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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】有線リピータ及び照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/18 20200101AFI20240312BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240312BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240312BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240312BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/19
H05B45/10
H05B45/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021173663
(22)【出願日】2021-10-25
(65)【公開番号】P2023063694
(43)【公開日】2023-05-10
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】高井 大幹
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 圭介
(72)【発明者】
【氏名】川原田 剛
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175598(JP,A)
【文献】特開2012-221624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0235580(US,A1)
【文献】特開2015-44280(JP,A)
【文献】特開2021-150192(JP,A)
【文献】特開2019-129061(JP,A)
【文献】特開2018-160373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置の点灯状態を制御する照明制御システムに用いられる有線リピータであって、
前記有線リピータに入力される照明制御信号として、無線制御信号を用いることが可能であり、
前記有線リピータが出力する照明制御信号は有線制御信号であって、1色のLEDからなる照明装置に対する1CHの制御信号、複数色のLEDからなる照明装置に対する複数CHの制御信号を切替可能であり、
前記有線リピータが出力する照明制御信号により、前記照明装置の点灯状態を制御することが可能な、有線リピータ。
【請求項2】
前記有線リピータに入力される照明制御信号として、前記無線制御信号と有線制御信号を切り替えることが可能な、
請求項1記載の有線リピータ。
【請求項3】
前記有線リピータが出力する照明制御信号は有線制御信号であって、前記1CHの制御信号、2色のLEDからなる照明装置に対する2CHの制御信号と、3色のLEDからなる照明装置に対する3CHの制御信号を切替可能である、
請求項1又は2記載の有線リピータ。
【請求項4】
前記3色のLEDからなる照明装置において、3色は、赤色、黄白色、青白色である、請求項3記載の有線リピータ。
【請求項5】
前記3色のLEDからなる照明装置において、3色は、赤色、緑色、青色である、請求項3記載の有線リピータ。
【請求項6】
前記有線リピータに入力される有線制御信号は、明るさと色を制御可能な複数CHの制御信号である、請求項2記載の有線リピータ。
【請求項7】
照明装置と、照明制御装置と、有線リピータを備え、前記照明装置の点灯状態を制御する照明制御システムであって、
前記照明装置は、有線通信モジュール及び無線通信モジュールが接続可能な接続部を備え、当該接続部に有線通信モジュールが装着されており、
前記有線リピータは、前記照明制御装置から入力した照明制御信号に基づいて、照明制御信号を出力し、
前記有線リピータが出力する照明制御信号は有線制御信号であって、1色のLEDからなる照明装置に対する1CHの制御信号、複数色のLEDからなる照明装置に対する複数CHの制御信号を切替可能であり、
前記有線リピータが出力する照明制御信号を前記有線通信モジュールに入力することにより、前記照明装置の点灯状態を制御することが可能な、照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光調色等の照明制御機能を備えた照明器具を複数備えた照明制御システム及びその照明制御システムに用いられる有線リピータに関する。
