(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】薬剤投与訓練
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240312BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20240312BHJP
【FI】
G16H20/10
G16Y10/60
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021160549
(22)【出願日】2021-09-30
(62)【分割の表示】P 2020104684の分割
【原出願日】2015-11-11
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2014-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517162921
【氏名又は名称】テバ ユーケイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルトン‐エドワーズ,マーク
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-514818(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0322682(US,A1)
【文献】特表2013-501566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G16Y 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
薬剤を収容しない装置を備え、
前記薬剤を収容しない装置は、
ハウジングと、
無線通信装置と、
ユーザの吸入を示す音響データを出力するように構成されている音響センサと、
前記薬剤を収容しない装置で実行されるユーザの動作の前又は最中に前記薬剤を収納しない装置が振られたか否かを示す動作データを出力するように構成されている加速度計と、
前記ユーザの吸入中における前記薬剤を収容しない装置の向きを示す向きデータを出力するように構成されている向きセンサと、
前記音響データ、前記動作データ及び前記向きデータを受信すると共に、前記無線通信装置で前記音響データ、前記動作データ及び前記向きデータをモバイル装置に送信するように構成されているプロセッサと、を備え、
前記システムは、
モバイル装置に搭載されたコンピュータ読込み可能記憶媒体を備え、前記コンピュータ読込み可能記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を備え、前記モバイル装置のプロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータ実行可能命令は、前記モバイル装置のプロセッサによって、
前記音響データ、前記動作データ及び前記向きデータを受信し、
前記動作データに基づいて、前記ユーザの動作の前又は最中に前記薬剤を収納しない装置が振られたか否かの表示を前記モバイル装置で表示し、
前記音響データに基づいて、前記ユーザの吸入の表示を前記モバイル装置で表示し、
前記向きデータに基づいて、前記薬剤を収納しない装置の向きの表示を前記モバイル装置で表示するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記向きの表示は、前記薬剤を収納しない装置の向きが最適か準最適かを示す
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記音響データを前記無線通信装置でリアルタイムに前記モバイル装置に送信するように構成され、
前記モバイル装置のプロセッサは、前記音響データをリアルタイムに受信すると共に、前記ユーザの吸入の表示を前記モバイル装置でリアルタイムに前記薬剤を収納しない装置に表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記向きの表示は、前記薬剤を収納しない装置の最適でない向きを修正するための指示を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記薬剤を収納しない装置のハウジングは、口腔吸入器のハウジングの形状及び外観を模倣している
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記モバイル装置のプロセッサは、前記薬剤を収納しない装置に関連するモデルユーザの動作を示す所定データと前記音響データとを比較するように構成され、前記表示は、前記比較の結果を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記モバイル装置のプロセッサは、前記薬剤を収納しない装置における前記ユーザの吸入の表示を含むゲームを前記モバイル装置で表示するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記薬剤を収納しない装置は、さらに、圧力を電子信号に変換するように構成された圧力センサを備え、前記圧力センサは、前記薬剤を収納しない装置に対してユーザが吸入及び吐出することによる空気圧を記録するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記薬剤を収納しない装置は、投与データを前記モバイル装置に送信するように構成され、前記投与データは、位置データを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記薬剤を収納しない装置は、投与データを前記モバイル装置に送信するように構成され、前記投与データは、温度データを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
薬剤を収容しない装置であって、
ハウジングと、
無線通信装置と、
ユーザの吸入を示す音響データを出力するように構成されている音響センサと、
前記ユーザの吸入中における前記薬剤を収容しない装置の向きを示す向きデータを出力するように構成されている向きセンサと、
前記音響データ及び前記向きデータを受信すると共に、前記無線通信装置で前記音響データ及び前記向きデータを外部装置に送信するように構成されているプロセッサと、を備えている
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記薬剤を収容しない装置は、さらに、
前記薬剤を収容しない装置で実行されるユーザの動作の前又は最中に前記薬剤を収納しない装置が振られたか否かを示す動作データを出力するように構成されている加速度計を備え、
前記プロセッサは、前記動作データを受信すると共に、前記無線通信装置で前記動作データを前記外部装置に送信するように構成されている
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記向きの表示は、前記薬剤を収納しない装置の向きが最適か準最適かを示す
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記薬剤を収納しない装置は、投与データを前記外部装置に送信するように構成され、前記投与データは、位置データを含む
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記向きセンサは、加速度計である
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項16】
薬剤を収容しない装置であって、
ハウジングと、
無線通信装置と、
ユーザの吸入を示す音響データを出力するように構成されている音響センサと、
前記薬剤を収容しない装置で実行されるユーザの動作の前又は最中に前記薬剤を収納しない装置が振られたか否かを示す動作データを出力するように構成されている加速度計と、を備え、
前記加速度計は、さらに、前記ユーザの吸入中における前記薬剤を収容しない装置の向きを示す向きデータを出力するように構成され、
前記薬剤を収容しない装置は、
前記音響データ、前記動作データ及び前記向きデータを受信すると共に、前記無線通信装置で前記音響データ、前記動作データ及び前記向きデータを外部装置に送信するように構成されているプロセッサを備えている
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[対応出願]
