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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240312BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240312BHJP
   A63F 13/70 20140101ALI20240312BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240312BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20240312BHJP
【FI】
G06Q30/0207 324
A63F13/69
A63F13/70
G06Q50/10
G06Q20/06 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022188922
(22)【出願日】2022-11-28
【審査請求日】2023-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-136317(JP,A)
【文献】田中 計士,会計・監査への影響は? 1からわかる暗号資産・ブロックチェーン 第2回メタバースに関する法規制・企業会計1,企業会計,株式会社中央経済社,2022年07月01日,Vol.74 No.7,pp.112-117
【文献】鈴木 智佳子,ブロックチェーンをビジネスで活用する 新規事業の創出とガバナンス・関連制度,初版,(株)中央経済社,2021年05月10日,pp.19-21
【文献】GameFi WORLD,月刊暗号資産,J-CAM,2022年07月01日,Vol.5 No.7,pp.68-69
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 13/69
A63F 13/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
所定のイベントの実行を制御する制御手段と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに第1のオブジェクトを付与する第1付与手段と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、前記ユーザに暗号資産および前記暗号資産と交換可能な第2のオブジェクトの少なくとも一方を付与する第2付与手段と、
前記ユーザの保有する前記第1のオブジェクトを前記暗号資産と交換する交換手段と、として機能させ、
前記第1のオブジェクトは、NFT化された状態を取り得るオブジェクトであり、
前記交換手段は、前記ユーザの保有するNFT化されていない前記第1のオブジェクトを前記暗号資産と交換可能である
プログラム。
【請求項2】
前記所定のイベントにおいて前記第1のオブジェクトが付与される確率は、前記所定のイベントにおいて前記暗号資産が付与される確率または前記第2のオブジェクトが付与される確率よりも低い
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、さらに、前記暗号資産を消費して前記第1のオブジェクトをNFT化するNFT化手段として機能させる
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
所定のイベントの実行を制御する制御手段と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに第1のオブジェクトを付与する第1付与手段と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、前記ユーザに暗号資産および前記暗号資産と交換可能な第2のオブジェクトの少なくとも一方を付与する第2付与手段と、
前記ユーザの保有する前記第1のオブジェクトを前記暗号資産と交換する交換手段と、を備え
前記第1のオブジェクトは、NFT化された状態を取り得るオブジェクトであり、
前記交換手段は、前記ユーザの保有するNFT化されていない前記第1のオブジェクトを前記暗号資産と交換可能である
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ブロックチェーンを利用したゲームが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、このようなゲームとして、プレイすることにより暗号資産が獲得可能なゲームが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“STEPN(ステップン/ステプン)の始め方・将来性を徹底解説|稼ぎ方/やり方やレベル上げの費用は?”、[online]、[令和4年10月27日検索]、インターネット<https://www.caica.jp/media/crypto/stepn-about/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のサービスでは持続可能性を向上させることが求められていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、サービスの持続可能性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
コンピュータを、
所定のイベントの実行を制御する制御手段と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに第1のオブジェクトを付与する第1付与手段と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、前記ユーザに暗号資産および前記暗号資産と交換可能な第2のオブジェクトの少なくとも一方を付与する第2付与手段と、として機能させ、
前記第1のオブジェクトは、NFT化された状態を取り得るオブジェクトである
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サービスの持続可能性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ゲームシステムの概略構成を示す図である。
