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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】混合材料ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240312BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240312BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021533693
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 US2019066324
(87)【国際公開番号】W WO2020124001
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】62/779,335
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/380,873
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラビス ディ. ミレマン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】タイラー エイ. ショー
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0340932(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0029796(US,A1)
【文献】特表2015-506809(JP,A)
【文献】特開2003-062130(JP,A)
【文献】特開2017-094074(JP,A)
【文献】特開2003-144590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00-53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって
ストライク面と、前記ストライク面の周囲から後方に延びる周囲フレームと、を含む金属前部ボディであって、前記ストライク面は、中心点と、前記ストライク面に沿って、前記中心点に接するロフト面と、ヒールからトウまで前記中心点を通って延び、前記ロフト面に垂直な中間面とを有する、前記金属前部ボディと、
前記金属前部ボディに連結された後部ボディであって、前記後部ボディと前記金属前部ボディが、その間に空洞を有する実質的な中空構造を形成する、前記後部ボディと、
を備え、
前記後部ボディは、クラウン部材と、ソール部材と、を備え、
前記ソール部材は、前記クラウン部材に連結され、
前記ソール部材は、
充填された熱可塑性材料から形成された構造層であって、前記構造層の厚さに沿って延びる複数の開口を含む、前記構造層と、
前記構造層の外面に結合される弾性層であって、前記弾性層が前記複数の開口のそれぞれを横切って延び、前記弾性層は、繊維強化熱可塑性複合材料から形成され、開口部を画定する、前記弾性層と、
前記弾性層の前記開口部を少なくとも一部に沿って延び、前記構造層に接合されている金属ウェイトパッドであって、前記金属ウェイトパッドは、金属ウェイトを取り付けるための開口を含む、前記金属ウェイトパッドと、
を含み、
前記構造層および前記弾性層は、それぞれ、共通の熱可塑性樹脂要素を含み、
前記金属ウェイトパッドは、前記金属ウェイトパッドの少なくとも一部を封入することによって、前記弾性層の前記開口部の内側に固定され、
前記構造層は、中間接着剤無しで、前記弾性層に直接接合される、 ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームの外面から内側に凹んだフランジをさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記フランジに接着接合され、
前記ソール部材の前記弾性層の前記外面は、前記周囲フレームの前記外面と同一平面にある、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームを前記フランジに結合する延長壁をさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記金属ウェイトパッドから前記金属前部ボディに向かって延びる構造部材を含み、
前記構造部材は、前記ストライク面とゴルフボールとの間の衝撃中に、前記金属ウェイトパッドと前記延長壁との間で動的荷重を伝達するように作動する、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ロフト面からのヘッドCG深さに位置し、前記ロフト面に垂直な方向で測定され、かつ、前記中間面からのヘッドCG高さで、前記中間面に垂直な方向で測定されたヘッド重心を有し、前記ヘッドCG深さが1.7インチよりも大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記金属前部ボディは、ストライク面挿入部と、受入フレームとをさらに備え、
前記受入フレームは前記ストライク面挿入部よりも密度が大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記金属前部ボディの質量が140gを超えず、前記ゴルフクラブヘッドの総質量が210gを超えない、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
機械的な締結具が、前記金属ウェイトパッドの前記開口内に前記金属ウェイトを固定し、
前記構造層の前記金属ウェイトパッドの前記開口は、ねじ切り加工を含み、
前記金属ウェイトは、ねじ切り加工を含まない、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記金属ウェイトが、5グラム~30グラムの範囲の質量を有する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
ゴルフクラブヘッドであって、
ストライク面と、前記ストライク面の周囲から後方に延びる周囲フレームと、を含む金属前部ボディであって、前記ストライク面は、中心点と、前記ストライク面に沿って、前記中心点に接するロフト面と、ヒールからトウまで前記中心点を通って延び、前記ロフト面に垂直な中間面と、を有する、前記金属前部ボディと、
前記金属前部ボディに連結された後部ボディであって、前記後部ボディと前記金属前部ボディが、その間に空洞を有する実質的な中空構造を形成する、前記後部ボディと、
前記後部ボディは、クラウン部材と、ソール部材と、を備え、
前記ソール部材は、前記クラウン部材に連結され、
前記ソール部材は、
充填された熱可塑性材料から形成され、前記クラウン部材に結合された構造層であって、前記構造層は、前記構造層の厚さに沿って延びる複数の開口を含む、前記構造層と、
中間接着剤無しで、前記構造層の外面に結合された弾性層であって、前記弾性層が前記金属前部ボディに当接し、前記複数の開口のそれぞれを横切って延び、開口部を画定する、前記弾性層と、
を含み、
前記構造層は、第1の熱可塑性ポリマー内に配置された第1の複数の繊維から成る第1の材料から形成され、
前記弾性層は、第2の熱可塑性ポリマー内に配置された第2の複数の繊維からなる第2の材料から形成され、
体積における前記第1の材料内の前記第1の熱可塑性ポリマーの量は、体積における前記第2の材料内の前記第2の熱可塑性ポリマーの量よりも大きく、
前記構造層および前記弾性層は、それぞれ、共通の熱可塑性樹脂成分を含み、
前記構造層は、中間接着剤なしで、前記弾性層に直接結合され、
前記ソール部材の前記構造層は、金属ウェイトパッドを含み、
前記金属ウェイトパッドは、前記金属ウェイトパッドの少なくとも一部を封入することによって、前記弾性層の前記開口の内側に固定され、
前記金属ウェイトパッドは、金属ウェイトを取り付けるための開口を含む、 ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームの外面から内側に凹んだフランジをさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記フランジに接着接合され、
前記ソール部材の前記弾性層の前記外面は、前記周囲フレームの前記外面と同一平面にある、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームを、接合している前記フランジに結合する延長壁をさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記金属ウェイトパッドから前記金属前部ボディに向かって延びる構造部材を含み、