【背景技術】
【0002】
照明のLED化に伴い、明るさを変化させる調光や、色温度など色合いを変化させる調色を容易にできるようになった。それに伴い、調光・調色の制御を行う照明制御が普及しはじめており、制御信号を伝送する手段として、無線通信が用いられるようになってきた。このような無線制御式照明器具は、信号線の敷設をする必要がないという利点がある。しかしながら、雑音電波の多い場所や電波の届きにくい場所など、無線制御に不向きな設置場所も散見され、無線制御にするか有線制御にするかを決めにくい場合がある。
【0003】
特許文献1には、通信ユニットと、通信ユニットと通信配線により接続された複数の端末器(一例として照明器具)を備え、例えば複数の照明器具には同一の制御がなされる照明制御システムが開示されている。
【0004】
特許文献2には、無線制御用照明装置に用いられる無線信号モジュールを有線信号モジュールに取り換えて有線制御を行う技術が開示されている。これにより無線制御用照明装置を有線制御用照明装置として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-76956号公報
【文献】特開2018-160373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、信号線を敷設する必要があるが通信安定性の高い「有線制御」と、信号線を敷設する必要はないが雑音電波の影響を受けたり電波が届かないことのある「無線制御」を、設置場所に応じて選択可能としたり、現場で急な変更を行うことが可能なシステムを検討している。
【0007】
特許文献1のように通信ユニットを独立に設置し、そこまでは無線通信、そこから各照明器具を有線制御する方式は、各照明器具は「有線制御」を前提としたものであり、必ず有線制御の配線を引く必要がある。
【0008】
特許文献2のように無線制御用照明器具を有線制御用照明器具として用いる技術は、例えば無線制御を行う予定で無線制御用照明器具を設置したが、無線通信のエラーが生じる場合に、照明器具本体を交換することなく、無線信号モジュールを有線信号モジュールに取り換えることにより有線制御を行うことができ好都合である。しかし、床側に置かれる照明制御装置と、天井側に置かれる照明器具の間に信号線の配線を行う必要があり、壁の外側に信号線を露出させるため美観の問題があったり、壁内の配線が難しく壁を取り外して工事する必要が生じる場合がある。
【0009】
さらに、照明器具といっても、1色のLEDを用いて調光だけできるもの、2色のLEDを用いて調光・調色ができるもの、3色のLEDを用いて調光と精密な色の調整ができるものが混在しており、これらが同時に存在することのある設置場所においても制御可能にしたいというニーズがある。
【0010】
そこで、本発明は、設置環境に応じて、有線と無線のどちらを使うかを柔軟に選べる照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、照明装置の点灯状態を制御する照明制御システムに用いられる有線リピータであって、前記有線リピータに入力される照明制御信号として、無線制御信号を用いることが可能であり、前記有線リピータが出力する照明制御信号は有線制御信号であって、1色のLEDからなる照明装置に対する1CHの制御信号、複数色のLEDからなる照明装置に対する複数CHの制御信号を切替可能であり、前記有線リピータが出力する照明制御信号により、前記照明装置の点灯状態を制御することが可能な、有線リピータである。
【0012】
本発明は、さらに、前記有線リピータに入力される照明制御信号として、前記無線制御信号と有線制御信号を切り替えることが可能な、有線リピータであってもよい。
【0013】
本発明は、さらに、前記有線リピータが出力する照明制御信号は有線制御信号であって、前記1CHの制御信号、2色のLEDからなる照明装置に対する2CHの制御信号と、3色のLEDからなる照明装置に対する3CHの制御信号を切替可能であってもよい。
【0014】
本発明は、さらに、前記3色のLEDからなる照明装置において、3色は、赤色、黄白色、青白色であってもよい。
【0015】
本発明は、さらに、前記3色のLEDからなる照明装置において、3色は、赤色、緑色、青色であってもよい。
【0016】
本発明は、さらに、前記有線リピータに入力される有線制御信号は、明るさと色を制御可能な2CHの制御信号であってもよい。
【0017】
