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  • 特許-自動取引装置および取付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】自動取引装置および取付構造
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/40 20190101AFI20240312BHJP
【FI】
G07D11/40
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021006796
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111403
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】海谷 拓実
(72)【発明者】
【氏名】神田 信一
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-124000(JP,A)
【文献】特開2021-189767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00-13/00
G07D 1/00- 3/16
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体を固定する第1固定部材と、
前記装置本体が固定された前記第1固定部材を接地面に設けられた被固定部に固定するための第2固定部材と、
を備え、
前記第2固定部材は、前記被固定部に対する固定位置を水平方向に移動可能に形成され
前記第2固定部材は、矩形状の固定枠および長板状の移動枠を備え、
前記固定枠は、前記矩形を構成する一対の対向する両端に沿って延設されたレールを含み、
前記移動枠は、前記長板を構成する一対の各端部に設けられたフランジを含み、
前記フランジは、前記レール上に沿って当接して前記第1固定部材を前記レールに沿って水平方向に案内し、
前記第1固定部材は、
第1ネジと螺合して前記装置本体を前記第1固定部材に固定する第1穴と、
第2ネジと螺合して前記第1固定部材を前記第2固定部材に固定する第2穴と、を備えている
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記第2固定部材は、
前記第2ネジと螺合して前記第1固定部材を前記第2固定部材に固定する第3穴と、
第3ネジと螺合して前記第2固定部材を前記被固定部に固定する第4穴を備える
ことを特徴とする請求項に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記第4穴は、前記移動枠に沿って長手方向に延びた長孔状に形成され、
前記第4穴は、前記第3ネジを前記移動枠の長手方向に沿って前記第1固定部材を水平方向に案内する
ことを特徴とする請求項に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記第1固定部材は、前記装置本体の固定時における背面から正面に向かって突出する切片を含み、
前記第1固定部材は、前記装置本体と前記切片とを接合して前記第1固定部材に固定する
ことを特徴とする請求項1から請求項のうち何れかに記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記第1固定部材は、前記装置本体の固定時における厚さが背面から正面に向かって漸減する傾斜面を含む
ことを特徴とする請求項に記載の自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置および取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックオフィスに設置された入出金機、銀行等に広く普及して用いられているATM(Automatic Teller Machine)、現金収納庫などの自動取引装置が知られている。このような自動取引装置は、コンクリートなどの接地面に設けられたアンカーボルト穴などの被固定部に対して、固定部材を介してアンカーボルトなどの雄ネジで固定されている。
【0003】
例えば、自動取引装置をベースフレームなどの固定部材を介して接地面に設けられたアンカーボルト床に固定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-180734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動取引装置を別の自動取引装置に交換(リプレース)する場合には、交換前の被固定部を流用して固定部材を介して自動取引装置が固定している。しかしながら、自動取引装置を設置するための被固定部の位置や数は、自動取引装置の機種やメーカーにより異なるため、機種やメーカーに対応した被固定部の位置に対応する固定部材を多数製作しなければならなかった。その結果、固定部材の種類を多く作成することによる運用管理費の増加、小ロット発注による部品コストの増加などの問題が発生していた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、被固定部の種類によらずに多種多様の被固定部に対応することでコストを低減することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述目的を達成するために、本発明は、装置本体と、前記装置本体を固定する第1固定部材と、前記装置本体が固定された前記第1固定部材を接地面に設けられた被固定部に固定するための第2固定部材と、を備え、前記第2固定部材は、前記被固定部に対する固定位置を水平方向に移動可能に形成され、前記第2固定部材は、矩形状の固定枠および長板状の移動枠を備え、前記固定枠は、前記矩形を構成する一対の対向する両端に沿って延設されたレールを含み、前記移動枠は、前記長板を構成する一対の各端部に設けられたフランジを含み、前記フランジは、前記レール上に沿って当接して前記第1固定部材を前記レールに沿って水平方向に案内し、前記第1固定部材は、第1ネジと螺合して前記装置本体を前記第1固定部材に固定する第1穴と、第2ネジと螺合して前記第1固定部材を前記第2固定部材に固定する第2穴と、を備えていることを特徴とする自動取引装置。
