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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20240312BHJP
   A61M 39/22 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61M5/168 500
A61M39/22
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022126515
(22)【出願日】2022-08-08
(62)【分割の表示】P 2021104512の分割
【原出願日】2016-01-22
(65)【公開番号】P2022163141
(43)【公開日】2022-10-25
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】15152201.8
(32)【優先日】2015-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】15152205.9
(32)【優先日】2015-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515170724
【氏名又は名称】エーツェーペー エントヴィッケルングゲゼルシャフト エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リービング ライナー
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0261717(US,A1)
【文献】実開平02-116453(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0055652(US,A1)
【文献】特開昭52-068778(JP,A)
【文献】特開昭62-079066(JP,A)
【文献】国際公開第00/000768(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 39/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルを通る流体フローの制御のためのバルブであって、
バルブ制御スペース(12、12a)と、
クロージャーエレメント(5、13、17)と、
バルブ駆動体(A、A’、B、B’、3、14、18)と、を備え、
前記バルブ制御スペース(12、12a)では、給送チャネル(1)が給送開口部(1a)に伸びており、排出チャネル(2)が排出開口部(2a)に伸びており、
前記クロージャーエレメント(5、13、17)は、制御された様式で前記バルブ制御スペース(12、12a)の中で移動可能であり、少なくとも1つの第1の位置(I)において、前記排出開口部(2a)を閉じ、少なくとも1つの第2の位置(II)において、前記給送開口部(1a)を閉じ、少なくとも1つの第3の位置(III)において、前記給送開口部(1a)と前記排出開口部(2a)との間の接続チャネルを開いた状態に保持し、
前記バルブ駆動体(A、A’、B、B’、3、14、18)は、前記クロージャーエレメント(5、13、17)を少なくとも前記第1、第2、または第3の位置へ選択的に移動させ
前記バルブ制御スペース(12、12a)は、前記給送開口部(1a)および前記排出開口部(2a)を除いて、すべての側部において、流体密封の様式で閉鎖されていること、
を特徴とするバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブであって、
前記クロージャーエレメント(5、13、17)の前記第3の位置(III)は、前記第1の位置と前記第2の位置との間にあることを特徴とするバルブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバルブであって、
前記バルブ制御スペース(12、12a)は、前記クロージャーエレメント(5、13、17)の前記バルブ駆動体から分離され得ることを特徴とするバルブ。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載のバルブであって、
前記クロージャーエレメント(5、13、17)は、移動可能な膜(5)を含み、前記移動可能な膜(5)は、流体密封の様式で前記バルブ制御スペース(12)を閉鎖し、前記給送開口部(1a)または前記排出開口部(2a)を前記膜(5)の一部によって選択的に閉じることが可能であるように撓むことが可能であることを特徴とするバルブ。
【請求項5】
請求項に記載のバルブであって、
前記バルブ駆動体(A、A’、B、B’、3、14、18)の駆動レバー(3、14)は、少なくとも前記第1および第2の位置において、前記膜(5)を撓ませることを特徴とするバルブ。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載のバルブであって、
前記クロージャーエレメント(5、13、17)は、磁気的に作用するバルブ駆動体(A、A’、B、B’)によって駆動され得ることを特徴とするバルブ。
【請求項7】
請求項に記載のバルブであって、
前記バルブ制御スペース(12、12a)の中に配置されている前記クロージャーエレメント(5、13、17)は、磁気的にアクティブであり、前記バルブ駆動体(A、A’、B、B’)の磁界と相互作用することを特徴とするバルブ。
【請求項8】
請求項またはに記載のバルブであって、
前記バルブ駆動体(A、A’、B、B’、3、14、18)の駆動レバー(3、14)が、磁気的に駆動可能であるか、
前記バルブ制御スペース(12、12a)が、前記クロージャーエレメント(5、13、17)の前記バルブ駆動体から分離され得るか、
または両方であることを特徴とするバルブ。
【請求項9】
請求項に記載のバルブであって、
前記バルブ制御スペース(12、12a)、および、前記クロージャーエレメント(5、13、17)に機械的に接続されている前記バルブ駆動体のパーツ(3、14、18)が、前記給送開口部および前記排出開口部(1a、2a)を除いて、流体密封の様式で閉鎖されており、前記バルブ駆動体の磁界を作り出すデバイス(A、A’、B、B’)から分離可能であるか、
