(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/72 20060101AFI20240312BHJP
E06B 9/171 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
E06B9/72
E06B9/171
(21)【出願番号】P 2020113049
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】谷川 文彦
(72)【発明者】
【氏名】高木 学
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-32693(JP,U)
【文献】実開平6-56491(JP,U)
【文献】特許第5469067(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0279779(US,A1)
【文献】特開2004-225489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
B65H 75/34-75/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンが巻回された巻取パイプと、
前記巻取パイプの内側に配設された回転軸に連結され、前記回転軸と前記巻取パイプとの間で回転力を伝達するドライブブッシュと、を備え、
前記ドライブブッシュは、
前記回転軸と一体的に回転する駆動部材と、
弾性部材であって、前記巻取パイプおよび前記駆動部材に係合するアダプタと、で構成されている
ロールスクリーン。
【請求項2】
前記駆動部材は、前記回転軸の径方向に延びる少なくとも1つの嵌合突部を備え、
前記アダプタは、前記嵌合突部が嵌合する嵌合凹部を備える
請求項1に記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記アダプタは、前記巻取パイプが係合するパイプ係合部を有し、
前記嵌合突部は、複数設けられ、
前記複数の嵌合突部の中の少なくとも1つである第1嵌合突部は、前記パイプ係合部に向かって延びている
請求項2に記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記複数の嵌合突部の中の前記第1嵌合突部とは異なる方向に延びる第2嵌合突部は、前記第1嵌合突部よりも長く構成されている
請求項3に記載のロールスクリーン。
【請求項5】
前記アダプタは、前記回転軸の回転方向において均等配置された一対の前記パイプ係合部を有し、
前記複数の嵌合突部は、前記回転軸の回転方向において均等配置された4つの嵌合突部で構成され、
前記4つの嵌合突部の中の2つが、前記第1嵌合突部である
請求項3または4に記載のロールスクリーン。
【請求項6】
前記嵌合突部は、前記アダプタに接触する角部がR形状を有している
請求項2ないし5のうち何れかいずれか1項に記載のロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
遮蔽装置としてのロールスクリーンは、一対のブラケットに端部が支持された巻取パイプにスクリーンが巻回され、手動または電動でスクリーンが昇降される。例えば、特許文献1には、昇降モータの出力軸に取り付けられたドライブブッシュを巻取パイプに係合させた電動式のロールスクリーンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロールスクリーンにおいては、例えばスクリーンが使用者に引っ掛かってしまったときなど、スクリーンが誤って操作されることがある。このとき、巻取パイプや昇降モータに過度な荷重が作用するため、最悪の場合、ロールスクリーンが故障してしまうおそれがある。こうした問題は、電動・手動にかかわらず、回転軸と巻取パイプとの間においてドライブブッシュを介して回転力が伝達されるロールスクリーンに共通する。
【0005】
本発明の目的は、回転軸と巻取パイプとの間でドライブブッシュを介して回転力が伝達されるロールスクリーンにおいて、スクリーンが誤操作されても故障しにくいロールスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのロールスクリーンは、スクリーンが巻回された巻取パイプと、前記巻取パイプの内側に配設された回転軸に連結され、前記回転軸と前記巻取パイプとの間で回転力を伝達するドライブブッシュと、を備え、前記ドライブブッシュは、前記回転軸と一体的に回転する駆動部材と、弾性部材であって、前記巻取パイプおよび前記駆動部材に係合するアダプタと、で構成されている。
【0007】
上記構成のロールスクリーンにおいて、前記駆動部材は、前記回転軸の径方向に延びる少なくとも1つの嵌合突部を備え、前記アダプタは、前記嵌合突部が嵌合する嵌合凹部を備えることが好ましい。