図2】ゲームシステムの機能的構成を示すブロック図である。
図3】マップの一例を示す図である。
図4】資産の獲得および消費の流れについて説明するための図である。
図5】ダンジョンの取得および探索に係るタイムラインについて説明するための図である。
図6】ダンジョンの生成および報酬の決定に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図7】ダンジョンの取得および探索に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<ゲームシステムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態のゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20と、ブロックチェーンシステム3とを備えている。また、ブロックチェーンシステム3は、複数のノード装置30を備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とブロックチェーンシステム3(換言すると、ノード装置30)とは、ネットワーク2を介して互いに接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20とブロックチェーンシステム3との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、当該ゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10やサーバ20等の各装置間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。また、通信IF24は、サーバ20とブロックチェーンシステム3(換言すると、ノード装置30)との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。なお、通信IF14は、端末装置10とブロックチェーンシステム3(換言すると、ノード装置30)との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御してもよい。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサまたは角速度センサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
複数のノード装置30は、ブロックチェーンシステム3を構成する。各ノード装置30は、分散型台帳を保有する。各ノード装置30は、分散型台帳において同一のデータを記憶する。詳しくは後述するが、本実施形態では、ユーザが保有する資産等がブロックチェーンシステム3の分散型台帳で管理されている。
【0030】
ノード装置30(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。ノード装置30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信IF34と、入出力IF35と、を備える。ノード装置30が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0031】
プロセッサ31は、ノード装置30全体の動作を制御する。プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ31は、ストレージ33からプログラムを読み出し、メモリ32に展開する。プロセッサ31は、展開したプログラムを実行する。
【0032】
メモリ32は、主記憶装置である。メモリ32は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ32は、プロセッサ31がストレージ33から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ31に作業領域を提供する。メモリ32は、プロセッサ31がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0033】
ストレージ33は、補助記憶装置である。ストレージ33は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
【0034】
通信IF34は、ノード装置30とサーバ20との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。なお、通信IF34は、ノード装置30と端末装置10との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御してもよい。
【0035】
入出力IF35は、ノード装置30がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、ノード装置30がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF35は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0036】
なお、サーバ20や端末装置10がノード装置30として機能してもよい。換言すると、ブロックチェーンシステム3は、サーバ20や端末装置10を含み得る。
【0037】
<ゲームシステムの機能的構成>
図2は、サーバ20、端末装置10およびノード装置30の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、ならびに各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能等を有する。
【0038】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0039】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、プログラム、ゲーム情報222およびユーザ情報223がある。当該プログラムは、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、制御部210がプログラムを実行するときに参照するデータである。