前記クロージャーエレメントが、弾性的なスプリングエレメント(10、18)によって、前記第3の位置(III)へ移動させられるか、
または両方であることを特徴とするバルブ。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載のバルブであって、
前記クロージャーエレメント(5、13、17)の内側に磁石(13’’、13’’’、13’’’’)が設けられており、
前記クロージャーエレメント(5、13、17)は、前記バルブ駆動体(A、A’、B、B’、3、14、18)の磁界と相互作用するバルブ駆動アーマチュア(53、54、62、63)を含み、
前記磁石(13’’、13’’’、13’’’’)は、前記バルブ駆動アーマチュア(53、54、62、63)とは、別々に距離を置かれた様式で設けられていることを特徴とするバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニクスの分野に関し、特に有利には、医療技術の分野に適用可能である。本発明は、特に、さまざまな圧力条件においても、カテーテルを通る流体フローの信頼性の高い遮断を可能にするバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
流体フローを制御するためのさまざまな遮断バルブが、先行技術から公知である。工業的に開発された使い捨ての遮断バルブが、たとえば、特許文献1に開示されている。簡単な逆止バルブは、たとえば、特許文献2から公知である。そのような逆止バルブは、たとえば、自動車技術において適用されている。そのような遮断バルブは、基本的に、非常に制限された適用エリアを有しており、そのようなバルブは、狭い圧力範囲のみに関して設計されていることが多いので、過大圧力もしくは過小圧力のいずれかにおいて、または、圧力変動のケースにおいて、問題が生じる。しかし、媒体の分離は、さらに絶対的に必要であり、つまり、遮断場所を含む実際の流体チャネルは、医療分野における用途の場合に、また、他の専門分野における用途の場合にも、たとえば、駆動エレメントなどのような、バルブの他のエレメントから密閉されていなければならない。
【0003】
そのうえ、簡単なクリーニングおよび殺菌が可能であるということ、または、選択的に、使い捨てのコンポーネントが使用されるケースにおいて、簡単に交換可能であるということは、医療技術の分野における用途に関して重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】DE 20 2013 104711 A1
【文献】DE 11 2009 003676 T5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、先行技術の背景に対して、本発明の目的は、低い流体スループットにおいて、また、さまざまな圧力条件下においても、流体チャネルの信頼性の高い遮断および開口を可能にする、カテーテルデバイスまたはバルブを生成させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、特許請求の範囲による本発明の特徴によって実現される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項において特定されている。
【0007】
これは、第1に、カテーテルデバイスであって、生物の中へ導入するためのカテーテルと、カテーテルデバイスの一部によって流体フローを導くための少なくとも1つのルーメンとを含み、特にカテーテルを通る流体フローの制御のためのバルブを含み、バルブは、バルブ制御スペースを備えており、バルブ制御スペースでは、給送チャネルが給送開口部に伸びており、排出チャネルが排出開口部に伸びており、バルブは、クロージャーエレメントを備えており、クロージャーエレメントは、制御された様式でバルブ制御スペースの中で移動可能であり、クロージャーエレメントは、少なくとも1つの第1の位置において、排出開口部を閉じ、少なくとも1つの第2の位置において、給送開口部を閉じ、少なくとも1つの第3の位置において、給送開口部と排出開口部との間の接続チャネルを開いた状態に保持し、クロージャーエレメントを少なくとも第1、第2、または第3の位置へ選択的に移動させるバルブ駆動体が設けられており、少なくとも1つのルーメンは、流体を導く様式で、給送チャネルまたは排出チャネルに接続されている、カテーテルデバイスに関する。
【0008】
より詳細にもう一度さらに下記に説明されているように、洗浄流体を非常に正確に導くことは、カテーテルデバイスによって可能であり、これは、洗浄方向に関して可能であり、カテーテルの中の洗浄体積および洗浄フローに関して可能である。これは、特に、可撓性の回転可能なシャフトの背景に対して実現され、それは、特に、据え付けの長さおよび場所に応じて、吸い込み効果または変化する圧力条件を有する。そのうえ、バルブが完全に機能するということは、医療技術のこの分野において、実際に最重要のことである。特に、汚染および摩耗破片、たとえば、金属摩耗破片を、洗浄流体から除去するために、分離デバイスに連結することも制御可能である。たとえば、分離デバイス(したがって、摩耗破片を捕捉/捕獲するためのデバイスなど)の「通過洗浄(through-rinsing)」のケースにおいて、クリーニングのために一時的な方向逆転が意味をなす場合には、これは、可能である。
【0009】
たとえば、そのような分離デバイスの例は、同日に出願されたECP GmbHの並列のECP46PCT(ファイル番号はまだ知られていない)において説明されている。そのうえ、先行出願EP15152201.8およびEP15152205.9の両方の優先権が主張されている。3つの特許出願すべての開示の内容は、それらが最初に出願された形式で、その全体が、本願に引用して援用されている(「引用による援用」)。
【0010】
1つの実施形態は、カテーテルが回転可能なシャフトを含むことを想定している。これは、たとえば、可撓性であり、特に、人間の大動脈弓の湾曲に適合され得る様式で可撓性であり、したがって、たとえば、それぞれのシャフトを大腿動脈の中へ導入するときに、および、それを大動脈に沿ってさらに導くときに、可撓性のシャフトの先端部におけるポンプヘッドが、心臓の心室の中へ導入される様式で可撓性であり、また、大動脈を洗浄する方向にカテーテルを押すときに、カテーテルが大動脈弓の湾曲に自動的に適合する様式で可撓性である。