【0008】
上記構成のロールスクリーンにおいて、前記アダプタは、前記巻取パイプが係合するパイプ係合部を有し、前記嵌合突部は、複数設けられ、前記複数の嵌合突部の中の少なくとも1つである第1嵌合突部は、前記パイプ係合部に向かって延びていることが好ましい。
【0009】
上記構成のロールスクリーンにおいて、前記複数の嵌合突部の中の前記第1嵌合突部とは異なる方向に延びる第2嵌合突部は、前記第1嵌合突部よりも長く構成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成のロールスクリーンにおいて、前記アダプタは、前記回転軸の回転方向において均等配置された一対の前記パイプ係合部を有し、前記複数の嵌合突部は、前記回転軸の回転方向において均等配置された4つの嵌合突部で構成され、前記4つの嵌合突部の中の2つが、前記第1嵌合突部であることが好ましい。
【0011】
上記構成のロールスクリーンにおいて、前記嵌合突部は、前記アダプタに接触する角部がR形状を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スクリーンが誤操作されたとしてもロールスクリーンが故障しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】モータユニット付近におけるヘッド部の断面図。
【
図5】駆動部材側から見たドライブブッシュの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明が適用されたロールスクリーンについて図面を参照して説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、ロールスクリーン1は、一例として、窓枠に取り付けられ、日射などを遮蔽する遮蔽装置として使用され、また、部屋と階段といった第1空間と第2空間とを仕切り、空気の流れなどを遮蔽する遮蔽装置として使用される。ロールスクリーン1は、窓枠や天井に設けられた設置部に取り付けられる。ロールスクリーン1は、制御ユニット2によって駆動制御される電動式のロールスクリーンである。制御ユニット2は、一例として、ロールスクリーン1の近くの壁面に設置されており、電気配線60,61によってロールスクリーン1の各部と電気的に接続されている。
【0015】
ロールスクリーン1は、設置部に取り付けられるヘッド部11と、ヘッド部11から垂下される遮蔽材としてのスクリーン12とを備える。ヘッド部11は、幅方向における両端部にサイドブラケット13,14を備える。ヘッド部11は、サイドブラケット13,14によって設置部に取り付けられる。サイドブラケット13,14は、スクリーン12を巻回する巻取軸としての巻取パイプ15を回転可能に支持している。巻取パイプ15は、ヘッド部11の幅方向に延在している。巻取パイプ15は、一端部の内部に、巻取パイプ15を回転させるためのモータユニット20を備える。モータユニット20は、電気配線60,61を介して制御ユニット2に接続されている。モータユニット20は、制御ユニット2に設けられた操作部の操作に基づいて巻取パイプ15を回転させることにより、スクリーン12を巻取ったり、スクリーン12を展開したりする。スクリーン12は、その下端部にウェイトバー16が配置されている。
【0016】
〔モータユニット20〕
図2および
図3に示すように、モータユニット20は、モータケース21、昇降モータ30、ドライブブッシュ40を備える。
【0017】
モータケース21は、第1ケース22と第2ケース23とで構成されている。第1ケース22および第2ケース23は、例えば樹脂などの材料で形成される。
第1ケース22は、昇降モータ30の下側部分を収納する第1収納部24と、モータケース21をサイドブラケット13に連結するブラケット連結部25と、を有している。第1収納部24は、上面部が開放された箱型形状をなしている。ブラケット連結部25は、第1収納部24の一方の端壁部に一体的に形成されている。
【0018】
第1収納部24には、他方の端壁部に、昇降モータ30の回転軸33をモータケース21の外部へと配設するための第1軸通路26が形成されている。ブラケット連結部25には、昇降モータ30に接続される電気配線60,61が配設される配線通路27が形成されている。なお、
図2および
図3では、昇降モータ30に接続された電気配線60,61を省略している。
【0019】
第2ケース23は、昇降モータ30の上側部分を収納する。第2ケース23は、下面部が開放された箱型形状をなしている。第2ケース23は、ブラケット連結部25側に配置される一方の端壁部に、昇降モータ30から配線通路27へと向かう電気配線60,61との干渉を回避する逃げ部28を有している。第2ケース23は、他方の端壁部に、昇降モータ30の回転軸33をモータケース21の外部へと配設するための第2軸通路29が形成されている。
