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特許7453207飲料ディスペンサネットワーク及びプロファイル管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】飲料ディスペンサネットワーク及びプロファイル管理
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/00 20060101AFI20240312BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A47J31/00 302
B67D1/08 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021500225
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019040714
(87)【国際公開番号】W WO2020010322
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】62/694,685
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン,フランチョット
(72)【発明者】
【氏名】シュワーバー,ジョシュア ケイシー
(72)【発明者】
【氏名】イライアス,アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】コクソン,ジェド ロートン
(72)【発明者】
【氏名】キルコイン,マーティン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-537535(JP,A)
【文献】特開2018-045578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0255991(US,A1)
【文献】特表2005-528133(JP,A)
【文献】特開2017-030868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
B67D 1/00-3/04
G07F 13/00-15/12
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサネットワークであって、
複数の飲料ディスペンサであって、前記複数の飲料ディスペンサの各々は、ユーザープロファイルのグループをローカルに保存するように構成され、前記ユーザープロファイルのグループの各々は、前記複数の飲料ディスペンサの各々の1つからローカルに取り出し可能であって、前記ユーザープロファイルのグループの各々は、飲料用のパーソナルパラメータと、飲料用のパフォーマンスパラメータと、を有する、複数の飲料ディスペンサと、
ユーザープロファイルを中央集中方式によって保存するように構成されたプロファイルデータベースであって、前記ユーザープロファイルは前記ユーザープロファイルのグループの1つである、プロファイルデータベースと、
前記ユーザープロファイルの前記パーソナルパラメータ又は前記パフォーマンスパラメータを変更する、前記ユーザープロファイルに対する更新を受け取るように構成されたサーバーと、を備え、
前記サーバーは、前記パーソナルパラメータ又は前記パフォーマンスパラメータの変更に応じて、前記複数の飲料ディスペンサの各々に前記更新を送信するように構成され、
前記複数の飲料ディスペンサは、前記更新に応答して、変更された前記パーソナルパラメータ又は前記パフォーマンスパラメータを有するユーザープロファイルを前記サーバーから受信し、ローカルに保存するように構成されている、
飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項2】
前記パーソナルパラメータは、分注される飲料用のフレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、又はその他の非機能性添加物である請求項1に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項3】
前記パフォーマンスパラメータは、分注される飲料用のビタミン、ミネラル、電解物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性添加物である請求項1又は2に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項4】
前記サーバーは、管理者ユーザーが、前記ユーザープロファイルの前記パフォーマンスパラメータを変更するべく前記更新を提供することを許容するように構成される請求項1から3のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項5】
前記サーバーは、エンドユーザーが、前記ユーザープロファイルの前記パーソナルパラメータを変更するべく前記更新を提供することを許容するように更に構成される請求項4に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項6】
前記サーバーは、前記エンドユーザーが、前記ユーザープロファイルの前記パフォーマンスパラメータを変更するべく前記更新を提供することを拒絶するように更に構成される請求項5に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項7】
前記管理者ユーザーは、アスレチックトレーナーであり、且つ、前記エンドユーザーは、アスリートである請求項5に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項8】
前記複数の飲料ディスペンサのうちの1つのもの上において完了された分注セッションのレポートを表示するように構成された外部ディスプレイ、
を更に有する請求項1から7のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項9】
前記複数の飲料ディスペンサのそれぞれ及び前記ユーザープロファイルは、共通顧客番号と関連付けられている請求項1から8のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサネットワーク。
【請求項10】
飲料ディスペンサであって、
飲料の飲料含有物を分注するように構成されたノズルと、
前記飲料ディスペンサによってローカルに維持されている複数のユーザープロファイルのうちから1つのユーザープロファイルの選択を受け取るように構成されたユーザーインターフェイスであって、前記複数のユーザープロファイルのそれぞれは、飲料用のパーソナルパラメータと、前記飲料用のパフォーマンスパラメータと、を有する、ユーザーインターフェイスと、
それぞれが含有物ソースから前記ノズルまで飲料含有物を供給するよう構成されている、複数のポンプ装置と、
更新済みのユーザープロファイルを受け取るように構成されたコントローラであって、前記更新済みのユーザープロファイルは、前記複数のユーザープロファイルのうちの1つのものの変更済みのパーソナル又はパフォーマンスパラメータを有し、前記コントローラは、前記パーソナルパラメータ又はパフォーマンスパラメータの変更に応答して、前記更新済みのユーザープロファイルの変更されたパーソナルパラメータ又はパフォーマンスパラメータを前記ポンプ装置に送信するように構成される、コントローラと、
を有する飲料ディスペンサ。
【請求項11】
前記パーソナルパラメータは、分注される飲料用のフレーバー、フレーバー強度、甘さのレベル、又はその他の非機能性添加物である請求項10に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項12】
前記パフォーマンスパラメータは、分注される飲料用のビタミン、ミネラル、電解物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性添加物である請求項10又は11に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項13】
前記コントローラは、分注セッションの完了の際に分注セッションメッセージを生成するように更に構成される請求項10から12のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項14】
前記分注セッションメッセージは、前記分注セッションと関連付けられたユーザープロファイル識別子、前記分注セッションにおいて飲料を分注するべく使用されたパーソナル及びパフォーマンスパラメータの識別子、前記飲料の量、或いは、前記分注セッションにおいて分注された前記飲料含有物のうちの1つ又は複数のものの量、のうちの1つ又は複数を含む請求項13に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項15】
前記コントローラは、前記パーソナルパラメータ及び前記パフォーマンスパラメータに基づいて、前記選択されたユーザープロファイルに応答して前記複数のポンプ装置のうちの1つ又は複数を起動するように更に構成される請求項14に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項16】
前記コントローラは、前記更新済みのプロファイルに応答して、前記複数のポンプ装置のうちの少なくとも異なる1つを起動するように更に構成される請求項15に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項17】
飲料ディスペンサネットワークを維持する方法であって、
顧客番号と関連付けられたユーザープロファイルをプロファイルデータベース内において中央集中方式により保存することであって、前記ユーザープロファイルは、飲料用のパーソナルパラメータと、前記飲料用のパフォーマンスパラメータと、を有し、ユーザープロファイルのグループの1つであることと、
エンドユーザーから、前記ユーザープロファイルに対する第1更新を受け取ることであって、前記第1更新は、前記パーソナルパラメータを変更していることと、
管理ユーザーから、前記ユーザープロファイルに対する第2更新を受け取ることであって、前記第2更新は、前記パフォーマンスパラメータを変更していることと、
前記第1及び第2更新に伴うユーザープロファイルを、前記ユーザープロファイルのグループと共にローカルに保存するために、複数の飲料ディスペンサの各々に送信することによって、前記第1及び第2更新に応答して、前記顧客番号と関連付けられた複数の飲料ディスペンサに跨って前記ユーザープロファイルを同期化することと、
を含む方法。
【請求項18】
前記パーソナルパラメータは、分注される飲料用のフレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、又はその他の非機能性添加物である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パフォーマンスパラメータは、分注された飲料用のビタミン、ミネラル、電解物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性添加物である請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記管理ユーザーから、第2ユーザープロファイルに対する第3更新を受け取ることであって、前記第3更新は、前記第2ユーザープロファイルの第2パフォーマンスパラメータを変更していること、
を更に含む請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
従来のポストミックス飲料分注システムは、一般に、外側を流れる水の流れと共にシロップの流れをノズルの中心において流し下すことにより、シロップ、濃縮物、甘味料、ボーナスフレーバー、その他のタイプの調味料、及び/又はその他の含有物を水又はその他のタイプの希釈剤と混合している。シロップの流れは、消費者のカップ内に落下するのに伴って流れが混合するように、水の流れと共に下方に誘導されている。飲料分注システムにおいては、全体として、可能な限り小さくなりうるフットプリントにおいて、可能な限り多くなりうる異なるタイプ及びフレーバーの飲料を提供する、という所望が存在している。飲料分注技術における最近の改善は、マイクロ含有物の使用に重点を置いている。マイクロ含有物に伴って、従来の飲料ベースは、格段に大きな希釈又は再構成比率を有するその構成部分に分離することができる。
【0002】
この技術は、高度に濃縮されたマイクロ含有物を収容するカートリッジを介して可能になっている。マイクロ含有物は、正確な計量及び添加技術を使用することにより、甘味料、並びに、静水又は発泡水と混合され、且つ、キャリーオーバーを防止するように、空気中混合を促進するノズルを通じて分注されている。この技術は、ユーザーが、所望の飲料を選択し、必要に応じて飲料をカスタマイズし、且つ、ディスペンサにおいて飲料を注ぐ、ためのユーザー入力を含む。これらの飲料は、カスタマイズとは無関係に味わい深い飲料を保証するべく、正確なレシピから製造されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トレーナー及びこれらに類似した人々は、ピークパフォーマンスを促進するべく、アスリートの生体計測データ及び栄養摂取量を観察する場合がある。このデータは、体重、水分供給レベル、心拍数、水摂取量、炭水化物摂取量、タンパク質摂取量、サプリメント摂取量、ナトリウム摂取量、血圧、実行及び意図される激しい運動、温度、血中酸素レベル、及びその他の測定基準を含みうる。従って、トレーナーは、特定のアスリート又は特定のタイプのアスリートについて、いくつかの添加物により、所与のタイプのスポーツドリンクを適合させるべく追求する場合がある。但し、複数人のアスリートについて、このような添加物を混合することは、特に、試合においては、或いは、練習場においては、時間を所要するプロセスとなりうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示の第1の態様によれば、飲料ディスペンサネットワークは、ユーザープロファイルを保存するように構成されたプロファイルデータベースを有する。ユーザープロファイルは、飲料用のパーソナルパラメータと、飲料用のパフォーマンスパラメータと、を有する。飲料ディスペンサネットワークは、パーソナルパラメータ又はパフォーマンスパラメータを変更する、ユーザープロファイルに対する更新を受け取るように構成されたサーバーを更に有する。飲料ディスペンサネットワークは、更新に応答して、サーバーから変更済みのパーソナル又はパフォーマンスパラメータを有するユーザープロファイルを受け取るように構成された複数の飲料ディスペンサを更に有する。
【0005】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、パーソナルパラメータは、分注される飲料のフレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、又はその他の非機能性添加物である。
【0006】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、パフォーマンスパラメータは、分注される飲料のビタミン、ミネラル、電解物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性添加物である。
【0007】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、サーバーは、管理ユーザーが、ユーザープロファイルのパフォーマンスパラメータを変更するべく、更新を提供することを許容するように構成されている。
【0008】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、サーバーは、エンドユーザーが、ユーザープロファイルのパーソナルパラメータを変更するべく、更新を提供することを許容するように更に構成されている。