【0011】
ある実施形態では、駆動デバイスは、生物の外側(したがって、上記の例では大腿動脈の外側)に選択されており、回転可能なシャフトは、大腿動脈の中へ伸びており、たとえば、左心室の中へ伸びており、その中に位置決めされているカテーテルポンプ(心臓ポンプ)のポンプヘッドを駆動するようになっている。
【0012】
さらなる実施形態は、カテーテルが、2つ以上のルーメンを含み、少なくとも1つのルーメンは、流体を遠位方向に導くように設計されており、少なくとも1つのルーメンは、流体を近位方向に導くように設計されていることを想定している。
【0013】
ある実施形態では、第1のルーメンの中を遠位方向に導かれる流体フローの10パーセントから90パーセントが、別のルーメンの中を近位方向に導かれて戻され得る。したがって、いわゆる「Y字形洗浄」によって、流体フローが、遠位方向に送達され、洗浄流体の一部が、たとえば、カテーテルの遠位端部において、心臓の中へ到達し、次いで、洗浄流体の別の一部が、それぞれの他のルーメンを通って再び出ていく。さらにより複雑な実施形態が可能であり、それによって、たとえば、軸受などの領域の中の摩耗破片をカテーテルデバイスから除去するために、駆動デバイス(すなわち、たとえば身体の外側に位置付けされている駆動体)が、さらに追加的に流体フローを供給される。
【0014】
この理由のために、実施形態は、たとえば、より複雑な洗浄(フラッシング)手順を実施するために、または、(たとえば、分離デバイスをクリーニングするために)洗浄方向の逆転を検討するために、1つ、2つ、3つ、または、それ以上のバルブが設けられるということを想定することが可能である。
【0015】
1つの実施形態は、いくつかのバルブ、たとえば2つのバルブが設けられており、第1のバルブの排出部は、カテーテルデバイスの駆動デバイスの給送部に接続されており、第2のバルブが存在しており、第2のバルブの給送部は、流体を近位方向に導くカテーテルのルーメンに接続されていることを想定している。
【0016】
カテーテルデバイス100の中のバルブの異なる実施形態が、特定の説明部分に示されている。これは、特に、実施形態8、9、10、11、および12に関する。
【0017】
また、クロージャーエレメントのバルブ駆動体が分離可能であるように、すなわち、クロージャーエレメントのバルブ駆動体が、ツール不要の様式で、構成体の残りの部分から分離され得るように、バルブが設計されており、特に、より簡単な交換を可能にし、また、構成体のパーツの複数の使用を伴っても、低いコストでの無菌状態を確実にするということが述べられるべきである。
【0018】
また、バルブ駆動体は任意の様式で実現され得るということが述べられるべきである。磁気的に作用する駆動は別として、駆動は、純粋に機械的な様式でも実現され、また、それは、電気的にまたは誘導的にも実現され、ここでは、当業者が第1、第2、および/または第3の位置へのクロージャーエレメントの移動を実現することを可能にする任意の駆動が可能である。
【0019】
なかでも、本出願は、また、カテーテルを通る流体フローの制御のためのバルブであって、バルブは、バルブ制御スペースを備えており、バルブ制御スペースでは、給送チャネルが給送開口部に伸びており、排出チャネルが排出開口部に伸びており、バルブは、クロージャーエレメントを備えており、クロージャーエレメントは、制御された様式でバルブ制御スペースの中で移動可能であり、クロージャーエレメントは、少なくとも1つの第1の位置において、排出開口部を閉じ、少なくとも1つの第2の位置において、給送開口部を閉じ、少なくとも1つの第3の位置において、給送開口部と排出開口部との間の接続チャネルを開いた状態に保持し、クロージャーエレメントを第1、第2、または第3の位置へ選択的に移動させるバルブ駆動体が設けられている、バルブに関する。1つの設計では、異なるバルブギャップサイズが、第3の位置またはさらなるバルブ位置において、フローの制御のために活性化させられ得る。
【0020】
バルブは、設計に起因して、排出開口部を閉じることによって、および、給送開口部を閉じることによって、流体フローを遮断することが可能である。給送チャネルおよび排出チャネルという用語は、その流出を伴う給送チャネルが、通常のまたは統計的に最も多い状況および圧力条件の下で給送チャネルとして作用するチャネルを示すように選択される。排出チャネルという用語も、同様に定義される。
【0021】
これに起因して、排出チャネルの中よりも高い給送チャネルの中の圧力によって、および、給送チャネルの中よりも高い排出チャネルの中の圧力によって、それぞれのケースでは、閉鎖力を支援する可能性が存在しており、したがって、圧力差に起因して、給送チャネルの中の過大圧力を所与として、クロージャー本体が排出開口部を閉じ、一方、排出チャネルの中の過剰圧力を所与として、クロージャー本体が給送開口部を閉じることによって、シールされたクロージャー本体の着座を支援する可能性が存在している。これらのケースのそれぞれにおいて、クロージャー本体は、機械的な駆動力に追加して、バルブ制御スペースとそれぞれに閉じたチャネルとの間の圧力差によって、閉鎖位置に保持されている。
【0022】
特定のケースにおいて、給送チャネルは、排出チャネルとして機能することが可能であるので、また、その逆も同様であるので、簡単に、給送チャネルを第1のチャネルとして示し、排出チャネルを第2のチャネルとして示すことも可能である。
【0023】
