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特許74532105-置換4-アミノ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド並びにその配合物及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】5-置換4-アミノ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド並びにその配合物及び使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/12 20060101AFI20240312BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20240312BHJP
   A61K 31/549 20060101ALI20240312BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20240312BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C07D417/12 CSP
A23L27/00 Z
A61K31/549
C07D417/14
A61P43/00 111
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021506518
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019045325
(87)【国際公開番号】W WO2020033420
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】62/715,669
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519321867
【氏名又は名称】フィルメニッヒ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Firmenich Incorporated
【住所又は居所原語表記】250 Plainsboro Road, Plainsboro, NJ 08536, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ アール. フォチング
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン タクドジアン
(72)【発明者】
【氏名】ガイ サーバント
(72)【発明者】
【氏名】ブレット ウェイラン チン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー デイヴィス
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/021837(WO,A2)
【文献】国際公開第2013/158928(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/154221(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0235624(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物又はその塩、式中:
及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1-6アルキルであるか、又はR及びRはこれらが結合している炭素と一緒に、C3-7カルボシクリルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のRで置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、-C(=O)OR3A、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B、-C(=O)R3A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR3A3B、-NR3AC(=O)R3B、及びR3Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3AA、-(CHN(R3AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3BB、-(CHN(R3BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Cは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3AAは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3BBは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
【請求項2】
式(Ia):
【化2】
の化合物又はその塩であり、式中:
が、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;
が、-CH-又は-CR-であり;
が、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;かつ
が、-CH-又は-CR-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がN(窒素)であり、かつZが-CH-又は-CR-である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
及びZが、独立して、-CH-又は-CR-である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
がN(窒素)であり、かつZが-CH-又は-CR-である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
それぞれRが、ハロ、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B及びR3Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Aが、水素、及び(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Bが、水素、(C-C)アルキル及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつ
それぞれR3Cが、ヘテロサイクル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
(a)請求項1からまでのいずれか1項に記載の化合物;及び(b)甘味料を含んでなる、摂取可能な組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月7日に提出された米国仮出願番号62/715,669の優先権の利益を主張するものであり、該出願はこれにより、完全な形で本明細書に記載されるように参照により援用される。
【0002】
技術分野
ある態様において、本開示は概して、新規な部類の4-アミノ-2,2-ジオキソ-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン誘導体に関する。一部のさらなる態様において、本開示は、そのような化合物を含んでなる配合物、例えば摂取可能な組成物又は薬剤学的組成物に関する。一部のさらなる態様において、本開示は、多様な食品、飲料、及びその他の摂取可能な組成物において、並びにT1R2/T1R3受容体のモジュレーションに関係した多様な状態を処置する方法において、そのような化合物を使用する方法(又は使用)を提供する。一部の実施態様において、本開示は、該化合物を、1つ以上の基本味モダリティーのフレーバーエンハンサーとして使用する方法を提供する。
【0003】
関連技術の説明
味覚系は、外部の世界の化学組成についての感覚情報を提供する。味覚の情報変換は、動物における化学的に誘発される感覚の最も精巧な形のうちの一つである。味覚のシグナリングは、動物界全体に、すなわち単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物までに、見出される。哺乳動物は、5つの基本味モダリティー:甘味、苦味、酸味、塩味、及びうま味(グルタミン酸一ナトリウムの味、別名セイボリー味)を有すると考えられている。
【0004】
肥満、糖尿病、及び心血管疾患は、世界的に上昇中の健康上の関心事であるが、しかし米国において驚くべき速度で増大している。砂糖及びカロリーは、健康への有利な栄養効果を与えることを制限し得る、鍵となる成分である。高甘味度甘味料は、砂糖の甘味を、多様な味覚の品質を伴い、提供することができる。それらは、砂糖よりも何倍も甘いので、該甘味料は、該砂糖を置き換えるのに必要とされる量がはるかに少ない。
【0005】
高甘味度甘味料は、幅広い範囲の化学的に別個の構造を有し、ひいては色々な特性、例えば、限定するものではないが、臭気、フレーバー、口あたり、及びあと味を持つ。これらの特性、特にフレーバー及びあと味は、味がする時間にわたって変わることが周知であるので、それぞれの時間的なプロファイルは、甘味料特異的である。
【0006】
甘味料、例えばサッカリン及び6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4(3H)-オン-2,2-ジオキシドカリウム塩(アセスルファムカリウム)は普通、苦い及び/又は金属のあと味を有するとして特徴付けられる。2,4-ジヒドロキシ安息香酸を用いて調製された製品は、甘味料に関連して、低下された望ましくないあと味を示し、それら自体の味が知覚できる濃度を下回る濃度でもそうであると言われる。また、高甘味度甘味料、例えばスクラロース及びアスパルテームは、甘味送達問題、例えば遅れる始まり及び長引く甘味を有することが報告される。
【0007】
細胞外ドメイン、例えば、化学感覚受容体のビーナスフライトラップ(VFT)ドメイン、殊に該VFTドメイン内の1つ以上の相互作用部位が、該化学感覚受容体又はそのリガンドをモジュレーションする化合物又はその他の実体のための適したターゲットであり得ることが報告されている。ある化合物は、T1Rファミリーにおける化学感覚受容体又はそれらのリガンドのモジュレーターであると報告されている。
【0008】
当該分野において、化学感覚の又は化学感覚に関係した感覚又は反応に関連する受容体機能を変更するのに適した新しい化合物の需要がある。
【0009】
概要
第1の態様において、本開示は、式(I):
【化1】
の化合物又はその塩を提供し、式中:
及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1-6アルキルであるか、又はR及びRはこれらが結合している炭素と一緒に、C3-7カルボシクリルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3で置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、-C(=O)OR3A、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B、-C(=O)R3A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR3A3B、-NR3AC(=O)R3B、及びR3Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3AA、-(CHN(R3AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3BB、-(CHN(R3BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Cは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3AAは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3BBは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
【0010】
そのような化合物のさらに特別な実施態様は、詳細な説明、及び特に請求の範囲の直前に記載された実施態様のリストに記載される。
【0011】
第2の態様において、本開示は、前記の第1の態様の1種以上の化合物を、本明細書に記載されるそれらのいずれかの実施態様に従い、含んでなる組成物を提供する。一部の実施態様において、該組成物は、摂取可能な組成物である。他の一部の実施態様において、該組成物は薬剤学的組成物である。
【0012】
第3の態様において、本開示は、前記の第1の態様の1種以上の化合物を、甘味料、例えば天然甘味料又は人工甘味料と組み合わせることを含んでなる、前記の第1の態様の化合物の1種以上を使用する方法(又は使用)を提供する。
【0013】
第4の態様において、本開示は、T1R2受容体又はT1R3受容体のモジュレーションに関連する状態を処置する方法を提供し、該方法は、前記の第1の態様の1種以上の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる。
【0014】
第5の態様において、本開示は、式(II):
【化2】
の化合物又はその塩を提供し、式中:
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のRで置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、-C(=O)OR4A、-NR4A(CHOR4B、-NR3A(CH4B、-(CHOR4B、-(CH4B、-C(=O)R4A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR4A4B、-NR4AC(=O)R4B、及びR4Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CHOH、-(CH4AA、-(CHOR4AA、-(CHN(R4AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され、R4A中の前記ヘテロサイクル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ任意に1個以上の(C-C)アルキル又はC3-7カルボシクリルで置換され;
それぞれR4Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CHOH、-(CH4BB、-(CHOR4BB、-(CHN(R4BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Cは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4AAは、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4BBは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれmは独立して、0、1、2、及び3から選択される整数であり;
それぞれnは独立して、0、1、2及び3から選択される整数であり;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
【0015】
そのような化合物のさらに特別な実施態様は、詳細な説明、及び特に請求の範囲の直前に記載された実施態様のリストに記載される。
【0016】
第6の態様において、本開示は、前記の第5の態様の1種以上の化合物を、本明細書に記載されたそれらのいずれかの実施態様に従い、含んでなる組成物を提供する。一部の実施態様において、該組成物は、摂取可能な組成物である。他の一部の実施態様において、該組成物は薬剤学的組成物である。
【0017】
第7の態様において、本開示は、前記の第5の態様の1種以上の化合物を、甘味料、例えば天然甘味料又は人工甘味料と組み合わせることを含んでなる、前記の第5の態様の化合物の1種以上を使用する方法(又は使用)を提供する。
【0018】
第8の態様において、本開示は、T1R2受容体又はT1R3受容体のモジュレーションに関連する状態を処置する方法を提供し、該方法は、前記の第5の態様の1種以上の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる。
【0019】
さらなる態様、及びそれらの実施態様は、以下に、詳細な説明、図面、要約、及び請求の範囲に記載される。
【0020】
以下の図面は、本明細書に開示される組成物及び方法の多様な実施態様を説明する目的のために提供される。該図面は、説明のためのみに提供され、かつ決して好ましい組成物又は好ましい方法を記載すること、又は決して請求項に係る発明の範囲の限定の源として利用することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本明細書に開示される新規な化合物(又はそれらの塩)の限定されない例を表す化学式を示し、式中:R及びRは、独立して、水素原子又はアルキルであるか、又は、これらが結合している炭素原子と一緒に、カルボシクリック環を形成し;かつArは、アリール又はヘテロアリールであり、これらのそれぞれは任意に置換される。
図2】本明細書に開示される新規な化合物(又はそれらの塩)の限定されない例を表す化学式を示し、式中:n及びmは、独立して、0、1、2、又は3であり;かつArは、アリール又はヘテロアリールであり、これらのそれぞれは任意に置換される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、本明細書に提供される多様な態様及び実施態様を記載する。該説明は、関連技術における通常の当業者の見地から読むべきである。したがって、そのような通常の当業者に周知である情報は、必ずしも含まれない。
【0023】
定義
以下の用語及び語句は、本明細書に別段提供されない限り、以下に示される意味を有する。本開示は、本明細書にはっきりと定義されない他の用語及び語句を使用してよい。そのような他の用語及び語句は、それらが、通常の当業者にとって本開示の文脈内で持つであろう意味を有する。一部の場合には、用語又は語句は、単数形又は複数形で定義されてよい。そのような場合に、異なってはっきりと示されない限り、単数形のあらゆる用語が、その複数の対応物を含んでいてよく、かつその逆も含んでいてよいことが理解される。
【0024】
本明細書において用いられる場合には、“溶媒和物”は、1種以上の溶剤分子と本明細書に記載される1種以上の化合物との相互作用により形成される化合物を意味する。一部の実施態様において、該溶媒和物は、生理学的に許容される溶媒和物、例えば水和物である。
【0025】
本明細書において用いられる場合には、“a”及び“b”が整数である“C~C”又は“Ca-b”は、特定される基中の炭素原子の数をいう。すなわち、該基は、“a”~“b”個の(a及びbを含めて)炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、“C~Cアルキル”又は“C1-4アルキル”基は、炭素1~4個を有する全てのアルキル基、すなわち、CH-、CHCH-、CHCHCH-、(CHCH-、CHCHCHCH-、CHCHCH(CH)-及び(CHC-をいう。
【0026】
本明細書において用いられる場合には、“ハロゲン”又は“ハロ”は、元素の周期表の第7列の放射性安定な原子のうちのいずれか1種、例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。一部の実施態様において、“ハロゲン”又は“ハロ”は、フッ素又は塩素をいう。
【0027】
本明細書において用いられる場合には、“アルキル”は、全飽和である(すなわち、二重結合又は三重結合を含有しない)直鎖又は分岐状の炭化水素鎖を意味する。一部の実施態様において、アルキル基は、炭素原子1~20個を有する(これが本明細書に現れる場合にはいつでも、数値範囲、例えば“1~20”は、与えられた範囲のそれぞれ整数をいう;例えば、“炭素原子1~20個”は、該アルキル基が、炭素原子1個、炭素原子2個、炭素原子3個等から、炭素原子20個まで(20個を含めて)からなっていてよいことを意味するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“アルキル”の出現もカバーする)。該アルキル基は、炭素原子1~9個を有する中級アルキルであってもよい。該アルキル基は、炭素原子1~4個を有する低級アルキルでもあり得る。該アルキル基は、“C1-4アルキル”又は類似の名称として呼ばれてよい。単に一例として、“C1-4アルキル”は、該アルキル鎖中に炭素原子1~4個があることを示し、すなわち、該アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルからなる群から選択される。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル等を含むが、決してこれらに限定されない。異なって示されない限り、該用語“アルキル”は、さらに置換されない基をいう。
【0028】
本明細書において用いられる場合には、“置換されたアルキル”は、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cカルボシクリル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、アリールオキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-Cカルボシクリルオキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-オキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール-オキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-C-カルボシクリル-C-C-アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-C-C-アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(C-C)アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(C-C)アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C-C)アルキル(例えば、-CF)、ハロ(C-C)アルコキシ(例えば、-OCF)、C-Cアルキルチオ、アリールチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-Cカルボシクリルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-チオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール-チオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-C-カルボシクリル-C-C-アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-C-C-アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(C-C)アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(C-C)アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アミノ、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルフィニル、スルホニル、及びオキソ(=O)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されたアルキル基を意味する。
【0029】
本明細書において用いられる場合には、“アルコキシ”は、式-ORの部分を意味し、式中、Rは、上記に定義されるようなアルキルであり、例えば“C1-9アルコキシ”を意味し、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシ等を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0030】
本明細書において用いられる場合には、“アルキルチオ”は、式-SRの部分を意味し、式中、Rは、上記に定義されようなアルキルであり、例えば“C1-9アルキルチオ”等を意味し、メチルメルカプト、エチルメルカプト、n-プロピルメルカプト、1-メチルエチルメルカプト(イソプロピルメルカプト)、n-ブチルメルカプト、iso-ブチルメルカプト、sec-ブチルメルカプト、tert-ブチルメルカプト等を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0031】
本明細書において用いられる場合には、“アルケニル”は、1個以上の二重結合を含有する直鎖又は分岐状の炭化水素鎖を意味する。一部の実施態様において、該アルケニル基は、炭素原子2~20個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“アルケニル”の出現もカバーする。該アルケニル基は、炭素原子2~9個を有する中級アルケニルであってもよい。該アルケニル基は、炭素原子2~4個を有する低級アルケニルでもあり得る。該アルケニル基は、“C2-4アルケニル”又は類似の名称として呼ばれてよい。単に一例として、“C2-4アルケニル”は、該アルケニル鎖中に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、該アルケニル鎖は、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2-ジエニル、及びブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択される。典型的なアルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル等を含むが、しかし決してこれらに限定されない。異なって示されない限り、該用語“アルケニル”は、さらに置換されない基をいう。
