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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】芝刈りブレード及び応用
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/14 20060101AFI20240312BHJP
   A01D 34/73 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B26D1/14 B
B26D1/14 A
A01D34/73 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021563671
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2021081084
(87)【国際公開番号】W WO2022099962
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】202011263004.0
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521467054
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲匯▼▲鴻▼畜▲産▼嘉瑞机▲電▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JABP JIA RUI MACHINERY AND ELECTRONIC LTD.
【住所又は居所原語表記】13th Floor,50 Zhonghua Road,Baixia District,Nanjing City,Jiangsu Province 210000,China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】朱▲亮▼
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3019865(JP,U)
【文献】特開2019-033728(JP,A)
【文献】登録実用新案第3098739(JP,U)
【文献】特開2006-055913(JP,A)
【文献】特開2005-287306(JP,A)
【文献】特開2006-042750(JP,A)
【文献】特開2020-078287(JP,A)
【文献】特開2012-055230(JP,A)
【文献】中国実用新案第209930928(CN,U)
【文献】特開平10-134709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/14
A01D 34/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(1)と複数のカッターヘッド(2)とを含み、前記ベース(1)の円周上に複数のカッターホルダー(5)が均一に分布しており、前記カッターヘッド(2)が前記カッターホルダー(5)に固定して接続されており、前記カッターヘッド(2)の取り付け方向は、刃部が前記ベース(1)を指向する回転方向であり、
前記ベース(1)上に複数の抵抗低減孔(4)が設けられており、前記抵抗低減孔(4)が前記中心孔(3)と前記カッターホルダー(5)の中間位置に配列されており、
前記抵抗低減孔(4)の形状が涙滴形であり、サイズが複数のレベルに分けられ、前記抵抗低減孔(4)の配列方式は、同じサイズの前記抵抗低減孔(4)が円周に沿って首尾接続して配列されており、
前記カッターホルダー(5)は、歯裏(6)と切り屑排出溝(7)とを含み、前記歯裏(6)は、円弧流線型に設計され、前記切り屑排出溝(7)の深さは、5~15ミリメートルであり、
前記抵抗低減孔(4)のレイアウト方式は、中心から周辺へ大きい順に設けられており、
前記抵抗低減孔(4)のヘッド部の方向は、前記カッターヘッド(2)の指向と逆であり、前記カッターヘッド(2)の切断幅は、1.3~2.3ミリメートルであり、
前記カッターヘッド(2)と前記ベース(1)とは、片側を本体に貼り付けて溶接する方式によって固定して接続されている、ことを特徴とする芝刈りブレード。
【請求項2】
前記ベース(1)の中間位置に中心孔(3)が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の芝刈りブレード。
【請求項3】
前記芝刈りブレードの表面は、表面めっき層処理を採用する、ことを特徴とする請求項1に記載の芝刈りブレード。
【請求項4】
請求項1~に記載の芝刈りブレードが電池芝刈機上に用いられる、ことを特徴とする芝刈りブレードの応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池芝刈機のアクセサリの分野に属し、具体的には、芝刈りブレード及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
合金芝刈りシートは、芝刈り機のアクセサリとして、すでに広範に応用されているが、電池芝刈機が徐々に従来のガソリン芝刈り機に取って代わることに伴い、専用の電池芝刈機の芝刈りブレードの研究開発は、極めて重要となっている。電力駆動は、燃料駆動と比べて電力供給と航続の面で不足しているため、ガソリン芝刈機上に応用される芝刈りシートは、電動芝刈機における使用に適せず、自体重量と風抵抗を低減させるなどの面でより高い要求が出されていることにより、電池芝刈機の航続時間を延長するとともに、本来の尖鋭度と安全性を両立させなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題に対して、本発明は、ベースと複数のカッターヘッドとを含み、前記ベースの円周上に複数のカッターホルダーが均一に分布しており、前記カッターヘッドが前記カッターホルダーに固定して接続されており、前記カッターヘッドの取り付け方向は、刃部が前記ベースを指向する回転方向である芝刈りブレードをまず提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