【0040】
ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」ともいう。)等のオブジェクトが配置される仮想空間である。以下においては、ゲーム空間に配置されるキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。また、ゲーム情報は、例えば、ゲーム空間内の種々のオブジェクト(アイテムを含む)の位置や設定値に関する情報等を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲームに係る表示を行うための情報を含む。
【0041】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、ユーザのキャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、ゲームの進行度合いを示す情報、およびユーザが取得したダンジョン(ダンジョンについては後述する。)に関する情報(換言すると、イベントの実行に係る権利を示す情報)等を含む。保有資産には、後述するトークンやアイテムA、アイテムBおよびアイテムC等が含まれる。すなわち、記憶部220には、例えば、各ユーザを識別可能な識別情報に関連付けて、各ユーザの保有するトークン、アイテムA、アイテムB、またはアイテムC等の情報が記憶されてもよい。
【0042】
制御部210は、記憶部220に格納されたプログラムを実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、送受信部211、ゲーム制御部212、資産管理部213およびマーケット管理部214を有する。
【0043】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求等を、各端末装置10から受信し、ゲーム制御部212、資産管理部213、またはマーケット管理部214等に渡す。また、送受信部211は、ゲーム制御部212、資産管理部213、またはマーケット管理部214等による制御に従って、各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0044】
ゲーム制御部212は、記憶部220に格納されたプログラムに記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。
【0045】
資産管理部213は、ユーザの保有資産を管理する。また、資産管理部213は、ユーザの保有資産のうちの一部または全部(換言すると、少なくとも一部)を、ブロックチェーンシステム3の分散型台帳で管理する。換言すると、資産管理部213は、ユーザの保有資産に関する情報を記憶部220に記憶させてもよく、分散型台帳に記憶させてもよい。なお、サーバ20がノード装置30として機能する構成の場合に、資産管理部213は、自身の記憶部220に記憶された分散型台帳に保有資産に関する情報を記憶させてもよい。また、サーバ20がノード装置30として機能しない構成の場合に、資産管理部213は、ブロックチェーンシステム3に対して分散型台帳への記憶に係る要求を送信する制御等を行ってもよい。
【0046】
端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0047】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、プログラム、ゲーム情報122およびユーザ情報123がある。当該プログラムは、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122およびユーザ情報123は、制御部110がプログラムを実行するときに参照するデータである。
【0048】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含む。したがって、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0049】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0050】
制御部110は、記憶部120に格納されたプログラムを実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、端末処理部113および表示制御部114を有する。
【0051】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0052】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0053】
送受信部112は、各種データを送受信する。送受信部112は、例えば、ゲーム情報122およびユーザ情報123等を、サーバ20に送信する。また、送受信部112は、各種データおよびプログラム等を、サーバ20から受信する。また、送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。
【0054】
端末処理部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0055】
端末処理部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。また、端末処理部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。また、端末処理部113は、判定処理の結果等に基づいて、サーバ20と通信しながらゲームを進行する。また、端末処理部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加または削除する。また、端末処理部113は、ゲームの進行状況に応じた画像を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0056】