本発明は、照明装置と、照明制御装置と、有線リピータを備え、前記照明装置の点灯状態を制御する照明制御システムであって、前記照明装置は、有線通信モジュール及び無線通信モジュールが接続可能な接続部を備え、当該接続部に有線通信モジュールが装着されており、前記有線リピータは、前記照明制御装置から入力した照明制御信号に基づいて、照明制御信号を出力し、前記有線リピータが出力する照明制御信号は有線制御信号であって、1色のLEDからなる照明装置に対する1CHの制御信号、複数色のLEDからなる照明装置に対する複数CHの制御信号を切替可能であり、前記有線リピータが出力する照明制御信号を前記有線通信モジュールに入力することにより、前記照明装置の点灯状態を制御することが可能な、照明制御システムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、設置環境に応じて、有線制御と無線制御を適宜選択可能な照明制御システムとすることができる。また、信号形態の異なる照明器具を適宜使用可能な照明制御システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1の照明制御システムの概念図
図2】有線リピータの斜視図
図3】有線制御される照明装置の電源部の斜視図
図4】有線通信モジュールの上面図・正面図・背面図
図5】無線制御される照明装置の電源部の斜視図
図6】照明装置に用いられるLEDの発光色を説明するための色度座標図
図7】実施形態2の照明制御システムの概念図
図8】実施形態2における有線の照明制御装置の図
図9】実施形態3の照明制御システムの概念図
図10】有線リピータの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
実施形態1の照明制御システム100UMの概念図を図1に示す。照明制御システム100UMは、照明制御装置30、有線リピータ50,有線制御される照明装置110U及び120U、無線制御される照明装置130Mを備え、各照明装置の点灯状態(明るさ・色・ON/OFF)を制御するシステムである。なお、AC電源線が有線リピータ50、電源部115・125・135に接続されているが、図1においては図示を省略している。
【0021】
<照明制御装置30>
照明制御装置30はタブレット型端末装置であって、入力部と表示部を兼ねたタッチパネルディスプレイ31を備えるとともに、照明制御装置30の内部を示す点線内に示すように、制御部32、記憶部33,無線通信部34を備えたコンピュータの一種であり、照明制御ソフトウエア37(図示せず)を動作させることにより、照明装置の明るさ(全光束)や色合いを制御する。照明制御装置30は、時間により制御内容を変えるスケジュール制御を行うことができる。
【0022】
無線制御信号39は、例えばブルートゥース(登録商標)あるいはWi-Fi(登録商標)規格に従ったデジタル信号として送信される。
【0023】
<有線リピータ>
有線リピータ50は信号の中継器であるが、単なる中継器でなく信号の選択及び変換の機能を備えている。有線リピータ50の斜視図を図2に示す。有線リピータ50は、通常は天井90の上に設置され、電源端子53にAC電源が接続される。
【0024】
有線リピータ50上の入力切替スイッチ51を「無線」にすることにより、照明制御装置30からの無線制御信号39を受信する。入力切替スイッチ51を「有線」にすることにより、実施形態2に記載の照明制御装置40からの無線制御信号39を、入力端子54より受信することができる。つまり入力切替スイッチ51により入力信号を選択できる。
【0025】
有線リピータ50は、受信した信号に応じたデジタル制御信号を、出力端子55より有線制御線65に送る。有線制御線65はRS485規格のデジタル信号線である。また、接続される照明装置が1色のLEDであり調光可能な場合、2色のLEDを備え調光と調色が可能な場合、3色のLEDを備え広範囲の黒体輻射線上の色を発光可能な場合に応じて、別の出力信号を送るための出力切替スイッチ52を備えている。
【0026】
<有線制御線>
壁80から離れた照明器具に照明制御信号を伝える有線制御線65は、分岐61で分岐し、その一方は有線制御線65-1として有線通信モジュール116に信号を送る。分岐の他方は別の分岐62に接続し、分岐62より、有線通信モジュール126またはターミネータ69に接続される。
【0027】
<照明装置110U、120U、130M>
照明制御装置30から離れた天井90の上に設置された照明装置110U・120Uの電源部115・125のうち、電源部115の斜視図を図3に示す。電源部115は、AC電源と接続される電源端子113を備え、LEDを駆動可能な出力が、駆動線114を経て光源部111に供給される。
【0028】
<有線通信モジュール>
