(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】水濾過設備の流路逆止め構造
(51)【国際特許分類】
B01D 24/42 20060101AFI20240312BHJP
B01D 29/92 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B01D29/42 510
(21)【出願番号】P 2021171135
(22)【出願日】2021-10-19
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】517358591
【氏名又は名称】均賀科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JUN HE TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.40, DONGQI 2ND LANE, LUGANG TOWNSHIP, CHANGHUA COUNTY, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王江全
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201902614(CN,U)
【文献】実開平06-040536(JP,U)
【文献】中国実用新案第211871575(CN,U)
【文献】中国実用新案第209511164(CN,U)
【文献】中国実用新案第212986125(CN,U)
【文献】特開2001-095917(JP,A)
【文献】特許第3496651(JP,B2)
【文献】特開2018-204629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/02-35/04
B01D 33/327-35/22
F16K 15/00-15/20
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道用水濾過設備の流路逆止め構造であって、当該水濾過設備は複数の濾過エレメントを有し、これらの濾過エレメントはコネクタを利用して、水管を介してその間の相互連結を成し遂げ、かつ上記コネクタで水源を接続し、且つ少なくとも一つの上記コネクタの内に逆止め弁セットを取り付け、上記逆止め弁セットは逆止め弁と逆止部材を含み、
上記コネクタは第1端口と第2端口を有し、上記第1端口によって上記逆止め弁セットの取り付けを提供し、
上記逆止め弁は弾性チューブを有し、当該弾性チューブの一端に変形可能に開く或は閉じることができる鴨嘴型弁を設け、他端にベースが連結され、且つ当該ベースの中央にはスリーブ孔で前記弾性チューブの中に貫通し、前記弾性チューブの周りには外へ突出する水止めエッジが設けられ、
上記逆止部材は二段階状を呈し、比較的に大きい径を有する第1本体部と比較的に小さい径を有する第2本体部を有し、当該第2本体部の外径は上記逆止め弁のスリーブ孔の内径とフィットし、上記逆止部材が、上記逆止め弁を上記コネクタの第1端口の内に入れた後、更に上記第2本体部で上記逆止め弁のスリーブ孔の中に挿入してスリーブ接続し、
上記コネクタは上記濾過エレメントのジョイント管にネジ止め結合されて、上記逆止部材の第1本体部端部を上記ジョイント管内の段部に突き当てた状態で上記逆止めセットが上記コネクタ内に取り付けられ、上記逆止部材の中央に上記第1本体部と第2本体部を連続的に貫通する通過ホールを設け、上記通過ホールの孔径が明らかに上記弾性チューブの管径より小さいとの設計を利用して、上記逆止め弁の取り付けと共に、確かな逆止め効果を成し遂げることができ、
上記逆止め弁の鴨嘴型弁先端部は逆止め弁セットの軸方向に沿う方向に逆止め効果を高める延長部が設けられていることを特徴とする水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項2】
上記水濾過設備はRO逆浸透浄水器であり、上記濾過エレメントは濾過コア、RO膜、及び圧力タンクであることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項3】
上記コネクタの第1端口は進水部であり、上記コネクタの第2端口は排水部であることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項4】
上記逆止め弁セットは上記水源を連結するのに用いる上記コネクタの中に取り付けられることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項5】
上記逆止め弁セットは上記濾過エレメントに提供して連結するのに用いる上記コネクタの中に取り付けられることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項6】
上記コネクタはクイックコネクタであり、上記水管をプッシュする方式で快速に着脱できることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項7】
上記コネクタはネジロックコネクタであり、上記水管をネジで上記コネクタに連接できることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項8】
上記逆止部材の第2本体部は上記逆止め弁のスリーブ孔と相互にタイトフィットすることを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【請求項9】
上記逆止め弁はゴムで製造され、且つ当該ゴムは80度の硬度を有すことを特徴とする請求項1の水濾過設備の流路逆止め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水濾過設備に用いることに関し、上記水濾過設備を使用する時に水の逆流現象が発生することを避ける「水濾過設備の流路逆止め構造」である。