前記構造部材は、前記ストライク面とゴルフボールとの間の衝撃中に、前記金属ウェイトパッドと前記延長壁との間で動的荷重を伝達するように作動する、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記第1の熱可塑性ポリマーが、前記第2の熱可塑性ポリマーに直接に結合される、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記第1の複数の繊維が、複数の不連続な繊維を含み、
前記第1の複数の繊維が、それぞれ、0.43インチ未満の最大寸法を有する、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記第2の複数の繊維が、織物として織り合わされた複数の連続的な繊維を含む、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記第1の熱可塑性ポリマーが、前記第2の熱可塑性ポリマーと同じである、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記金属前部ボディの質量が140gを超えず、前記ゴルフクラブヘッドの総質量が210gを超えない、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記ロフト面からのヘッドCG深さに位置し、前記ロフト面に垂直な方向で測定され、かつ、前記中間面からのヘッドCG高さで、前記中間面に垂直な方向で測定されたヘッド重心を有し、前記ヘッドCG深さが1.7インチよりも大きい、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記金属前部ボディは、ストライク面挿入部と、受入フレームとをさらに備え、
前記受入フレームは前記ストライク面挿入部よりも密度が大きい、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
機械的な締結具が、前記金属ウェイトパッドの前記開口内に前記金属ウェイトを固定し、
前記構造層の前記金属ウェイトパッドの前記開口は、ねじ切り加工を含み、
前記金属ウェイトは、ねじ切り加工を含まない、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記金属ウェイトが、5グラム~30グラムの範囲の質量を有する、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本契約は、2018年12月13日出願の米国仮出願第62/779,335号の利益を主張する(その内容は、参照により本明細書に完全に援用される)。さらに、これは、2019年4月10日出願の米国特許出願第16/380,873号の一部の継続である(その内容は、参照により本明細書に完全に援用される)。
【0002】
本開示は、一般に、混合材料構造を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、ゴルフクラブヘッドの全体的な性能に影響を及ぼす多くの重要な物理的パラメータ(すなわち、体積、質量など)がある。最も重要な物理的パラメータの1つは、ゴルフクラブヘッドの総質量である。ゴルフクラブヘッドの総質量は、総構造質量と総任意質量との合計である。構造質量とは、一般に、反復衝撃に耐えるのに必要な構造弾性をクラブヘッドに与えるのに必要な材料の質量を指す。構造質量は設計依存性が高く、設計者に特定の質量分布に対する比較的少ない制御量を提供する。逆に、任意の質量は、クラブの性能および/または寛容性をカスタマイズするという唯一の目的のためにクラブヘッド設計に追加され得る任意の追加の質量(ゴルフクラブヘッドの最小構造要件を超える)である。当技術分野では、クラブヘッド慣性モーメント(MOI)および下部/背面重心(CG)を最大にするために任意の重量を最大にするための手段を提供するために、すべての金属ゴルフクラブヘッドに対する代替の設計が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示は、一般に、スポーツ用具に関し、より詳細には、ゴルフクラブヘッドおよび関連する方法に関する。
図1】混合材料ゴルフクラブヘッドの底面図を示す。
図2図1のゴルフクラブヘッドの上面図を示す。
図3図1のゴルフクラブヘッドの背面図を示す。
図4図1のゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
図5図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
図6図1のゴルフクラブヘッドの前部ボディの後部平面図である。
図7図1のゴルフクラブヘッドの前部ボディの後面図を示す。
図8図1のゴルフクラブヘッドの前部ボディおよび後部ボディの分解図を示す。
図9図1のゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図10図1のゴルフクラブヘッドにおけるウェイトパッドおよびウェイトの拡大図を示す。
図11図1のゴルフクラブヘッド内の重り、ファスナ、およびワッシャの組立図を示す図である。
図12図1のゴルフクラブヘッドの後部ボディの内部図を示す。
図13図1のゴルフクラブヘッドの後部ボディの別の内部図を示す。
図14図1のゴルフクラブヘッドの製造方法を示す概略フローチャートである。
【0005】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0006】
金属前部ボディと組み合わせた混合材料後部ボディを備えるゴルフクラブヘッドが、本明細書に記載される。当該ゴルフクラブヘッドは、ストライク面および周囲フレームを含む、混合材料後部ボディは、繊維強化熱可塑性複合弾性層と、成形熱可塑性構造層と、金属ウェイトパッドと、金属ウェイトパッド内に固定された金属ウェイトとから構成される。混合材料後部ボディの構造は、構造質量の大幅な低減を提供し、任意質量の配分の改善を可能にし、したがって、ゴルフクラブヘッドのMOIおよびCGの改善を可能にする。
【0007】
説明および特許請求の範囲において、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、もしあれば、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列順序を説明するために使用されるわけではなく、そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で図示されるまたは別の方法で説明されるシーケンス以外のシーケンスで動作することができることを理解されたい。さらに、用語「含む」、「有する」、およびその任意の変形は、排他的な包含をカバーすることを意図しており、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が、必ずしもそれらの要素に限定されず、しかし、これらには、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置に明示的に記載されていない、または固有ではない他の要素が含まれる場合がある。
【0008】
明細書および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」などは、もしあれば、説明の目的のために使用され、必ずしも恒久的な相対位置を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、本明細書で説明される装置、方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、本明細書で図示されるか、または他の方法で説明されるもの以外の他の向きで動作することができるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。
【0009】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか、または以下の図面に例示される構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することが可能である。
【0010】