交互の圧力条件、または、長期間にわたって変化する圧力条件が見られ得るようなシステムにおいて、信頼性の高いシーリングが特に重要である。そのような条件は、たとえば、カテーテルに見られ、それは、機械的に駆動可能な回転シャフトを導くために、および/または、そのようなカテーテルを洗浄するために使用される。通常、回転シャフトを導くカテーテルを洗浄またはフラッシングするときに、非常に低い流体スループットが望まれ、この非常に低い流体スループットは、なかでも、所定の方向のみにさらに移動させられているシャフトの摩耗粒子につながる。そのような回転シャフトは、捩じられたワイヤーの束から製造されていることが多く、その束は、その外側輪郭において、らせん状の形状を有している。このらせん状の形状は、シャフトの急速回転のケースにおいて、シャフトを取り囲む洗浄流体の送達効果を達成し、吸い込み効果が洗浄流体の実際の回転運動に追加的に起こるようになっており、その回転運動は、洗浄剤ポンプによって実現される。摩耗および研磨性の摩擦に起因して、シャフトの輪郭が時間とともに変化するので、この吸い込み効果は、時間とともに変化する。これに起因して、圧力条件の変化は、対応する洗浄カテーテルにおいて起こり、それは、洗浄剤フローの逆転にもつながる可能性がある。それによって、本発明によるバルブによって、圧力条件から独立して、そのような流体フローの信頼性の高い遮断/制御を実現する可能性が求められている。上述のように、圧力勾配に応じて、給送開口部または排出開口部(または、第1の開口部もしくは第2の開口部)の選択的な閉鎖によって、それぞれの流体チャネルの閉鎖を実現する可能性が生じ、それぞれの閉じられる開口部は、位置にしたがって選択され得る。また、開口部におけるクロージャーエレメントの閉鎖位置は、圧力勾配によって安定化させられる。
【0024】
設計は、バルブの少なくとも一部が使い捨てのコンポーネントとして考えられることを想定している。これは、たとえば、医療技術の分野において意味をなす。流体を導くコンポーネント(たとえば、バルブ制御スペース)は、このように、使い捨てのコンポーネントとして交換可能であり得る。たとえば、好ましくは、流体に直接的に接触することにならない、クロージャーエレメントのバルブ駆動体など、高価なコンポーネントが、再使用可能なコンポーネントとして想定される。したがって、たとえば、バルブ制御スペースが、カテーテルの一部になること、特に、たとえばプラスチック材料のカテーテルホースの一部になることが可能である。接触しない様式で(たとえば、磁気的に、誘導的に)動作するシステム、または、駆動力を伝達するために、たとえば、バルブ制御スペースの弾性的な特性を利用するシステムが、たとえば、バルブ駆動体として考慮され得る。
【0025】
1つの設計は、第1の位置と第2の位置との間にあるクロージャーエレメントの第3の位置を想定している。
【0026】
これは、流体チャネルの解放が、クロージャーエレメントの最小移動によって、閉鎖位置のそれぞれから可能にされるという効果、および、2つの閉鎖位置のそれぞれが、クロージャーエレメントの最小移動によって、急速で信頼性の高い様式で、第3の位置から到達され得るという効果を有している。
【0027】
バルブ制御スペースが、給送開口部および排出開口部を除いて、すべての側部において、流体密封の様式で閉鎖されているということをさらに想定することが可能である。
【0028】
この設計は、媒体の完全な分離を実現し、バルブ駆動体のエレメントが、制御されるべき実際の流体に接触しないようになっている。
【0029】
これは、たとえば、移動可能な膜を含むクロージャーエレメントによって実現され、移動可能な膜は、流体密封の様式で、バルブ制御スペースを閉鎖し、また、給送開口部または排出開口部が膜の一部によって選択的に閉じられ得るような様式で撓むことが可能である。
【0030】
膜は、流体密封の様式で、バルブ制御スペースの残りのパーツに周辺的に接続されており、特に、撓まない条件で結合または溶接されており、膜は、バルブ制御スペースのクロージャーを形成する。制御されるべき流体は、給送開口部と排出開口部との間の膜を通過して流れることが可能であり、または、その逆も同様である。それによって、膜は、弾性的にまたは塑性的に変形可能な様式で設計されており、具体的には、膜が、または、膜の一部が、2つの開口部のうちの1つの前に、すなわち、給送開口部または排出開口部の前に選択的に持っていかれる程度にまで、膜が撓ませられ、この開口部に押し付けられ得るようになっている。給送開口部または排出開口部の閉鎖は、これによって実現される。膜は、それぞれの給送開口部または排出開口部を開けるために弛緩し、理想的なケースでは、膜は、自分自身によって、または、その固有の張力に起因して、その初期条件へ移動するようになっている。
【0031】
これに関して、本発明の有利な設計は、バルブ駆動体の駆動レバーが、少なくとも第1の位置および第2の位置へ膜を撓ませるということを想定している。
【0032】
したがって、駆動レバーは、膜の下方に係合しており、また、膜が給送開口部または排出開口部と駆動レバーとの間にクランプされる程度にまで、これを撓ませ、それぞれの開口部を閉じる。バルブ駆動体の駆動レバーが移動させられて戻される場合には、膜は、それぞれの開口部から再び解放される。
【0033】
それによって、その端部において膜に押し付ける駆動レバーは、たとえば、球形の形状または楕円体の形状を有することが可能であり、それは、特に、膜の介在の最中に、バルブ制御スペースの中の開口部の閉鎖に良く適している。
【0034】
本発明のさらなる有利な設計は、クロージャーエレメントが、磁気的に作用するバルブ駆動体によって駆動可能であるということを想定することが可能である。
【0035】
たとえば、そのような設計によって、たとえば、バルブ制御スペースがガス不浸透性の壁部または流体不浸透性の壁部によって磁気的な駆動体から分離されているということによって、バルブ自身を駆動ユニットから完全に分離することが可能である。バルブ制御スペースを取り囲む完全なバルブ本体は、再度、中間媒体分離壁部によって、駆動のために磁界を作り出すエレメントから分離され得る。
【0036】
バルブ制御スペースから離れている駆動レバーの一部は、磁気的に設計され、たとえば、外部磁石によって撓むことが可能である。
【0037】
そのうえ、本発明は、有利には、バルブ制御スペースの中に配置されているクロージャーエレメントが、磁気的にアクティブであり、バルブ駆動体の磁界と相互作用するように設計され得る。
【0038】
このケースでは、クロージャーエレメント、または、クロージャーエレメントの一部は、たとえば磁化され得る磁石本体から構成され、または、少なくとも、強磁性の材料から構成され得、外部磁石の磁界の中で駆動され得る。このケースでは、クロージャーエレメントの磁気的にアクティブなパーツは、磁気的にアクティブでない流体不浸透性の層によってカバーされ、流体が、磁気的にアクティブなパーツに接触しないようになっており、バルブを通る流体のフローは制御されるべきである。
【0039】