【0008】
また、本発明は、装置本体を固定する第1固定部材と、前記装置本体が固定された前記第1固定部材を接地面に設けられた被固定部に固定するための第2固定部材と、を備え、前記第2固定部材は、前記被固定部に対する固定位置を水平方向に移動可能に形成されていることを特徴とする取付構造。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被固定部の種類によらずに多種多様の被固定部に対応することでコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態にかかる自動取引装置の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態にかかる取付構造の一例を示す分解斜視図である。
図3】第2固定部材の一例を示す分解斜視図である。
図4】第2固定部材の他の例を示す分解斜視図である。
図5】本実施形態の自動取引装置の側面を示す図である。
図6図5の自動取引装置におけるA1断面、A2断面を示す図である。
図7図5の自動取引装置におけるB1断面、B2断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態にかかる自動取引装置1の一例を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態にかかる取付構造の一例を示す分解斜視図である。自動取引装置1は、バックオフィスに設置された入出金機、ATM、現金収納庫などの一例である。本実施形態において、図1図2において、自動取引装置1の幅方向をX軸方向とし、自動取引装置1の奥行方向をY軸方向とし、自動取引装置1の高さ方向をZ軸方向として示す。
【0013】
図1図2に示すように、自動取引装置1は、装置本体10と、第1固定部材20と、第2固定部材30とを備える。自動取引装置1の装置本体10は、第1固定部材20と、第2固定部材30と、を介して接地面40に設けられた被固定部41に固定される。
【0014】
被固定部41は、コンクリートなどにより形成された接地面40に設けられたアンカーボルトなどの雌ネジが埋設されている。被固定部41は、接地面40に対して所定の間隔をおいて複数設置されている。本実施形態においては、被固定部41は、接地面40に対して所定の間隔をおいて5つ設置されている。被固定部41の数は、5つに限られず、少なくとも1つ以上設置されていてもよい。
【0015】
装置本体10は、第1ネジ201を挿通して装置本体10を第1固定部材20に固定するための装置穴101を備える。本実施形態においては、第1ネジ201は、2つ設けられている。したがって、第1ネジ201を挿通する装置穴101は、2つの第1ネジ201に対応して2つ設けられる。
【0016】
第1固定部材20は、第1ネジ201と螺合して装置本体10を第1固定部材20に固定する第1穴211を備える。
【0017】
本実施形態においては、第1ネジ201は、2つ設けられている。したがって、第1ネジ201と螺合する第1穴211は、2つの第1ネジ201に対応して2つ設けられる。第1ネジ201の数は2つに限られず1つ以上であればよい。この場合、第1穴211の数は、第1ネジ201の数に対応して設けられる。
【0018】
第1固定部材20は、装置本体10を固定する台形部204を備える。台形部204は、基部面200より高さ方向(Z軸方向)上方に突出して形成されている。図2に示すように、2つの第1穴211は、台形部204の上面において所定の間隔を置いて2つ配置されている。
【0019】
第1固定部材20は、第2ネジ202と螺合して第1固定部材20を第2固定部材30に固定する第2穴212を備える。
【0020】
本実施形態においては、第2ネジ202は、4つ設けられている。したがって、第2ネジ202と螺合する第2穴212は、4つの第2ネジ202に対応して4つ設けられる。第2ネジ202の数は4つに限られず1つ以上であればよい。この場合、第2穴212の数は、第2ネジ202の数に対応して設けられる。
【0021】
第2固定部材30は、装置本体10が固定された第1固定部材20を接地面40に設けられた被固定部41に固定するために使用される。
【0022】
図3は、第2固定部材30の一例を示す分解斜視図である。
第2固定部材30は、第2ネジ202と螺合して第1固定部材20を第2固定部材30に固定する第3穴213を備える。
【0023】
本実施形態においては、第2ネジ202は、4つ設けられている。したがって、第2ネジ202と螺合する第3穴213は、4つの第2ネジ202に対応して4つ設けられる。第2ネジ202の数は4つに限られず1つ以上であればよい。この場合、第3穴213の数は、第2ネジ202の数に対応して設けられる。
【0024】
本実施形態においては、第3ネジ203は、4つ設けられている。したがって、第3ネジ203と螺合する第3穴213は、4つの第3ネジ203に対応して4つ設けられる。第3ネジ203の数は4つに限られず1つ以上であればよい。この場合、第3穴213の数は、第3ネジ203の数に対応して設けられる。
【0025】
各第2穴212同士の間隔と、各第3穴213同士の間隔とは同一の間隔により形成されている。これにより、第2ネジ202により第1固定部材20と第2固定部材30とを螺合して固定することができる。
【0026】
第2固定部材30は、被固定部41に対する固定位置を水平方向に移動可能に形成されている。すなわち、第2固定部材30は、被固定部41に対する固定位置を幅方向(X軸方向)および奥行き(Y軸方向)に移動可能に形成されている。
【0027】
