(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ケーブルカッター
(51)【国際特許分類】
H02G 1/12 20060101AFI20240312BHJP
B23D 21/08 20060101ALI20240312BHJP
B23D 21/02 20060101ALI20240312BHJP
B26B 27/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H02G1/12 029
B23D21/08 Z
B23D21/02 B
B26B27/00 G
(21)【出願番号】P 2020040053
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 淳平
(72)【発明者】
【氏名】廣岡 慶之
(72)【発明者】
【氏名】藤牧 圭人
(72)【発明者】
【氏名】大河原 漱
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-052089(JP,U)
【文献】実公昭42-016908(JP,Y1)
【文献】実開昭60-104802(JP,U)
【文献】実開昭63-097322(JP,U)
【文献】実開昭55-141223(JP,U)
【文献】中国実用新案第205666559(CN,U)
【文献】特開2018-196254(JP,A)
【文献】特開平4-112608(JP,A)
【文献】米国特許第3398610(US,A)
【文献】特開2019-68685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
B23D 21/08
B23D 21/02
B26B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体と前記導体を被覆する絶縁カバーとを備えるケーブルの前記絶縁カバーを切断するケーブルカッターであって、
前記ケーブルを前記ケーブルの軸方向に挿通させるように構成された挿通部と、
前記挿通部内において前記ケーブルの前記絶縁カバーに前記ケーブルの軸方向に沿って切断線を形成するように構成された刃と、
前記挿通部から、前記挿通部への前記ケーブルの挿通方向に突出した第1把持部と、
前記挿通部から、前記第1把持部とは反対側に突出した第2把持部と、
を備え
、
前記第1把持部及び前記第2把持部は、前記挿通部と連通した円筒状であり、前記挿通部、前記第1把持部、及び前記第2把持部は、前記ケーブルが、前記第2把持部の内部を通過して前記挿通部に進入し、その後、前記第1把持部を通過して、前記ケーブルカッターを抜けるように、1つの円筒体を構成している、ケーブルカッター。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブルカッターであって、
前記挿通部に挿通された前記ケーブルの径方向に前記刃を移動させる調整機構をさらに備える、ケーブルカッター。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載のケーブルカッターであって、
前記刃は、前記挿通部に挿通された前記ケーブルの中心軸を含む仮想平面と直交する回転軸を中心に回転する、ケーブルカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブルカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
導体が絶縁カバーで被覆された通信ケーブル(特許文献1参照)の接続作業では、ケーブルの端部において絶縁カバーを剥離して導体を露出させる必要がある。ケーブルの端部から絶縁カバーを剥離するには、絶縁カバーに周方向の切込みと、軸方向の切込みとを設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周方向の切込みについては、公知のパイプカッターによって、安全かつ容易に形成することができる。一方、軸方向の切込みは、ナイフ型のカッターを用いて形成する必要がある。
【0005】