図3に、電源部115の内部(挿入口は表面)に設けられた、各種モジュールが着脱可能な接続部であるスロット116Sを点線で示す。スロット116Sに装着され接続端子が接続された有線通信モジュール116からの信号により、電源部115の出力は通信制御され、駆動線114の駆動出力に反映される。
【0029】
図4に、有線通信モジュール116の詳細を示す。正面図である図4(b)に示すように、有線通信モジュール116は上部116P、下部116Q、端子部116Rを備え、スロット116Sには下部116Qと端子部116Rが挿入される。
【0030】
端子部116Rには5端子が形成され、電源部115に接続される。
【0031】
背面図である図4(c)に示すように、下部116Qの裏面に、内部のICと接続する6つの端子116QCが設けられている。この端子はスロット116Sに挿入されている状態では用いられないが、スロット116Sから外して、正常・異常の検査と、IC内に格納されているファームウエア(ソフトウエア)の書換・アップデートを行うことができる。
【0032】
上面図である図4(a)に示すように、有線制御線65-1のコネクタが接続できるコネクタ受け116Cが設けられている。
【0033】
一方、図5に示すように、照明制御装置30に近い天井90の上に設置され、無線制御される照明装置130Mの電源部115・125には、スロット136Sに無線通信モジュール137が装着・接続され、その信号により通信制御される。電源部135の光源駆動出力は、駆動線134を経てLED光源を備えた光源部131に接続され、光源が無線により駆動される。
【0034】
このように、本照明制御システムにおいては、ほぼ同じ基本構成の照明装置110U、120U、130Mを用い、電源部のスロットに「有線通信モジュール」又は「無線通信モジュール」のいずれかを挿入することによりそのモジュールが電源部に接続され、適宜有線制御にしたり無線制御にしたりすることができるというメリットを有する。
【0035】
<様々な照明装置への対応>
LEDが実用化する前において、照明装置は、照明制御ができないものと、明るさ(全光束)を変更できる調光可能な照明装置の2種類しかなかった。この場合、明るさを変更する1CH(チャンネル)の信号により照明制御ができる。しかし、LED照明の進展に伴い、2色の「高色温度LED(例:色温度6500K)」と「低色温度LED(例:色温度2700K)」を用いて、2CH(チャンネル)の制御信号により2色の合成による色温度を調整できる、つまり調色もできる調光調色可能な照明装置も使われるようになってきた。これにより、例えば昼間は目が覚める高色温度の照明、寝る前は眠気を誘う低色温度の照明にする「スケジュール運転」により、より人間の健康維持に適する照明が期待されている。これは、2CH(各LEDの明るさの信号、又は「明るさ」と「色」の信号)の信号により照明制御できる。
【0036】
2色のLEDを用いて色温度を調整する場合、色度の調整範囲は色度座標の「高色温度LED」と「低色温度LED」を結ぶ直線上に限られる。一方、色度座標内の「黒体輻射線」は図6に記載の点線のように曲がっているため、「高色温度LED」と「低色温度LED」の色温度の違いが大きくなると、黒体輻射線に沿った正確な色が出せないという課題があった。そこで、3色のLEDを用いることにより、例えば「1800K~12000K」という広い範囲の黒体輻射に沿った色などを出す方法が考えられている。この場合、3CHの信号で照明制御をすることができる。
【0037】
以下では、2色のLED、3色のLEDなどを「複数色のLED」、2CHの信号、3CHの信号などを「複数CHの信号」と呼ぶ場合がある。
【0038】
有線リピータ50は、「発光色が1色のLED」「2色のLED」「3色のLED」のどの照明器具についても照明制御できるよう、出力切替スイッチ52を備えている。なお、有線リピータ50の1つの有線制御線65に接続される照明装置は、どれか1種類だけ(例えば3色のLEDのものだけ)にする。「2色のLED」と「3色のLED」の照明装置が混在する場合は、2台の有線リピータを用いればよい。
【0039】
<3色のLEDを用いた調色の例>
