(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電線、集合線およびそれを備える素子
(51)【国際特許分類】
H01B 7/02 20060101AFI20240312BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01B7/02 E
H01B7/00
(21)【出願番号】P 2020072084
(22)【出願日】2020-04-14
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 勝哉
(72)【発明者】
【氏名】黒川 満央
(72)【発明者】
【氏名】近藤 彰彦
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102290146(CN,A)
【文献】特開平07-296647(JP,A)
【文献】特開平07-220533(JP,A)
【文献】特開2003-151754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/02
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を通ずる炭素繊維を含む心線と、
前記心線の外周に配置され、炭化物繊維および酸化物繊維の少なくとも1種のうち体積抵抗率が1×10
6Ω・cm以上である無機繊維と、を備え、
前記無機繊維からなる層の平均厚さは20μm以上であ
り、
前記心線および前記無機繊維は、有機化合物の含有率が1wt%以下である電線。
【請求項2】
前記心線の断面積は、前記無機繊維の断面積の1.2倍以上である請求項1記載の電線。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の電線を複数集めた集合線。
【請求項4】
請求項
3記載の集合線を巻いたコイルを備える素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電線、集合線およびそれを使った素子に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維を用いた心線をフッ素樹脂又はポリエチレンで覆った電線が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記技術では、電線の温度が上昇し、心線を覆うフッ素樹脂やポリエチレンが分解したり軟化したりすると絶縁が低下するという問題点がある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、温度が上昇したときの絶縁の低下を低減できる電線、集合線およびそれを備える素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の電線は、電流を通ずる炭素繊維を含む心線と、心線の外周に配置され、炭化物繊維および酸化物繊維の少なくとも1種のうち体積抵抗率が1×106Ω・cm以上である無機繊維と、を備え、無機繊維からなる層の平均厚さは20μm以上である。本発明の集合線は、前記電線を複数集めたものである。本発明の素子は、前記集合線を巻いたコイルを備える。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の電線によれば、炭化物繊維および酸化物繊維の少なくとも1種のうち体積抵抗率が1×106Ω・cm以上である無機繊維からなる層の平均厚さは20μm以上である。炭化物繊維や酸化物繊維が分解する温度は、フッ素樹脂やポリエチレンが分解したり軟化したりする温度より高いので、絶縁を確保しつつ電線の温度が上昇したときの絶縁の低下を低減できる。
心線および無機繊維は有機化合物の含有率が1wt%以下である。心線および無機繊維に含まれる有機化合物が熱分解して生成される導電性の炭素の量を低減できるので、電線の絶縁の低下や抵抗値の変化を低減できる。
【0008】
請求項2記載の電線によれば、心線の断面積は無機繊維の断面積の1.2倍である。これにより請求項1の効果に加え、心線の抵抗値を低減できる。
【0010】
請求項3記載の集合線によれば、前記電線が複数集まっているので、請求項1又は2の効果に加え、抵抗値をさらに低減できる。請求項4記載の素子によれば、前記集合線を巻いたコイルを備えるので、請求項3と同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1のII-II線における電線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は一実施の形態における電線10の側面図である。
図1では電線10の端を含む部分が図示されており、それ以外の部分の図示が省略されている。
図1に示すように電線10は、心線11と、心線11の外周に配置された無機繊維13と、を備えている。
