(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】昇降用ステップ及び荷台ユニット
(51)【国際特許分類】
E06C 5/24 20060101AFI20240312BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20240312BHJP
B60R 3/00 20060101ALI20240312BHJP
B62D 33/023 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
E06C5/24
B60J5/10 A
B60R3/00
B62D33/023 Q
(21)【出願番号】P 2020140535
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000229357
【氏名又は名称】日本トレクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深井 悦子
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-166773(JP,A)
【文献】実開平03-115544(JP,U)
【文献】特開平8-175270(JP,A)
【文献】特開2010-23597(JP,A)
【文献】米国特許第04548294(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0068526(KR,A)
【文献】独国実用新案第202009010035(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/00- 9/14
B60R 3/00
B60J 5/10
B62D 33/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬車に積載される荷台に取り付け及び取り外し可能な本体と、
前記本体に設けられ、かつ、作業者が足を掛ける踏み桟と、を有する昇降用ステップであって、
前記荷台の側部に開閉可能に設けられた煽り板、及び前記荷台の後部に設けられている構造部材に対して、前記本体を前記荷台に取り付け及び取り外し可能とする着脱部と、
前記本体が前記煽り板に取り付けられると前記煽り板に接触して前記本体を前記煽り板に対して位置決めする第1位置決め部材と、
前記本体が前記構造部材に取り付けられると前記構造部材に接触して前記本体を前記荷台に対して位置決めする第2位置決め部材と、
を有する、昇降用ステップ。
【請求項2】
請求項1記載の昇降用ステップにおいて、
前記着脱部は、前記本体から第1方向に突出され、
前記踏み桟は、前記本体から前記第1方向とは逆の第2方向に突出され、
前記着脱部が前記煽り板に係合されると、前記本体が前記煽り板に取り付けられ、
前記着脱部が前記構造部材に設けられた係合部に係合されると、前記本体が前記構造部材に取り付けられる、昇降用ステップ。
【請求項3】
請求項2記載の昇降用ステップにおいて、
前記第1位置決め部材は、前記本体から前記第1方向に突出され、
前記第2位置決め部材は、前記本体に対して作動可能であり、かつ、前記本体から前記第1方向に突出された第1位置と、前記本体から前記第2方向に突出された第2位置とでそれぞれ停止され、
前記本体が前記煽り板に取り付けられると、前記第1位置決め部材が前記煽り板に接触され、
前記第2位置決め部材が前記第1位置で停止され、かつ、前記本体が前記構造部材に取り付けられると、前記第2位置決め部材が前記構造部材に接触される、昇降用ステップ。
【請求項4】
運搬車に積載される荷台と、
前記荷台に取り付け及び取り外しが可能な昇降用ステップと、
を有し、
前記昇降用ステップは、
本体と、
前記本体に設けられ、かつ、作業者が足を掛ける踏み桟と、
前記荷台の側部に開閉可能に設けられた煽り板、及び前記荷台の後部に設けられている構造部材に対して、前記本体を選択的に取り付け及び取り外し可能とする着脱部と、
前記本体が前記煽り板に取り付けられると前記煽り板に接触して前記本体を前記煽り板に対して位置決めする第1位置決め部材と、