第2固定部材30は、被固定部41に対する固定位置を水平方向に移動可能とするために、矩形状の固定枠31と、長板状の移動枠33とを備える。
【0028】
固定枠31は、矩形を構成し、一対の対向する幅方向(X方向)の両端に沿って延設されたレール32を含む。図3の実施形態において、固定枠31の両端は、固定枠31のY軸方向、すなわち、装置本体10の正面から背面へ奥行き方向に向かって配置されている。レール32は、固定枠31の一対の辺においてY軸方向、すなわち、装置本体10の正面から背面方向に向かう水平方向(奥行き方向:Y方向)に沿って、対向して配置されている。固定枠31のレール32は、幅方向(X軸方向)、に沿って、配置されていてもよい。
【0029】
第2固定部材30は、長板状の移動枠33を備える。図2の実施形態では、移動枠33は2つ配置されている。移動枠33は、2つ以外であってもよく、少なくとも1つ配置されていてもよい。移動枠33は、幅方向(X軸方向:水平方向)に沿って長く伸びて形成されている。
【0030】
移動枠33の長さ方向の各端部には、長板を構成する一対のフランジ34が形成されている。
【0031】
フランジ34は、長手方向の各端部が略L字状に屈曲して形成され、レール32の上面に沿って載置される。フランジ34を介してレール32に載置された移動枠33は、奥行き方向(Y軸方向:水平方向)に沿って移動可能となる。
【0032】
第2固定部材30は、第3ネジ203と螺合して第2固定部材30を被固定部41に固定する第4穴214を備える。
【0033】
第4穴214は、移動枠33に沿って長手方向に延びた長孔状が形成される。したがって、第4穴214は、第4穴214に螺合された第3ネジ203を移動枠33の長手方向に沿って第1固定部材20を水平方向に案内する。本実施形態においては、移動枠33は、幅方向(X軸方向)に沿って配置されているため、第3ネジ203をX軸方向に水平方向に移動することができる。移動枠33が、奥行き方向(Y軸方向)に沿って配置した場合には、第3ネジ203を奥行き方向(Y軸方向)に水平方向に移動することができる。
【0034】
図2に示すように、第1固定部材20は、装置本体10の固定時に装置本体10を係止する切片301を含む。切片301は、装置本体10の背面から正面、すなわち、Y軸方向に向かって突出して形成される。
【0035】
図4は、第2固定部材30の他の例を示す分解斜視図である。図4の接地面40に形成された被固定部41b同士のX軸方向の間隔は、図3で説明した接地面40に形成された被固定部41a同士の間隔よりも狭い間隔で配置されている。このような場合であっても、第4穴214内を第3ネジ203がX軸方向に水平移動させることにより、被固定部41同士の間隔に規制されずに自由に第3ネジ203により第2固定部材30を被固定部41に固定することができる。
【0036】
また、図4の接地面40に形成された被固定部41同士のY軸方向の間隔(L2)は、図3で説明した接地面40に形成された被固定部41同士のY軸方向の間隔(L1)よりも広い間隔で配置されている。このような場合であっても、第4穴214が設けられた移動枠33がレール32上をY軸方向に水平移動させることにより、被固定部41同士の間隔に規制されずに自由に第3ネジ203により第2固定部材30を被固定部41に固定することができる。
【0037】
図5は、本実施形態の自動取引装置1の側面を示す図である。図6は、図5の自動取引装置1におけるA1断面、A2断面を示す図である。
【0038】
図6(1)は、図5の自動取引装置1におけるA1断面を示し、図6(2)は、図5の自動取引装置1におけるA2断面を示している。
【0039】
図6(1)(2)に示すように、自動取引装置1の装置本体10は、第2ネジ202により第1固定部材20に接続され、装置本体10が接続された第1固定部材20は、第3ネジ203により第2固定部材30を介して接地面40に形成された被固定部41に固定される。
【0040】
図7は、図5の自動取引装置1におけるB1断面、B2断面を示す図である。図7(1)は、図5の自動取引装置1におけるB1断面を示し、図7(2)は、図5の自動取引装置1におけるB2断面を示している。
【0041】
図7に示すように、第1固定部材20は、傾斜面401を含む。傾斜面401は、装置本体10の固定時における厚さが背面から正面に向かって漸減する。すなわち、傾斜面401の厚さは、Y軸方向の正面に向かって下るように形成される。これにより、自動取引装置1の設置時には、正面から背面に向かって自動取引装置1を押圧することにより自動取引装置1の垂直方向、すなわちZ軸方向の高さを上げることができ、自動取引装置1を容易に設置することができる。
【0042】
上述のように、自動取引装置1を別の自動取引装置に交換(リプレース)する場合には、交換前の被固定部41を流用して自動取引装置1を固定しているが、被固定部41の位置や数は、自動取引装置1の機種やメーカーにより異なるため、機種やメーカーに対応した被固定部41の位置に対応する固定部材を多数製作しなければならなかった。
【0043】
この点、上述した実施形態にかかる自動取引装置1では、第2固定部材30により、被固定部41の位置や数によらずに、被固定部41に対する固定位置を水平方向に移動可能とすることで、被固定部41の種類によらずに多種多様の被固定部41に対応することでコストを低減することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 :自動取引装置
10 :装置本体
20 :第1固定部材
30 :第2固定部材
31 :固定枠
32 :レール
33 :移動枠
34 :フランジ
40 :接地面
41 :被固定部
41a :被固定部
41b :被固定部
101 :装置穴
200 :基部面
201 :第1ネジ
202 :第2ネジ
203 :第3ネジ
204 :台形部
211 :第1穴
212 :第2穴
213 :第3穴
214 :第4穴
L1 :間隔
L2 :間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7