【0013】
本実施形態では、心線11は炭素繊維の単繊維12を束ねた繊維束である。炭素繊維の繊維束は、引き揃え線、撚り線、編組線などが採用され得る。繊維束を用いないで、心線11は炭素繊維の単一の繊維(単繊維)でも構わない。
【0014】
心線11を構成する炭素繊維は、実質的に炭素元素だけからなる繊維状の炭素材料である。この繊維状の炭素材料は、有機繊維を焼成して得られる炭素含有率が90%以上の繊維である。炭素繊維には、原料となる有機繊維の違いによりポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維があるが、両方とも心線11として用いることができる。単繊維12の直径は例えば5~20μmである。
【0015】
無機繊維13は、心線11を絶縁する繊維であり、炭化物繊維および酸化物繊維の少なくとも1種のうち体積抵抗率が1×106Ω・cm以上の繊維である。無機繊維13の体積抵抗率は、JIS R7609:2007に準拠して求められる。無機繊維13の形態は、炭化物繊維だけが無機繊維13を構成するもの、酸化物繊維だけが無機繊維13を構成するもの、炭化物繊維および酸化物繊維の両方が無機繊維13を構成するものがある。
【0016】
無機繊維13に含まれる炭化物繊維を構成する炭化物としては、例えばSiC,Si-N-C,Si-Ti-C-O等が挙げられる。無機繊維13に含まれる酸化物繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維が挙げられる。ガラス繊維を構成するガラスとしては、例えばシリカガラス、シリカを主成分としアルミナやカルシア等を含むガラスが挙げられる。セラミック繊維を構成する酸化物としては、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。無機繊維13の種類はX線回折(XRD)によって分析できる。
【0017】
無機繊維13は、本実施形態では、炭化物繊維や酸化物繊維の単繊維を撚り合わせてヤーンとし、ヤーンを集めてストランドとしたものを心線11の外周に配置したものである。無機繊維13のストランドを心線11の外周に配置する手段としては、心線11を中心にストランドを撚り合わせるものや、心線11を中心にストランドを編組にするものが挙げられる。ストランドを作らずに、心線11を包むように無機繊維13のヤーンを配置しても良い。ヤーンを作らずに、心線11を包むように無機繊維13の長繊維を配置しても良い。無機繊維13の長繊維をストランドとしたものを心線11の周りに配置しても良い。
【0018】
心線11の周囲には、炭化物繊維や酸化物繊維(不燃性繊維)からなる無機繊維13の他、耐熱性繊維を配置しても良い。耐熱性繊維としては、例えば芳香族ポリアミド繊維(アラミド)、ポリベンゾイミダゾール繊維等が挙げられる。さらに心線11を覆う無機繊維13の全体を、合成樹脂製のシース(外皮)で被覆しても良い。電線10の構造は、電線10の断面から、電子線マイクロアナライザ(EPMA)の波長分散型分光器(WDS)を用いて特定できる。
【0019】
図2は
図1のII-II線における電線10の断面図である。
図2に示すように心線11は無機繊維13に包まれている。無機繊維13による心線11の被覆率は、90%以上が好ましい。被覆率とは、電線10を輪切りにした断面において、無機繊維13(炭化物繊維および酸化物繊維の少なくとも1種)を心線11の径方向から心線11の外周へ投影したときの投影線の長さが、心線11の外周(全周)の長さに占める割合である。本実施形態では無機繊維13による心線11の被覆率は100%である。心線11の被覆率が90%未満であると、隣り合う無機繊維13の間から心線11が露出する面積が大きくなり、電線10の絶縁が低下することがある。
【0020】
無機繊維13からなる層14の平均厚さは20μm以上である。これは電線10の絶縁性を確保するために必要な厚さである。層14の平均厚さは、電線10を輪切りにした断面の画像解析によって以下のように求められる。まず、心線11を構成する各々の単繊維12の断面積を合計した面積A、及び、各々の無機繊維13の断面積を合計した面積Bをそれぞれ求める。次に、面積Aと面積Bとを合わせた面積の円相当径(半径)Cを求める。次いで、面積Aの円相当径(半径)Dを求める。円相当径Cから円相当径Dを減じた値が、層14の平均厚さである。層14の平均厚さは、電線10を輪切りにした5か所の断面からそれぞれ求められる5個の値(平均厚さ)の平均値である。
【0021】
無機繊維13からなる層14の平均厚さが20μm以上となるように心線11の周囲に無機繊維13を配置することにより絶縁性を確保し、さらに耐熱性および放熱性を向上させることができる。よって電線10の温度が上昇したときの絶縁の低下を低減できる。
【0022】