混合材料構造を有するゴルフヘッドの様々な実施形態を本明細書に記載する。混合材料構造は、金属前部ボディと混合材料製の後部ボディとを含む。クラブヘッドの一実施形態は、金属ウェイトパッドを有する複合後部ボディを含む。これらまたは他の実施形態では、クラブヘッドの後部ボディは、繊維強化熱可塑性複合弾性層、成形熱可塑性構造層、および金属ウェイトパッド内に固定された金属ウェイトを含むことができる。別の実施形態では、クラブヘッドの後部ボディは、金属ウェイトパッド内に固定された金属ウェイトを有する複合クラウンおよびソールを含むことができる。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ウッドタイプのゴルフクラブヘッド(すなわち、ドライバ、フェアウェイウッド、ハイブリッド)とすることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、クラブヘッドはドライバを含むことができる。これらの実施例では、クラブヘッドのロフト角は、約16度未満、約15度未満、約14度未満、約13度未満、約12度未満、約11度未満、または約10度未満とすることができる。さらに、これらの実施例では、クラブヘッドの体積は、約400ccより大きく、約425ccより大きく、約450ccより大きく、約475ccより大きく、約500ccより大きく、約525ccより大きく、約550ccより大きく、約575ccより大きく、約600ccより大きく、約625ccより大きく、約650ccより大きく、約675ccより大きく、または約700ccより大きくすることができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの体積は、約400cc~600cc、425cc~500cc、約500cc~600cc、約500cc~650cc、約550cc~700cc、約600cc~650cc、約600cc~700cc、または約600cc~800ccとすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、クラブヘッドは、フェアウェイウッドを構成することができる。これらの実施例では、クラブヘッドのロフト角は、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満とすることができる。さらに、これらの実施例では、クラブヘッドのロフト角は、約12度超、約13度超、約14度超、約15度超、約16度超、約17度超、約18度超、約19度超、または約20度超とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッドのロフト角は、12度~35度、15度~35度、20度~35度、または12度~30度であり得る。
【0013】
クラブヘッドがフェアウェイウッドを含む実施形態では、クラブヘッドの体積は、約400cc未満、約375cc未満、約350cc未満、約325cc未満、約300cc未満、約275cc未満、約250cc未満、約225cc未満、または約200cc未満である。これらの実施例では、クラブヘッドの体積は、約150cc~200cc、約150cc~250cc、約150cc~300cc、約150cc~350cc、約150cc~400cc、約300cc~400cc、約325cc~400cc、約350cc~400cc、約250cc~400cc、約250cc~350cc、または約275cc~375ccとすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、クラブヘッドはハイブリッドを含むことができる。これらの実施例では、クラブヘッドのロフト角は、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満とすることができる。さらに、これらの実施例では、クラブヘッドのロフト角は、約16度超、約17度超、約18度超、約19度超、約20度超、約21度超、約22度超、約23度超、約24度超、または約25度超とすることができる。
【0015】
クラブヘッドがハイブリッドを含む実施形態では、クラブヘッドの体積は、約200cc未満、約175cc未満、約150cc未満、約125cc未満、約100cc未満、または約75cc未満である。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの体積は、約100cc~150cc、約75cc~150cc、約100cc~125cc、または約75cc~125ccとすることができる。
【0016】
図1図10は、金属前部ボディ104と、後部ボディ108と、を有するゴルフクラブヘッド100の実施形態を示す。前部ボディ104および後部ボディ108は、実質的に閉じた/中空の内部容積を画定するために一緒に固定される。ウッドスタイルのゴルフヘッドと同様に、ゴルフクラブヘッド100は、クラウン112と、ソール116とを含み、ヒール領域124とトウ領域128とに分割することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、金属前部ボディ104と、複合後部ボディ108とを含み、後部ボディは、織られた繊維強化熱可塑性弾性層148と、成形熱可塑性構造層152と、金属ウェイトパッド156とを含む。織られた繊維強化熱可塑性弾性層148と成形熱可塑性構造層152との組み合わせは、完全に金属から作られた同様のクラブヘッドと比較して、構造質量の節約を可能にする。
【0018】
弾性層148および構造層152を使用することによって達成される構造重量の節約は、クラブヘッド100の全重量を減少させるか(より速いクラブヘッド速度および/または長いストライク距離を提供し得る)、またはゴルフクラブヘッド100上に配置するために利用可能な任意の質量の量を増加させるかのいずれかに使用され得る。一実施形態では、複合弾性層148および複合構造層152を使用することから得られる追加の任意質量を、金属ウェイトパッド156の形態でクラブヘッド100に再導入することができる。軽量複合後部ボディ108と金属ウェイトパッド156との組み合わせにより、クラブヘッド100は、MOIおよびCGを最大にする位置にクラブヘッドの大部分の質量を割り当てることができ、より寛容性およびより長いショットにつながる。
【0019】
I.前部ボディ
図4図7を参照すると、クラブヘッド100の前部ボディ104は、ゴルフボールをストライクするためのストライク面120を備えている。前部ボディ104は、前部ボディ104にカップ状の外観を与えるために、ストライク面120の周囲140から後方に延びる周囲フレーム136を備える。周囲フレーム136は、内面170及び外面172を有する。さらに、周囲フレーム136は、前部ボディ104と後部ボディ108とを接続する取り付け面を提供するために、フランジ174を備えることができる。前部ボディ104が後部ボディ108と組み合わされると、前部ボディ104の外面172はクラウン112の一部とクラブヘッド100のソール116の一部を形成する。前部ボディ104は、ゴルフクラブヘッド100のヒール領域124にゴルフクラブシャフトまたはシャフトアダプタを受け入れるためのホーゼル144をさらに備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、ストライク面120および周囲フレーム136は、一体的に形成することができる。他の実施形態では、ストライク面120および周囲フレーム136は、別個に形成され、互いに接合されてもよい。一実施形態では、ストライク面120は鍛造され、周囲フレーム136は鋳造され、次いで、ストライク面120および周囲のフレーム136は、溶接、ろう付け、プラズマ溶接、低出力レーザー溶接、鍛造、または別の適切な接合技術を介して接合される。
【0021】
多くの実施形態では、前部ボディ104は、ゴルフボールを打つことによる繰り返しの衝撃応力に耐えるように金属材料から作製される。いくつかの実施形態では、前部ボディ104は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、鋼合金(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti 7-4、Ti 6-4、T-9S)、アルミニウム合金、または複合材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100のストライク面120は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、鋼合金(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti 7-4、Ti 6-4、T-9S)、アルミニウム合金、アモルファス金属合金、または複合材料を含むことができる。
【0022】