【0032】
本明細書において用いられる場合には、“アルキニル”は、1個以上の三重結合を含有する直鎖又は分岐状の炭化水素鎖を意味する。一部の実施態様において、該アルキニル基は、炭素原子2~20個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“アルキニル”の出現もカバーする。該アルキニル基は、炭素原子2~9個を有する中級アルキニルであってもよい。該アルキニル基は、炭素原子2~4個を有する低級アルキニルでもあり得る。該アルキニル基は、“C2-4アルキニル”又は類似の名称として呼ばれてよい。単に一例として、“C2-4アルキニル”は、該アルキニル鎖中に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、該アルキニル鎖は、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、及び2-ブチニルからなる群から選択される。典型的なアルキニル基は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニル等を含むが、しかし決してこれらに限定されない。異なって示されない限り、該用語“アルキニル”は、さらに置換されない基をいう。
【0033】
本明細書において用いられる場合には、“ヘテロアルキル”は、その鎖骨格中に1個以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素、及び硫黄を含むが、しかしこれらに限定されない、炭素以外の元素を含有する直鎖又は分岐状の炭化水素鎖を意味する。一部の実施態様において、該ヘテロアルキル基は、炭素原子1~20個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“ヘテロアルキル”の出現もカバーする。該ヘテロアルキル基は、炭素原子1~9個を有する中級ヘテロアルキルであってもよい。該ヘテロアルキル基は、炭素原子1~4個を有する低級ヘテロアルキルでもあり得る。該ヘテロアルキル基は、“C1-4ヘテロアルキル”又は類似の名称として呼ばれてよい。該ヘテロアルキル基は、1個以上のヘテロ原子を含有していてよい。単に一例として、“C1-4ヘテロアルキル”は、該ヘテロアルキル鎖中に炭素原子1~4個及びその鎖の骨格中に付加的に1個以上のヘテロ原子があることを示す。異なって示されない限り、該用語“ヘテロアルキル”は、さらに置換されない基をいう。
【0034】
本明細書において用いられる場合には、“アルキレン”は、炭素と水素とのみを含有し、2個の連結点を介して該分子の残部に連結される、分岐状又は直鎖の全飽和ジラジカル化学基を意味する(すなわち、アルカンジイル)。一部の実施態様において、該アルキレン基は、炭素原子1~20個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語アルキレンの出現もカバーする。該アルキレン基は、炭素原子1~9個を有する中級アルキレンであってもよい。該アルキレン基は、炭素原子1~4個を有する低級アルキレンでもあり得る。該アルキレン基は、“C1-4アルキレン”又は類似の名称として呼ばれてよい。単に一例として、“C1-4アルキレン”は、該アルキレン鎖中に炭素原子1~4個があることを示し、すなわち、該アルキレン鎖は、メチレン、エチレン、エタン-1,1-ジイル、プロピレン、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、1-メチル-エチレン、ブチレン、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,1-ジイル、1-メチル-プロピレン、2-メチル-プロピレン、1,1-ジメチル-エチレン、1,2-ジメチル-エチレン、及び1-エチル-エチレンからなる群から選択される。異なって示されない限り、該用語“アルキレン”は、さらに置換されない基をいう。
【0035】
本明細書において用いられる場合には、“アルケニレン”は、炭素と水素とのみを含有し、かつ少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有し、2個の連結点を介して該分子の残部に連結される、直鎖又は枝分れ鎖のジラジカル化学基を意味する。一部の実施態様において、該アルケニレン基は、炭素原子2~20個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語アルケニレンの出現もカバーする。該アルケニレン基は、炭素原子2~9個を有する中級アルケニレンであってもよい。該アルケニレン基は、炭素原子2~4個を有する低級アルケニレンでもあり得る。該アルケニレン基は、“C2-4アルケニレン”又は類似の名称として呼ばれてよい。単に一例として、“C2-4アルケニレン”は、該アルケニレン鎖中に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、該アルケニレン鎖は、エテニレン、エテン-1,1-ジイル、プロペニレン、プロペン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-メチル-エテニレン、ブタ-1-エニレン、ブタ-2-エニレン、ブタ-1,3-ジエニレン、ブテン-1,1-ジイル、ブタ-1,3-ジエン-1,1-ジイル、ブタ-2-エン-1,1-ジイル、ブタ-3-エン-1,1-ジイル、1-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、2-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-エチル-エテニレン、1,2-ジメチル-エテニレン、1-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペニレン、3-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペン-1,1-ジイル、及び2,2-ジメチル-エテン-1,1-ジイルからなる群から選択される。異なって示されない限り、該用語“アルケニレン”は、さらに置換されない基をいう。
【0036】
本明細書において用いられる場合には、“芳香族”は、共役π電子系を有する環又は環系を意味し、かつカルボシクリック芳香族基(例えば、フェニル)及びヘテロシクリック芳香族基(例えば、ピリジン)の双方を含む。該用語は、単環式又は縮合環の多環式(すなわち、隣接する対の原子を共有する環)基を含むが、ただし、該環系全体が芳香族である。
【0037】
本明細書において用いられる場合には、“アリール”は、その環骨格中に炭素のみを含有する芳香環又は芳香環系(すなわち、隣接する2個の炭素原子を共有する2個以上の縮合環)を意味する。該アリールが環系である場合には、該系中の各環は芳香族である。一部の実施態様において、該アリール基は、炭素原子6~18個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“アリール”の出現もカバーする。一部の実施態様において、該アリール基は、炭素原子6~10個を有する。該アリール基は、“C6-10アリール”、“C-C10アリール”、又は類似の名称として呼ばれてよい。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アズレニル、及びアントラセニルを含むが、しかしこれらに限定されない。一部の実施態様において、該用語“アリール”は、フェニルをいう。異なって示されない限り、該用語“アリール”は、さらに置換されない基をいう。
【0038】
本明細書において用いられる場合には、“アリールオキシ”及び“アリールチオ”は、それぞれ、式RO-及びRS-の部分を意味し、式中、Rは、上記に定義されるようなアリールであり、例えば“C6-10アリールオキシ”又は“C6-10アリールチオ”等を意味し、フェニルオキシ及びフェニルチオを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0039】
本明細書において用いられる場合には“アラルキル”又は“アリールアルキル”は、置換基として、アルキレン基を介して接続されるアリール基、例えば“C7-14アラルキル”等を意味し、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル等を含むが、しかしこれらに限定されない。一部の実施態様において、該アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1-4アルキレン基)である。
【0040】
本明細書において用いられる場合には、“ヘテロアリール”は、その環骨格中に1個以上のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素及び硫黄を含むが、しかしこれらに限定されない、炭素以外の元素を含有する、芳香環又は芳香環系(すなわち、隣接した2個の原子を共有する2個以上の縮合環)を意味する。該ヘテロアリールが環系である場合には、該系中の各環は芳香族である。一部の実施態様において、該ヘテロアリール基は、5~18個の環員(すなわち、その環骨格を構成する、炭素原子及びヘテロ原子を含む原子の数)を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“ヘテロアリール”の出現もカバーする。一部の実施態様において、該ヘテロアリール基は、5~10個の環員又は5~7個の環員を有する。該ヘテロアリール基は、“5~7員のヘテロアリール”、“5~10員のヘテロアリール”、又は類似の名称として呼ばれてよい。ヘテロアリール環の例は、フリル、チエニル、フタラジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、イソインドリル、及びベンゾチエニルを含むが、しかしこれらに限定されない。異なって示されない限り、該用語“ヘテロアリール”は、さらに置換されない基をいう。
【0041】
本明細書において用いられる場合には、“ヘテロアラルキル”又は“ヘテロアリールアルキル”は、置換基として、アルキレン基を介して接続されるヘテロアリール基を意味する。例は、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキルを含むが、しかしこれらに限定されない。一部の場合に、該アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1-4アルキレン基)である。
【0042】
本明細書において用いられる場合には、“カルボシクリル”は、その環系骨格中に炭素原子のみを含有する非芳香族のシクリック環又は環系を意味する。該カルボシクリルが環系である場合には、2個以上の環は、縮合された、橋かけされた又はスピロ接続された様式で一緒に結合されていてよい。カルボシクリルは、任意の飽和度を有していてよく、ただし、環系中の少なくとも1個の環は、芳香族ではない。したがって、カルボシクリルは、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルを含む。一部の実施態様において、該カルボシクリル基は、炭素原子3~20個を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“カルボシクリル”の出現もカバーする。該カルボシクリル基は、炭素原子3~10個を有する中級カルボシクリルであってもよい。該カルボシクリル基は、炭素原子3~6個を有するカルボシクリルでもあり得る。該カルボシクリル基は、“C3-6カルボシクリル”又は類似の名称として呼ばれてよい。カルボシクリル環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロ-インデン、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、及びスピロ[4.4]ノナニルを含むが、しかしこれらに限定されない。異なって示されない限り、該用語“カルボシクリル”は、さらに置換されない基をいう。
【0043】
本明細書において用いられる場合には、“(カルボシクリル)アルキル”は、置換基として、アルキレン基を介して接続されるカルボシクリル基、例えば“C4-10(カルボシクリル)アルキル”等を意味し、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルエチル、シクロプロピルイソプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル等を含むが、しかしこれらに限定されない。一部の場合に、該アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0044】
本明細書において用いられる場合には、“シクロアルキル”は、カルボシクリルについて上記に記載される実施態様のいずれかによる、全飽和のカルボシクリル環又は環系を意味する。例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含む。
【0045】
本明細書において用いられる場合には、“シクロアルケニル”は、その環系中の環が芳香族ではなく、かつカルボシクリルについて上記に記載される実施態様のいずれかによる、少なくとも1個の二重結合を有するカルボシクリル環又は環を意味する。一例は、シクロヘキセニルである。
【0046】
本明細書において用いられる場合には、“ヘテロシクリル”は、その環骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を含有する非芳香族のシクリック環又は環系を意味する。ヘテロシクリルは、縮合された、橋かけされた又スピロ接続された様式で一緒に結合されていてよい。ヘテロシクリルは、任意の飽和度を有していてよく、ただし、該環系中の少なくとも1個の環は、芳香族ではない。該(1個以上の)ヘテロ原子は、該環系中の非芳香族環又は芳香環のいずれか中に存在していてよい。一部の実施態様において、該ヘテロシクリル基は、3~20個の環員(すなわち、その環骨格を構成する、炭素原子及びヘテロ原子を含む原子の数)を有するけれども、本定義は、数値範囲が指定されない場合の用語“ヘテロシクリル”の出現もカバーする。該ヘテロシクリル基は、3~10個の環員を有する中級ヘテロシクリルであってもよい。該ヘテロシクリル基は、3~6個の環員を有するヘテロシクリルでもあり得る。該ヘテロシクリル基は、“3~6員のヘテロシクリル”又は類似の名称として呼ばれてよい。好ましい6員の単環式ヘテロシクリルにおいて、該(1個以上の)ヘテロ原子は、O、N又はSのうち1個から3個までから選択され、かつ好ましい5員の単環式ヘテロシクリルにおいて、該(1個以上の)ヘテロ原子は、O、N、又はSから選択される1又は2個のヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例は、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリジニル、及びテトラヒドロキノリンを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0047】
本明細書において用いられる場合には、“(ヘテロシクリル)アルキル”は、置換基として、アルキレン基を介して接続されるヘテロシクリル基を意味する。例は、イミダゾリニルメチル及びインドリニルエチルを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0048】
“アシル”基は、-C(=O)Rをいい、ここで、Rは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルである。限定されない例は、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルを含む。
【0049】
“O-カルボキシ”基は、“-OC(=O)R”基をいい、ここで、Rは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルから選択される。
【0050】
“C-カルボキシ”基は、“-C(=O)OR”基をいい、ここで、Rは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルから選択される。限定されない例は、カルボキシル(すなわち、-C(=O)OH)を含む。
【0051】
“シアノ”基は、“-CN”基をいう。
【0052】
“シアナト”基は、“-OCN”基をいう。
【0053】
“イソシアナト”基は、“-NCO”基をいう。
【0054】
“チオシアナト”基は、“-SCN”基をいう。
【0055】
“イソチオシアナト”基は、“-NCS”基をいう。
【0056】
“スルフィニル”基は、“-S(=O)R”基をいい、ここで、Rは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルから選択される。
【0057】
“スルホニル”基は、“-SOR”基をいい、ここで、Rは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルから選択される。
【0058】
“S-スルホンアミド”基は、“-SONR”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0059】
“N-スルホンアミド”基は、“-N(R)SO”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0060】
“O-カルバミル”基は、“-OC(=O)NR”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0061】
“N-カルバミル”基は、“-N(R)C(=O)OR”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0062】
“O-チオカルバミル”基は、“-OC(=S)NR”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0063】
“N-チオカルバミル”基は、“-N(R)C(=S)OR”基をいい、ここで、R及びRは本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0064】
“C-アミド”基は、“-C(=O)NR”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0065】
“N-アミド”基は、“-N(R)C(=O)R”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。
【0066】
“アミノ”基は、“-NR”基をいい、ここで、R及びRは、本明細書において定義されるような、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~10員のヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される。限定されない例は、遊離アミノ(すなわち、-NH)を含む。
【0067】
“アミノアルキル”基は、アルキレン基を介して接続されるアミノ基をいう。
【0068】
“アルコキシアルキル”基は、アルキレン基を介して接続されるアルコキシ基、例えば“C2-8アルコキシアルキル”等をいう。
【0069】
本明細書において用いられる場合には、置換された基は、1個以上の水素原子が別の原子又は基に交換されている非置換の母体基から誘導される。別段の指示がない限り、基が、“置換された”と見なされる場合に、該基が、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cヘテロアルキル、C-Cカルボシクリル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-C-カルボシクリル-C-C-アルキル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-C-C-アルキル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(C-C)アルキル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(C-C)アルキル(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C-Cアルコキシ、C-Cアルコキシ(C-C)アルキル(すなわち、エーテル)、アリールオキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-Cカルボシクリルオキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-オキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール-オキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-C-カルボシクリル-C-C-アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-C-C-アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(C-C)アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(C-C)アルコキシ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C-C)アルキル(例えば、-CF)、ハロ(C-C)アルコキシ(例えば、-OCF)、C-Cアルキルチオ、アリールチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-Cカルボシクリルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-チオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール-チオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、C-C-カルボシクリル-C-C-アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、3~10員のヘテロシクリル-C-C-アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アリール(C-C)アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、5~10員のヘテロアリール(C-C)アルキルチオ(ハロ、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、及びC-Cハロアルコキシで任意に置換される)、アミノ、アミノ(C-C)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルフィニル、スルホニル、及びオキソ(=O)から独立して選択される1個以上の置換基で置換されることを意味する。基が、“任意に置換される”と記載される場合にはいつでも、その基は、上記の置換基で置換されることができる。
【0070】
あるラジカル命名規則が、その文脈に応じて、モノラジカル又はジラジカルのいずれかを含むことができることが理解されるべきである。例えば、置換基が、該分子の残部への2個の連結点を必要とする場合に、該置換基がジラジカルであると理解される。例えば、2個の連結点を必要とするアルキルとして同定される置換基は、ジラジカル、例えば-CH-、-CHCH-、-CHCH(CH)CH-等を含む。他のラジカル命名規則は明らかに、該ラジカルが、ジラジカル、例えば“アルキレン”又は“アルケニレン”であることを示す。
【0071】
置換基が、ジラジカル(すなわち、該分子の残部への2個の連結点を有する)として表される場合にはいつでも、別段の指示がない限り、該置換基が、任意の方向配置で連結されることができると理解すべきである。したがって、例えば、-AE-又は
【化3】
として表される置換基は、該Aが、該分子の最も左の連結点で連結されるように配向される置換基並びにAが、該分子の最も右の連結点で連結される場合を含む。
【0072】
本明細書において“甘味料”、“甘味フレーバリング剤”、“甘味フレーバー実体”、又は“甘味化合物”は、対象において検出できる甘味フレーバーを誘発する化合物又はその摂取可能で許容される塩、例えば、T1R2/T1R3受容体をインビトロで活性化する化合物をいう。
【0073】
本明細書において用いられる場合には、単数形“a”、“an”及び“the”は、その文脈が明らかに他に規定しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、“置換基(a substituent)”への指示参照は、単数の置換基並びに2個以上の置換基等を包含する。
【0074】
本明細書において用いられる場合には、“例えば(for example, for instance, such as)”、又は“含む(including)”は、より一般的な対象をさらに明確にする例を導入することを意味する。別段のはっきりとした指示がない限り、そのような例は、本開示において説明される実施態様を理解するための補助としてのみ提供され、かついかなる様式でも限定することを意味するものではない。また、これらの語句は、開示される実施態様についてのいかなる種類の優先度も示さない。
【0075】
