(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】圧着ヘッド、これを用いた実装装置および実装方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/603 20060101AFI20240312BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20240312BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01L21/603 C
H01L21/603 B
H01L21/60 311T
H05K3/34 504B
(21)【出願番号】P 2020060779
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今井 宏一
(72)【発明者】
【氏名】陣田 敏行
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-050341(JP,A)
【文献】特開2010-034423(JP,A)
【文献】特開2003-100807(JP,A)
【文献】特開平01-168037(JP,A)
【文献】特開2010-245418(JP,A)
【文献】特開2017-123423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60-21/607
H01L 21/50-21/52
H01L 21/58
H01L 25/00-25/18
H05K 3/32- 3/34
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を基板に実装する圧着ヘッドであって、
温度一定のコンスタントヒータを内蔵するヘッド本体と、
前記ヘッド本体の下部に装着された電子部品を押圧する押圧部材と、
前記ヘッド本体と前記押圧部材との間に介在する弾性部材
とを有するアタッチメントを備え、
前記押圧部材の前記電子部品と対向する面に、前記押圧部材とは異なる材料の積層体を設けた圧着ヘッド。
【請求項2】
電子部品を基板に実装する圧着ヘッドであって、
温度一定のコンスタントヒータを内蔵するヘッド本体と、
前記ヘッド本体の下部に装着された電子部品を押圧する押圧部材と、
前記ヘッド本体と前記押圧部材との間に介在する弾性部材
とを有するアタッチメントを備え、
前記押圧部材と前記電子部品との間に、前記押圧部材とは異なる材料のシート材を配置する圧着ヘッド。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の圧着ヘッドであって、
前記押圧部材と異なる材料の熱伝導率が、前記押圧部材の1/30以下である圧着ヘッド。
【請求項4】
請求項3に記載の圧着ヘッドであって、
前記押圧部材が金属で、前記押圧部材と異なる材料がガラス、セラミックス、または耐熱樹脂である圧着ヘッド。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載の圧着ヘッドであって、
複数個の電子部品を同時に実装することが可能な圧着ヘッド。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドを上下移動可能とし、前記基板に向けた加圧力を付与する加圧手段と、
前記アタッチメントの加圧面を前記基板側から支持する基板ステージとを備えた実装装置。
【請求項7】
請求項6に記載の実装装置であって、
前記圧着ヘッドと前記基板の間に、前記基板と平行にアタッチメント保護フィルムを配置する構成の実装装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の実装装置を用いて、
電極面に熱硬化性接着剤層が形成された前記電子部品を前記基板に実装する実装方法。
【請求項9】
請求項8に記載の実装方法であって、
前記基板の種類に応じて、前記押圧部材と異なる材料の材料または/および厚みを変化させる実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン基板、ガラスエポキシ基板、ガラス基板、等の種々の基板に半導体チップ等の電子部品を多段積層して実装するための圧着ヘッド、これを用いた実装装置および実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップをはじめとする電子部品を基板に実装する手法として、フリップチップ実装が良く知られている。フリップチップ実装は、半導体チップに形成されたバンプを回路基板の電極パッドと位置合わせしてから熱圧着するものである。
【0003】
従来のフリップチップ実装では熱圧着により主にハンダからなるバンプを溶融させながら基板の電極パッドと接合した後に、半導体チップと基板の隙間に液状封止樹脂接着剤を注入して硬化させることが一般的であった。これに対して、昨今では半導体チップのバンプ面に熱硬化性接着剤を主成分とする非導電性フィルム(Non Conductive Film、以下「NCF」と記す)を付着させた状態で、基板に仮固定(仮圧着)してから熱圧着(本圧着)する方法(例えば特許文献1)が注目されている。
