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特許7453227負荷時タップ切換器及び負荷時タップ切換器用の負荷切換器
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  • 特許-負荷時タップ切換器及び負荷時タップ切換器用の負荷切換器 図1
  • 特許-負荷時タップ切換器及び負荷時タップ切換器用の負荷切換器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】負荷時タップ切換器及び負荷時タップ切換器用の負荷切換器
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/02 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
H01F29/02 C
H01F29/02 V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021529349
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2019081032
(87)【国際公開番号】W WO2020114730
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102018130869.8
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヘプフル・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴレーデ・ジルケ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルム・グレーゴル
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】ヘーロルト・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴュルシング・エルケ
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-506276(JP,A)
【文献】特開2016-033959(JP,A)
【文献】米国特許第03467800(US,A)
【文献】独国特許発明第102016117526(DE,B3)
【文献】国際公開第2012/003863(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷時タップ切換器(2)用の負荷切換器(1)であって、この負荷切換器(1)は、
-少なくとも1つの真空遮断器(30);
-真空遮断器(30)の第1端部(51)に機械的に接続され、及び第2端部(52)にローラ(53)を有する作動要素(50);
-基体(11)と少なくとも1つのカム(20)とを備えた作動本体(10)、
を含む、当該負荷切換器(1)において、
-真空遮断器(30)は、ローラ(53)によって作動本体(10)をトレースすることによって作動要素(50)を介して作動され、
-カム(20)の少なくとも1つの部分(21)は開口フランク(22)であり、
前記開口フランク(22)は、基体(11)とは別の材料からなり、かつ基体(11)よりも高い強度を有する、ことを特徴とする負荷切換器(1)。
【請求項2】
カム(20)の少なくとも1つの部品(21)をトレースすることで、真空遮断器(30)が開く、ことを特徴とする請求項1に記載の負荷切換器(1)。
【請求項3】
基体(11)は絶縁材料から成る、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の負荷切換器(1)。
【請求項4】
カム(22)の少なくとも1つの部分(21)は金属からなる、ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の負荷切換器(1)。
【請求項5】
-作動本体(10)は、基体(11)及び4つのカム(20)を有し、
-それぞれ1つの作動要素(50)を有する4つの真空遮断器(30)が設けられ、
-4つの真空遮断器(30)が作動本体(10)を中心として円形に配置されている、ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の負荷切換器(1)。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の負荷切換器を含む負荷時タップ切換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷時タップ切換器用の負荷切換器、及びこのような負荷切換器を備えた負荷時タップ切換器に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷時タップ切換器は、タップ切換変圧器で切換えを実行することに使用する。切換えは、異なる切換器の機械的作動によって行われる。負荷の増加によって、すなわち、より高い電流及び電圧によって、作動機構への要求も増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、より高い電流及び電圧で高い機械的負荷に耐え、その上、安全かつ信頼性が高い、負荷時タップ切換器用の改善された負荷切換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項1の対象によって解決される。さらなる実施形態は、従属請求項の対象である。
