(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】仕分け用補助装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B65G47/46 H
(21)【出願番号】P 2020024936
(22)【出願日】2020-02-18
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100151002
【氏名又は名称】大橋 剛之
(74)【代理人】
【識別番号】100201673
【氏名又は名称】河田 良夫
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 信也
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-101221(JP,A)
【文献】特開2000-016573(JP,A)
【文献】特開2001-080733(JP,A)
【文献】特開2008-024458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスソータ用コンベヤユニットを有する搬送台車によって搬送物が搬送される搬送経路の側方に配置され、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向に直交する方向に
仕分け後の前記搬送物を搬送する搬送コンベヤ装置と、
前記搬送経路の側方で前記搬送コンベヤ装置に対して前記搬送経路の上流側に配置され、払い出し時に一定速度まで加速する前記クロスソータ用コンベヤユニットの無端ベルト上から払い出された前記搬送物を前記搬送コンベヤ装置に受け渡すガイド装置と、を備え、
前記ガイド装置は、
前記無端ベルト上から払い出された前記搬送物を前記搬送コンベヤ装置に受け渡す支持板と、
前記
無端ベルトの走行速度が前記一定速度に到達した後に、前記無端ベルト上から前記
支持板上に払い出された前記搬送物の先端側が乗り上げる位置に配設される第1の回転ローラを含む複数の回転ローラと、
を含む
ことを特徴とする仕分け用補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分け用補助装置において、
前記第1の回転ローラは、回転軸方向における両端のうち、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向における上流側に位置する一端が、前記一端とは反対側の他端よりも前記仕分けコンベヤ装置から離れて配置されることを特徴とする仕分け用補助装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の仕分け用補助装置において、
前記複数の回転ローラは、前記第1の回転ローラの他に、前記搬送経路に対して前記第1の回転ローラよりも離れて配置されるとともに、回転軸方向における両端のうち、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向における上流側に位置する一端が前記第1の回転ローラの近傍に配置された第2の回転ローラと、を含むことを特徴とする仕分け用補助装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の仕分け用補助装置において、
前記搬送物を送り出し方向に送り出すクロスソータ用コンベヤユニットを少なくとも1以上有する搬送台車を複数ループ状に連結した仕分けコンベヤ装置を前記搬送経路に有することを特徴とする仕分け用補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送経路に配置されたコンベヤ装置により搬送される物品(搬送物)を搬送経路における搬送物の搬送方向に直交する方向に延出された払出経路に送り出す際の仕分け用補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物流センターに入荷した物品(搬送物)は、物流センター内に配置された搬送設備により搬送される過程で、例えば配達エリアごとに仕分けられた後、複数の払出しシュートの各々に払い出される。複数の払出しシュートの各々に払い出された物品は、作業者により配達エリアごとに設けた台車に集積された後、配送車や貨物機に積み込まれて物流センターから出荷される。上述した搬送設備としては、例えば物品の主搬送経路に配置される搬送コンベヤ(以下、主コンベヤと称する)、主搬送経路から分岐する分岐経路に配置される搬送コンベヤ(以下、分岐コンベヤと称する)の他、分岐コンベヤにより搬送される物品が払い出される払出しシュートなどを含んで構成される。
【0003】
例えば主コンベヤにより搬送される物品を主コンベヤの幅方向における両端から分岐する分岐コンベヤに仕分ける方法として、例えば長尺状のガイド部材と、ガイド部材の両端部を主コンベヤの幅方向に移動させる2つの往復移動手段(基点往復移動手段及び補助往復移動手段)とを有する搬送物仕分け装置を用いることが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、例えば主コンベヤに対して斜めに配置される仕分けコンベヤに物品を仕分ける場合、搬送物仕分け装置のガイド部材を、ガイド部材の長手方向が主コンベヤにおける物品の搬送方向に平行となる状態から、ガイド部材の長手方向を主コンベヤにおける物品の搬送方向に交差させた状態との間で切り換え、主コンベヤにより搬送される物品をガイド部材に沿って移動させ、分岐コンベヤに搬出している。また、この他に、例えば主コンベヤに対して直交して配置される仕分けコンベヤに物品を仕分ける場合、主コンベヤにおける物品の搬送方向に平行となる状態に保持したガイド部材を、物品の搬送方向に直交する方向に移動させて、主コンベヤにより搬送される物品を分岐コンベヤに向けて押し出し物品を仕分けコンベヤに搬出している。