【背景技術】
【0002】
現在工業は急速に発展し、相対的に空気、土地と水源が過度に汚染され、水道水はすべてのユーザーに供給する前に、浄水場で沈殿、消毒、晒しなどの浄水プロセスを経ったが、これらのプロセスは各種の汚染物を完全に除去することができず、使用時にも健康に危害を及ぼする場合がある。水の安全を確保するため、多くの人は事前に各種の水濾過設備を利用して水源を濾過してから食用或いは飲用し、この多くの水濾過設備の中でRO逆浸透浄水器が最もよく見られる。
【0003】
従来のRO逆浸透浄水器は複数の濾過エレメントを有し、当該濾過エレメントは濾過コア、RO膜及び圧力タンクであり、上記濾過エレメントにコネクタを設け、上記コネクタは水管を介して上記濾過エレメント間の相互連結を成し遂げ、かつ上記コネクタで水源を接続でき、上記濾過コアとRO膜で水源を濾過し、純水を生成し、かつ同時に上記濾過コアとRO膜を貫通できない各種の不純物と有害物質を濃縮廃水とともに排出し、かなり清潔な生活用水を得ることができる。
【0004】
しかしながら、上記のような従来の構造は実際応用中には、以下の問題点が存在する。すなわち、上記コネクタは水源通過を提供するだけで、逆止機能がなくて、よって、水を作る時に水の逆流現象が発生すると、上記濾過エレメントの損壊を引き起こす恐れがあって、更に上記純水にまた上記廃水を混入することを引き起こし、給水品質を確保できない。
【0005】
従って、本発明者は、これを考慮し、創作の構想を考え出し、長年の経験をもって設計し、多くの議論とサンプルの試行試験、及びいくつかの修正と改善を経て、本発明を完成した。
【発明の概要】
【0006】
発明が解決しようとする技術的課題:
従来の水濾過設備のコネクタは水源通過を提供するだけで、逆止機能がないため、これらは解決しようとする技術問題点である。
【0007】
問題を解決するための技術的特徴
本発明は水道用水濾過設備の流路逆止め構造であって、当該水濾過設備は複数の濾過エレメントを有し、これらの濾過エレメントはコネクタを利用して、水管を介してその間の相互連結を成し遂げ、かつ上記コネクタで水源を接続し、且つ少なくとも一つの上記コネクタの内に逆止め弁セットを取り付け、上記逆止め弁セットは逆止め弁と逆止部材を含み、
上記コネクタは第1端口と第2端口を有し、上記第1端口によって上記逆止め弁セットの取り付けを提供し、
上記逆止め弁は弾性チューブを有し、当該弾性チューブの一端に変形可能に開く或は閉じることができる鴨嘴型弁を設け、他端にベースが連結され、且つ当該ベースの中央にはスリーブ孔で前記弾性チューブの中に貫通し、前記弾性チューブの周りには外へ突出する水止めエッジが設けられ、
上記逆止部材は二段階状を呈し、比較的に大きい径を有する第1本体部と比較的に小さい径を有する第2本体部を有し、当該第2本体部の外径は上記逆止め弁のスリーブ孔の内径とフィットし、上記逆止部材が、上記逆止め弁を上記コネクタの第1端口の内に入れた後、更に上記第2本体部で上記逆止め弁のスリーブ孔の中に挿入してスリーブ接続し、上記コネクタは上記濾過エレメントのジョイント管にネジ止め結合されて、上記逆止部材の第1本体部端部を上記ジョイント管内の段部に突き当てた状態で上記逆止めセットが上記コネクタ内に取り付けられ、上記逆止部材の中央に上記第1本体部と第2本体部を連続的に貫通する通過ホールを設け、上記通過ホールの孔径が明らかに上記弾性チューブの管径より小さいとの設計を利用して、上記逆止め弁の取り付けと共に、確かな逆止め効果を成し遂げることができ、
上記逆止め弁の鴨嘴型弁先端部は逆止め弁セットの軸方向に沿う方向に逆止め効果を高める延長部が設けられている。
【0008】
従来技術と比べ、本発明の効果は以下である。
【0009】
(1)本発明の水濾過設備の流路逆止め構造は、上記逆止め弁セットの取り付けを利用し、上記水濾過設備の使用過程で水が逆流する現象を避けることができ、給水品質を確保することができ、上記水濾過設備は水が逆流して損傷することを防止することもできる
【0010】
(2)本発明の水濾過設備の流路逆止め構造は、上記逆止め弁セットが上記逆止め弁と逆止部材とがお互いにフィットすることで、逆止め効果を極致まで発揮させることができ、また水の逆流によって発生した高圧が上記逆止め弁を上記コネクタから流し離れることを防止することができ、位置を定める効果がよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明のコネクタと逆止め弁セットの立体組立図である。
【
図3】本発明のコネクタと逆止め弁セットの立体分解図である。
【
図4】本発明のコネクタと逆止め弁セットの組立断面図である。
【
図5】本発明のバルブが開弁した状態を示す状態図である。
【
図8】本発明のもう一つの実施形態の立体分解図である。
【
図9】本発明のもう一つの実施形態の組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的、特徴、及び効果をよく理解及び認識できるように、以下は図面を参照しながら、詳しく説明する。
【0013】
一般的に、本発明によれば、まず
図1ないし
図4に示すように、本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、当該水濾過設備(10)は複数の濾過エレメント(11)を有し、これらの濾過エレメント(11)はコネクタ(20)を利用して、水管(21)を介してその間の相互連結を成し遂げ、かつ上記コネクタ(20)で水源を接続し、且つ少なくとも一つの上記コネクタ(20)の内に逆止め弁セット(30)を取り付け、上記逆止め弁セット(30)は逆止め弁(31)と逆止部材(32)を含み、ここで、上記コネクタ(20)は第1端口(201)と第2端口(202)を有し、当該第1端口(201)は進水部であり、第2端口(202)は排水部であり、上記第1端口(201)によって上記逆止め弁セット(30)の取り付けを提供する。