【0009】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、サーバーは、エンドユーザーが、ユーザープロファイルのパフォーマンスパラメータを変更するべく、更新を提供することを拒絶するように更に構成されている。
【0010】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、管理ユーザーは、アスレチックトレーナーであり、且つ、エンドユーザーは、アスリートである。
【0011】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、飲料ディスペンサネットワークは、複数の飲料ディスペンサのうちの1つのもの上において完了された分注セッションのレポートを表示するように構成された外部ディスプレイを更に有する。
【0012】
本開示の第1の態様のいくつかの実装形態において、複数の飲料ディスペンサのそれぞれ及びユーザープロファイルは、共通顧客番号と関連付けられている。
【0013】
本開示の第2の態様によれば、飲料ディスペンサは、飲料の飲料含有物を分注するように構成されたノズルを有する。飲料ディスペンサは、飲料ディスペンサによって維持されている複数のユーザープロファイルのうちから1つのユーザープロファイルの選択を受け取るように構成されたユーザーインターフェイスを有する。複数のユーザープロファイルのそれぞれは、飲料用のパーソナルパラメータと、飲料用のパフォーマンスパラメータと、を有する。飲料ディスペンサは、それぞれが含有物ソースからノズルに飲料含有物を供給するように構成された複数のポンプ装置を有する。飲料ディスペンサは、更新済みのユーザープロファイルを受け取るように構成されたコントローラを有し、この場合に、更新済みのユーザープロファイルは、複数のユーザープロファイルのうちの1つのもの用の変更済みのパーソナル又はパフォーマンスパラメータを有する。
【0014】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、パーソナルパラメータは、分注される飲料のフレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、又はその他の非機能性添加物である。
【0015】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、パフォーマンスパラメータは、分注される飲料のビタミン、ミネラル、電解物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性添加物である。
【0016】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、コントローラは、分注セッションの完了の際に分注セッションメッセージを生成するように更に構成されている。
【0017】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、分注セッションメッセージは、分注セッションと関連するユーザープロファイル識別子、分注セッションにおいて飲料を分注するべく使用されるパーソナル及びパフォーマンスパラメータの識別子、飲料の量、或いは、分注セッションにおいて分注された飲料含有物のうちの1つ又は複数のものの量、のうちの1つ又は複数を含む。
【0018】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、コントローラは、パーソナルパラメータ及びパフォーマンスパラメータに基づいて選択されたユーザープロファイルに応答して複数のポンプ装置のうちの1つ又は複数を起動するように更に構成されている。
【0019】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、コントローラは、更新済みのプロファイルに応答して少なくとも複数のポンプ装置のうちの異なる1つを起動するように更に構成されている。
【0020】
本開示の第3の態様において、飲料ディスペンサネットワークを維持する方法は、顧客番号と関連付けられたユーザープロファイルをプロファイルデータベース内において保存することを有する。ユーザープロファイルは、飲料用のパーソナルパラメータと、飲料用のパフォーマンスパラメータと、を有する。又、方法は、エンドユーザーから、ユーザープロファイルに対する第1の更新を受け取ることをも有し、この場合に、第1の更新は、パーソナルパラメータを変更している。又、方法は、管理ユーザーから、ユーザープロファイルに対する第2の更新を受け取ることをも有し、この場合に、第2の更新は、パフォーマンスパラメータを変更している。又、方法は、第1及び第2更新に応答して、顧客番号と関連する複数の飲料ディスペンサに跨ってユーザープロファイルを同期化することをも有する。
【0021】
本開示の第2の態様のいくつかの実装形態において、パーソナルパラメータは、分注される飲料のフレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、又はその他の非機能性添加物である。
【0022】
本開示の第3の態様のいくつかの実装形態において、パフォーマンスパラメータは、分注される飲料ビタミン、ミネラル、電解物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性添加物である。
【0023】
本開示の第3の態様のいくつかの実装形態において、方法は、管理ユーザーから、第2のユーザープロファイルに対する第3の更新を受け取ることを更に有し、この場合に、第3の更新は、第2ユーザープロファイルの第2パフォーマンスパラメータを変更している。
【0024】
これらの及びその他の特徴については、添付図面及び請求項との関連において実施される以下の詳細な説明から、更に明瞭に理解することができよう。
図面の簡単な説明
【0025】
以下、本開示の更に十分な理解を目的として、添付図面及び詳細な説明との関連において実施される以下の簡潔な説明を参照されたい。この場合に、同一の参照符号は、同一の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の様々な実施形態による、飲料ディスペンサネットワークの例示用のブロック図を示す。
図2】本開示の様々な実施形態による、飲料ディスペンサネットワークの飲料ディスペンサに跨ってプロファイルを編集及び同期化するためのシーケンス図を示す。
図3A】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する更なる含有物の分注を促進するための例示用の飲料ディスペンサシステムを示す。
図3B】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する更なる含有物の分注を促進するための例示用の飲料ディスペンサシステムを示す。
図4】1つ又は複数の飲料含有物が枯渇することに伴って飲料ディスペンサを制御するための概略フロー図を示す。
図5】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する例示用の飲料ディスペンサシステムを示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する容積型ポンプを有する例示用の流体回路を示す。
図7】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する静的機械フロー制御を有する例示用の流体回路を示す。
図8】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する動的機械フロー制御及び流量計を有する例示用の流体回路を示す。
図9】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する単一の含有物ソースからの複数の独立的に制御された経路を有する例示用の流体回路を示す。
図10】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する飲料ディスペンサ用の制御アーキテクチャの例示用のブロック図を示す。
図11】本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する例示用のコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
まず、以下においては、1つ又は複数の実施形態の例示用の実装形態が示されているが、開示されているシステム及び方法は、現時点において、既知であるのか、或いは、存在しているのか、を問わず、任意の数の技法を使用することにより、実装されうることを理解されたい。本開示は、決して、以下において示されている例示用の実装形態、図面、及び技法に限定されるものではなく、且つ、その均等物の完全な範囲に加えて、添付の請求項の範囲内において、変更することができる。「及び/又は(and/or)」というフレーズの使用は、選択肢のリストのうちの任意のもの又はその任意の組合せが使用されうることを示している。例えば、「A」、「B」、及び/又は「C」は、「A」、又は「B」、又は「C」、或いは、「A及びB」、或いは、「A及びC」、或いは、「A及びB及びC」を意味している。
【0028】
飲料ディスペンサは、顧客のユーザープロファイルを取得した際に、消費者との間の個人化された飲料分注動作を促進することができる。ユーザープロファイルは、好みの飲料又はカスタム混合された飲料などの好みを含んでいてもよく、この場合に、それぞれの混合された飲料は、2つ以上の標準的な飲料の混合物から形成されている。消費者プロファイルを読み込んだ際に、飲料ディスペンサは、例えば、消費者の好み及び混合比のカスタマイズされたメニューを提示することができる。その他のプロファイル情報及びメニュー選択肢も利用可能でありうる。
【0029】
飲料ディスペンサは、通常、一日の全体を通じて数十又は数百人の顧客にサービスする場所において設置され、且つ、それぞれのディスペンサは、消費者の異なる組に対してサービスしている。一般に、消費者プロファイルをディスペンサ上に予め読み込むことは、所与の消費者によって所与の日にいずれのディスペンサが使用されることになるのかという不確実性と、すべての消費者プロファイルを保存することができないというディスペンサのメモリ制限と、に起因して、実行可能ではない。従って、所与の飲料ディスペンサは、通常、消費者が飲料ディスペンサに近づく、或いは、これに(例えば、その前において)向かい合う、時点まで、特定の消費者のプロファイルを取得せず又は読み込まない。例えば、消費者のプロファイルは、2016年9月27日付けで出願された「Deispenser Connectivity」という名称の、本出願人に譲渡された国際特許出願第PCT/US2016/053961号において記述されているように、消費者のモバイル装置上のアプリケーションが、飲料ディスペンサを一意に識別するコードを読み取った際に、飲料ディスペンサに供給されてもよく、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてがすべての目的のために本明細書に包含される。
【0030】
アスレチック組織内において、予め定義された名簿のアスリートには、アスレチック組織と関連する飲料ディスペンサのネットワークに対するアクセスを提供することができる。最も安定したチーム名簿の場合にも、アスリートの数が限定されていることに起因して、それぞれのアスリートのユーザープロファイルをネットワーク内の飲料ディスペンサ上において能動的に同期化することができる。アスリートのうちの1人のプロファイルが変更された際には、更新済みのプロファイルが、ネットワーク内の飲料ディスペンサのそれぞれに対して公開される。ネットワークのディスペンサに跨ってプロファイルを能動的に同期化することにより、必要に応じて、アスリートがディスペンサを使用するたびに、異なる飲料が分注されうるように、プロファイルに対する変更を分注セッションの間において実施することができる。従って、アスリートのパフォーマンス及び好みにマッチングするように、アスリートに分注される飲料を時間に伴って適合させることができる。
【0031】
ユーザープロファイルは、パフォーマンスパラメータと、パーソナルパラメータと、を含む。パフォーマンスパラメータは、分注される飲料内において含むべき1つ又は複数の機能性添加物の量の選択を含む。機能性添加物は、アスリートのアスレチックパフォーマンスに影響を及ぼす添加物を含む。機能性添加物は、分注される飲料内において含まれるべきビタミン、ミネラル、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムなどの電解質、タンパク質、炭水化物、薬剤、又はその他の機能性サプリメントを含みうる。パーソナルパラメータは、フレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、又はその他の非機能性飲料の好みなどの、分注される飲料の個人的な好みの選択を含む。
【0032】
ユーザープロファイルは、プロファイルサーバーを通じてアクセス可能なプロファイルデータベース上において中央集中方式によって維持されている。ユーザーは、モバイル装置、デスクトップアプリケーション、ウェブポータル、又はこれらに類似したもの上のアプリケーションを介して、プロファイルにアクセスできると共にこれを更新することができる。異なるユーザーには、プロファイルデータベース上において維持されているプロファイルに対する異なるレベルのアクセスが付与される。例えば、それぞれのアスリートには、そのプロファイル全体を観察するための、且つ、そのプロファイル内のパーソナルパラメータに対して変更を実施するための、アクセスが付与されている。いくつかの実装形態において、アスリートには、そのプロファイル内のパフォーマンスパラメータに対して変更を実施するためのアクセスが付与されてはいない。同様に、アスレチック組織のトレーナー又はその他のトレーニングスタッフには、アスリートのプロファイルのパーソナルパラメータを観察するためのアクセスと、アスレチック組織内のアスリートのパフォーマンスパラメータに対して変更を実施するためのアクセスと、を付与することができる。これに加えて、アスレチック組織と提携してはいない外部ユーザーに、アスリートのプロファイルのパーソナルパラメータ及び/又はパフォーマンスパラメータを観察するためのアクセスを付与することもできる。
【0033】
使用の際には、アスリートは、アスレチック組織用の飲料ディスペンサのネットワーク内の飲料ディスペンサに向かい合うことができると共に、そのプロファイルを選択することができる。例えば、アスリートは、飲料ディスペンサ上において表示されているメニューからそのプロファイルを選択することができる。アスリートのプロファイルの選択を受け取った際に、飲料ディスペンサをアスリートのプロファイル内において保存されているパーソナルパラメータ及びパフォーマンスパラメータに従って構成することができる。この結果、アスリートは、そのプロファイル内のパフォーマンス及びパーソナルパラメータに従って、飲料を分注することができる。飲料ディスペンサ上における分注セッションの完了の際に、分注セッションのレポートを外部ディスプレイ上において表示することができる。例えば、レポートは、アスリート、分注された飲料用に選択されたそのパーソナルパラメータ、分注セッションにおいて分注された飲料の量、及び分注された飲料のパフォーマンスパラメータ、のうちの1つ又は複数に関する情報を含みうる。アスリート又はアスレチック組織に関する更なる情報をレポート内において表示することができる。
【0034】
本明細書において記述されているのは、(Coca-Cola(登録商標)Freestyle(登録商標)、従来のファウンテンディスペンサ、又はマイクロ含有物を有する従来のファウンテンディスペンサなどの)飲料分注システムのネットワーク内におけるプロファイル管理用の例示用のシステム及び方法である。例えば、(1つ又は複数のマクロ含有物と、1つ又は複数のマイクロ含有物と、を含みうる)飲料分注システムは、完成した飲料を生成するべく、(甘味料、水、又は炭酸水などの)マクロ含有物と(高強度甘味料、調味料、食用酸(food acid)、又は添加物などの)マイクロ含有物を組み合わせている。このようなマイクロ添加機能は、アスリートのパーソナル及びパフォーマンスパラメータに対して適合された多様な飲料を供給するべく、飲料分注システムの分注能力を向上させることができる。