前記本体が前記構造部材に取り付けられると前記構造部材に接触して前記本体を前記荷台に対して位置決めする第2位置決め部材と、
を有する、荷台ユニット。
【請求項5】
請求項4記載の荷台ユニットにおいて、
前記着脱部は、前記本体から第1方向に突出され、
前記踏み桟は、前記本体から前記第1方向とは逆の第2方向に突出され、
前記着脱部が前記煽り板に係合されると、前記本体が前記煽り板に取り付けられ、
前記着脱部が前記構造部材に設けられた係合部に掛けられると、前記本体が前記構造部材に取り付けられる、荷台ユニット。
【請求項6】
請求項5記載の荷台ユニットにおいて、
前記第1位置決め部材は、前記本体から前記第1方向に突出され、
前記第2位置決め部材は、前記本体に対して作動可能であり、かつ、前記本体から前記第1方向に突出された第1位置と、前記本体から前記第2方向に突出された第2位置とでそれぞれ停止され、
前記本体が前記煽り板に取り付けられると、前記第1位置決め部材が前記煽り板に接触され、
前記第2位置決め部材が前記第1位置で停止され、かつ、前記本体が前記構造部材に取り付けられると、前記第2位置決め部材が前記構造部材に接触される、荷台ユニット。
【請求項7】
請求項4乃至6の何れか1項記載の荷台ユニットにおいて、
前記荷台に対して開閉可能な扉と、
前記扉に設けられ、かつ、前記昇降用ステップを支持する支持部と、
を有する、荷台ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーラ、トラック等を含む運搬車の荷台に取り付け及び取り外しが可能な昇降用ステップ及び荷台ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
トレーラ、トラック等を含む運搬車の荷台に取り付け及び取り外しが可能な昇降用ステップの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている昇降用ステップは、一対の支柱と、一対の支柱に間隔をおいて取り付けた複数の踏み桟と、一対の支柱に取り付けられた上部金具及び下部金具と、上部金具に取り付けられた上部押さえ片と、下部金具に取り付けられた下部押さえ片と、を有する。
【0003】
特許文献1に記載された昇降用ステップは、荷台の側方にヒンジを介して取り付けられている煽り板を水平状態とし、上部押さえ片及び下部押さえ片によって煽り板を上下から挟み、一対の支柱の下端に取り付けられた脚体を地面に接触させることで、煽り板上を作業員が載る作業スペースとし、荷の積み下ろし等の際の荷の仮置きスペースとして利用することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された昇降用ステップは、荷台の後方から作業者が荷台へ昇り降りする場合について考慮されておらず、その点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、作業者が側方及び後方から荷台へ昇り降りすることが可能な昇降用ステップ及び荷台ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の昇降用ステップは、運搬車に積載される荷台に取り付け及び取り外し可能な本体と、前記本体に設けられ、かつ、作業者が足を掛ける踏み桟と、を有する昇降用ステップであって、前記荷台の側部に開閉可能に設けられた煽り板、及び前記荷台の後部に設けられている構造部材に対して、前記本体を前記荷台に取り付け及び取り外し可能とする着脱部と、前記本体が前記煽り板に取り付けられると前記煽り板に接触して前記本体を前記煽り板に対して位置決めする第1位置決め部材と、前記本体が前記構造部材に取り付けられると前記構造部材に接触して前記本体を前記荷台に対して位置決めする第2位置決め部材と、を有する。
【0008】