本願は、2014年11月11日出願の英国出願第1420039.8号の利益を主張するもので、これを引用することで開示内容を本願中に組み込む。
【背景技術】
【0002】
患者が薬剤用法のアドバイスを適切に遵守することは重要である。例えば、薬剤投与の処方及び/又は推奨の技術に関する薬剤用法のアドバイスを実行することは、医療結果を向上する際の重要な要素である。薬剤用法のアドバイスを忠実に実行しなければ、健康結果及び治療の有効性に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
薬剤ディスペンサをシミュレートするためのモバイルスマートフォン装置は、マイクロフォン、ディスプレイ、およびプロセッサを含むことができる。プロセッサは、口腔吸入器の種類の描写をディスプレイに表示し、ユーザの気流を示すマイクロフォンからの信号を受信し、その信号に基づいて、気流が、表示された口腔吸入器の種類から薬剤を投与するのに十分であるかどうかを判定し、その判定に基づいて、ユーザにフィードバックを提供するように構成してもよい。
【0004】
薬剤ディスペンサをシミュレートするための薬剤を収容しない装置は、検知装置とプロセッサとを含むことができる。検知装置は、薬剤を収容しない装置に対して実行されるユーザ動作を検知し、検知データを出力することができる。プロセッサは、検知データを受信し、検知データと所定データとを比較し、検知データと所定データとの比較度合いに基づいてフィードバックを提供してもよい。所定データは、薬剤ディスペンサに関連するモデルユーザの動作を示してもよい。
【0005】
薬剤ディスペンサをシミュレートするシステムは、薬剤を投与するように構成された薬剤ディスペンサと、薬剤ディスペンサをシミュレートするための薬剤を収容しない装置と、を含むことができる。薬剤を収容しない装置は、薬剤を収容しない装置に対して実行されるユーザ動作を検知し、検知データを出力するように構成された検知装置と、プロセッサと、を含むことができる。プロセッサは、検知データを受信し、薬剤ディスペンサに関連するモデルユーザの動作を示す所定データと検知データとを比較し、検知データと所定データとの比較度合いに基づいてフィードバックを提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【0007】
【
図2A】複数の薬剤ディスペンサを表示するGUIを示す。
【0008】
【
図2B】薬剤ディスペンサのデモンストレーションを提供するGUIを示す。
【0009】
【
図2C】薬剤ディスペンサの別のデモンストレーションを提供するGUIを示す。
【0010】
【
図2D】薬剤ディスペンサに関するスコア情報を提供するGUIを示す。
【0011】
【
図3】タッチによるシミュレーション薬剤ディスペンサの使用例を示す。
【0012】
【
図4】吐出し及び/又は吸引によるシミュレーション薬剤ディスペンサの使用例を示す。
【0013】
【
図5】コンピュータネットワークシステム500のブロック図を示す。
【0014】
【0015】
【
図7A】薬剤ディスペンサ及び訓練ディスペンサを含むシステムを示す。
【0016】
【
図7B】吸入器ハウジングを有する薬剤ディスペンサと吸入器ハウジングを有する訓練ディスペンサとを含むシステムを示す。
【0017】
【
図8A】モバイル装置のGUIで表示される情報を提供する薬剤ディスペンサの使用例を示す。
【0018】
【
図8B】モバイル装置のGUIで表示される情報を提供する薬剤ディスペンサの別の使用例を示す。
【0019】
【
図8C】モバイル装置のGUIで表示される情報を提供する薬剤ディスペンサのさらに別の使用例を示す。
【0020】
【
図8D】モバイル装置のGUIで表示される情報を提供する薬剤ディスペンサのさらに別の使用例を示す。
【0021】
【
図8E】モバイル装置のGUIで表示される情報を提供する薬剤ディスペンサのさらに別の使用例を示す。
【0022】
【
図9】スコア及びアドバイスを提供するモバイル装置のGUIを示す。
【0023】
【
図10】薬剤ディスペンサのシミュレート結果のフィードバックを受けるための方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
薬剤用法のアドバイスを患者が遵守することは重要である。薬剤の処方されたおよび/または推奨された用法の非遵守に寄与するかもしれない要因は、薬剤がどのように投与および/または使用されているかのフィードバックおよび/または直接的な表示の欠如(例えば、薬剤が適切及び/又は不適切に、投与及び/又は使用されているかのフィードバック不足)であるかもしれない。これは、慢性疾患の治療、遅効作用を有する薬物の使用、維持のための薬物の使用などに適用されることがある。(例えば、即時に報酬が得られるようなフィードバックを提供することによって)ユーザ間で薬剤を投与することによるコンプライアンスの向上および遵守を促進および/または奨励することができる。例えば、小児喘息に関連する薬物ディスペンサの使用に対する遵守の促進および/または奨励を提供してもよい。
【0025】
喘息医薬品を投与するために使用される装置(例えば、吸入器)からの全吹き出し息の60%は、例えば誤った使用のために効果的でないことがある。欠陥のある吸入器の技術は、一般的に、薬剤ディスペンサ本体および/またはヘッドの誤った吸入、吐出し、および/または位置決めに起因することがある。競争および/または報酬を「スマートな」装置の接続と吸入器訓練の装置とアプリケーションに組み合わせることは、例えば、薬剤が口および胃ではなく肺に効果的に送達されることを通じて、遵守および健康結果を向上するのに役立つことがある。
【0026】
薬剤を投与する際の、例えば、ディスペンサから薬剤を投与する際の、ユーザを訓練するためのシステム、方法、および機器を提供することができる。ユーザは、シミュレーション及び/又は実際の薬剤ディスペンサから薬剤を投与する際の訓練がなされてもよい。いくつかの異なる種類の薬剤ディスペンサは、シミュレートされることができ、および/または、(例えば、新しい装置が開発されると)様々な医療装置と互換性があるようにできる。多数の相互接続された、および/または、広く利用できる通信装置を設けて、大量のユーザベースに薬剤ディスペンサのデータのマルチプラットフォームアクセスを提供することができる。フィードバックは、シミュレーション及び/又は実際の薬剤ディスペンサのユーザの操作に応答して受信されてもよい。ユーザ動作のモニタ、ユーザ動作の視覚化、データの接続、および/または他の情報の視覚化は、様々な薬剤ディスペンサの種類の使用の際における、および/または、薬剤用法の遵守性、有効性及び/又は影響分析のために実用的なデータをユーザおよび医療従事者に提供する際における、患者を訓練するための解決手段を提供する。
【0027】
図1は、薬剤ディスペンサを使用するための訓練を提供するために使用され得るモバイル装置100の一例を示す。モバイル装置100は、ユーザとの相互作用を表すデータを受信および/または分析し、および/または、ユーザに訓練情報を提示することができるアプリケーション(例えば、コンピュータアプリケーション)を実行するように構成されてもよい。アプリケーションは、所定の薬剤ディスペンサの実際の使用をシミュレートすることができる。モバイル装置100は、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、タブレット装置、携帯電話またはスマートフォン、サーバ、または別の種類のモバイル装置などのパーソナルコンピュータを含むことができる。モバイル装置100は、プロセッサ102、通信装置104、メモリ106、ディスプレイ108、入力装置110、出力装置112、位置決定サブシステム114、検知装置116などを含むことができる。モバイル装置100は、追加の、異なる、またはより少ないコンポーネントを含むことができ、各コンポーネントは、1つまたは複数の他のコンポーネントを含むことができる。例えば、入力装置110および/または出力装置112は、検知装置116などを含むことができる。
【0028】
プロセッサ102は、1つまたは複数の汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、集積回路、プログラマブルロジック装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)等である。プロセッサ102は、信号符号化、データ処理、画像処理、電力制御、入力/出力処理、および/または、モバイル装置100が本明細書で説明されているように実行することを可能にする他の任意の機能性を実行することができる。