【0020】
昇降モータ30は、第1モータブラケット31および第2モータブラケット32とともにモータケース21に収納されている。第1モータブラケット31および第2モータブラケット32は、例えば樹脂などの材料で形成される。第1モータブラケット31および第2モータブラケット32は、その配置位置においてモータケース21と昇降モータ30との間の隙間を埋めることにより、モータケース21に対する昇降モータ30のがたつきを抑える。
【0021】
昇降モータ30の回転軸33は、第1ケース22の第1軸通路26と第2ケース23の第2軸通路29を通じてモータケース21から突出している。回転軸33は、使用者による制御ユニット2の操作に基づいて回転する。回転軸33は、使用者が巻取操作を行うとスクリーン12の巻取方向に回転する。回転軸33は、使用者が展開操作を行うとスクリーン12の展開方向に回転する。回転軸33は、先端側に設けられたDカット部34にドライブブッシュ40が差し込まれることにより、ドライブブッシュ40と係合する。ドライブブッシュ40は、回転軸33の先端部に取り付けられる図示されない留め具によって回転軸33の軸方向Aへの移動が規制される。なお、回転軸33の軸方向Aは、ヘッド部11の幅方向と一致する方向である。
【0022】
〔ドライブブッシュ〕
図4に示すように、ドライブブッシュ40は、外周部の一部が切り欠かれた略円筒形状を有している。ドライブブッシュ40は、回転軸33が係合する駆動部材41と、駆動部材41が嵌合するとともに巻取パイプ15および回転軸33が係合するアダプタ50と、を有している。
【0023】
駆動部材41は、例えば樹脂などの可塑性の材料で形成される。駆動部材41は、例えば射出成型法などにより作製される。駆動部材41は、回転軸33に係合する中心部42と、回転軸33の径方向に向かって中心部42から延びる4つの嵌合突部45と、を有している。
【0024】
中心部42は、回転軸33のDカット部34が貫通係合する第1係合孔43を有する円筒形状に形成されている。各嵌合突部45は、中心部42の外周面に基端部が一体的に連結されている。各嵌合突部45の先端面は、回転軸33の径方向外側に緩やかに張り出すように湾曲している。
【0025】
4つの嵌合突部45は、回転軸33の回転方向に均等配置されている。4つの嵌合突部45のうちの2つは、回転軸33の径方向に沿って互いに反対方向に延びる第1嵌合突部451である。残りの嵌合突部45は、回転軸33の径方向の1つであって第1嵌合突部451の延在方向に直交する方向に沿って互いに反対方向に延びる第2嵌合突部452である。第2嵌合突部452は、回転軸33の径方向における長さが第1嵌合突部451よりも長く構成されている。
【0026】
駆動部材41は、アダプタ50に嵌合した状態において該アダプタ50に接触する面がなす角部がR形状に形成されている。具体的には、中心部42の外周面と嵌合突部45の外側面とがなす角部46、嵌合突部45の外側面と嵌合突部45の先端面とがなす角部47など、回転軸33の軸方向Aに延びる角部がR形状に形成されている。なお、
図4では、これらの角部46,47の一部に符号を付している。
【0027】
アダプタ50は、例えばゴムなどの弾性の材料で形成される。アダプタ50は、例えば射出成型法などにより作製される。アダプタ50は、駆動部材41が嵌合する嵌合凹部51、回転軸33のDカット部34が係合する第2係合孔56、巻取パイプ15が係合する一対のパイプ係合部57を有している。
【0028】
嵌合凹部51は、サイドブラケット13側に配置される端面に開口している。嵌合凹部51は、駆動部材41の中心部42が嵌合する中心凹部52と、第1嵌合突部451が嵌合する第1凹部531と、第2嵌合突部452が嵌合する第2凹部532と、を有している。
【0029】
嵌合凹部51は、駆動部材41の形状に倣うように、駆動部材41に接触する角部がR形状に形成されている。具体的には、中心凹部52の周面と第1凹部531および第2凹部532の外側面とがなす角部54、第1凹部531および第2凹部532において外側面と先端面とがなす角部55など、回転軸33の軸方向Aに延びる角部がR形状に形成されている。なお、
図4では、これらの角部54,55の一部に符号を付している。
【0030】
第2係合孔56は、嵌合凹部51の底面に開口して回転軸33の軸方向Aに延びる貫通孔である。第2係合孔56には、駆動部材41から突出する回転軸33のDカット部34が貫通係合する。
【0031】
一対のパイプ係合部57は、アダプタ50の外周面に凹設されている。各パイプ係合部57は、回転軸33の軸方向Aにアダプタ50の外周部の一部を切り欠くことで、アダプタ50の外周面の一部を内側へと配置するように形成されている。各パイプ係合部57は、回転軸33の回転方向に対して直交する一対の係合面57aと、回転軸33の回転方向に沿って延びる湾曲面57bと、を有している。