【0004】
また、非分岐位置、順転向位置及び逆転向位置の間で切り換えることが可能な複数の転向ローラからなるローラ列を複数配置した転向ローラ群を有する仕分けユニットを2つの搬送コンベヤ間に配置し、また、主分岐コンベヤと、主分岐コンベヤの側方に配置された補助分岐コンベヤとからなる分岐コンベヤ(特許文献1に記載の仕分けコンベヤに相当)を、主分岐コンベヤの搬送方向が2つの搬送コンベヤと直交するように配置することで、物品を該物品の搬送方向に対して直交する方向に仕分けることも提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5563252号公報
【文献】特許第5892825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献1に開示される搬送物仕分け装置では、主コンベヤから仕分けコンベヤにおける物品の搬送方向が主コンベヤの搬送方向に対して斜め前方となる場合には、ガイド部材の状態(向き)を切り換えるだけで搬送される物品はガイド部材に沿って搬送される。したがって、このような場合には、主コンベヤや仕分けコンベヤにおける搬送速度が高速になっても、物品は各コンベヤから脱落せずに仕分けコンベヤに向けて搬出することが可能となる。
【0007】
しかしながら、主コンベヤにおける物品の搬送方向に対して仕分けコンベヤにおける物品の搬送方向が直交する場合、主コンベヤにおける物品の搬送速度が高速になるにしたがい、主コンベヤにおける物品の搬送方向において、ガイド部材が物品の押し出しを開始してから物品を主コンベヤの側方に押し出すまでに物品が移動する距離が長くなる。したがって、ガイド部材によって押し出される物品が受け渡された仕分けコンベヤから脱落せずに搬出するためには、受け渡される仕分けコンベヤの幅(間口幅)を広く設定する必要がある。これは、主コンベヤから払出しシュートに対して直交する方向に物品を搬出する場合も同様である。このように、間口幅を広くした仕分けコンベヤや払出しシュートは、搬送設備のレイアウト性を低下させ、また、搬送設備にて仕分ける区分の数に対して、搬送設備内に配置される仕分けコンベヤや払出しシュートの数が不足する原因となる。
【0008】
なお、特許文献2に開示される仕分け設備は、特許文献2に開示される
図4に示すように、2つの搬送コンベヤのうち、補助分岐コンベヤ側に配置される搬送コンベヤにより搬送される物品は、仕分けユニットの転向ローラ群により搬送方向が変化し、補助分岐コンベヤを構成する搬送ローラ部の上方を通過して、主分岐コンベヤに到達する。また、特許文献2に開示される
図5に示すように、2つの搬送コンベヤのうち、主分岐コンベヤ側に配置される搬送コンベヤにより搬送される物品は、仕分けユニットにより補助分岐コンベヤに向けて移動した後、補助分岐コンベヤ上で物品の向きを変化させながら、主分岐コンベヤに到達する。
【0009】
例えば、補助分岐コンベヤ側に配置される搬送コンベヤにより搬送された物品は仕分けユニットを介して補助分岐コンベヤに到達するが、物品の搬送速度が高速になるほど、物品は搬送ローラ部の回転により減速せずに移動する。したがって、主分岐コンベヤに到達する物品は、主分岐コンベヤの端から落下する、又は主分岐コンベヤの端に設けた落下防止用の側板に衝突しやすく、物品が破損する事象が多発する虞がある。したがって、主分岐コンベヤから落下、又は落下防止用の側板に衝突せずに、物品を主分岐コンベヤにより搬送させるためには、主分岐コンベヤの幅を広く設定する必要がある。これは、仕分けコンベヤに対して直交する方向に払出しシュートを配置した場合も同様である。つまり、特許文献2の場合も、特許文献1と同様に、搬送設備のレイアウト性を低下させ、また、搬送設備にて仕分ける区分の数に対して、搬送設備内に配置される仕分けコンベヤや払出しシュートの数が不足する原因となる。
【0010】
本発明は、物品の仕分け作業を高速化したときに、送り出された搬送物が払出経路に設けたコンベヤ装置から落下することを防止する側壁に衝突する事象の発生を抑止すると同時に、搬送設備における払出し能力を増強することで、物品に対する仕分効率の高いシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明の仕分け用補助装置は、クロスソータ用コンベヤユニットを有する搬送台車によって搬送物が搬送される搬送経路の側方に配置され、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向に直交する方向に仕分け後の前記搬送物を搬送する搬送コンベヤ装置と、前記搬送経路の側方で前記搬送コンベヤ装置に対して前記搬送経路の上流側に配置され、払い出し時に一定速度まで加速する前記クロスソータ用コンベヤユニットの無端ベルト上から払い出された前記搬送物を前記搬送コンベヤ装置に受け渡すガイド装置と、を備える。前記ガイド装置は、前記無端ベルト上から払い出された前記搬送物を前記搬送コンベヤ装置に受け渡す支持板と、前記無端ベルトの走行速度が前記一定速度に到達した後に、前記無端ベルト上から前記支持板上に払い出された前記搬送物の先端側が乗り上げる位置に配設される第1の回転ローラを含む複数の回転ローラと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記第1の回転ローラは、回転軸方向における両端のうち、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向における上流側に位置する一端が、前記一端とは反対側の他端よりも前記仕分けコンベヤ装置から離れて配置されることを特徴とする。
【0013】