心線11を構成する各々の単繊維12の断面積を合計した面積Aを、各々の無機繊維13の断面積を合計した面積Bで除した値は1.2以上であることが好ましい。心線11の抵抗値を低減するためである。面積Aを面積Bで除した値は、電線10を輪切りにした5か所の断面からそれぞれ求められる5個の値の平均値である。
【0023】
心線11及び無機繊維13に含まれる有機化合物の含有率は1wt%以下が好ましい。有機化合物が熱分解して心線11及び無機繊維13の中に生成される導電性の炭素の量を低減できるので、電線10の絶縁の低下や抵抗値の変化を低減できるからである。有機化合物としては、例えば繊維の収束性を向上させるポリマー(いわゆるサイジング剤)や、繊維を支持する母材となる熱可塑性樹脂が挙げられる。心線11を構成する炭素繊維は、有機化合物に含まれない。
【0024】
有機化合物の含有率Eは、心線11及び無機繊維13を大気中で200℃に加熱して3時間保持した後の質量F、及び、加熱前の質量Gを、含有率E=(質量G-質量F)/質量G×100(wt%)の式に入れて求められる。電線10が、無機繊維13が合成樹脂製のシース(外皮)で覆われている電線10の場合には、シースを取り除いた後に、心線11及び無機繊維13の有機化合物の含有率を算出する。
【0025】
図3は集合線20の断面図である。集合線20は、電線10を複数集めたものである。本実施形態では、集合線20は3本の電線10(3心)の撚り線である。撚り線としては、集合撚り線、複合撚り線、二重複合撚り線等が挙げられる。集合線20は撚り線に限られない。集合線20は、電線10を撚らずに引き揃えたものであっても構わない。集合線20における心線11の数(心数)は複数であれば良く、3心に限られるものではない。抵抗値などの要求特性に応じて集合線20の心数は適宜設定される。集合線20の外周に、さらに無機繊維13を配置したり合成樹脂製のシース(外皮)を配置したりすることができる。
【0026】
図4は集合線20を使った素子30の断面図である。本実施形態では素子30は、モータや発電機などの回転電気機械である。素子30は、ハウジング31と、ハウジング31の両端にそれぞれ配置されたブラケット32及びエンドカバー33と、ハウジング31の内側に配置されたステータ35と、軸受37を介してブラケット32及びエンドカバー33に回転自在に固定された出力軸38と、出力軸38に固定されたロータ39と、を備えている。ステータ35にはコイル36が配置されている。コイル36は集合線20が巻かれている。ロータ39には永久磁石(図示せず)が配置されている。
【0027】
集合線20を巻いてコイル36が作られているので、銅線を巻回したコイルに比べてコイル36を軽量化できる。また、集合線20の耐熱性および放熱性を向上できるので、コイル36の温度が上昇したときの絶縁の低下を低減できる。さらに、銅線を用いる場合に比べ、集合線20の耐熱性および放熱性を向上できるので、集合線20の電気抵抗によるジュール損を低減できる。その結果、素子30の効率を向上できる。
【実施例】
【0028】
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0029】
心線の種類および断面積、心線を構成する炭素繊維に含まれるサイジング剤(有機化合物)の量、無機繊維の種類および断面積を異ならせて、表1に示すNo.1-24のサンプルを作製した。No.1-15,21-24は電線のサンプルであり、No.16-20は集合線のサンプルである。
【0030】
【表1】
No.1-20,22-24は無機繊維による心線の被覆率を100%とした。但しNo.21は心線の外周に無機繊維が配置されていなかった。No.22は心線の外周に導電性の炭素繊維が配置されていた。
【0031】
表1に示す心線の断面積は、WDS分析により特定した心線に含まれる炭素繊維の断面積(面積A)を画像解析によって求めた(n=5)。無機繊維の断面積は、WDS分析により特定した炭化物繊維または酸化物繊維の断面積(面積B)を画像解析によって求めた(n=5)。無機繊維の厚さは、無機繊維からなる層の平均厚さであり、面積Aと面積Bを合わせた面積の円相当径(半径)Cから面積Aの円相当径(半径)Dを減じた値(n=5)を平均した。
【0032】
有機化合物の含有率(wt%)は、サンプルNo.1から24の試験片(心線および無機繊維)を大気中で200℃に加熱して3時間保持した後の質量F、及び、加熱前の質量Gを測定し、含有率E=(質量G-質量F)/質量G×100(wt%)の式によって算出した。
【0033】
心線の面積比は、炭素繊維の面積Aを無機繊維の面積Bで除した値(n=5)を平均した。心数は各サンプルに含まれる電線の数である。心数が1は電線を意味し、心数が2以上は集合線を意味する。
【0034】
表1のNo.16-20(集合線)に記されている心線の断面積、無機繊維の断面積および厚さ、有機化合物の含有率、及び、心線の面積比は、集合線を構成する個々の電線の数値(平均値)である。No.1から24のサンプルについて絶縁抵抗、抵抗変化率、発熱の各特性を測定し、評価した。
【0035】
(絶縁抵抗)
