(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】配送システム、サーバ及び配送システム用のプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240312BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240312BHJP
B60L 53/54 20190101ALI20240312BHJP
B60L 53/57 20190101ALI20240312BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q50/06
B60L53/54
B60L53/57
(21)【出願番号】P 2021115646
(22)【出願日】2021-07-13
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】池谷 浩二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅寛
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-041652(JP,A)
【文献】特開2017-045309(JP,A)
【文献】特開2006-188346(JP,A)
【文献】特開2009-282838(JP,A)
【文献】特開2020-188592(JP,A)
【文献】特開2020-061862(JP,A)
【文献】特開2013-255361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B60L 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と、
複数の端末と通信可能なサーバと、を備えた配送システムにおいて、
前記サーバが
、
複数の前記端末との通信により、燃料電池自動車の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により予約が受け付けられた前記端末に紐づけて予め登録された前記燃料電池自動車又は前記電気自動車の位置情報に基づいて、
水素を貯める水素タンクと、前記水素タンクの前記水素から電気を生成する燃料電池と、前記水素タンクに貯められた水素を燃料電池自動車に充填する充填器と、前記燃料電池が生成した電気を電気自動車に充電する充電器と、が搭載された車両の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部と
、
前記端末との通信により、前記燃料電池自動車に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部と、
前記残量取得部により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末に対して予約の要否確認を送信する送信部と、を有し、
前記予約受付部が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末から予約要の回答を受信したときには、前記予約を受け付け、前記端末から予約不要の回答を受信したときには、前記所定値を引き下げる、
配送システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の配送システムにおいて、
前記配送スケジュール作成部は、予約が受け付けられた前記燃料電池自動車又は前記電気自動車の位置情報に基づいて、所定期間内に1台の前記車両が巡回できる配送エリアを設定し、各配送エリアの日程を決定して前記配送スケジュールを作成する、
配送システム。
【請求項3】
請求項2
に記載の配送システムにおいて、
前記配送エリアは、前記車両に水素を充填する水素ステーションから遠いほど、そのエリア面積が小さくなるように設定される、
配送システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の配送システムにおいて、
前記サーバの残量取得部が、前記端末との通信により、当該端末の移動履歴を取得し、取得した移動履歴に基づいて前記残量を取得する、
配送システム。
【請求項5】
複数の端末と通信可能なサーバであって、
複数の前記端末との通信により、前記端末に紐づけて予め登録された燃料電池自動車の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により予約が受け付けられた前記燃料電池自動車または前記電気自動車に紐づけて予め登録された位置情報に基づいて、
水素を貯める水素タンクと、前記水素タンクの前記水素から電気を生成する燃料電池と、前記水素タンクに貯められた水素を燃料電池自動車に充填する充填器と、前記燃料電池が生成した電気を電気自動車に充電する充電器と、が搭載された車両の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部と
、
前記端末との通信により、前記燃料電池自動車に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部と、
前記残量取得部により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末に対して予約の要否確認を送信する送信部と、を有し、
前記予約受付部が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末から予約要の回答を受信したときには、前記予約を受け付け、前記端末から予約不要の回答を受信したときには、前記所定値を引き下げる、
サーバ。
【請求項6】
コンピュータ
を、
複数の端末との通信により、前記端末に紐づけて予め登録された燃料電池自動車の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により予約が受け付けられた前記燃料電池自動車または前記電気自動車に紐づけて予め登録された位置情報に基づいて、