【0032】
一対のパイプ係合部57は、回転軸33の回転方向において均等配置されている。各パイプ係合部57は、嵌合凹部51の第1凹部531に対する回転軸33の径方向外側に、湾曲面57bの中央部が位置するように設けられている。
【0033】
こうした構成のドライブブッシュ40は、駆動部材41の第1係合孔43とアダプタ50の第2係合孔56とに回転軸33のDカット部34が差し込み可能となるように駆動部材41とアダプタ50との位置合わせを行ったのち、アダプタ50の嵌合凹部51に駆動部材41を嵌め込むことで組み立てられる。
【0034】
図5に示すように、駆動部材41をアダプタ50に嵌合させると、第1嵌合突部451は、回転軸33の回転方向における湾曲面57bの中央部に向かって延びるように配置される。第2嵌合突部452は、一方のパイプ係合部57に近づくことなく、第1嵌合突部451の延在方向に直交する方向に沿って延びるように配置される。第1嵌合突部451は、先端面がパイプ係合部57の湾曲面57b寄りの位置に配置される長さであって、先端面とパイプ係合部57の湾曲面57bとの間の部分58に、スクリーン12の誤操作時に亀裂が生じない程度の強度が付与される長さに形成される。第2嵌合突部452は、先端面がアダプタ50の外周面寄りの位置に配置される長さであって、アダプタ50の外周面との間の部分59に、スクリーン12の誤操作時に亀裂が生じない程度の強度が付与される長さに形成される。
【0035】
〔モータユニットの組立方法〕
モータユニット20の組み立ては、まず、昇降モータ30をモータケース21に収納する。具体的には、まず、昇降モータ30に第1モータブラケット31および第2モータブラケット32を取り付ける。次に、昇降モータ30に接続されている電気配線60,61を第1ケース22の配線通路27に配設したのち、昇降モータ30を第1ケース22に収納する。そして、第1ケース22に対して上方から第2ケース23を重ね合わせたのち、第1ケース22と第2ケース23とを連結する。これにより、昇降モータ30がモータケース21に収納される。このとき、昇降モータ30の回転軸33は、第1ケース22の第1軸通路26と第2ケース23の第2軸通路29とを通じてモータケース21から突出している。
【0036】
次に、回転軸33にドライブブッシュ40が組み付けられる。具体的には、回転軸33のDカット部34にドライブブッシュ40を差し込んだのち、回転軸33の先端部に留め具を取り付ける。これにより、回転軸33にドライブブッシュ40が組み付けられる。
【0037】
このようにして組み立てられたモータユニット20は、第1ケース22のブラケット連結部25がサイドブラケット13に連結される。そして、巻取パイプ15とドライブブッシュ40との位置合わせを行ったのち、モータユニット20が巻取パイプ15に差し込まれる。
【0038】
図6に示すように、巻取パイプ15にモータユニット20が差し込まれると、各パイプ係合部57の係合面57aは、巻取パイプ15に形成されたモータ係合部15aに係合する。これにより、巻取パイプ15と回転軸33との間でドライブブッシュ40を介した回転力の伝達が可能となる。
【0039】
〔作用〕
ロールスクリーン1においては、スクリーン12が無理に下方に引っ張られるなどのスクリーン12の誤操作が行われると、その誤操作に基づく荷重がドライブブッシュ40を介して昇降モータ30に伝達する。このとき、ドライブブッシュ40では、その荷重の一部がアダプタ50を弾性変形させるエネルギーへと変換される。これにより、スクリーン12の誤操作時に昇降モータ30に伝達される荷重、ひいては昇降モータ30を介してサイドブラケット13などに伝達される荷重が緩和される。
【0040】
以上のように構成されたロールスクリーン1は、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)スクリーン12が誤操作されたとしても、その誤操作に基づく荷重がアダプタ50の弾性変形によって緩和される。そのため、スクリーン12が誤操作されたとしてもロールスクリーン1を故障しにくくすることができる。
【0041】
(2)アダプタ50は、駆動部材41が嵌合する嵌合凹部51、回転軸33が係合する第2係合孔56、回転軸33の軸方向Aにアダプタ50の外周部の一部を切り欠くように構成されたパイプ係合部57を有している。すなわち、アダプタ50は、嵌合凹部51の形成部分と第2係合孔の形成部分とを有するとともに、これらの形成部分に跨がってパイプ係合部57が形成されている。
【0042】
こうした構成によれば、例えば、嵌合凹部51の形成部分のみでアダプタ50が構成される場合に比べて、通常操作時には回転軸33の回転力を確実に巻取パイプ15に伝達しつつ、スクリーン12の誤操作時にはアダプタ50の弾性変形部分を大きくすることができる。その結果、スクリーン12が誤操作されたとしてもロールスクリーン1がより故障しにくくなる。