【0004】
NCFを用いて仮固定してから熱圧着する手法では、基板S上の全面に半導体チップCを仮固定(
図6(a))してから熱圧着することも可能であり、
図6(b)のように複数の半導体チップCを同時に熱圧着することが可能である。
【0005】
また半導体チップCとして、貫通電極によりバンプ面と反対側に電極を有するものを用いれば、
図7(a)のように、半導体チップCをNCFを介して多段積層状態で仮固定してから
図7(b)のように熱圧着することもでき、所謂3D実装を高効率に行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
NCFを用いた実装において、NCFの硬化状態とバンプの溶融タイミングとの関係が重要であり、熱圧着時のNCF昇温カーブを適切にする必要がある。すなわち、NCFの硬化が不十分な状態でバンプが溶融するとバンプ潰れが生じ、NCFの硬化が進んでからバンプ溶融温度に達するとバンプと基板(または半導体チップ)の電極が接近し難くなり接合不良となる。
【0008】
そこで、NCFが適度に硬化した状態でバンプが溶融するようなNCF昇温カーブが得られるように、
図6および
図7におけるアタッチメント40を加熱するヘッド本体3に内蔵されたヒータ31の温度や、基板ステージ2の温度を適切に設定する必要がある。特に、
図7のように半導体チップCが多段積層されている場合は、多段積層された全ての半導体チップにおけるNCF昇温カーブが許容範囲内になるような設定を行う必要がある。
【0009】
ところが、ヒータ31や基板ステージ2の温度の設定を行っても基板Sの種類が異なると昇温カーブが大きく変わることが判った。すなわち、
図8の基板Aのような適正なNCF昇温カーブが得られたときと同じ条件下で、基板を基板Bとした場合、バンプ溶融温度Tmに達するまでにNCFが硬化してしまい接合不良が生じた。これは、基板Aと基板Bの材質の熱伝導の違いによって生じており、熱伝導率の高い基板Aに比べて熱伝導率の低い基板Bを用いた方がNCFの昇温が早い。
【0010】
更に、多段積層された半導体チップ間におけるNCF昇温カーブの違いが基板Aでは抑えられていたのに対して、基板Bでは広がっている。このため、基板Bにおいて、多段積層された全ての半導体チップにおけるNCF昇温カーブを許容範囲とすることは困難であった。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、半導体チップ等の電子部品を熱硬化性接着剤を介して基板に積層状態で仮固定してから熱圧着を行うのに際して、基板の材質が異なっても、夫々の条件で接合品質に優れた実装が行える圧着ヘッド、これを用いた実装装置および実装方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
電子部品を基板に実装する圧着ヘッドであって、
温度一定のコンスタントヒータを内蔵するヘッド本体と、前記ヘッド本体の下部に装着された電子部品を押圧する押圧部材と、前記ヘッド本体と前記押圧部材との間に介在する弾性部材とを有するアタッチメントを備え、
前記押圧部材の前記電子部品と対向する面に、前記押圧部材とは異なる材料の積層体を設けた圧着ヘッドである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、電子部品を基板に実装する圧着ヘッドであって、
温度一定のコンスタントヒータを内蔵するヘッド本体と、前記ヘッド本体の下部に装着された電子部品を押圧する押圧部材と、前記ヘッド本体と前記押圧部材との間に介在する弾性部材とを有するアタッチメントを備え、
前記押圧部材と前記電子部品との間に、前記押圧部材とは異なる材料のシート材を配置する圧着ヘッドである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の圧着ヘッドであって、
前記押圧部材が金属で、前記押圧部材と異なる材料がガラス、セラミックス、または耐熱樹脂である圧着ヘッドである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の圧着ヘッドであって、
複数個の電子部品を同時に実装することが可能な圧着ヘッドである。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5の何れかに記載の圧着ヘッドと、
前記圧着ヘッドを上下移動可能とし、前記基板に向けた加圧力を付与する加圧手段と、
前記アタッチメントの加圧面を前記基板側から支持する基板ステージとを備えた実装装置である。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の実装装置であって、
前記圧着ヘッドと前記基板の間に、前記基板と平行にアタッチメント保護フィルムを配置する構成の実装装置である。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の実装装置を用いて、
電極面に熱硬化性接着剤層が形成された前記電子部品を前記基板に実装する実装方法である。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の実装方法であって、