水素を貯める水素タンクと、前記水素タンクの前記水素から電気を生成する燃料電池と、前記水素タンクに貯められた水素を燃料電池自動車に充填する充填器と、前記燃料電池が生成した電気を電気自動車に充電する充電器と、が搭載された車両の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部と
、
前記端末との通信により、前記燃料電池自動車に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部と、
前記残量取得部により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末に対して予約の要否確認を送信する送信部と、して機能させ
、
前記予約受付部が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末から予約要の回答を受信したときには、前記予約を受け付け、前記端末から予約不要の回答を受信したときには、前記所定値を引き下げる、
配送システム用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、配送システム、サーバ及び配送システム用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスによる環境汚染を防止するためや燃料の多様化に伴って、燃料電池自動車や電気自動車の普及が期待されている。そこで、燃料電池自動車に水素を充填するための水素ステーションに関する技術(特許文献1~5)や、電気自動車を充電するための充電ステーションに関する技術(特許文献6)が様々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-315111号公報
【文献】特開2005-220946号公報
【文献】特開2005-283127号公報
【文献】特開2018-71658号公報
【文献】国際公開第2020/075771号
【文献】特開2020-99128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水素ステーションや充電ステーションが圧倒的に少なく、容易に燃料電池自動車に水素を充填したり、電気自動車を充電したりすることができず、燃料電池自動車や電気自動車の普及の妨げとなっている。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に燃料電池自動車に水素を充填できると共に電気自動車を充電できる、配送システム、サーバ及び配送システム用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る、配送システム、サーバ及び配送システム用のプログラムは、下記[1]~[3]を特徴としている。
[1]
複数の端末と、
複数の端末と通信可能なサーバと、を備えた配送システムにおいて、
前記サーバが、
複数の前記端末との通信により、燃料電池自動車の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により予約が受け付けられた前記端末に紐づけて予め登録された前記燃料電池自動車又は前記電気自動車の位置情報に基づいて、水素を貯める水素タンクと、前記水素タンクの前記水素から電気を生成する燃料電池と、前記水素タンクに貯められた水素を燃料電池自動車に充填する充填器と、前記燃料電池が生成した電気を電気自動車に充電する充電器と、が搭載された車両の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部と、
前記端末との通信により、前記燃料電池自動車に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部と、
前記残量取得部により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末に対して予約の要否確認を送信する送信部と、を有し、
前記予約受付部が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末から予約要の回答を受信したときには、前記予約を受け付け、前記端末から予約不要の回答を受信したときには、前記所定値を引き下げる、
配送システムであること。
[2]
複数の端末と通信可能なサーバであって、
複数の前記端末との通信により、前記端末に紐づけて予め登録された燃料電池自動車の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により予約が受け付けられた前記燃料電池自動車または前記電気自動車に紐づけて予め登録された位置情報に基づいて、水素を貯める水素タンクと、前記水素タンクの前記水素から電気を生成する燃料電池と、前記水素タンクに貯められた水素を燃料電池自動車に充填する充填器と、前記燃料電池が生成した電気を電気自動車に充電する充電器と、が搭載された車両の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部と、
前記端末との通信により、前記燃料電池自動車に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部と、
前記残量取得部により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末に対して予約の要否確認を送信する送信部と、を有し、
前記予約受付部が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末から予約要の回答を受信したときには、前記予約を受け付け、前記端末から予約不要の回答を受信したときには、前記所定値を引き下げる、
サーバであること。
[3]
コンピュータを、