前部ボディ104は、質量を含む。ストライク面120と周囲フレーム136とが別々であるいくつかの実施形態では、前部ボディ104の質量は、ストライク面120の質量と周囲フレーム136の質量との合計である。前部ボディ104が作られる材料に応じて、前部ボディ104の質量は、40グラム~140グラムの範囲とすることができる。ほとんどの実施例では、前部ボディ104の質量は140グラムを超えない。いくつかの実施形態では、前部ボディ104の質量は、40~50グラム、50~60グラム、60~70グラム、70~80グラム、80~90グラム、90~100グラム、100~110グラム、110~120グラム、120~130グラム、または130~140グラムの範囲とすることができる。
【0023】
a.ストライク面
図5図6、および図9を参照すると、ゴルフクラブヘッド100の前部ボディ104は、ゴルフボールを打つように配置されたストライク面120を含む。ストライク面120は、中心点160と、ロフト面164と、中立面168とを含む。中心点160は、クラブヘッド100のクラウン112およびソール116から等距離にあり、トウ領域128に最も近接した面の縁および、ヒール領域124に最も近接したストライク面120の縁から等距離にある。ロフト面164は、クラブヘッド100のストライク面120の中心点160に接している。ロフト面164は、接地面180と交差する。
【0024】
クラブヘッド100のストライク面120は、ストライク面120と前部ボディ104の内面170との間の距離として測定される厚さを含む。ストライク面120の厚さは、可変面厚(VFT)または可変厚さプロファイル196を画定する異なる位置で変化する。可変厚さプロファイル196は、中央領域192及び周辺領域188を有する。多くの実施形態では、可変厚さプロファイル196の中央領域192は、楕円形、卵形、卵形、または卵形のような形状を含む。中央領域192は、ほぼ長円形であり、ソール116およびヒール領域124に近いストライク面120の部分から、トウ領域128およびクラウン112に近いストライク面120の部分まで延びる。
【0025】
図6を参照すると、中央領域192は、ストライク面120の中心点160が中央領域192内に位置するように、または、ストライク面120の中心点160に及ぶか、またはその近くに位置決めされる。中央領域192は、ストライク面120の最大厚さを含む。多くの実施形態では、中央領域192の厚さは実質的に一定である。周辺領域188は、ストライク面120の周囲140の周囲に配置され、ストライク面120の最小厚さを備える。多くの実施形態では、周辺領域188の厚さは実質的に一定である。中央領域192におけるストライク面120の厚さは、周辺領域188におけるストライク面120の厚さよりも大きい。遷移領域190は、中央領域192と周辺領域188との間に配置される。遷移領域190は、中央領域192と周辺領域188との間の移行を形成する、変化する厚さを含む。
【0026】
さらに、ストライク面120は、一般的に、ヒール124からトウ128の方向に延びる主軸184を備える。主軸184は、中心点160と交差し、接地面と角度βを形成する。多くの実施形態では、主軸184は、中央領域192の長円形を反映する。
【0027】
主軸184は、接地面180とほぼ20度の角度を形成する。例えば、中央領域192の主軸184と接地面180との間に形成される角度は、0度から60度まで変化し得る。いくつかの実施形態では、中央領域192の主軸184と接地面180との間に形成される角度は、2~20、2~30、5~40、10~50、または15~60度で変化し得る。他の実施形態では、主軸184は、接地面180に対して5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、又は、60度の角度を形成し得る。中央領域192をある角度で配置することによって、卵形の細長い部分が、ストライク面120の上方のトウ部分に向かって延びることをさらに可能にし、高いCT値が存在し、結果として、ボール速度が改善する。
【0028】
楕円形または卵形または卵形の形状は、可変厚さプロファイル196の中央領域192の角度と共に、ストライク面120のより厚い領域を本質的に高いCTを有する領域に配置することを可能にし、ストライク面120のより薄い領域を本質的に低いCTを有する領域に配置することを可能にし、したがって、本質的に高いCTを有する面の領域は減少し、本質的に低いCTを有する面の領域は増加し、ストライク面120を横切る正規化CTをもたらす。多くの実施形態では、可変厚さプロファイル196は、115マイクロ秒(μs)未満、110μs未満、105μs未満、100μs未満、95μs未満、90μs未満、または85μs未満の特性時間範囲をもたらす。さらに、多くの実施形態では、可変厚さプロファイル40は、230μsを超える、235μsを超える、または240μsを超える平均特性時間をもたらす。例えば、多くの実施形態では、面プレート20の平均CTは、230μs~240μs、235μs~240μs、又は240μs~245μsとすることができる。
【0029】
さらに、角度付きVFTは、ストライク面120の厚い部分を必要とされる領域に位置決めするように設計されているので、ストライク面120は、本明細書に記載される可変厚さプロファイル196がないストライク面と比較して、重量減少を受けることができる。クラブヘッドの重心位置を操作し、クラブヘッドの慣性モーメントを増大させ、クラブヘッドの性能をさらに改善するために、クラブヘッドの他の領域に余分な任意の重量を再導入することができる。図示された実施形態では、本明細書に記載されるように、可変厚さプロファイル196を有するクラブヘッド100は、可変厚さプロファイル196を欠く同様のクラブヘッドと比較して、2.1グラムの重量を節約する。
【0030】
b.ホーゼル
ゴルフクラブヘッド100の前部ボディ104はホーゼル144を含む。ホーゼル144は、ホーゼル144のボアの中心に沿って延びるホーゼル軸176を含む。図3および図6を参照すると、本例では、ゴルフクラブヘッド100のホーゼル結合機構は、ホーゼル144およびシャフトスリーブ(図示せず)を備え、シャフトスリーブは、ゴルフシャフト(図示せず)の端部に結合することができる。シャフトスリーブは、複数の構成でホーゼル144と連結することができ、それによって、ホーゼル軸176に対して複数の角度でゴルフシャフトをホーゼル144に固定することができる。しかしながら、シャフトをホーゼル144に調節不能に固定することができる他の例もあり得る。図示の実施形態では、ホーゼル軸176は、ゴルフクラブヘッド10(図1)の正面図に対して接地面12に対して角度αである。図示の角度αは約60度であるが、他の構成では、角度αは約40~80度(例えば、約40度、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、または約80度)であってもよい。
【0031】
さらに、ホーゼル軸176および主軸184は、角度Θを形成する。多くの実施形態では、ホーゼル軸176と主軸184との間に形成される角度Θは、60~140度の範囲とすることができる。ほとんどの実施例では、ホーゼル軸176と主軸184との間に形成される最小角度Θは、約60度である。いくつかの実施形態では、ホーゼル軸176と主軸184との間に形成される角度Θは、60~70度、70~80度、80~90度、90~100度、100~110度、110~120度、120度~130度、または130~140度の範囲とすることができる。一実施形態では、ホーゼル軸176と主軸184との間に形成される角度Θは、80度から90度の範囲とすることができる。
【0032】
c.周囲フレーム
ゴルフクラブヘッド100の前部ボディ104は、ストライク面120の全体の周囲140から後方に延びる周囲フレーム136を備える。周囲フレーム136は、前部ボディ104と後部ボディ108とを連結するように作動するフランジ174をさらに備える。
【0033】
フランジ174は、重ね継手を達成するための表面を提供し、ここで、後部ボディ108を取り付け可能である。フランジ174は、周囲フレーム136の全体から後方に延び、周囲フレーム136の外面172から下に向かって、ステップ型構造を形成する。多くの実施形態において、前部ボディ104のフランジ174は、エポキシ、接着、溶接、接合、レーザー支援金属-プラスチック溶接、ろう付け、または任意の他の適切な取り付け方法によって、後部ボディがフランジ174に重なり合い、前部ボディ104に接合することを可能にする。重ね継手スタイルのフランジ174は、更に、前部ボディ104と後部ボディ108とが、何らかの機械的な締結具を使用することなく、確実に嵌合することを可能にする。
【0034】