本明細書において用いられる場合には、“含んでなる(comprise又はcomprises又はcomprising又はcomprised of)”は、オープンである群をいい、該群が、はっきりと列挙されたものに加えて付加的な要素を包含することができることを意味する。例えば、語句、“Aを含んでなる”は、Aが存在しなければならないが、しかし他の要素が存在することもできることを意味する。用語“含む(include)”、“有する(have)”、及び“から構成される(composed of)”及びそれらの文法上の変体は、同じ意味を有する。対照的に、“からなる(consist of又はconsists of又はconsisting of)”は、クローズドである群をいう。例えば、語句“Aからなる”は、Aが、かつAのみが、存在することを意味する。
【0076】
本明細書において用いられる場合には、“任意に”は、続いて記載される(1つ以上の)事象が、起こってもよく、又は起こらなくてもいよいことを意味する。一部の実施態様において、任意の事象は起こらない。他の一部の実施態様において、任意の事象は、1回以上起こる。
【0077】
本明細書において用いられる場合には、“又は”は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、かつ又は/いずれか(either/or)の構成に限定されるべきではない。したがって、語句“A又はBを含んでなる”は、Aが存在していてよく、かつBが存在していなくてよく、又はBが存在し、かつAが存在せず、又はA及びBが双方とも存在することを意味する。さらに、Aが、例えば、複数の要素を有することができる部類を定義する、例えば、A及びAである場合には、該部類の1つ以上の要素は、同時に存在することができる。
【0078】
本明細書において用いられる場合には、単一の原子をのみを有するある一価の置換基は、該原子の名前によって呼んでもよい。例えば、一部の場合には、置換基“-H”は、“水素”と呼んでよく、又は置換基“-F”は、“フッ素”と呼んでよい。
【0079】
他の用語は、たとえこのサブセクションに含まれない場合でも、この説明の他の部分において定義される。
【0080】
T1R2/T1R3をモジュレーションする化合物
第1の態様において、本開示は、式(I):
【化4】
の化合物又はその塩を提供し、式中:
及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1-6アルキルであるか、又はR及びRはこれらが結合している炭素と一緒に、C3-7カルボシクリルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のRで置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、-C(=O)OR3A、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B、-C(=O)R3A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR3A3B、-NR3AC(=O)R3B、及びR3Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3AA、-(CHN(R3AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3BB、-(CHN(R3BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Cは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3AAは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3BBは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ1個以上のR3CCで任意に置換され;
それぞれR3CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
【0081】
それらの一部の実施態様において、該化合物は、式(Ia):
【化5】
の化合物又はその塩であり、式中、
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;
は、-CH-又は-CR-であり;
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;かつ
は、-CH-又は-CR-である。
【0082】
さらにそのような一部の実施態様において、Zは-CH-である。そのような他の一部の実施態様において、ZはN(窒素)である。一部のそのような実施態様において、Zは-CH-である。そのような他の一部の実施態様において、ZはN(窒素)である。さらにそのような一部の実施態様において、Z及びZのうち少なくとも1つは、-CR-である。
【0083】
第1の態様の前記の実施態様のうちのいずれかの一部の実施態様において、それぞれRは、ハロ、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B及びR3Cからなる群から独立して選択され;それぞれR3Aは、水素、及び(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;それぞれR3Bは、水素、(C-C)アルキル及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつそれぞれR3Cは、ヘテロサイクル及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される。
【0084】
基R及びRは、上記の実施態様に記載されるような、任意の適した値を有することができる。一部のさらなる実施態様において、R及びRは、水素である。他の一部の実施態様において、R及びRは、C1-6アルキルである。さらにそのような一部の実施態様において、R及びRはそれぞれ、メチル、エチル、及びイソプロピルからなる群から独立して選択される。さらにそのような一部の実施態様において、R及びRは双方ともメチルである。
【0085】
基Arは、上記の実施態様に記載されるような、任意の適した値を有することができる。一部の実施態様において、Arは、2-ピリジル、2-ピリミジニル、又は4-ピリミジニルであり、これらのそれぞれは、Rから独立して選択される置換基で1回以上任意に置換される。一部の実施態様において、Arは、2-ピリジル、2-ピリミジニル、又は4-ピリミジニルであり、これらのそれぞれは、C1-6アルキル、-NH-(C1-6アルキル)、-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)、ピロール-1-イル、ピロリジン-1-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾリジン-1-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾリジン-1-イル、オキサゾール-1-イル、オキサゾリジン-1-イル、チアゾール-1-イル、チアゾリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、モルホリン-4-イル、及びチオモルホリン-4-イルからなる群から独立して選択される置換基で1回以上任意に置換される。
【0086】
一部の実施態様において、Arは、非置換2-ピリジルである。
【0087】
一部の実施態様において、Arは、非置換2-ピリミジニルである。他の一部の実施態様において、Arは、C1-6アルキル、例えばメチルで1回以上置換された2-ピリミジニルである。
【0088】
一部の実施態様において、Arは、非置換4-ピリミジニルである。他の一部の実施態様において、Arは、イミダゾール-1-イル、ピラゾール-1-イル、ピロリジン-1-イル、モルホリン-4-イル、及び-NH-(C1-6アルキル)、-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、及び-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から選択される置換基で1回以上置換された4-ピリミジニルである。一部の実施態様において、Arは、Rにより2位で置換された4-ピリミジニルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-NH-(C1-6アルキル)、-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)、ピロール-1-イル、ピロリジン-1-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾリジン-1-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾリジン-1-イル、オキサゾール-1-イル、オキサゾリジン-1-イル、チアゾール-1-イル、チアゾリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、モルホリン-4-イル、又はチオモルホリン-4-イルにより2位で置換された4-ピリミジニルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、イミダゾール-1-イル、ピラゾール-1-イル、ピロリジン-1-イル、モルホリン-4-イル、-NH-(C1-6アルキル)、-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、又は-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)により2位で置換された4-ピリミジニルである。
【0089】
一部のさらなる実施態様において、化合物は、100、101、102、103、200、201、202、203、204、205、206、207、又は208として同定される化合物、又はその摂取可能で許容される塩である。
【0090】
もう一つの態様において、本開示は、式(II):
【化6】
の化合物又はその塩を提供し、式中:
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4で置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、-C(=O)OR4A、-NR4A(CHOR4B、-NR3A(CH4B、-(CHOR4B、-(CH4B、-C(=O)R4A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR4A4B、-NR4AC(=O)R4B、及びR4Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CHOH、-(CH4AA、-(CHOR4AA、-(CHN(R4AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され、R4A中の前記ヘテロサイクル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ任意に1個以上の(C-C)アルキル又はC3-7カルボシクリルで置換され;
それぞれR4Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CHOH、-(CH4BB、-(CHOR4BB、-(CHN(R4BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Cは、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4AAは、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4BBは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれmは独立して、0、1、2、及び3から選択される整数であり;
それぞれnは独立して、0、1、2及び3から選択される整数であり;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
【0091】
その一部の実施態様において、該化合物は、式(IIa):
【化7】
の化合物又はその塩であり、式中、
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;
は、-CH-又は-CR-であり;
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;かつ
は、-CH-又は-CR-である。
【0092】
一部のそのような実施態様において、Zは-CH-である。そのような他の一部の実施態様において、ZはN(窒素)である。一部のそのような実施態様において、Z、Z及びZのうち少なくとも1つは、-CR-である。
【0093】
本態様の前記の実施態様のうちのいずれかの一部のさらなる実施態様において、それぞれRは、ハロ、-NR4A(CHOR4B、-NR4A(CH4B、-(CHOR4B、-(CH4B及びR4Cからなる群から独立して選択され;それぞれR4Aは、水素及び(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;それぞれR4Bは、水素、(C-C)アルキル及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつそれぞれR4Cは、ヘテロサイクル及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される。
【0094】
本態様の前記の実施態様のうちのいずれかの一部のさらなる実施態様において、それぞれRは、-C(=O)OR4A、-C(=O)NR4A4B、及び-C(=O)R4Aからなる群から独立して選択され;それぞれR4Aは、水素、-(CHOH、-(CH4AA、-(CHOR4AA、-(CHN(R4AA、アリール、ヘテロアリール、(C-C)アルキル、ヘテロサイクル、及び1個以上の(C-C)アルキルで置換されたヘテロサイクルからなる群から独立して選択され;それぞれR4Bは、水素、(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつそれぞれR4Cは、ヘテロサイクル及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される。
【0095】
本態様の前記の実施態様のうちのいずれかの一部のさらなる実施態様において、それぞれR4AAは、水素、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、ヘテロサイクル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される。
【0096】
変数m及びnは、上記に記載される実施態様に従って、任意の適した値を有することができる。一部のさらなる実施態様において、mは、1又は2である。一部のさらなる実施態様において、mは2である。一部の実施態様において、nは1である。一部のさらなる実施態様において、mは2であり、かつnは1である。
【0097】
基Arは、上記の実施態様に記載されるような、任意の適した値を有することができる。一部の実施態様において、Arは、2-ピリジル又は2-ピリミジニルであり、これらのそれぞれは、Rから独立して選択される置換基により1回以上任意に置換される。一部の実施態様において、Arは、2-ピリジル又は2-ピリミジニルであり、これらのそれぞれは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、C1-6アルコキシ、-C(O)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C3-10シクロアルキル)、-C(O)-(ピロリジン-1-イル)、-C(O)-(ピペリジン-1-イル)、-C(O)-(モルホリン-4-イル)、-C(O)-(チオモルホリン-4-イル)、-C(O)-(ピペラジン-1-イル)、-C(O)-[4-(C1-6アルキル)-ピペラジン-1-イル)、及び-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から独立して選択される置換基により1回以上任意に置換される。
【0098】
一部の実施態様において、Arは、非置換である2-ピリミジニルである。他の一部の実施態様において、Arは、Rから独立して選択される置換基により1回又は2回置換された2-ピリミジニルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、C1-6アルコキシ、-C(O)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C3-10シクロアルキル)、-C(O)-(ピロリジン-1-イル)、-C(O)-(ピペリジン-1-イル)、-C(O)-(モルホリン-4-イル)、-C(O)-(チオモルホリン-4-イル)、-C(O)-(ピペラジン-1-イル)、-C(O)-[4-(C1-6アルキル)-ピペラジン-1-イル)、及び-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から独立して選択される置換基により1回又は2回置換された2-ピリミジニルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、及びC1-6アルコキシからなる群から独立して選択される置換基により1回又は2回置換された2-ピリミジニルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、メチル、-C(O)OH、フッ素、及びメトキシからなる群から独立して選択される置換基により1回又は2回置換された2-ピリミジニルである。
【0099】
一部の実施態様において、Arは、非置換である2-ピリジルである。他の一部の実施態様において、Arは、Rから独立して選択される置換基により1回以上置換された2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、C1-6アルコキシ、-C(O)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C3-10シクロアルキル)、-C(O)-(ピロリジン-1-イル)、-C(O)-(ピペリジン-1-イル)、-C(O)-(モルホリン-4-イル)、-C(O)-(チオモルホリン-4-イル)、-C(O)-(ピペラジン-1-イル)、-C(O)-[4-(C1-6アルキル)-ピペラジン-1-イル)、及び-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から独立して選択される置換基により1回又は2回置換される2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、Rから選択される置換基により6位で置換された2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、C1-6アルコキシ、-C(O)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C3-10シクロアルキル)、-C(O)-(ピロリジン-1-イル)、-C(O)-(ピペリジン-1-イル)、-C(O)-(モルホリン-4-イル)、-C(O)-(チオモルホリン-4-イル)、-C(O)-(ピペラジン-1-イル)、-C(O)-[4-(C1-6アルキル)-ピペラジン-1-イル)、及び-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から選択される置換基により6位で置換された2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、Rから選択される置換基により5位で置換された2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、C1-6アルコキシ、-C(O)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C3-10シクロアルキル)、-C(O)-(ピロリジン-1-イル)、-C(O)-(ピペリジン-1-イル)、-C(O)-(モルホリン-4-イル)、-C(O)-(チオモルホリン-4-イル)、-C(O)-(ピペラジン-1-イル)、-C(O)-[4-(C1-6アルキル)-ピペラジン-1-イル)、及び-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から選択される置換基により5位で置換された2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、Rから選択される置換基により4位で置換された2-ピリジルである。一部のさらなる実施態様において、Arは、C1-6アルキル、-C(O)OH、フッ素、C1-6アルコキシ、-C(O)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-OH、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-NH-(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-N(C1-6アルキル)、-C(O)-NH-(C3-10シクロアルキル)、-C(O)-(ピロリジン-1-イル)、-C(O)-(ピペリジン-1-イル)、-C(O)-(モルホリン-4-イル)、-C(O)-(チオモルホリン-4-イル)、-C(O)-(ピペラジン-1-イル)、-C(O)-[4-(C1-6アルキル)-ピペラジン-1-イル)、及び-C(O)-NH-(C1-6アルキレン)-(C3-10シクロアルキル)からなる群から選択される置換基により4位で置換された2-ピリジルである。
【0100】
一部のさらなる実施態様において、該化合物は、104、105、300、301、302、303、304、305、306、307、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618として同定される化合物、又はそれらの摂取可能で許容される塩である。
【0101】
本明細書に開示される化合物が、少なくとも1個のキラル中心を有する場合には、それらは、個々のエナンチオマー及びジアステレオマーとして又はラセミ化合物を含む、そのような異性体の混合物として存在していてよい。前記の個々の異性体の分離又は前記の個々の異性体の選択合成は、当業者に周知である多様な方法の適用により達成される。別段の指示がない限り(例えば、キラル中心の立体化学が明示的に示されている場合)、全てのそのような異性体及びそれらの混合物は、本明細書に開示される化合物の範囲内に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物は、1種以上の結晶質又は非晶質の形で存在していてよい。別段の指示がない限り、全てのそのような形は、あらゆる多形を含め、本明細書に開示される化合物の範囲内に含まれる。そのうえ、本明細書に開示される化合物の一部は、水との溶媒和物(すなわち、水和物)又は普通有機溶剤との溶媒和物を形成してよい。別段の指示がない限り、そのような溶媒和物は、本明細書に開示される化合物の範囲内に含まれる。
【0102】
当業者は、本明細書に記載される一部の構造が、速度論的な場合でも他の化学構造により適切に表され得る化合物の共鳴形又は互変異性体であってよいことを認識し;当業者は、そのような構造が、そのような(1種以上の)化合物の極めて少ない部分のサンプルのみを表し得ることを認識する。そのような化合物は、そのような共鳴形又は互変異性体が本明細書に表されなくとも、表される構造の範囲内とみなされる。
【0103】
同位体は、記載された化合物中に存在していてよい。化合物構造中に表されるようなそれぞれの化学元素は、前記元素のあらゆる同位体を含んでいていてよい。例えば、化合物構造中に、水素原子は、明示的に開示され得るか又は該化合物中に存在すると理解され得る。水素原子が存在していてよい化合物のあらゆる位置で、該水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(ジュウテリウム)を含むが、しかしこれらに限定されない水素のあらゆる同位体であってよい。したがって、その文脈が明らかに他に規定しない限り、化合物への本明細書における指示参照は、全ての潜在的な同位体形を包含する。
【0104】
一部の実施態様において、本明細書に開示される化合物は、アミノ基及び/又はカルボキシル基又はそれに類似した基の存在により酸及び/又は塩基の塩を形成することができる。生理学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸で形成されることができる。塩を誘導することができる無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等を含む。塩を誘導することができる有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等を含む。生理学的に許容される塩は、無機塩基及び有機塩基を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等を含有する塩基を含み;特に好ましいのは、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩である。一部の実施態様において、無機塩基での本明細書に開示される化合物の処理は、該化合物から不安定な水素を失うことになり、無機カチオン、例えばLi、Na、K、Mg2+及びCa2+等を含む塩形を生じる。塩を誘導することができる有機塩基は、例えば、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等、とりわけ、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。