さらに有利な設計は、給送開口部および排出開口部が、流体密封の様式で閉鎖されること、特に、バルブ駆動の磁界を作り出すデバイスから分離可能であることを除いて、バルブ制御スペース、および、クロージャーエレメントに機械的に接続されているバルブ駆動体のパーツを想定している。
【0040】
この設計に起因して、たとえば、バルブ制御スペースを含むバルブの一部を、場合に応じて、クロージャー本体、または、クロージャー本体の一部を、少ない労力で磁界生成デバイスから分離させる(それは、好ましくは、破壊のない様式で、分離すること/切り離すことを意味している)ことが可能であり、それが使い捨てのコンポーネントとして交換されることが可能である。次いで、そのパーツのための磁界生成デバイスは、複数回使用され得る。
【0041】
本発明のさらに有利な設計は、クロージャーエレメントが、弾性的なスプリングエレメントによって、好ましくは、第3の位置に移動させられるということを想定している。
【0042】
クロージャーエレメントは、弾性的なスプリングエレメント、たとえば、らせん状のスプリングによって、第3の位置に保持され、また、駆動体によって、スプリングの力に対抗して、第1の位置または第2の位置へ持っていかされ得る。バルブ駆動体をスイッチオフした後に、弾性的なスプリングエレメントが、クロージャーエレメントを第3の位置に自動的に移動させるということを想定している。このように、電磁石が駆動のために使用されるが、電源供給の故障の場合に、クロージャーエレメントが外力作用を受けないということに成功し、したがって、バルブが開けられた条件に静止したままになるということに成功する。そのうえ、第1の位置および第2の位置からのクロージャーエレメントの解放は、弾性的なスプリングエレメントによって支援される。
【0043】
そのうえ、本発明は、磁石が、分離デバイスの一部として、バルブ制御スペースの上に直接的に設けられることによって、特に、クロージャーエレメントの内側に設けられることによって、有利に設計され得る。このケースでは、磁性粒子および磁化可能粒子は、バルブ制御スペースの中で、分離デバイスの磁石によって結合させられ、それらが、バルブのシーリング表面から遠ざけられるようになっている。それによって、特に、1つ以上の磁石が、バルブ駆動体の駆動アーマチュアとは別々に設けられ、特に、バルブ駆動体の駆動アーマチュアに対して距離を置かれて設けられるということを想定することが可能である。
【0044】
しかし、分離デバイスの磁石が、バルブ駆動体の1つ以上の磁石に組み合わせまたは接続され、または、磁石の第1の機能的な表面が、粒子の分離のための役割を果たすことが可能であり、一方、他の機能的な表面が、バルブ機能のための役割を果たすことが可能であるということも想定することが可能である。
【0045】
そのうえ、本発明は、流れる流体に関連しているバルブのための保護デバイスであって、流体の中に位置付けされている粒子を引き止めるための、少なくとも1つの磁気的なエレメントを備えた分離デバイスが、流体のためのフローチャネルに沿って、特に、カテーテルに沿って、バルブから距離を置かれた様式で、特に、バルブから分離された様式で設けられていることを特徴とする保護デバイスに関することが可能である。
【0046】
分離デバイスは、有利には、流体の主要なフロー方向に関してバルブの上流に設けられ得るが、2つの上述のエレメントは、また、単に、互いに連続して設けられ、特に、互いに距離を置かれて設けられ、たとえば、異なるハウジングを備えた2つの別々の構築エレメントの形態で、互いから構築的に分離され得る。
【0047】
バルブは、磁気的なエレメント、または、磁気的に作用するエレメントがないことが可能であり、たとえば、全体として、非磁性であることが可能である。それは、シーリング表面を含むことが可能であり、それは、粒子から保護されるべきである。
【0048】
また、バルブは、駆動磁石またはアーマチュアなどのような、磁気的なコンポーネントを含むことも可能である。分離デバイスの磁石エレメントは、バルブの磁気的なコンポーネントから分離されている磁石、または、粒子分離の機能を専ら有する磁気的な構築エレメントの機能的な表面であることが可能であり、磁気的な構築エレメントの他の機能的な表面は、たとえば、駆動機能などのような、バルブの他の機能を実施することが可能である。この後者に述べられているケースでは、分離デバイスの磁石エレメントは、バルブの磁気的な構築エレメントと組み合わせられ、これと接合され、これとともにグループ化され、特に、ハウジングの中に一緒にグループ化され得る。
【0049】
したがって、粒子が、特に、磁性粒子および/または磁化可能粒子がバルブに到達し、したがって、バルブ機能を損なわせる前に、たとえば、シーリング表面のシーリング機能を損なわせる前に、分離デバイスの機能的な表面は、粒子を捕捉および結合することが可能である。
【0050】
本発明は、以降では、図面の図における実施形態によって、表され、説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】磁気的なバルブ駆動体を備えたバルブの第1の実施形態を概略断面で示す図である。
図2図1のバルブ配置を3次元で示す図である。
図3】本発明によるバルブの第2の実施形態を概略断面で示す図である。
図4】弾性的なスプリングエレメントの図である。
図5図3のバルブ配置の3次元の図である。
図6】分離デバイスに接続されているバルブを示す図である。
図7】分離デバイスに接続されているさらなるバルブを示す図である。
図8】シャフトがカテーテルの中で回転することによって駆動され得る、機能的エレメントのための駆動ユニットを示す図である。
図9図8による駆動ユニットの変形例を示す図である。
図10】カテーテルの中で回転するシャフトのための駆動デバイスのさらなる設計を示す図である。
図11】カテーテルの中で回転するシャフトのための駆動デバイスのさらなる設計を示す図である。
図12図9による駆動ユニットの変形例を示す図である。
【0052】
図1は、給送チャネル1と、排出チャネル2と、膜5を撓ませる駆動レバー3とを備えるバルブ本体11を概略的に示している。膜5は、バルブ本体11の中に位置付けされているバルブ制御スペース12を流体密封の様式で閉じ、また、膜5は、給送チャネル1または排出チャネル2のいずれかを閉じるために、球形の端部13によって、給送開口部1aまたは排出開口部2aに選択的に押し付けられ得る。