【0043】
(3)ドライブブッシュ40においては、パイプ係合部57に向かって延びる第1嵌合突部451よりも、パイプ係合部57とは異なる方向に向かって延びる第2嵌合突部452が長く構成されている。
【0044】
こうした構成によれば、回転軸33の回転方向における駆動部材41とアダプタ50との接触面積を大きくすることができる。これにより、スクリーン12の誤操作時だけでなく通常操作時においても、回転力の伝達時にアダプタ50の嵌合凹部51付近に生じる応力を小さくすることができる。その結果、アダプタ50の耐久性を高めることができる。
【0045】
(4)駆動部材41は、回転軸33の回転方向において均等配置された4つの嵌合突部45を有している。アダプタ50は、回転軸33の回転方向において均等配置された一対のパイプ係合部57を有する。4つの嵌合突部45を構成する2つの第1嵌合突部451が一対のパイプ係合部57に向かって延びている。
【0046】
こうした構成によれば、一対のパイプ係合部57と複数の嵌合突部45とがバランスよく配置されるため、スクリーン12の誤操作時にアダプタ50全体を偏りなく弾性変形させることができる。その結果、スクリーン12の誤操作に基づく荷重を効果的に緩和することができる。
【0047】
(5)駆動部材41は、アダプタ50に接触する角部がR形状に形成されている。こうした構成によれば、スクリーン12の誤操作時だけでなく通常操作時においても、回転力の伝達時にアダプタ50に応力集中が生じにくくなる。その結果、アダプタ50の耐久性を高めることができる。
【0048】
(6)嵌合突部45の先端面が、回転軸33の径方向外側に張り出すように湾曲している。こうした構成によれば、回転力の伝達時に、嵌合突部45の先端面付近においてもアダプタ50に応力集中が生じにくくなる。
【0049】
なお、上記実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ドライブブッシュ40において、嵌合突部45は、アダプタ50の角部がR形状でなくともよい。
【0050】
・ドライブブッシュ40において、複数の嵌合突部45は、回転軸33の回転方向に均等配置された4つの嵌合突部45に構成されるに限らず、例えば2つの嵌合突部45や5つの嵌合突部45で構成されてもよい。また、嵌合突部45の配置も、回転軸33の回転方向に均等配置される構成に限られない。
【0051】
・ドライブブッシュ40において、アダプタ50は、一対のパイプ係合部57を有する構成に限らず、1つのパイプ係合部57を有する構成であってもよいし、3以上のパイプ係合部57を有する構成であってもよい。また、複数のパイプ係合部57を有する場合、パイプ係合部57の配置も、回転軸33の回転方向に均等配置される構成に限られない。
【0052】
・第1嵌合突部451および第2嵌合突部452の長さが等しい構成であってもよいし、第1嵌合突部451よりも第2嵌合突部452が短い構成であってもよい。
・第1嵌合突部451は、少なくとも1つあればよい。パイプ係合部57も、少なくとも1つあればよい。すなわち、パイプ係合部57に向かって延びる第1嵌合突部451は、パイプ係合部57より少なくてもよく、例えば、パイプ係合部57が2つで、そのうちの1つのパイプ係合部57に向かって1つの第1嵌合突部451が延びる構成でもよい。また、第1嵌合突部451が1つでパイプ係合部57が1つでもよい。
【0053】
・第1嵌合突部451が第2嵌合突部452より多くてもよいし、第1嵌合突部451が第2嵌合突部452より少なくてもよい。
・嵌合突部45は、パイプ係合部57とは異なる方向に向かって延びる構成であってもよい。すなわち、嵌合突部45は、第2嵌合突部452のみで構成されていてもよい。
【0054】
・アダプタ50は、嵌合凹部51と第2係合孔56とを備える構成に限られない。例えば、アダプタ50は、駆動部材41の嵌合部分が貫通形成された構成であってもよい。
・ドライブブッシュ40は、所定荷重において回転力の伝達を遮断するトルクリミッタが回転軸33と駆動部材41との間に介在している構成であってもよい。
【0055】
・ロールスクリーン1は、使用者の操作に基づいて回転する回転軸33を有する構成であればよく、電動式に限らず、手動式であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…ロールスクリーン
11…ヘッド部
12…スクリーン
13…サイドブラケット
14…サイドブラケット
15…巻取パイプ
20…モータユニット
21…モータケース
30…昇降モータ
33…回転軸
40…ドライブブッシュ
41…駆動部材
45…嵌合突部
451…第1嵌合突部
452…第2嵌合突部
50…アダプタ
51…嵌合凹部
57…パイプ係合部