【0105】
甘味料
甘味料は、幅広い範囲の化学的に別個の構造を有し、ひいては色々な特性、例えば、限定するものではないが、臭気、フレーバー、口あたり、及びあと味を持つ。
【0106】
少なくとも一態様において、本開示は、T1R2/T1R3モジュレーター(上記に記載された実施態様のいずれかの、又は第1表~第6表の個々のあらゆる化合物として、又はそれらの組合せ)と、1種以上の甘味料、例えば天然又は人工甘味料とを含んでなる配合物を提供する。一部のそのような実施態様において、該配合物は、本明細書に開示されるT1R2/T1R3モジュレーター単独で又はなしで使用される場合に、最適な甘味の濃度を下回る濃度で前記の1種以上の甘味料を含んでなる。
【0107】
適したあらゆる天然又は人工甘味料、又はそれらのあらゆる組合せが使用されてよい。甘味料を、フレーバーエンハンサー(すなわち、本明細書に開示されるT1R2/T1R3モジュレーター)と組み合わせて含んでなる該配合物において使用するための天然又は人工甘味料は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類を含め、かつ希少糖又はD-又はL-配座のいずれかの糖類を含め、天然又は合成の炭水化物又は炭水化物類似体を含むが、しかしこれらに限定するものではなく、かつ、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、L-アラビノース、L-フコース、L-グルコース、L-リボース、D-アラビノ-ヘキスロース、プシコース、アルトロース、アラビノース、ツラノース、アベクオース、アロース、アブルソシドA、アルドトリオース、トレオース、キシロース、キシルロース、キシロオリゴ糖(例えばキシロトリオース及びキシロビオース)、リキソース、ポリデキストロース、オリゴフルクトース、フコース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトサミン、ガラクトース、ゲンチオオリゴ糖(例えばゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、及びゲンチオテトラオース)、デキストロース、セロビオース、D-ロイクロース、D-プシコース、D-リボース、D-タガトース、トレハロース(ミコース)、ネオトレハロース、イソトレハロース、ラフィノース、イドース、タガトース、メリビオース、マンナンオリゴ糖、ラムノース、リボース、リブロース、マルトオリゴ糖(例えばマルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、及びマルトヘプタオース)、マルトース、イソ酪酸酢酸スクロース、デキストロース、エリトロース、エリトルロース、デオキシリボース、グロース、ケトトリオース、ラクトース、ラクツロース、ケストース、ニストース、マンノース、スクラロース、パラチノース、ポリデキストロース、ソルボース、砂糖デキストロース(混合糖)、又はタロース、又は上記の甘味料の任意の2種以上の組合せを含む。
【0108】
該甘味料は、例えば、1種以上の天然又は合成の炭水化物、例えばコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトースコーンシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン水解物(HSH)、又は天然果実及び野菜源に由来する他のシロップ又は甘味料濃縮物、又は半合成“糖アルコール”甘味料、例えばポリオールを含んでなる甘味料組成物を含むこともできる。一部の実施態様におけるポリオールの限定されない例は、エリトリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルト-オリゴ糖類、還元キシロオリゴ糖類、還元ゲンチオオリゴ糖類、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリン等、及び糖アルコール又は他のあらゆる炭水化物又はそれらの組合せを含み、味覚に不利な影響を及ぼさずに低下されることができる。
【0109】
該甘味料は、天然甘味料又は合成甘味料であってよく、これらは、アガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、甘酒、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツクリスタル、ココナッツシュガー、ココナッツシロップ、デーツシュガー、フルクタン(イヌリン繊維、フルクト-オリゴ糖類、又はオリゴ-フルクトースとも呼ばれる)、グリーンステビア粉末、ステビア(stevia rebaudiana)、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドM及び他の甘味ステビア系グリコシド、ステビオシド、ステビオシド抽出物、ハチミツ、キクイモシロップ、カンゾウ根、羅漢果(果実、粉末、又は抽出物)、ルクモ(果実、粉末、又は抽出物)、メープル樹液(例えば、サトウカエデ(Acer saccharum)、アケル・ニグルム(Acer nigrum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)、ヨーロッパカエデ(Acer platanoides)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、アケル・グランデイデンタッム(Acer grandidentatum)、アケル・グラブルム(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液を含む)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミ樹液(例えば、パタグルミ(Juglans cinerea)、クロクルミ(Juglans nigra)、ユグランス・アイラティフォリア(Juglans ailatifolia)、ペルシャグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液を含む)、カバ樹液(例えば、アメリカシラカンバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、アメリカミズメ(Betula lenta)、アメリカカンバ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、シダレカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液を含む)、シカモア樹液(例えば、アメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液など)、アイアンウッド樹液(例えば、アメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液など)、マスコバド、モラセス(例えば、廃糖みつなど)、モラセス糖、モナチン、モネリン、甘蔗糖(天然糖、未精製甘蔗糖、又はスクロースとも呼ばれる)、パームシュガー、パノチャ、ピロンシージョ、ラパデュラ、粗糖、ライスシロップ、もろこし、もろこしシロップ、カッサバシロップ(タピオカシロップとも呼ばれる)、タウマチン、ヤーコン根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、ビート糖、甘蔗糖、結晶質ジュースクリスタル、キャラメル、カルビトール、カロブシロップ、キャスターシュガー、水素化デンプン水解物、加水分解サトウキビ汁、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロペ(arrope)、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムK又はace-Kとも呼ばれる)、アリテーム(aclameとも呼ばれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナダーム(bernadame)、カンデレル、カレラーム(carrelame)及び他のグアニジン系甘味料、野菜繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラミン酸塩、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化麦芽、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン(emulin)、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノ-ラクトン、グルコサミン、グルコロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン(glycyphillin)、グリシルリチン、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンズルシン、異性化液糖、ジャラブ、チコリー根食物繊維、キヌレニン誘導体(N′-ホルミル-キヌレニン、N′-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンを含む)、ガラクチトール、リテッセ(Litesse)、ロジカーン(LoGiCane)、リカシン(Lycasin)、ラグドゥネーム、グアニジン、ファラナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソーブ(Maltisorb)、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えば、モグロシドIV、モグロシドV、及びネオモグロシドを含む)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ(Norbu)、オルジェーシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシドI、フロロジジン、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、製糖シロップ、ラブ(rub)シロップ、ルブソシド、セリゲアインA、シュグル(Shugr)、シアメノシドI、羅漢果(siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、スプレンダ(Splenda)、SRIオキシムV、ステビオールグリコシド、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2、及び4、スクロン酸、スクロノネート、砂糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、トリークル、トリロブタイン(trilobtain)、トリプトファン及び誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、カバシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリン(Assugrin)、及びそれらの任意の2以上の組合せ又はブレンドを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0110】
さらに他の実施態様において、該甘味料は、化学的又は酵素的に修飾された天然の高感度甘味料であってよい。修飾された天然の高感度甘味料は、グリコシル化された天然の高感度甘味料、例えばグリコシド残基1~50個を含有するグルコシル、ガラクトシル、又はフルクトシル誘導体を含む。グリコシル化された天然の高感度甘味料は、グリコシル基転移活性を持つ多様な酵素により触媒される酵素的グリコシル基転移反応により調製されてよい。一部の実施態様において、前記の修飾された甘味料は、置換又は非置換であることができる。
【0111】
付加的な甘味料は、上記の甘味料のいずれかのうち任意の2種以上の組合せも含む。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2、3、4又は5種の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。
【0112】
当業者は、上記の甘味料のいずれかのうち任意の1種以上が、多様な比、量、又は濃度で組み合わされて、甘味料単独又は2種以上の甘味料の組合せを得ることができ、ついで、1種以上のフレーバーを変更する化合物と組み合わされることを認識する。
【0113】
当業者は、1種以上の甘味料と、1種以上のフレーバーを変更する化合物とを含んでなる配合物における使用のための上記の甘味料が、一例として提供され、かつ限定することを意図するものではないことを認識する。
【0114】
摂取可能な組成物
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、例えば、化学感覚の又は化学感覚に関係した感覚又は反応に関連する受容体機能を変更する、1以上の方法に使用することができる。一部の実施態様は、化学感覚受容体の活性、構造、機能、及び/又は修飾をモジュレーションすること、並びに化学感覚受容体に関連した状態、例えば、生理学又は病理学的な状態をモジュレーションすること、処置すること、又は予防措置を取ることを含む、化学感覚受容体をモジュレーションする方法を提供する。一般に、化学感覚受容体と関連した生理学又は病理学的な状態は、該化学感覚受容体及び/又はそのリガンドと関連した条件、疾患、又は障害、例えば;胃腸障害、代謝異常、機能性胃腸障害等を含む。一実施態様において、該方法は、甘味フレーバーを増加又は増強することを含む。別の実施態様において、該方法は、味蕾以外の体、例えば内臓の場所で発現される甘味受容体及び/又はそのリガンドをモジュレーションすることを含む。
【0115】
一般に、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、組成物、例えば、摂取可能な組成物などにおいて提供されることができる。一実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、より砂糖のような一時的なプロファイル及び/又はフレーバープロファイルを、甘味料組成物に、本明細書に開示及び記載されるような化合物のうち1種以上を1種以上の甘味料と該甘味料組成物において組み合わせることにより、付与することができる。別の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、組成物の甘味の味覚を、その組成物を、本明細書に開示及び記載されるような化合物と接触させて、変更された組成物を形成することにより、増加又は増強することができる。別の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、味蕾以外の体において発現される該甘味受容体及び/又はそれらのリガンドをモジュレーションする組成物中にあることができる。
【0116】
一部の実施態様は、式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)のうちいずれか1種の化合物と、甘味料とを含んでなる、摂取可能な組成物を提供する。一部の実施態様において、該組成物はさらに、ビヒクルを含んでなる。一部の実施態様において、該ビヒクルは水である。一部の実施態様において、該化合物は、その甘味認知閾又はそれを下回る濃度で存在していてよい。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約12質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.2質量%~約10質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.3質量%~約8質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.4質量%~約6質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.5質量%~約5質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約1質量%~約2質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約5質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約4質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約3質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約2質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約1質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.1質量%~約0.5質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約0.5質量%~約10質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、約2質量%~約8質量%の量で存在する。一部の実施態様において、該甘味料は、普通糖甘味料、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、及び天然糖を含んでなる甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)又は天然の果実及び野菜源に由来する他のシロップ又は甘味料濃縮物;D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、及びD-ロイクロースを含む希少天然糖;半合成“糖アルコール”甘味料、例えばエリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン等;及び人工甘味料、例えば アスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラミン酸塩、スクラロース、及びアリテームであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテーム及び他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン水解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA及び他の甘味ステビア系グリコシド、カレラーム(carrelame)及び他のグアニジン系甘味料からなる群から選択されてよい。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2種以上の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2、3、4又は5種の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖である。一部の実施態様において、該砂糖は甘蔗糖である。一部の実施態様において、該砂糖はビート糖である。一部の実施態様において、該砂糖は、スクロース、フルクトース、グルコース又はそれらの組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖はスクロースであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトースとグルコースとの組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約55%とグルコース約42%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約42%とグルコース約53%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約90%とグルコース約10%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は希少糖であってよい。一部の実施態様において、該希少糖は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース及びそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施態様において、該希少糖はD-プシコースである。一部の実施態様において、該希少糖はD-タガトースである。一部の実施態様において、該甘味料は人工甘味料である。一部の実施態様において、該人工甘味料はスクラロースであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、レバウジオシドA又は他の甘味ステビア系グリコシド、例えばグルコシル化ステビオールグリコシドである。
【0117】
一部の実施態様において、摂取可能な組成物は、飲料であってよい。一部の実施態様において、該飲料は、強化された発泡性飲料、コーラ、レモン-ライム味発泡性飲料、オレンジ味の発泡性飲料、グレープ味の発泡性飲料、ストロベリー味の発泡性飲料、パイナップル味の発泡性飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツ味のジュース、ジュース飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜味のジュース、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化された水飲料、ビタミンで強化された水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、茶系飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含有する飲料、穀物抽出物を含有する飲料及びスムージーからなる群から選択されていてよい。一部の実施態様において、該飲料はソフトドリンクであってよい。
【0118】
一部の実施態様において、本明細書に記載されるような1種以上の化合物及び本明細書に記載されるような1種以上の甘味料は、食品又は飲料製品中に含まれていてよく、ここで、該食品又は飲料製品は、付加的に次のものを含んでなることができる:
酸、例えばクエン酸、リン酸、アスコルビン酸、酸性硫酸ナトリウム、乳酸、又は酒石酸を含む;
苦味成分、例えばカフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、ホエータンパク質分離物、又は塩化カリウムを含む;
着色料、例えばカラメル色素、赤色40号、黄色5号、黄色6号、青色1号、赤色3号、紫人参、黒人参汁、紫サツマイモ、野菜ジュース、果汁、ベータカロテン、ウコンのクルクミン、又は二酸化チタンを含む;
防腐剤、例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、メタ重硫酸ナトリウム、ソルビン酸、又は安息香酸を含む;
酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、αトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、グレープシード抽出物、レスベラトロール、又はヘキサメタリン酸ナトリウムを含む;
ビタミン又は機能性成分、例えばレスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーゾル(Fibersol)、イヌリン(チコリー根)、タウリン、チョウセンニンジン(Panax ginseng)抽出物、ガラナ抽出物、ショウガ抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-タルトレート、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア(Echinacea)、イチョウ(Gingko biloba)、イェルバ・マテ、亜麻仁油、ガルシニア・カンボジア(Garcinia cambogia)果皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、グレープシード抽出物、ピリドキシンHCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸銅(II)、葉酸、ピロリン酸鉄(III)、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チアミン硝酸塩、ビタミンD3、ビタミンAパルミテート、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、又は硫酸亜鉛を含む;
クラウディング剤、例えばエステルガム、臭素化植物油(BVO)、又はイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む;
緩衝剤、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、又は塩を含む;
フレーバー、例えばプロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアゴム(gum acacia)、マルトデキストリン、加工コーンスターチ、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを有する天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然及び人工フレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、又はリン酸三カルシウムを含む;及び
安定剤、例えばペクチン、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼインナトリウム、加工食品デンプン、アラビアゴム(gum acacia)、又はカラギーナンを含む。
【0119】