【0029】
プロセッサ102は、メモリ106に対して、情報を記憶する、および/または、情報を取り出すことができる。メモリ106は、非リムーバブルメモリおよび/またはリムーバブルメモリを含むことができる。非リムーバブルメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他の種類の非リムーバブルメモリストレージを含むことができる。リムーバブルメモリは、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、メモリカード、または任意の他の種類のリムーバブルメモリを含むことができる。メモリは、モバイル装置100の外部のローカルメモリまたはリモートメモリであってもよい。メモリ106は、プロセッサ102によって実行可能な命令を格納することができる。異なる情報をメモリ106の異なる位置に格納することができる。例えば、メモリ106は、プロセッサ102によって実行されるときに、本明細書に開示された方法、例えば
図10に記載の方法を実行する命令を格納することができる。
【0030】
プロセッサ102は、通信装置104を介して他の装置と通信することができる。通信装置104は、ネットワーク118を介して情報を送信および/または受信することができ、1つまたは複数の他のモバイル装置を含む。通信装置104は、無線および/または有線通信を実行することができる。通信装置104は、受信機、送信機、トランシーバ、またはアンテナを介して無線通信を行うことができる他の装置を含むことができる。通信装置104は、1つ又は複数のプロトコル、例えば、セルラー通信プロトコル、Wi-Fi通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(例えば、Bluetooth(登録商標)スマート)、近距離通信(NFC)プロトコル、インターネットプロトコル、別の独占権のあるプロトコル、または任意の他の無線周波数(RF)または通信プロトコルを含むことができる。モバイル装置100は、1つまたは複数の通信装置104を含むことができる。
【0031】
プロセッサ102は、ユーザに情報を提供するためにディスプレイ108と通信することができる。情報は、ディスプレイ108上のユーザインターフェースを介して提供されてもよい。情報は、ディスプレイ108上に生成された画像として提供されてもよい。ディスプレイ108およびプロセッサ102は、双方向通信であってもよく、ディスプレイ108は、ユーザからの情報を受信し、その情報をプロセッサ102に提供できるタッチスクリーン装置を含むことができる。
【0032】
プロセッサ102は、地理空間情報を受信するための位置決定サブシステム114(例えば、GPS、セルラー位置決定、および/またはWi-Fi)と通信することができる。プロセッサ102は、位置決定サブシステム114から受信した地理空間情報に基づいて、無線通信装置100のGPS座標を決定することができる。地理空間情報は、モバイル装置100の位置を識別するために、1つまたは複数の他の通信装置に通信されてもよい。
【0033】
プロセッサ102は、入力装置110および/または出力装置112と通信することができる。入力装置110は、カメラ、マイクロフォン、キーボードまたは他のボタンまたはキー、および/または他の種類の入力装置を含むことができる。ディスプレイ108は、入力装置の一種であってもよく、ディスプレイ108は、プロセッサ102に情報を送信することができるタッチスクリーンセンサを含むことができる。出力装置112は、プロセッサ102からの信号を受信し、モバイル装置100からの出力を提供できるスピーカ、インジケータライト、または他の出力装置を含むことができる。ディスプレイ108は、出力装置の一種であってもよく、ディスプレイ108は、プロセッサ102から受信した情報の画像または他の視覚的な表示を提供することができる。
【0034】
プロセッサ102は、検知装置116と通信できる。検知装置116は、1つ以上の検知装置116を含むことができる。検知装置116は、モバイル装置100の内部にあってもよく、および/または、モバイル装置100の外部にあってもよい。例えば、検知装置116は、ユーザがモバイル装置100に置くことができる物理的な信号および/または動作を検知する機能など、モバイル装置100に対して機能を提供する周辺検知装置であってもよい。検知装置116は、ユーザの動作および/または投与データ(例えば、薬剤ディスペンサがユーザによってどのように操作されるかを表すデータ)をモニタするように構成されたセンサおよび/またはセンサのグループから構成されてもよい。
【0035】
検知装置116は、物理的特性を電気信号に変換する電子装置であってもよい。検知装置116は、音響センサ、圧力センサ、加速度計、生物センサ(例えば、バイオセンサ)などを含むことができる。例えば、音波センサを用いて音波を電子信号に変換し、圧力センサを使用して圧力を電子信号に変換し、および/または、加速度計を使用して向きおよび動き(例えば、加速度)を電子信号に変換する。バイオセンサは、トランスデューサおよび生物学的要素(例えば、酵素、抗体、核酸など)を含むことができる。生物学的要素は、分析物(例えば、トランスデューサによって試験される分析物)と相互に作用してもよく、そして、結果として生じる生物学的応答が、電気信号に変換されてもよい。検知装置116および/またはセンサは、通信装置を含むことができる。
【0036】
モバイル装置100は、検知装置116と通信し、および/または、検知装置116に情報(例えば、投与データに基づく情報)を提供するように構成されてもよい。検知装置116および/またはモバイル装置100は、有線および/または無線(例えば、ラジオ)信号によって通信してもよい。モバイル装置100および/または検知装置116は、ユーザの投与技術の質に関するデータを分析し、その分析に基づいて結果の情報をユーザに提示することができる。
【0037】
図2A~2Dに示す通り、モバイル装置200は、薬剤ディスペンサのシミュレーションデモンストレーションを提供することができる。モバイル装置200は、モバイル装置200上で動作するアプリケーションを介してシミュレーション薬剤ディスペンサを提供することができる。シミュレーション薬剤ディスペンサは、モバイル装置のディスプレイ上に静的形態および/またはアニメーション形態で図示されてもよい。シミュレーション薬剤ディスペンサ202は、口腔吸入器、インジェクタ、皮膚アプリケータ、丸薬ディスペンサなどを含むことができる。
【0038】
薬剤ディスペンサ202の種類は、薬剤ディスペンサ202の形状および/または大きさ、薬剤ディスペンサ202によって投与される薬剤の種類、薬剤ディスペンサ202に装備される電子機器および/またはセンサなどによって特徴付けてもよい。例えば、第1の薬剤ディスペンサおよび第2の薬剤ディスペンサは、口腔吸入器装置であってもよい。第1の薬剤ディスペンサおよび第2の薬剤ディスペンサは、同様の吸入器ハウジングを有してもよい(例えば、第1および第2の薬剤ディスペンサの吸入器ハウジングの大きさおよび/または形状は類似していてもよい)。第1の薬剤ディスペンサおよび第2の薬剤ディスペンサは、同一または異なる種類の薬剤を含むことができる。例えば、第1の薬剤ディスペンサ内の薬剤は、第2の薬剤ディスペンサに含まれる薬剤よりも強い用量の薬剤を含むことができる。第1の薬剤ディスペンサおよび第2の薬剤ディスペンサは、例えば、第1および第2の薬剤ディスペンサが類似のハウジングを有するが、異なる薬剤を含む場合に、医療投与のために異なる動作を必要とすることがある。医療投与のための異なる動作を必要とする第1の薬剤ディスペンサおよび第2の薬剤ディスペンサは、薬剤ディスペンサ202の異なるデモンストレーションを必要とすることがある。
【0039】
種々の種類のディスペンサから薬剤を投与する際の訓練をユーザに提供することができる。
図2Aに示すように、シミュレーションデモンストレーションのために、モバイル装置200によってユーザは薬剤ディスペンサを選択することができる。モバイル装置200は、選択のための薬剤装置の視覚的な描写を提供することができる。例えば、モバイル装置200は、Easy Breathe装置210、ProAir装置216、Spiromax装置220などのビジュアルを提供することができる。ユーザは、タッチなどの入力を介して、薬剤装置を選択することができる。モバイル装置200は、薬剤ディスペンサに関する情報(例えば、薬剤ディスペンサのテキスト記述および/または定格)を提供することができる。