表示制御部114は、表示部18にゲームに係る画像を表示させる。
【0057】
ノード装置30は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、通信IF34、および入出力IF35等の協働によって、制御部310および記憶部320として機能する。記憶部320は、ゲームプログラムの一部を含むプログラムや、ブロックチェーンシステム3において用いられる分散型台帳等を記憶する。
【0058】
制御部310は、記憶部320に格納されたプログラムを実行することにより、ノード装置30の動作を制御する。
【0059】
制御部310は、ユーザが各種アイテム(後述する特定トークンを含む。)を取得(例えば、他のユーザから取得あるいは運営者から取得(例えば、後述するイベントの実行により取得))した際にサーバ20から送信されるアイテムの保有に係る情報の登録要求を受信すると、当該情報を分散型台帳に登録する。制御部310は、例えば、サーバ20または端末装置10から送信されるアイテムの取引(換言すると、移譲)に関する情報に基づいて、各アイテムの取引履歴の情報を分散型台帳に登録してもよい。具体的には、分散型台帳には、ハッシュ値およびトランザクションデータを含む複数のブロックが記憶される。トランザクションデータは、例えば、アイテムの取引内容を示す情報であり得る。トランザクションデータは、例えば、移譲元を示すインプット情報と、移譲先を示すアウトプット情報とを含む。ハッシュ値は、一つ前のブロックに含まれる情報から算出され、分散型台帳には、ハッシュ値により各ブロックがチェーンのように繋がった状態で各アイテムの取引履歴等が記憶される。このようなアイテムの取引履歴を各ノード装置30の分散型台帳で管理すること等により、どのユーザがどのアイテムを保有しているかを示す情報をブロックチェーン上に記憶することができる。なお、アイテムの取引履歴ではなく、各ユーザのアイテムの保有状態に関する情報を分散型台帳で管理することによりどのユーザがどのアイテムを保有しているかを示す情報をブロックチェーン上に記憶する等してもよい。このように、本実施形態のゲームでは、アイテムの保有情報がブロックチェーン上に記憶される。なお、保有情報がブロックチェーン上に記憶されないアイテムが存在してもよい。
【0060】
なお、図2に示す端末装置10、サーバ20およびノード装置30の機能は一例にすぎない。端末装置10、サーバ20およびノード装置30の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。換言すると、本実施形態において端末装置10が備える機能ブロックの一部または全部をサーバ20あるいはノード装置30が備えていてもよく、サーバ20の備える機能ブロックの一部または全部を端末装置10あるいはノード装置30が備えていてもよく、ノード装置30の備える機能ブロックの一部または全部を端末装置10あるいはサーバ20が備えていてもよい。また、端末装置10、サーバ20およびノード装置30等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、ゲームシステム1は、例えば、端末装置10、サーバ20またはノード装置30を含んでいなくてもよい。
【0061】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11、サーバ20のプロセッサ21、またはノード装置30のプロセッサ31が、ゲームシステム1に記憶されているプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する処理であってプロセッサ11が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサ(例えば、プロセッサ21またはプロセッサ31)が実行するようにしてもよい。また、後述する処理であってプロセッサ21が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ21とは別のプロセッサ(例えば、プロセッサ11またはプロセッサ31)が実行するようにしてもよい。また、後述する処理であってプロセッサ31が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ31とは別のプロセッサ(例えば、プロセッサ11またはプロセッサ21)が実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10、サーバ20およびノード装置30のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。また、各種処理のうちの一部または全部がブロックチェーン上で実行されてもよい。
【0062】
ここで、本実施形態のゲームの概要について説明する。本実施形態のゲームには、ゲームに参加する複数のユーザ(具体的には、全ユーザ)の間で共通のマップが存在する。また、このマップには、複数のダンジョンが配置されている。マップの一例を図3に示す。図3に示すマップでは、ダンジョンの位置がバツ印で示されている。
【0063】
ユーザは、マップから自分が探索するダンジョン(換言すると、イベントを行うダンジョン)を取得(換言すると、選択)する。なお、ダンジョンの取得は、例えば、表示部18に表示されるマップ上において、特定のダンジョンを選択する操作(例えば、入力部17に対するタッチ操作)により行われてもよい。また、ダンジョンの取得は、例えば、操作キャラクタを動かす操作によって当該操作キャラクタをマップ内(換言すると、仮想空間内)の特定のダンジョンが配置された位置まで導くことにより行われてもよい。
【0064】
また、ユーザは、自身が取得したダンジョンを探索することが可能となっている。換言すると、ユーザは、自身が取得したダンジョンについてのクエストをプレイすることが可能となっている。さらに換言すると、ユーザは、ダンジョンを取得すると、ダンジョンを探索するイベントを実行することが可能となる。なお、イベント(換言すると、クエスト)とは、本実施形態ではダンジョンの探索を意味するが、例えば、所定のキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタまたは他のユーザが操作するキャラクタ)の討伐を目指すものや、所定のスポーツ等での勝利を目指すものや、所定の視聴、観戦を行うもの等であってもよい。このように、本実施形態のゲームでは、所定の条件が満たされると(換言すると、ダンジョンを取得すると)、所定の目的の達成を目指すイベントが実行可能となる。