【0035】
一般的に言えば、マクロ含有物は、最大強度(希釈なし)から約6~1(但し、一般には、約10~1未満)までの範囲内の再構成比率を有しうる。本明細書において使用されている再構成比率は、飲料含有物に対する希釈剤(例えば、水又は炭酸水)の比率を意味している。従って、5:1の再構成比率を有するマクロ含有物は、完成した飲料中のマクロ含有物の1部ごとに5部の希釈剤と共に分注及び混合されるマクロ含有物を意味している。多くのマクロ含有物は、4.5:1、4.75:1、5:1、5.25:1、5.5:1、及び8:1の再構成比率を含む、約3:1~5.5:1の範囲内の再構成比率を有しうる。
【0036】
マクロ含有物は、砂糖シロップ、HFCS(「High Fructose Corn Syrup」)、FIS(「Fully Inverted Sugar」)、MIS(「Medium Inverted Sugar」)などの甘味料、栄養及び非栄養又は高強度甘味料ブレンドから構成された中カロリー甘味料、並びに、特に約35~45°Fの標準的な飲料分注温度に冷却された後に-約10:1超の濃度においてポンピングする且つ正確に計量することが困難である、このような栄養甘味料を含みうる。又、エリトリトール甘味料も、飲料用のプライマリ甘味料ソースとして使用される際には、マクロ含有物甘味料と見なされうるが、通常、エリトリトールは、その他の甘味料ソースとブレンドされることになり、且つ、後述するように、マイクロ含有物と見なされうるように、相対的に大きな再構成比率を有する溶液中において使用されることになる。
【0037】
又、マクロ含有物は、分注される際に、シロップ対希釈剤の約3:1~6:1の比率において、淡水又は炭酸水などの希釈剤ソースと混合される、完成した飲料の甘味料、フレーバー、及び酸のすべてを含む従来のBIB(「Bag-In-Box」)フレーバーシロップ(例えば、COCA-COLAバッグインボックスシロップ)を含みうる。その他の通常のマクロ含有物は、濃縮抽出物、ピューレ、ジュース濃縮物、乳製品又は濃縮物、大豆濃縮物、及び米濃縮物を含みうる。
【0038】
又、マクロ含有物は、マクロ含有物ベース製品を含みうる。このようなマクロ含有物ベース製品は、甘味料のみならず、いくつかの一般的な調味料、酸、及び複数の異なる完成した飲料のその他の一般的な成分を含みうる。但し、希釈剤以外の1つ又は複数の更なる飲料含有物(本明細書において記述されているマイクロ含有物又はマクロ含有物)は、特定の完成した飲料を生成するべく、マクロ含有物ベース製品と共に分注及び混合されることを要する。換言すれば、マクロ含有物ベース製品は、第1の完成した飲料を生成するべく、第1マイクロ含有物非甘味料フレーバー成分と共に分注及び混合することができる。同一のマクロ含有物ベース製品は、第2の完成した飲料を生成するべく、第2のマイクロ含有物非甘味料フレーバー成分と共に分注及び混合することができる。
【0039】
上述のマクロ含有物は、ディスペンサ内において、ディスペンサにおいて、且つ/又は、これとは離れたところにおいて、従来のバッグインボックス容器内において保存することができる。マクロ含有物の粘度は、約1~約10000センチポイズの範囲を取りうると共に、一般には、冷却された際に100センチポイズ超程度でありうる。本明細書においては、その他のタイプのマクロ含有物を使用することができる。
【0040】
マイクロ含有物は、約10~1以上の範囲の再構成比率を有することができる。具体的には、多くのマイクロ含有物は、約20:1~50:1、~100:1、~300:1、或いは、これ超の範囲内の再構成比率を有することができる。マイクロ含有物の粘度は、通常、約1~約6センチポイズなどの範囲を有するが、この範囲から変化してもよい。いくつかの例において、マイクロ含有物の粘度は、40センチポイズ以下であってもよい。マイクロ含有物の例は、天然又は人工フレーバー、フレーバー添加物、天然又は人工色、人工甘味料(高い有効性、非栄養性、或いは、その他のもの)、消泡剤、非栄養性含有物、クエン酸又はクエン酸カリウムなどの酸味を制御するための添加物、ビタミン、ミネラルなどの機能性添加物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムなどの電解物、タンパク質、サプリメント、ハーブ抽出物、栄養補助食品、並びに、偽エフェドリン、アセトアミノフェンなどの市販(又はその他の)薬剤、並びに、類似のタイプの含有物を含む。リン酸、クエン酸、リンゴ酸、或いは、任意のその他のこのような一般的な食用酸などの食用酸濃縮物を含む様々な酸をマイクロ含有物中において使用することができる。様々なタイプのアルコールをマクロ又はマイクロ含有物として使用することができる。マクロ含有物は、液体、気体、又は粉体(並びに/或いは、水、有機溶剤、及び油を含む様々な媒体中において溶解可能な且つ懸濁した含有物を含む、これらの組合せ)の形態であってよい。本明細書においては、その他のタイプのマイクロ含有物を使用することができる。
【0041】
通常、完成した飲料製品用のマイクロ含有物は、完成した飲料のフレーバー成分を構成する別個に保存された非甘味料飲料成分濃縮物を含む。非甘味料飲料成分濃縮物は、完成した飲料用のプライマリ甘味料ソースとして機能せず、且つ、追加された甘味料を含んではいないが、いくつかの非甘味料飲料成分濃縮物は、その内部に、甘い味のフレーバー成分又は甘さとして知覚されるフレーバー成分を有しうる。これらの非甘味料飲料成分濃縮物は、「Methods and Apparatus for Making Compositions Comprising and Acid and Acid Degradable Component and/or Compositions Comprising a Plurality of Selectable Components」という名称の、本出願人に譲渡された米国特許出願第11/276,553号において記述されているものなどの、フレーバーの食用酸濃縮物及び食用酸分解性(又は、非酸)濃縮物成分を含んでいてもよく、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。上述のように、マイクロ含有物は、約10~1以上の範囲の再構成比率を有していてもよく、この場合に、完成した飲料のフレーバー成分を構成する別個に保存された非甘味料飲料成分濃縮物用のマイクロ含有物は、通常、50:1、75:1、100:1、150:1、300:1以上の範囲の再構成比率を有する。
【0042】
例えば、完成したコーラ飲料の非甘味料フレーバー成分は、別個に保存された第1非甘味料飲料成分濃縮物及び第2非甘味料飲料成分濃縮物から提供することができる。第1非甘味料飲料成分濃縮物は、リン酸などの、完成したコーラ飲料の食用酸濃縮物成分を有することができる。第2非甘味料飲料成分濃縮物は、それらが、第1の非甘味料成分濃縮物内において別個に保存されているリン酸又はその他の食用酸濃縮物成分と共に保存されている場合に、非甘味料飲料成分濃縮物と反応する且つその味及び賞味期限に影響を及ぼすことになるフレーバーオイルなどの完成したコーラ飲料の食用酸分解性濃縮物成分を有することができる。第2非甘味料飲料成分濃縮物は、第1非甘味料飲料成分濃縮物の食用酸濃縮物成分(例えば、リン酸)を含んではいない一方で、第2非甘味料飲料成分濃縮物は、依然として、高酸性飲料成分溶液(例えば、4.6未満のpH)であってよい。
【0043】
完成した飲料は、完成した飲料の酸濃縮物成分以外のフレーバーの複数の非甘味料濃縮物成分を有することができる。例えば、完成したチェリーコーラ飲料の非甘味料フレーバー成分は、上述の例において記述されている別個に保存されている非甘味料飲料成分濃縮物のみならず、チェリー非甘味料成分濃縮物から提供することができる。チェリー非甘味料成分濃縮物は、完成したチェリーコーラ飲料用のレシピと一貫性を有する量において分注することができる。このようなレシピは、チェリー非甘味料成分濃縮物を含むその他の完成した飲料用のその他のレシピよりも、多くの、少ない、或いは、同一の、量のチェリー非甘味料成分濃縮物を有することができる。例えば、完成したチェリーコーラ飲料用のレシピにおいて規定されているチェリーの量は、完成した飲料バージョンのそれぞれのものごとに最適な味プロファイルを提供するべく、完成したチェリーレモン-ライム飲料用のレシピにおいて規定されているチェリーの量超であってもよい。このような完成した飲料のレシピに基づいたフレーバーバージョンは、後述する、フレーバー添加物又はフレーバーショットの追加とは対照的である。
【0044】
完成した飲料製品用のその他の通常のマイクロ含有物は、マイクロ含有物甘味料を含みうる。マイクロ含有物甘味料は、アスパルテーム、Ace-K、ステビオール配糖体(例えば、Reb A、Reb M)、スクラロース、サッカリン、又はこれらの組合せなどの高強度甘味料を含みうる。又、マイクロ含有物甘味料は、1つ又は複数のその他の甘味料ソースとの組合せにおいて分注される際には、或いは、エリトリトールと1つ又は複数の高強度甘味料のブレンドを単一の甘味料ソースとして使用する際には、エリトリトールを含みうる。
【0045】
完成した飲料製品を補うためのその他の通常のマイクロ含有物は、マイクロ含有物フレーバー添加物を含むことができる。マイクロ含有物フレーバー添加物は、ベース飲料フレーバーに追加されうる更なるフレーバー選択肢を含みうる。マイクロ含有物フレーバー添加物は、非甘味料飲料成分濃縮物であってよい。例えば、ベース飲料は、コーラフレーバーの飲料であってもよいが、しばしば、フレーバーショットと呼称される、チェリー、ライム、レモン、オレンジ、及びこれらに類似したものをフレーバー添加物としてコーラ飲料に追加することができる。完成した飲料のレシピに基づいたフレーバーバージョンとは対照的に、完成した飲料を補うべく追加されるマイクロ含有物フレーバー添加物の量は、異なる完成した飲料のうちにおいて一貫性を有しうる。例えば、完成したコーラ飲料中においてフレーバー添加物又はフレーバーショットとして含まれるチェリー非甘味料成分濃縮物の量は、完成したレモン-ライム飲料中においてフレーバー添加物又はフレーバーショットとして含まれているチェリー非甘味料成分濃縮物の量と同一であってよい。これに加えて、完成した飲料のレシピに基づいたフレーバーバージョンは、単一の完成した飲料の選択アイコン又はボタン(例えば、チェリーコーラアイコン/ボタン)を介して選択可能である一方で、フレーバー添加物又はフレーバーショットは、完成した飲料の選択アイコン又はボタンに追加される、補助的な選択肢である(例えば、チェリーアイコン/ボタンの選択と、これに後続するコーラアイコン/ボタンの選択)。
【0046】
一般に理解されるように、このような飲料選択は、飲料ディスペンサ上のタッチスクリーンユーザーインターフェイス又はその他の通常の飲料ユーザーインターフェイス選択メカニズム(例えば、ボタン)を通じて実施することができる。次いで、飲料ディスペンサが、タッチスクリーンユーザーインターフェイス上の別個の分注ボタンを通じて、或いは、注入ボタン(電気機械的なもの、容量性の接触、又はその他のもの)又は注入レバーなどの別個の注入メカニズムとの間のやり取りを通じて、更なる分注コマンドを受け取った際に、任意の選択されたフレーバー添加物を含む、選択された飲料を分注することができる。
【0047】
完成した飲料の従来のBIBフレーバーシロップの供給においては、完成した飲料の甘味料、フレーバー、及び酸のすべてを含むマクロ含有物フレーバーシロップが、シロップに対する希釈剤の約3:1~6:1の比率において、淡水又は炭酸水などの希釈剤ソースと混合されている。対照的に、完成した飲料のマイクロ含有物供給の場合には、完成した飲料の甘味料及び非甘味料飲料成分濃縮物は、いずれも、別個に保存されており、且つ、完成した飲料が分注される際に、ノズルの周りにおいて1つに混合されている。このようなマイクロ含有物の分注に適する例示用のノズルは、本出願人に譲渡された、「Dispensing Nozzle Assembly」という名称の、米国仮特許出願第62/433,886号、「Common Dispensing Nozzle Assembly」という名称のPCT国際特許出願第PCT/US15/026657号、「Dispensing Nozzle Assembly」という名称の米国特許第7,866,509号、或いは、「Dispensing Nozzle Assembly」いう名称の米国特許第7,578,415号において記述されているものを含み、これらの特許文献は、引用により、いずれも、そのすべてが本明細書において包含される。
【0048】
動作の際に、飲料ディスペンサは、上述のマクロ含有物又はマイクロ含有物ソースのうちの任意の1つ又は複数から、完成した飲料を分注することができる。例えば、完成した飲料の従来のBIBフレーバーシロップ供給と同様に、完成した飲料を生成するべく、マクロ含有物フレーバーシロップを淡水又は炭酸水などの希釈剤ソースと共に分注することができる。これに加えて、飲料ディスペンサによって提供される飲料の多様性を増大させるべく、従来のBIBフレーバーシロップを希釈剤及び1つ又は複数のマイクロ含有物フレーバ添加物と共に分注することもできる。
【0049】
マイクロ含有物に基づいた完成した飲料は、甘味料及び希釈剤と共に完成した飲料の2つ以上の非甘味料飲料成分濃縮物のそれぞれを別個に分注することにより、分注することができる。甘味料は、マクロ含有物甘味料及び/又はマイクロ含有物甘味料であってよく、且つ、希釈剤は、水及び/又は炭酸水であってよい。例えば、マイクロ含有物に基づいた完成したコーラ飲料は、リン酸などの完成したコーラ飲料の食用酸濃縮物成分、フレーバーオイルなどの完成したコーラ飲料の食用酸分解性濃縮物成分、HFCSなどのマクロ含有物甘味料、及び炭酸水を別個に分注することにより、分注することができる。別の例において、マイクロ含有物に基づいた完成したダイエットコーラ飲料は、完成したダイエットコーラ飲料の食用酸濃縮物成分、完成したダイエットコーラ飲料の食用酸分解性濃縮物成分、アスパルテーム又はアスパルテームブレンドなどのマイクロ含有物甘味料、及び炭酸水を別個に分注することにより、分注することができる。更なる一例として、中カロリーマイクロ含有物に基づいた完成したコーラ飲料は、完成した中カロリーコーラ飲料の食用酸濃縮物成分、完成した中カロリーコーラ飲料の食用酸分解性濃縮物成分、低減されたマクロ含有物甘味料の量、低減されたマイクロ含有物甘味料の量、及び炭酸水を別個に分注することにより、分注することができる。低減されたマクロ含有物及びマイクロ含有物甘味料の量は、完成したコーラ飲料及び完成したダイエットコーラ飲料中において使用されているマクロ含有物又はマイクロ含有物甘味料の量との比較における意味である。最後の例として、チェリーコーラ飲料又はオレンジフレーバーショットを有するコーラ飲料などの、補助フレーバーマイクロ含有物に基づいた飲料は、完成したフレーバーコーラ飲料の食用酸濃縮物成分、完成したフレーバーコーラ飲料の食用酸分解性濃縮物成分、1つ又は複数の非甘味料マイクロ含有物フレーバー添加物(完成した飲料のレシピに基づいたフレーバーバージョンとして又はフレーバーショットとして分注される)、甘味料(マクロ含有物甘味料、マイクロ含有物甘味料、又はこれらの組合せ)、及び炭酸水を別個に分注することにより、分注することができる。上述の例は、炭酸飲料について提供されているが、これらは、炭酸水を淡水と置換することにより、非発泡性飲料にも同様に適用される。
【0050】
様々な含有物は、連続的注入モードにおいて、飲料ディスペンサによって分注されてもよく、この場合には、飲料の所与の流量において、適切な比率における(例えば、既定の比率における)適切な含有物が分注される。換言すれば、既定の量の含有物が組み合わせられている従来のバッチ動作とは異なり、飲料ディスペンサは、任意の容積の注入において、正しい含有物の比率における連続的な混合及び流れを提供している。又、この連続的な混合及び流れの方法は、飲料のそれぞれのサイズごとに既定の分注時間を設定することにより、飲料サイズボタンの選択によって選択される特定のサイズ飲料の分注にも適用することができる。