さらに、周囲フレーム136は、外面172と内面170とを備え、追加の空力的特徴を配置して、ゴルフクラブヘッドの全体的な速度を向上させることができる。ゴルフクラブヘッド100の前部ボディ104の周囲フレーム136は、乱流翼200のような付加的な空力的特徴を含むことができる。乱流翼200は、クラブヘッドの抗力を減少させ、クラブ100の速度を増加させるために使用することができる。これらの乱流翼200は、米国特許No.9,555,294にさらに記載されており、は、その全体が参照により組み込まれる。
【0035】
II.後部ボディ
図4および図8図13を参照すると、クラブヘッド100の後部ボディ108は、クラウン部材204と、ソール部材208と、ウェイトパッド212とを備えている。クラウン部材204及びソール部材208は、ゴルフクラブヘッド100のクラウン112及びソール116の一部を形成するように互いに結合される。前部ボディ104と後部ボディ108が接合されると、前部ボディ104の外面172、クラウン部材204、ソール部材208が、ゴルフクラブヘッド100のクラウン112とソール116の全体を形成する。後部ボディ108のソール部材208は、複合弾性層152、複合構造層156、および金属ウェイトパッド212をさらに備えることができる。
【0036】
本設計では、後部ボディ108は、成形熱可塑性材料(例えば、射出成形熱可塑性材料)と繊維強化熱可塑性複合材料との混合物を含むことができる。本明細書で使用されるように、成形熱可塑性材料は、最終構成要素に構造および剛性を提供するためにポリマー自体に依拠するものである。成形熱可塑性材料は、射出成形のような成形技術に容易に適合されるものであり、それによって、材料は、ポリマーの融点を超える温度に加熱されたときに自由に流動可能である。フィラー材料が混合された成形熱可塑性材料は、充填熱可塑性(FT)材料と呼ばれる。充填された熱可塑性材料は、加熱/溶融状態にあるときに自由に流動可能である。流動特性を促進するために、充填材は、一般に、最大寸法が約25mm未満、またはより一般的には約12mm未満の離散粒子を含む。例えば、充填材料は、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmの最大寸法を有する離散粒子を含むことができる。本設計に有用な充填剤材料は、例えば、炭素、ガラス、またはアラミドポリマーから形成されたガラスビーズまたは不連続強化繊維を含むことができる。
【0037】
成形され充填された熱可塑性材料とは対照的に、繊維強化複合材料(FRC)材料は、一般に、ポリマーのより大きな部分を横切って延びる一方向または多方向繊維布の1つまたは複数の層を含む。FT材料で使用され得る強化繊維とは異なり、FRCで使用される繊維の最大寸法は、FT材料で使用されるものよりも実質的に大きく/長くてもよく、ポリマーとは別個の連続布として提供され得るように十分なサイズおよび特性を有してもよい。熱可塑性ポリマーで形成される場合、ポリマーが溶融したときに自由に流動可能であっても、含まれる連続繊維は一般に流動可能ではない。
【0038】
FRC材料は、一般に、繊維を所望の配置で配置し、次いで、剛性を提供するのに十分な量のポリマー材料を繊維材料に含浸させることによって形成される。このようにして、FT材料は、体積の約45%を超える、またはより好ましくは体積の約55%を超える樹脂含有量を有することができるが、FRC材料は、望ましくは、体積の約45%未満、またはより好ましくは体積の約35%未満の樹脂含有量を有する。FRC材料は、従来、ポリマーマトリックスとして2液熱硬化性エポキシを使用するが、マトリックスとして熱可塑性ポリマーを使用することも可能である。多くの場合、FRC材料は、最終製造の前に予め調製され、このような中間材料は、しばしばプリプレグと呼ばれる。熱硬化性ポリマーが使用される場合、プリプレグは、中間形態で部分的に硬化され、プリプレグが最終形状に形成されると、最終硬化が起こる。熱可塑性ポリマーが使用される場合、プリプレグは、冷却された熱可塑性マトリックスを含み得、これは、続いて、加熱され、そして最終形状に成形され得る。この技術は、強度を犠牲にすることなく、後部ボディ108のような複雑で軽量な形状を作ることを可能にする。
【0039】
a.クラウン部材
後部ボディ108は、クラウン部材204を含む。図4および図9を参照すると、クラウン部材204は、外面206を備え、その結果、後部ボディ108および前部ボディ104が接合されると、クラウン部材204の外面206および周囲フレーム136の外面172が、ゴルフクラブヘッド100のクラウン112全体を形成する。クラウン部材204の外面206は、接地面180に対して凹状である略曲線形状を備える。クラウン部材204のほぼ曲線形状により、クラウン部材が前部ボディ104のフランジ174の上に完全に配置されるので、後部ボディ208を前部ボディ104にシームレスに接合することができる。
【0040】
多くの実施形態では、クラウン部材204は、炭素繊維織物からなり、複合プライまたは一方向複合プライの任意の層ではない。一実施形態では、クラウン部材204は、ポリマーマトリックス中に埋め込まれた織ガラスまたは炭素繊維強化層を含む、形成された繊維強化複合材料から実質的に形成されてもよい。このような実施形態では、ポリマーマトリックスは、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6またはPA66などのポリアミドなどの熱可塑性材料であることが好ましい。他の実施形態では、クラウン部材204は、代わりに、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリアミドなどの熱可塑性材料全体に埋め込まれたガラス玉または不連続ガラス、炭素、またはアラミドポリマー繊維フィラーを含む充填熱可塑性材料から形成されてもよい。さらに他の実施形態では、クラウン部材204は、充填熱可塑性材料と成形繊維強化複合材料との両方を含む混合材料構造を有することができる。
【0041】
b.ソール部材
後部ボディ108は、ソール部材208を含む。図4及び9を参照すると、ソール部材208は、構造層156及び弾性層152を含み、ゴルフクラブヘッド100の軽量であるが強固なソール116を提供する。接地面180を参照すると、弾性層152は接地面に接して配置され、構造層156は、ゴルフクラブヘッド100の内部において、弾性層152の上部に配置される。
【0042】
一実施形態では、ソール部材208は、繊維強化熱可塑性複合弾性層152と成形熱可塑性構造層156の両方を含む混合材料構造を有する。好ましい実施形態では、成形熱可塑性構造層156は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6もしくはPA66などのポリアミドなどの熱可塑性材料全体に埋め込まれたガラス玉または不連続ガラス、炭素、またはアラミドポリマー繊維フィラーを含む充填熱可塑性材料から形成されてもよい。弾性層152は、次いで、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはPA6もしくはPA66などのポリアミドを含む熱可塑性ポリマーマトリックス中に埋め込まれた織ガラス、炭素繊維、またはアラミドポリマー繊維強化層を含むことができる。特定の一実施形態では、クラウン部材202および弾性層152は、それぞれ、ポリフェニレンサルファイド(PPS)に埋め込まれた織られた炭素繊維織物を含むことができ、構造層156は、充填されたポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリマーを含むことができる。
【0043】
構造層156は、一般に、ソール部材208の外周を画定する前方部分236および周辺部分240を含むことができる。組み立てられたクラブヘッド100において、前方部分236は金属製の前部ボディ104に結合され、周辺部分240はクラウン部材204に結合される。構造層156は、構造層156の厚さを通って延び、周囲の内部に位置する複数の開口244を規定する。さらに、構造層156は、前方部分236から、複数の開口244のうちの少なくとも2つの間まで延びる1つまたは複数の構造部材248を含むことができる。さらに、以下に説明するように、構造層156は、金属ウェイトパッド212および金属ウェイト220を含むように構成することができる。
【0044】
弾性層152は、前方部分236、周辺部分240、および複数の構造部材248の少なくとも一部に直接当接するか、または重なるように、構造層156に結合されてもよい。そうすることにより、弾性層152は、クラブヘッド100の外側から見た場合、複数の開口244のそれぞれを完全に覆うことができる。同様に、1つまたは複数の構造部材248は、補強リブまたはガセットと同様に、弾性層244の内側部分に対する選択的補強として働くことができる。