しかし、上述した通信ケーブルや電力ケーブルは、径が大きく絶縁カバーの厚みが大きい。そのため、ナイフ型のカッターでケーブルの軸方向に絶縁カバーを切断するには、多大な労力を要する。また、使用者がカッターで傷を負うおそれがある。
【0006】
本開示の一局面は、絶縁カバーをケーブルの軸方向に切断する作業の効率と安全性とを高められるケーブルカッターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、導体と導体を被覆する絶縁カバーとを備えるケーブルの絶縁カバーを切断するケーブルカッターである。ケーブルカッターは、ケーブルをケーブルの軸方向に挿通させるように構成された挿通部と、挿通部内においてケーブルの絶縁カバーにケーブルの軸方向に沿って切断線を形成するように構成された刃と、を備える。
【0008】
このような構成によれば、挿通部にケーブルを軸方向に通過させることで、挿通部内において絶縁カバーが刃によって軸方向に切断される。そのため、ケーブルカッターをケーブルに対してケーブルの軸方向に相対的に動かすことで、効率よく絶縁カバーを切断できる。また、挿通部内で絶縁カバーが切断されるため、使用者の安全性が高まる。
【0009】
本開示の一態様は、挿通部に挿通されたケーブルの径方向に刃を移動させる調整機構をさらに備えてもよい。このような構成によれば、ケーブルを挿通部に通してから刃を絶縁カバーに当てることができるため、ケーブル挿通時の作業効率が向上する。また、ケーブルの外径及び絶縁カバーの厚みが異なる複数種類のケーブルに対して、1つのケーブルカッターを共通して使用することができる。
【0010】
本開示の一態様は、挿通部から、挿通部へのケーブルの挿通方向又は挿通方向と直交する方向に突出した把持部をさらに備えてもよい。このような構成によれば、把持部を使用者が把持することで、ケーブルをケーブルカッターに対して相対移動させ易くなるため、絶縁カバーの切断作業の効率が向上する。
【0011】
本開示の一態様は、刃は、挿通部に挿通されたケーブルの中心軸を含む仮想平面と直交する回転軸を中心に回転してもよい。このような構成によれば、刃が絶縁カバーを切断する際の抵抗が低減されるため、絶縁カバーの切断作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1Aは、実施形態におけるケーブルカッターの模式的な平面図であり、
図1Bは、
図1Aのケーブルカッターの模式的な正面図であり、
図1Cは、
図1Aのケーブルカッターの模式的な側面図である。
【
図2】
図2Aは、絶縁カバーが切断される前のケーブルの模式図であり、
図2Bは、
図1Aのケーブルカッターによって絶縁カバーが切断された後のケーブルの模式図である。
【
図3】
図3Aは、
図1Aのケーブルカッターにおける刃及び調整機構の模式的な正面図であり、
図3Bは、
図1Aのケーブルカッターにおける刃及び調整機構の模式的な側面図である。
【
図4】
図4Aは、
図1Aのケーブルカッターの使用状態を示す模式的な平面図であり、
図4Bは、
図1Aのケーブルカッターの使用状態を示す模式的な側面図である。
【
図5】
図5Aは、
図1Aとは異なる実施形態におけるケーブルカッターの模式的な平面図であり、
図5Bは、
図5Aのケーブルカッターの模式的な正面図であり、
図5Cは、
図5Aのケーブルカッターの模式的な側面図である。
【
図6】
図6Aは、
図5Aのケーブルカッターの使用状態を示す模式的な平面図であり、
図6Bは、
図5Aのケーブルカッターの使用状態を示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1A,1B,1Cに示すケーブルカッター1は、
図2Aに示すケーブルCを他のケーブル又は端子へ電気的に接続する際に用いられる。
【0014】
具体的には、ケーブルカッター1は、ケーブルCの端部において導体C1を露出させるために、ケーブルCの絶縁カバーC2をケーブルCの軸方向に切断するように構成されている。
【0015】
ケーブルCは、導体C1と、導体C1を被覆する絶縁カバーC2とを有する。導体C1は、複数の被覆電線によって構成されていてもよい。ケーブルCは、例えば鉄道施設における通信ケーブル又は電力ケーブルとして使用される。
【0016】