本発明の荷台ユニットは、運搬車に積載される荷台と、前記荷台に取り付け及び取り外しが可能な昇降用ステップと、を有し、前記昇降用ステップは、本体と、前記本体に設けられ、かつ、作業者が足を掛ける踏み桟と、前記荷台の側部に開閉可能に設けられた煽り板、及び前記荷台の後部に設けられている構造部材に対して、前記本体を選択的に取り付け及び取り外し可能とする着脱部と、前記本体が前記煽り板に取り付けられると前記煽り板に接触して前記本体を前記煽り板に対して位置決めする第1位置決め部材と、前記本体が前記構造部材に取り付けられると前記構造部材に接触して前記本体を前記荷台に対して位置決めする第2位置決め部材と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の昇降用ユニットによれば、本体を荷台へ取り付ける位置を変更することにより、作業者が側方及び後方の何れからでも荷台へ昇り降りすることができる。
【0010】
本発明の荷台ユニットによれば、本体を荷台へ取り付ける位置を変更することにより、作業者が側方及び後方の何れからでも荷台へ昇り降りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の荷台ユニットを有する運搬車の斜視図である。
【
図2】昇降用ステップを荷台の扉から取り外して荷台の後部フレームに取り付けた状態の図である。
【
図3】(A)は、第1踏み桟及び第2踏み桟が共に閉じられている昇降用ステップの側面図、(B)は、第1踏み桟及び第2踏み桟が共に開かれている昇降用ステップの側面図である。
【
図4】昇降用ステップを荷台の後部フレームに取り付けた状態の平面図である。
【
図6A】昇降用ステップを荷台の後部フレームに取り付けた状態の側面図である。
【
図7】昇降用ステップを煽り板に取り付けた状態の側面図である。
【
図8】昇降用ステップを煽り板に取り付けた状態の斜視図である。
【
図9】昇降用ステップを荷台の扉に格納した状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の昇降用ステップ及び荷台ユニットの一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
本実施形態における昇降用ステップ及び荷台ユニットは、トレーラ、トラック等を含む運搬車に適用可能である。
図1に示された運搬車10は、車輪11を有するキャブ12、キャブ12に連結されたシャシフレーム、シャシフレームの下方に設けられた車輪13を有する。荷台14は、シャシフレーム上に積載される。荷台14はコンテナとも呼ばれ、シャシフレーム上に積載及び積み下ろしが可能である。荷台14は、シャシフレームに固定されていてもよい。
【0014】
荷台14に対して取り付け及び取り外しが可能な昇降用ステップ15が設けられている。荷台14及び昇降用ステップ15により、荷台ユニット16が構成されている。荷台14は、前部壁17、後部フレーム18、床板19、支持梁20、2つのウィング21、2つの煽り板22、2つの扉23を有する。運搬車10の走行方向、つまり、運搬車10の前後方向において、前部壁17は、キャブ12と後部フレーム18との間に設けられている。
【0015】
後部フレーム18は、運搬車10の走行方向、つまり、荷台14の前後方向で最も後方に位置する。後部フレーム18の端部に、係合金具24が取り付けられている。係合金具24は、
図5のように、ねじ部材25によって複数、例えば2個固定されている。2個の係合金具は、荷台14の左右方向、つまり、幅方向に間隔をおいて設けられている。
【0016】
床板19は、前部壁17の下端と、後部フレーム18の下端とを接続する。支持梁20は、前部壁17の上端と、後部フレーム18の上端とを接続する。2つのウィング21は、ヒンジを介して支持梁20に作動可能に、つまり、開閉可能に取り付けられている。2つのウィング21は、それぞれL字形を有し、2つのウィング21が閉じられていると、2つのウィング21は、荷台14の上部から側部に亘って位置する。
【0017】
2つの煽り板22は、
図8に示されたヒンジ26を介して荷台14に対して作動可能に、つまり、開閉可能に取り付けられている。2つの煽り板22が閉じられていると、2つの煽り板22は、荷台14の側部に位置する。2つのウィング21が閉じられている状態で、煽り板22は、荷台14の高さ方向、つまり、重力の作用方向で、ウィング21の下方に位置する。
【0018】