好ましい技術案として、前記ベースの中間位置に中心孔が設けられている。
【0005】
好ましい技術案として、前記ベース上に複数の抵抗低減孔が設けられており、前記抵抗低減孔が前記中心孔と前記カッターホルダーの中間位置に配列されている。
【0006】
好ましい技術案として、前記抵抗低減孔の形状が涙滴形であり、サイズが複数のレベルに分けられる。
【0007】
好ましい技術案として、前記抵抗低減孔の配列方式は、同じサイズの前記抵抗低減孔が円周に沿って首尾接続して配列されている。
【0008】
好ましい技術案として、前記抵抗低減孔のレイアウト方式は、中心から周辺へ小きい順に異なるレベルの前記抵抗低減孔を設ける。
【0009】
好ましい技術案として、前記抵抗低減孔のヘッド部の方向は、前記カッターヘッドの指向と逆である。前記カッターヘッドの切断幅は、1.3~2.3ミリメートルであり、好ましくは、前記カッターヘッドの切断幅は、1.5~2.3ミリメートルである。
【0010】
好ましい技術案として、前記カッターホルダーは、歯裏と切り屑排出溝とを含む。前記歯裏は、円弧流線型に設計され、前記切り屑排出溝の深さは、5~15ミリメートルである。
【0011】
好ましい技術案として、前記カッターヘッドと前記ベースとは、片側を本体に貼り付けて溶接する方式によって固定して接続されており、好ましくは、全ての前記カッターヘッドの側面を片側研削し、全ての前記カッターヘッドの先端の研削角度方向は、同じである。
【0012】
好ましい技術案として、前記芝刈りブレードの表面は、表面めっき層処理を採用する。
【0013】
本発明は、芝刈りブレードの応用をさらに提供し、上記芝刈りブレードが電池芝刈機上に用いられる。
【発明の効果】
【0014】
有益な効果は、以下の通りである。
(1)ベース上に複数の「涙滴形」ビアホールを設けることによって、自己質量を低減させるとともに切断時の空気抵抗力を低減させ、航続時間を延長する。
(2)カッターヘッドの切断幅を減少することによって、鋸刃の重量と前角の受風面積を低減させることにより、切断時の空気抵抗力を低減させ、航続時間を延長する。
(3)溶接方式は、本来のカッターヘッド中間溶接を、片側を本体に貼り付けて溶接する方式に変更し、カッターヘッドとベースの正面(反時計回り回転の上辺は、正面である)とを面一し、裏面を研削する。鋸刃表面の空気抵抗力を低減させる。
(4)歯裏は、円弧流線型に設計され、且つ切り屑排出溝の深さを低減させ、歯裏を流れる気流がベース自体に遮断されることなく、カッターヘッド部位に順調に流れ、歯裏と切り屑排出溝の空気抵抗力を低減させる。
(5)表面は、表面めっき層処理を採用し、表面仕上げを増加させ、表面空気抵抗力を減少する。
(6)上記複数の面の設計又は改良によって、ブレード表面の空気抵抗力を大幅に低減させ、航続時間を延長し、尖鋭度と安全性に影響を与えることなく、電池芝刈機により適する芝刈りブレードを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例又は既存技術における技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本実施例又は既存技術の記述において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの添付図面に基づき、他の添付図面を取得することもできる。
図1】本発明による芝刈りブレードの構造概略図である。
図2図1におけるA位置の拡大図である。
図3-6】実施例における実験データ図である。 そのうち、1-ベース、2-カッターヘッド、3-中心孔、4-抵抗低減孔、5-カッターホルダー、6-歯ホルダー、7-切り屑排出溝。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の本発明の好ましい実施方法の詳述及び含まれる実施例に関連してさらに本発明の内容を理解することができる。
【0017】
本願の実施形態を説明する時、「好ましい」、「好ましくは」、「より好ましい」等の使用は、場合によっては、ある有益な効果を提供することができる本発明の実施案を意味する。しかしながら、同じ場合又は他の場合に、他の実施案も好ましい可能性がある。さらに、一つ又は複数の好ましい実施案に対する記述は、他の実施案が利用可能でないことを暗示するものではなく、他の実施案を本発明の範囲から除外することを意図するものでもない。
【0018】
本発明は、ベースと複数のカッターヘッドとを含み、前記ベースの円周上に複数のカッターホルダーが均一に分布しており、前記カッターヘッドが前記カッターホルダーに固定して接続されており、前記カッターヘッドの取り付け方向は、刃部が前記ベースを指向する回転方向である芝刈りブレードをまず提供する。図1に示される角度から見れば、前記ベースの回転方向は、反時計回り回転である。
【0019】
いくつかの好ましい実施形態において、前記ベースの中間位置に中心孔が設けられている。中心孔直径のサイズは、電動芝刈機の主軸直径に基づいてそれぞれ設けられている。
【0020】
いくつかの好ましい実施形態において、前記ベース上に複数の抵抗低減孔が設けられており、前記抵抗低減孔が前記中心孔と前記カッターホルダーの中間位置に配列されている。
【0021】
いくつかの好ましい実施形態において、前記抵抗低減孔の形状が涙滴形であり、サイズが複数のレベルに分けられる。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態において、前記抵抗低減孔の配列方式は、同じサイズの前記抵抗低減孔が円周に沿って首尾接続して配列されている。
【0023】