一部の実施態様は、甘味料の甘味を増強する方法を提供し、前記方法は、式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)のいずれか1種の化合物を、該甘味料と組み合わせることを含んでなる。一部の実施態様において、該甘味料は、普通糖甘味料、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、及び天然糖を含んでなる甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)又は天然の果実及び野菜源に由来する他のシロップ又は甘味料濃縮物;D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、及びD-ロイクロースを含む希少天然糖;半合成“糖アルコール”甘味料、例えばエリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン等;及び人工甘味料、例えばアスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラミン酸塩、スクラロース、及びアリテームであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテーム及び他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン水解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA及び他の甘味ステビア系グリコシド、カレラーム(carrelame)及び他のグアニジン系甘味料からなる群から選択されてよい。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2種以上の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2、3、4又は5種の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖である。一部の実施態様において、該砂糖は甘蔗糖である。一部の実施態様において、該砂糖はビート糖である。一部の実施態様において、該砂糖は、スクロース、フルクトース、グルコース又はそれらの組合せ(例えば、高フルクトースコーンシロップ)であってよい。一部の実施態様において、該砂糖はスクロースであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトースとグルコースとの組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約55%とグルコース約42%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約42%とグルコース約53%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約90%とグルコース約10%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は希少糖であってよい。一部の実施態様において、該希少糖は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース及びそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施態様において、希少糖はD-プシコースである。一部の実施態様において、該希少糖はD-タガトースである。一部の実施態様において、該甘味料は人工甘味料である。一部の実施態様において、該人工甘味料はスクラロースであってよい。
【0120】
一実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、そのリガンドを増強する濃度、例えば、数ppmのオーダーの極めて低い濃度で、1種以上の公知の、天然又は人工の甘味料と組み合わせて、使用して、所望の甘味度を有する摂取可能な組成物を調製するのに必要とされる公知の甘味料の濃度を低下させることができる。
【0121】
一実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、幅広い範囲のpH下で、例えば、より低いpHから中性のpHまでで、甘味料の甘味を増強することができる。前記のより低い及び中性のpHは、約2.5~約8.5;約3.0~約8.0;約3.5~約7.5;及び約4.0~約7のpHを含むが、しかしこれらに限定されない。ある実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、低いないし中性のpH値の双方で約50μM、40μM、30μM、20μM、又は10μMの化合物濃度での味覚試験において、固定された濃度の甘味料の知覚される甘味を増強することができる。ある実施態様において、前記のより低いpHで、個々にか又は組み合わせて、本明細書に開示及び記載されるような化合物の増強因子は、中性のpHでの該化合物の増強因子に実質的に類似している。幅広い範囲のpH下でのそのような一貫した甘味を増強する特性は、個々にか又は組み合わせて、本明細書に開示及び記載されるような化合物の多種多様な食品及び飲料における幅広い使用を可能にする。一部の実施態様において、該甘味料は、普通糖甘味料、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、及び天然糖を含んでなる甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)又は天然の果実及び野菜源に由来する他のシロップ又は甘味料濃縮物;D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、及びD-ロイクロースを含む希少天然糖;半合成“糖アルコール”甘味料、例えばエリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン等;及び人工甘味料、例えばアスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラミン酸塩、スクラロース、及びアリテームであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテーム及び他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン水解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA及び他の甘味ステビア系グリコシド、カレラーム(carrelame)及び他のグアニジン系甘味料からなる群から選択されてよい。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2種以上の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2、3、4又は5種の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該砂糖は甘蔗糖である。一部の実施態様において、該砂糖はビート糖である。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、スクロース、フルクトース、グルコース又はそれらの組合せ(例えば、高フルクトースコーンシロップ)であってよい。一部の実施態様において、該砂糖はスクロースであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトースとグルコースとの組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約55%とグルコース約42%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約42%とグルコース約53%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約90%とグルコース約10%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は希少糖であってよい。一部の実施態様において、該希少糖は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース及びそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施態様において、該希少糖はD-プシコースである。一部の実施態様において、該希少糖はD-タガトースである。一部の実施態様において、該甘味料は人工甘味料である。一部の実施態様において、該人工甘味料はスクラロースである。
【0122】
一部の実施態様は、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて含む、サプリメント、ニュートラシューティカル、機能性食品(例えば、栄養素を補給する基本的な栄養機能を越える健康を増進する及び/又は疾患を予防する特性を有することをうたったあらゆる生鮮又は加工食品)、薬剤学的製品、オーバー・ザ・カウンター(OTC)製品、口腔ケア製品、化粧用製品、例えば甘味を付けたリップバーム、及び他のパーソナルケア製品を提供する。
【0123】
一般に、オーバー・ザ・カウンター(OTC)製品及び口腔ケア製品は一般に、処方箋なし及び/又は医療専門家の診察なしで販売されてよいハウスホールド及び/又はパーソナルユース用の製品をいう。該OTC製品の例は、ビタミン及びダイエタリーサプリメント;局所鎮痛薬及び/又は麻酔薬;咳、風邪及びアレルギー治療薬;抗ヒスタミン薬及び/又はアレルギー治療薬;及びそれらの組合せを含むが、しかしこれらに限定されない。ビタミン及びダイエタリーサプリメントは、ビタミン、ダイエタリーサプリメント、トニック/瓶入りの栄養飲料、子供用のビタミン、ダイエタリーサプリメント、栄養の又は栄養に関係する又は栄養を提供する他のあらゆる製品、及びそれらの組合せを含むが、しかしこれらに限定されない。局所鎮痛薬及び/又は麻酔薬は、表面又は深在性のうずき及び痛み、例えば筋肉痛を緩和するのに使用されるあらゆる局所クリーム/軟膏/ゲル;ティーシングゲル;鎮痛性成分を有するパッチ;及びそれらの組合せを含む。咳、風邪及びアレルギー治療薬は、うっ血除去薬、咳治療薬、咽頭用製剤、薬用菓子類、抗ヒスタミン薬及び子供用の咳、風邪及びアレルギー治療薬;及び組合せ製品を含むが、しかしこれらに限定されない。抗ヒスタミン薬及び/又はアレルギー治療薬は、花粉症、鼻アレルギー、昆虫刺咬症用のあらゆる全身的処置を含むが、しかしこれらに限定されない。口腔ケア製品の例は、マウスクリーニングストリップ、歯磨き粉、歯ブラシ、マウスウォッシュ/デンタルリンス、義歯ケア、マウスフレッシュナー、家庭用歯ホワイトニング剤、歯磨剤、及びデンタルフロスを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0124】
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、食品又は飲料製品又は配合物中に含まれていてよい。食品及び飲料製品又は配合物の例は、摂取可能な製品用のスイートコーティング、アイシング、又はグレーズ又はスープカテゴリー、乾燥加工食品カテゴリー、飲料カテゴリー、レディミールカテゴリー、缶詰又は保存食品カテゴリー、冷凍加工食品カテゴリー、チルド加工食品 カテゴリー、スナック食品カテゴリー、ベーカリー食品カテゴリー、菓子類カテゴリー、酪農製品カテゴリー、アイスクリームカテゴリー、ミールリプレイスメントカテゴリー、パスタ及び麺カテゴリー、及びソース、ドレッシング、調味料カテゴリー、ベビーフードカテゴリー、及び/又はスプレッドカテゴリーに含まれるあらゆる実体を包含するが、しかしこれらに限定されない。
【0125】
一般に、該スープカテゴリーは、缶詰/保存、脱水、インスタント、チルド、UHT及び冷凍のスープをいう。この定義のためには、(1種以上の)スープは、肉、家禽肉、魚、野菜、穀類、果実及び他の成分から調製され、これらの成分のうち一部又は全ての目に見える断片を含んでいてよい液体中に調理された食品を意味する。これは、澄明(ブロスとして)又は濃厚(チャウダーとして)、滑らか、裏ごしした又はチャンキー、調理済、半濃縮又は濃縮であってよく、かつホット又はコールドで、食事の最初のコースとして又はメインコースとして又は食間のスナックとして(飲料のように少しずつ飲まれる)、供されてよい。スープは、他のミール成分を調製するための成分として使用されてよく、かつブロス(コンソメ)からソース(クリーム又はチーズをベースとするスープ)までにわたっていてよい。
【0126】
脱水及びカリナリー食品カテゴリーは通常、次のものを意味する:(i)調理補助製品、例えば:粉末、顆粒、ペースト、濃縮された液体製品、濃縮ブイヨン、プレスしたキューブ中のブイヨン及びブイヨンのような製品、タブレット又は粉末又は顆粒化された形、これらは完成した製品として又は製品内の成分として別個に販売される、ソース及びレシピミックス(技術にかかわらず)を含む;(ii)ミールソリューション製品、例えば:脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水半調理済スープを含む脱水及び凍結乾燥スープ、パスタ、ジャガイモ及びライスディッシュを含むレディメードディッシュ、ミール及びシングルサーブアントレの脱水又は周囲調製物;及び(iii)ミールエンベリッシュメント製品、例えば:調味料、マリネード、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バッターミックス、貯蔵安定なスプレッド、バーベキューソース、サラダ用のレシピミックスを含む液体レシピミックス、濃縮物、ソース又はソースミックス、脱水、液体又は冷凍のいずれかで、完成した製品として又は製品内の成分として販売される。
【0127】
該飲料カテゴリーは通常、飲料、飲料ミックス及び濃縮物を意味し、炭酸飲料及び無炭酸飲料、アルコール性飲料及び非アルコール性飲料、レディ・トゥ・ドリンク飲料、飲料、例えばソーダを調製するための液体濃縮物配合物、及びドライ粉末状飲料前駆ミックスを含むが、しかしこれらに限定されない。該飲料カテゴリーは、該アルコール性飲料、該ソフトドリンク、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、及びホットドリンクも含む。該アルコール性飲料は、ビール、シードル/ペリー、FAB、ワイン、及びスピリットを含むが、しかしこれらに限定されない。該ソフトドリンクは、炭酸、例えばコーラ及び非コーラ炭酸;果汁、例えばジュース、ネクター、ジュース飲料及び果実味の飲料;発泡水、湧水及び精製/食卓用水を含む、ボトル入り飲料水;炭酸又は無炭酸であってよく、かつスポーツ、エネルギー又はエリキシル飲料を含む、機能性飲料;濃縮物、例えばレディ・トゥ・ドリンク手法における液体及び粉末濃縮物を含むが、しかしこれらに限定されない。該飲料は、ホット又はコールドのいずれかで、コーヒー又はアイスコーヒー、例えばフレッシュ、インスタント、及び組み合わされたコーヒー;ティー又はアイスティー、例えば黒茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、及びフレーバーティー;及び乳又は水と混合され、フレーバー、麦芽又は植物をベースとする粉末、顆粒、ブロック又はタブレットを含む他の飲料を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0128】
該スナック食品カテゴリーは一般に、気軽な食事であってよいあらゆる食品をいい、スイート及びセイボリースナック及びスナックバーを含むが、しかしこれらに限定されない。スナック食品の例は、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押出成形スナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ及び他のスイート及びセイボリースナックを含むが、しかしこれらに限定されない。スナックバーの例は、グラノーラ/ミューズリーバー、ブレックファーストバー、エネルギーバー、フルーツバー及び他のスナックバーを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0129】
該ベーカリー食品カテゴリーは一般に、調製のプロセスが熱又は過剰の日光への暴露を包含するあらゆる食用製品をいう。ベーカリー食品の例は、パン、バンズ、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、あらゆるベーカリー食品、及びそれらのあらゆる組合せを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0130】
該アイスクリームカテゴリーは一般に、クリームと、砂糖と、フレーバリングとを含有する冷凍デザートをいう。アイスクリームの例は、インパルスアイスクリーム;持ち帰り用アイスクリーム;フローズンヨーグルト及び職人のアイスクリーム;大豆、燕麦、豆(例えば、レッドビーン及び緑豆)、及びコメベースのアイスクリームを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0131】
該菓子類カテゴリーは一般に、味覚が甘味である食用製品をいう。菓子類の例は、キャンデー、ゼラチン類、チョコレート菓子類、砂糖菓子類、ガム等及びあらゆる組合せ製品を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0132】
該ミールリプレイスメントカテゴリーは一般に、特に健康又はフィットネスに関心を有する人々のための、通常の食事を置き換えることが意図されるあらゆる食品をいう。ミールリプレイスメントの例は、スリミング製品及び回復期製品を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0133】
該レディミールカテゴリーは一般に、大がかりな調製又は加工なしに食事として供することができるあらゆる食品をいう。該レディミールは、製造者により加えられたレシピ“スキル”を有しており、高度の迅速さ、完成及び便利さを生じる、製品を含む。レディミールの例は、缶詰/保存、冷凍、乾燥、チルドのレディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;チルドピザ;及び調理済みサラダを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0134】
該パスタ及び麺カテゴリーは、あらゆるパスタ及び/又は麺を含み、缶詰、乾燥及びチルド/生パスタ;及びプレーン、インスタント、チルド、冷凍及びスナック麺を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0135】
該缶詰/保存食品カテゴリーは、缶詰/保存肉及び食肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果実、レディミール、スープ、パスタ、及び他の缶詰/保存食品を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0136】
該冷凍加工食品カテゴリーは、冷凍加工赤肉、加工家禽肉、加工魚/シーフード、加工野菜、肉代用品、加工ジャガイモ、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺、及び他の冷凍食品を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0137】
乾燥加工食品カテゴリーは、ライス、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンな麺、及び即席麺を含むが、しかしこれらに限定されない。該チルド加工食品カテゴリーは、チルド加工肉、加工魚/シーフード製品、ランチキット、フレッシュカットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済みサラダ、スープ、生パスタ及び麺を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0138】
該ソース、ドレッシング及び調味料カテゴリーは、トマトペースト及びピューレ、ブイヨン/固形スープの素、ハーブ及びスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ヴィネグレット、ディップ、浸漬製品、及び他のソース、ドレッシング及び調味料を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0139】
該ベビーフードカテゴリーは、乳又は大豆をベースとするフォーミュラ;及び調製された、乾燥した及び他のベビーフードを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0140】
該スプレッドカテゴリーは、ジャム及びプリザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツをベースとするスプレッド、及び酵母をベースとするスプレッドを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0141】
該酪農製品はカテゴリーは一般に、哺乳動物の乳から製造される食用製品をいう。酪農製品の例は、飲む乳製品、チーズ、ヨーグルト及びサワー乳飲料、及び他の酪農製品を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0142】
摂取可能な組成物、特に食品及び飲料製品又は配合物の付加的な例は、次のとおり提供される。例示的な摂取可能な組成物は、1種以上の菓子類、チョコレート菓子類、タブレット、カウントライン、袋入りセルフライン/ソフトライン、箱入り詰め合わせ、標準の箱入り詰め合わせ、ひねり包装の小物、季節のチョコレート、おもちゃ付きチョコレート、アルファフォール、他のチョコレート菓子類、ミント、スタンダードミント、パワーミント、ハードキャンデー、パスティーユ、ガム、ジェリー及びチュウ、タフィー、キャラメル及びヌガー、薬用菓子類、ロリポップ、リコリス、他の砂糖菓子類、パン、包装/工業生産パン、未包装/職人のパン、ペストリー、ケーキ、包装/工業生産ケーキ、未包装/職人のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドイッチビスケット、フィリング入りビスケット、セイボリービスケット及びクラッカー、パン代用品、朝食シリアル、RTEシリアル、ファミリー用朝食シリアル、フレーク、ミューズリー、他のシリアル、子供用朝食シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、インパルスアイスクリーム、シングルポーション乳製品アイスクリーム、シングルポーション氷菓、マルチパック乳製品アイスクリーム、マルチパック氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、職人のアイスクリーム、酪農製品、乳、生/パスチャライズド乳、全脂肪生/パスチャライズド乳、セミスキム生/パスチャライズ乳、ロングライフ/uht乳、全脂肪ロングライフ/uht乳、セミスキムロングライフ/uht乳、無脂肪ロングライフ/uht乳、ヤギ乳、コンデンス/エバミルク、プレーンなコンデンス/エバミルク、フレーバー入り、機能性の及び他のコンデンスミルク、フレーバー入り乳飲料、乳製品のみのフレーバー入り乳飲料、果汁フレーバー入り乳飲料、豆乳、サワー乳飲料、発酵酪農飲料、コーヒーホワイトナー、粉末乳、フレーバー入り粉末乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、スプレッダブルプロセスチーズ、スプレッダブルではないプロセスチーズ、未加工チーズ、スプレッダブル未加工チーズ、ハードチーズ、包装ハードチーズ、未包装ハードチーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバー入りヨーグルト、果実入りヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、レギュラーの飲むヨーグルト、プロバイオティック飲むヨーグルト、チルド及び貯蔵安定なデザート、乳製品をベースとするデザート、大豆をベースとするデザート、チルドスナック、フロマージュ・フレ及びクワルク、プレーンなフロマージュ・フレ及びクワルク、フレーバー入りフロマージュ・フレ及びクワルク、セイボリーフロマージュ・フレ及びクワルク、スイート及びセイボリースナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押出成形スナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、他のスイート及びセイボリースナック、スナックバー、グラノーラバー、ブレックファーストバー、エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、ミールリプレイスメント製品、スリミング製品、回復期飲料、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、チルドレディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、チルドピザ、スープ、缶詰スープ、脱水スープ、インスタントスープ、チルドスープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、チルド/生パスタ、麺、プレーンな麺、即席麺、カップ/ボウル即席麺、パウチ即席麺、チルド麺、スナック麺、缶詰食品、缶詰肉及び食肉製品、缶詰魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰果実、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰食品、冷凍食品、冷凍加工赤肉、冷凍加工家禽肉、冷凍加工魚/シーフード、冷凍加工野菜、冷凍肉代用品、冷凍ジャガイモ、オーブン焼きポテトチップス、他のオーブン焼きジャガイモ製品、オーブン焼きではない冷凍ジャガイモ、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンな麺、即席麺、カップ/ボウル即席麺、パウチ即席麺、チルド食品、チルド加工肉、チルド魚/シーフード製品、チルド加工魚、チルドのコーティングされた魚、チルド燻製魚、チルドランチキット、チルドレディミール、チルドピザ、チルドスープ、チルド/生パスタ、チルド麺、油脂、オリーブ油、植物及び種子油、調理用脂、バター、マーガリン、スプレッダブル油脂、機能性スプレッダブル油脂、ソース、ドレッシング及び調味料、トマトペースト及びピューレ、ブイヨン/固形スープの素、固形スープの素、グレービーグラニュール、液体ストック及びフォン、ハーブ及びスパイス、発酵ソース、大豆をベースとするソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーのマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーのサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ヴィネグレット、ディップ、浸漬製品、他のソース、ドレッシング及び調味料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、フォローオン調合乳、幼児用調合乳、低アレルギー調合乳、調製ベビーフード、乾燥ベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャム及びプリザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツをベースとするスプレッド、及び酵母をベースとするスプレッドを含む。例示的な摂取可能な組成物は、菓子類、ベーカリー製品、アイスクリーム、酪農製品、スイート及びセイボリースナック、スナックバー、ミールリプレイスメント製品、レディミール、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、チルド食品、油脂、ベビーフード、又はスプレッド又はその混合物も含む。例示的な摂取可能な組成物は、朝食シリアル、甘い飲料又は飲料を調製するための固体又は液体の濃縮物組成物も含み、理想的にはこれまでに公知の糖甘味料、又は人工甘味料の濃度の低下を可能にする。