前記基板の種類に応じて、前記押圧部材と異なる材料の材料または/および厚みを変化させる実装方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、半導体チップ等の電子部品を熱硬化性接着剤を介して基板に積層状態で仮固定してから熱圧着を行うのに際して、基板の材質が異なっても、夫々の条件で接合品質に優れた実装が行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る圧着ヘッドを用いて多段積層状態で仮固定された半導体チップを実装する様子を説明するものであり、(a)位置合わせ後の状態を示す図であり、(b)熱圧着中の状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る圧着ヘッドの変形例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る圧着ヘッドの効果を説明するための昇温カーブである。
【
図4】本発明を実施形態とは異なる構成で実現する例を示す図である。
【
図5】本発明と同様な効果を実施形態とは異なる手法で実現した例を説明する図である。
【
図6】複数の半導体チップを基板に実装可能な圧着ヘッドについて説明するものであり、(a)位置合わせ後の状態を示す図であり、(b)熱圧着中の状態を示す図である。
【
図7】複数の半導体チップを基板に実装可能な圧着ヘッドを用いて多段積層状態で仮固定された半導体チップを実装する様子を説明するものであり、(a)位置合わせ後の状態を示す図であり、(b)熱圧着中の状態を示す図である。
【
図8】同じ圧着ヘッドを用いても、基板が異なれば昇温カーブが異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る圧着ヘッド1を用いて積層状態の半導体チップCを基板Sに実装する例を示すものである。
図1(a)において、電子部品である半導体チップCは未硬化のNCFを介して基板S上に多段積層状態で仮固定されている。ここでNCFはエポキシ等の熱硬化性接着剤を主成分として絶縁微粒子が分散された非導電性フィルである。また、図示していないが、半導体チップCのバンプと対向する位置には電極パッドが設けてある。なお、
図1では半導体チップCを4段積層した例を示しているが、積層段数はこれに限定されるものではなく、これよりも少なくても良いが、本発明の効果は4段以上積層した場合に有益である。
【0023】
図1(a)は圧着ヘッド1と、基板Sに仮固定された(多段積層状態の)半導体チップCを位置合わせした状態を示してある。
【0024】
圧着ヘッド1は、ヘッド本体3とアタッチメント4によって構成されている。
図1の例において、ヘッド本体3はヘッド筐体30とヒータ31を有し、アタッチメント4は弾性部材41、押圧部材42、支持ホルダ43および積層体44を有している。
【0025】
圧着ヘッド1は図示しない加圧手段により、上下動するとともに、半導体チップCに所定の加圧力を印加するように駆動される。
【0026】
圧着ヘッド1は、基板S上の複数個所の半導体チップCを同時に熱圧着するものであり、半導体チップCの厚みバラツキやバンプBの高さバラツキに対応するため、同時に押圧する数に応じた弾性部材41、押圧部材42、および積層体44を有しており、耐熱性ゴム等から成る弾性部材41が押圧時の高さバラツキ吸収を担っている。
【0027】
熱圧着に際して、ヘッド本体3に内蔵されたヒータ31により発せられた熱は、ヘッド筐体31と、弾性部材41、押圧部材42を経て積層体44に伝わる。ここで、弾性部材41の材質は一般的に熱伝導度が低いため、押圧部材42には伝熱性の高い材質が用いられる。具体的には、アルミや銅があげられるが、これに限定されるものではなく熱伝導性、加工性、寸法安定性、価格等を考慮して選定すればよい。
【0028】
支持ホルダ43は、弾性部材41の変形によってよって生じる加圧面の傾きを抑制して平行度を保つものである。
【0029】
積層体44は、
図6、
図7に示した構成にはなく、本発明が有する構成要素である。積層体44は圧着ヘッド1の加圧面を構成するものであり、押圧部材42を経由した熱流を規制する役割を担う。このため、積層体44の材質は、熱伝導率を押圧部材42より小さくする必要があり、厚みを薄くすることを考慮するなら1/30以下が望ましい。具体的な材質としては、ガラス、セラミックス、耐熱樹脂がある。
【0030】
基板ステージ2は、圧着ヘッド1によって加圧される範囲を基板S側から支持するものであり、ヒーターを内蔵していてもよい。
【0031】
ところで、アタッチメント4が直接半導体チップCを加熱しながら加圧すると、加熱されて軟化したNCFが周囲にはみ出して、アタッチメント4の加圧面を汚すことがある。アタッチメント4の加圧面が汚れると加圧面に凹凸や傾きが生じて、次回以降の加圧時に不都合を生じることがある。そこで、アタッチメント保護フィルム5が、NCFがアタッチメント4の表面に付着することを防ぐために用いられる。アタッチメント保護フィルム5は加圧面と平行に配置され、図示していない搬送機構により、順次搬送される。