【0051】
図1は、本開示の様々な実施形態による、飲料ディスペンサネットワーク100の例示用のブロック図を示している。飲料ディスペンサネットワーク100は、1つ又は複数のモバイルディスペンサ102と、1つ又は複数の固定されたディスペンサ104と、を含む。モバイルディスペンサ102は、電力、水、及びモバイルディスペンサ102を動作させるための任意のその他の支持特徴を供給しているサポートカート上において設置されている。例えば、サポートカートは、水に加えて、甘味料、炭水化物、又はタンパク質ソースなどの1つ又は複数のマクロ含有物を保存及び供給することができる。これに加えて、サポートカートは、二酸化炭素又はその他の含有物をモバイルディスペンサ102に供給することもできる。本開示の様々な実施形態において、モバイルディスペンサ102は、すべての必要とされている飲料含有物及び二酸化炭素をディスペンサハウジング内において保存している、且つ、ディスペンサの外部から(例えば、サポートカートから)水及び電力のみを受け取っている、自給型の分注ユニットである。
【0052】
固定されたディスペンサ104は、アスレチック組織のアスリートからアクセス可能である固定された場所106において設置されている。例えば、固定されたディスペンサ104が設置されうる、固定された場所106は、アスリート用のトレーニング施設であってよい。図1には、1つの固定された場所106のみが示されているが、複数のこのような固定された場所が、その内部に設置された、固定されたディスペンサ104を有しうる。例えば、複数のトレーニング施設が、アスリートからアクセス可能であってよい。同様に、運動競技用のホームスタジアムは、サイドラインに沿って、ダグブアウト内において、ロッカールーム内において、或いは、ホームスタジアム内のその他のこのような場所において、設置された1つ又は複数の固定されたディスペンサ104を含むことができる。
【0053】
又、モバイルディスペンサ102のうちの1つ又は複数をトレーニング施設又はホームスタジアムにおいて使用することもできる。これに加えて、モバイルディスペンサ102のうちの1つ又は複数は、その標準的なトレーニング及びホームスタジアム施設とは離れた遠征試合又はその他のイベントの場合には、アスレチック組織と共に移動させることもできる。
【0054】
飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサのそれぞれは、アスレチック組織の顧客番号と関連付けられるなどにより、識別されている。換言すれば、飲料ディスペンサネットワーク100は、顧客番号と関連付けられたディスペンサから構成されている。又、ディスペンサのそれぞれは、飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサのそれぞれを一意に識別する一意の識別子をも有する。サーバー108又はその他のリモートコンピュータシステム及び/又はデータベースは、顧客番号を飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサの一意の識別子のそれぞれと関連付けている少なくとも1つの表を維持している。換言すれば、サーバー108は、アスレチック組織の顧客番号とアスレチック組織の飲料ディスペンサネットワーク100内のそれぞれのディスペンサの一意の識別子の間の関連付けを維持している。
【0055】
サーバー108は、プロファイルデータベース110との通信状態にある。プロファイルデータベース110は、飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサ用の中央集中化されたプロファイルデータベースである。プロファイルデータベース110は、アスレチック組織内のアスリート又はその他のユーザーのそれぞれごとに、ユーザープロファイルを維持している。又、プロファイルは、アスレチック組織の顧客番号を含むこともできる。従って、アスレチック組織の顧客番号は、プロファイルデータベース110内のプロファイルを飲料ディスペンサネットワーク内のディスペンサと関連付けている。
【0056】
飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサのそれぞれは、1つ又は複数の通信リンクを介したインターネットなどのネットワーク118を介して、サーバー108との通信状態にある。例えば、飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサは、ネットワーク118に接続するべく、且つ、サーバー108と通信するべく、1つ又は複数の有線又は無線通信リンクを使用することができる。アスレチック組織の顧客番号を通じて確立された関連付けに基づいて、サーバー108は、プロファイルデータベース110内において維持されているアスレチック組織のユーザープロファイルをアスレチック組織用の飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサのすべてにダウンロード及び同期化するように構成されている。従って、飲料ディスペンサネットワーク100内のそれぞれのディスペンサは、プロファイルデータベース110内において保存されている顧客番号と関連するユーザープロファイルの最新のローカルコピーを維持している。
【0057】
ユーザープロファイルのそれぞれは、パフォーマンスパラメータと、パーソナルパラメータと、を含む。パフォーマンスパラメータは、分注される飲料中に含むべき1つ又は複数の機能性添加物の量の選択を含む。機能性添加物は、アスリートのアスレチックパフォーマンスに影響を及ぼす添加物を含む。機能性添加物は、分注される飲料内に含まれるべきビタミン、ミネラル、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムなどの電解物、タンパク質、炭水化物、薬剤、或いは、その他の機能性サプリメントを含みうる。その他の機能性添加物を使用することもできる。パーソナルパラメータは、フレーバー、フレーバー強度レベル、甘さのレベル、或いは、その他の非機能性飲料の好みなどの、分注される飲料用の個人的な好みの選択を含む。更に多くの、又は更に少ない、数のパーソナルパラメータを使用することができる。
【0058】
いくつかの実装形態において、ユーザープロファイルは、ユーザーの好みのパラメータ設定の異なる組合せを規定するパーソナルパラメータの複数の組を有することができる。例えば、ユーザープロファイルは、第1フレーバー、第1フレーバー強度レベル、及び第1の甘さのレベルを有するパーソナルパラメータの第1の組を有することができる。又、ユーザープロファイルは、第2フレーバー、第2フレーバー強度レベル、及び第2の甘さのレベルを有するパーソナルパラメータの第2の組を有しうる。第2フレーバー、第2フレーバー強度レベル、又は第2の甘さのレベルのうちの少なくとも1つは、第1フレーバー、第1フレーバー強度レベル、或いは、第1の甘さのレベルとは異なっている。
【0059】
プロファイルが、ネットワーク100内のディスペンサにダウンロードされ、且つ、ユーザーによって選択された際に、ディスペンサは、選択されたプロファイルのパフォーマンス及びパーソナルパラメータに基づいて飲料を分注するように、自動的に構成される。使用の際に、ディスペンサは、ディスペンサに同期化されたユーザープロファイルのリストを表示するように構成されている。ディスペンサは、リスト内のユーザープロファイルのうちの1つのものの選択を受け取るように構成されている。パーソナルパラメータの複数の組が、ユーザープロファイル内に含まれている場合には、ディスペンサは、選択されたユーザープロファイルのパーソナルパラメータ及びパフォーマンスパラメータの選択された組に基づいて飲料を分注するようにディスペンサを構成する前に、パーソナルパラメータの望ましい組の選択を更に受け取っている。パーソナルパラメータの1つの組しかユーザープロファイル内に含まれていない場合には、ディスペンサは、選択されたユーザープロファイルのパーソナル及びパフォーマンスパラメータに基づいて自動的に構成される。
【0060】
様々なユーザーが、プロファイルデータベース110上において維持されているユーザープロファイルの異なる部分にアクセスし且つこれを更新することができる。エンドユーザーは、アスリートなどの、ディスペンサから分注される飲料を消費する意図を有する、プロファイルデータベース110内に保存されているプロファイルを有する個人を含む。エンドユーザーは、プロファイルデータベース110内において保存されているそのユーザープロファイルにアクセスし且つこれを変更するべく、セル電話機又はその他のこのようなモバイル演算装置などの、モバイル装置112a又はモバイル装置112bを使用することができる。例えば、第1エンドユーザーは、サーバー108にアクセスするべく、且つ、プロファイルデータベース110内に保存されている第1ユーザープロファイルを変更するべく、モバイル装置112a上のモバイルアプリケーション又はウェブブラウザを使用することができる。第1エンドユーザーには、第1ユーザープロファイルのパーソナルパラメータの1つ又は複数を変更するべく、或いは、第1ユーザープロファイルにパーソナルパラメータの更なる組を追加するべく、アクセスが提供される。又、第1エンドユーザーには、第1ユーザープロファイルのパフォーマンスパラメータを観察するためのアクセスは、提供されてもよいが、パフォーマンスパラメータの任意のものを変更するためのアクセスは、提供されなくてもよい。又、いくつかの実装形態において、第1エンドユーザーには、パフォーマンスパラメータの1つ又は複数を変更するためのアクセスが提供されてもよい。第1エンドユーザーには、プロファイルデータベース110内に保存されているその他のユーザープロファイルのうちの任意のものに変更を実施するためのアクセスは、提供されていない。
【0061】
管理ユーザーは、アスレチックトレーナーなどの、エンドユーザーのパフォーマンスパラメータの維持の責任を担っている、プロファイルデータベース110内に保存されている複数のプロファイルを変更するためのアクセスを有する個人を含む。管理ユーザーは、プロファイルデータベース110内に保存されているユーザープロファイルにアクセスし且つこれを変更するべく、デスクトップ、ラップトップ、セル電話機、又はその他の演算装置などの、管理コンソール114a又は114bを使用することができる。
【0062】
例えば、第1管理ユーザーは、サーバー108にアクセスするべく、且つ、プロファイルデータベース110内に保存されているユーザープロファイルの第1の組のうちの任意のものを変更するべく、管理コンソール114a上のアプリケーション又はウェブブラウザを使用することができる。ユーザープロファイルの第1の組は、いずれも、同一の顧客番号を有し、且つ、同一のアスレチック組織と関連付けられている。第1管理ユーザーには、ユーザープロファイルの第1の組のうちの任意のもののパフォーマンスパラメータのうちの1つ又は複数を変更するためのアクセスが提供されている。異なるパフォーマンスパラメータをユーザープロファイルの第1の組内の異なるプロファイルについて設定することができる。又、第1管理ユーザーには、ユーザープロファイルの第1の組のパーソナルパラメータを観察するためのアクセスが提供されてもよいが、パーソナルパラメータの任意のものを変更するためのアクセスは、提供されなくてもよい。又、いくつかの実装形態において、第2管理ユーザーには、ユーザープロファイルの第1の組のパーソナルパラメータのうちの1つ又は複数を変更するためのアクセスが提供されてもよい。ユーザープロファイルの第1の組のパフォーマンスパラメータを変更するためのアクセスを提供することにより、第1管理ユーザーは、望ましいアスレチックパフォーマンスを実現するべく、分注される飲料中においてエンドユーザーに提供される機能性添加物を連続的に変更することができる。
【0063】
飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサの任意のもの上における分注動作の完了の際に、分注セッションのレポートを外部ディスプレイ116上において表示することができる。例えば、レポートは、アスリート、分注された飲料用に選択されたそのパーソナルパラメータ、分注セッションにおいて分注された飲料の量、及び分注された飲料のパフォーマンスパラメータの1つ又は複数に関する情報を含みうる。アスリート又はアスレチック組織に関する更なる情報をレポート内において表示することができる。
【0064】
いくつかの実装形態において、飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサは、分注セッションの完了の際に、分注セッションメッセージを生成するように構成されている。分注セッションメッセージは、分注セッションと関連するユーザープロファイル識別子、分注セッションにおいて飲料を分注するべく使用されたパーソナル及びパフォーマンスパラメータの識別子(例えば、1つ又は複数の飲料含有物識別子)、並びに、分注セッションにおいて分注された飲料の量及び/又は飲料含有物のうちの1つ又は複数のものの量を含みうる。分注セッションメッセージは、サーバー108又は別の外部装置(図示されてはいない)に送信されてもよく、これが、今度は、外部ディスプレイ116上において表示されるべきレポート内に包含される更なる情報を取得している。例えば、分注セッションメッセージ内において受け取られたユーザープロファイル識別子に基づいて、サーバー108又はその他の外部装置は、アスリート及びユーザープロファイル内のパラメータのうちの1つ又は複数に関する更なる情報を取得するべく、プロファイルデータベース110からユーザープロファイルを取得することができる。
【0065】
顧客番号と関連付けられた単一の飲料ディスペンサネットワークとして上述されているが、サーバー108及びプロファイルデータベース110は、複数のこのような飲料ディスペンサネットワークをサポートすることができる。
【0066】
図2は、本開示の様々な実施形態による、飲料ディスペンサネットワークの飲料ディスペンサに跨ってプロファイルを編集及び同期化するためのシーケンス図を示している。202及び204において、飲料ディスペンサネットワーク100のディスペンサ102a及び104bは、サーバー108によって公開されるプロファイル更新イベントをサブスクライブしている。本明細書においては、飲料ディスペンサネットワークのディスペンサとサーバー108の間における公開及びサブスクライブの通信シーケンスとして記述されているが、サーバー108からディスペンサにプロファイル更新イベントを供給するためのその他のメッセージングプロトコルを使用することができる。例えば、飲料ディスペンサネットワーク100のディスペンサは、ユーザープロファイルに対する任意の更新をダウンロードするべく、それぞれの新しい分注イベントを開始する際にサーバー108に対して更新済みのプロファイルを要求することができる。同様に、サーバー108も、飲料ディスペンサネットワーク100のディスペンサに対してプッシュ型の通信においてプロファイル更新イベントを伝達することができる。通信の形態におけるその他の変形及び代替肢が、本開示によって想定されている。
【0067】
206において、第1エンドユーザーのモバイル装置112aは、サーバー108にログインし、且つ、第1エンドユーザーの第1ユーザープロファイルの1つ又は複数のパーソナルパラメータを設定又は変更するための要求をサブミットしている。208において、サーバー108は、モバイル装置112aからの要求に基づいて、その内部において保存されている第1ユーザープロファイルを更新するべく、書き込みコマンドをプロファイルデータベース110に対して発行している。210において、プロファイルデータベース110が、サーバー108からの書き込みコマンドに基づいて更新されている。
【0068】