2枚の扉23は、後部フレーム18に対してヒンジ27を介してを開閉可能に取り付けられている。2個の扉23は、いわゆる観音開きである。2つのウィング21、2つの煽り板22、床板19、2枚の扉23によって取り囲まれる空間が、物品、荷物の収容室28である。
【0019】
昇降用ステップ15は、
図5及び
図8のように、複数、具体的には支柱29,30と、支柱29,30に取り付けられた第1踏み桟31及び第2踏み桟32と、を有する。支柱29,30は、共に金属製、例えば、アルミニウム製または鉄製のパイプで構成されている。支柱29,30の長さ方向における一方の端部には、エンドキャップ34がそれぞれ取り付けられ、具体的には被せられている。エンドキャップ34は、例えば、合成樹脂製である。
【0020】
支柱29と支柱30とが、
図9に示す接続部材33,47によって接続されている。接続部材33,47は、金属製、例えばアルミニウム製、または鉄製である。接続部材33,47によって接続された支柱29,30は、略平行である。接続部材33,47は、支柱29,30の長さ方向に間隔をおいて設けられている。接続部材33は、支柱29,30の長さ方向で、エンドキャップ34と接続部材47との間に設けられている。
【0021】
第1踏み桟31及び第2踏み桟32は、作業者の足によって踏まれるものである。第1踏み桟31及び第2踏み桟32は、作業者の体重を支持し得る強度を有する金属製、例えば、アルミニウム製または鉄製の板材によってそれぞれ構成されている。第1踏み桟31、第2踏み桟32及び接続部材33は、支柱29,30の長さ方向に間隔をおいて設けられている。支柱29,30の長さ方向で、エンドキャップ34と第1踏み桟31との間に、第2踏み桟32が設けられている。支柱29,30の長さ方向で、エンドキャップ34と第2踏み桟32との間に、接続部材33が設けられている。
【0022】
第1踏み桟31は、
図3(A)及び
図3(B)に示されたヒンジ35を介して、支柱29,30に対して作動可能に取り付けられている。第1踏み桟31は、支柱29,30から、支柱29,30の太さ方向に突出されている。第1踏み桟31は、支柱29,30に対して所定の角度範囲内で作動可能である。
【0023】
第1踏み桟31は、ストッパ36を有し、ストッパ36が、
図3(B)のように支柱29,30に接触すると、第1踏み桟31は、支柱29,30に対して開いた位置で停止する。第1踏み桟31が、
図3(B)のように支柱29,30に接触すると、第1踏み桟31は、支柱29,30に対して閉じた位置で停止する。
【0024】
第2踏み桟32は、支柱29,30に対してヒンジ37を介して取り付けられている。第2踏み桟32は、支柱29,30に対して所定の角度範囲内で作動可能である。第2踏み桟32は、支柱29,30から、支柱29,30の太さ方向に突出されている。第1踏み桟31及び第2踏み桟32は、支柱29,30から同じ方向に突出されている。
【0025】
第2踏み桟32は、ストッパ38を有し、ストッパ38が第1支柱及29び支柱30に接触すると、第2踏み桟32は、支柱29,30に対して開いた位置で停止する。第2踏み桟32が支柱29,30に接触すると、第2踏み桟32は、支柱29,30に対して閉じた位置で停止する。第1踏み桟31及び第2踏み桟32が、
図3(B)のように共に開いて停止した状態で、第1踏み桟31が支柱29,30から突出される長さは、第2踏み桟32が支柱29,30から突出される長さを超えている。
【0026】
図3(A)、
図3(B)、
図4、
図6Bのように、支柱29,30に、フック39がそれぞれ設けられている。フック39は、昇降用ステップ15を煽り板22または後部フレーム18に対して選択的に仮り取り付けするための要素である。昇降用ステップ15を
図3(A)及び
図3(B)のように側面視すると、フック39は、支柱29,30に対して、第1踏み桟31及び第2踏み桟32が取り付けられている箇所の反対側に設けられている。
【0027】
つまり、昇降用ステップ15を側面視すると、フック39は、支柱29,30から、支柱29,30の太さ方向に突出されている。フック39が支柱29,30から突出された方向は、第1踏み桟31及び第2踏み桟32が支柱29,30から突出された方向とは逆である。つまり、支柱29,30は、フック39と、第1踏み桟31及び第2踏み桟32との間に位置する。