複数の端末との通信により、前記端末に紐づけて予め登録された燃料電池自動車の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部により予約が受け付けられた前記燃料電池自動車または前記電気自動車に紐づけて予め登録された位置情報に基づいて、水素を貯める水素タンクと、前記水素タンクの前記水素から電気を生成する燃料電池と、前記水素タンクに貯められた水素を燃料電池自動車に充填する充填器と、前記燃料電池が生成した電気を電気自動車に充電する充電器と、が搭載された車両の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部と、
前記端末との通信により、前記燃料電池自動車に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部と、
前記残量取得部により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末に対して予約の要否確認を送信する送信部と、して機能させ、
前記予約受付部が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末から予約要の回答を受信したときには、前記予約を受け付け、前記端末から予約不要の回答を受信したときには、前記所定値を引き下げる、
配送システム用のプログラムであること。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、容易に燃料電池自動車に水素を充填できると共に電気自動車を充電できる、配送システム、サーバ及び配送システム用のプログラムを提供できる。
【0008】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の車両の一実施形態を示す構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の配送システムの一実施形態を示す構成図である。
【
図5】
図5は、
図2に示すサーバ及び端末の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図2に示すサーバが行う配送スケジュールの作成について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0011】
図1に示すように、車両1は、水素タンク2と、燃料電池3と、充填器4と、充電器5と、が搭載されている。水素タンク2は、水素を貯めることができるタンクであり、水素ステーションで水素を充填することができる。燃料電池3は、水素タンク2の水素を供給すると、酸素と化学反応を起こして電気を発生する。充填器4は、水素タンク2に貯められた水素を燃料電池自動車に充填するための機器である。充電器5は、燃料電池3が生成した電気を電気自動車に充電するための機器である。
【0012】
これら水素タンク2、燃料電池3、充填器4及び充電器5を車両1に搭載することにより、燃料電池自動車用の水素や電気自動車用の電気を配送することができる。例えば、燃料電池自動車や電気自動車の所有者の自宅近くに水素ステーション、充電ステーション(または商用電源)がない場合であっても、車両1が自宅まで行って燃料電池自動車に水素を補充したり、電気自動車を充填したりすることができる。
【0013】
また、水素ステーション、充電ステーション(または商用電源)が近くにない場所で、燃料電池自動車や電気自動車がガス欠になった場合、車両1がガス欠となった場所まで行って燃料電池自動車に水素を補充したり、電気自動車を充填したりすることができる。これにより、容易に燃料電池自動車に水素を充填できると共に電気自動車を充電できる。さらに、車両1として、複数の店舗を回って商品を配送する商用車を用いれば、商品配送と水素の配送を同時にでき効率がよくなる。
【0014】
次に、上述した
図1に示す車両1を利用した配送システム10について
図2を参照して説明する。本実施形態の配送システム10は、燃料電池自動車20用の水素を配送するシステムである。配送システム10は、複数の端末11と、車載器12と、これら複数の端末11とインターネット通信網30を介して通信可能なサーバ13と、を備えている。
【0015】
端末11は、本配送システム10の利用者40が利用できるスマートフォンやタブレット、PC(Personal Computer)などの通信端末から構成されている。端末11は、
図3に示すように、第1通信部11Aと、第2通信部11Bと、操作部11Cと、表示部11Dと、μCOM(microcomputer)11Eと、を備えている。第1通信部11Aは、車載器12とBluetooth(登録商標)など近距離通信を行うための通信部である。第2通信部11Bは、インターネット通信網30に接続するための通信部である。操作部11Cは、利用者40によって各種操作が行われる。表示部11Dは、各種情報が表示される。μCOM11Eは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリと、メモリに格納されたプログラムに従って動作を行うCPU(Central Processing Unit)と、を有し、端末11全体の制御を司る。
【0016】
本実施形態では、上記操作部11C及び表示部11Dとして、これら一体に形成したタッチパネルから構成されている例について説明する。上記端末11には、配送システム10を運営する運営会社が配信する配送システム用アプリケーションがダウンロードされ、記憶されている。
【0017】
車載器12は、燃料電池自動車に搭載されたマルチメディアやメータから水素の残量データを取得し、取得した水素の残量データを端末11に送信する。
【0018】
サーバ13は、
図4に示すように、通信部13Aと、DB(DataBase)13Bと、μCOM13Cと、を備えている。通信部13Aは、インターネット通信網30に接続するための通信部である。DB13Bには、水素を配送する車両1の登録情報(配送可能エリア、ID(=識別情報))や空き状況、利用者40の登録情報(端末11のアドレス、車両情報、利用者40の名前、住所、連絡先、請求先の口座情報、クレジットカード情報など)が記憶されている。
【0019】
次に、上述した構成の配送システム10の動作について