プロファイルデータベース110上における成功裏の書き込み動作に応答して、サーバー108は、212及び214において、ディスペンサ102a及び104bなどの飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサに対してプロファイル更新イベントを公開している。例えば、サーバー108は、第1ユーザープロファイルと関連付けられた顧客番号を判定し、且つ、顧客番号と関連している飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサを識別している。この結果、プロファイル更新イベントが、顧客番号に基づいて、飲料ディスペンサネットワーク100内の識別されたディスペンサに対して公開される。従って、飲料ディスペンサネットワーク100内のそれぞれのディスペンサは、プロファイルデータベース110内に保存されている顧客番号と関連するユーザープロファイルの最新のローカルコピーを維持している。プロファイル更新イベントは、更新済みの第1ユーザープロファイルを含んでいてもよく、或いは、第1ユーザープロファイルの更新済みのバージョンが飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサによってダウンロードされるべく利用可能であるという通知を含んでいてもよい。
【0069】
216において、第1管理ユーザーの管理コンソール114aが、サーバー108にログインし、且つ、第1エンドユーザーの第1ユーザープロファイルの1つ又は複数のパフォーマンスパラメータを設定又は変更するための要求をサブミットしている。217において、サーバー108は、管理コンソール114aからの要求に基づいてその内部に保存されている第1ユーザープロファイルを更新するべく、書き込みコマンドをプロファイルデータベース110に対して発行している。218において、プロファイルデータベース110が、サーバー108からの書き込みコマンドに基づいて更新されている。
【0070】
プロファイルデータベース110上における成功裏の書き込み動作に応答して、サーバー108は、第2のプロファイル更新イベントを飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサに対して公開している。例えば、212及び214と同様に、サーバー108は、220及び224において、第2のプロファイル更新をディスペンサ102a及び104bに対して公開している。
【0071】
226において、第1エンドユーザーは、ディスペンサ102aに対して向かい合い、且つ、ディスペンサ102a上の保存されているユーザープロファイルのメニューまでナビゲートしている。例えば、ディスペンサ102aは、タッチスクリーンディスプレイ又はその他のユーザーインターフェイス装置を通じて第1エンドユーザーから1つ又は複数の選択を受け取ることができると共に、その上部において保存されているユーザープロファイルのリストを表示することができる。例えば、ディスペンサ102aは、飲料ディスペンサネットワーク100内のエンドユーザーのユーザープロファイルのリストを表示し、且つ、第1ユーザープロファイルの選択を受け取っている。第1ユーザープロファイルの選択を受け取った際に、ディスペンサ102aは、206において規定された更新済みのパーソナルパラメータ及び216において規定された更新済みのパフォーマンスパラメータを含む、第1ユーザーインターフェイス内のパーソナル及びパフォーマンスパラメータに基づいて、飲料を分注するように構成されている。ディスペンサ102aは、第1ユーザーインターフェイス内のパーソナル及びパフォーマンスパラメータに基づいて飲料を分注するべく、分注動作を実施している。
【0072】
228において、ディスペンサ102aは、選択された第1ユーザープロファイル、パーソナル及び/又はパフォーマンスパラメータのうちの1つ又は複数、並びに、226において分注セッションにおいて分注された飲料の1つ又は複数の飲料含有物の量又は比率及び/又は量を識別する分注セッションメッセージを生成している。ディスペンサ102aは、分注セッションメッセージをサーバー108又は別の外部装置(図示されてはいない)に供給し、これが、今度は、230における外部ディスプレイ116上における表示のためのレポートを生成している。例えば、レポートは、第1エンドユーザー(例えば、アスリート)、分注された飲料用の選択されたそのパーソナルパラメータ、分注セッションにおいて分注された飲料の量、並びに、分注された飲料のパフォーマンスパラメータのうちの1つ又は複数、に関する情報を含みうる。レポートの要素は、外部ディスプレイ116上において順番に又は同時に表示されてもよい。アスリート又はアスレチック組織に関する更なる情報をレポート内において表示することができる。
【0073】
232において、第1管理ユーザーの管理コンソール114aは、サーバー108にログインし、且つ、アスリートのパフォーマンス及び環境状態に基づいて第1エンドユーザーの第1ユーザープロファイルの1つ又は複数のパフォーマンスパラメータを設定又は変更するための第2要求をサブミットしている。234において、サーバー108は、管理コンソール114aからの第2要求に基づいて、その内部に保存されている第1ユーザープロファイルを更新するべく、第2の書き込みコマンドをプロファイルデータベース110に対して発行している。236において、プロファイルデータベース110が、サーバー108からの第2の書き込みコマンドに基づいて更新されている。
【0074】
プロファイルデータベース110上の成功裏の書き込み動作に応答して、サーバー108は、第3のプロファイル更新イベントを飲料ディスペンサネットワーク100内のディスペンサに対して公開している。例えば、上述の212及び214と同様に、サーバー108は、238及び240において、第3プロファイル更新をディスペンサ102a及び104bに対して公開している。
【0075】
226と同様に、242において、第1エンドユーザーは、ディスペンサ104bに対して向かい合い、且つ、ディスペンサ104b上における保存されているユーザープロファイルのメニューまでナビゲートしている。第1ユーザープロファイルは、飲料ディスペンサネットワーク100内のすべてのディスペンサに同期化されていることから、第1エンドユーザーが飲料を分注するべく向かい合っているディスペンサがいずれのものであるのかは、問題とならない。第1エンドユーザーは、依然として、そのユーザープロファイルに対する最も最近の更新にアクセスしうることになる。上述のように、ディスペンサ104bは、タッチスクリーンディスプレイ又はその他のユーザーインターフェイス装置を通じて第1エンドユーザーから1つ又は複数の選択を受け取ることができると共に、その上部において保存されているユーザーのリストを表示することができる。例えば、ディスペンサ104bは、飲料ディスペンサネットワーク100内のエンドユーザーのユーザープロファイルのリストを表示し、且つ、第1ユーザープロファイルの選択を受け取っている。第1ユーザープロファイルの選択を受け取った際に、ディスペンサ104bは、232において規定された更新済みのパフォーマンスパラメータを含む、第1ユーザーインターフェイス内のパーソナル及びパフォーマンスパラメータに基づいて、飲料を分注するように構成される。ディスペンサ104bは、第1ユーザーインターフェイス内のパーソナル及びパフォーマンスパラメータに基づいて飲料を分注するべく、分注動作を実施している。
【0076】
244において、ディスペンサ104bは、選択された第1ユーザープロファイル、パーソナル及び/又はパフォーマンスパラメータのうちの1つ又は複数、並びに、1つ又は複数の飲料含有物の量又は比率及び/又は242における分注セッションにおいて分注された飲料の量を識別する分注セッションメッセージを生成している。ディスペンサ102aは、分注セッションメッセージをサーバー108又は別の外部装置(図示されてはいない)に供給し、これが、今度は、246における外部ディスプレイ上における表示のために第2レポートを生成している。
【0077】
図2との関係において上述した例は、第1エンドユーザー、第1管理ユーザー、及び第1ユーザープロファイルの観点から提供されているが、その他の変形が容易に明らかである。例えば、第1管理ユーザーは、これに加えて、その他のユーザープロファイルを変更することができる。又、これに加えて、第1管理ユーザーは、第2ユーザープロファイルの1つ又は複数のパーソナルパラメータを変更することもできる。上述のシーケンスの順序におけるその他の変形及び変更が、本開示によって想定されている。
【0078】
図3A図3Bは、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した更なる含有物の分注を促進するための例示用の飲料ディスペンサシステム300を示している。図3Aに示されているように、飲料ディスペンサシステム300は、飲料ディスペンサ302と、含有物トレイ組立体304と、を含む。飲料ディスペンサ302は、上述の、モバイルディスペンサ102又は固定されたディスペンサ104のうちの1つ又は複数であってよい。飲料ディスペンサ302は、飲料ディスペンサ302のノズルとの流体連通状態において飲料含有物を収容する1つ又は複数の含有物パッケージを保存するための、以下の図5を参照して記述されている含有物マトリックスなどの、含有物コンパートメントを含む。含有物コンパートメント内に保存されている含有物パッケージは、例えば、約42液量オンスの飲料含有物を有するマイクロ含有物カートリッジであってよい。飲料含有物のその他の容積を含有物マトリックス内において保存することができる。
【0079】
いくつかの含有物は、その他の含有物よりも頻繁に又は高いレートにおいて分注される場合があり、且つ、従って、飲料ディスペンサ302内において相対的に頻繁に置換する必要がありうる。例えば、飲料ディスペンサ102、104は、その他のものよりも多くの機能性添加物のうちの1つ又は複数を使用することができる。従って、含有物トレイ組立体304は、2.5又は5ガロンバッグインボックスなどの、相対的に大きな容積含有物パッケージの受け入れを提供している。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、又はカルシウムなどの電解物のうちの1つ又は複数をディスペンサから分注されるその他の電解物又はその他の機能性添加物よりも頻繁に分注することができる。一例においては、ナトリウムが、相対的に頻繁に分注されている。従って、飲料ディスペンサ302からの分注のために、2.5又は5ガロンバッグインボックのナトリウム飲料含有物を含有物トレイ組立体304に提供することができる。
【0080】
含有物トレイ組立体304は、トレイ306と、ポンプモジュール308と、を含む。含有物トレイ組立体304の例は、2018年1月29日付けで出願された、「Modular System for Dispensing Additional Ingredients」という名称の、米国特許出願第15/748,367号において記述されており、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。トレイ306は、2.5又は5ガロンバッグインボックスなどの、相対的に大きな容積の含有物パッケージを受け入れるようにサイズ設定されている。その他の容積の含有物パッケージも、本開示によって想定されている。ポンプモジュール308は、トレイ306内において受け入れられている含有物パッケージに流体的に接続されるように構成されている。これに加えて、ポンプモジュール308は、飲料含有物供給ライン310などを介して、飲料ディスペンサ302に流体的に接続されるように構成されている。
【0081】
様々な実装形態において、ポンプモジュール308は、トレイ306内において受け入れられている含有物パッケージからディスペンサ302に飲料含有物を供給するべく、1つ又は複数のポンプを含む。例えば、ポンプモジュール308は、共通供給ラインを通じた飲料ディスペンサに対する供給のために、飲料含有物をマニホルドに供給するように構成された、マイクロ含有物をポンピングするのに適した、ピストンポンプ、セラミックポンプ、又はその他の容積型ポンプなどの、複数のマイクロ含有物ポンプを含むことができる。別の例において、ポンプモジュール308は、更に詳細に後述するように、単一の制御されたギアポンプを含むことができる。ポンプのタイプ及び数におけるその他の変動が本開示によって想定されている。
【0082】
含有物トレイ組立体304は、CAN又はEthernetケーブルなどの、電気ライン312を介した飲料ディスペンサ302のコントローラとの間の通信のために電気的に接続されている。含有物トレイ組立体304は、ポンプモジュール308によって供給される飲料含有物を開始する、停止する、或いは、その流量を変更するためのコマンドを受け取ることができる。これに加えて、含有物トレイ組立体304は、残っている飲料含有物の容積又は現時点において設置されている含有物パッケージの完売状態について、1つ又は複数のメッセージを飲料ディスペンサ302に伝達することができる。含有物トレイ組立体304と飲料ディスペンサの間のその他の通信が本開示によって想定されている。或いは、この代わりに、飲料ディスペンサ302及び含有物トレイ組立体304は、無線通信を介して通信することもできる。
【0083】
従って、含有物トレイ組立体304は、相対的に頻繁に分注される飲料含有物の飲料ディスペンサ302における飲料含有物パッケージの変更の頻度を低減するように、ナトリウムなどの電解物の2.5又は5ガロンバッグインボックスを飲料ディスペンサに供給することを提供している。
【0084】
これに加えて、飲料ディスペンサ302を介して分注できない場合のある1つ又は複数の機能性添加物を供給することが望ましい場合もある。例えば、機能性添加物は、マイクロ含有物ポンプなどの、飲料ディスペンサ302内のポンプから分注することができない粒子サイズ又は粘度を有する場合がある。一例として、いくつかのタンパク質又は炭水化物は、分注が困難である場合があり、且つ、そうでない場合にも、飲料ディスペンサ302上のポンプを詰まらせる場合がある。従って、ポンプモジュール308は、制御されたギアポンプなどの、このような含有物を分注するのに適したポンプを提供することができる。
【0085】
一例において、含有物トレイ組立体304によって供給される機能性添加物は、懸濁した溶液中において維持された、乳漿又えんどう豆由来のタンパク質などの、常温保存可能な、冷蔵されてはいないタンパク質であってよい。様々な実装形態において、含有物トレイ組立体304は、含有物トレイ306内において維持されている飲料含有物を定期的に混合するための撹拌機を含むことができる。
【0086】
図3Bに示されているように、ポンプモジュール308は、制御されたギアポンプ(CGP:Controlled Gear Pump)モジュールであってよい。CGPモジュール308は、様々な弁(図示されてはいない)と共に、通気孔314及び制御されたギアポンプ316を有することができる。通気孔314、制御されたギアポンプ316、及び関連する弁の動作及び構造の一実施形態は、2015年4月30日付けで出願された、「Vacuum Side Air Vent」という名称の、国際特許出願第PCT/US15/028559号において記述されており、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。一般に、制御されたギアポンプ316は、ポンプが循環するたびに、流体の既定の容積をポンピングするべく動作している。通気孔314は、含有物トレイ306において受け取られた含有物パッケージからの任意の流体中に含まれうる、任意の空気を分離及び排気するべく動作している。CGPコントローラ318は、飲料ディスペンサ302内のコントローラから電気ライン312を介して受け取られた命令に基づいて、通気孔314及び関連する弁のみならず、制御されたギアポンプ316に、制御信号を提供している。CGPモジュール308は、含有物トレイ306内の外部含有物ソース322から流体を受け取ると共に制御されたギアポンプ316及び通気孔314に流体を供給する入口320を含む。又、CGPモジュールは、制御されたギアポンプ316によってポンピングされた流体を飲料ディスペンサ302上のノズル328に供給するための出口324をも含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、CGPモジュール308からの流体は、ノズル328から分注される前に、必要に応じて、流体の温度を和らげるべく、熱交換機326を通過することができる。例えば、CGPモジュールのうちの1つ又は複数のものの出口324からの流体は、冷却板、低温の水槽、又はその他のこのような熱交換器内の1つ又は複数の対応する流体コンジットを通じて流れることができる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のCGPモジュールは、熱交換機326と流体連通状態にあってもよく、且つ、1つ又は複数のその他のCGPモジュールは、周辺温度においてノズル328にポンピングされてもよい。
