部に記憶されていない第2フィールド機器の情報は、第2表示制御部により、表示部の第2表示領域に表示されるので、機器管理装置の側から見た接続状態表示において、新たに追加された機器の情報が確認できるようになる。
【0052】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0053】
101…第1記憶部、102…第2記憶部、103…表示部、104…第1表示制御部、105…第2表示制御部、106…第1受付部、107…第1更新部。