【0053】
駆動レバー3は、シャフト7の周りに枢動可能であり、シャフト7は、スペーサースリーブ8とともに、駆動ハウジング6の中に装着されている。駆動レバー3は、実線で、第3の位置IIIにおいて表されており、第3の位置IIIでは、それは、給送開口部1aと排出開口部2aとの間で接続チャネルを開いたままになっており、同様に、駆動レバー3は、破線で、第1の位置Iにおいて表されており、第1の位置Iでは、球形の端部13が膜5によって排出開口部2aを閉じており、また、駆動レバー3は、点線の様式で、第2の位置IIにおいて表されており、第2の位置IIでは、駆動レバーが膜5によって給送開口部1aを閉じている。
【0054】
弾性的なスプリングエレメント10が、下側部の中の駆動ハウジング6の中のらせん状のスプリングとして表されており、このらせん状のスプリングは、膜から離れている駆動レバー3の端部をハウジング6のベースに接続し、したがって、第3の位置IIIに駆動レバーを保持する。
【0055】
2つの電磁石A、Bが、駆動ハウジング6の両方の側部に表されており、これらは、それらが電流を受けるときに磁界を作り出し、磁界は、駆動レバー3の下側部14に作用し、これを、磁力の方向に応じて、第1の位置Iまたは第2の位置IIへ移動させる。駆動レバー3の下側部14は、この目的のために、強磁性の磁化可能なコンポーネント、または、磁化されたコンポーネントのいずれかとして、磁気的にアクティブな様式で設計されている。
【0056】
図2は、第1のハウジング15を3次元の図で示しており、第1のハウジング15は、バルブ制御スペースを備えたバルブ本体、ならびに、膜、および、駆動レバー3の少なくとも一部を含み、または収容しており、また、図2は、特に、駆動ハウジング6も示している。磁石A、Bは、第2のハウジング16の中に配置されており、第2のハウジング16は、第1のハウジング15に対して移動可能であり、また、特に、これから分離され得る。両方のハウジング15、16が接続されており、たとえば、第1のハウジング15が、第2のハウジング16のホルダーの中にスナップ留めまたはロックされ得るということを想定することが可能である。しかし、それは、第1のハウジング15が別々に除去可能である場合に有利であるということが見出され、ハウジング15の中に含有されているバルブデバイスの一部が、別々に交換され得るようになっており、特に、使い捨てのバルブパーツとして取り扱われ得るようになっている。
【0057】
バルブ制御スペース12aを囲むバルブ本体11aを備えたバルブ配置が、図3に示されており、バルブ制御スペース12aの中には、クロージャー本体17が移動可能に装着されている。クロージャー本体17は、磁気的にアクティブなコア17aおよび被覆17bを含み、被覆17bは、特に、プラスチックから作製されており、コア17aを囲み、または被覆しており、軸受ワッシャー18に接続されている。軸受ワッシャーは、図4において、平面図で表されている。それは、その周辺部において、バルブ本体11aの上に装着されており、全体として弾性的であり、それが、表されている中間位置にクロージャー本体17を保持するようになっている。軸受ワッシャー18は、いくつかの開口部25を含み、開口部25は、流体の通過流がバルブによって制御されることを可能にする。
【0058】
クロージャー本体17の端部19、20は、対応するクロージャー本体17の撓みを伴って、および、軸受ワッシャー18の弾性変形を伴って、それらが給送開口部1aまたは排出開口部2aを閉じることができるように形状決めおよび設計されている。
【0059】
この目的のために、クロージャー本体17の被覆17bは、弾性的な材料から構成され、特に、たとえば、エラストマーから構成され得る。クロージャー本体17の磁気的なコア17aは、磁石デバイスA’、B’によって、給送開口部1aの方向または排出開口部2aの方向のいずれかにクロージャー本体17を引っ張る力に曝され、第1の閉鎖位置または第2の閉鎖位置にバルブを持っていくようになっている。
【0060】
図5において、バルブ本体11aは、ハウジングとして3次元の図で表されており、ハウジングは、バルブ制御スペース12a、給送チャネル1および排出チャネル2、ならびに、磁石デバイスA’およびB’を含むハウジング16aを囲んでいる。バルブデバイスの一部が使い捨てのバルブとして設計されるべきである場合には、ハウジング11aは、ハウジング部16aから分離可能であり、磁石デバイスが、数回使用され得るようになっており、または、使用され続けるようになっており、一方、バルブ制御スペース12を含むバルブの一部が交換され得るようになっている。
【0061】
図3は、本発明によるバルブを、同様に本発明による流体制御デバイスと組み合わせて示しており、それは、カテーテル21と、カテーテル21を通過する回転シャフト22と、詳細には表されていない洗浄デバイスとを含み、バルブ本体11aと、バルブ制御スペース12aと、バルブ駆動体の機械的なパーツを備えたバルブが、洗浄デバイスの一部を形成している。洗浄デバイスのさらなるパーツは、たとえば、洗浄剤ポンプおよび洗浄剤貯蔵部であることが可能であり、それらは、詳細には表されていない。洗浄剤がバルブの適切な作動によってカテーテルの中へまたはカテーテルの外へ導かれることを可能にするために、給送チャネルまたは排出チャネル1、2は、カテーテル21に接続され得る。また、シャフト22の捩じられた構造体が、図3において認識されることとなり、これは、シャフト回転の速度およびシャフトの摩耗に応じて、異なる吸い込みおよび圧力効果につながることが可能である。
【0062】
図6は、輸送チャネルを備える磁気的なバルブを示しており、輸送チャネルを通って、流体が、給送開口部1’と排出開口部2’との間を流れる。クロージャー本体50が、第1の閉鎖位置と第2の閉鎖位置との間で、輸送チャネル88の中で駆動され、第1の閉鎖表面51は、第1の閉鎖位置においてバルブ開口部51aを閉じ、一方、閉鎖表面52は、第2の閉鎖位置において、バルブ開口部52aを閉じる。
【0063】
2つのバルブ駆動コイル55、56の磁界によって駆動され得る2つのアーマチュア本体53、54が、クロージャー本体50の中へ一体化されている。分離デバイスの磁石86は、アーマチュア本体53、54の間に、これらと同一平面になる様式で、軸線方向に配置されている。磁石本体86を備えたアーマチュア本体には、共通の固体物質被覆87が設けられている。固体物質被覆87にくっつく粒子が、例として、15に示されている。