【0045】
クラウン部材204およびソール部材208のポリマー構造の両方に関して、任意の充填された熱可塑性プラスチックまたは繊維強化熱可塑性複合材料は、好ましくは、設計に重量節約の利益を提供しながら、典型的な使用に耐えるために十分に高い材料強度および/または強度/重量比特性を有する1つ以上のエンジニアリングポリマーを組み込むべきである。具体的には、ゴルフクラブヘッド100の材料が、ストライク面120とゴルフボールとの間のインパクト中に与えられる応力に効率的に耐える一方で、ゴルフクラブヘッド100の総重量に実質的に寄与しないことが重要である。一般に、好ましいポリマーは、約60MPa (ニート)を超える降伏点引張強度を特徴とすることができ、充填された場合、約110MPaを超える、またはより好ましくは約180MPaを超える、さらにより好ましくは約220MPaを超える降伏点引張強度を有することができる。いくつかの実施形態では、適切な充填熱可塑性ポリマーは、降伏点引張強度が約60MPa~約350MPaであってもよい。いくつかの実施形態では、これらのポリマーは、充填または非充填のいずれかで約1.15~約2.02の濃度を有してもよく、好ましくは約210℃を超える、またはより好ましくは約250℃を超える融点を有してもよい。
【0046】
c.ウェイトパッド
図4および図9図11を参照すると、多くの実施形態では、構造層156はウェイトパッド212を含むことができる。ウェイトパッド212は、金属ウェイト220を受け入れるようになっている空洞216を備えている。いくつかの実施形態では、ウェイトパッド212は、一般に、クラブヘッド100上の最も後方の点に向かって配置され、したがって、構造層156の後方部分132と一体化され、かつ/または直接結合されてもよい。いくつかの実施形態では、孔または開口部252を弾性層152に設けることができ、これを通ってウェイトパッド212の一部が延びることができる。いくつかの実施形態では、開口部250は、前部ボディ104から、少なくとも25mm、または少なくとも30mm、または少なくとも35mm(すなわち、クラブヘッドの外面に沿って測定される)の最小距離だけ離間される。図9に示すように、組み立てられたとき、ウェイトパッド212の外面は、直接隣接するソール部材208及び/又は弾性層152の外面と同一平面に位置することができる。このようにして、ウェイトパッド212の一部は、ゴルフクラブヘッド100の外側のソール116の一部を形成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ウェイトパッド212の内面は、クラブヘッドの内部に露出されてもよい。ウェイトパッド212は、ゴルフクラブヘッドの全体的なMOIを改善するために、高密度の後方質量を提供するように機能する。ウェイトパッド212およびウェイト220は、複合的な後部ボディ108を形成することによって実質的に重量節約が達成されるので、高濃度の任意の質量を配置する領域を提供する。
【0047】
ウェイトパッド212は、ゴルフクラブヘッド100の後方部分132の周囲に向かってできるだけ多くの質量を配置するために、任意の所望の形状を含むことができる。ウェイトパッド212の形状は、以下の形状、すなわち、円形、三角形、正方形、長方形、台形、五角形、曲線、スペード形状、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形または形状のうちの任意の1つとすることができる。一実施形態では、ウェイトパッド212は、ほぼ台形の形状とすることができる。別の実施形態では、ウェイトパッド212は、ほぼ長方形の形状とすることができる。さらに、別の実施形態では、ウェイトパッド212は、ほぼ円形の形状とすることができる。さらに、別の実施形態では、ウェイトパッド212は、ほぼ三角形の形状とすることができる。
【0048】
ほとんどの実施形態では、ウェイトパッド212は、ゴルフクラブヘッド100の全体的なMOIを改善するために、高密度の後方部分を提供するために、金属材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、ウェイトパッド212は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、鋼合金(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti 7-4、Ti 6-4、T-9S)、アルミニウム合金、または複合材料から形成され得る。一実施形態では、ウェイトパッド212は、ステンレス鋼から作ることができる。ウェイトパッド212は、後部ボディ108のソール部材208内に固定される前に、鍛造または鋳造することができる。
【0049】
ウェイトパッド212は、堅牢な構造的結合を提供するように操作可能な1つまたは複数の技法によって、弾性層152の開口部250内に固定することができる。材料の種類/材料の表面エネルギーの違い、ならびに接触表面積に対する構成要素の質量の比が比較的高いために、従来の接着剤だけでは、ゴルフクラブのボールへのインパクト中に経験される力に耐えることが困難であり得る。したがって、ウェイトパッドの少なくとも一部を封入することによって、ウェイトパッドの少なくとも一部を構造層156および/または弾性層152に一体化することが望ましい場合がある。そうすることで、封入層の材料強度は、表面の接着剤のみの使用よりも耐久性のある結合を提供するように作用することができる。図9および図13を参照すると、適切な封入の例は、ウェイトパッド212の縁部252上に延びる構造テープ261、構造層156によるウェイトパッド212の少なくとも一部の直接封入、または弾性層152の隣接プライ間のウェイトパッドの一部の封入を含むことができる。これらの技術は、ウェイトパッドとソール部材208との間に提供される化学接着剤の使用の代わりに、またはそれに加えて使用されてもよい。
【0050】
一構成では、ウェイトパッド212は、機械的な締め具を使用せずにソール部材208に取り付けることができる。一実施形態では、ウェイトパッド212は鋳造され、次いで、構造層156は、例えば、インサート射出成形または共成形技術によって、ウェイトパッド212の少なくとも縁部252の周りに成形されてもよい。上述のように、構造層156の充填された熱可塑性構造は、複雑な幾何学的形状を形成して、構造的に安定した方法で縁部の周りに延びる能力によって、ウェイトパッド212を受け入れるのに特に適している。重量パッドの幾何学形状によっては、そのような接合技術は、そのより均一なプロフィールのため、テープまたはFRCでより困難になる場合がある。
【0051】
ウェイトパッド212の空洞216は、ウェイトパッド212から内側に延びている。図示の実施形態では、空洞216は円形状を含む。他の実施形態では、空洞216は、任意の形状を含むことができる。例えば、空洞216の形状は、円、楕円、三角形、長方形、八角形、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形または形状を含むことができる。空洞216は、内部に金属ウェイト220を固定するための凹部を提供する。金属ウェイト220は、さらに、ゴルフクラブヘッド100に任意のウェイトを付加し、したがって、ゴルフクラブヘッド100のMOIおよびCGをさらに改善する。さらに、空洞216および金属ウェイト220は、異なる密度の異なる金属ウェイトを取り外し可能に取り付けることによって、ゴルフクラブヘッド100の全重量に変更を加えることを可能にする。
【0052】
空洞212は、空洞212の底224からソール部材208の外形まで、底224にほぼ垂直な方向に測定された深さを含む。多くの実施形態では、空洞212の深さは、0.10インチ~0.50インチである。いくつかの実施形態では、空洞212の深さは、0.50インチ未満、0.45インチ未満、0.40インチ未満、0.35インチ未満、0.30インチ未満、0.25インチ未満、0.20インチ未満、または0.15インチ未満である。
【0053】
さらに、空洞212は、底224に開口228を備える。開口228は、空洞212の底224からゴルフクラブヘッド100のクラウン112に向かって内側に延びている。いくつかの実施形態では、開口228は、空洞216内に金属ウェイト220を固定するために、締結具230のねじ切りと嵌合するねじ切りを含むことができる。他の実施形態では、開口228は、セルフタッピングまたはセルフドリル締結具と共に使用するために、ねじ切りを省くことができる。
【0054】