上記逆止め弁(31)は弾性チューブ(311)を有し、当該弾性チューブ(311)の一端に変形可能に開く或は閉じることができる鴨嘴型弁(311)を設け、他端にベース(313)が連結され、且つ当該ベース(313)の中央にはスリーブ孔(314)で前記弾性チューブ(311)の中に貫通し、上記逆止部材(32)は二段階状を呈し、比較的に大きい径を有する第1本体部(321)と比較的に小さい径を有する第2本体部(322)を有し、当該第2本体部(322)の外径は上記逆止め弁(31)のスリーブ孔(314)の内径とフィットし、上記逆止部材(32)が、上記逆止め弁(31)を上記コネクタ(20)の第1端口(201)の内に入れた後、更に上記第2本体部(322)で上記逆止め弁(31)のスリーブ孔(314)の中に挿入してスリーブ接続し、上記逆止部材(32)の中央に上記第1本体部(321)と第2本体部(322)を連続的に貫通する通過ホール(323)を設け、上記通過ホール(323)の孔径が明らかに上記弾性チューブ(311)の管径より小さいとの設計を利用して、上記逆止め弁(31)の取り付けと共に、確かな逆止め効果を成し遂げることができる。
【0014】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記水濾過設備(10)はRO逆浸透浄水器であり、上記濾過エレメント(11)は濾過コア、RO膜及び圧力タンクである。
【0015】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記逆止め弁セット(30)は上記水源を連結するのに用いる上記コネクタ(20)の中に取り付けられる。
【0016】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記逆止め弁セット(30)は上記濾過エレメント(11)に提供して連結するのに用いる上記コネクタ(20)の中に取り付けられる。
【0017】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記コネクタ(20)はクイックコネクタであり(
図1ないし
図6に示すように)、上記水管(21)をプッシュする方式で快速に着脱できる。
【0018】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記コネクタ(20)はネジロックコネクタであり(
図7に示すように)、上記水管(21)をネジで上記コネクタ(20)に連接できる。
【0019】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記逆止部材(32)の第2本体部(322)は上記逆止め弁(31)のスリーブ孔(314)と相互にタイトフィットする。
【0020】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記逆止め弁(31)の弾性チューブ(311)の周りには外へ突出する水止めエッジ(315)が設けられる。
【0021】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記逆止め弁(31)の弁(312)は延長に設置されて、上記逆止め弁(31)はより良い逆止め効果を有する(
図8及び
図9に示すように)。
【0022】
本発明は、水濾過設備の流路逆止め構造を提供し、ここで、上記逆止め弁(31)はゴムで製造され、且つ当該ゴムは80度の硬度を有し、上記逆止め弁(31)はより良い逆止め効果を有する。
【0023】
ここで、実際に使用する際に、上記逆止め弁セット(30)は上記コネクタ(20)の第1端口(201)内に塞ぎ、固定し、それで水源が上記通過ホール(323)から送入する時に、順方向水圧で上記逆止め弁(31)の弾性により、上記弁(312)をスムーズに開けられ(
図5に示すように)、更に水を上記弁(312)から上記第2端口(202)の方向へ流動させる。水の逆流が発生する時に、上記弁(312)は逆方向水圧の作用を受け、すぐに弾性閉鎖(
図6に示すように)、それで有効的に逆止めできる、水が再度逆方向に流れることを避け、また逆流の水圧が高すぎるで、上記弁(312)が強制に開けられる時に、当該逆止め弁(31)と結合する上記逆止部材(32)は水の逆流により産生する高圧で当該逆止め弁(31)を上記コネクタ(20)から流し離れることを防止する作用を有し、且つ上記通過ホール(323)の孔径が上記弾性チューブ(311)の管径より明らかに小さいので、水が逆流する時に上記通過ホール(323)の所に更に高いパイプ抵抗を生じ、水が逆方向に当該通過ホール(323)を突破できなく、それによってもっと有効、且つ確実な逆止め効果に達する。
【0024】
上記の水濾過設備の流路逆止め構造によれば、以下の利点がある:(1)上記逆止め弁セット(30)の取り付けを利用し、上記水濾過設備(10)の使用過程で水が逆流する現象を避けることができ、給水品質を確保することができ、上記水濾過設備(10)は水が逆流して損傷することを防止することもできる。(2)上記逆止め弁セット(30)が上記逆止め弁(31)と逆止部材(32)とが互いにフィットすることで、逆止め効果を極致まで発揮させることができ、また水の逆流によって発生した高圧が上記逆止め弁(31)を上記コネクタ(20)から流し離れることを防止することができ、位置を定める効果がよい。
【0025】
以上は、本発明に係る1つの実施例に過ぎないため、本発明の実施範囲を制限するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲内で行われる変化、修飾なども本発明の範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0026】
10 水濾過設備
11 濾過エレメント
20 コネクタ
21 水管
201 第1端口
202 第2端口
30 逆止め弁セット
31 逆止め弁
32 逆止部材
311 弾性チューブ
312 弁
313 ベース
314 スリーブ孔
315 水止めエッジ
321 第1本体部
322 第2本体部
323 通過ホール