【0143】
一部の実施態様は、のみ込むことが意図され得る又は意図され得ない咀嚼できる組成物を提供する。一部の実施態様において、咀嚼できる組成物は、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて含む、ガム、チューインガム、砂糖入りガム、シュガーフリーガム、機能性ガム、風船ガムであってよい。
【0144】
典型的に少なくとも甘味受容体をモジュレーションする量、甘味受容体リガンドをモジュレーションする量、甘味フレーバーをモジュレーションする量、甘味フレーバリング剤量、甘味フレーバーを増強する量、又は治療上有効な量の1種以上の本化合物は、前記の摂取可能な組成物に、任意に甘味料の存在下で添加されるので、前記の甘味フレーバーで変更された摂取可能な組成物は、一般にヒト又は動物により判断されるように、又は配合物テストの場合に、当該分野において普通に公知の手順により、少なくとも8人のヒトの味覚検査官のパネルの大部分により判断されるように、本発明の化合物なしで調製された前記の摂取可能な組成物に比べて増加された甘味の味覚を有する。
【0145】
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、他の天然又は合成の甘味物質、及びそれから製造された摂取可能な組成物の甘味の味覚又は他の味覚特性をモジュレーションする。一実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、そのリガンドを増強する(1種以上の)濃度において使用又は提供されてよい。例えば、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、約0.001ppm~100ppmの量、又は約0.1ppm~約10ppm、約0.01ppm~約30ppm、約0.05ppm~約10ppm、約0.01ppm~約5ppm、又は約0.02ppm~約2ppm、又は約0.01ppm~約1ppmのより狭い選択的な範囲で存在していてよい。
【0146】
一部の実施態様は、甘味を増強する組成物を提供する。前記の甘味を増強する組成物は、本発明の化合物を甘味フレーバーを増強する量で、第1の量の甘味料と組み合わせて含んでなり、ここで、前記の甘味付けは、該化合物なしの第1の量の甘味料により提供される甘味付けよりも多い。一部の実施態様において、該甘味料は、普通糖甘味料、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、及び天然糖を含んでなる甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)又は天然の果実及び野菜源に由来する他のシロップ又は甘味料濃縮物;D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、及びD-ロイクロースを含む希少天然糖;半合成“糖アルコール”甘味料、例えばエリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン等;及び人工甘味料、例えばアスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラミン酸塩、スクラロース、及びアリテームであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテーム及び他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン水解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA及び他の甘味ステビア系グリコシド、カレラーム(carrelame)及び他のグアニジン系甘味料からなる群から選択されていてよい。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2種以上の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2、3、4又は5種の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該砂糖は甘蔗糖である。一部の実施態様において、該砂糖はビート糖である。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、スクロース、フルクトース、グルコース又はそれらの組合せ(例えば、高フルクトースコーンシロップ)であってよい。一部の実施態様において、該砂糖はスクロースであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトースとグルコースとの組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約55%とグルコース約42%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約42%とグルコース約53%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約90%とグルコース約10%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は希少糖であってよい。一部の実施態様において、該希少糖は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース及びそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施態様において、該希少糖はD-プシコースである。一部の実施態様において、該希少糖はD-タガトースである。一部の実施態様において、該甘味料は人工甘味料である。一部の実施態様において、該人工甘味料は スクラロースであってよい。
【0147】
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、本明細書に記載される化合物あり及びなしの該甘味料のEC50の比として定義される増強比により測定されるような、該T1R2/T1R3味覚受容体での甘味料の効力の増強を提供する。一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、1よりも大きくかつ10未満である増強比を提供する。一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、10~20の増強比を提供する。一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、20よりも大きい増強比を提供する。一部の実施態様において、該甘味料は、普通糖甘味料、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、及び天然糖を含んでなる甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)又は天然の果実及び野菜源に由来する他のシロップ又は甘味料濃縮物;D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、及びD-ロイクロースを含む希少天然糖;半合成“糖アルコール”甘味料、例えばエリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン等;及び人工甘味料、例えばアスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラミン酸塩、スクラロース、及びアリテームであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテーム及び他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン水解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA及び他の甘味ステビア系グリコシド、カレラーム(carrelame)及び他のグアニジン系甘味料からなる群から選択されていてよい。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2種以上の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は、本明細書に開示されるような2、3、4又は5種の甘味料の組合せを含んでなることができる。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は砂糖であってよい。一部の実施態様において、該甘味料は、1種以上の砂糖と、他の天然及び人工甘味料との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、スクロース、フルクトース、グルコース又はそれらの組合せ(例えば、高フルクトースコーンシロップ)であってよい。一部の実施態様において、該砂糖はスクロースであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトースとグルコースとの組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約55%とグルコース約42%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約42%とグルコース約53%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該砂糖は、フルクトース約90%とグルコース約10%との組合せであってよい。一部の実施態様において、該甘味料は希少糖であってよい。一部の実施態様において、該希少糖は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース及びそれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施態様において、該希少糖はD-プシコースである。一部の実施態様において、該希少糖はD-タガトースである。一部の実施態様において、該甘味料は人工甘味料である。一部の実施態様において、該人工甘味料はスクラロースであってよい。
【0148】
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、フレーバリング濃縮物配合物において提供されてよく、これは例えば、その後に加工して、すぐ使用できる(すなわち、調理済の)製品を製造するのに適している。“フレーバリング濃縮物配合物”は、1種以上の希釈媒体で再構成されてすぐ使用できる組成物になる配合物を意味する。該用語“すぐ使用できる組成物”は、単独で又は別の物質と一緒に、消費を意図してか又は意図せずに、口により取り込むことができるあらゆる物質を表す“摂取可能な組成物”と区別なく本明細書において使用される。一実施態様において、前記のすぐ使用できる組成物は、ヒト又は動物により直接消費されることができる組成物を含む。該フレーバリング濃縮物配合物は典型的に、1種以上の希釈媒体、例えば、あらゆる消費できる又は摂取可能な成分又は製品と混合するか又はこれらにより希釈されることにより使用されて、1種以上のフレーバーを該希釈媒体に付与するか又は変更する。そのような使用プロセスは、しばしば再構成と呼ばれる。該再構成は、家庭向けの環境又は工業向けの環境において実施することできる。例えば、冷凍果汁濃縮物は、水又は他の水性媒体で消費者により台所において再構成されて、すぐ使用できる果汁飲料を得ることができる。別の例において、ソフトドリンクシロップ濃縮物は、水又は他の水性媒体で製造者により大工業的規模で再構成されて、前記のすぐ使用できるソフトドリンクを製造することができる。該フレーバリング濃縮物配合物は、該フレーバリング剤又はフレーバー変性剤を、前記のすぐ使用できる組成物よりも高い濃度で有するので、該フレーバリング濃縮物配合物は典型的には、再構成なしで直接消費されるのに適していない。フレーバリング濃縮物配合物を使用及び製造するのに多くの利益がある。例えば、1つの利益は、輸送のための質量及び体積の低下であり、なぜなら、該フレーバリング濃縮物配合物は、利用の時点で適した溶剤、固体又は液体の添加により再構成することができるからである。
【0149】
一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、i)個々にか又は組み合わせて、本明細書に開示及び記載されるような化合物;ii)キャリヤー;及びiii)任意に少なくとも1種のアジュバントを含んでなる。該用語“キャリヤー”は、通常不活性な補助物質、例えば溶剤、バインダー、又は他の不活性媒体を表し、これは、本化合物及び1種以上の任意のアジュバントと組み合わせて使用されて、該配合物を形成する。例えば、水又はデンプンは、フレーバリング濃縮物配合物用のキャリヤーであってよい。一部の実施態様において、該キャリヤーは、該フレーバリング濃縮物配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり;かつ他の実施態様において、該キャリヤーは、該希釈媒体とは異なる。本明細書において用いられる場合には該用語“キャリヤー”は、摂取可能で許容されるキャリヤーを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0150】
該用語“アジュバント”は、該活性成分、例えば本発明の化合物の意図される機能又は有効性を補給、安定化、維持、又は増強する、添加剤を表す。一実施態様において、前記の少なくとも1種のアジュバントは、1種以上のフレーバリング剤を含んでなる。該フレーバリング剤は、当業者又は消費者に公知のあらゆるフレーバー、例えばチョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、又はそれらの組合せのフレーバーのものであってよい。別の実施態様において、前記の少なくとも1種のアジュバントは、1種以上の甘味料を含んでなる。前記の1種以上の甘味料は、本明細書に記載される甘味料のいずれかであってよい。別の実施態様において、前記の少なくとも1種のアジュバントは、乳化剤、安定剤、抗微生物防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物及び分離物、塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の成分を含んでなる。乳化剤、安定剤、抗微生物防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物及び分離物、及び塩の例は、米国特許第6468576号明細書(US 6,468,576)に記載されており、その内容はこれにより、全ての目的のために完全な形で参照により援用される。
【0151】
一実施態様において、本フレーバリング濃縮物配合物は、溶液及び懸濁液を含む液体、固体、泡状材料、ペースト、ゲル、クリーム、及びその組合せ、例えばある量の固体内容物を含有する液体からなる群から選択される形であってよい。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、水系及び非水系を含む液体の形である。一部の実施態様において、本フレーバリング濃縮物配合物は、炭酸又は無炭酸であってよい。
【0152】
該フレーバリング濃縮物配合物は、さらに、凝固点降下剤、造核剤、又はその双方を、前記の少なくとも1種のアジュバントとして含んでなることができる。該凝固点降下剤は、化合物又は作用物質が添加される液体又は溶剤の凝固点を降下させることができる、摂取可能で許容される化合物又は作用物質である。すなわち、該凝固点降下剤を含有する液体又は溶液は、該凝固点降下剤なしの液体又は溶剤よりも低い凝固点を有する。オンセット凝固点の降下に加えて、該凝固点降下剤は、該フレーバリング濃縮物配合物の水分活性も低下させ得る。該凝固点降下剤の例は、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えば、グリセロール、及びそれらの組合せを含むが、しかしこれらに限定されない。該造核剤は、核形成を容易にすることができる、摂取可能で許容される化合物又は作用物質を表す。該フレーバリング濃縮物配合物中の造核剤の存在は、フローズンスラッシュのフローズンブラッシュの口あたりを改善することができ、かつ凝固温度での該スラッシュの物理的性質及び性能を、所望の氷結晶化中心の数を増加させることより維持するのを助けることができる。造核剤の例は、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、及びそれらの組合せを含むが、しかしこれらに限定されない。
【0153】
一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、延長された貯蔵寿命のために低い水分活性を有するように配合される。水分活性は、配合物中の水の蒸気圧の、同じ温度での純水の蒸気圧に対する比である。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、約0.85未満の水分活性を有する。別の実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、約0.80未満の水分活性を有する。別の実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、約0.75未満の水分活性を有する。
【0154】
一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも2倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも5倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも10倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも15倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも20倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも30倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも40倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも50倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の少なくとも60倍である濃度で有する。一実施態様において、該フレーバリング濃縮物配合物は、本化合物を、すぐ使用できる組成物中の該化合物の濃度の100倍までである濃度で有する。
【0155】
治療上の有用性
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、治療目的に、例えば化学感覚受容体及び/又はそのリガンドをモジュレーションして治療効果を達成するのに、使用することができる。例えば、該治療目的は、味蕾以外の体中で発現される化学感覚受容体及び/又はそのリガンドをモジュレーションすることを含んでいてよい。
【0156】
一部の実施態様において、化学感覚受容体及び/又はそのリガンドをモジュレーションする方法は、ホルモン、ペプチド、酵素産生と関連したT1R発現細胞の発現、分泌、及び/又は機能性レベルを、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することによりモジュレーションすることを含む。一例において、本発明の方法は、グルコースのレベルをモジュレーションすることを含み、例えば、化学感覚受容体、例えばT1R2/T1R3のインヒビター又はモジュレーターは、対象におけるグルコースレベル(例えば、グルコース吸収)を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより減少させるのに使用することができる。一部の実施態様において、該方法は、インクレチンのレベルをモジュレーションすることを含み、例えば、化学感覚受容体、例えばT1R2/T1R3のアゴニスト又はエンハンサは、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)を増加させ、ひいてはインスリンの産生を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、増加させるのに使用することができる。一部の実施態様において、該方法は、T1R発現細胞又は胃腸ホルモン産生細胞により産生されるホルモン又はペプチド、例えば、5HT受容体のためのリガンド(例えば、セロトニン)、インクレチン(例えば、GLP-1及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP))、ガストリン、セクレチン、ペプシン、コレシストキニン、アミラーゼ、グレリン、レプチン、ソマトスタチン等の発現、分泌、及び/又は活性レベルを、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、モジュレーションすることを含む。一部の実施態様において、該方法は、T1R発現細胞により分泌されるホルモン、ペプチド、及び/又は酵素と関連した経路を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、モジュレーションすることを含む。
【0157】
一部の実施態様において、該方法は、T1R(例えば、T1R1、T1R2、又はT1R3)発現細胞、例えば、肝臓細胞(例えば、肝細胞、内皮細胞、クッパー細胞、星細胞、胆管の上皮細胞等)、心臓細胞(例えば、内皮細胞、心細胞、及び平滑筋細胞等)、膵臓細胞(例えば、アルファ細胞、ベータ細胞、デルタ細胞、神経分泌PP細胞、D1細胞等)、乳頭中の細胞(例えば、管上皮細胞等)、胃細胞(例えば、粘液細胞、壁細胞、主細胞、G細胞、P/D1細胞)、腸管細胞(例えば、腸内分泌細胞、刷子細胞等)、唾液腺細胞(例えば、漿粘液細胞、粘液細胞、筋上皮細胞、介在部細胞、線条部細胞等)、L細胞(例えば、GLP-1等を発現する)、腸クロム親和性細胞(例えば、セロトニンを発現する)、腸クロム親和性様細胞、G細胞(例えば、ガストリンを発現する)、D細胞(デルタ細胞、例えば、ソマトスタチンを発現する)、I細胞(例えば、コレシストキニン(CCK)を発現する)、K細胞(例えば、胃抑制ポリペプチドを発現する)、P/D1細胞(例えば、グレリンを発現する)、主細胞(例えば、ペプシンを発現する)、及びS細胞(例えば、セクレチンを発現する)の活性を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、モジュレーションすることを含む。一部の実施態様において、該方法は、T1R発現細胞におけるT1Rの発現レベルを、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、増加させることを含む。一部の実施態様において、該方法は、T1R発現細胞の分泌レベルを、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、増加させることを含む。
【0158】