【0040】
図2Bおよび
図2Cに示す通り、デモンストレーションボタン225は、薬剤ディスペンサ202の異なるビュー(例えば、上面図、下面図、側面図、内部図など)を提供することができる。このデモンストレーションにより、ユーザは、薬剤ディスペンサ202のデモンストレーションを実行し、および/または、使用中の薬剤ディスペンサ202のデモンストレーションを見ることができる。モバイル装置200によって、ユーザは、薬剤ディスペンサ202から薬剤を投与するために必要な動作を実行することができる。例えば、モバイル装置200によって、ユーザは、薬剤ディスペンサ202のキャップ206を開くこと、薬剤ディスペンサ202への投与動作(例えば、吸入、吐出し、振るなど)を行うこと、および/または、キャップを閉じることができる。1つまたは複数の投与動作が失敗、および/または、不正確に行われた場合、モバイル装置200は、表示(例えば、フィードバック)を提供することができる。例えば、モバイル装置200は、投与動作が行われた後にキャップ206が閉じられていないかどうかを示すことができる。モバイル装置200によって、ユーザは、適切および/または不適切に使用されている薬剤ディスペンサ202のビデオを見ることができる。例えば、ユーザが薬剤ディスペンサ202を不適切にデモンストレーションしている(ユーザが薬剤投与動作を行った後にキャップ206を閉じないなど)ことに応答して、モバイル装置200によって、ユーザは、適切および/または不適切に使用されている薬剤ディスペンサ202のビデオを見ることができ、および/または、モバイル装置200によって、ユーザによる選択に基づいて、適切におよび/または不適当に使用されている薬剤ディスペンサ202のビデオを見ることができる。例えば、比較目的で、ユーザは、モバイル装置によって、異なる薬剤ディスペンサ202の異なるビューを見ることができる。
【0041】
図2Dに示し、かつ、本明細書で説明するように、モバイル装置200は、シミュレーション薬剤ディスペンサ202の使用のスコア250を提供してもよい。スコア250は、ユーザの前のスコアおよび/または他のユーザの前のスコアであってもよい。スコア250は、ユーザによって実行される動作を表すことができ、スコアは、薬剤投与の最適結果を提供する動作と比較することができる。スコア250は、上述したデモンストレーションのような、ユーザによって提供されるデモンストレーションに基づくものであってもよい。例えば、ユーザは、薬剤を投与するために必要なすべての動作(例えば、キャップ206を開くこと、投与動作を行うこと、および/またはキャップ206を閉じること)を行うことに基づいてスコア250を得ることができる。ユーザが必要な薬剤投与動作を逃した(例えば、薬剤が投与された後にユーザがキャップ206を閉じないなど)場合、スコアが減点されてもよい。各薬剤投与動作が、格付け及び/又は数値化されてもよい。例えば、キャップ206を開くことは、投与動作を行うこと、またはキャップ206を閉じることとは異なるように、および/または同様に重み付けすることができる。ユーザが薬剤を投与するために必要なすべての動作を行い、および/または、最適なレベルで各動作を行う場合、最適なスコアに到達することができる。
【0042】
図3に示すように、ユーザ304は、モバイル装置300に入力することができる。ユーザ304は、多くの様々な形態を使用して、モバイル装置300と相互に作用することができる。例えば、ユーザ304は、モバイル装置300と相互に作用するために、(例えば、タッチスクリーンなどの入力装置308を使用して)モバイル装置300を物理的に触れることができ、および/または、ユーザ304は、音声コマンドを介してモバイル装置300と相互に作用することができる。タッチスクリーン308は、例えば、ディスプレイの領域に触れることによって、ユーザがモバイル装置300と相互に作用することを可能にするタッチセンサを含むことができる。タッチスクリーン308は、視覚情報をユーザに表示することができる。
【0043】
ユーザ304は、1つまたは複数のシミュレーション薬剤ディスペンサのテストを行うことができる。例えば、
図3に示すように、シミュレーション薬剤ディスペンサ302としての吸入器を選択するユーザは、例えば、モバイル装置300のタッチスクリーン308を横切ってスワイプすることによって、シミュレーション薬剤ディスペンサ302のキャップ306を開き及び/又は閉じることができる。ユーザ304は、例えば、一つのシミュレーション薬剤ディスペンサ302を他の薬剤ディスペンサと比較するために、シミュレーション薬剤ディスペンサ302の一部(例えば、前部、後部、底部、上部)を観察することができる。薬剤ディスペンサの動作に相関するモバイル装置300上でユーザ304が実行する動作は、画面に表され、および/または、デモンストレーションされる。
【0044】
モバイル装置300および/または検知装置は、モバイル装置300上で実行される様々な物理的特性、条件、および/または変更を検知、測定、および/または処理するように構成されてもよい。例えば、検知装置は、モバイル装置300上で実行される動作の特性(例えば、信号)を検知するこができる。モバイル装置300および/または検知装置は、モバイル装置300上で実行される物理信号を電気信号に変換することができる。モバイル装置300上で実行される動作は、医療装置上で実行される動作と相関させることができる。
【0045】
ユーザ304は、モバイル装置300を振るなどの動作をモバイル装置300に適用することができる。モバイル装置300は、モバイル装置上で実行される動き(例えば、振ること)を判定することができる1つ以上の一体的な加速度計を含むことができる。振ることで薬剤ディスペンサ(例えば、吸入器)を準備するために必要な動きがシミュレートされるので、例えば、モバイル装置300および/または検知装置は、ユーザ304がモバイル装置300を適切に振ったかどうかを判定することができる。モバイル装置300は、例えば、ユーザ304がモバイル装置300を適切に振ったかどうかを示すことによって、モバイル装置300のユーザの振りのフィードバックを提供することができる。ユーザがモバイル装置300を介して薬剤ディスペンサ302の振りをシミュレートすることを可能にすることによって、ユーザ304は、そのような動作を訓練することができ、動作の即時のフィードバックを得ることができる。対応する薬剤ディスペンサ302上のボタンのクリックに対応するモバイル装置300のタッピングなどの他のユーザの動作が、モバイル装置300上でシミュレートされてもよい。
【0046】
薬剤ディスペンサ302がシミュレートされている間のモバイル装置300の向き、例えば、シミュレーション薬剤ディスペンサ302から最適に薬物が放出されるようにユーザ304がモバイル装置300を保持しているかを判定するために、加速度計を使用することができる。例えば、ユーザ304が、装置から吸入する間に、実際の薬剤ディスペンサを不適切に保持するとき、十分な投与量の薬剤が投与されない可能性がある。ユーザ304が薬剤の服用をシミュレートしているときに、加速度計は、モバイル装置の向き、および/または、動きを検知するように構成することができる。例えば、モバイル装置300が吸入器から薬物を吸入することをシミュレートしているときに、加速度計は、モバイル装置300が右に大きく傾いているか判定することができる。モバイル装置300は、例えば、モバイル装置300が右に大きく傾けられているというフィードバックをユーザ304に提供することができる。モバイル装置300は、モバイル装置300の向きが最適、準最適などであることをユーザに示すことができる。モバイル装置300は、モバイル装置300上で実行される最適でない向きおよび/または動きを修正するための提案をユーザ304に示すことができる。ユーザ304がモバイル装置300を薬剤ディスペンサ(例えば、吸入器)の最適な使用に対応する方法で保持しているかどうかの音声および/または視覚的指示を提供するために、加速度計をリアルタイムで使用することができる。例えば、モバイル装置300は、ユーザがモバイル装置300を最適な位置に保持しているときに快適なビープ音を鳴らすことができ、さらに、モバイル装置300は、モバイル装置300を不正確な向きに保持しているときにブザー音を鳴らすことができる。
【0047】