【0065】
また、本実施形態のゲームでは、ダンジョンの探索に用いられるアイテムAが用意されている。そして、ダンジョンの探索を行うためには、ユーザは、アイテムAを保有している必要がある。換言すると、アイテムAは、ゲームに参加するため(換言すると、イベントを実行するため)に必要なアイテムとなっている。なお、本実施形態のゲームでは、特性の異なる複数種類のアイテムAが用意されている。また、アイテムAは、NFT(Non-Fungible Token)化された状態を取り得るアイテムとなっている。NFT化された状態とは、アイテムAがユニークなものであることを証明する情報がブロックチェーン上に記憶された状態を意味する。換言すると、NFT化された状態とは、アイテムAに対応するNFTが発行されブロックチェーンで管理されている状態を意味する。なお、以下では、対応するNFTが発行されたアイテム等のデジタル資産のこともNFTと呼ぶ。なお、本実施形態では、アイテムAのNFT化(換言すると、アイテムAの生成)は、ゲームの運営者が行うようになっており、ユーザが行うこと(換言すると、ユーザによるミント)はできないようになっている。換言すると、本ゲームにおいては、NFT化されていない状態のアイテムAをユーザが入手することはないようになっている。
【0066】
また、本実施形態のゲームでは、ダンジョンの探索に基づいてアイテムBおよびアイテムCが報酬としてユーザに付与され得るようになっている。詳細は後述するが、アイテムBは、NFT化された状態を取り得るアイテムとなっている。また、アイテムCは、所定のトークンとの交換が可能なアイテムとなっている。以下では、アイテムCとの交換により取得可能なトークンを「特定トークン」という。
【0067】
また、本実施形態のゲームでは、アイテムBは、複数種類存在し、コレクション要素のあるアイテムとなっている。具体的には、アイテムBは、ユーザが収集するモンスターとなっている。また、アイテムAは、アイテムBとしてのモンスターの捕獲に用いられるアイテムとなっている。すなわち、本実施形態のゲームは、アイテムAとしての捕獲アイテムを用いたダンジョンの探索を行ってアイテムBとしてのモンスターを捕獲し、当該モンスターを収集するというゲーム性を有している。
【0068】
また、アイテムCとの交換によって取得可能な特定トークンは、暗号資産(例えば、仮想通貨)となっている。本実施形態のゲームでは、特定トークンは、アイテムAのレベル上げ、アイテムAのリペア(換言すると、修理)、アイテムBのNFT化、および各種時短等に用いることが可能となっている。
【0069】
なお、NFT化されているか否かに関わらず、各ユーザが保有するアイテムA、アイテムB、またはアイテムC等の資産は、ブロックチェーン(換言すると、分散型台帳)で管理されてもよい。
【0070】
所定のイベントとしてのダンジョンの探索は、例えば、以下のように行われる。すなわち、ユーザが自身の取得したダンジョンの探索開始を指示する操作を行うことにより、ダンジョンの探索が開始されてもよい。また、ダンジョンの探索は、ゲーム制御部212が自動的に進行してもよい。あるいは、ダンジョンの探索は、ゲーム制御部212がユーザの操作に基づいて進行してもよい。すなわち、例えば、ダンジョンの探索開始を指示する操作が行われると、その後、ユーザの操作を要さずに探索が進行され、ユーザに対して探索による報酬としてのアイテムBやアイテムCが付与されてもよい。あるいは、例えば、ダンジョンの探索開始を指示する操作が行われると、その後、ユーザは、操作キャラクタを動かすなどしてダンジョン内(換言すると、仮想空間内)を探索することが可能となっており、ダンジョン内に配置されたアイテムBやアイテムCのうち、ユーザが発見したアイテムが報酬として付与されるようになっていてもよい。
【0071】
なお、ダンジョンの探索におけるアイテムBの獲得確率は、アイテムCの獲得確率よりも低く設定されていてもよい。換言すると、アイテムBは、アイテムCに比べ希少度が高くなっていてもよい。さらに換言すると、ダンジョンの探索におけるアイテムBの獲得確率は、特定トークンの獲得確率よりも低く設定されていてもよい。また、アイテムBは、1回の探索において獲得できない場合が存在するアイテムであってもよい。また、アイテムCは、1回の探索において必ず獲得可能なアイテムであってもよい。なお、本実施形態では、いずれのダンジョンでも同程度の量のアイテムC(換言すると、特定トークン)が獲得可能となっている。
【0072】
ダンジョンの探索により報酬として獲得可能なアイテムBやアイテムCの質あるいは量は、探索に使用するアイテムAのレベルあるいは耐久値に応じて変化してもよい。例えば、アイテムAのレベルが高いほど、質の高いアイテムBが取得できたり、取得可能なアイテムBやアイテムCの量(例えば、量の期待値)が多くなったりしてもよい。また、例えば、アイテムAには耐久値が設定されており、探索に使用するに従って、耐久値が低下(例えば、耐久値「100」から耐久値「0」に向かって低下)していくようになっていてもよい。そして、耐久値が低下するに従って、質の高いアイテムBが取得しにくくなったり、取得可能なアイテムBやアイテムCの量(例えば、量の期待値)が減少したりしてもよい。また、耐久値が所定値に達すると、アイテムAを使用してのダンジョンの探索が行えなくなったり、アイテムAが壊れて耐久値を回復させることができなくなったり(例えば、ユーザがアイテムAを失う等)してもよい。なお、このような場合に、操作受付部111は、アイテムAのレベル上げを指示する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が端末装置10からサーバ20に送られ、サーバ20の制御部210は、当該操作に基づいて、アイテムAのレベルを上昇させる処理を行ってもよい。また、アイテムAのレベル上げには、所定量の特定トークンが必要となっており、当該操作によりアイテムAのレベルを上昇させる際には、当該所定量の特定トークンが消費されるようになっていてもよい。また、操作受付部111は、ユーザによるアイテムAの耐久値の回復(換言すると、アイテムAのリペア)を指示する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が端末装置10からサーバ20に送られ、サーバ20の制御部210は、当該操作に基づいて、アイテムAの耐久値を回復させる処理を行ってもよい。また、アイテムAの耐久値の回復には、所定量の特定トークンが必要となっており、当該操作によりアイテムAの耐久値を回復させる際には、当該所定量の特定トークンが消費されるようになっていてもよい。すなわち、特定トークンは、アイテムAに関する所定のパラメータを変化させるのに使用可能なものであってもよい。