一部の実施態様において、該方法は、食道運動性と関連した全く制限状態のないものを含めた、胃腸系と関連した状態(例えば、輪状咽頭アカラシア、ヒステリー球、アカラシア、びまん性食道痙攣及び関係した運動性障害、食道を包含する強皮症等)、炎症性障害(例えば、胃食道逆流及び食道炎、感染性食道炎等)、消化性潰瘍、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、ガストリノーマ、ストレス潰瘍及びびらん、薬剤に関連した潰瘍及びびらん、胃炎、食道がん、胃の腫瘍、吸収(例えば、特定の栄養素、例えば炭水化物、タンパク質、アミノ酸、脂肪、コレステロール及び脂溶性ビタミン、水及びナトリウム、カルシウム、鉄、水溶性ビタミン等の吸収)の障害、吸収不良の障害、粘膜機能の欠陥(例えば、炎症性又は浸潤性疾患、生化学的又は遺伝的異常、内分泌障害及び代謝異常、タンパク喪失性腸症等)、消化管の自己免疫疾患(例えば、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎等)、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、炎症性腸疾患の合併症、炎症性腸疾患の腸管外発現、腸管運動の障害、腸の血管障害、肛門直腸障害(例えば、痔核、肛門の炎症等)、結腸直腸がん、小腸の腫瘍、肛門のがん、肝代謝の撹乱、高ビリルビン血症、肝炎、アルコール性肝障害及び肝硬変、胆汁性肝硬変、肝臓の新生物、肝臓に影響を及ぼす浸潤性及び代謝性疾患(例えば、脂肪肝、ライ症候群、糖尿病性グリコーゲン蓄積症、グリコーゲン貯蔵病、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス)、胆嚢及び胆管の疾患、膵臓の障害(例えば、膵炎、膵外分泌不全、膵がん等)、消化管及び膵臓のエンドクリン腫瘍等のモジュレーション、処置、及び/又は予防措置を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、含む。
【0159】
一部の実施態様において、該方法は、代謝異常と関連した状態、例えば、食欲、体重、食品又は液体摂取又は対象の食品又は液体摂取への反応、又は満腹の状態又は満腹の状態の対象の知覚、栄養摂取及び調節、(例えば、タンパク質-エネルギー栄養失調、タンパク質-エネルギー栄養失調に関連した生理学的欠陥等)、肥満、二次性肥満(例えば、甲状腺機能低下症、クッシング病、インスリノーマ、視床下部障害等)、摂食障害(例えば、神経性食欲不振症、多食症等)、ビタミン欠乏及び過剰、インスリン代謝、糖尿病(I型及びII型)及びその合併症(例えば、循環異常、網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパチー、糖尿病性足潰瘍等)、グルコース代謝、脂肪代謝、低血糖、高血糖、高リポタンパク血症等のモジュレーション、処置、及び/又は予防措置を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、含む。
【0160】
一部の実施態様において、該方法は、例えば、全く特別な病理学的状態、例えば消化性潰瘍及びがんの不在下での、機能性胃腸障害に関連した状態のモジュレーション、処置、及び/又は予防措置を含み、対象は、任意に消化管中、殊に胃中の内容物の停留に基づく、腹部消化不良、例えば、腹部膨満感、悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振、胃酸の逆流、又は便通異常(便秘、下痢等)を有する。一例において、機能性胃腸障害は、消化管の器質性疾患は全くないが、対象、例えば、ヒトの生活の質に影響を及ぼす1つ以上の再現されうる胃腸症状を有する状態を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、含む。
【0161】
例示的な機能性胃腸障害は、機能性消化不良、胃食道逆流状態、糖尿病性胃不全麻痺、逆流性食道炎、術後胃腸機能障害等、悪心、嘔吐、吐き気、胸やけ、腹部膨満感、胃もたれ、おくび、胸のもだえ、胸痛、胃不快感、食欲不振、嚥下障害、胃酸の逆流、腹痛、便秘、下痢、息切れ、鼻口閉塞感、低いインセンティブ又はエネルギーレベル、咽頭閉塞、異物感、易疲労性、肩こり、筋緊張、口の乾燥(ドライマウス、渇き等)、頻呼吸、消化管中の灼熱感、四肢の冷え感、集中力の欠如、短気、睡眠障害、頭痛、全身倦怠感、心悸亢進、寝汗、不安、めまい感、めまい、ホットフラッシュ、多汗、抑うつ等を含むが、しかし決してこれらに限定するものではない。
【0162】
一部の実施態様において、該方法は、対象における消化、吸収、血液栄養素レベル、及び/又は消化管の運動性を増加又は促進すること、例えば、胃を空にすることの促進(例えば、胃内容物のクリアランス)、食後早期の腹部膨満の低下、食欲不振の改善等を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、含む。一般に、そのような促進は、直接にか又は調節実体、例えば、ホルモン等の分泌を増加させることを介して、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することにより、達成することができる。
【0163】
一部の実施態様において、該方法は、対象の1つ以上の胃腸機能を増加させること、例えば、個体の生活の質又は健康状態を、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて投与することにより、改善することを含む。
【0164】
一部の実施態様は、気道感染を処置する方法を提供し、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することを含む。一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は個々にか又は組み合わせて、気道感染の抑制に使用することができる。一部の実施態様は、不育症を処置する方法を提供し、本明細書に開示及び記載されるような化合物を個々にか又は組み合わせて、それを必要とする個体に投与することを含む。
【0165】
一部の実施態様は、治療上有効な量の本明細書に開示及び記載されるような1種以上の化合物、又はそれらの塩、溶媒和物、及び/又はプロドラッグを、任意に適した量の薬剤学的に許容されるビヒクルと共に、含有する薬剤学的組成物を提供する。別の実施態様において、該薬剤学的組成物は、治療上有効な量の本明細書に開示及び記載されるような1種以上の化合物、又はそれらの塩、溶媒和物及び/又はプロドラッグ;及び適した量の薬剤学的に許容されるビヒクルを含んでなるので、患者への適切な投与のための形を提供する。
【0166】
一実施態様において、患者に投与される場合に、本明細書に開示及び記載されるような化合物及び任意の薬剤学的に許容されるビヒクルは、無菌である。一実施態様において、水は、本明細書に開示及び記載されるような化合物が静脈内に投与される場合に、好ましいビヒクルである。食塩水溶液及びデキストロース及びグリセロール水溶液は、液体ビヒクルとして、特に注射できる溶液に、使用することもできる。適した薬剤学的なビヒクルは、付形剤、例えばデンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等も含む。本薬剤学的組成物は、所望の場合には、少量の湿潤又は乳化剤、又はpH緩衝剤を含有してもよい。そのうえ、助剤、安定剤、濃厚化剤、滑沢剤及び着色料が使用されてよい。
【0167】
本明細書に開示及び記載されるような化合物を含んでなる薬剤学的組成物は、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠形成、磨砕、乳化、カプセル化、包括又は凍結乾燥プロセスによって製造されてよい。薬剤学的組成物は、従来の方法で、本発明の化合物の薬剤学的に使用されることができる製剤への加工を容易にする1種以上の生理学的に許容されるキャリヤー、希釈剤、付形剤又は助剤を用いて配合されてよい。適切な配合物は、選択される投与の経路に依存している。
【0168】
一部の実施態様において、該薬剤学的組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、徐放性配合物、坐剤、エマルション、エーロゾル、スプレー、懸濁液の形、又は使用に適した他のあらゆる形を取ることができる。一部の実施態様において、前記の薬剤学的に許容されるビヒクルは、カプセルである。
【0169】
局所投与のためには、本明細書に開示及び記載されるような化合物は、当該分野において周知であるような、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液等として配合されてよい。
【0170】
全身用配合物は、注射、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内又は腹膜内の注射による投与のために設計されたもの、並びに経皮、経粘膜、経口又は肺の投与のために設計されたものを含む。全身用配合物は、気道粘液の粘液線毛クリアランスを改善する又は粘液粘度を低下させるさらなる活性剤と組み合わせて製造されてよい。これらの活性剤は、ナトリウムチャンネルブロッカー、抗生物質、N-アセチルシステイン、ホモシステイン及びリン脂質を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0171】
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は、ヒトへの静脈内投与に適合された薬剤学的組成物としてのルーチン手順に従って配合されてよい。典型的には、静脈内投与用の化合物は、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。注射用には、化合物は、水溶液、好ましくは生理学的に適合性の緩衝液、例えばハンクス液、リンガー液、又は生理学食塩水緩衝液中に配合されてよい。該液は、配合剤、例えば懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤を含有していてよい。必要な場合には、該薬剤学的組成物は、可溶化剤を含んでいてもよい。
【0172】
静脈内投与用の薬剤学的組成物は任意に、該注射の箇所での痛みを和らげるための局所麻酔薬、例えばリグノカインを含んでいてよい。一般に、該成分は、単位剤形において別個にか又は一緒に混合されて、例えば、凍結乾燥粉末又は水不含の濃縮物として活性剤の量を指示する気密封止された容器、例えばアンプル又は小袋において供給される。化合物が、輸液により投与される場合には、これは、例えば、無菌の薬剤学的等級の水又は食塩水を含有する輸液びんで調剤することができる。一部の実施態様において、注射用の滅菌水又は食塩水のアンプルは、化合物が注射により投与される場合に、該成分が投与の前に混合されてよいように提供されることができる。
【0173】
経粘膜投与のためには、浸透されうるバリアに適切な浸透剤が、該配合物中で使用される。そのような浸透剤は、当該分野において一般に公知である。
【0174】
経口送達用の薬剤学的組成物は、例えば、錠剤、トローチ、水性又は油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルション、カプセル、シロップ、又はエリキシルの形であってよい。経口投与される薬剤学的組成物は、1種以上の任意に作用物質、例えば、甘味剤、例えばフルクトース、アスパルテーム又はサッカリン;フレーバリング剤、例えばペパーミント、ウインターグリーン油、又はチェリー着色料及び保存剤を含有して、薬剤学的に美味な製剤が提供されてよい。
【0175】
さらに、錠剤又はピル形の場合に、該薬剤学的組成物は、消化管中の崩壊及び吸収を遅延させるためにコーティングされてよく、それにより、延長された期間にわたって持続作用を提供する。浸透圧的に活性な影響のある化合物を包囲する選択透過膜は、本発明の経口投与される化合物にも適している。これらのより遅いプラットフォームにおいて、該カプセルを包囲する環境からの流体は、前記の影響のある化合物により吸い込まれ、該カプセルは膨潤して、該作用物質又は作用物質組成物を、開口部を通して移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出性配合物の鋭くとがったプロファイルとは対照的に、本質的に零次の送達プロファイルを提供することができる。時間遅延材料、例えばグリセロールモノステアレート又はグリセロールステアレートは、使用されてもよい。経口組成物は、標準のビヒクル、例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウム等を含むことができる。そのようなビヒクルは、好ましくは薬剤学的等級のものである。
【0176】
経口液体製剤、例えば、懸濁液、エリキシル及び溶液などのためには、適したキャリヤー、付形剤又は希釈剤は、水、食塩水、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、油、アルコール、pH 4~pH 6のわずかに酸性の緩衝液(例えば、約5mM~約50mMでの酢酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩)等を含む。付加的に、フレーバリング剤、防腐剤、着色料、胆汁酸塩、アシルカルニチン等が添加されてよい。
【0177】
バッカル投与のためには、該薬剤学的組成物は、従来の方法で配合される錠剤、トローチ等の形を取ってよい。
【0178】
噴霧器及び液体スプレー装置及びEHDエーロゾル装置での使用に適した液体薬物配合物は、典型的には、本発明の化合物を、薬剤学的に許容されるビヒクルと共に含む。好ましくは、前記の薬剤学的に許容されるビヒクルは、液体、例えばアルコール、水、ポリエチレングリコール又はペルフルオロカーボンである。任意に、別の材料を添加して、本発明の化合物の溶液又は懸濁液のエーロゾル特性を変えてよい。好ましくは、この材料は、液体、例えばアルコール、グリコール、ポリグリコール又は脂肪酸である。エーロゾル装置における使用に適した液体薬物溶液又は懸濁液を配合する他の方法は、当業者に公知である。
【0179】
一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は、例えば、従来の坐剤ベース、例えばココアバター又は他のグリセリドを含有する、直腸又は膣用薬剤学的組成物、例えば坐剤又は停留浣腸剤中に配合されてもよい。
【0180】
上記の配合物に加えて、本明細書に開示及び記載されるような化合物は、デポ剤として配合されてもよい。そのような長期間作用する配合物は、埋込み(例えば、皮下又は筋肉内に)によるか又は筋肉内注射により、投与されてよい。したがって、例えば、本発明の化合物は、適した高分子材料又は疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂と共に、又はやや溶けにくい誘導体として、例えば、やや溶けにくい塩として、配合されてよい。
【0181】
本明細書に開示及び記載されるような化合物、及び/又はその薬剤学的組成物は一般に、意図される目的を達成するのに有効な量で使用される。疾患又は障害を処置又は防止する使用のためには、本明細書に開示及び記載されるような化合物及び/又はそれらの薬剤学的組成物は、治療上有効な量で投与又は適用される。
【0182】
一部の実施態様において、その投与量は、単一投与によるか、複数回の適用又は制御放出により、薬剤学的組成物において送達されてよい。一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物は、経口徐放投与により送達されてよい。投薬は、間欠的に繰り返されてよく、単独で又は他の薬剤と組み合わせて提供されてよく、かつ該疾患状態又は障害の有効な処置に必要とされる限り続けてよい。
【0183】
経口投与に適した投与量範囲は、効力に依存するが、しかし一般に、体重1kgあたり本明細書に開示及び記載されるような化合物約0.001mg~約200mgである。
【0184】
静脈内(i.v.)投与に適した投与量範囲は、体重1kgあたり約0.01mg~約100mg。鼻腔内投与に適した投与量範囲は、一般に、約0.01mg/kg体重~約1mg/kg体重である。坐剤は一般に、体重1kgあたり本発明の化合物約0.01mg~約50mgを含有し、かつ約0.5質量%~約10質量%の範囲内の活性成分を含んでなる。皮内、筋肉内、腹膜内、皮下、硬膜外、舌下又は脳内の投与用の推奨される投与量は、体重1kgあたり約0.001mg~約200mgの範囲内である。有効な用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から誘導される用量反応曲線から外挿されてよい。
【0185】
一部の実施態様において、本明細書に記載される化合物の投与量は、好ましくは、毒性をほとんど有していない又は有していない有効な用量を含む、循環する濃度の範囲内である。
【0186】
ある実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物及び/又はそれらの薬剤学的組成物は、少なくとも1種の他の作用物質との併用療法において使用することができる。一部の実施態様において、本明細書に開示及び記載されるような化合物及び/又はその薬剤学的組成物は、本発明の化合物と同じ薬剤学的組成物の一部又は異なる薬剤学的組成物であってよい他の作用物質の投与と同時に投与される。他の実施態様において、本発明の薬剤学的組成物は、他の作用物質の投与の前又はそれに続いて投与される。
【0187】
調製の方法
本明細書に開示される化合物は、以下に記載される方法によるか、又はこれらの方法の変更により合成されてよい。該方法論を変更する方法は、とりわけ、当業者に公知の、温度、溶剤、試薬等を含む。一般に、本明細書に開示される化合物の調製のプロセスのいずれかの最中に、関係する分子のいずれかの感受性又は反応性の基を保護することが必要及び/又は所望であり得る。これは、従来の保護基、例えばProtective Groups in Organic Chemistry(J.F.W. McOmie編, Plenum Press, 1973);及びP.G.M. Green, T.W. Wutts, Protecting Groups in Organic Synthesis (第3版) Wiley, New York (1999)に記載されるものによって達成されてよく、これらの双方ともこれにより、完全な形で本明細書に参照により援用される。該保護基は、好都合な後続の段階で、当該技術から公知の方法を用いて除去されてよい。適用できる化合物を合成するのに有用な合成化学変換は、当該分野において公知であり、かつ例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, 1989、又はL. Paquette編, Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons, 1995に記載されるものを含み、これらは双方ともこれにより、完全な形で本明細書に参照により援用される。本明細書に示され、かつ記載される経路は、単に説明であり、かつ請求の範囲に記載の範囲をいかなる方法でも決して限定することは、意図されず、かつ解釈されるべきではない。当業者は、開示される合成の変更を認識することができ、かつ本明細書における開示に基づいて選択的な経路を考案することができ;そのような全ての変更及び選択的な経路は、請求の範囲に記載の範囲内である。
【0188】
本化合物を調製する例示的な一部の合成方法は、以下のスキーム1において説明される。
【0189】
スキーム1:5-置換4-アミノ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシドA-I及びA-IIの調製
【化8】
【0190】
スキーム1において示されるように、一部の場合には、商業的に入手可能な、A-I及びA-IIの合成のための構成単位であるアルコールIII及びIIIaは、アミノアルコールIもしくはIaと、対応するハロゲン化アリール(II)との間の芳香族求核置換により容易に合成することができる。続いて、アミノベンゾニトリル中間体VもしくはVaは、2-アミノ-6-フルオロベンゾニトリル(IV)及びアルコールIIIもしくはIIIaから、塩基、例えばNaH及びtert-BuOKの存在下で合成することができる。選択的に、2,6-ジニトロベンゾニトリル(VI)及びアルコールIIIもしくはIIIaのベースとなる誘導反応、続いて中間体6-ニトロベンゾニトリルVIIもしくはVIIaの単純なニトロ還元も、所望のアミノベンゾニトリル中間体VもしくはVaを生じ得る。最終的に、アミノベンゾニトリル中間体V及びVaは、塩化スルファモイル(VIII)で十分に制御された条件下で処理され、続いて塩基性条件下で該スルファモイル中間体を環化して、所望の5-置換4-アミノ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシドA-I及びA-IIをそれぞれ得る。選択的に、5-置換4-アミノ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシドA-I及びA-IIは、鍵となる構成単位IXもしくはIXaと、対応するハロゲン化アリール(II)との間の直接芳香族求核置換から調製することもできる。該構成単位IX及びIXaは、4-アミノ-5-(ピペリジン-3-イルメトキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシドについての文献の手順に従って合成することができる。
【実施例
【0191】
本発明をさらに説明するために、次の例が含まれる。該例は、もちろん、本発明を具体的に限定すると解釈すべきではない。請求の範囲に記載の範囲内のこれらの例の変型は、当該技術の技能の範囲内であり、かつ本明細書に記載され、かつ特許の保護が請求されるような本発明の範囲内に含まれるとみなされる。読者は、本開示、及び当該技術の技能を携えた当業者が、本発明を、網羅的な例なしで用意及び使用できることを認識する。
【0192】
例1:4-アミノ-5-(2-メチル-2-((5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド(100)
【化9】
【0193】
無水アセトニトリル(5mL)中の塩化スルファモイル(0.526g、4.55mmol、2.25当量)の溶液を、無水アセトニトリル(10mL)中の2-アミノ-6-(2-メチル-2-((5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)プロポキシ)ベンゾニトリル(例1a、0.600g、2.02mmol、1当量)及び2,6-ジメチルピリジン(0.422mL、3.64mmol、1.8当量)の混合物に窒素下で0℃で添加した。この混合物を徐々に室温に温め、45分間撹拌し、かつ酢酸(0.23mL、2当量)でクエンチした。この混合物を、HPLC(アセトニトリル/水勾配)により精製して、スルファモイル中間体を提供した;MS 377(M+H)。この中間体を、EtOH(20mL)中に溶解させ、NaOH(3.33M、6mL)で処理し、かつ24h還流した。室温に冷却した後に、この混合物を濃縮し、残留物を(10mL)中に溶解させ、pH 4.0まで酸性化した。沈殿した生成物をろ過により集め、かつMeOHから再結晶して、標題化合物を白色固体として提供した、402mg、収率53%。1H NMR(DMSO-d6、400MHz):1.44 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 4.43 (s, 2H), 6.59 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.93 (s, 1H), 7.44 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 8.12 (s, 2H), 8.32 (s, 1H), 10.96 (s, 1H) ppm。MS=377(MH)。
【0194】
例1a:2-アミノ-6-(2-メチル-2-((5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)プロポキシ)-ベンゾニトリル
【化10】
【0195】
水素化ナトリウム(0.154g、3.85mmol、1.5当量)を、無水THF(25mL)中の2-アミノ-6-フルオロベンゾニトリル(0.524g、3.85mmol、1.5当量)及び2-メチル-2-((5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)プロパン-1-オール(例1b、0.465g、2.56mmol、1当量)の混合物に窒素下で添加した。この反応混合物を室温で10分撹拌し、21h還流した。反応混合物を濃縮し、かつ残留物を、シリカ上のクロマトグラフィー(ヘキサン中50%EtOAc勾配)により精製して、標題化合物を提供した(611mg、収率80%)、MS 298(MH)。
【0196】
例1b:2-メチル-2-((5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)プロパン-1-オール
【化11】
【0197】
2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール(1.60g、17.9mmol、2.3当量)、2-クロロ-5-メチルピリミジン(1.00g、7.78mmol、1当量)、及びトリエチルアミン(1.90mL、13.6mmol、1.75当量)の混合物を、170℃でマイクロ波中で2時間加熱した。生成物を、シリカ上のクロマトグラフィー(ヘキサン中0%~100%EtOAc勾配)により精製して、所望の生成物を油として得て、これはゆっくりと固化した(469mg、収率33%)。MS 182(MH)。
【0198】
第1表における化合物を、上記に記載されたのと類似の方法で、購入したか又は公知の手順に従って合成した、対応するアミノアルコール及びハロゲン化ヘテロアリールを用いて調製した。
第1表
【表1】
【0199】
例2:4-アミノ-5-(2-((2-(1H-イミダゾール-1-イル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロポキシ)1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド(200)
【化12】
【0200】