薬剤投与データのモニタリングを提供することができる。検知装置および/またはモバイル装置によって測定されるパラメータは、実際の薬剤ディスペンサ(例えば、吸入器)の使用の特性(例えば、流量、呼吸パターン、投薬量など)を効果的に表すことができる。投与データは、ユーザが薬剤ディスペンサから薬剤を投与することができる技術を表すことができる。投与データは、薬剤ディスペンサを操作する際にユーザによって実行される物理的動作、流体圧力、薬剤ディスペンサの空間的な向き、薬剤ディスペンサに加えられる加速度、投与される薬剤の量、および/または薬剤が投与される速度を表すデータを含むことができる。ユーザの技術は、例えば、様々な物理的特性を表すデータを検知および/または測定することによって、検知装置および/またはモバイル装置によって取り込まれ、および/または、投与データとして記録されてもよい。ユーザの技術の定性的または定量的な尺度を得ることで、評価および/または訓練を得ることができる。
【0048】
モバイル装置は、評価データを生成するために所定データに従って薬剤投与データを処理するように構成されてもよい。所定データは、薬剤ディスペンサがユーザによって操作される最適な状態および/または理想的な用法の技術および/またはパターンを表すデータを含むことができる。所定データは、ダウンロードされたデータであってもよく、および/または、薬剤提供者または医療従事者によって規定されてもよい。例えば、状態がユーザによって遵守されると、投与される薬剤の有効性が最適化される。モバイル装置は、薬剤ディスペンサ内にある先端的な電子要素によって実行される処理および/または計算を行うことができる。モバイル装置は、必要な電子要素を含むことができる。この構成によって、薬剤ディスペンサの製造コストを節約することができる。
【0049】
図4に示すように、ユーザ404は、モバイル装置400の入力装置410(例えば、マイクロフォン)に近接して、吐出しおよび/または吸入420することによって、薬剤ディスペンサのデータを得ることができる。入力装置410(例えば、マイクロフォン)は、ユーザ404の吸入および/または吐出し420の音響信号を検知するように構成されてもよい。モバイル装置400は、ユーザ404の吸入とユーザの吐出しとを(逆も同様)区別するように構成され得る。例えば、モバイル装置400のソフトウェアおよび/またはハードウェアを使用して、ユーザ404の吐出しが吐出しであることを判定することができる。モバイル装置400は、ユーザの動作が吸入および/または吐出しであるかの表示(例えば、ディスプレイ108を介した表示)をユーザ404に提供することができる。モバイル装置400は、ユーザの動作がモバイル装置400によって期待される動作であるかの表示をユーザ404に提供することができる。例えば、モバイル装置400は、例えば、ユーザ404が吐き出すと期待されたときに、ユーザ404が吸入したという表示をユーザ404に提供することができる。モバイル装置400は、例えば、ユーザ404が吸入すると期待されたときに、ユーザ404が吐き出したという表示をユーザ404に提供することができる。モバイル装置400は、動作の多くの様々な表示をユーザ404に提供してもよく、および/または、動作がモバイル装置400によって期待される動作にどのように対応したかについての多くの様々な表示を提供してもよい。
【0050】
モバイル装置400は、ユーザ404の吸入および/または吐出し420の結果として生成される音響信号に基づいて、ユーザ404の吸入および/または吐出し420を検知することができる。モバイル装置400がユーザ404に合図してそのような動作を実行することで、モバイル装置400は、ユーザ404の吸入および/または吐出し420を検知してもよい。ユーザ404の吐出しおよび/または吸入420を表す音響信号を受信すると、モバイル装置400および/または検知装置は、ユーザ404の吐出しおよび/または吸入420(例えば、ユーザ404の吐出しおよび/または吸入420の音響信号)を電子信号に変換してもよい。
【0051】
マイクロフォン410で受信された音響を捕捉することによって、および/または、ローパスフィルタリングを実行してユーザ404の呼吸に関連する音響を分離することによって、ユーザ404の吸入および/または吐出し420の持続時間および/または振幅が判定される。取得エネルギー(すなわち、RMS(二乗平均平方根)値)は、受信された音響でサンプリングされて、気流プロファイルを決定することができる。高RMS値は、強い吸入および/または吐出しに対応してもよい。同様に、低RMS値は、弱い吸入および/または吐出しに対応してもよい。標準RMS値、測定高RMS値、および標準RMS値の間の長持続時間プロファイルは、長持続時間の吸入および/または吐出しに対応してもよい。同様に、標準RMS値、測定高RMS値、および標準RMS値の間の短持続時間プロファイルは、短持続時間の吸入および/または吐出しに対応してもよい。特定のRMS値および標準閾値は、モバイル装置400の特定のハードウェアおよびオペレーティングシステム(OS)アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)に従って較正することができる。例えば、iPhone(登録商標)用のApple iOS(商標)オペレーティングシステムのAVAudioRecorderクラスで利用可能な機能を使用して、音響を捕捉し、取得エネルギーをフィルタリングし、および/または、測定することができる。この較正は、特定の吸入器から薬剤を投与するときに、適切な吸入および/または吐出しに適したプロファイル値を決定するために行うことができる。
【0052】
(例えば、訓練目的のために)ユーザ404がモバイル装置と相互に作用する方法は、シミュレーション薬物ディスペンサに応じて変化してもよい。例えば、吸入器の形態のシミュレーション薬剤ディスペンサのユーザ404によっては、ユーザ404はモバイル装置400に対して呼吸することができる一方、丸薬ボトルの形態のシミュレーション薬剤ディスペンサのユーザ404によっては、ユーザ404は丸薬ボトルを開けたり閉じたりするための指示を見ることができる。
【0053】
モバイル装置および/または検知装置は、評価データを生成するために、所定データ(例えば、所定プロファイル)に従ってシミュレーション位置データを処理するように構成されてもよい。モバイル装置および/または検知装置は、ユーザがモバイル装置および/または検知装置に対して実行した動作をモニタして、投与データを生成するように構成することができる。モバイル装置および/または検知装置は、ユーザによってモバイル装置および/または検知装置で実行される動作をモニタするように構成されてもよい。その動作は、シミュレーション薬剤ディスペンサがユーザによって操作される状態の一部を形成する動作と類似しているか、および/または、表している。所定データおよび/または所定プロファイルは、薬剤ディスペンサがユーザによって操作される最適な状態および/または理想的な使用の技術および/またはパターンを表すデータを含むことができる。所定データおよび/または所定プロファイルは、ダウンロードされたデータであってもよく、および/または薬剤提供者または医療従事者によって規定されてもよい。例えば、この技術がユーザによって遵守される場合、投与薬剤の有効性が最適化される。評価データの生成は、投与データおよび/または所定データ間の関係を評価することを含むことができる。ユーザのパフォーマンスを評価し、かつ、適切で建設的なフィードバックを提供するために、ディスペンサ内の電子構成要素の形態をとることができるモバイル装置および/または検知装置は、投与データによって表されるユーザの技術と理想的なプロファイルとを比較するように構成されてもよい。
【0054】
モバイル装置は、モニタされた投与技術の評価を含むデータ(例えば、投与データ、評価データ)および/または情報をユーザに提示するように構成されてもよい。データは、視覚的、聴覚的、および/または触覚的フィードバックによって提示されてもよい。例えば、データはディスプレイを介して提示することができる。評価データは、グラフィック描写、テキストデータ、および/または数値データによって提示することができる。データは、電子通信を介して、患者以外のユーザ(例えば、医師または他の医療従事者、および/または患者の親)に提示されてもよい。評価データは、電子メール、SMS、MMS、VOIP、および/または他の電子メッセージまたは文書フォーマットに含まれ、インターネットまたはモバイル通信ネットワークを介して送信されてもよい。患者および/または他の関係者とのこのフィードバックの共有は、訓練にとって有利であり得る。投与、所定、および/または評価データに基づくデータは、検知装置に格納されてもよい。モバイル装置および/または検知装置は、この情報を記憶するためのプログラム可能なメモリを備えていてもよい。