いくつかの好ましい実施形態において、前記抵抗低減孔のレイアウト方式は、中心から周辺へ小きい順に異なるレベルの前記抵抗低減孔を設ける。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態において、前記抵抗低減孔のヘッド部の方向は、前記カッターヘッドの指向と逆である。図1に示される角度から見れば、カッターヘッドの指向は、反時計回り方向であり、抵抗低減孔の比較的に細い部分の指向は、時計回り方向であり、前記カッターヘッドの切断幅は、1.3~2.3ミリメートルであり、好ましくは、前記カッターヘッドの切断幅は、1.5~2.3ミリメートルである。本発明において、切断幅は、すなわち前記カッターヘッドの厚さである。
【0025】
いくつかの好ましい実施形態において、前記カッターホルダーは、歯裏と切り屑排出溝とを含む。前記歯裏は、円弧流線型に設計され、前記切り屑排出溝の深さは、5~15ミリメートルである。切り屑排出溝の深さは、切り屑排出溝の最低点からカッターヘッドの最高点までの長さである。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態において、前記カッターヘッドと前記ベースとは、片側を本体に貼り付けて溶接する方式によって固定して接続されており、好ましくは、全ての前記カッターヘッドの側面を片側研削する。
【0027】
カッターヘッドとベースの正面(反時計回り回転の上辺は、正面である)とを面一し、裏面を研削する。鋸刃表面の空気抵抗力を低減させる。
【0028】
好ましくは、全ての前記カッターヘッドの先端の研削角度方向は、同じである。それにより、受風面積を低減させ、さらに切断時の空気抵抗力を低減させ、航続時間を延長する。
【0029】
いくつかの好ましい実施形態において、前記芝刈りブレードの表面は、表面めっき層処理を採用する。
【0030】
本発明は、芝刈りブレードの応用をさらに提供し、上記芝刈りブレードが電池芝刈機上に用いられる。
実施例
【0031】
以下では、実施例によって本発明の技術案を詳細に説明しているが、本発明の保護範囲は、前記実施例に限定されない。
【0032】
ここで一組の対照試験で本発明による芝刈りブレードが風抵抗を低減させ、航続時間を延長する具体的な効果を示す。実験グループは、本発明による芝刈りブレードであり、対照グループは、市販されている一般的なJIS(230×36P)である。
【0033】
実験グループ:本発明による芝刈りブレードは、ベース1とカッターヘッド2とを含み、前記ベースの円周上に複数のカッターホルダー5が均一に分布しており、前記カッターヘッド2が前記カッターホルダー5に固定して接続されており、前記カッターヘッドの取り付け方向は、刃部が前記ベース1を指向する回転方向である。前記ベース1の中間位置に中心孔が設けられている3である。前記中心孔3の直径は、25.4ミリメートルである。前記ベース1上に複数の抵抗低減孔4が設けられており、前記抵抗低減孔4が前記中心孔3と前記カッターホルダー5の中間位置に配列されている。前記抵抗低減孔4の形状が涙滴形であり、サイズが5つのレベルに分けられる。前記抵抗低減孔4の配列方式は、同じサイズの前記抵抗低減孔4が円周に沿って首尾接続して配列されている。前記抵抗低減孔4のレイアウト方式は、中心から周辺へ小きい順に異なるレベルの前記抵抗低減孔4を設ける。前記抵抗低減孔4のヘッド部の方向は、前記カッターヘッド2の指向と逆である。前記カッターヘッド2の切断幅は、1.6ミリメートルである。本発明において、切断幅は、すなわち前記カッターヘッド2の厚さである。前記カッターホルダー5は、歯裏6と切り屑排出溝7とを含む。前記歯裏6は、円弧流線型に設計され、前記切り屑排出溝7の深さは、7.3ミリメートルである。切り屑排出溝の深さは、切り屑排出溝の最低点からカッターヘッドの最高点までの長さである。前記カッターヘッド2と前記ベース1とは、片側を本体に貼り付けて溶接する方式によって固定して接続されている。全ての前記カッターヘッド2の側面を片側研削する。カッターヘッド2とベース1の正面(反時計回り回転の上辺は、正面である)とを面一し、裏面を研削する。鋸刃表面の空気抵抗力を低減させる。全ての前記カッターヘッド2の先端の研削角度方向は、同じである。それにより、受風面積を低減させ、さらに切断時の空気抵抗力を低減させ、航続時間を延長する。前記芝刈りブレードの表面は、表面めっき層処理を採用する。
【0034】
対照グループ:(JIS230×36P)、市場から購入される芝刈りブレードである。
【0035】
実験内容:(a)実験グループと対照グループの二つの芝刈りブレードの重量を秤量し、(b)実験グループと対照グループが同一の型番の電池芝刈機で作動し、同一の型号電池を完全に消費するのにかかる時間を測定する。
【0036】
【表1】
【0037】
データ分析:重量対比において、実験グループは、対照グループより3.02%重く、差が無視でき、電池作動時間の比較において、実験グループの時間は、対照グループより20.79%長く、実験結果によると、重量に差がない場合、本発明による芝刈りブレードは、空気抵抗力を低減させ、航続時間を延長するのにかなり大きな優位性を有する。
【0038】
本開示の実施例の添付図面は、本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は、通常設計を参照してもよい。
【0039】
明確にするために、本開示の実施例を説明するための添付図面では、層又は領域の厚さが拡大又は縮小されており、すなわちこれらの添付図面は、実際の縮尺に従って描かれていない。
【0040】
衝突しない場合、本開示の実施例及び実施例における特徴は、相互に組み合わせることにより新たな実施例を得ることができる。
【0041】
最後に説明すべきことは、以上の内容は、単に本発明の技術案を説明するためのものであり、本発明の保護範囲に対する制限ではなく、当業者が本発明の技術案に対して行った簡単な補正又は均等な置換は、いずれも本発明の技術案の本質と範囲を逸脱しないことである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6