【0088】
上述の例においては、1つの含有物トレイ組立体しか示されていないが、複数の含有物トレイ組立体が飲料ディスペンサ302に結合されうるものと想定されている。例えば、第1含有物トレイ組立体は、ナトリウム電解物飲料添加物を供給するべく構成されうる一方で、第2含有物トレイ組立体は、乳漿タンパク質飲料添加物を供給するべく構成することができる。その他の含有物トレイの数及び含有物のタイプが本開示によって想定されている。必要に応じて、更なる含有物ソースについて、更なるCGPモジュールを更に追加することができると共に、温度制御された又は周辺温度の流体回路内においてノズル328に提供することができる。
【0089】
図4は、1つ又は複数の飲料添加物含有物が枯渇するのに伴って飲料ディスペンサを制御するための制御方法400の概略フロー図を示している。制御方法400は、本開示の全体を通じて記述されている飲料ディスペンサのうちの1つ又は複数のもののコントローラによって実行することができる。上述のように、飲料添加物は、ベース飲料に加えて、飲料含有物を含むことができる。又、上述のように、いくつかの含有物は、その他の含有物よりも頻繁に又は高いレートにおいて分注される場合があり、且つ、従って、完売される(例えば、枯渇する)場合があり、或いは、そうでない場合にも、飲料ディスペンサ302内において相対的に頻繁に置換される必要がありうる。従来、飲料ディスペンサは、飲料を構成している含有物のうちの1つ又は複数が完売された場合には、飲料の分注を中断しうる。制御方法400は、飲料添加物含有物のうちの1つ又は複数が、分注動作の際に完売された際にも、飲料の分注の継続を提供している。
【0090】
402において、飲料ディスペンサは、選択された飲料の分注を開始することができる。選択された飲料は、ベース飲料を分注するための1つ又は複数の含有物と、1つ又は複数の添加物含有物と、を含む複数の含有物を含む。例えば、ベース飲料を分注するための1つ又は複数の含有物は、ユーザーのプロファイルのパーソナルパラメータによって調節されうる含有物を含みうる。別の例において、コーラ飲料用のベース飲料は、完成したフレーバーコーラ飲料の食用酸濃縮物成分、完成したフレーバーコーラ飲料の食用酸分解性濃縮物成分、甘味料、及び炭酸水を含みうる。この例を継続すれば、飲料添加物含有物は、(レシピに基づいたフレーバーではなく)1つ又は複数の非甘味料マイクロ含有物フレーバーショットを含みうる。更なる一例において、飲料添加物含有物は、ベース飲料に加えて分注される機能性添加物を含みうる。ベース飲料含有物及び飲料添加物含有物のその他の例が、本開示においては想定されている。
【0091】
402において、飲料ディスペンサは、選択された飲料中の含有物が完売したことを検出することができる。飲料ディスペンサは、選択された飲料の分注の前又はその最中に、完売された含有物を検出することができる。406において、飲料ディスペンサは、完売された飲料含有物がベース飲料含有物であるかどうかを判定している。そうである場合には、飲料ディスペンサは、408において飲料の分注を停止する。さもなければ、飲料ディスペンサは、410において、完売された含有物が飲料添加物含有物であると判定している。
【0092】
412において、飲料ディスペンサは、完売された飲料添加物含有物の数が、完売された飲料添加物含有物の閾値を超過しているかどうかを判定している。超過している場合には、飲料ディスペンサは、408において飲料の分注を停止する。さもなければ、飲料ディスペンサは、402において飲料の分注を継続している。例えば、飲料ディスペンサは、選択された飲料中の単一の飲料添加物含有物が完売された場合に、飲料の分注を継続してもよいが、選択された飲料中の複数の飲料添加物含有物が完売された場合には、飲料の分注を中断することができる。完売された飲料添加物含有物のその他の数を閾値として使用することができる。例えば、飲料ディスペンサは、2つ、3つ、4つ、又はこれ超の数の飲料添加物含有物が完売された場合にも、選択された飲料の分注を継続することができる。
【0093】
制御方法400の特定の例が記述されているが、その他の変形が本開示によって想定されている。例えば、飲料添加物含有物の閾値数が完売された際に分注を中断するのではなく、その他の停止基準を使用することができる。例えば、飲料ディスペンサは、特定の飲料添加物が完売されたと判定するのに応答して、選択された飲料の分注を停止することができる。その他の例が本開示によって想定されている。
【0094】
図5は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する例示用の飲料ディスペンサシステム500を示している。図示のように、飲料ディスペンサシステム500は、氷冷却型の飲料ディスペンサとして構成されている。ドロップイン氷冷却型の飲料ディスペンサ、カウンタ電気飲料ディスペンサ、遠隔再循環型の飲料ディスペンサ、又は任意のその他の飲料ディスペンサ構成などの、飲料ディスペンサのその他の構成が本開示によって想定されている。
【0095】
飲料ディスペンサシステム500は、飲料ディスペンサ504を有するフロントルームシステム502と、バックルームシステム506と、を含む。飲料ディスペンサシステム500は、上述の飲料ディスペンサ102、104、302のうちの任意のものであってよい。飲料ディスペンサ504は、分注されるべき飲料の選択を促進するべく、タッチスクリーンディスプレイなどの、ユーザーインターフェイス508を含む。ユーザーインターフェイス508は、「Product Categorization User Interface for a Dispensing Device」という名称の、本出願人に譲渡された米国特許出願第14/485,826号において記述されているもののように、飲料ディスペンサ504上におけるユーザーとのやり取りを促進するべく、且つ/又は、ユーザーのモバイル装置552とのやり取りを通じてユーザープロファイルを受け取るべく、様々な画面を利用してもよく、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。
【0096】
ユーザーインターフェイス508を介して飲料の選択を受け取った際に、ノズル514を介して飲料ディスペンサ504から選択された飲料を分注するべく、注入ボタン510を起動することができる。例えば、注入ボタン510は、飲料を分注するべく飲料ディスペンサ504を起動するように、ユーザーによって選択可能である、電気機械的ボタン、静電容量性の接触ボタン、又はその他のボタンであってよい。ボタンとして示されているが、注入ボタン510は、この代わりに、飲料を分注するべく飲料ディスペンサ504を起動するためのレバー又はその他のメカニズムとして実装することもできる。図5に示されているように、注入ボタン510は、ユーザーインターフェイス508とは別個である。いくつかの実装形態において、注入ボタン510は、ユーザーインターフェイス508内の選択可能なアイコンとして実装することができる。
【0097】
又、いくつかの実装形態において、飲料ディスペンサは、氷レバー514を含むこともできる。起動された際に、氷レバー514は、飲料ディスペンサ504が氷シュート(図示されてはいない)を通じて氷を分注するようにすることができる。カウンタ電気飲料ディスペンサ又は遠隔再循環型飲料ディスペンサなどの、氷ビンを有してはいない飲料ディスペンサの場合には、氷レバー514を省略することができる。
【0098】
飲料ディスペンサ504は、プライマリドア516及び包含物ドア518を介して保護することができる。プライマリドア516及び含有物ドア518は、1つ又は複数のロックを介して保護することができる。いくつかの実装形態において、ロックは、ロック及びキーである。いくつかの実装形態において、含有物ドア518上のロックは、認可された含有物パッケージ528を読み取るRFID読取機を介して開放することができる。プライマリドア516は、1つ又は複数のコントローラ520を含む飲料ディスペンサ504の電子コンポーネントを保護することができる。含有物ドア518は、含有物マトリックス524を収容する含有物コンパートメントを保護することができる。
【0099】
含有物マトリックス524は、含油物パッケージ528を受け入れるための複数のスロット526を含む。様々な実装形態において、含油物パッケージ528は、マイクロ含有物カートリッジであってよい。マイクロ含有物カートリッジは、「Beverage Dispenser Container and Carton」という名称の、本出願人に譲渡された米国特許出願第14/209,684号、並びに、「Container Filling Systems and Methods」という名称の、米国特許出願第12/494,427号において記述されているものなどの、シングルカートリッジ又はダブルカートリッジであってよく、これら両方の特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。図5に示されているように、含有物マトリックス524内には、含有物の3つの引き出しが存在している。引き出しのうちの1つ又は複数は、引き出し上において収容されている含有物を定期的に攪拌するように、レールに沿って前後に摺動することができる。1つ又は複数の静的な且つ/又は攪拌される含有物タワーなどを介した含有物マトリックス524のその他の構成が可能である。
【0100】
それぞれの含有物パッケージ528は、RFIDタグと、フィットメント530と、フィットメントシール532と、を有することができる。フィットメントシール532は、飲料ディスペンサ504内への設置の前に、除去することができる。設置の際に、フィットメント530は、スロット526内のプローブ(図示されてはいない)と含有物パッケージ528内に収容されている含有物の間の流体連通と係合することができると共に、これを提供することができる。又、含有物マトリックス524は、1つ又は複数のマイクロ含有物甘味料ソース用などの、1つ又は複数の大容積マイクロ含有物パッケージ534を収容することもできる。
【0101】
又、飲料ディスペンサ504は、炭酸水を生成するべく、水及び二酸化炭素を受け取るための炭酸化装置(図示されてはいない)を含むこともできる。又、飲料ディスペンサ504は、飲料ディスペンサ504内において収容された、或いは、これによって受け入れられた、飲料含有物のうちの1つ又は複数を冷却するべく、冷却板などの、1つ又は複数の熱交換器(図示されてはいない)を含むこともできる。いくつかの実装形態において、ノズル512を介して分注されたマイクロ含有物のうちの1つ又は複数は、熱交換機を介して冷却されてはおらず、或いは、その他の方式により、周辺温度において維持されている。ノズル512を介して分注されるマクロ含有物は、通常、分注される前に、熱交換機を介して冷却されている。
【0102】
バックルームシステム506は、通常、販売場所内の保管エリアなどの、フロントルームシステム502から離れたバックルーム内に配置されている。バックルームシステム506は、加圧された淡水のソースを提供する、上水道などの、水のソース536を含む。水ソース536を介して受け取られた水は、水処理システム538により、フィルタリングされてもよく、或いは、その他の方法で処理されてもよい。処理済みの水は、任意選択により、水ブースタ540により、望ましい圧力に加圧することができると共に飲料ディスペンサに供給することができる。二酸化炭素ソース542により、二酸化炭素を飲料ディスペンサ504に供給することができる。
【0103】
1つ又は複数のマクロ含有物ソース544をバックルーム内において配置することができる。それぞれのマクロ含有物ソース544からのマクロ含有物は、ポンプ546を介して飲料ディスペンサ504に供給することができる。ポンプ546は、マクロ含有物を飲料ディスペンサ504に供給するための制御されたギアポンプ、ダイアフラムポンプ、BIBポンプ、或いは、任意のその他の好適なポンプであってよい。又、バックルームシステム506は、スペアマイクロ含有物用の1つ又は複数の保管場所548と、スペアマクロ含有物用の1つ又は複数の保管場所550と、を有するラックを含むこともできる。
【0104】
飲料ディスペンサ504は、フロントルーム又はバックルーム内の装置と直接的に通信するべく、1つ又は複数のネットワークインターフェイスを含み、これにより、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)内のフロントルーム又はバックルーム内の装置と通信してもよく、或いは、ワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Netowork)接続を介して飲料ディスペンサシステム500を有する場所から離れた装置と通信してもよい。例えば、飲料ディスペンサ504は、近距離通信(NFC:Near Field Communication)モジュール、BLUETOOTHモジュール、Wi-Fiモジュール、セルラーモデム、Ethernetモジュール、及びこれらに類似したものなどの、ネットワーキング装置を含むことができる。飲料ディスペンサ504は、飲料の選択又はユーザープロファイルに基づいて、1つ又は複数の飲料を分注するように飲料ディスペンサ504を構成するべく、ユーザーの飲料の選択又はユーザープロファイルを受け取るために、直接的な通信を介して、或いは、LANを介して、ユーザーのモバイル装置552又はポイントオブセール(POS:Point-Of-Sale)装置554と通信することができる。ユーザープロファイルは、ユーザー用の保存された好みの飲料、そのプロファイル内においてユーザーによって生成又は保存された、混合された又はブレンドされた飲料、及び/又は好適な栄養レベルなどの、1つ又は複数の飲料の好みを含むことができる。又、飲料ディスペンサ504は、ソフトウェア更新、コンテンツ更新、ユーザープロファイル、又はリモートサーバー558を介して実施された飲料の選択を受け取るべく、1つ又は複数リモートサーバー558と通信するために、WAN556を介して通信することもできる。
【0105】
図6図8は、含有物ソース602、702、802から飲料ディスペンサ504のノズル512に至る、ポンピング又は計量装置を有する例示用の流体回路600~800を示している。飲料ディスペンサ504は、図6図8に示されている流体回路を含んでいなくてもよく、1つの流体回路を含んでいてもよく、或いは、複数の流体回路を含んでいてもよい。それぞれの含有物ソースごとに、飲料ディスペンサ504は、図6図8に示されている流体回路のうちの1つを含むことができる。
【0106】
図6は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適する容積型ポンプ610を有する例示用の流体回路600を示している。流体回路600は、含有物ソース602からノズル512に至る流体経路を提供している。含有物ソース602は、飲料ディスペンサ504の含有物マトリックス524内に収容された、フロントルーム内の飲料ディスペンサ504から離れた(例えば、飲料ディスペンサ504に隣接した、或いは、飲料ディスペンサ504がその上部に配置されているカウンタの下方の)、或いは、バックルーム内に配置された、マイクロ含有物ソース又はマクロ含有物ソースであってよい。容積型ポンプ610は、含有物ソース602からノズル512への含有物の既定の容積又は流量を計量することができる。容積型ポンプ610は、ポンプのそれぞれのサイクルに伴う流体の流量の固定された容積を計量するピストンポンプ、制御されたギアポンプ、蠕動ポンプ、章動ポンプ(nutating pump)、ダイアフラムポンプ、或いは、その他のこのような容積型ポンプであってよい。