ケーブルカッター1は、挿通部2と、刃3と、支持部4と、調整機構5と、第1把持部6と、第2把持部7とを備える。なお、本実施形態では、ケーブルCの挿通部2への挿通方向をX方向、挿通部2から第1把持部6及び第2把持部7が突出する方向をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0017】
<挿通部>
挿通部2は、ケーブルCをケーブルCの軸方向(つまり長手方向)に挿通させるように構成されている。
【0018】
挿通部2は、ケーブルCが通過する内部空間を有する。具体的には、挿通部2は、ケーブルCが通過可能な円形状の第1開口2A及び第2開口2Bを有する。第1開口2A及び第2開口2Bそれぞれの直径は、ケーブルCの外径よりも大きい。
【0019】
ケーブルCは、第1開口2Aを通過して挿通部2内に進入し、第2開口2Bを通過して挿通部2から抜け出る。第1開口2Aと第2開口2BとはX方向に離間して配置されている。
【0020】
<刃>
刃3は、挿通部2内においてケーブルCの絶縁カバーC2と当接することで、絶縁カバーC2にケーブルCの軸方向に沿って切断線を形成するように構成されている。
【0021】
図3A,3Bに示すように、刃3は、挿通部2に挿通されたケーブルCの中心軸を含む仮想平面(つまりX-Z平面)と直交する回転軸Pを中心に回転する。具体的には、刃3は、後述する調整機構5の軸部5Dに軸回転可能に支持されている。
【0022】
刃3は、挿通部2をケーブルCが通過する際にケーブルCの絶縁カバーC2に当接することで、挿通部2内において軸回転しながら絶縁カバーC2をケーブルCの軸方向(つまりX方向)に切断する。刃3の回転軸P及び厚み方向は、それぞれY方向と平行である。
【0023】
刃3は、X方向において、挿通部2の第1開口2Aと第2開口2Bとの間に配置されている。刃3は、後述する調整機構5によって、挿通部2の内部と挿通部2の外部との間をZ方向に移動する。
【0024】
刃3の先端(つまり刃先)は、ケーブルCの軸方向と平行である。そのため、刃3は、ケーブルCの軸方向に沿ってのみ絶縁カバーC2を切断可能である。また、刃3の先端は、ケーブルCの径方向から視て、ケーブルCの導体C1と重なる位置、好ましくはケーブルCの中心軸と重なる位置に配置される。
【0025】
<支持部>
図1B,1Cに示す支持部4は、挿通部2からZ方向に突出する筒状の部位である。支持部4は、中心軸がZ方向と平行となるように配置されている。支持部4は、後述する調整機構5の一部を収納している。
【0026】
<調整機構>
調整機構5は、挿通部2に挿通されたケーブルCの径方向(本実施形態におけるZ方向)に刃3を移動させる。
図3A,3Bに示すように、調整機構5は、つまみ5Aと、連結部5Bと、移動部5Cと、軸部5Dと、ネジ部5Eと、ナット部5Fとを有する。
【0027】
つまみ5Aは、Z方向と平行な中心軸を中心に回転可能に、連結部5Bに支持されている。つまみ5Aの刃3に近い端部には、ナット部5Fが固定されている。連結部5Bは、支持部4に収納されると共に、支持部4に固定されている。
【0028】
移動部5Cは、ネジ部5E及びナット部5Fを介してつまみ5Aと連結されている。移動部5Cのつまみ5Aとは反対側の端部には、軸部5Dが取り付けられている。移動部5Cの軸部5Dとは反対側の端部は、連結部5B内に収納されている。移動部5Cは、連結部5Bによって、Z方向と平行な中心軸を中心とした回転が規制されている。したがって、ケーブルカッター1における刃3の回転軸Pの向きは一定(つまり常にY方向と平行)である。
【0029】
ネジ部5Eは、Z方向と平行な中心軸を中心に回転可能に、移動部5Cに連結されている。ただし、ネジ部5Eは、移動部5Cに対するZ方向の移動は規制されている。また、ネジ部5Eの移動部5Cとは反対側の端部は、ナット部5Fに螺合されている。
【0030】
ナット部5Fは、つまみ5Aと共にZ方向と平行な中心軸を中心に回転する。ナット部5Fの回転によって、ネジ部5EがZ方向に送られる。そのため、つまみ5Aを回転させることで、ネジ部5Eと連結された移動部5CがZ方向に移動する。
【0031】
<把持部>
第1把持部6は、挿通部2から、挿通部2へのケーブルCの挿通方向と直交する方向(本実施形態におけるY方向)に突出した棒状又は筒状の部位である。