【0005】
本発明のさらなる課題は、より高い電流及び電圧で高い機械的負荷に耐え、その上、安全かつ信頼性が高い負荷時タップ切換器を提供することである。
【0006】
この課題は、独立請求項7の対象によって解決される。
【0007】
改善された構想は、カムの一部又は作動要素のカム全体を基体よりも硬い材料からなるという思想に起因している。大電流の場合に真空遮断器を開けるには、非常に大きな力を加えなければならないため、ローラを動かすことによってカムが折れるという危険性がある。この際、最大の負荷は、真空遮断器を「大きく開く」ために利用するカムの部分、いわゆる開口フランクに発生する。このため、カムの少なくとも一部は金属、特に鋼又は熱処理鋼から作られる。次いで、この部分は、少なくともローラと同等の硬度であるか、又はより高い若しくは同等の強度を有する。負荷切換器内部の絶縁距離を保持するために、作動体の基体は、絶縁材料、例えばプラスチック又はガラス繊維強化プラスチックで形成されており、及びカムの一部又はカム全体は、金属、特に鋼又は熱処理鋼で作られている。
【0008】
改善された構想によれば、負荷時タップ切換器用の負荷切換器が提供され、負荷切換器は少なくとも1つの真空遮断器を備える。さらに、負荷切換器は、真空遮断器の第1端部に機械的に接続され、及び第の端部にローラと、基体及び少なくとも1つのカムを備えた作動本体とを有する作動要素を備える。真空遮断器は、ローラによって作動本体をトレースすることによって、作動要素を介して作動される。カムの少なくとも一部は、基体よりも高い強度を有している。
【0009】
作動要素は、可動接点とローラとの間の単純な連結片として形成され得る。さらに、作動要素は、トグルレバーとして形成され得る。作動要素の任務は、ローラに作用する力を真空遮断器の可動接点に伝達することである。作動本体は、円板状、円筒状、又は棒状で形成され得る。カムは、外側若しくは円周側に、又は上側若しくは下側に配置され得る。作動本体をトレースするために、1つ又は複数の軸線を中心として回転、旋回、又は変位することができる。さらに、カムをトレースするために、作動要素を回転、旋回、又は変位することができる。
【0010】
少なくとも1つの実施例によれば、カムの少なくとも1つの部分をトレースすることによって、真空遮断器が開放される。少なくとも1つの実施例によれば、真空遮断器を開くカムの少なくとも1つの部分は、開口フランクである。少なくとも1つの実施例によれば、基体は絶縁材料、例えばプラスチック又はガラス繊維強化プラスチックからなる。少なくとも1つの実施例によれば、カムの少なくとも一部又はカム全体が、金属、特に鋼又は熱処理鋼から成る。
【0011】
少なくとも1つの実施例によれば、作動本体は、各々一つの作動要素を有する4つの真空遮断器の4つのカムを有する基体を備える。その際、4つの真空遮断器は作動本体を中心として円形に配置されている。この際、負荷切換器は、1相あたり1~6個の真空遮断器が設けられているように、単相、2相又は3相で形成され得る。一つの相の真空遮断器は、1つのセクタ内で互いに相並んで配置されている。
【0012】
改善された構想によれば、改善された構想従って少なくとも1つの負荷切換器を備える負荷時タップ切換器が提供される。
【0013】
以下、本発明を、図面を参照しながら、例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。機能的に同一である又は同一の作用を有する構成要素には、同一の符号が設けられてよい。同一の構成要素又は同一の機能を有する構成要素は、場合によっては、最初に現れた図面においてのみ説明されている。説明は、必ずしも後続の図面で繰り返されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】負荷切換器と選択器とを含む負荷時タップ切換器を備えたタップ切換変圧器の概略図を示す。
図2】本発明による負荷切換器を示す。
図3】本発明による負荷切換器の作動本体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、負荷切換器1と選択器4とを有している負荷時タップ切換器2を備えたタップ切換変圧器3を示している。負荷時タップ切換器2は、モータ5によって駆動される。
【0016】
図2は、本発明による負荷切換器1の内部を示す。負荷切換器1の中央には、基体11と複数のカム20とを有する作動本体10が配置されている。作動本体10は、駆動シャフト19に機械的に非回転で接続されている。駆動シャフト19は、(ここでは不図示の)バネエネルギ蓄積装置又はモータ駆動装置5に接続され、且つこれらによって作動される。この場合、駆動シャフト19、従って作動本体10は動作中に軸線Aを中心として回転する。この場合、駆動シャフト19は、一方向に回転するか、又は一定の角度で往復して、すなわち前後に回転するかのいずれかである。真空遮断器30は、作動本体10の周囲に不動に配置されている。通常、対応する作動機構を有する複数の真空遮断器は、作動本体の周囲に、例えば円形に配置されている。
【0017】
真空遮断器30は、作動要素50に接続されている可動の接点31を有する。この実施形態の作動要素50は、傾斜レバーとして形成されている。作動要素50がその第1端部51で真空遮断器30の可動接点31に接続されている。ここで示されている実施形態では、第1端部51が、フォーク状である。作動要素50がその第2端部52にローラ53を有する。負荷切換器の真空遮断器の各々は、それぞれ1つのローラを備えた作動要素を有する。