また、前記複数の回転ローラは、前記第1の回転ローラの他に、前記搬送経路に対して前記第1の回転ローラよりも離れて配置されるとともに、回転軸方向における両端のうち、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向における上流側に位置する一端が前記第1の回転ローラの近傍に配置された第2の回転ローラと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向に直交する方向に延出された払出経路において前記支持板の下流側に配置され、前記複数の回転ローラの最頂点に乗り上げた後の前記搬送物を、前記搬送経路における前記搬送物の搬送方向に直交する方向に搬送する搬送コンベヤ装置を、有することを特徴とする。
【0015】
また、前記搬送物を送り出し方向に送り出すクロスソータ用コンベヤユニットを少なくとも1以上有する搬送台車を複数ループ状に連結した仕分けコンベヤ装置を前記搬送経路に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搬送経路から、搬送経路における搬送物の搬送方向に直交する方向に延出された払出経路に向けて送り出される搬送物が複数の回転ローラに乗り上げることで、搬送物に対して排出経路の下流側に向けた力が作用し、搬送物の移動方向が徐々に、排出経路に沿った方向に変化する。その結果、従来では、仕分け速度を高速化することで、送り出された搬送物が払出経路に設けたコンベヤ装置から落下することを防止する側壁に衝突する事象が発生していたが、このような事象の発生を抑止することができる。それと同時に、払出経路に配置するコンベヤ装置の幅を、従来よりも狭くすることが可能となる。その結果、搬送設備として設ける払出経路に配置されるコンベヤ装置や払出しシュートをより多く配置することができる。このように、本発明の装置を用いることで、物品の仕分け作業を高速化したときに、送り出された搬送物が払出経路に設けたコンベヤ装置から落下することを防止する側壁に衝突する事象の発生を抑止すると同時に、搬送設備における払出し能力の増強することが可能となり、結果的に、物品に対する仕分効率の高い搬送設備を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に示す仕分けシステムの一例を示す上面図である。
【
図2】搬送台車の構成の一実施形態を示す上面図である。
【
図4】
図2に示す搬送台車を前方から視認したときの図である。
【
図6】クロスソータ用コンベヤユニットにおける搬送速度の一例を示す図である。
【
図7】搬送台車から物品をガイド装置に向けて送り出す際の説明図である。
【
図8】ガイド装置が有する第1モータローラに搬送物が乗り上げた状態を示す説明図である。
【
図9】ガイド装置が有する第1及び第2モータローラの各々に搬送物が乗り上げた状態を示す説明図である。
【
図10】ガイド装置が有する第2モータローラに搬送物が乗り上げた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態について説明する。
図1は、仕分けシステムの一例を示す平面図である。本実施形態の仕分けシステム10は、物流センターなどで用いられる。仕分けシステム10は、投入部15、仕分けコンベヤ装置16、払出部17を含む。投入部15は、投入コンベヤ装置21、計量コンベヤ装置22、合流コンベヤ装置23などを有する。
【0019】
投入コンベヤ装置21は、物流センターに入荷した物品(以下、搬送物と称する)100が作業者の手作業により載置され、仕分けコンベヤ装置16に向けて搬送するコンベヤ装置である。
【0020】
計量コンベヤ装置22は、装置本体に設けた秤(図示省略)を有し、搬送物100を搬送しながら搬送物100の重量を計量する装置である。計量コンベヤ装置22は、上流側及び下流側に搬送物を検知するセンサ(図示省略)を有する。上流側に有するセンサは、投入コンベヤ装置21から送り込まれた搬送物100を検知する。これを受けて、計量コンベヤ装置22は、搬送物100の計量を開始する。また、下流側に有するセンサは、合流コンベヤ装置23に向けて送り出される搬送物100を検知する。これを受けて、計量コンベヤ装置22は、搬送物100の計量を停止する。
【0021】
合流コンベヤ装置23は、仕分けコンベヤ装置16へと搬送物100を送り込む。合流コンベヤ装置23は、搬送物100の搬送方向の上流側にゲート23aを有する。ゲート23aは、例えば搬送物100に貼付された送り状に印刷されたバーコードを読み取るバーコードリーダ又は搬送物100に貼付されたRF(Radio Frequency)タグを読み取る読取機等を有する。
【0022】
仕分けコンベヤ装置16は、ループ状(無端状)に連結した多数の搬送台車25をループ状の搬送ルートに沿って走行させる装置である。なお、本実施形態では、仕分けコンベヤ装置16によって搬送物100が搬送される経路が主搬送経路となる。仕分けコンベヤ装置16は、主搬送経路の所定位置に、且つ一対の走行レール26,26間に設置された駆動装置27により駆動される。駆動装置27は、一例として、フリクションドライブ方式の駆動装置である。フリクションドライブ方式の駆動装置は、例えば、特許第4355513号公報に開示されている。フリクションドライブ方式の駆動装置27は、搬送台車25のビーム状リンクの両側面に圧接させる一対のフリクションベルト、一対のフリクションベルトの往き側を搬送台車のビーム状リンクの側面に圧接させる方向に押し付ける多数のフリクションローラ、及び一対のフリクションベルトの各々に対して設けられた一対の減速機付きモータを有する駆動装置である。
【0023】
仕分けコンベヤ装置16は、無端状に連結した多数の搬送台車25を
図1中時計方向(
図1中A方向)に走行させる。各搬送台車25が
図1中A方向に移動する過程で、搬送物100が合流コンベヤ装置23から送り込まれ、対応の搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニット上に載置される。搬送台車25は搬送物100が載置された後も搬送台車25は