JIS C3005:2014に準拠して20~30℃の空気中で各サンプルの心線と無機繊維との間の絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗が100kΩ・mより大きいサンプルはA、100kΩ・m以下のサンプルはBと評価した。
【0036】
No.21-24は絶縁抵抗の評価がBであった。No.21,22は、心線の外周に体積抵抗率が1×106Ω・cm以上の無機繊維が配置されていなかった。No.23,24は、体積抵抗率が1×106Ω・cm以上の無機繊維からなる層の平均厚さが20μm未満であった。従って絶縁抵抗の評価基準を満足するためには、体積抵抗率が1×106Ω・cm以上の無機繊維からなる層の平均厚さは20μm以上を必要とすることが明らかになった。
【0037】
(抵抗変化率)
絶縁抵抗の評価がAであったNo.1-20のサンプルについて、温度23℃、相対湿度50+20
-10%の雰囲気の下、各サンプルの心線の一端を片方の電極に固定し、サンプルが湾曲しない状態にして心線をもう片方の電極に固定した。電極間の距離は10~20mmとした。抵抗測定器を用いて、雰囲気温度が23℃のときの電極間の抵抗値R1、及び、250℃の雰囲気に5時間放置した後の電極間の抵抗値R2を測定した。抵抗変化率R(%)をR=(R2-R1)/R1×100の式によって算出した。抵抗変化率R<5%はA、5%≦R<10%はB、10%≦R<15%はC、R≧15%はDと評価した。
【0038】
No.12-20は評価がAであった。No.12-20は有機化合物の含有率が1.0wt%以下、かつ、心線の面積比が1.2以上であった。有機化合物(サイジング剤)の含有率が1.0wt%以下であると、各サンプルを250℃の雰囲気においたときに有機化合物が熱分解して生成される導電性の炭素の量を低減できるので、抵抗値の変化を低減できたと推察される。また、心線の面積比が1.2以上であると、心線の抵抗値を低減できるので、抵抗値の変化を低減できたと推察される。
【0039】
No.6-11は評価がBであった。No.6-11は有機化合物の含有率が1.1wt%以上1.5wt%以下、かつ、心線の面積比が1.2以上であった。No.6-11は有機化合物の含有率が1.0wt%を超えたので、各サンプルを250℃の雰囲気においたときに有機化合物が熱分解して生成される導電性の炭素により、No.12-20に比べ、抵抗値の変化が大きくなったと推察される。
【0040】
No.1-5は評価がCであった。No.1-5は有機化合物の含有率が1.2wt%以上1.4wt%以下、かつ、心線の面積比が1.2未満であった。No.1-5は心線の面積比が1.2未満であったので、No.6-20に比べ、心線の抵抗値が増加し、抵抗値の変化が大きくなったと推察される。なお、評価がDのサンプルはなかった。
【0041】
(発熱)
温度23℃、相対湿度50+20
-10%の雰囲気の下、各サンプルの心線の一端を片方の電極に固定し、サンプルが湾曲しない状態にして心線をもう片方の電極に固定した。電極間の距離は10~20mmとした。電極間に50Aの電流を流し、10分後の各サンプルの温度を放射温度計によって測定した。温度が120℃未満のサンプルはA、温度が120℃以上200℃未満のサンプルはB、温度が200℃以上のサンプルはCと評価した。
【0042】
No.16-20は評価がAであった。No.16-20は電線が2心以上集められた集合線であり、電極間に電線が並列に接続されているので、1心の電線に比べて抵抗値を低減することができ、発熱を低減できたと推察される。1心のNo.1-15は評価がBであった。評価がCのサンプルはなかった。
【0043】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0044】
実施形態では、集合線20をコア35に巻いたコイル36について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。集合線20をコアに巻き付けたコイルに限らず、集合線20を使って空芯コイルを作製することは当然可能である。
【0045】
実施形態では、円筒形のコア35に集合線20を巻いたコイル36(トロイダルコイル)について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。コアの形状は適宜設定される。例えば棒状のコアに集合線20を巻いてコイルを作製することは当然可能である。
【0046】
実施形態では、集合線20を巻いたコイルを回転電気機械(素子30)に適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。集合線20を他の素子に適用することは当然可能である。他の素子としては、例えばリアクトル、トランスが挙げられる。
【符号の説明】
【0047】
10 電線
11 心線
13 無機繊維
14 無機繊維からなる層
20 集合線
30 素子
36 コイル