【0032】
第2把持部7は、挿通部2から、第1把持部6とは反対側に突出した円柱状又は円筒状の部位である。第1把持部6と第2把持部7とは、挿通部2をY方向に挟むように配置されている。
【0033】
第1把持部6及び第2把持部7のY方向の長さは、ケーブルカッター1の使用者が把持し易い長さとされる。第1把持部6と第2把持部7とは、Y方向の長さ又は直径が異なっていてもよい。
【0034】
[1-2.使用方法]
次に、ケーブルカッター1の使用方法(つまり、ケーブルカッター1を用いた絶縁カバーC2の切断方法)について説明する。
【0035】
まず、
図2Bに示すように、ケーブルCの絶縁カバーC2に、ケーブルCの周方向に沿った第1切断線L1を形成する。第1切断線L1は、公知のパイプカッターを用いて、周方向に絶縁カバーC2を切断することで形成できる。
【0036】
次に、ケーブルCをケーブルカッター1の挿通部2に挿入する。ケーブルCの挿入時には、調整機構5により、刃3を絶縁カバーC2に当接しない位置に移動させておく。ケーブルCの挿入後、調整機構5により刃3をケーブルCに近づくように動かし、絶縁カバーC2に対しケーブルCの径方向に差し込むように刃3を突き当てる。
【0037】
その後、
図4A,4Bに示すように、ケーブルCをケーブルカッター1に対し相対的にX方向に動かし、挿通部2にケーブルCを通過させることで、絶縁カバーC2にケーブルCの軸方向に沿った第2切断線L2(
図2B参照)が形成される。
【0038】
挿通部2にケーブルCを通過させる際には、使用者は第1把持部6及び第2把持部7を把持する。第1把持部6及び第2把持部7を把持した状態で、ケーブルCをケーブルカッター1に対して動かしてもよいし、ケーブルカッター1をケーブルCに対して動かしてもよいし、ケーブルCとケーブルカッター1との両方を動かしてもよい。
【0039】
使用者は、ケーブルCを周方向に回転(つまり軸回転)させることなく、挿通部2に通過させる。つまり、刃3は、ケーブルCの軸方向(つまりX方向)のみに絶縁カバーC2に対して相対移動することで絶縁カバーC2をケーブルCの軸方向に切開する。刃3は、ケーブルCの周方向において絶縁カバーC2に対して相対移動しない。
【0040】
ケーブルCの端部が挿通部2を通過することで、ケーブルCがケーブルカッター1から外れ、第2切断線L2の形成が完了する。第2切断線L2は、ケーブルCの軸方向と平行である。その後、絶縁カバーC2を第1切断線L1及び第2切断線L2に沿って導体C1から剥がすことで、導体C1が露出する。
【0041】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)挿通部2にケーブルCを軸方向に通過させることで、挿通部2内において絶縁カバーC2が刃3によって軸方向に切断される。そのため、ケーブルカッター1をケーブルCに対してケーブルCの軸方向に相対的に動かすことで、効率よく絶縁カバーC2を切断できる。また、挿通部2内で絶縁カバーC2が切断されるため、使用者の安全性が高まる。
【0042】
(1b)調整機構5により、ケーブルCを挿通部2に通してから刃3を絶縁カバーC2に当てることができるため、ケーブル挿通時の作業効率が向上する。また、ケーブルCの外径及び絶縁カバーC2の厚みが異なる複数種類のケーブルに対して、1つのケーブルカッター1を共通して使用することができる。
【0043】
(1c)挿通部2へのケーブルCの挿通方向と直交する方向に突出した第1把持部6及び第2把持部7を使用者が把持することで、ケーブルCをケーブルカッター1に対して相対移動させ易くなる。その結果、絶縁カバーC2の切断作業の効率が向上する。
【0044】
(1d)刃3が回転式であることで、絶縁カバーC2を切断する際の抵抗が低減される。その結果、絶縁カバーC2の切断作業の効率が向上する。
【0045】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図5A,5B,5Cに示すケーブルカッター11は、
図2Aに示すケーブルCの端部において導体C1を露出させるために、ケーブルCの絶縁カバーC2をケーブルCの軸方向に切断するように構成されている。
【0046】