無水DMA(3mL)中の4-アミノ-5-(2-((2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロポキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド(例1a、200mg、0.504mmol)の溶液に、イミダゾール(69mg、1.01mmol)を添加し、かつこの溶液を110℃で16時間加熱した。この反応生成物を室温に冷却し、かつ分取HPLC(RPC-18、水/アセトニトリル勾配)により精製した。澄明な画分を濃縮し、かつこの材料をEtOH/HOから再結晶して、標題化合物(SID 59032259)をオフホワイトの固体として得た(119mg、収率55%)。1H NMR(400MHz、d6-DMSO)δ 1.54 (s, 6H), 4.49 (s, 2H), 6.50 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 7.2 Hz, 0.6 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 7.2 Hz, 1.2 Hz, 1H), 7.07 (m, 1H), 7.44 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (br.s, 1H), 7.80 (t, J = 1.2 Hz, 1H), 7.95 (br.s, 1H), 8.05 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.41 (br.s, 1H), 8.44 (t, J = 1.2 Hz, 1H), 11.00 (s, 1H)。MS 429(MH)。
【0201】
例2a:4-アミノ-5-(2-((2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)-2-メチルプロポキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド(201)
【化13】
【0202】
無水DMF(30mL)中の4-アミノ-5-(2-アミノ-2-メチルプロポキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド塩酸塩(米国特許出願公開第2015/0376176号明細書(US 20150376176 A1))(2.00g、6.23mmol)の溶液に、DIEA(30mL)を添加し、DIEA(3.26mL、18.7mmol)を添加した。室温で5min撹拌した後に、2,4-ジクロロピリミジン(2.79g、18.7mmol)を添加し、かつこの溶液を110℃で16時間加熱した。反応生成物を室温に冷却し、かつ水を、溶液が濁ってくるまで添加した。2N NaOH溶液12.5mLを添加し、かつこの溶液を、室温で30min撹拌し、DCMで洗浄した。水層を氷浴中で冷却し、かつpH=3まで1N HClで酸性化し、かつ生じた沈殿を真空ろ過により集め、かつ水で洗浄した。この固体を集め、乾燥させ、かつ溶離液としてヘキサン中のEtOAcの50-100%勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物をペールオレンジ色の固体として得た(822mg、収率33%)。1H NMR(400MHz、d6-DMSO)δ 1.48 (s, 6H), 4.39 (s, 2H), 6.53 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.62 (dd, J = 8.0 Hz, 1H), 6.80 (dd, J = 8.0 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.65 (br.s, 1H), 7.93 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 8.39 (br.s, 1H), 11.02 (s, 1H)。MS 397(MH+)。
【0203】
第2表における化合物を、上記に記載されたのと類似の方法で、購入したか又は公知の手順に従って合成したアミンを用いて調製した。
第2表
【表2】
【0204】
例3:(S)-4-アミノ-5-((1-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)ピペリジン-3-イル)メトキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド(300)
【化14】
【0205】
DMA(15mL)中の(S)-4-アミノ-5-(ピペリジン-3-イルメトキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド塩酸塩(Adamski-Werner et al.、米国特許出願公開第2014/0235624号明細書(US 20140235624 A1))(1.00g、2.88mmol)の溶液を室温で、TEA(0.80mL、5.77mmol)及び2-クロロ-4,6-ジメチルピリミジン(0.45g、3.17mmol)で処理した。この混合物を、120℃で15時間撹拌した。完了した際に、この混合物を水(50mL)で希釈した。この溶液を、pH=5-6まで1N HClで酸性化した。固体沈殿物が観察され、これをろ過し、かつ水で洗浄した。固体生成物を、熱エタノール(50mL)中に溶解させ、かつろ過して、あらゆる不溶性固体を除去した。該エタノール溶液をついで水(100mL)希釈した。固体沈殿物を、ゆっくりと結晶化させて、標題化合物を淡褐色固体として得た(0.608g、1.46mmol、収率51%)。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ 1.42 (m, 2H), 1.70 (m, 1H), 1.89 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 2.18 (s, 6H), 3.03 (dd, J = 13.0, 9.5 Hz, 1H), 3.11 (m, 1H), 4.08 (m, 2H), 4.36 (dd, J = 13.0, 3.5 Hz, 1H), 4.55 (dd, J = 12.5, 4.8Hz, 1H), 6.34 (s, 1H), 6.62 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 10.97 (s, 1H)。MS 417(M+H)。
【0206】
第3表中の化合物を、例3に記載されたのと類似の方法で、(S)-4-アミノ-5-(ピペリジン-3-イルメトキシ)-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン2,2-ジオキシド塩酸塩(Tachdjian et al. 国際公開第2014/025706号(WO 2014025706 A1))及び購入したか又は公知の手順に従って合成した、対応するハロゲン化ヘテロアリールを用いて調製した。
第3表
【表3】
【0207】
例4:(S)-6-(3-(((4-アミノ-2,2-ジオキシド-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)-N-シクロプロピルピコリンアミド(400)
【化15】
【0208】
DMF(15mL)中の(S)-6-(3-(((4-アミノ-2,2-ジオキシド-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)ピコリン酸(化合物301)(1.00g、2.32mmol)の溶液に室温で、EDCI-HCl(0.47g、2.43mmol)、HOBt-HO(0.33g、2.43mmol)、TEA(0.97mL、6.95mmol)、及びシクロプロパンアミン(0.18mL、2.56mmol)で処理した。この混合物を室温で48h撹拌し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、1N HCl(25mL)、HO(25mL)、及びブライン(25mL)で洗浄した。合一した有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、かつ濃縮した。粗生成物を、分取HPLC(アセトニトリル/HO)により精製した。生じた固体を、エタノール及び水から再結晶して、標題化合物を淡褐色固体として得た(0.152g、0.39mmol、13%)。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 0.61 (m, 2H), 0.71 (m, 2H), 1.45 (m, 2H), 1.75 (m,1H), 1.90 (m, 1H), 2.19 (m,1H), 2.77 (m, 1H), 2.92 (dd, J = 13.1, 10.8 Hz, 2H), 4.13 (m, 2H), 4.29 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 7.66 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 8.21 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 10.98 (s, 1H)。MS 471(M+H)。
【0209】
第4表中の化合物を、例4において記載されたのと類似の方法で、化合物301及び商業的に入手可能であったか又は公知の手順を用いて調製した、対応するアミンから、調製した。
第4表
【表4-1】
【表4-2】
【0210】
第5表中の化合物を、例4において記載されたと類似の方法で、化合物302及び商業的に入手可能であったか又は公知の手順を用いて調製した、対応するアミンから、調製した。
第5表
【表5-1】
【表5-2】
【0211】
第6表における化合物を、例4において記載されたのと類似の方法で、化合物303及び商業的に入手可能であったか又は公知の手順を用いて調製した、対応するアミンから、調製した。
第6表
【表6-1】
【表6-2】
【0212】
生物学的な例
例5:受容体に基づくアッセイ
甘味料スクロース、スクラロース、及びフルクトースについての効力(EC50値)を、T1R2/T1R3味覚受容体に対して測定した。EC50は、該甘味料単独を用いてかつ試験化合物3μM、10μM、又は50μMの存在下で、決定した。EC50比を、該試験化合物あり及びなしの効力の比により計算した。結果は、第7表に示される。“A”値は、20よりも大きい増強比を示す。“B”値は、10~20の増強比を示す。“C”値は、1より大きく、かつ10未満の増強比を示す。
第7表
【表7-1】
【表7-2】
【0213】
例6:官能実験
甘味料(スクロース又は高フルクトースコーンシロップ)を単独又は試験化合物と組み合わせて含有する試験試料を、2個ずつパネリストの群に提示し、彼らに該試料のどれがより甘いかを決定するために尋ねた。被検者は、該試験前の少なくとも1時間、飲食を控えた(水を除く)。被検者は水で数回すすいで、口をきれいにした。対にした比較試験の範囲内の試料を、ランダム化し、釣り合わせた順序で提示した。パネリストは、味覚試験の間に1分までの遅延を有し、口からあらゆる味覚を一掃した。二項確率表を使用して、各試験について生じる応答の正確な数の確率をα-0.05で決定した。
【0214】
試験化合物の原液を、エタノールで1000倍の最終濃度で調製して、溶液中の分散を確実にした。スクロースを含む試験化合物試料を、該原液をpH 7.1での低ナトリウム緩衝液(脱イオン限外ろ過水中KCl 0.952g、NaHPO 5.444g、及びKHPO 0.952g)中に希釈し、かつスクロースを含有させることにより調製した。高フルクトースコーンシロップを含む試験化合物試料を、該原液をpH 2.8での低ナトリウム緩衝液(クエン酸を用いて該pHに調節)中に希釈し、かつ高フルクトースコーンシロップを含有させることにより調製した。対照試料を、0.1%エタノール最終にして釣り合わせた。
【0215】
第8表は、該甘味料としてスクロースを用いた官能結果を示す。該試験化合物を含有する試料中で、該試験化合物は、10ppm以下の濃度で存在し、かつスクロースの濃度は6%であった。この表は、試験化合物とスクロースとの組合せの甘味強度に等価の知覚甘味強度を有するスクロース単独の濃度を示す。“A”値は、10%以上の等価スクロース濃度を示す。“B”値は、6%よりも大きく、かつ10%未満の等価スクロース濃度を示す 。
第8表
【表8】
【0216】
化合物200も、該甘味料として高フルクトースコーンシロップ(HFCS)を用いて試験した。該試験化合物を含有する試料中で、該試験化合物は、10ppm以下の濃度で存在し、かつHFCSの濃度は6%であった。試験化合物と6% HFCSとの組合せの甘味強度は、6%HFCS単独よりも常に大きいことが見出された。
【0217】
該受容体に基づくアッセイにおけるT1R2/T1R3アゴニスト活性を示す化合物を評価して、それらの固有の甘味閾も決定した。化合物200は、固有の甘味についても試験された。これは、1.5%スクロース溶液の甘味強度未満である10ppmでの甘味強度を有していた。
【0218】
本発明は、実施態様及び例に関して記載されているけれども、多数の及び多様な変更が本発明の精神から逸脱することなくなされることができることが理解されるべきである。それに応じて、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定される。
【0219】
さらなる実施態様:
1.式(I):
【化16】
の化合物又はその塩であって、式中:
及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1-6アルキルであるか、又はR及びRはこれらが結合している炭素と一緒に、C3-7カルボシクリルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のRで置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、-C(=O)OR3A、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B、-C(=O)R3A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR3A3B、-NR3AC(=O)R3B、及びR3Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3AA、-(CHN(R3AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CH3BB、-(CHN(R3BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Cは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3AAは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3BBは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR3CCで置換され;
それぞれR3CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
2.式(Ia):
【化17】
の化合物又はその塩であり、式中:
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;
は、-CH-又は-CR-であり;
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;かつ
は、-CH-又は-CR-である、実施態様1に記載の化合物。
3.Zが-CH-である、実施態様2に記載の化合物。
4.ZがN(窒素)である、実施態様2に記載の化合物。
5.Zが-CH-である、実施態様2に記載の化合物。
6.ZがN(窒素)である、実施態様2に記載の化合物。
7.Z及びZのうち少なくとも1つが-CR-である、実施態様2~6のいずれか1つに記載の化合物。
8.それぞれRが、ハロ、-NR3A(CHOR3B、-NR3A(CH3B、-(CHOR3B、-(CH3B及びR3Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Aが、水素、及び(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR3Bが、水素、(C-C)アルキル及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつ
それぞれR3Cが、ヘテロサイクル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される、実施態様7に記載の化合物。
【0220】
9.式(II):
【化18】
の化合物又はその塩、式中:
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、これらはそれぞれ任意に1個以上のRで置換され;
それぞれRは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、-C(=O)OR4A、-NR4A(CHOR4B、-NR3A(CH4B、-(CHOR4B、-(CH4B、-C(=O)R4A、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、-C(=O)NR4A4B、-NR4AC(=O)R4B、及びR4Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Aは、水素、ハロ、シアノ、-(CHOH、-(CH4AA、-(CHOR4AA、-(CHN(R4AA、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され、R4A中の前記ヘテロサイクル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ任意に1個以上の(C-C)アルキル又はC3-7カルボシクリルで置換され;
それぞれR4Bは、水素、ハロ、シアノ、-(CHOH、-(CH4BB、-(CHOR4BB、-(CHN(R4BB、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、(C-C)アルコキシ、ハロ(C-C)アルキル、ハロ(C-C)アルコキシ、(C-C)アルキルC(=O)-、(C-C)アルキルOC(=O)-、(C-C)アルキルC(=O)O-、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びヘテロアリール(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Cは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、ヘテロアリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4AAは、水素、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4BBは、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され、これらはそれぞれ任意に1個以上のR4CCで置換され;
それぞれR4CCは、ハロ、シアノ、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、ヘテロサイクル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクル(C-C)アルキル、アリール(C-C)アルキル、及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;
それぞれmは独立して、0、1、2、及び3から選択される整数であり;
それぞれnは独立して、0、1、2及び3から選択される整数であり;
それぞれpは独立して、1、2、及び3から選択される整数であり;かつ
それぞれqは独立して、0、1、2及び3から選択される整数である。
10.式(IIa):
【化19】
の化合物又はその塩であり、式中:
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;
は、-CH-又は-CR-であり;
は、-CH-、-CR-、又はN(窒素)であり;かつ
は、-CH-又は-CR-である、実施態様9に記載の化合物。
11.Zが-CH-である、実施態様10に記載の化合物。
12.ZがN(窒素)である、実施態様10に記載の化合物。
13.Z、Z及びZのうち少なくとも1つが、-CR-である、実施態様10~12のいずれか1つに記載の化合物。
14.それぞれRが、ハロ、-NR4A(CHOR4B、-NR4A(CH4B、-(CHOR4B、-(CH4B及びR4Cからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Aが、水素及び(C-C)アルキルからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Bが、水素、(C-C)アルキル及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつ
それぞれR4Cが、ヘテロサイクル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される、実施態様13に記載の化合物。
15.それぞれRが、-C(=O)OR4A、-C(=O)NR4A4B、及び-C(=O)R4Aからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Aが、水素、-(CHOH、-(CH4AA、-(CHOR4AA、-(CHN(R4AA、アリール、ヘテロアリール、(C-C)アルキル、ヘテロサイクル及び1個以上の(C-C)アルキルで置換されたヘテロサイクルからなる群から独立して選択され;
それぞれR4Bが、水素、(C-C)アルキル及びC3-7カルボシクリルからなる群から独立して選択され;かつ
それぞれR4Cが、ヘテロサイクル、及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される、実施態様13に記載の化合物。
16.それぞれR4AAが、水素、(C-C)アルキル、C3-7カルボシクリル、ヘテロサイクル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される、実施態様15に記載の化合物。
17.第1表、第2表、第3表、第4表、第5表又は第6表に列挙された化合物、又はその塩。
【0221】
18.実施態様1~17のいずれか1つに記載の化合物及び、任意に、甘味料を含んでなる、摂取可能な組成物。
19.ビヒクルをさらに含んでなる、実施態様0に記載の組成物。
20.前記ビヒクルが水である、実施態様19に記載の組成物。
21.前記化合物が、その甘味認知閾以下の濃度で存在する、実施態様0に記載の組成物。
22.前記甘味料が、約0.1質量%~約12質量%の量で存在する、実施態様0に記載の組成物。
23.前記甘味料が、約2質量%~約8質量%の量で存在する、実施態様0に記載の組成物。
24.前記甘味料が砂糖である、実施態様0に記載の組成物。
25.前記甘味料がスクロースである、実施態様24に記載の組成物。
26.前記甘味料が、フルクトースとグルコースとの組合せを含んでなる、実施態様24に記載の組成物。
27.前記甘味料がスクラロースである、実施態様0に記載の組成物。
28.前記組成物が飲料である、実施態様0に記載の組成物。
29.前記飲料が、強化された発泡性飲料、コーラ、レモン-ライム味の発泡性飲料、オレンジ味の発泡性飲料、グレープ味の発泡性飲料、ストロベリー味の発泡性飲料、パイナップル味の発泡性飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツ味のジュース、ジュース飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜味のジュース、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化された水飲料、ビタミンで強化された水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、茶系飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含有する飲料、穀物抽出物を含有する飲料及びスムージーからなる群から選択される、実施態様28に記載の組成物。
30.前記飲料がソフトドリンクである、実施態様28に記載の組成物。
【0222】
31.甘味料の甘味を増強する方法であって、実施態様1~17のいずれか1つに記載の化合物を、前記甘味料と組み合わせることを含んでなる、前記方法。
32.前記甘味料が砂糖である、実施態様31に記載の方法。
33.前記甘味料がスクロースである、実施態様32に記載の方法。
34.前記甘味料が、フルクトースとグルコースとの組合せを含んでなる、実施態様32に記載の組成物。
35.前記甘味料がスクラロースである、実施態様31に記載の方法。
【0223】
36.実施態様1~17のいずれか1つに記載の化合物の使用。
37.組成物の甘味を増強するための、実施態様1~17のいずれか1つに記載の化合物の使用。
38.前記組成物が、1種以上の甘味料を含んでなる、実施態様37に記載の使用。
39.前記の1種以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムK、1種以上のレバウジオシド、1種以上の糖アルコール、1種以上のモグロシド、又はそれらの任意の組合せを含んでなる、実施態様38に記載の使用。
40.前記の1種以上の甘味料が、スクロースを含んでなる、実施態様38に記載の使用。
41.前記の1種以上の甘味料が、フルクトースを含んでなる、実施態様38に記載の使用。
42.前記の1種以上の甘味料が、スクラロースを含んでなる、実施態様38に記載の使用。
43.前記の1種以上の甘味料が、グルコースを含んでなる、実施態様38に記載の使用。
図1
図2