図1中A方向に移動する。そして、搬送物100が載置された搬送台車25が所定の払出位置まで移動したときに、クロスソータ用コンベヤユニットが駆動して搬送物100を搬送台車25から払出部17に送り出す。
図1においては、払出部17を3箇所に設けた場合を一例として示す。
【0024】
本実施形態では、搬送物の搬送方向と直交する方向に走行する2つのクロスソータ用コンベヤユニットを搬送物の搬送方向に配置した多数の搬送台車をループ状に接続した仕分けコンベヤ装置を一例として挙げている。しかしながら、仕分けコンベヤ装置としては、搬送物を装置本体の側方へ押し出すスライドシューを備えたスラットコンベヤ装置であってもよい。また、この他に、搬送物の搬送方向における両端部に無端状のベルトを巻き掛けたベルトコンベヤ装置や、複数の搬送ローラを搬送物の搬送方向に配置したローラコンベヤ装置を仕分けコンベヤ装置として用いることも可能である。ベルトコンベヤ装置やローラコンベヤ装置を仕分けコンベヤ装置として配置する場合、仕分けコンベヤ装置にて搬送される搬送物を所定位置で、仕分けコンベヤ装置の側方に押し出す押出装置を払出部の各々に対応して設ける必要がある
ここで、本実施形態の仕分けコンベヤ装置16において、走行ルートを走行する各搬送台車25の速度は、通常120~160m/minである。また、各搬送台車25を高速で走行させる場合、搬送台車25の速度は、例えば240m/minである。
【0025】
以下、搬送台車25の構成について
図1から
図4を用いて説明する。以下、搬送ルートに設けられる一対の走行レールのうち、
図2中左側に配置される走行レールに符号26aを、
図2中右側に配置される走行レールに符号26bを付して説明する。
【0026】
搬送台車25は、搬送台車25の走行方向(
図2中x方向)を長手方向とするビーム状リンク31と、ビーム状リンク31の長手方向に直交して所定の間隔を空けて並置される3本の支持クロスメンバ32,33,34とを、骨格をなすシャーシ部分として有する。
【0027】
ビーム状リンク31は、長手方向に直交する断面が略正方形状で、且つ中空の金属材料からなる部材である。ビーム状リンク31は、搬送台車25の搬送ルートにおける搬送台車25の走行方向の骨格を成しながら、大きな搬送ループのチェーンのコマとして位置付けられる。ビーム状リンク31は、上述したフリクションドライブ方式の駆動装置27が有する一対のフリクションベルトの往き側部分を側面で受け止める部材である。
【0028】
3本の支持クロスメンバ32,33,34は、上記長手方向に直交する断面が上下方向を長辺とする略長方形状で、中空の金属材料からなる部材である。3本の支持クロスメンバ32,33,34のうち、支持クロスメンバ32は側部フレーム40を、支持クロスメンバ33は中央フレーム41を、支持クロスメンバ34は側部フレーム42を、上面に各々保持する。側部フレーム40と中央フレーム41との間には、支持部材44,45が所定の間隔を空けて配置される。なお、図示は省略するが、中央フレーム41と側部フレーム42との間にも同様に支持部材が所定の間隔を空けて配置される。
【0029】
搬送台車25は、クロスソータ用コンベヤユニットとして、ビーム状リンク31の延出方向(搬送台車25の走行方向)に並置される2つのベルトコンベヤユニットを有する。
【0030】
以下、搬送台車25の走行方向における先端側に設けられるベルトコンベヤユニットを第1ベルトコンベヤユニット46と称し、搬送台車25の走行方向における後端側に設けられるベルトコンベヤユニットを第2ベルトコンベヤユニット47と称する。第1ベルトコンベヤユニット46は、側部フレーム40と中央フレーム41との間に形成される空隙部分に側部フレーム40と中央フレーム41とを自身のフレームとして配置される。また、第2ベルトコンベヤユニット47は、中央フレーム41と側部フレーム42との間に形成される空隙部分に中央フレーム41と側部フレーム42とを自身のフレームとして配置される。以下、第1ベルトコンベヤユニット46及び第2ベルトコンベヤユニット47の構成は同一構成となることから、第1ベルトコンベヤユニット46のみの構成について説明し、第2ベルトコンベヤユニット47の構成については省略する。
【0031】
第1ベルトコンベヤユニット46は、側部フレーム40、中央フレーム41の他に、駆動プーリ51、従動プーリ52、複数のローラ53、無端ベルト54、伝達機構55及びサーボモータ56から構成される。ここで、駆動プーリ51、従動プーリ52及び複数のローラ53は、各プーリ及び各ローラ部の頂点が同一の水平面上に位置するように各々配置される。本実施形態では、駆動プーリ51と従動プーリ52との間で、無端ベルト54の上部(搬送物が載置される部分)を下方から支持する部材として複数のローラ53を設けた場合を説明するが、複数のローラ53を設ける代わりに、駆動プーリ51及び従動プーリ52の間に支持板を設けることも可能である。
【0032】
駆動プーリ51は、側部フレーム40及び中央フレーム41の間の空隙部分において、
図2中y方向における右端部に配置される。駆動プーリ51の回転軸の一端部51aは、側部フレーム40から突出している。側部フレーム40から突出した回転軸の一端部51aに、伝達機構55を構成する歯付きプーリ58が固定される。駆動プーリ51は、無端ベルト54が巻き掛けられるローラ部分の両端部にV溝51b,51cを有する。
【0033】
従動プーリ52は、側部フレーム40及び中央フレーム41の間の空隙部分において、
図2中y方向における左端部に配置される。従動プーリ52は、駆動プーリ51と同様に、無端ベルト54が巻き掛けられるローラ部分の長手方向における両端部にV溝52a,52bを有する。
【0034】