金属ウェイト220は、ウェイトパッド212の空洞216と一緒に配置されるように構成される。図示の実施形態では、ウェイト220は、空洞212の形状に対応するように円形の形状である。他の実施形態では、ウェイト220は、空洞212の形状に対応する任意の幾何学的形状(例えば、円形、楕円形、三角形、長方形、台形、八角形、または少なくとも1つの曲面を有する任意の他の多角形形状または形状)を含むことができる。
【0055】
金属ウェイト220は、ウェイト220を完全に貫通して延びる開口232をさらに備える。開口232は、空洞212の開口228と実質的に同じ大きさであり、ウェイト220の開口232は、ウェイトが空洞212内に配置されたときに、空洞212の開口228と整列する。ほとんどの実施例では、開口232は、締結具230がウェイト220を通過し、ねじ切りによってウェイトパッド212の開口228に固定されることを可能にするねじ切りを欠いている。さらに、いくつかの実施形態では、金属ウェイト220を空洞212内に配置する前に、ワッシャ214を空洞212内に配置することができる。
【0056】
d.組立
図14は、ソール部材208の一体的に結合された弾性層152、構造層156、および金属ウェイトパッド220を有するゴルフクラブヘッド100を製造するための方法300の実施形態を示す。方法300は、ステップ310において、繊維強化熱可塑性複合材料をクラブヘッド100の外部シェル部分に熱成形することを含む。熱成形プロセスは、例えば、熱可塑性ポリマーのガラス転移温度を少なくとも超える成形温度まで熱可塑性プリプレグを予備加熱し、プリプレグをシェル部分の形状に成形し、次いで成形部品を所定のサイズにトリミングすることを含むことができる。
【0057】
複合シェル部分が適切な形状になると、ステップ320において、充填されたポリマー支持構造を射出成形してシェルと直接接触させることができる。このようなプロセスは、一般に、インサート成形と呼ばれる。このプロセスでは、シェルは、シェルの一部に露出されたゲート付きキャビティを有する加熱された金型内に直接配置される。溶融ポリマーは、キャビティ内に強制的に注入され、その後、加熱された複合シェルの溶融ポリマーと直接混合するか、または軟化したシェルと局所的に結合する。金型が冷却されると、複合シェルおよび支持構造体のポリマーは、融合関係で一緒に硬化する。シェル部分のポリマーと支持構造のポリマーとが相溶性である場合、結合は強化され、2つの成分が共通の熱可塑性樹脂成分を含む場合、さらに強化される。インサート成形は、構造体を形成するための好ましい技術であるが、圧縮成形などの他の成形技術も使用することができる。
【0058】
引き続き図14を参照すると、ソール部材208がステップ310および320によって成形されると、FRCクラウン部材204をソール部材208に接合して、後部ボディ108の構造を実質的に完成させることができる(ステップ330)。好ましい実施形態では、クラウン部材204は、ステップ310に関して説明したのと同様の熱成形技法を使用して成形される熱可塑性FRC材料から形成することができる。熱可塑性複合材料からクラウン部材204を形成することにより、局所溶接技術を用いてクラウン部材204をソール部材208に接合することができる。そのような溶接技術は、例えば、レーザー溶接、超音波溶接、またはポリマーが導電性である場合には潜在的に電気抵抗溶接を含み得る。代わりに、クラウン部材204が熱硬化性ポリマーを使用して形成される場合、クラウン部材204は、例えば、接着剤または機械的付着技術(スタッド、ネジ、ポスト、機械的干渉係合など)を使用してソール部材208に結合されてもよい。
【0059】
固定されたクラウン部材204およびソール部材208を含む後部ボディ108は、その後、ステップ340で金属前部ボディ104に接着接合されてもよい。接着剤はほとんどの金属に容易に結合するが、ポリマーに接着するプロセスは、接着剤と後部ボディ108のポリマーとの間の結合を強化するために、1つ以上の接着促進剤または表面処理の使用を必要とし得る。
【0060】
III.利点
混合材料の後部ボディの構造を利用することにより、設計の柔軟性を犠牲にすることなく、任意の質量を再導入するための堅牢な手段を提供しながら、構造重量を大幅に低減することができる。このような設計は、上述のように、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような充填熱可塑性樹脂から完全に形成されてもよいが、繊維強化複合材の使用は、連続した外面にわたってより強く、より軽い構造を提供する。逆に、オールFRC設計は、重量受容構造を容易に組み込むことができず、したがって、増加した任意の質量を容易に利用することができない。
【0061】
金属重量パッドは、金属重量パッドが金属ウェイトの分散および互換性を可能にする一方で、金属ウェイトを固定するための耐久性および固定位置を提供するため、混合材料のゴルフクラブヘッドよりも有益である。金属重量パッドを持たないゴルフクラブヘッドと比較して、金属重量パッドは、ウェイトが取り付けられているときに重量パッドに与えられるトルクに確実に耐える。さらに、金属ウェイトパッドは、製造業者が金属ウェイトを交換し、製造公差を調整し(すなわち、クラブヘッド全体の所望のスイングウェイトを206グラムから209グラムに変更し)、または顧客仕様を調整する(すなわち、ゴルファーが自分のクラブヘッドをより重く、206グラムから209グラムにしたい)ことを可能にする。
【0062】
1つ以上のクレームされた要素の置換は、再構成を構成し、修理を構成しない。更に、効果、他の利点、及び問題解決法が特定の実施形態に関して記載されてきた。しかしながら、効果、利点、問題解決法、及び全ての効果、利点、または問題解決法をもたらし、またはさらに顕著にさせる要素または要素群は決して、これらの請求項のいずれかの請求項、または全ての請求項の必須の、必要な、または基本的な特徴、或いは要素であると解釈されるべきではない。
【0063】
ゴルフに対する規則は、時々変化し得るので(例えば、新しい規則が採用され得るか、または古い規則が、米国ゴルフ協会(USGA)、セントアンドリュースのロイヤルおよび古代ゴルフクラブ(R&A)などのゴルフ標準組織および/または統治機関によって排除または修正され得る)、本明細書に記載される装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ機器は、任意の特定の時点でゴルフの規則に準拠しているか、または準拠していない場合がある。したがって、本明細書に記載される装置、方法、および製品に関連するゴルフ用具は、適合または不適合のゴルフ用具として広告され、販売のために提供され、および/または販売されてもよい。本明細書に記載される装置、方法、および製品は、この点に関して限定されない。
【0064】
上記の例は、ウッドタイプのゴルフクラブ、本明細書に記載される装置、方法、および製造物品に関連して記載されてもよい。あるいは、本明細書に記載の装置、方法、および製品は、ホッケースティック、テニスラケット、釣り用ポール、スキーポールなどの他のタイプのスポーツ用具に適用可能であってもよい。
【0065】
更に、本明細書に開示する実施形態及び限定事項は、実施形態及び/又は限定事項が、(1)請求項に明示的に記載されておらず、かつ(2)均等論に基づいて請求項における表現要素及び/又は限定事項の均等物となる、または均等物となる可能性のある場合には、均等論に基づいて公衆に寄与されるものとはならない。
【0066】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の節に記載される。
【0067】
(項目1)
ゴルフクラブヘッドであって
ストライク面と、前記ストライク面の周囲から後方に延びる周囲フレームと、を含む金属前部ボディであって、前記ストライク面は、中心点と、前記ストライク面に沿って、前記中心点に接するロフト面と、ヒールからトウまで前記中心点を通って延び、前記ロフト面に垂直な中間面とを有する、前記金属前部ボディと、
前記金属前部ボディに連結された後部ボディであって、前記後部ボディと前部ボディが、その間に空洞を有する実質的な中空構造を形成する、前記後部ボディと、
を備え、
前記後部ボディは、クラウン部材と、ソール部材と、を備え、
前記ソール部材は、前記クラウン部材に連結され、
前記ソール部材は、
充填された熱可塑性材料から形成され、前記構造層の厚さに沿って延びる複数の開口を含む、前記構造層と、
前記構造層の外面に結合される弾性層であって、前記弾性層が前記複数の開口のそれぞれを横切って延び、前記弾性層は、繊維強化熱可塑性複合材料から形成され、開口部を画定する、前記弾性層と、