【0073】
なお、本実施形態のゲームでは、アイテムA、アイテムBおよびアイテムCとは異なる入手経路で入手可能なアイテムが用意されていてもよい。例えば、暗号資産ではないゲーム内通貨(例えば、ブロックチェーンで管理されず、記憶部220等で管理されるユーザの保有資産)を使用してゲーム内で購入可能なアイテム(例えば、操作キャラクタが装備可能な服(換言すると、スキン)等のアイテム)等が存在してもよい。なお、当該ゲーム通貨は、法定通貨を用いて購入可能なもの等であってもよい。
【0074】
また、本実施形態における各種アイテム(例えば、アイテムA、アイテムBおよびアイテムC)は、オブジェクトと読み替えてもよい。オブジェクトには、キャラクタやアイテム等が含まれる。すなわち、イベントの実行により付与されるアイテムBやアイテムCはキャラクタ等であってもよい。
【0075】
なお、本実施形態では、マップは所定期間で(具体的には、1日1回)更新(換言すると、新たに生成)される。また、マップの更新に合わせて、ダンジョンも所定期間(具体的には、1日1回)で更新(換言すると、新たに生成)される。また、1つのダンジョンは、1人のユーザしか取得できないようになっており、あるユーザがあるダンジョンを取得すると、当該あるダンジョンを他のユーザが取得することはできないようになっている。換言すると、ダンジョンの取得は早い者勝ちとなっている。なお、マップの更新やダンジョンの更新とは、過去のマップやダンジョンが一新されるもの(換言すると、新しいマップやダンジョンが生成されるとともに過去のマップやダンジョンが無くなるもの)であってもよく、過去のマップが拡張されたり過去に生成されたダンジョンに加えて新たなダンジョンが追加されるもの等であってもよい。
【0076】
ここで、本実施形態のゲームにおける資産の獲得および消費の流れについて図4を参照しながら説明する。
【0077】
前述のように、本実施形態のゲームでは、ゲームに参加するためには、ユーザはアイテムAを保有している必要がある。本実施形態では、アイテムAは、ゲーム内のマーケットプレイスでの購入が可能となっており、ユーザは、マーケットプレイスでアイテムAを購入する。なお、アイテムAは、所定の暗号資産により購入することが可能となっている。当該所定の暗号資産は、アイテムCとの交換により取得可能な特定トークンであってもよく、その他の暗号資産であってもよい。マーケットプレイスでの取引は、マーケット管理部214が管理する。具体的には、例えば、端末装置10の操作受付部111は、ユーザが購入したいアイテムを選択する操作を受け付ける。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介してサーバ20のマーケット管理部214に送られ、マーケット管理部214は、当該操作に基づいて、ユーザが選択したアイテムをユーザに渡すとともに、その対価を当該ユーザから当該アイテムを売った者に渡す処理を行う。
【0078】
次いで、ユーザは、取得したアイテムAを使用してダンジョンの探索を行う。ダンジョンの探索では、アイテムBおよびアイテムCを含む複数種類のアイテムの取得が可能となっている。
【0079】
ユーザが取得したアイテムCは、特定トークンと交換することが可能となっている。なお、特定トークンと交換するためには、アイテムCを所定量溜める必要があるようになっていてもよい。また、本実施形態では、ダンジョンの探索によりアイテムCがユーザに付与され、ユーザはアイテムCを特定トークンと交換するようになっているが、ダンジョンの探索によりアイテムCに代えあるいは加え、特定トークンが直接ユーザに付与されるようになっていてもよい。換言すると、ダンジョンの探索によりアイテムCおよび特定トークンの少なくとも一方を付与するようにゲームを構成してもよく、ここで少なくとも一方を付与とは、他方については付与されることがない構成も含む。
【0080】
また、アイテムCとの交換により取得された特定トークンは、所定の取引所(例えば、分散型取引所)で他の暗号資産(例えば、仮想通貨)と交換することが可能なトークンとなっている。また、特定トークンは、ユーティリティトークンとなっている。なお、特定トークンは、本実施形態のゲームに係る独自トークンであって、発行上限が設定されたトークンとなっているが、ゲーム外で使用可能な仮想通貨等であってもよい。
【0081】
また、ユーザが取得したアイテムBは、NFT化が可能となっている。すなわち、本実施形態では、アイテムBに対応するNFTを発行し、ブロックチェーンで管理することが可能となっている。具体的には、端末装置10の操作受付部111は、ユーザがゲーム内においてNFT化したいアイテムBを選択する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介してサーバ20の資産管理部213に送られ、資産管理部213は、当該操作に基づいて、選択されたアイテムBをNFT化する処理を行ってもよい。また、NFT化には、所定量の特定トークンが必要となっており、当該操作によりアイテムBをNFT化する際には、当該所定量の特定トークンが消費されるようになっていてもよい。また、NFT化されたアイテムBは、ゲーム内のマーケットプレイスにおいて売買することが可能となっていてもよい。換言すると、アイテムのNFT化とは、アイテムをマーケットプレイスでの売買が可能な状態にすることともいえる。具体的には、例えば、端末装置10の操作受付部111は、ユーザが売りたいアイテムBを選択する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介してサーバ20のマーケット管理部214に送られ、マーケット管理部214は、当該操作に基づいて、ユーザが選択したアイテムを売りに出してもよい。そして、マーケット管理部214は、購入を希望する他のユーザがいる場合に、当該他のユーザに当該アイテムを渡すとともに、その対価を当該他のユーザから当該アイテムを売ったユーザに渡す処理を行ってもよい。