【0107】
流体回路600は、任意選択により、含有物ソース602が空である際を検出するための、完売センサ604を含むことができる。又、含有物ソース602が飲料ディスペンサ504から離れた状態において配置されている際には、流体回路600は、加圧された飲料含有物の供給を飲料ディスペンサ504に提供するための補助ポンプ606を含むこともできる。飲料ディスペンサ504内において、或いは、これに直接隣接した状態において、流体回路600は、容積型ポンプ610の入口が、相対的に低い又はゼロの圧力の飲料含有物の供給を受け取るように、圧力レギュレータ608を含むことができる。又、流体回路600は、任意選択により、飲料含有物がノズル512から滴下することを防止するように、含有物が分注されていない際に、閉鎖された状態において留まるように構成された閉止弁612を含むこともできる。
【0108】
図7は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した静的機械フロー制御708を有する例示用の流体回路700を示している。静的機械フロー制御708は、含有物ソース702から加圧された飲料含油物を受け取り、且つ、飲料含有物の固定された流量をノズル512に提供している。静的機械フロー制御708は、静的機械フロー制御708の流量を構成するための止めねじにより、較正することができる。静的機械フロー制御708の下流の閉止弁710は、ノズル512からの飲料含有物を分注するべく、或いは、その分注を防止するべく、開閉するように作動させることができる。
【0109】
含有物ソース702は、飲料ディスペンサ504の含有物マトリックス524内において収容された、フロントルーム内の飲料ディスペンサ504から離れた(例えば、飲料ディスペンサに隣接した、或いは、飲料ディスペンサ504がその上部に配置されたカウンタの下方の)、或いは、バックルーム内に配置された、マイクロ含有物ソース又はマクロ含油物ソースであってよい。又、含有物ソース702は、上水道又はその他の加圧された含有物ソースであってもよい。含有物ソース702が加圧されていない際には、流体回路700は、含有物ソース702からの飲料含有物を加圧するためのポンプ706を含むことができる。ポンプ706は、BIBポンプ、CO駆動型のポンプ、制御されたギアポンプ、或いは、容積型ポンプなどの、含有物ソース702からの飲料含有物を加圧するのに適した任意のポンプであってよい。又、流体回路700は、任意選択により、含有物ソース702が空である際を検出するための完売センサ704を含むこともできる。
【0110】
図8は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した動的機械フロー制御808、流量計810、及び閉止弁812を有する例示用の流体回路800を示している。動的機械フロー制御808は、含有物ソース802から加圧された飲料含有物を受け取り、且つ、調節された流量の飲料含有物をノズル512に提供している。動的機械フロー制御808は、1つ又は複数のコントローラ520によって提供される制御信号に基づいて、ノズル512に供給される飲料含有物の流量を動的に変更するべく調節する、可変サイズ設定されたオリフィスを含むことができる。動的機械フロー制御808の下流の、流量計810は、動的機械フロー制御808によって供給される飲料含有物の流量を計測し、且つ、可変サイズ設定されたオリフィスを制御するための動的機械フロー制御808に対するフィードバックループを提供している。動的機械フロー制御808の下流の、閉止弁812は、ノズル512から飲料含有物を分注するべく、或いは、その分注を防止するべく、開閉するように作動させることができる。
【0111】
含有物ソース802は、飲料ディスペンサ504の含有物マトリックス524に収容された、フロントルーム内の飲料ディスペンサ504から離れた(例えば、飲料ディスペンサ504に隣接した、或いは、飲料ディスペンサ504がその上部に配置されているカウンタの下方の)、或いは、バックルーム内に配置された、マイクロ含有物ソース又はマクロ含有物ソースであってよい。又、含有物ソース802は、上水道536又はその他の加圧された含有物ソースであってもよい。含有物ソース802が加圧されていない際には、流体回路800は、含有物ソース802からの飲料含有物を加圧するためのポンプ806を含むことができる。ポンプ806は、BIBポンプ、CO駆動型のポンプ、制御されたギアポンプ、又は容積型ポンプなどの、含有物ソース802からの飲料含有物を加圧するのに適した任意のポンプであってよい。又、流体回路800は、任意選択により、含有物ソース802が空である際を検出するための完売センサ804を含むこともできる。
【0112】
図6図8においては、流体回路600~800のコンポーネントが、特定の順序において示されているが、上述のコンポーネントの任意の順序を使用することができる。例えば、閉止弁812は、流量計810の上流に位置してもよい。その他の変動が当業者によって容易に認識可能である。これに加えて、1つ又は複数の熱交換器(図示されてはいない)を図6図8の流体回路内の任意の場所において使用することもできる。熱交換器は、氷ビン、水槽、冷却板、又は遠隔再循環システムを含むこともできる。
【0113】
図9は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した、単一含有物ソース902からノズル512に至るまでの複数の独立的に制御された経路を有する例示用の流体回路900を示している。流体回路900は、独立的に制御された経路のそれぞれに飲料含有物を供給するためのマニホルド904を含む。それぞれの経路は、含有物ソース902からノズル512に飲料含有物を供給するためのポンピング又は計量装置906、908、910を含む。ポンピング又は計量装置906、908、910は、図6図8に示されている流体回路600~800のうちの任意のものとして構成することができる。含有物ソース902からノズル512までの複数の独立した経路を有することにより、ポンピング又は計量装置906、908、910のうちの任意のものを使用するよりも大きな範囲の流量が可能である。例えば、含有物ソースからの飲料含有物の第1の流量の場合には、ポンピング又は計量装置906、908、910のうちの1つのみを起動することができる。含有物ソースからの飲料含有物の第2の流量の場合には、複数のポンピング又は計量装置906、908、910を起動することができる。
【0114】
図10は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した、飲料ディスペンサ504を制御するべく使用されうる、制御アーキテクチャ1000の例示用のブロック図を示している。図10に示されているように、制御アーキテクチャ1000は、コア分注モジュール(CDM:Core Dispensing Module)1006、マンマシンインターフェイス(HMI:Man Machine Interface)モジュール1004、ユーザーインターフェイス(UI:User Interface)1002、及び機械バス(MBUS:Machine BUS)1005を有することができる。HMI1004は、飲料ディスペンサ504の外部の少なくとも1つの外部装置(例えば、モバイル装置552又はPOS554)に接続していてもよく、或いは、その他の方法でこれとインターフェイス又は通信することができる。又、HMI1004は、UI1002上の表示画面を制御及び更新することができる。CDM1006は、飲料ディスペンサ504から製品(例えば、飲料)を混合及び分注するべく、レシピに従って、飲料ディスペンサ504内の複数のポンプ及び/又は弁1010からの流れを制御することができる。
【0115】
飲料含有物(例えば、マイクロ含有物、マクロ含有物、及び/又は希釈剤)は、飲料ディスペンサ504から、飲料又はブレンドされた飲料(即ち、完成した飲料製品)を含みうる、様々な製品を分注するべく、組み合わせることができる。但し、飲料ディスペンサ504は、又、個々に飲料成分を分注するように構成することもできる。
【0116】
飲料ディスペンサ504用の制御アーキテクチャ1000の一例については、2014年5月1日付けで出願された、「Dispenser Control Architecture」という名称の、米国特許出願第61/987,020号において記述されており、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。MBUS1005は、1つ又は複数のAPI呼び出しを介してHMI1004とCDM1006の間の通信を促進することができる。HMI1004、MBUS1005、及びCDM1006は、飲料ディスペンサ504内においてカスタマイズされた機能を提供するように適合されうる、ハードウェアとして、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組合せとして、実装された共通コアコンポーネントを集合的に有することができる。飲料ディスペンサ504は、メモリストレージ及びプロセッサを更に含むことができる。UI1002の例については、2013年9月13日付けで出願された、「Product Categorization User Interface for a Dispensing Device」という名称の、米国特許出願第61/877,549号において記述されており、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。
【0117】
UI1002は、タッチスクリーンがユーザー(例えば、ユーザー108)によって接触されたエリアを検出することができる。これに応答して、UI1002は、タッチスクリーンが接触された場所に関するデータをHMI1004に送信することができる。これに応答して、HMI1004は、UI1002が、異なるUI画面を表示するようにするかどうか、或いは、コマンドをCDM1006に発行するかどうか、を判定するべく、この受け取られたデータを解釈することができる。例えば、HMI1004は、ユーザーが飲料ブランドに対応するタッチスクリーンの部分に接触したと判定することができる。これに応答して、HMI1004は、対応する飲料ブランドを注入するべく、コマンドをCDM1006に対して発行することができる。対応する飲料ブランドを注入するためのコマンドを受け取ることに応答して、CDM1006は、次いで、飲料ブランドを分注するべく必要とされる飲料含有物について、ポンピング又は計量装置1010に対して1つ又は複数の制御バス1008を介してコマンドを発行している。或いは、HMI1004は、ユーザーが別の画面に対する要求に対応するタッチスクリーンの部分に接触したことを判定することもできる。これに応答して、HMI1004は、UI1002が、要求された画面を表示するようにすることができる。
【0118】
いくつかの実施形態において、飲料ディスペンサ504内のUI1002は、1つ又は複数の飲料を選択し、且つ、これを個々に分注するべく、利用することができる。飲料は、連続的注入動作において飲料成分として分注されてもよく、これにより、注入入力がユーザーによって作動させられている間に、或いは、既定容積の1つ又は複数の選択された飲料成分が(例えば、一度に1回だけ)分注されるバッチ注入動作において、1つ又は複数の選択された飲料成分の分注が継続される。UI1002には、飲料を選択及び分注するべく、いくつかの方法を介して向かい合うことができる。例えば、ユーザーは、飲料を選択及び分注するための1つ又は複数のメニューをナビゲートするべく、タッチ入力を介して、UI1002とやり取りすることができる。別の例として、ユーザーは、飲料を選択及び分注するための1つ又は複数のメニューをナビゲートするべく、飲料ディスペンサ504上のオンスクリーン型の又は物理的なキーボード(図示されてはいない)を使用することにより、コードをタイプ入力することができる。更なる例として、ユーザーは、モバイル装置552上のアプリケーションのユーザーインターフェイスを介してHMI1004とやり取りすることができる。
【0119】
タッチスクリーン及びタッチスクリーンコントローラを含みうる、UI1002は、接触入力の形態において、ユーザーから様々なコマンド(即ち、消費者入力)を受け取り、上述のコマンドの受信に応答して、グラフィクス出力を生成し、且つ/又は、飲料ディスペンサ504に伴う1つ又は複数の動作を(例えば、HMI1004及び/又はCDM1006を介して)実行するように、構成することができる。HMI1004内のタッチスクリーンドライバは、消費者又は顧客入力を受け取り、且つ、イベント(例えば、タッチスクリーンイベント)を生成するように、構成されていてもよく、次いで、これをコントローラを通じてHMI1004のオペレーティングシステムに伝達することができる。
【0120】
飲料ディスペンサ504は、1つ又は複数の外部装置(例えば、モバイル装置552又はPOS554)との通信状態にあってよい。いくつかの実施形態において、飲料ディスペンサ504と外部装置の間の通信は、限定を伴うことなしに、通信インターフェイスを介して、BLUETOOTH、Wi-Fiなどの近距離無線技術並びにその他の無線又は有線通信規格又は技術を含む任意の数の通信技法を利用することにより、実現することができる。
【0121】
図11は、本開示のいくつかの実施形態を実装するのに適した例示用のコンピュータシステム1100を示している。例えば、飲料ディスペンサ504の1つ又は複数のコンポーネント又はコントローラコンポーネントは、コンピュータシステム1100として実装することができる。いくつかの実装形態において、HMI1004及びCDM1006のうちの1つ又は両方は、コンピュータシステム1100として実装することができる。
【0122】
様々な図との関係において本明細書において記述されている論理的動作は、(1)コンピュータ装置(例えば、図11において記述されている演算装置)上において稼働するコンピュータ実装された行為又はプログラムモジュール(即ち、ソフトウェア)のシーケンスとして、(2)演算装置内の相互接続された機械論理回路又は回路モジュール(即ち、ハードウェア)として、且つ/又は、(3)演算装置のソフトウェア及びハードウェアの組合せとして、実装されうることを理解されたい。従って、本明細書において記述されている論理的動作は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されるものではない。実装形態は、演算装置のパフォーマンス及びその他の要件に依存する選択肢の問題である。従って、本明細書において記述されている論理的動作は、動作、構造的装置、行為、又はモジュールとして様々に呼称されている。これらの動作、構造的装置、行為、及びモジュールは、ソフトウェアにおいて、ファームウェアにおいて、特殊目的デジタルロジックにおいて、且つ、これらの任意の組合せにおいて、実装することができる。又、図に示されている、且つ、本明細書において記述されている、ものよりも、多くの又は少ない数の動作を実行することもできることを理解されたい。又、これらの動作は、本明細書において記述されているものとは異なる順序において実行することもできる。
【0123】