前記弾性層の前記開口部を少なくとも一部に沿って延び、前記構造層に接合されている金属ウェイトパッドであって、前記金属ウェイトパッドは、金属ウェイトを取り付けるための開口を含む、前記金属ウェイトパッドと、
を含み、
前記構造層および前記弾性層は、それぞれ、共通の熱可塑性樹脂要素を含み、
前記構造層は、中間接着剤無しで、前記弾性層に直接接合される、
ゴルフクラブヘッド。
【0068】
(項目2)
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームの外面から内側に凹んだフランジをさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記フランジに接着接合され、
前記ソール部材の前記弾性層の前記外面は、前記周囲フレームの前記外面と同一平面にある、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0069】
(項目3)
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームを前記フランジに結合する延長壁をさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記ウェイトパッドから前記金属前部ボディに向かって延びる構造部材を含み、
前記構造部材は、前記ストライク面とゴルフボールとの間の衝撃中に、前記ウェイトパッドと前記延長壁との間で動的荷重を伝達するように作動する、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0070】
(項目4)
前記ロフト面からのヘッドCG深さに位置し、前記ロフト面に垂直な方向で測定され、かつ、前記中間面からのヘッドCG高さで、前記中間面に垂直な方向で測定されたヘッド重心を有し、前記ヘッドCG深さが1.7インチよりも大きい、項目1から3のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0071】
(項目5)
前記金属前部ボディは、ストライク面挿入部と、受入フレームとをさらに備え、
前記受入フレームは前記ストライク面挿入部よりも密度が大きい、項目1から4のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0072】
(項目6)
前記前部ボディの質量が140gを超えず、前記ゴルフクラブヘッドの総質量が210gを超えない、項目1から5のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0073】
(項目7)
機械的な締結具が、前記金属ウェイトパッドの前記開口内に前記金属ウェイトを固定し、
前記構造層の前記金属ウェイトパッドの前記開口は、ねじ切り加工を含み、
前記金属ウェイトは、ねじ切り加工を含まない、項目1から6のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0074】
(項目8)
前記金属ウェイトが、5グラム~30グラムの範囲の質量を有する、項目1から7のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0075】
(項目9)
ゴルフクラブヘッドであって、
ストライク面と、前記ストライク面の周囲から後方に延びる周囲フレームと、を含む金属前部ボディであって、前記ストライク面は、中心点と、前記ストライク面に沿って、前記中心点に接するロフト面と、ヒールからトウまで前記中心点を通って延び、前記ロフト面に垂直な中間面と、を有する、前記金属前部ボディと、
前記金属前部ボディに連結された後部ボディであって、前記後部ボディと前部ボディが、その間に空洞を有する実質的な中空構造を形成する、前記後部ボディと、
前記後部ボディは、クラウン部材と、ソール部材と、を備え、
前記ソール部材は、前記クラウン部材に連結され、
前記ソール部材は、
充填された熱可塑性材料から形成され、前記クラウン部材に結合された構造層であって、前記構造層は、前記構造層の厚さに沿って延びる複数の開口を含む、前記構造層と、
中間接着剤無しで、前記構造層の外面に結合された弾性層であって、前記弾性層が前記金属前部ボディに当接し、前記複数の開口のそれぞれを横切って延びる、前記弾性層と、
を含み、
前記構造層は、第1の熱可塑性ポリマー内に配置された第1の複数の繊維から成る第1の材料から形成され、
前記弾性層は、第2の熱可塑性ポリマー内に配置された第2の複数の繊維からなる第2の材料から形成され、
体積における前記第1の材料内の前記第1の熱可塑性ポリマーの量は、体積における前記第2の材料内の前記第2の熱可塑性ポリマーの量よりも大きく、
前記構造層および前記弾性層は、それぞれ、共通の熱可塑性樹脂成分を含み、
前記構造層は、中間接着剤なしで、前記弾性層に直接結合され、
前記ソール部材の前記構造層は、金属ウェイトパッドを含み、
前記金属ウェイトパッドは、金属ウェイトを取り付けるための開口を含む、
ゴルフクラブヘッド。
【0076】
(項目10)
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームの外面から内側に凹んだフランジをさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記フランジに接着接合され、
前記ソール部材の前記弾性層の前記外面は、前記周囲フレームの前記外面と同一平面にある、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0077】
(項目11)
前記金属前部ボディは、前記周囲フレームを、接合している前記フランジに結合する延長壁をさらに含み、
前記ソール部材の前記構造層は、前記ウェイトパッドから前記金属前部ボディに向かって延びる構造部材を含み、
前記構造部材は、前記ストライク面とゴルフボールとの間の衝撃中に、前記ウェイトパッドと前記延長壁との間で動的荷重を伝達するように作動する、項目9又は10に記載のゴルフクラブヘッド。
【0078】
(項目12)
前記第1の熱可塑性ポリマーが、前記第2の熱可塑性ポリマーに直接に結合される、項目9から11のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0079】
(項目13)
前記第1の複数の繊維が、複数の不連続な繊維を含み、
前記第1の複数の繊維が、それぞれ、0.43インチ未満の最大寸法を有する、項目9から12のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0080】
(項目14)
前記第2の複数の繊維が、織物として織り合わされた複数の連続的な繊維を含む、項目9から13のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0081】
(項目15)
前記第1の熱可塑性ポリマーが、前記第2の熱可塑性ポリマーと同じである、項目9から14のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0082】
(項目16)
前記前部ボディの質量が140gを超えず、前記ゴルフクラブヘッドの総質量が210gを超えない、項目9から15のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0083】
(項目17)
前記ロフト面からのヘッドCG深さに位置し、前記ロフト面に垂直な方向で測定され、かつ、前記中間面からのヘッドCG高さで、前記中間面に垂直な方向で測定されたヘッド重心を有し、前記ヘッドCG深さが1.7インチよりも大きい、項目9から16のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0084】
(項目18)
前記金属前部ボディは、ストライク面挿入部と、受入フレームとをさらに備え、
前記受入フレームは前記ストライク面挿入部よりも密度が大きい、項目9から17のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0085】
(項目19)
機械的な締結具が、前記金属ウェイトパッドの前記開口内に前記金属ウェイトを固定し、
前記構造層の前記金属ウェイトパッドの前記開口は、ねじ切り加工を含み、
前記金属ウェイトは、ねじ切り加工を含まない、項目9から18のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【0086】
(項目20)
前記金属ウェイトが、5グラム~30グラムの範囲の質量を有する、項目9から19のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14