複数のローラ53は、駆動プーリ51及び従動プーリ52の間に配置される。また、複数のローラ53は、無端ベルト54の内側面が摺接されるローラ部分の長手方向における両端部にV溝53a,53bを有する。
【0035】
無端ベルト54は、無端ベルト54の幅方向における両端部で、かつ無端ベルト54の内側面の全周に亘って突条(図示省略)が設けられる。これら突条は、無端ベルト54を駆動プーリ51及び従動プーリ52に巻き掛けたときに、各プーリ又は各ローラに設けたV溝に入り込む。これにより、無端ベルト54が走行したときの無端ベルト54の蛇行が防止される。
【0036】
伝達機構55は、2つの歯付きプーリ58,59及び駆動タイミングベルト60から構成される。2つの歯付きプーリ58,59のうち、歯付きプーリ58は側部フレーム40から突出した駆動プーリ51の回転軸の一端部51aに固定され、歯付きプーリ59は、サーボモータ56の回転軸56aに固定される。駆動タイミングベルト60は、2つの歯付きプーリ58,59に巻き掛けられる。したがって、サーボモータ56の回転軸56aに固定される歯付きプーリ59が主動プーリ、側部フレーム40から突出した駆動プーリ51の回転軸の一端部51aに固定される歯付きプーリ58が従動プーリとなる。
【0037】
サーボモータ56は、ブラケット61を介して側部フレーム40に固定される。サーボモータ56は、例えば中央フレーム41と側部フレーム42との間で、且つビーム状リンク31の上面に保持されたサーボアンプ62に電気的に接続される。
【0038】
ここで、搬送台車25が通常の速度(120~160m/min)で走行する場合、第1ベルトコンベヤユニット46及び第2ベルトコンベヤユニット47による搬送物100の搬送速度は、120~140m/min程度である。その一方で、搬送台車25が高速(240m/min)で走行する場合、第1ベルトコンベヤユニット46及び第2ベルトコンベヤユニット47による搬送物100の搬送速度は、190m/min程度である。
【0039】
上述した搬送台車25は、搬送台車25の幅方向における支持クロスメンバ34の両端部に、ガイドホイールユニット65,66を有する。
【0040】
ガイドホイールユニット65は、搬送ルートに設けられる一対の走行レール26のうち、対応する走行レール26aの直進部では頂点、又はカーブ部では頂点近傍で摺接しながら回転する走行ホイール71、走行レール26aの直進部では底点又はカーブ部では底点近傍で摺接されながら回転するガイドホイール72、及び走行レール26aの側方から摺接されながら回転するガイドホイール73を有する。走行ホイール71は、ブラケット74に固定された発電機75の回転軸75aに固定される。走行ホイール71は、搬送台車25の重量を支持して走行レール26aの頂点又は頂点近傍で摺接しながら搬送台車25の重量の大部分を走行レール26aに伝える。また、ガイドホイール72は、走行ホイール71との間が、走行レール26aの外径よりも若干広い間隔を空けて、且つ回転軸が走行ホイール71の回転軸(詳細には、発電機75の回転軸75a)に対して平行となるようにブラケット74に軸支される。また、ガイドホイール73は、回転軸が走行ホイール71及びガイドホイール72の回転軸と直交するようにブラケット74に軸支される。なお、上述したブラケット74は、支持クロスメンバ34に設けたブラケット76に軸支される。
図2中符号77は、ガイドホイールユニット65の回転軸である。
【0041】
発電機75は、走行ホイール71が走行レール26aの頂点又は頂点近傍で摺接しながら回転することを受けて発電する。発電機75が発電することで得られる電力は、サーボアンプ62を介して、第1ベルトコンベヤユニット46,第2ベルトコンベヤユニット47のサーボモータ56に各々供給される。
【0042】
また、本実施形態のガイドホイールユニット65においては、走行ホイール71を発電機75の回転軸75aに固定し、走行ホイール71の回転により発電機75において電力を発生させている。しかしながら、発電機75に代えて、非接触の電力供給機構を用いてもよい。図示は省略するが、非接触の電力供給機構は、例えば走行レール26の外方斜め上方に設けたループコイルと、搬送台車のガイドホイールユニットに設けられ、ループコイルが挿通されるピックアップコイルが内包されたコイル部と、から構成される。この非接触の電力供給機構では、ループコイルは一次コイル、コイル部に内包されたピックアップコイルは二次コイルとして各々機能する。したがって、ループコイルに高周波の電流を流すと、ループコイルと、コイル部に内包されたピックアップコイル間に電磁誘導作用が発生し、ループコイルを流れる高周波の電流がコイル部に内包されたピックアップコイルに伝達される。なお、コイル部に内包されたピックアップコイルに伝達された高周波の電流は、図示を省略したA/D変換器やコンバータなどを介してサーボアンプに供給される。
【0043】
ガイドホイールユニット66は、搬送ルートに設けられる一対の走行レールのうち、走行レール26bの頂点、又は頂点近傍で摺接しながら回転する走行ホイール81、走行レール26bの底点又は底点近傍で摺接されながら回転するガイドホイール82、及び走行レール26bの側方から摺接しながら回転するガイドホイール83を有する。走行ホイール81は、ブラケット85に軸支される。走行ホイール81は、搬送台車25の重量を支持して走行レール26bの頂点、又は頂点近傍で摺接しながら台車重量の大部分を走行レール26bに伝える。また、ガイドホイール82は、走行ホイール81との間が、走行レール26bの外径よりも若干広い間隔を空けて、且つ回転軸が走行ホイール81の回転軸に対して平行となるようにブラケット85に軸支される。また、ガイドホイール83は、回転軸が走行ホイール81の回転軸及びガイドホイール82の回転軸と直交するようにブラケット85に軸支される。なお、上述したブラケット85は、側部フレーム42に設けたブラケット86に軸支される。
図2中符号87は、ガイドホイールユニット66の回転軸である。