【0028】
フック39は、支柱29,30の長さ方向で、エンドキャップ34と接続部材33との間に設けられている。フック39は、支柱29,30にそれぞれ溶接固定されており、フック39はリブ40によって補強されている。フック39及びリブ40は、金属製である。フック39の内面、支柱29の外面の一部及び支柱30の外面の一部に亘って緩衝部材41が取り付けられている。緩衝部材41は、合成ゴム製である。
【0029】
図6(B)のように、接続部材33にヒンジ42を介してホルダ43が取り付けられ、ホルダ43に位置決め部材44が固定されている。ホルダ43は、接続部材33の長さ方向に沿って設けられている。ホルダ43は、例えば、断面形状が四角形の金属製のパイプである。ホルダ43は、ヒンジ42によって接続部材33に対して所定角度の範囲内で作動可能である。ホルダ43は、
図3(B)に実線で示された第1位置と、
図3(B)に破線で示された第2位置とで停止可能である。
【0030】
位置決め部材44は、昇降用ステップ15を
図2、
図5、
図6Aのように後部フレーム18に取り付ける場合に、支柱29,30を、荷台14に対して位置決めするための要素である。位置決め部材44は、ホルダ43の外面に固定されている。位置決め部材44は、例えば、合成ゴム製または合成樹脂製である。位置決め部材44は、ホルダ43が
図3(B)のように第1位置で停止された場合に、支柱29,30から最も離間する箇所でホルダ43に固定されている。
【0031】
昇降用ステップ15を側面視し、かつ、
図3(B)のようにホルダ43が第1位置で停止されると、位置決め部材44が支柱29,30から突出されている方向は、フック39が支柱29,30から突出されている方向と同じである。昇降用ステップ15を側面視し、かつ、
図3(A)のようにホルダ43が第2位置で停止されると、位置決め部材44が支柱29,30から突出されている方向は、フック39が支柱29,30から突出されている方向と逆である。
【0032】
支柱29,30の長さ方向で、エンドキャップ34が取り付けられている端部と反対の端部の近くに、位置決め部材45がそれぞれ設けられている。位置決め部材45は、昇降用ステップ15が
図7及び
図8のように煽り板22へ仮取り付けされた場合に、支柱29,30を、煽り板22に対して位置決めするための要素である。
図3(A)及び
図3(B)は、支柱29,30の長さ方向で、第1踏み桟31が、第2踏み桟32と位置決め部材45との間に配置された例を示している。
【0033】
位置決め部材45は、支柱29,30の外面にそれぞれ固定されている。位置決め部材45が支柱29,30から突出されている方向は、フック39が支柱29,30から突出されている方向と同じである。また、位置決め部材45は、例えば、合成ゴム製または合成樹脂製である。
【0034】
さらに、支柱29または支柱30の少なくとも一方にグリップ46が設けられている。グリップ46は、例えば、金属製であり、グリップ46は、作業者が手で掴むために設けられている。
図5は、グリップ46が支柱29のみに設けられた例を示している。なお、グリップ46は、設けられていなくてもよい。
【0035】
図1に示す2枚の扉23のうち、1枚の扉23の内面に、
図2及び
図9に示すような第1支持プレート48及び第2支持プレート49が取り付けられている。第1支持プレート48及び第2支持プレート49は、荷台14から取り外された昇降用ステップ15を支持する要素である。第1支持プレート48及び第2支持プレート49は、高さ方向に間隔をおいて設けられている。第1支持プレート48は、第2支持プレート49より上に設けられている。第1支持プレートは48、2個の支持金具50、及び係合金具51を有する。第2支持プレート49は、係合金具52を有する。さらに、ベルト53が設けられている。ベルト53は、昇降用ステップ15の姿勢を保持するための要素である。ベルト53の長さ方向における第1端部にフック54が設けられ、ベルト53の長さ方向における第2端部にフック55が設けられている。
【0036】
図2のように扉23が開かれている状態で、作業者が昇降用ステップ15を後部フレーム18に取り付ける場合は、次の作業を行う。昇降用ステップ15は、