【0064】
保持スプリング57、58は、バルブ駆動コイルの励磁がないときに、クロージャー本体を中間位置に保持し、中間位置では、バルブが開いている。2つの滑り軸受59、60が、クロージャー本体50をガイドするために、バルブハウジングの端部に設けられている。
【0065】
図7は、給送開口部1’’と、排出開口部2’’と、クロージャー本体50’とを備えたバルブを示している。クロージャー本体50’は、第1の閉鎖位置と第2の閉鎖位置との間において、輸送チャネル88’の中で駆動され、第1の閉鎖表面51’が、第1の閉鎖位置において、バルブ開口部51a’を閉じ、一方、閉鎖表面52’が、第2の閉鎖位置において、バルブ開口部52a’を閉じる。クロージャー本体50’は、弾性的な透過性のディスク61によって、バルブのハウジングの中に装着されており、開いた中間位置に保持されている。ディスク61は、分離用磁石86’、86’’を担持しており、分離用磁石86’、86’’は、クロージャー本体50’の中において、バルブ駆動アーマチュア62、63に接続されており、これらとともに、保護層によって包まれている。
【0066】
バルブ駆動アーマチュア62、63は、コイル64、65の磁界の中で駆動され得る。輸送チャネルの中で、粒子は、保護層の上で分離用磁石の上に蓄積することが可能であり、そこに保持され得る。
【0067】
特許請求の範囲に記載されているカテーテルデバイス100が、ここで、いくつかの代替例で、図8図12に表されている。
【0068】
図8は、カテーテルデバイス100を示しており、それは、駆動アーマチュア66を備えた駆動ユニットを含み、駆動アーマチュア66は、回転方向に駆動可能であり、カテーテル68の中で回転シャフト67を駆動する。ルーメンが、給送チャネル69とし半径方向外側に設けられており、また、リターンチャネル70として半径方向内側に設けられており、ルーメンは、カテーテル68の中で互いに同心円状の様式で配置されており、カテーテルの外皮へ配置されている。給送チャネル69およびリターンチャネル70は、ホース状の分離壁部71によって互いから分離されている。
【0069】
洗浄流体は、貯蔵部73から、カニューレとして設計されているルーメン74およびバルブ75を通して、体積制御式の蠕動ポンプ72によってポンプ送りされる。2つの磁石76および77が、バルブの駆動のための役割を果たし、給送チャネル69の中に一定の圧力を維持することを目的として、圧力スイッチ78によって活性化される。このための流体は、バルブ75を通して、駆動アーマチュア66のハウジングを通して、輸送チャネルとして設計されているルーメン79を通して、および、粒子が流体から能動的に濾過される分離デバイス80を通して導かれる。分離デバイス80は、図6に示されている分離デバイスのように構築され得る。ここから、流体は、給送チャネル69を通して外向きにカテーテル68の中へ流れ、また、リターンチャネル70を通して内向きに流れ、そして、そこから蠕動ポンプ81へ流れ、蠕動ポンプ81は、流体を吸い込み、流体を貯蔵部82の中へ導く。しかし、蠕動ポンプ81は、逆洗のための役割を果たすことも可能であり、この目的のために、たとえば、捕捉された粒子を分離デバイスから除去するために、それが流体をリターンチャネル70に送達し、そして、給送チャネル69を介して、分離デバイスを通して、バルブ75に戻し、貯蔵部73の中へ送達するように動作させられ得る。
【0070】
図9は、図8のものと同様の構築を示しており、駆動アーマチュア66の前にあり蠕動ポンプ72の後ろにあるバルブ75に追加して、第2のバルブ75’が、リターンチャネル70とリターンポンプ80との間に配置されている。図8は、据え付けコンポーネントに起因して、望ましくない真空がリターンの中に作り出されない洗浄システムに適用されているが、図9を、(たとえば、可撓性のシャフトの巻き付け方向に起因して)望ましくない真空がリターンの中に生じる洗浄システムに適用することも可能である。この真空は、センサーによって認識され、次いで、センサーは、バルブ75’を底まで閉じることによって、媒体がコンテナ82からポンプ81を介して洗浄回路の中へ入らないことを確実にする。したがって、分離デバイスは、2つのバルブの間に配置されており、また、2つの流体送達デバイスの間に配置されており、そのうちの少なくとも1つが、特に両方が、フロー方向を逆転させるために、流体の送達方向に関して切り替えられ得る。図10による構築に関して、図8の構築と比較して、貯蔵部83によって交換されたものは蠕動ポンプ72だけであり、それは、流体が重力に起因してバルブ75を通りさらにカテーテル68へ流れることによって、重力フラッシングを可能にする。カテーテル68の中の回転シャフト84は、捩じられたストランドに基づくその撚り合わせられた/捩じられた構築に起因して、らせん状の(コイル巻きにされた)外側構造体を有しており、それは、回転すると、駆動アーマチュア66から離れる方向のポンピング効果をこれ自身に与える。体積制御式の蠕動ポンプ72および貯蔵部73を備えた別の変形例が、カテーテル68への流体の給送に関して、図10の右側に、点線85の右側に表されている。そこでの蠕動ポンプは、たとえば、患者の身体の中へ導入される流体をカテーテルの内側に送達し、ローター85aを備えた心臓ポンプ85において終了する。心臓ポンプは、たとえば、半径方向に圧縮させられ、つまり、全体として、それは、特に、粒子を生じやすい傾向がある可能性があり、粒子が、そこに到達する。次いで、流体は、そこから流れて戻る。分離デバイス80は、それぞれのケースにおいて、フロー方向においてカテーテル68の上流に、これと送達デバイス73、83との間に設けられ、特に、いずれのケースでも、心臓ポンプ85の上流に設けられ得る。
【0071】