【0044】
本実施形態のガイドホイールユニット65,66においては、走行レール26の側方から摺接されながら回転するガイドホイールを1つのガイドホイールとしているが、これに限定される必要はなく、2つのガイドホイールを用いることも可能である。
【0045】
上述したガイドホイールユニット65は、走行ホイール71が走行レール26aの頂点、又は頂点近傍で摺接され、また、ガイドホイール72が走行レール26aの底点、又は底点近傍で摺接されることで、走行レール26aに対する搬送台車25の上下方向に対する位置を規制する。また、ガイドホイール73が走行レール26aの側方から摺接させることで、搬送台車25が走行レール26bに向けて移動することを規制する。ガイドホイールユニット66は、走行ホイール81が走行レール26bの頂点、又は頂点近傍で摺接され、また、ガイドホイール82が走行レール26bの底点、又は底点近傍で摺接されることで、走行レール26bに対する搬送台車25の上下方向に対する位置を規制する。また、ガイドホイール83が走行レール26bの側方から摺接させることで、搬送台車25が走行レール26aに向けて移動することを規制する。したがって、搬送台車25が走行する過程では、搬送台車25は、ガイドホイールユニット65,66により搬送台車25の走行方向が搬送ルートに沿って設置される一対の走行レール26a,26bの延出方向に規制され、また、搬送台車25が走行したときに、搬送台車25が一対の走行レール26a,26bから脱落することを防止する。
【0046】
図1に戻って、払出部17は、補助装置(本発明の仕分け用補助装置に相当)90、排出コンベヤ装置91などを有する。本実施形態では、仕分けコンベヤ装置16から払出部17に送り出された後の搬送物100の経路が払出経路となる。補助装置90は、搬送台車25から送り出された搬送物100の送出方向を、排出コンベヤ装置91における搬送物100の搬送方向に変化させることを補助する装置である。
【0047】
図5に示すように、補助装置90は、一例として、搬送コンベヤ装置101、ガイド装置102を含む。ガイド装置102は、搬送コンベヤ装置101に対して、仕分けコンベヤ装置16の各搬送台車25の走行方向(
図5中A方向)における上流側に配置される。
【0048】
搬送コンベヤ装置101は、搬送台車25から送り出された搬送物100を排出コンベヤ装置91に向けて搬送する。搬送コンベヤ装置101は、例えばベルトコンベヤ装置、ローラコンベヤ装置などが挙げられる。搬送コンベヤ装置101は、装置自体の搬送物100の搬送方向が、例えば仕分けコンベヤ装置16における搬送物100の搬送方向(
図5中A方向)と直交する方向(
図5中C方向)に配置される。ここで、符号103は、落下防止用の側板である。落下防止用の側板103は、仕分けコンベヤ装置16から補助装置90へと搬送物100を送り出す際に、送り出される搬送物100が搬送コンベヤ装置101を横断して落下することを防止する。
【0049】
ガイド装置102は、搬送コンベヤ装置101の幅方向における両端部のうち、仕分けコンベヤ装置16の搬送物100の搬送方向(仕分けコンベヤ装置16の各搬送台車25の走行方向)における上流側に配置される。ガイド装置102は、支持板104と、2つのモータローラ(請求項に記載の複数の回転ローラに相当)105,106を有する。支持板104は、搬送コンベヤ装置101の走行方向における上流側の端部から下流側の端部に向けて幅が狭くなる、例えば三角形状の板である。支持板104は、搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニットから送り出される搬送物100が受け渡される部材である。
【0050】
支持板104は、開口107,108を各々有する。開口107は、モータローラ105を露呈する。同様にして、開口108は、モータローラ106を露呈する。
【0051】
開口107は、搬送台車25のクロスソータ用コンベヤユニットにおける搬送物100の搬送速度が一定速度に到達した後で、搬送台車25から支持板104に向けて送り出される搬送物100の先端側が開口107から露呈するモータローラ105に乗り上げることができる位置に設けられる。
【0052】
図6は、搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニットの駆動により走行する無端ベルト54の速度変化の一例を示す。
図6に示すように、クロスソータ用コンベヤユニットは、サーボモータ56の駆動により駆動プーリ51を回転させることで、駆動プーリ51及び従動プーリ52に巻き掛けた無端ベルト54が走行する。例えばサーボモータ56が駆動を開始した時間をt0とする。サーボモータ56は、時間t1(t0<t1)において、走行する無端ベルト54の走行速度が一定速度(
図6中V1)となるように駆動される。また、サーボモータ56は、時間t2(t1<t2)に到達したときに、時間t3(t2<t3)において、走行する無端ベルト54が停止するように駆動される。
【0053】
ここで、搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニットは、無端ベルト54に載置した搬送物100を、その大きさに関わらず、補助装置90へと確実に送り出す必要がある。つまり、クロスソータ用コンベヤユニットの駆動時に走行する無端ベルト54の走行距離は、搬送台車25の上面視において、少なくとも、搬送台車25の幅方向における一端側から他端側までの距離、言い換えれば搬送台車25の幅分である。本実施形態では、
図6に示すグラフにおいて、時間t0から時間t2までの間に走行する無端ベルト54の距離が、搬送台車25の幅分となるように、無端ベルト54の走行速度や、無端ベルト54が走行を開始してから該一定速度V1に到達するまでの加速度などが設定される。
【0054】