【0018】
負荷切換器1の全ての部品は、ここでは示されていないハウジング内に配置されている。ハウジングは、例えば、円筒形又は箱形に形成され得る。
【0019】
図3は、作動本体10の詳細図を示す。作動本体10は、一つの基体11と複数のカム20とを有する。この場合に、カム20は、実質的にディスク形状又は円筒形状で形成されている作動本体10の側面14に配置されている。ここで示されている実施形態では、作動本体10は、第1作動輪郭12及びその真下に直接配置されている第2作動輪郭13を有する。両方の作動輪郭12、13は、側面14上に配置され、全周にわたって延在する。作動本体10の上側15又は下側16上に、1つ又は複数の作動輪郭を配置することも可能である。カム20は、作動輪郭12,13の一つの構成要素である。
【0020】
ここに示されている実施形態では、カム20の部分21は、基体11とは別の材料からなる。カム20のこの部分21は、開口フランクである。この部品21は、形状ロック方式及び/又はフォースロック方式で基体11に接続されている。これは、接着及び/又はリベット留め及び/又はねじ止めによって実施される。さらに、部品21は、基体11の凹部17に挿入することができる。この部品21は、好ましくは、金属、特に鋼又は熱処理鋼からなる。基体11は、好ましくは絶縁材料、例えばプラスチック又はガラス繊維強化プラスチックからなる。
【0021】
真空遮断器30を作動させるために、すなわち開閉させるために、作動要素50の第2端部52でローラ53が、作動本体10の作動輪郭12、13をトレースする。開口フランク、すなわちカム20の部品21をトレースすることで、真空遮断器30が開放される。次いで、カム20をさらにトレースすることによって、真空遮断器30を開放したままにする。ここに示されている実施例では、カム20が作動要素50のローラ53を押圧する。これは傾斜レバーとして形成されているので、旋回軸線を中心に旋回され、且つ作動要素50の第1端部51が真空遮断器30の可動接点31を引っ張り、そして真空遮断器を開く。真空遮断器30を閉じるために、作動体10は、開放とは逆方向に回転される。開口フランクをトレースすると、真空遮断器50は閉じられる。
【0022】
カム20の少なくとも1つの部分21は、好ましくは、ローラ53より高い又は同じ強度を有する材料から成る。
【0023】
ここに示されている実施例では、作動本体10が一つの基体11及び上下に延在し、側面14に配置されている二つの作動輪郭12,13を有する。第1作動輪郭12は、2つの真空遮断器30を作動するために使用される2つのカム20を有する。さらに、第2作動輪郭13は、2つのさらなる真空遮断器30を作動させるために使用される2つのカム20を有する。各カム20の部品21は、基体11よりも高い強度を有する。この部分21は常に開口フランク22であり、これによって対応する真空遮断器30はローラ53によってトレースすることによって開口される。それぞれの作動輪郭の個々のカム20は、互いに対してシフトさせることができる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
負荷時タップ切換器(2)用の負荷切換器(1)であって、この負荷切換器(1)は、
-少なくとも1つの真空遮断器(30);
-真空遮断器(30)の第1端部(51)に機械的に接続され、及び第2端部(52)にローラ(53)を有する作動要素(50);
-基体(11)と少なくとも1つのカム(20)とを備えた作動本体(10)、
を含む、当該負荷切換器(1)において、
-真空遮断器(30)は、ローラ(53)によって作動本体(10)をトレースすることによって作動要素(50)を介して作動され、
-カム(20)の少なくとも1つの部分(21)は、基体(11)よりも高い強度を有する、ことを特徴とする負荷切換器(1)。
2.
カム(20)の少なくとも1つの部品(21)をトレースすることで、真空遮断器(30)が開く、ことを特徴とする上記1に記載の負荷切換器(1)。
3.
真空遮断器(30)を開放するカム(20)の少なくとも1つの部分(21)は、開口フランク(22)である、ことを特徴とする上記1又は2に記載の負荷切換器(1)。
4.
基体(11)は絶縁材料から成る、ことを特徴とする上記1~3のいずれか一つに記載の負荷切換器(1)。
5.
カム(22)の少なくとも1つの部分(21)は金属からなる、ことを特徴とする上記1~4のいずれか一つに記載の負荷切換器(1)。
6.
-作動本体(10)は、基体(11)及び4つのカム(20)を有し、
-それぞれ1つの作動要素(50)を有する4つの真空遮断器(30)が設けられ、
-4つの真空遮断器(30)が作動本体(10)を中心として円形に配置されている、ことを特徴とする上記1~5のいずれか一つに記載の負荷切換器(1)。
7.
上記1~6のいずれか一つに記載の負荷切換器を含む負荷時タップ切換器。
【符号の説明】
【0024】
1 負荷切換器
2 負荷時タップ切換器
3 タップ切換変圧器
4 選択器
10 作動本体
11 基体
12 第1作動輪郭
13 第2作動輪郭
14 側面
15 10の上側
16 10の下側
17 凹部
19 駆動シャフト
20 カム
21 カムの部分
22 開口フランク
30 真空遮断器
31 可動接点
50 作動要素
51 第1端部
52 第2端部
53 ローラ
図1
図2
図3