照明装置110U、120U、130Mとして、原色の赤色(R)であるR-LED、非原色の青白色(Bw)であるBw-LED、非原色の黄白色(Yw)であるYw-LEDを用いた調色を行っている。特に、赤色(R)としては、図6に示すCIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度の色、青白色(Bw)としては、CIE1931色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度の色、黄白色(Yw)としては、CIE1931色度座標において、(0.5,0.5)、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線Eで囲まれる範囲の色度の色であることが好ましい。色再現領域を広げるためには、色度境界線上に近い原色である赤(R)、青(B)、緑(G)の3色であってもよい。これにより、例えば1800K~12000Kといった黒体輻射線に沿った色や、青空や夕日の色といった実用範囲の色を幅広く再現することができる。なお、上記R、Bw、wの、2色の非原色LEDを含む3色を用いることにより、色度境界線に近いRGBの三原色を用いる場合に比べて、電力光束変換効率(lm/W)を比較的良好にできるという利点を有する。
【0040】
<実施形態2>
図7に照明制御システム100Uの概念図を示す。実施形態2の照明制御システム100Uは、もともと実施形態1の照明制御システム100UMを計画していたものの、設置現場の電波通信状況が予想よりも悪かった場合に急遽代替することの可能な照明制御システムである。
【0041】
<照明装置130U>
照明装置130Uは、もともと用意していた照明装置130Mの電源部135に装着されていた「無線通信モジュール137」(図5参照)を「有線通信モジュール136」(図3の有線通信モジュール116と同じもの)に付け替え、有線リピータからの有線制御線65の分岐63後の有線制御線65-3を介して有線通信モジュール136に接続することにより構成される。
【0042】
<照明制御装置40>
さらに、無線の照明制御装置30から「有線リピータ50」への通信状態が悪い場合や、有線制御が適している場合には、図8に示す有線の照明制御装置40を用い、入力切替スイッチ51を「有線」に切替え、有線の照明制御信号を有線リピータに入力することができる。
【0043】
具体的には、「調光ダイヤル41」と「調色ダイヤル42」を備えた有線の照明制御装置40を例えば壁に設置し、2組(1組2本)の有線制御信号49を有線リピータ50の入力端子54(図2参照)に接続する。信号としては、「調光」「調色」の2系統それぞれについて、従来からよく使われているPWM(Pulse Width Modulation)信号を用いる。PWM信号はその名の通りパルス幅(時間)をアナログ的に変化させる「アナログ信号」である。照明制御装置40は「スイッチ43」も備え、全照明装置を消灯させることもできる。これにより、例えば3色のLEDを用い12000Kから1800Kの色温度の色を出せる照明装置に対しても、調色を行うことができる。なお、2つのダイヤルを備えた照明制御装置の代わりに、1つのダイヤルを備えた照明制御装置を2台用い、それぞれ調光用、調色用照明制御装置とすることもできる。
【0044】
なお、調色ダイヤル42に対する信号線を接続しない場合もあるが、その場合、有線リピータ50では、2CH、3CHの信号で制御される場合の色はデフォルト値(初期設定値)もしくは、最後に設定した値で出力する。
【0045】
<実施形態3>
図9に、照明制御システム200U&#8558;の概念図を示す。本実施形態における照明制御システム200U&#8558;は、一部に、DALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interfaceの意味)と呼ばれるIEC62386規格の照明制御システムを含んでいる。DALIを用いた場合、DALI対応の照明装置であれば、メーカーによらず照明制御が可能であるという利点を有する。一方、DALIは伝統のある古いシステムであるため、有線制御・調光のみ対応が基本となる。
【0046】
<DALI>
コンピュータであるDALI制御装置220からの照明制御信号は、照明制御盤201よりデジタル信号であるDALI信号として、DALI信号線217を経由してDALI対応電源235に入力する。照明装置230Dは、このDALI信号により調光される。
【0047】
ここから先に伸びるDALI信号線247が、DALI-PWM変換モジュール240の入力端子241に接続される。ここでDALI調光信号は、PWM調光信号に変換される。
【0048】
DALI-PWM変換モジュール240の出力端子242より、PWM信号線245が、有線リピータ50の入力端子54に接続され、有線リピータ50はPWM調光に応じたデジタル制御信号を有線制御線65に送出する。
【0049】
有線リピータ50の出力切替スイッチ52を「1CH」とすることにより、照明装置110U、120UをDALI信号により調光することができる。
【0050】
このように、有線リピータ50は、DALIが使われる環境においても使用することができる。