したがって、搬送台車25から送り出される搬送物100は、時間t1から時間t2の間に、支持板104の開口107から上方に突出するモータローラ105に乗り上げることを想定して、開口107又はモータローラ105の位置が設定される。
【0055】
なお、搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニットの無端ベルト54の走行速度が一定速度に到達した後に、該クロスソータ用コンベヤユニットにより搬出される搬送物100の先端側が第1モータローラ105に乗り上げることができればよいので、搬送物100は、先端側が支持板上に位置する一方で、後端側がクロスソータ用コンベヤユニット上に載置されていてもよいし、搬送物100の全体が支持板104に受け渡されていてもよい。
【0056】
モータローラ105は、開口107から露呈される部分の最頂点が、支持板104の上面よりも若干上方に突出した状態で、図示を省略した軸受け用ブラケットにより軸支される。モータローラ106も、モータローラ105と同様にして、開口108から露呈される部分の最頂点が、支持板104の上面よりも若干上方に突出した状態で、図示を省略した軸受け用ブラケットにより軸支される。ここで、2つのモータローラ105,106は、回転軸方向が水平方向に平行となるように配置される。以下、搬送コンベヤ装置101の上流側に配置されるモータローラ105を第1モータローラ105、搬送コンベヤ装置101の下流側に配置されるモータローラ106を第2モータローラ106と称する。ここで、第1モータローラ105及び第2モータローラ106は、搬送物100が乗り上げたときに、各ローラ表面が搬送物100の底面に対して滑る場合があり、このような場合には、各モータローラの回転による力を搬送物100に伝達することができない。したがって、第1モータローラ105及び第2モータローラ106の外周面に、全周に亘って、滑り止め用のテープなどの滑り止め部材を設けることも可能である。なお、各モータローラの外周面が搬送物100の底面に対して滑らない場合には、上述した滑り止め部材を設ける必要はない。
【0057】
第1モータローラ105は、搬送台車25のクロスソータ用コンベヤユニットにより仕分けコンベヤ装置16の側方に向けて搬送される搬送物100の底面が摺接され、第1モータローラ105のローラ部分の回転により発生する接線方向の力により搬送物100の移動方向を搬送コンベヤ装置101における搬送方向に近づけるように搬送物100を引き込む。
【0058】
また、第2モータローラ106は、第1モータローラ105により搬送物100が引き込まれる過程で搬送物100の底面が摺接され、第2モータローラ106のローラ部分の回転により発生する接線方向の力により搬送物100の移動方向を搬送コンベヤ装置101のベルトの走行方向に近づけるように搬送物100を引き込む。
【0059】
第1モータローラ105は、
図5に示す上面視において、第1モータローラ105の回転軸方向における仕分けコンベヤ装置16の搬送方向下流の側端部が、仕分けコンベヤ装置16に向けて近接するように配置される。つまり、第1モータローラ105は、回転軸(L1)方向が走行する搬送台車25から補助装置90へと搬送物100が送り出されるときの搬送物100の移動方向と交差するように配置される。このように、第1モータローラ105を配置することで、補助装置90に送り出された搬送物100に対して、搬送物100の移動方向と交差する方向(搬送台車から離れる方向)の力を搬送物100に与えて、搬送物100が脱落防止板に向けて移動することを防止する。ここで、第1モータローラ105の回転軸(L1)方向と、仕分けコンベヤ装置16における搬送方向(
図5中A方向)とがなす角度は、例えば角度θ
1である。
【0060】
第2モータローラ106は、
図5に示す上面視において、仕分けコンベヤ装置16に対して、第1モータローラ105よりも離れた位置に配置される。第2モータローラ106は、回転軸(L2)方向における仕分けコンベヤ装置16の搬送方向上流の側端部を第1モータローラ105に近接させ、仕分けコンベヤ装置16の搬送方向下流の側端部は第1モータローラ105との距離を広げるように配置される。ここで、第1モータローラ105の回転軸(L1)と、第2モータローラ106の回転軸(L2)とがなす角度は、例えば角度θ
2である。
【0061】
本実施形態では、補助装置90を、搬送コンベヤ装置101及びガイド装置102を有する構成としているが、ガイド装置の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば払出しシュート及びガイド装置を有する補助装置としてもよい。
【0062】
図1に再度戻って、排出コンベヤ装置91は、補助装置90により搬送方向が変更された搬送物100を、後段の払出しシュート(図示省略)に向けて搬送する。ここで、補助装置90が有する搬送コンベヤ装置101及び排出コンベヤ装置91は、各コンベヤ装置の搬送面が搬送台車25のクロスソータ用コンベヤユニットの搬送面と同一平面となるように配設される。
【0063】
次に、仕分けコンベヤ装置16の搬送台車25のクロスソータ用コンベヤユニットに載置された搬送物100を、排出コンベヤ装置91に搬送するときの作用について説明する。以下、仕分けコンベヤ装置16における搬送台車25の走行速度をV2(V2>V1)とした場合を説明する。
【0064】
搬送物100が送り込まれる投入位置に搬送台車25が到達する直前で、搬送台車25のクロスソータ用コンベヤユニットが駆動を開始する。そして、投入位置に到達したときに、投入部15が有する合流コンベヤ装置23によって搬送物100が対応の搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニットに送り込まれる。このとき、クロスソータ用コンベヤユニットは、無端ベルト54が搬送台車25の幅分走行した後、駆動を停止する。