図5を参照して説明する。端末11は、燃料電池自動車20に搭載した車載器12と通信できる間は定期的に車載器12と通信し、車載器12から水素の残量データを受信する。また、サーバ13のμCOM13C(以下、単にサーバ13と略記)は、残量取得部として機能し、定期的に登録された端末11に対して水素残量を要求する水素残量要求信号を送信する(S1)。端末11のμCOM11E(以下、単に端末11と略記)は、水素残量要求信号を受信すると、車載器12との通信により受信した最新の残量データを含んだ水素残量回答信号を送信する(S2)。
【0020】
サーバ13は、水素残量回答信号を受信すると、水素残量が所定値(例えばタンク容量の1/4)以下であるか否かを判定する(S3)。水素残量が所定値以下でなければ(S3でN)、サーバ13は、S1に戻る。一方、水素残量が所定値以下であれば(S3でY)、サーバ13は、送信部として機能し、端末11に対して水素充填予約の要否確認信号を送信する(S4)。
【0021】
端末11は、要否確認信号を受信するとその旨を表示部11Dに表示するなどして報知する。具体的には、端末11は、表示部11Dに水素残量が少ない旨を表示する。また、端末11は、表示部11Dに水素充填の予約ボタン、予約不要ボタン(図示せず)を表示する。利用者40が予約ボタンをタッチすると、端末11は予約要の回答信号をサーバ13に送信する(S5)。一方、利用者40が予約不要ボタンをタッチすると、端末11は予約不要の回答信号をサーバ13に送信する(S5)。
【0022】
サーバ13は、予約不要の回答信号を受信すると(S6でN)、S3で判定する所定値を引き下げた後、S1に戻る。一方、サーバ13は、予約要の回答信号を受信すると(S6でY)、受付部として機能し予約を受けつけ、配送スケジュールを作成する(S7)。
【0023】
次に、サーバ13が、S7で実行する配送スケジュールの作成について
図6を参照して説明する。まず、サーバ13は、一定期間(例えば3日)の間に予約が受け付けられた複数の端末11に紐づけて予め登録された燃料電池自動車20の位置情報に基づいて、配送スケジュールを作成する。具体的には、サーバ13は、DB13Bに格納された利用者40の登録情報から予約を受け付けた複数の端末11に紐づけて予め登録された住所を燃料電池自動車20の位置情報として取得する。
【0024】
図3に示す例では、16台分の燃料電池自動車20の予約を受け付けたときに取得した位置情報を示す。次に、サーバ13は、予約を受け付けた複数の燃料電池自動車20の位置情報に基づいて、所定期間(本実施形態では1日)で1台の車両1が巡回することができる配送エリアA1~A3を設定する。サーバ13は、全ての位置情報が配送エリアA1~A3の何れか1つに位置するように、配送エリアA1~A3を設定する。
【0025】
また、サーバ13は、配送エリアA1~A3内に位置する燃料電池自動車20の位置情報の数に応じてエリア面積を調整し、1日で巡回できる配送エリアA1~A3を設定する。
図3に示す例では、西部配送エリアA1、中部配送エリアA2、東部配送エリアA3の3つのエリアが設定される。なお、サーバ13は、例えば、車両1に水素を充填する水素ステーションから遠いほど、配送エリアA1~A3のエリア面積が小さくなるように設定してもよい。
【0026】
次に、サーバ13は、登録された車両1の台数に基づいて、各配送エリアA1~A3の配送日程を設定する。
図3に示す例では、車両1が1台しか登録されていないため、3月29日に西部配送エリアA1で配達し、3月30日に中部配送エリアA2で配達し、3月31日に東部配送エリアA3を配達するスケジュールが作成される。
【0027】
サーバ13は、配送スケジュールを作成すると、
図5に示すように、作成した配送スケジュールに従って予約候補日を端末11に送信する(S8)。例えば、端末11に紐づいた燃料電池自動車の位置情報が中部配送エリアA2であれば、サーバ13は、3月30日を予約候補日として端末11に送信する。端末11は、予約候補日を受信すると、その旨を表示部11Dなどに表示して報知する。利用者40は、予約候補日で予約できる場合、予約決定操作を行う。予約決定操作後、端末11は予約決定信号をサーバ13に送信する(S9)。サーバ13は予約が決定すれば予約を確定し、処理を終了する。
【0028】
上述した実施形態によれば、サーバ13が、予約が受け付けられた端末11に紐づけて予め登録された燃料電池自動車20の位置情報に基づいて、車両1の配送スケジュールを作成する。これにより、効率のよい配送スケジュールを作成することができる。
【0029】
上述した実施形態によれば、サーバ13が、配送エリアA1~A3を設定して配送スケジュールを作成する。これにより、より一層効率のよい配送スケジュールを作成することができる。
【0030】
上述した実施形態によれば、サーバ13が、端末11との通信により水素の残量を取得し、残量が所定値以下であるときに端末11に対して予約の要否確認を送信し、予約の要否確認信号を送信後、端末11から予約要の要否回答信号を受信したときに、予約を受け付ける。これにより、水素や電池の残量が少なくなったときに端末11に対して予約の要否確認を送信することができため、利用者が予約しやすい。
【0031】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0032】
上述した配送システム10は、水素の充填予約のみ行っていたがこれに限ったものではない。配送システム10は、水素の充填予約に代えて電気自動車の充電予約を行ってもよいし、水素充填予約と充電予約の双方を行ってもよい。
【0033】
また、上述したサーバ13は、端末11から残量データを受信することにより水素の残量を取得していたが、これに限ったものではない。端末11が自身の移動履歴をサーバ13に送信し、サーバ13が端末11の移動履歴から水素の残量を取得するようにしてもよい。移動履歴をみれば、燃料電池自動車20でどの程度の距離を移動したか、おおよそわかり、この移動距離から水素残量を取得することができる。これにより、端末11が車載器12と通信を行なえない場合であっても、残量を知ることができる。
【0034】