ケーブルカッター11は、挿通部12と、刃3と、支持部4と、調整機構5と、第1把持部16と、第2把持部17とを備える。刃3、支持部4及び調整機構5は、
図1Aのケーブルカッター1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
<挿通部>
挿通部12は、ケーブルCをケーブルCの軸方向(つまり長手方向)に挿通させるように構成されている。
【0048】
本実施形態の挿通部12は、円筒状の部位である。挿通部12の中心軸は、ケーブルCの中心軸(つまりケーブルCの挿通方向)と平行である。挿通部12の内径は、ケーブルCの外径よりも大きい。
【0049】
<把持部>
本実施形態の第1把持部16は、挿通部12から、挿通部12へのケーブルCの挿通方向(本実施形態におけるX方向)に突出した筒状の部位である。
【0050】
本実施形態の第2把持部17は、挿通部12から、第1把持部16とは反対側に突出した円筒状の部位である。第1把持部16と第2把持部17とは、挿通部12をX方向に挟むように配置されている。
【0051】
挿通部12と、第1把持部16と、第2把持部17とは、1つの円筒体を構成している。ケーブルCは、第2把持部17の内部を通過して挿通部12に進入し、その後、第1把持部16を通過して、ケーブルカッター11から抜け出る。
【0052】
第1把持部16及び第2把持部17のX方向の長さは、ケーブルカッター1の使用者が把持し易い長さとされる。第1把持部16及び第2把持部17それぞれの内径は、ケーブルCの外径よりも大きい。第1把持部16と第2把持部17とは、X方向の長さ又は内径が異なっていてもよい。
【0053】
[2-2.使用方法]
ケーブルカッター11の使用方法は、
図1Aのケーブルカッター1の使用方法と同様である。
【0054】
すなわち、
図6A,6Bに示すように、ケーブルCをケーブルカッター1に対し相対的にX方向に動かし、第1把持部16、挿通部12及び第2把持部17の順でケーブルCを通過させることで、絶縁カバーC2にケーブルCの軸方向に沿った第2切断線L2(
図2B参照)を形成する。
【0055】
ケーブルCを挿通部12に通過させる際には、使用者は第1把持部16及び/又は第2把持部17を把持する。第1把持部16及び/又は第2把持部17を把持した状態で、ケーブルCをケーブルカッター11に対して動かしてもよいし、ケーブルカッター11をケーブルCに対して動かしてもよいし、ケーブルCとケーブルカッター11との両方を動かしてもよい。
【0056】
[2-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)挿通部12へのケーブルCの挿通方向に突出した第1把持部16及び/又は第2把持部17を使用者が把持することで、一人の使用者によってケーブルCをケーブルカッター11に対して相対移動させることが容易になる。その結果、絶縁カバーC2の切断作業の効率が向上する。
【0057】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0058】
(3a)上記実施形態のケーブルカッターにおいて、絶縁カバーを切断する刃は、必ずしも回転式でなくてもよい。つまり、絶縁カバーを切断する刃は、挿通部内に固定されてもよい。
【0059】
(3b)上記実施形態のケーブルカッターは、必ずしも第2把持部を備えなくてもよく、1つの把持部のみを備えてもよい。また、ケーブルカッターは、ケーブルに対して相対移動させることができれば、必ずしも把持部を備えなくてもよい。
【0060】
(3c)上記実施形態のケーブルカッターにおいて、調整機構は、必ずしもネジとナットとを有する必要はない。つまり、調整機構は、ネジ以外の手段によって刃の位置を調整してもよい。また、ケーブルカッターは、必ずしも調整機構を備えなくてもよい。
【0061】
(3d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0062】
1…ケーブルカッター、2…挿通部、2A…第1開口、2B…第2開口、3…刃、
4…支持部、5…調整機構、5A…つまみ部、5B…連結部、5C…移動部、
5D…軸部、5E…ネジ部、5F…ナット部、6…第1把持部、7…第2把持部、
11…ケーブルカッター、12…挿通部、16…第1把持部、17…第2把持部。