【0055】
モバイル装置は、通信装置(例えば、通信装置104)を備えることができる。通信装置は、電磁信号を介して通信することができる電気コネクタ、送信器、および/または受信器を備えることができる。信号は、有線を介して通信されてもよく、および/または、無線で通信されてもよい。通信装置は、システムが外部の関係者または装置とデータを通信することを可能にする(例えば、様々な電子コンポーネント間の)内部接続および/または外部通信装置を含むことができる。通信装置は、評価結果をユーザに提供することができる。評価結果は、視覚、音声等のフィードバックとしてユーザに提供されてもよい。フィードバックは、肯定的なフィードバック、発展的なフィードバックなどであってもよい。
【0056】
絵、ビデオ、口頭および/またはテキストによるアドバイス(例えば、薬剤投与に関するアドバイス)を提供することができる。
図4に示すように、評価結果は、適切な用法を示す簡単なチェックマーク415を含むことができる。評価結果は、シミュレーション薬剤ディスペンサの使用のための詳細な指示を含むことができる。例えば、評価結果は、ユーザがシミュレーション薬剤ディスペンサをどのように適切に使用したか、ユーザがモバイル装置をどのように不適切に使用したか(例えば、ユーザが誤った角度で呼吸した、マイクロフォンの近くで呼吸するときにユーザがマイクロフォンに指を置いたなど)を示す。モバイル装置は、シミュレーション医薬装置をシミュレートするモバイル装置400を最適に使用するための推奨動作(例えば、ユーザがマイクロフォンに直角に呼吸する必要があるなど)を提供することができる。評価結果は、ディスプレイを介してユーザに提示することができる。
【0057】
ユーザの薬剤ディスペンサとの相互作用(例えば、薬剤ディスペンサ(例えば、吸入器)の画面上の表示)をモニタすることによって、ディスペンサを使用するための正確な技術を提供することができる。例えば、モバイル装置は、異なる種類のディスペンサ装置の間の相違、および相違する利点に関する情報をユーザに提示するように構成されてもよい。モバイル装置は、異なる薬剤ディスペンサのための異なる技術をユーザに提示することができる。例えば、モバイル装置は、モバイル装置上で実行された動作が1つの薬剤ディスペンサに最適であるが、別の薬剤ディスペンサには最適ではないことをユーザに示すことができる。これにより、ユーザは、ある薬剤ディスペンサが別の薬剤ディスペンサよりもユーザのニーズおよび/または能力に適しているかを判断することができる。この情報は、ビデオ、説明(例えば、段階的な説明)の形態であってもよい。所定データ(例えば、最適および/または所定ディスペンサの使用を表すデータ)に関するユーザ動作の類似の記録および/または評価は、様々なユーザ動作に応答してモバイル装置によって行われてもよい。
【0058】
図5は、コンピュータネットワークシステム500のブロック図を示す。
図5に示すように、薬剤ディスペンサ502および/またはモバイル装置500が提供されてもよい。コンピュータネットワークシステム500は、直接またはネットワーク518を介してデジタルメッセージを互いに通信することができる1つまたは複数のモバイル装置500を含むことができる。モバイル装置500は、双方向型コンピュータ環境のセッションにログインし、ネットワーク518を介してリアルタイムの双方向型データを提供することができるユーザ装置であってもよい。ネットワーク518は、有線および/または無線ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク518は、Wi-Fi通信ネットワーク、Wi-MAX通信ネットワーク、セルラー通信ネットワーク(例えば、CDMA、HSPA+、LTEなど)、および/またはテレビホワイトスペース(TVWS)通信ネットワークを含むことができる。ネットワーク518は、1つ以上の通信ネットワークを含むことができる。
【0059】
薬剤ディスペンサ502は、薬剤を含むことができ、および/または、薬剤を含まなくてもよい。薬剤ディスペンサ502は、訓練目的のために使用されてもよい。例えば、薬剤を含まない薬剤ディスペンサ502は、薬剤を投与することなく、装置の使用方法をユーザに訓練するために提供されてもよい。これは、各訓練試行中に薬剤が放出されることなく、ユーザが薬剤投与動作を繰り返し実行できるため、有効である。
【0060】
デジタルメッセージは、薬剤ディスペンサ502(例えば、吸入器)とモバイル装置500との間で通信することができる。モバイル装置500および/または薬剤ディスペンサ502は、薬剤ディスペンサ502からの薬剤の投与(例えば、実際および/またはシミュレーション投与)をモニタすることができる。モバイル装置500は、薬物ディスペンサ502のユーザ動作をモニタすることができる。例えば、ディスペンサ502をモバイル装置500に取り付けることによって、および/または、(例えば、薬剤ディスペンサ502の使用をモニタするモバイル装置500の光学的、音響的、および/または他のセンサのために)モバイル装置500に十分近接して薬剤ディスペンサ502を投与することによって、達成され得る。
【0061】
検知装置516は、薬剤投与装置502に一体化されてもよく、検知装置516は、薬剤ディスペンサ502の外部にあってもよい。検知装置516は、ユーザが薬剤ディスペンサ502に行う動作をモニタするように構成してもよい。検知装置516は、薬剤ディスペンサ502におけるユーザの動作をモニタすることができる。このような動作は、所定の方法で方向付けられた検知装置516および/または薬剤ディスペンサ502や、検知装置516および/または薬剤ディスペンサ502に加わる加速度や、投与される薬剤の量や、および/または、投与される薬剤の速度を含む。ユーザの技術は、検知装置516および/または薬剤ディスペンサ502によって捕捉されてもよく、投与データとして記録されてもよい。
【0062】
薬剤ディスペンサ502の検知装置516は、例えば、投与データに基づいて、モバイル装置500にデータを送信するように構成することができる。検知装置516は、通信装置520を介してこの送信を実行するように構成することができる。通信装置520は、検知装置516内に一体化されてもよく、および/または、検知装置516の外部にあってもよい。通信装置520は、無線送信機および/または受信機、および/または電気コネクタを含むことができる。これによって、例えば、利用可能なハードウェア構成要素および必要条件に応じて、検知装置516および/またはディスペンサ502は、別のモバイル装置に差し込まれたもの、および/または無線チャネルを介して、ユーザまたは投与データをアップロードまたは送信できるようになる。
【0063】
薬剤ディスペンサ502とモバイル装置500との間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)低エネルギー、赤外線、セルラデータ、またはWi-Fiなどのスマートフォンが通常可能ないくつかの無線規格のいずれかを介して行われてもよい。ディスペンサは、例えば、有線接続を介してデータを送信するために、スマートフォンコネクタソケットに対してインターフェースできる電気コネクタを含むことができる。薬剤ディスペンサ502からモバイル装置500へのデータの無線送信は、直接的および/または間接的でもよい(例えば、ウェブサーバ506のようなサーバを含んでもよい)。サーバ506は、インターネットを介して医療用ディスペンサ502とモバイル装置500との間で投与データを受信、格納、処理、および/または送信することができる。サーバ506は、複数の薬剤ディスペンサ502、モバイル装置500、ユーザ、ケア提供者、医療患者口座などに関するデータを処理するように構成することができる。
【0064】
薬剤ディスペンサ502は、吸入技術および/または進行のライブ描写をユーザに提示するために、(例えば、リアルタイムで)投与データをモニタおよび/または送信することができる。薬剤ディスペンサ502の検知装置516は、調剤データを記憶し、および/または、後で投与データを処理または送信することができる。投与データの評価は、モバイル装置500および/または薬剤ディスペンサ502によって実行されてもよい。評価データは、モバイル装置500、薬剤ディスペンサ502および/またはサーバ506の間で送信されてもよく、さらに、これらの装置のうちの1つまたはそれ以上によってユーザに提供されてもよい。
【0065】