また、上述したサーバ13は、水素残量が少ないときに端末11に対して水素充填予約の要否確認信号を送信し、その後、端末11からの予約要の回答信号を受信したときに予約を受け付けていたが、これに限ったものではない。例えば、利用者40が端末11を操作して端末11からサーバ13に対して充填予約信号を送信できるようにし、サーバ13が、充填予約信号を受信したときに予約を受け付けるようにしてもよい。
【0035】
ここで、上述した本発明に係る車両、配送システム、サーバ及び配送システム用プログラムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
水素を貯める水素タンク(2)と、
前記水素タンク(2)の前記水素から電気を生成する燃料電池(3)と、
前記水素タンク(2)に貯められた水素を燃料電池自動車(20)に充填する充填器(4)と、
前記燃料電池(3)が生成した電気を電気自動車に充電する充電器(5)と、が搭載された
車両(1)。
【0036】
上記[1]の構成によれば、水素タンク(2)、燃料電池(3)、充填器(4)及び充電器(5)を車両に搭載することにより、燃料電池自動車(20)用の水素や電気自動車用の電気を配送することができる。これにより、容易に燃料電池自動車(20)に水素を充填できると共に電気自動車を充電できる。
【0037】
[2]
複数の端末(11)と、
複数の端末(11)と通信可能なサーバ(13)と、を備えた配送システム(10)において、
前記サーバ(13)が、複数の前記端末(11)との通信により、燃料電池自動車(20)の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部(13C)と、
前記予約受付部(13C)により予約が受け付けられた前記端末(11)に紐づけて予め登録された前記燃料電池自動車(20)又は前記電気自動車の位置情報に基づいて、請求項1に記載の車両(1)の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部(13C)と、を有する
配送システム(10)。
【0038】
上記[2]の構成によれば、配送スケジュール作成部(13C)が、予約が受け付けられた端末(11)に紐づけて予め登録された燃料電池自動車(20)又は電気自動車の位置情報に基づいて、車両(1)の配送スケジュールを作成する。これにより、効率のよい配送スケジュールを作成することができる。
【0039】
[3]
[2]に記載の配送システム(10)において、
前記配送スケジュール作成部(13C)は、予約が受け付けられた前記燃料電池自動車(20)又は前記電気自動車の位置情報に基づいて、所定期間内に1台の前記車両(1)が巡回できる配送エリア(A1~A3)を設定し、各配送エリア(A1~A3)の日程を決定して前記配送スケジュールを作成する、
配送システム(10)。
【0040】
上記[3]の構成によれば、配送エリア(A1~A3)を設定することにより、より一層効率のよい配送スケジュールを作成することができる。
【0041】
[4]
[2]又は[3]に記載の配送システム(10)において、
前記サーバ(13)が、前記端末(11)との通信により、前記燃料電池自動車(20)に搭載された水素タンクの残量又は前記電気自動車に搭載された電池の残量を取得する残量取得部(13C)と、
前記残量取得部(13C)により取得された前記残量が所定値以下であるときに前記端末(11)に対して予約の要否確認を送信する送信部(13C)と、を有し、
前記予約受付部(13C)が、前記予約の要否確認を送信後、前記端末(11)から予約要の回答を受信したときに、前記予約を受け付ける、
配送システム(10)。
【0042】
上記[4]の構成によれば、水素や電池の残量が少なくなったときに端末(11)に対して予約の要否確認を送信することができため、利用者が予約しやすい。
【0043】
[5]
[4]に記載の配送システム(10)において、
前記サーバ(13)の残量取得部(13C)が、前記端末(11)との通信により、当該端末(11)の移動履歴を取得し、取得した移動履歴に基づいて前記残量を取得する、
配送システム(10)。
【0044】
上記[5]の構成によれば、端末(11)が燃料電池自動車や電気自動車のメータと通信できず、メータが計測した水素や電池の残量を取得できなくても、サーバ(13)が残量を取得できる。
【0045】
[6]
複数の端末(11)と通信可能なサーバ(13)であって、
複数の前記端末(11)との通信により、前記端末(11)に紐づけて予め登録された燃料電池自動車(20)の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部(13C)と、
前記予約受付部(13C)により予約が受け付けられた前記燃料電池自動車(20)または前記電気自動車に紐づけて予め登録された位置情報に基づいて、請求項1に記載の車両(1)の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部(13C)と、を備えた
サーバ(13)。
【0046】
[7]
コンピュータに、
複数の端末(11)との通信により、前記端末(11)に紐づけて予め登録された燃料電池自動車(20)の水素充填予約及び電気自動車の充電予約の少なくとも一方を受け付ける予約受付部(13C)と、
前記予約受付部(13C)により予約が受け付けられた前記燃料電池自動車(20)または前記電気自動車に紐づけて予め登録された位置情報に基づいて、請求項1に記載の車両(1)の配送スケジュールを作成する配送スケジュール作成部(13C)と、して機能させる
配送システム用のプログラム。
【0047】
上記[6]及び[7]の構成によれば、配送スケジュール作成部(13C)が、予約が受け付けられた端末(11)に紐づけて予め登録された燃料電池自動車(20)又は電気自動車の位置情報に基づいて、車両(1)の配送スケジュールを作成する。これにより、効率のよい配送スケジュールを作成することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 車両
2 水素タンク
3 燃料電池
4 充填器
5 充電器
10 配送システム
11 端末
13 サーバ
13C μCOM(予約受付部、配送スケジュール作成部、残量取得部)
20 燃料電池自動車
A1~A3 配送エリア