【0032】
アタッチメント保護フィルム5は、耐熱性とNCFに対する離型性からフッ素フィルムが好ましい。また、アタッチメント保護フィルムの厚みは搬送時、熱圧着時において破れない最低限度の厚みを有している必要があり、具体的には20μm以上である。
【0033】
以上の、圧着ヘッド1、基板ステージ2、アタッチメント保護フィルム5を供給する機構および圧着ヘッド1を駆動する加圧手段は実装装置の構成要素である。
【0034】
図1(b)は、
図1(a)に示した実装装置の構成において、圧着ツール1により熱圧着を行っている状態を示すものである。
図1(b)においてT1は基板Sから1段目の半導体チップCの測定温度を示し、T4は4段目の半導体チップCの測定温度を示している。ここで、各半導体チップCの測定温度は、各半導体チップCのNCF温度とほぼ等しい。
【0035】
ところで、
図1において、ヒータ31として温度一定のコンスタントヒータを用いており、基板Sとしてシリコン基板を用い適正化した条件になっている。このような条件で、基板Sとしてガラスエポキシ基板を用いたときの、各半導体チップCの測定温度をグラフ化したのが
図3である。
【0036】
図3において、T1AおよびT4Aは、積層体44を有しない、従来構成のアタッチメント40を用いたときのT1およびT4を示したものであり、バンプの溶融温度Tmに到達するまでの時間が短く、バンプ潰れが生じている。更に、T1AとT4Aのカーブに違いが生じており、NCF昇温カーブにも違いが生じている。
【0037】
一方、
図3において、T1BおよびT4Bは、積層体44として厚み880μmのガラスを用いたときのT1およびT4を示したものである。T1BおよびT4Bは、カーブの違いはT1AとT4Aに比べて小さくなっていることに加えて、熱圧着開始で温度上昇が始まってからバンプ溶融温度Tmに達するまでの時間が(T1A、T4Aの約2秒に比べて)長くなり、約4.5秒になった。これは、基板Sとしてシリコン基板を用いた場合とほぼ同じになり、1段目の半導体チップCから4段目の半導体チップCの何れもが、バンプ潰れも接続不良もない良好な接合となった。
【0038】
また、
図3において、T1CおよびT4Cは、積層体44として厚み300μmのフッ素樹脂を用いたときのT1およびT4を示したものである。T1CおよびT4Cは、T1BとT4Bと温度上昇のカーブは異なるものの熱圧着開始で温度上昇が始まってからバンプ溶融温度Tmに達するまでの時間が約4.5秒になった。この結果、1段目の半導体チップCから4段目の半導体チップCの何れもが、バンプ潰れも接続不良もない良好な接合が得られた。
【0039】
以上のように、従来のアタッチメントの加圧面に、アタッチメントの押圧部材と異なる材料の積層体を設けることにより、基板Sの種類が異なっても、ヒータ温度等の条件を変えずとも、多段の半導体チップCを品質バラツキなく接合することが可能ななる。
【0040】
なお、押圧部材に積層体を設けるのに際しては、耐熱性接着剤を用いることが出来るが、接着強度に優れるだけではなく、長期耐久性も考慮して選定する必要がある。
【0041】
図1の実施形態において積層体44としてフッ素樹脂を用いると、フッ素樹脂の柔軟性が活かせるので、個々の押圧部材42毎に個別に積層体44を設けるのではなく、
図2の変形例のように複数の押圧部材42を覆うように、押圧部材と異なる材質のシート材45を配置してもよい。この場合、押圧部材42にシート材45を積層する必要はなく、熱圧着を行う都度、押圧部材44の下にシート材45を配置する構成としてもよい。
【0042】
また、
図1、
図2の例では、1つのヘッド本体3が複数の半導体チップCを加圧する構成となるアタッチメント4を有しているが、
図4のように1つのヘッド本体3毎に1つの半導体チップCを加圧するアタッチメント4として、複数のヘッド本体3を有する圧着ヘッドとする構成でもよい。
【0043】
ところで、積層体44またはシート材45がフッ素樹脂の場合、アタッチメント保護フィルム5と同材料の積層、すなわち厚みが増したのと同等な状態となる。そこで、アタッチメント保護フィルム5の厚みによる効果を検証したのが
図5である。
図6および
図7に示したアタッチメント40を用いてアタッチメント保護フィルム5(図における表記は「断熱シート」)の厚みが30μmとした場合の温度カーブが
図5(a)であるのに対して、厚みを360μmとした場合の温度カーブが
図5(b)となることから、積層体44の厚みを300μmとした場合と同様な傾向が現れることが判った。ただし、アタッチメント保護フィルム5は1回の熱圧着毎に搬送する必要がある消耗品であるため、プロセスコストの上昇を伴う。
【符号の説明】
【0044】
1 圧着ヘッド
2 基板ステージ
3 ヘッド本体
4、40 アタッチメント
5 アタッチメント保護フィルム
30 ヘッド筐体
31 ヒータ
41 弾性部材
42 押圧部材
43 支持ホルダ
44 積層体
45 シート材
B バンプ
C 半導体チップ
S 基板
NCF 熱硬化性接着フィルム
T1 基板側から1段目の半導体チップの温度
T4 基板側から4段目の半導体チップの温度