薬剤ディスペンサ502および/または検知装置516は、記録(例えば、生記録)および/または投与データ(例えば、モニタされた投与データ)を、および/またはコンピュータ(例えば、インターネット)サーバ506を介して、モバイル装置500に送信してもよい。投与データは、システムの物理的能力および/または特定のアプリケーションの要件に応じて、送信前にフォーマット、リファクタリング、圧縮、および/または照合することができる。
【0066】
検知装置516は、使用中の薬剤投与装置502をモニタするように構成されてもよい。検知装置516によって取得された投与データは、例えば、音響データ、時間データ、圧力データ、位置データ、温度データ、光学データ、加速度データ、および/または化学データを含むことができる。ディスペンサ502内のセンサの選択される種類および構成は、(例えば、ディスペンサが適切および/または効果的に使用されているかを示す情報を得ることができるように)異なるディスペンサ502および/またはアプリケーションによって変化してもよい。
【0067】
モバイル装置および/または薬剤ディスペンサは、外部検知装置と組み合わせることができる。外部検知装置は、モバイル装置および/または薬剤ディスペンサに取り付け可能および/または適合するように構成することができる。電子データは、通信インターフェースを介して装置間で交換されてもよい。外部装置は、薬剤ディスペンサ、モバイル装置、および/または検知装置に機能を提供できる。外部装置は、検知装置、および/または検知装置の構成要素を含むことができる。例えば、外部センサは、ディスペンサの使用をモニタするように構成することができる。1つまたは複数のアプリケーションは、外部および/または一体化されたセンサからデータを受信するように構成されてもよい。
【0068】
図6は、モバイル装置600の外部にあってもよい例示的な検知装置616を示す。外部検知装置616は、通信インターフェース(例えば、電気コネクタ610の形態のインターフェース)を備えてもよく、モバイル装置600のコネクタソケット612に接続されるように構成されてもよい。例えば、モバイル装置600と外部検知装置616との間に接続が確立されると、電子データは、モバイル装置600と外部検知装置616との間で通信することができる。
【0069】
外部検知装置616は、様々な種類のセンサ606を含むことができる。センサ606は、ユーザ動作(例えば、薬剤ディスペンサを操作するときに実行される動作を再現するユーザ動作)をモニタするように構成されてもよい。外部検知装置616を取り付けることで、モバイル装置600および/または投与装置は、追加の薬剤ディスペンサをシミュレートできるように構成されてもよい。例えば、モバイル装置600および/または投与装置は、圧力検知機能を有していなくてもよい。外部検知装置616は、圧力センサ608を備えることができる。圧力センサ608は、外部検知装置616および/または投与装置に対してユーザが吸入及び吐出することによる空気圧をモニタおよび/または記録することができる。ユーザの呼吸による音の代わりに、またはユーザの呼吸による音に加えて、流体圧をモニタすることにより、高品質データ、および/またはユーザの吸入器の操作をより正確に表現するデータを提供することができる。圧力センサ608を有する外部検知装置616をモバイル装置600および/またはディスペンサ装置に取り付けることによって、モバイル装置600および/またはディスペンサ装置は、例えばシミュレーション目的で、圧力センサを有する、および/または、必要とする薬剤ディスペンサをシミュレートできる。
【0070】
図7Aは、薬剤を含む薬剤ディスペンサ704と、薬剤を含まない訓練薬剤ディスペンサ702とを含む例示的なシステムを示す。薬剤ディスペンサ704は、薬剤をユーザに投与するために使用され、訓練薬剤ディスペンサ702は、訓練目的、例えば、薬剤を投与する際にユーザを訓練するために使用できる。訓練薬剤ディスペンサ702は、薬剤ディスペンサ704と同一および/または類似のハウジングを有する装置を使用して、薬剤ディスペンサ装置の手順においてユーザを訓練するために使用されてもよい。訓練薬剤ディスペンサ702は、本明細書で説明されるように、モバイル装置700と通信する。
【0071】
薬剤ディスペンサ704および訓練薬剤ディスペンサ702は、同一および/または異なるハウジングを有してもよい。例えば、薬剤ディスペンサ704および訓練薬剤ディスペンサ702の双方は、
図7に示すSpiromaxハウジングなどの吸入器ハウジングを有してもよい。薬剤ディスペンサ704は、Spiromaxハウジングを有してもよく、訓練薬剤ディスペンサ702は、Easy-Breatheハウジングを有してもよい。薬剤ディスペンサ704および訓練薬剤ディスペンサ702は、同一および/または異なる電子機器、検知装置(例えば、検知装置716)、通信装置(たとえば、通信装置720)などを備えてもよい。薬剤ディスペンサ704および訓練薬剤ディスペンサ702は、同一および/または異なる薬剤を含んでもよい。薬剤ディスペンサ704は、薬剤を含むことができ、および/または、訓練薬剤ディスペンサ702は、薬剤を含まなくてもよい。訓練薬剤ディスペンサ702は、非薬剤物質用の薬剤を代替することができる。例えば、訓練薬剤ディスペンサ702は、医薬品有効成分(API)以外の物質を薬剤に代替することができる。薬剤ディスペンサ704および訓練薬剤ディスペンサ702は、多くの様々な構成要素、ハウジング、薬剤、非薬剤などを含むことができる。
【0072】
モバイル装置は、モバイル装置、薬剤ディスペンサ、および/または検知装置上で動作するコンピュータアプリケーションを介して、薬剤ディスペンサ上で実行される動作をシミュレートできる。コンピュータアプリケーションは、ゲーム(例えば、ミニゲームのシリーズ)をプレイするユーザを含むことができる。様々な薬剤ディスペンサ(例えば、吸入器などの呼吸装置)の使用をシミュレートする上で、ゲームを中心とすることができる。タスクとしては、ディスペンサを振る、ディスペンサから吐き出す、および/または画面上でのアプリケーションとの相互作用などを含めることができる。ユーザが薬剤ディスペンサのより良い知識を得るのを助けるために、および/または、薬剤ディスペンサの種類間の相違を示すために、タスクを含めてもよい。ゲーム内の成果、予定されたリマインダ、および/または、ユーザのパフォーマンスに関連する有用なフィードバックを提供することができる。ゲーム内の成果、予定されたリマインダ、および/または有益なフィードバックは、繰り返し使用するためのインセンティブ、および/または上達のためにユーザに報酬を与えることができる。モニタされた投与データおよび/または接続能力は、例えば、明確かつ包括的な訓練情報を提供できるように、ユーザにヒントおよび/または情報を提供することができる。
【0073】
ユーザは、装置の正しい使用について自分自身をテストすることを選択できる。例えば、モバイル装置および/または薬剤ディスペンサは、(例えば、画面上のシミュレーションおよび/または実際のディスペンサと相互作用することによって)ユーザが信じる装置の正しい動作を実行することを可能にできる。チャレンジが完了すると、モバイル装置および/または薬剤ディスペンサは、ユーザにスコアまたは他の達成フィードバックを提示することができる。スコアは、ユーザ動作のうちの正しく実行されたかの数に基づいてもよく、所定の正しいユーザプロファイルデータに基づいてもよい。
【0074】
例えば、ユーザに提供され、および/またはユーザによって取り入れられるフィードバックおよび/または訓練情報における有効性を向上させるために、心理学、ソフトウェアユーザの経験、および/またはゲーム産業からのコンセプトを提供してもよい。投与および/または評価データに従って、ゲームのプレイがユーザに提供されてもよい。ゲームのプレイは、投与装置のユーザの熟練度を高めるために、練習および/または訓練の増加を促進するために提供されてもよい。モバイル装置は、各要素を含むことによってディスペンサを使用する様々な態様を分岐するように構成されたソフトウェアを含むことができる。これらの態様は、ポイント獲得、報酬、「ロック解除可能」コンテンツ、1つ以上の達成バッジ、進行レベル、進行バー、格付け、および/またはランキングなどのゲーム機能を含むことができる。モニタされた投与データおよび/または所定データ間の関係に従って、これらをユーザに提供してもよい。
【0075】
図8A~