図3(B)のように扉23から取り外されている。作業者は、第1踏み桟31及び第2踏み桟32を支柱29,30に対して開いた位置で停止させる。また、作業者は、ホルダ43を
図3(B)に実線で示された第1位置で停止させる。そして、作業者が、
図6Bのようにフック39を係合金具24に掛ける。具体的には、緩衝部材41が係合金具24に接触される。
【0037】
すると、
図2、
図4、
図5、
図6Aのように、昇降用ステップ15は、フック39を支点として自重で垂れ下がり、係合金具24は、昇降用ステップ15の荷重を受ける。昇降用ステップ15の重心は、フック39よりも下方にあり、フック39は、支柱29,30の太さ方向において、支柱29,30から突出されている。このため、昇降用ステップ15は、フック39を支点とし、
図6Aで反時計回りに付勢され、位置決め部材44が後部フレーム18に接触し、昇降用ステップ15が後部フレーム18に対して位置決めされる。
【0038】
つまり、後部フレーム18は、支柱29,30の長さ方向における異なる2箇所、つまりフック39及び位置決め部材44において、昇降用ステップ15の荷重を受け、かつ、昇降用ステップ15を支持する。なお、昇降用ステップ15が後部フレーム18に仮取り付けされた状態において、
図6Aのように、位置決め部材45は、荷台14の高さ方向で荷台14より下方に位置するため、位置決め部材45は後部フレーム18に接触しない。
【0039】
このように、昇降用ステップ15を後部フレーム18に仮取り付けすると、
図2のように、昇降用ステップ15の下端、つまり、支柱29の端部、及び支柱30の端部は、共に地面56から離間されている。また、支柱29の長さ方向の一部、支柱30の長さ方向の一部は、床板19の上面より上方に位置する。
【0040】
作業者が地面56から収容室28へ進入する場合は、先ず、第1の足を第1踏み桟31に載せ、次いで、第2の足を第2踏み桟32に載せることで体重を移動させて昇降用ステップ15を昇り、収容室28へ進入する。作業者が収容室28から地面56へ降りる場合は、第1の足を第2踏み桟32に載せ、次いで、第1の足を第1踏み桟31に載せることで体重を移動させて昇降用ステップ15を降り、作業者が地面56に立つ。なお、作業者が昇降用ステップ15を持ち上げることにより、フック39を係合金具24から外すと、昇降用ステップ15を後部フレーム18から取り外すことができる。
【0041】
作業者が昇降用ステップ15を煽り板22に取り付ける場合は、次の作業を行う。まず、煽り板22は、
図7のように開かれている。また、作業者は、第1踏み桟31及び第2踏み桟32を支柱29,30に対して開いた位置で停止させる。さらに、作業者は、ホルダ43を
図3(B)に破線で示された第2位置で停止させる。そして、作業者が、フック39を煽り板22の縁に掛ける。
【0042】
すると、昇降用ステップ15は、フック39を支点として自重で垂れ下がり、煽り板22は、昇降用ステップ15の荷重を受ける。昇降用ステップ15は、フック39を支点とし、
図7で時計回りに付勢され、位置決め部材45が煽り板22に接触して昇降用ステップ15が停止する。つまり、煽り板22は、支柱29,30の長さ方向における異なる2箇所、つまりフック39及び位置決め部材45において、昇降用ステップ15の荷重を受け、かつ、昇降用ステップ15を支持する。なお、ホルダ43が
図3(B)に破線で示す第2位置で停止されており、位置決め部材44は、煽り板22に接触しない。
【0043】
このように、昇降用ステップ15を煽り板22に仮取り付けすると、昇降用ステップ15の下端、つまり、支柱29,30の端部は、共に地面56から離間されている。また、支柱29,30の長さ方向の一部は、床板19の上面より上方に位置する。作業者が地面56から収容室28へ進入する場合は、前述と同様に作業者は、第1踏み桟31及び第2踏み桟32の順に足で踏み、収容室28へ進入する。作業者が収容室28から地面56へ降りる場合は、第2踏み桟32及び第1踏み桟31の順に足で踏み、作業者が地面56に立つ。なお、作業者が昇降用ステップ15を持ち上げることにより、フック39を煽り板22から外すと、昇降用ステップ15を煽り板22から取り外すことができる。