【0082】
また、アイテムBは、特定トークンと交換可能となっていてもよい。具体的には、端末装置10の操作受付部111は、ユーザがゲーム内において特定トークンと交換したいアイテムBを選択する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介してサーバ20に送られ、資産管理部213は、当該操作に基づいて、選択されたアイテムBに換えて特定トークンをユーザに付与してもよい。換言すると、アイテムBは、NFT化することと、特定トークンと交換することとが可能なアイテムであってもよい。
【0083】
また、複数(例えば、2つ)のアイテムB(換言すると、NFT)を組み合わせて別の新たなアイテムB(換言すると、NFT)を生成することが可能となっていてもよい。換言すると、複数のアイテムBを使用(換言すると、バーン)して新たなアイテムBを生成(換言すると、ミント)することが可能となっていてもよい。具体的には、複数のNFT化されたアイテムBを使用して新たなアイテムBを生成することが可能となっていてもよい。すなわち、操作受付部111は、ユーザがゲーム内においてアイテムBの生成に用いる複数のアイテムBを選択する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介して資産管理部213に送られ、資産管理部213は、当該操作に基づいて、選択された複数のアイテムBを使用して新たなアイテムBを生成してもよい。
【0084】
なお、アイテムBは、NFT化が可能な(換言すると、NFT化された状態を取り得る)アイテムでなくてもよい。また、アイテムCと異なるアイテム(換言すると、オブジェクト)としてのアイテムBは、特定トークンあるいはその他の暗号資産と交換可能なアイテムであってもよい。また、本実施形態において、ダンジョンの探索によりアイテムBに代えて、特定トークンあるいはその他の暗号資産が直接ユーザに付与されるようになっていてもよい。また、NFT化がされていない(例えば、NFT化された状態を有さない)アイテムBが、ゲーム内のマーケットプレイスにおいて売買可能となっていてもよい。
【0085】
ゲーム制御部212は、ユーザがプレイするゲームに関する制御を行う。ゲーム制御部212は、イベント管理部231、イベント実行部232、および報酬付与部233を有する。また、イベント管理部231は、マップを作成するマップ作成処理、報酬の概要を決定する報酬概要決定処理、ダンジョンを作成するダンジョン作成処理、および報酬の詳細を決定する報酬詳細決定処理を実行する。
【0086】
また、本実施形態における各種処理の中には、ランダム性を有する処理が存在する。本実施形態では、ランダム性を有する処理は、所定のシードを用いた演算を行うことにより実現される。当該所定のシードには、ブロックチェーン(例えば、ビットコインのブロックチェーン)を用いたシードと、後述するダンジョンIDを用いたシードとが含まれるが、いずれか一方のみが含まれるなどしてもよい。具体的には、本実施形態では、ブロックチェーンを用いた2種類のシード(以下、それぞれ「seedhlast」、「seedhfirst」という。)と、ダンジョンIDを用いた1種類のシード(以下、「seedmdid」という。)とが、用意されている。
【0087】
より具体的には、ブロックチェーンを用いたシードとしてのブロックチェーン(具体的には、例えば、ビットコインのブロックチェーン)のハッシュに関するシードと、ダンジョンIDに関するシードとが、ランダム性の実現に利用される。本実施形態では、任意の期間(例えば、1日)の最後のハッシュ(換言すると、最後に生成されたブロックのハッシュ値)であるhashlast_yyyymmddと、hashlast_yyyymmddが生成された翌々日の最初のハッシュ(換言すると、最初に生成されたブロックのハッシュ値)であるhashfirst_yyyymmdd+2とが、ハッシュに関するシードとして用いられる。また、本実施形態では、ダンジョンIDが、ダンジョンIDに関するシードとして用いられる。すなわち、本実施形態では、seedhlast=hashlast_yyyymmddであり、seedhfirst=hashfirst_yyyymmdd+2であり、seedmdid=ダンジョンIDとなっている。
【0088】
なお、本実施形態では、各種シードに基づいて、マップや報酬等をランダムに決定するが、あるシードに基づいてマップや報酬等の所定の事項についてランダムに決定する手法自体は周知であるため、説明を省略する。
【0089】
マップ作成処理では、イベント管理部231は、マップを作成する。具体的には、イベント管理部231は、マップ作成処理として、複数のダンジョンが配置されるマップ(換言すると、仮想世界)の地形を決定する処理および当該マップにおける各ダンジョンの配置を決定する処理を行う。また、イベント管理部231は、マップ作成処理において、作成されるマップ内の各ダンジョンに対して、各ダンジョンを識別可能とするID(換言すると、識別情報。以下、「ダンジョンID」という。)を付与する。すなわち、作成されるマップにおける各ダンジョンには、ダンジョン毎に固有のダンジョンIDが割り振られている。なお、ダンジョンIDは、1または複数の数字によって構成されていてもよく、例えば、各ダンジョンに対して1から順に連番で番号が割り振られるなどしてもよい。
【0090】
本実施形態では、マップはランダムに作成されるようになっている。換言すると、マップ作成処理は、ランダム性を有している。具体的には、イベント管理部231は、所定のシード(以下、「マップ作成用シード」という。)を用いた演算を行うことにより乱数を生成し、当該乱数に基づいてマップの地形および当該マップにおける各ダンジョンの配置を決定する。マップ作成用シードには、seedhlastが含まれる。換言すると、イベント管理部231は、seedhlastが引数として指定された関数を用いてマップを作成する。すなわち、イベント管理部231は、seedhlast(換言すると、ブロックチェーンのハッシュ)に応じたマップを作成する。