【0051】
<実施形態4>
図10に、本実施形態の有線リピータ350を示す。これは、実施形態1~3に用いられている有線リピータ50と置き換え可能な有線リピータ350である。
【0052】
照明制御システムに不具合が生じたとき、各装置のどれが正常に動作していないのかを一つ一つ確認する作業があり、有線リピータが正常に動作しているかも点検しなければならない。その際、動作状態を容易に確認できれば好都合である。
【0053】
有線リピータ350は、電源端子53、入力端子54、出力端子55、受信部357を備え、天井90の埋込孔に設置されることにより、入力インジケータ351・出力インジケータ352が下から視認できる。スマートフォン・リモコンなどの制御装置370からの無線信号あるいは赤外線信号を受信部357が受信することにより、入力信号を入力端子54からの有線信号、照明制御装置30からの無線信号のいずれかに切替可能である。また、出力信号を1色のLED用、2色のLED用、3色のLED用に切替が可能である。
【0054】
入力インジケータ351は、例えば入力信号が有線信号なら橙色、無線信号なら緑色に点灯する。また、有線入力信号を受信したときには橙色が点滅し、無線制御信号を受信したときは緑色が点滅する。
【0055】
出力インジケータ352は、出力信号が設定されたときと実際に送出されるときに、1色のLEDであれば「ON0.5s/OFF2s」の繰り返し、2色のLEDであれば、例えば「ON0.5s/OFF0.2s/ON0.5s/OFF2s」の繰り返し、3色のLEDであれば「ON0.5s/OFF0.2s/ON0.5s/OFF0.2s/ON0.5s/OFF2s」の繰り返しで点滅する。もちろん点滅パターンは一例であって、要は識別可能な点滅パターンであればよい。点滅でなく、発光色として3色のいずれかとなる出力インジケータを用いてもよい。
【0056】
<変形例その他>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を例えば以下のようにすることも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0057】
(1)照明装置の光源部111・121・131・231の図は、ダウンライトをイメージしたものにしたが、ダウンライトは一例であって、照明装置の光源部はスポットライト、線状のベースライト、スクエア・ラウンドなど面状のベースライト、投光器、フレキシブルテープライトなど、その形態は限定されない。
【0058】
(2)各照明制御システムにおいて、照度センサを用い、照度が適正な値になるように照明制御を行う場合がある。
【0059】
(3)3CHの色としては、比較的使用頻度の高い範囲の色を出せる「赤色」、「黄白色」、「青白色」とする例を挙げたが、「赤色」「青色(y<0.4、x<0.2であって、青白色より色度境界線E側の色)」「緑色(y>0.4であって黄白色・青白色でない色)」の3色を用いてもよい。その場合、色再現領域が広がり、特に原色に近い緑色や青色を出すことができるので、例えば建物の外部や舞台の演色照明用として好適に用いることができる。
【0060】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0061】
30 照明制御装置
31 タッチパネルディスプレイ
32 制御部
33 記憶部
34 無線通信部
37 照明制御ソフトウエア
39 無線制御信号
40 照明制御装置
41 調光ダイヤル
42 調色ダイヤル
43 スイッチ
49 有線制御信号
50、350 有線リピータ
50 照明制御装置
51 入力切替スイッチ
52 出力切替スイッチ
53 電源端子
54、241 入力端子
55、242 出力端子
61、62、63 分岐
65、65-1 有線制御線
69 ターミネータ
80 壁
90 天井
100U、100UM、200UD 照明制御システム
110U、120U、130M、130U、230D 照明装置
111、121、131、231 光源部
113 電源端子
114、134 駆動線
115、125、135 電源部
116、126、136 有線通信モジュール
116S、136S スロット
117、137 無線通信モジュール
201 照明制御盤
217 DALI信号線
220 DALI制御装置
235 DALI対応電源
240 DALI-PWM変換モジュール
245 PWM信号線
247 DALI信号線
351 入力インジケータ
352 出力インジケータ
357 受信部
370 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10