【0065】
仕分けコンベヤ装置16は引き続き駆動しており、搬送台車25は搬送ルートに沿って走行する。そして、搬送台車25が搬送物100を送り出す払出部17に到達すると、搬送物100を載置したクロスソータ用コンベヤユニットが駆動を開始する。その結果、クロスソータ用コンベヤユニットに載置される搬送物100が、払出部17が有する補助装置90に向けて送り出される。
【0066】
図7に示すように、仕分けコンベヤ装置16の上面視において、搬送物100は、無端ベルトの走行時に搬送物100にかかる力F1と、搬送台車25の走行時に搬送物に掛かる力F2との合力F3の影響を受ける。したがって、搬送物100は、合力F3が作用する方向に移動する。
【0067】
走行する搬送台車25から払出部17に向けて送り出される搬送物100は、先端側から支持板104に受け渡される。そして、搬送台車25が有するクロスソータ用コンベヤユニットの走行における搬送物100の搬送速度(言い換えれば、無端ベルト54の走行速度)が一定速度に到達した後、払出部17に送り出される搬送物100は、開口107から上方に突出した第1モータローラ105に乗り上げる(
図8参照)。
【0068】
図8に示すように、第1モータローラ105は一定の回転速度にて回転される。したがって、搬送物100が第1モータローラ105に乗り上げると、搬送物100には、第1モータローラ105の回転による接線方向の力F4が働く。したがって、支持板104に受け渡される搬送物100は、上記F3及びF4の合力F5が作用する。したがって、搬送物は、ベルトコンベヤユニットから送り出される搬送物の送出し方向の力と、第1モータローラの回転による接線方向の力とが作用する。その結果、第1モータローラ105に乗り上げた搬送物100は、合力F5が作用する方向に移動し始める。
【0069】
搬送物100が第1モータローラに乗り上げた後も、搬送物100は、合力F5が作用する方向に移動する。その際に、
図9に示すように、搬送物100は第2モータローラ106に乗り上げる一方で、搬送物の後端側がクロスソータ用コンベヤユニットの無端ベルト54から完全に送り出される。したがって、搬送物100が第2モータローラ106に乗り上げると、搬送物100には、第1モータローラ105の回転による接線方向の力F4と、第2モータローラ106の回転による接線方向の力F6との合力F7が搬送物100に対して新たに作用する。このとき、搬送物100にはすでに力F5が作用しているので、搬送物100は、力F5と、新たに搬送物100に作用する力F7との合力F8が作用する方向に移動する。
【0070】
図10に示すように、合力F8が作用する方向に搬送物100が移動する過程で、搬送物100の幅方向における一端部が搬送コンベヤ装置101の無端ベルト110上に受け渡される。その一方で、搬送物100は、第1モータローラ105の乗り上げが解除される。ここで、無端ベルト110は、
図10中C方向に走行している。したがって、搬送物100には、第2モータローラ106の回転による接線方向の力F6と、無端ベルト110の走行に伴った力F9とが作用するので、これら力の合力F10が搬送物100に対して新たに作用する。このとき、搬送物100にはすでに力F8が作用しているので、搬送物100は、力F8と、新たに搬送物100に作用する力F10との合力F11が作用する方向に移動する。
【0071】
そして、搬送物100が合力F11の作用する方向に移動する過程で、搬送物100は、後端側における第2モータローラ106への乗り上げが解除され、また、搬送物100の全体が搬送コンベヤ装置101の無端ベルト110上に移動する。このとき、搬送物100は、搬送台車25の走行方向における力が作用しているため、搬送物100は、搬送コンベヤ装置101の幅方向に移動し、搬送台車25の走行方向における力が、搬送コンベヤ装置101の無端ベルト110と搬送物100の底面との間に働く摩擦力と同一となった時点で、搬送コンベヤ装置101の幅方向への移動が停止される。
【0072】
このように、搬送物100は、走行する搬送台車25から送り出された後、補助装置90のガイド装置102に設けた第1モータローラ105及び第2モータローラ106により、送出方向に対して所定の角度、仕分けコンベヤ装置16の搬送方向上流側に振られた方向に送り出される。これは、仕分けコンベヤ装置16における搬送物100の仕分け作業を高速化した場合であっても同様である。したがって、排出コンベヤ装置からの脱落、また、排出コンベヤ装置に設けた落下防止用の側板に走行する搬送物が衝突して、搬送物が破損する事象の発生を抑止することが可能となる。
【0073】
また、補助装置90は、搬送物100の移動方向を搬送コンベヤ装置101における搬送物100の搬送方向に近づけるように変更するので、搬送コンベヤ装置101や、後段の排出コンベヤ装置や払出しシュートの幅を、従来の幅よりも狭くできる。詳細には、仕分けコンベヤ装置における各搬送台車の走行速度や第1ベルトコンベヤユニット46及び第2ベルトコンベヤユニット47による搬送物100の搬送速度を高速に設定した上で、搬送物を仕分ける場合、後段の排出コンベヤ装置や払出しシュートの幅は1500mm程度必要となる。その一方で、本実施形態の補助装置を設けた場合、後段の排出コンベヤ装置や払出しシュートの幅は、例えば1000mm程度に抑えることが可能となる。したがって、複数の払出部を設置した場合、仕分けシステムは、より多くの払出部を設置できる。
【符号の説明】
【0074】
10…仕分けシステム、15…投入部、16…仕分けコンベヤ装置、17…払出部、25…搬送台車、46…第1ベルトコンベヤユニット、47…第2ベルトコンベヤユニット、54…無端ベルト、56…サーボモータ、90…補助装置、101…搬送コンベヤ装置、102…ガイド装置、104…支持板、105…第1モータローラ、106…第2モータローラ、107,108…開口