【0044】
このように、荷台14の側部に設けられた煽り板22を開いて荷役を行う場合、または、荷台14の後部に設けられた扉23を開いて荷役を行う場合の何れにおいても、昇降用ステップ15を後部フレーム18及び煽り板22に選択的に仮取り付け及び取り外しが可能であり、作業性が向上する。
【0045】
図9は、昇降用ステップ15が扉23の内面に収納された状態を示している。フック39が支持金具50に掛けられ、支柱29,30は、自重で略垂直に垂下されている。位置決め部材45は第2支持プレート49に接触されている。また、ホルダ43は、
図3(A)と同様に第2位置で停止され、第1踏み桟31及び第2踏み桟32は、支柱29,30に対して閉じた位置で停止されている。そして、フック54が係合金具51に掛けられ、フック55が係合金具52に掛けられている。
【0046】
つまり、ベルト53は、昇降用ステップ15が、フック39を支点として振動することを阻止する。昇降用ステップ15の下端は、扉23の下端よりも上に位置する。したがって、昇降用ステップ15が扉23の内面に収納された状態で、扉23を開閉可能である。なお、昇降用ステップ15を扉23から取り外す場合は、フック55を係合金具52から解放し、作業者が昇降用ステップ15を持ち上げてフック39を支持金具50から解放させればよい。さらに、作業者はグリップ46を手で握って昇降用ステップ15を運搬できる。
【0047】
本実施形態で開示された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。荷台14は、荷台の一例であり、昇降用ステップ15は、昇降用ステップの一例であり、一対の支柱29,30は、本体の一例であり、第1踏み桟31及び第2踏み桟32は、踏み桟の一例であり、煽り板22は、煽り板の一例であり、後部フレーム18は、構造部材の一例であり、フック39は、着脱部の一例であり、位置決め部材45は、第1位置決め部材の一例であり、位置決め部材44は、第2位置決め部材の一例であり、第1支持プレート48、第2支持プレート49及び支持金具50は、支持部の一例である。第1方向及び第2方向は、本体に対して互いに逆向きである。また、支柱29,30の太さ方向の何れか1方向が、第1方向の一例である。第1方向は、本体に対して限定された方向ではなく、荷台14に接近する方向を意味する。そして、第1方向と第2方向とは、逆であればよい。
【0048】
上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本体は、2本の支柱に代えて、金属製のフレームまたは金属製のプレートであもよい。踏み桟は、本体に対して作動可能であるものに代えて、本体に固定された踏み桟でもよい。着脱部を煽り板に係合する場合、着脱部を煽り板の縁に係合することに代えて、着脱部を、煽り板に設けられた係合部に係合してもよい。
【0049】
荷台14に設けられる係合金具24は、昇降用ステップ15を取り付け及び取り外し可能な係合部であり、係合部は、係合金具24の他、突起、フック、爪、リング等を含む。着脱部は、荷台の係合部に係合及び解放可能な形状であればよく、着脱部は、フックに代えて、頭部を有するピンでもよい。
【0050】
本実施形態に開示された昇降用ステップは、次の特徴も含む。本体は、平行に配置された一対の支柱を有し、踏み桟は、一対の支柱に対して接近及び離間できるように、一対の支柱に作動可能に取り付けられている。本実施形態に開示された荷台ユニットは、次の特徴も含む。着脱部が煽り板に係合されて本体が煽り板に取り付けられると、第1位置決め部材は、荷台の高さ方向で着脱部よりも下方で煽り板に接触され、着脱部が係合部に掛けられて本体が構造部材に取り付けられると、第2位置決め部材は、荷台の高さ方向で着脱部よりも下方で構造部材に接触される。
【符号の説明】
【0051】
14…荷台、15…昇降用ステップ、16…荷台ユニット、18…後部フレーム、22…煽り板、29,30…支柱、31…第1踏み桟、32…第2踏み桟、39…フック、44,45…位置決め部材、48…第1支持プレート、49…第2支持プレート、50…支持金具