図8Eは、例えば投与または評価データに基づいて、ユーザに情報を提供する例示的なスタイルを示す。薬剤投与動作は、モバイル装置800によってゲームとして提供されてもよい。例えば、吸入器薬剤を投与する動作は、呼吸におけるユーザの進行状況の画面上の表示として、モバイル装置800によって視覚化されてもよい。ユーザの呼吸は、モバイル装置800によってモニタされ、視覚化された対象物の充填および/または吸入を引き起こすことができる。例えば、
図8Aに示すように、ユーザの呼吸は、フグ820の膨張および/または収縮として視覚化してもよい。ユーザが薬剤ディスペンサを吸入および/または吐き出すと、フグ820の容積が減少および/または増加してもよい。
図8Bに示すように、メーター822(例えば、体温計)の視覚化された対象物の充填および/または膨張は、薬剤の投与と相関してもよい。視覚化された対象物のメーター822の充填および/または膨張は、例えば最適な薬剤投与を得るために、使用者のための対象物を提供し得る。モバイル装置800上のデータの可視化、および/または薬物ディスペンサ802との相互作用は、多種多様なゲームの仕組みに組み込むことができる。
【0076】
図8Cは、ユーザが薬剤ディスペンサ802の使用に基づいてポイントを獲得する例を示す。例えば、ユーザがどのように薬剤ディスペンサ802および/またはモバイル装置800と相互に作用したかに応じて、ユーザのスコア824が増加および/または減少してもよい。ユーザの薬剤投与動作が向上し続けると、ゲームにおけるユーザのスコア824が増加してもよい。スコア824は、以前の薬剤投与動作のユーザとの比較を提供するために使用されてもよく、および/または、ユーザが努力するための目標点を提供してもよい。
【0077】
図8Dは、モバイル装置800がアプリケーションを実行し、薬剤ディスペンサ802の使用がバスケットボールゲームとして表される例を示す。ユーザが息を吐くにつれて、モバイル装置800は、引き戻されているバスケットボール860を表示することができる。患者が薬剤を吸入すると、ボール860がゴール862に向かってシュートされてもよい。ユーザの吐出しおよび/または吸入の度合いが、理想的な吸入および/または吐き出しに対応してもよい。例えば、ユーザが最適な呼吸技術を取得した場合、バスケットボール860がその目標に達するようにしてもよい。
図8Eは、モバイル装置800がアプリケーションを実行し、薬剤ディスペンサ802の使用が気球880として表される例を示す。気球880の移動は、患者の吸入および/または吐出しの質に依存してもよい。気球880が移動する距離、および/またはバルーン880が到達する高さは、患者の吸入および/または吐出しの質に依存してもよい。例えば、最善の吸入に対応する吸入は、次善の吸入よりもさらにおよび/または高く気球880が移動してもよい。薬剤投与に関する情報(例えば、特定の吸入器に使用される吸入技術に関連する情報)は、例えばチャート、表、および/または他の図形を含む多くの方法で視覚化されてもよい。
【0078】
図9に示すように、モバイル装置および/または薬剤ディスペンサは、ユーザにアドバイス920、支援および/またはスコア情報922を提供することができる。アドバイス922、支援、スコア情報922は、例えば、医療従事者のアバターによって配信されるメッセージの形で視覚化されてもよい。アドバイス920、支援、および/またはスコア情報922は、ユーザおよび/または医療提供者のニーズに応じて、簡潔および/または詳細にすることができる。アドバイスは、チャレンジにおけるユーザの過去の実績に従って、および/または、薬剤を投与する際のユーザの過去の実績に従って、生成されてもよい。例えば、アプリケーションが個々のユーザに人間的な接触をとるように、ヒントを提供してもよい。実際またはシミュレーションディスペンサの使用技術の評価に従って、ユーザに評価を提供してもよい。
【0079】
継続的かつ正確なゲームのプレイを奨励するために、アプリケーション内に様々な成果を提供してもよい。成果の例として、全てのタスクの完了、多数のスコアの獲得、および/または多数回のアプリケーションの使用が含まれてもよい。ユーザは、達成するための特定の目標を与えられてもよく、ゲーム全体を通してプレイするように奨励されてもよい。ユーザが薬剤ディスペンサに関する技術を練習するために、スケジュールを生成してもよく、および/または、位置基準のリマインダを提供してもよい。これらのリマインダは、モバイル装置900および/または薬剤ディスペンサ904を介してユーザに提供してもよい。リマインダの発生は、所定の間隔、処方またはユーザ規定のパラメータに基づいてもよい。
【0080】
モバイル装置および/または薬剤ディスペンサによって生成されたデータは、医療提供者、薬剤提供者などと共有してもよい。リアルタイムで、および/または、設定可能な期間にわたってデータを収集および分析することによって、データを共有してもよい。例えば、薬剤の有効性および/または使用時の患者の技術的遵守および準拠の程度に基づいて、使用者の健康結果による薬剤の影響を調べることができる。
【0081】
図10は、薬剤投与動作をシミュレートした結果としてフィードバックを受信する例示的な方法を示す簡略化されたフロー図である。1002において、信号を受信することができる。信号は、モバイル装置、検知装置、および/または薬剤ディスペンサによって受信されてもよい。この信号は、薬剤投与動作を表すことができる。例えば、信号は、ユーザが薬剤ディスペンサからの薬剤を管理する技術を表すことができる。投与データは、薬剤ディスペンサを操作する際にユーザによって実行される物理的動作を表すデータ、即ち、薬剤ディスペンサの空間的な向き、薬剤ディスペンサに加えられる加速度、投与された薬剤の量、および/または薬物が投与される速度を含むことができる。ユーザの技術は、モバイル装置、検知装置によって捕捉されてもよく、および/または、例えば、様々な物理的特性を表す検知および/または測定データによって、投与データとして記録されてもよい。
【0082】
1004において、薬剤投与動作の正確性が判定されてもよい。所定データに関して、投与データを処理することができる。所定データは、薬剤ディスペンサがユーザによって操作される際の最適な状態、用法、および/またはパターンを表すデータを含むことができる。所定データは、ダウンロードされたデータであってもよく、および/または、(例えば、ユーザが技術を遵守し、投与された薬剤の有効性を最適にするとき)薬剤提供者または医療専門家によって規定されていてもよい。評価データを判定するために、投与データを所定データに対して評価してもよい。
【0083】
1006において、データ(例えば、薬剤投与データ、評価データなど)が送信されてもよい。データは、モバイル装置、薬剤ディスペンサ、および/または検知装置に対して送信および/または受信されてもよい。送受信データは、記録(例えば生記録)データ及び/又は投与(例えば、モニタされた投与)データを含むことができる。システムの物理的能力および/または特定のアプリケーションの要件に応じて、送受信前に、投与データをフォーマット、リファクタリング、圧縮、および/または照合してもよい。
【0084】
1008において、評価情報(例えば、モニタされた管理技術の評価情報)を提供してもよい。データおよび評価情報は、例えば、モバイル装置および/または薬剤ディスペンサを介して、ユーザに提供されてもよい。データおよび/または情報は、視覚的、聴覚的、および/または触覚フィードバックによって提供されてもよい。例えば、データおよび/または情報は、グラフィカル表現、テキストデータ、および/または数値データによって、提供されてもよい。データは、電子通信を介して、患者以外のユーザ(例えば、医師または他の医療従事者、および/または患者の親)に提供されてもよい。評価データは、電子メール、SMS、MMS、VOIP、および/または他の電子メッセージまたは文書フォーマットに含まれ、インターネットまたはモバイル通信ネットワークを介して送受信されてもよい。
【0085】
評価情報は、ヒント、アドバイス、および/または支援情報を含むことができる。ヒント、アドバイス、および/または他の情報は、医療専門のアバターによって配信されるメッセージの形で視覚化されてもよい。ユーザおよび/または医療提供者のニーズに応じて、ヒント、アドバイス、および/またはその他の情報を簡潔かつ/または詳細にすることができる。例えば、アプリケーションが個々のユーザに人間的な接触をとるように、ヒント、アドバイス、および/または他の情報を提供してもよい。実際またはシミュレーションディスペンサの使用技術の評価に従って、ユーザに評価を提供してもよい。ユーザは、達成するための特定の目標を与えられてもよく、ゲーム全体を通してプレイするように奨励されてもよい。