図11は、図9のものと同様の配置を示しており、蠕動ポンプ72の代わりに重力送達83が想定されており、通常動作のときに、流体は、そこからバルブを介してカテーテル68の中へ導かれ、それは、第1に給送チャネル69を通して外向きに導かれ、また、リターンチャネル70の中へ内向きに導かれ、そして、そこから蠕動ポンプ81へ導かれ、蠕動ポンプ81は、流体を吸い込み、流体を貯蔵部82の中へ導く。リターンチャネル70と蠕動ポンプ81との間で、流体は、第1に分離デバイス80を通過し、分離デバイス80は、リターンチャネルと駆動アーマチュア66のハウジングとの間に配置されている。その後に、流体は、駆動アーマチュア66を越えて蠕動ポンプ81へ流れる。駆動アーマチュアを装着することは、比較的に感度が低い可能性があり、流体の通過流方向は、ここではあまり重要ではないようになっている。重要なことは、駆動アーマチュアのハウジングに流体が供給され、良好な潤滑を確実にするということである。そのうえ、選択された配置は、回転シャフト84の磁気的な摩耗粒子が、このケースでは、駆動アーマチュアの軸受を損傷させることができないことを確実にする。
【0072】
図12は、図9と同様の構築を示しており、さらなる分離デバイス80’は、粒子をくっつけることによって、バルブ75’のシーリング表面の機能が損なわれないことを確実にする。
【0073】
本出願は、なかでも、以下の態様に関する。
1.特にカテーテルを通る流体フローの制御のためのバルブを含み、バルブは、バルブ制御スペース(12、12a)を備えており、バルブ制御スペース(12、12a)では、給送チャネル(1)が給送開口部(1a)に伸びており、排出チャネル(2)が排出開口部(2a)に伸びており、バルブは、クロージャーエレメント(5、13、17)を備えており、クロージャーエレメント(5、13、17)は、制御された様式でバルブ制御スペース(12、12a)の中で移動可能であり、クロージャーエレメント(5、13、17)は、少なくとも1つの第1の位置(I)において、排出開口部(2a)を閉じ、少なくとも1つの第2の位置(II)において、給送開口部(1a)を閉じ、少なくとも1つの第3の位置(III)において、給送開口部(1a)と排出開口部(2a)との間の接続チャネルを開いた状態に保持し、クロージャーエレメント(5、13、17)を少なくとも第1、第2、または第3の位置へ選択的に移動させるバルブ駆動体(A、B、A’、B’、3、14、18)が設けられていることを特徴とするバルブ。
【0074】
2.態様1に記載のバルブであって、クロージャーエレメント(5、13、17)の第3の位置(III)は、第1の位置と第2の位置との間にあることを特徴とするバルブ。
【0075】
3.態様1または2に記載のバルブであって、バルブ制御スペース(12、12a)は、クロージャーエレメント(5、13、17)のバルブ駆動体から分離され得ることを特徴とするバルブ。
【0076】
4.態様1および態様2または3に記載のバルブであって、バルブ制御スペース(12、12a)は、給送開口部(1a)および排出開口部(2a)を除いて、すべての側部において、流体密封の様式で閉鎖されていることを特徴とするバルブ。
【0077】
5.態様1および態様2~4のいずれか1つに記載のバルブであって、クロージャーエレメント(5、13、17)は、移動可能な膜(5)を含み、移動可能な膜(5)は、流体密封の様式でバルブ制御スペース(12)を閉鎖し、また、給送開口部(1a)または排出開口部(2a)が膜(5)の一部によって選択的に閉じられ得るように撓むことが可能であることを特徴とするバルブ。
【0078】
6.態様5に記載のバルブであって、バルブ駆動体(3、14、18、A、B、B、B’)の駆動レバー(3、14)は、少なくとも第1および第2の位置において、膜(5)を撓ませることを特徴とするバルブ。
【0079】
7.態様1および態様2~6のいずれか1つに記載のバルブであって、クロージャーエレメント(5、13、17)は、磁気的に作用するバルブ駆動体(A、A’、B、B’)によって駆動され得ることを特徴とするバルブ。
【0080】
8.態様7に記載のバルブであって、バルブ制御スペース(12、12a)の中に配置されているクロージャーエレメント(5、13、17)は、磁気的にアクティブであり、バルブ駆動体(A、A’、B、B’)の磁界と相互作用することを特徴とするバルブ。
【0081】
9.態様6および7に記載のバルブであって、駆動レバー(3、14)は、磁気的に駆動され得ることを特徴とするバルブ。
【0082】
10.態様7に記載のバルブであって、バルブ制御スペース(12、12a)、および、クロージャーエレメント(5、13、17)に機械的に接続されているバルブ駆動体のパーツ(3、14、18)は、給送開口部および排出開口部(1a、2a)を除いて、流体密封の様式で閉鎖されており、バルブ駆動体の磁界を作り出すデバイス(A、A’、B、B’)から分離され得ることを特徴とするバルブ。
【0083】
11.態様1および態様2~10のいずれか1つに記載のバルブであって、クロージャーエレメントは、弾性的なスプリングエレメント(10、18)によって、好ましくは、第3の位置(III)へ移動させられることを特徴とするバルブ。
【0084】
12.態様1および態様2~11のいずれか1つに記載のバルブであって、磁石(13’’、13’’’、13’’’’)は、分離デバイスの一部として、バルブ制御スペース(12、12a)の上に直接的に設けられており、特に、クロージャーエレメント(5、13、17)の内側に設けられていることを特徴とするバルブ。
【0085】
13.態様12に記載のバルブであって、1つ以上の磁石(13’’、13’’’、13’’’’)は、1つのバルブ駆動体の駆動アーマチュア(53、54、62、63)とは別々に設けられており、特に、1つのバルブ駆動体の駆動アーマチュア(53、54、62、63)に対して距離を置かれた様式で設けられていることを特徴とするバルブ。
【0086】
14.態様1~13のいずれか1つに記載のバルブを含むカテーテルであって、バルブ制御スペースは、クロージャーエレメントのバルブ駆動体から分離され得ることを特徴とするカテーテル。
【0087】
15.流れる流体に関連しているバルブ(75、75’)のための保護デバイスであって、流体の中に位置付けされている粒子を引き止めるための、少なくとも1つの磁石エレメント(86、86’、86’’)を備えた分離デバイス(80)が、流体のためのフローチャネル(79、88)に沿って、特に、カテーテルに沿って、バルブから距離を置かれた様式で、および、特に、バルブから分離された様式で設けられていることを特徴とする保護デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12