図11を参照すれば、本発明の実施形態が実装されうる、例示用の演算装置1100が示されている。例えば、本明細書において記述されているディスペンサ、エンドユーザー装置、管理者装置、サーバー、プロファイルデータベース、又は外部ディスプレイのそれぞれは、それぞれ、演算装置1100などの演算装置として実装することができる。例示用の演算装置1100は、本発明の実施形態が実装されうる適切な演算環境の一例に過ぎないことを理解されたい。任意選択により、演算装置1100は、限定を伴うことなしに、パーソナルコンピュータ、サーバー、ハンドヘルド又はラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサに基づいたシステム、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、組込み型のシステム、及び/又は上述のシステム及び装置のうちの任意のものの複数を含む分散型の演算環境を含む、周知の演算システムであってよい。分散型の演算環境は、通信ネットワーク又はその他のデータ送信媒体に接続されたリモート演算装置が様々なタスクを実行することを可能にしている。分散型の演算環境においては、プログラムモジュール、アプリケーション、及びその他のデータは、ローカル及び/又はリモートコンピュータストレージ媒体上において保存することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、演算装置1100は、タスクを実行するべく協働する、互いに通信状態にある、2つ以上のコンピュータを有することができる。例えば、但し、限定を伴うことなしに、アプリケーションは、アプリケーションの命令の同時及び/又は並列処理を許容するような方式により、パーティション化することができる。或いは、この代わりに、2つ以上のコンピュータによるデータセットの異なる部分の同時及び/又は並列処理を許容するような方式により、アプリケーションによって処理されたデータをパーティション化することもできる。いくつかの実施形態において、演算装置1100内のコンピュータの数に直接的に拘束されない、いくつかのサーバーの機能を提供するべく、仮想化ソフトウェアを演算装置1100によって利用することができる。例えば、仮想化ソフトウェアは、4つの物理的コンピュータ上において20個の仮想的サーバーを提供することができる。いくつかの実施形態において、以上において開示されている機能は、クラウド演算環境において1つ及び/又は複数のアプリケーションを実行することにより、提供することができる。クラウド演算は、動的にスケーラブルな演算リソースを使用することにより、ネットワーク接続を介して演算サービスを提供することを有することができる。クラウド演算は、仮想化ソフトウェアにより、少なくとも部分的にサポートすることができる。クラウド演算環境は、企業によって確立されてもよく、且つ/又は、第三者プロバイダから必要に応じて借りることもできる。いくつかのクラウド演算環境は、企業によって所有及び運営されているクラウド演算リソースのみならず、第三者プロバイダから借用及び/又はリースされたクラウド演算リソースを有することもできる。
【0125】
その最も基本的な構成において、演算装置1100は、通常、少なくとも1つの処理ユニット1120と、システムメモリ1130と、を含む。演算装置の正確な構成及びタイプに応じて、システムメモリ1130は、(ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)などの)揮発性、(読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、などのような)不揮発性、或いは、これら2つのなんらかの組合せであってよい。図11には、この最も基本的な構成が破線1110によって示されている。処理ユニット1120は、演算装置1100の動作に必要とされる数値及び論理演算を実行する標準的なプログラム可能なプロセッサであってよい。1つの処理ユニット1120しか示されていないが、複数のプロセッサが存在しうる。従って、命令は、プロセッサによって実行されるものと記述されうるが、命令は、1つ又は複数のプロセッサにより、同時に実行されてもよく、連続的に実行されてもよく、或いは、その他の方法で実行することもできる。又、演算装置1100は、演算装置1100の様々なコンポーネントの間において情報を通信するためのバス又はその他の通信メカニズムを含むこともできる。
【0126】
演算装置1100は、更なる特徴/機能を有することができる。例えば、演算装置1100は、限定を伴うことなしに、磁気又は光ディスク又はテープを含む、着脱自在のストレージ1140及び非着脱自在のストレージ1150などの、更なるストレージを含むことができる。又、演算装置1100は、装置が、本明細書において記述されている通信経路上などにおいて、その他の装置と通信することを許容するネットワーク接続1180を含むこともできる。ネットワーク接続1180は、モデム、モデムバンク、Ethernetカード、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)インタフェイスカード、シリアルインターフェイス、トークンリングカード、ファイバ分散型データインターフェイス(FDDI:Fiber Distributed Data Interface)カード、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)カード、コード分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)などの無線トランシーバカード、WiMAX(Worldwode interoperatility for Microwave Access)、並びに/或いは、その他の無線インターフェイスプロトコル無線トランシーバカード、並びに、その他の周知のネットワーク装置の形態を有することができる。又、演算装置1100は、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置、カード読取機、紙テープ読取機、又はその他の周知の入力装置などの、入力装置1170を有することもできる。又、プリンタ、ビデオモニタ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、タッチスクリーンディスプレイ、ディスプレイ、スピーカなどのような出力装置1160を含むこともできる。演算装置1100のコンポーネントの間のデータの通信を促進するべく、更なる装置をバスに接続することができる。これらの装置は、いずれも、当技術分野において周知であり、従って、本明細書においては、詳細な説明を省略することとする。
【0127】
処理ユニット1120は、有体のコンピュータ可読媒体内においてエンコーディングされたプログラムコードを実行するように構成することができる。有体のコンピュータ可読媒体は、演算装置1100(即ち、機械)が特定の方式によって動作するようにするデータを提供する能力をする任意の媒体を意味している。様々なコンピュータ可読媒体は、実行のために処理ユニット1120に命令を提供するべく、利用することができる。例示用の有体のコンピュータ可読媒体は、限定を伴うことなしに、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータなどの情報の保存のための任意の方法又は技術において実装された揮発性媒体、不揮発性媒体、着脱自在の媒体、及び非着脱自在の媒体を含みうる。システムメモリ1130、着脱自在のストレージ1140、及び非着脱自在のストレージ1150は、いずれも、有体のコンピュータストレージ媒体の例である。例示用の有体のコンピュータ可読記録媒体は、限定を伴うことなしに、集積回路(例えば、フィールドプログラム可能なゲートアレイ又は用途固有のIC)、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、ホログラフィックストレージ媒体、半導体装置、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disk)又はその他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又はその磁気ストレージ装置を含む。
【0128】
実行可能ソフトウェアをコンピュータ内に読み込むことによって実装されうる機能は、周知の設計規則により、ハードウェア実装形態に変換可能である、という事実は、電気エンジニアリング及びソフトウェアエンジニアリングの技術分野において基本的なものである。概念をソフトウェアにおいて実装するのか又はハードウェアにおいて実装するのか、の決定は、通常、ソフトウェアドメインからハードウェアドメインへの変換に伴うなんらかの課題ではなく、生成されるべきユニットの設計の安定性及び数の考慮に依存している。一般に、頻繁な変更に依然として晒される設計は、ソフトウェアにおいて実装することが好ましい場合があり、その理由は、ハードウェア実装形態の再設計は、ソフトウェア設計の再設計よりも費用を所要するからである。一般に、大量に生成されることになる、安定した設計は、例えば、アプリケーション固有の集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)などの、ハードウェアにおいて実装されることが好ましい場合があり、その理由は、大規模な生産工程の場合には、ハードウェア実装形態が、ソフトウェア実装形態よりも、所要される費用が小さくなりうるからである。しばしば、設計は、ソフトウェア形態において開発及び試験することができると共に、後から、周知の設計規則により、ソフトウェアの命令を配線化した用途固有の集積回路内における、等価なハードウェア実装形態に変換することができる。新しいASICによって制御される機械が特定の機械又は装置であるのと同一の方式により、同様に、プログラミングされ、且つ/又は、実行可能命令が読み込まれた、コンピュータも、特定の機械又は装置として見なすことができる。
【0129】
例示用の一実装形態において、処理ユニット1120は、システムメモリ1130内において保存されているプログラムコードを実行することができる。例えば、バスは、データをシステムメモリ1130に搬送してもよく、処理ユニット1120は、これから命令を受け取り、且つ、実行している。システムメモリ1130によって受け取られたデータは、任意選択により、処理ユニット1120による実行の前又は後に、着脱自在のストレージ1140又は非着脱自在のストレージ1150上において保存することができる。
【0130】
本明細書において記述されている様々な技法は、ハードウェア又はソフトウェアとの関連において、或いは、適宜、これらの組合せにより、実装することができることを理解されたい。従って、本明細書において開示されている主題の方法及び装置、或いは、その特定の態様又は一部分は、フロッピーディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、又は任意のその他の機械可読ストレージ媒体などの、有体の媒体内において実施されたプログラムコード(即ち、命令)の形態を有していてもよく、この場合には、プログラムコードが、演算装置などの機械内に読み込まれ、且つ、これによって実行された際に、機械は、本明細書において開示されている主題を実施するための装置となる。プログラム可能なコンピュータ上におけるプログラムコード実行のケースにおいては、演算装置は、一般に、プロセッサ、プロセッサによって読み取り可能なストレージ媒体(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又はストレージ要素を含む)、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置を含む。1つ又は複数のプログラムは、例えば、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API:Application Programming Interface)、再使用可能なコントロール、又はこれらに類似したものの使用を通じて、本明細書において開示されている主題との関連において記述されているプロセスを実装又は利用することができる。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するべく、ハイレベルな手続き型の又はオブジェクト指向のプログラミング言語において実装することができる。但し、プログラムは、必要に応じて、アセンブリ又は機械言語において実装することもできる。いずれのケースにおいても、言語は、コンパイラ又はインタープリタによって処理される言語であってよく、且つ、ハードウェア実装形態と組み合わせられてもよい。
【0131】
本明細書においては、方法及びシステムの実施形態は、方法、システム、装置、及びコンピュータプログラム製品のブロック図及びフローチャート図を参照して記述されている場合がある。ブロック図及びフローチャート図のそれぞれのブロック並びにブロック図及びフローチャート図中のブロックの組合せは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装されうることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ装置上において稼働する命令が、1つ又は複数のフローチャートブロックにおいて規定されている機能を実装するための手段を生成するように、機械を生成するべく、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又はその他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込むことができる。
【0132】
又、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリ内において保存されている命令が、1つ又は複数のフローチャートブロック内において規定されている機能を実装するべく、コンピュータ可読命令を含む製造の物品を生成するように、特定の方式によって機能するようにコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置を制御しうるコンピュータ可読メモリ内において保存することもできる。又、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置上において稼働する命令が、1つ又は複数のフローチャートブロック内において規定された機能を実装するためのステップを提供するように、コンピュータ実装されたプロセスを生成するべく、一連の動作ステップがコンピュータ又はその他のプログラム可能な装置上において実行されるようにするために、コンピュータ又はその他のプログラムデータ処理装置上に読み込むこともできる。
【0133】
従って、ブロック図及びフローチャート図のブロックは、規定された機能を実行するための手段の組合せ、規定された機能を実行するステップの組合せ、並びに、規定された機能を実行するプログラム命令手段をサポートしている。又、ブロック図及びフローチャート図のそれぞれのブロック並びにブロック図及びフローチャート図中のブロックの組合せは、規定された機能又はステップを実行する特殊目的ハードウェアに基づいたコンピュータシステム又は特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令の組合せにより、実装することができることを理解されたい。
【0134】
本開示においては、いくつかの実施形態が提供されているが、開示されているシステム及び方法は、本開示の精神又は範囲を逸脱することなしに、多くのその他の特定の形態において実施することができることを理解されたい。本例は、限定ではなく、例示を目的としたものであると見なすものとし、且つ、本発明は、本明細書において付与されている詳細に限定されるものではない。例えば、様々な要素又はコンポーネントは、別のシステム内において組み合わせられてもよく又は統合されてもよく、或いは、特定の特徴は、省略されてもよく、或いは、実装されなくてもよい。
【0135】
又、個別のもの又は別個のものとして様々な実施形態において記述及び図示されている技法、システム、サブシステム、及び方法は、本開示の範囲を逸脱することなしに、その他のシステム、モジュール、技法、又は方法と組み合わせられてよく又は統合されてもよい。互いに直接的に結合又は通信するものとして図示又は記述されているその他の項目は、電気的なものであるのか、機械的なものであるのか、或いは、その他のものであるのか、を問わず、いくつかのインターフェイス、装置、又は中間コンポーネントを通じて間接的に結合又は通信していてもよい。変更、置換、及び代替のその他の例は、当業者によって特定することが可能であり、且つ、本明細書において開示されている精神及び範囲を逸脱することなしに、実施されうるであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11