【0091】
報酬概要決定処理では、イベント管理部231は、各ダンジョンについての報酬の概要を決定する。具体的には、イベント管理部231は、報酬概要決定処理として、各ダンジョンの報酬の個数と、各報酬のサイズの概要(例えば、小、中、大のような3~5段階程度のサイズ)とを決定する。ここで、報酬には、アイテムBとアイテムCとが含まれる。すなわち、報酬概要決定処理では、例えば、あるダンジョンを探索した場合に得られるアイテムBとしてのモンスターが、小モンスター5体と、中モンスター3体と、大モンスター1体などのように決定される。なお、本実施形態では、アイテムCは1種類であり、報酬概要決定処理では、あるダンジョンを探索した場合に得られるアイテムCの個数が決定されるが、アイテムCが複数種類存在するなどしてもよい。
【0092】
本実施形態では、報酬の概要(具体的には、報酬の個数および各報酬のサイズ)はランダムに決定されるようになっている。換言すると、報酬の概要の決定は、ランダム性を有している。具体的には、イベント管理部231は、所定のシード(以下、「概要決定用シード」という。)を用いた演算を行うことにより乱数を生成し、当該乱数に基づいて報酬の概要を決定する。概要決定用シードには、seedhlastとseedmdidとが含まれる。換言すると、イベント管理部231は、seedhlastとseedmdidとが引数として指定された関数を用いて報酬の概要を決定する。さらに換言すると、イベント管理部231は、seedhlastとseedmdidとを用いて所定の抽選を行い報酬の概要を決定する。なお、ここで、あるダンジョンについての報酬の概要を決定する場合に、イベント管理部231は、当該あるダンジョンのダンジョンIDをseedmdidとして用いる。すなわち、イベント管理部231は、各ダンジョンについて、seedhlast(換言すると、ブロックチェーンのハッシュ)と、各ダンジョンのダンジョンIDとに応じて報酬の概要を決定する。
【0093】
ダンジョン作成処理では、イベント管理部231は、報酬概要決定処理で決定された報酬の含まれる(換言すると、当該報酬の付与される)3次元仮想空間としてのダンジョンを作成する。ここで、ダンジョンの作成とは、ダンジョンの構造等を決定するものであってもよい。ダンジョン作成処理は、ダンジョンの難易度(具体的には、探索の難易度)を決定するものということもできる。なお、例えば、ダンジョンの探索が自動で行われる構成においては、難易度が高いほど探索に要する時間(換言すると、探索が開始されてから終了されるまでの時間)が長くなるなどしてもよい。
【0094】
本実施形態では、ダンジョンはランダムに作成されるようになっている。換言すると、ダンジョン作成処理は、ランダム性を有している。具体的には、イベント管理部231は、所定のシード(以下、「ダンジョン作成用シード」という。)を用いた演算を行うことにより乱数を生成し、当該乱数に基づいてダンジョンを作成する。ダンジョン作成用シードには、seedhlastとseedmdidとが含まれる。そして、イベント管理部231は、seedhlastとseedmdidと報酬概要決定処理で決定された報酬の概要とが引数として指定された関数を用いてダンジョンを作成する。換言すると、イベント管理部231は、seedhlastとseedmdidとを用いて所定の抽選を行いダンジョンを作成する。なお、ここで、あるダンジョンを作成する場合に、イベント管理部231は、当該あるダンジョンのダンジョンIDをseedmdidとして用いる。また、あるダンジョンを作成する場合に、イベント管理部231は、当該あるダンジョンについて決定された報酬の概要を引数として用いる。すなわち、イベント管理部231は、各ダンジョンが、seedhlast(換言すると、ブロックチェーンのハッシュ)と、各ダンジョンのダンジョンIDと、報酬概要決定処理で決定された各ダンジョンの報酬の概要と、に応じたダンジョンとなるように、ダンジョンを作成する。
【0095】
報酬詳細決定処理では、イベント管理部231は、報酬概要決定処理で決定された、各ダンジョンで取得される報酬の詳細を決定する。具体的には、イベント管理部231は、報酬概要決定処理で報酬として決定されたアイテムBについて、種類、色、サイズの詳細などを決定する。より具体的には、例えば、前述のように、小モンスター5体と、中モンスター3体と、大モンスター1体などのように報酬の概要が決定されている場合に、イベント管理部231は、各小モンスター、中モンスター、および大モンスターの種類を、ドラゴン、タイガーなどのように決定する。また、イベント管理部231は、各小モンスター、中モンスター、および大モンスターの色を、金色、青色、白色などのように決定する。また、イベント管理部231は、各小モンスター、中モンスター、および大モンスターのサイズの詳細を、体長50メートル、100メートルなどのように決定する。
【0096】
本実施形態では、報酬の詳細(具体的には、アイテムBの種類、色、詳細なサイズ)はランダムに決定されるようになっている。換言すると、報酬の詳細の決定は、ランダム性を有している。具体的には、イベント管理部231は、所定のシード(以下、「詳細決定用シード」という。)を用いた演算を行うことにより乱数を生成し、当該乱数に基づいて報酬の詳細を決定する。詳細決定用シードには、seedhfirstとseedmdidとが含まれる。そして、イベント管理部231は、seedhfirstとseedmdidと報酬概要決定処理で決定された報酬の概要とが引数として指定された関数を用いて報酬の詳細を決定する。換言すると、イベント管理部231は、seedhfirstとseedmdidとを用いて所定の抽選を行い報酬の詳細を決定する。なお、ここで、あるダンジョンについての報酬の詳細を決定する場合に、イベント管理部231は、当該あるダンジョンのダンジョンIDをseedmdidとして用いる。また、あるダンジョンについての報酬の詳細を決定する場合に、イベント管理部231は、当該あるダンジョンについて決定された報酬の概要を引数として用いる。すなわち、イベント管理部231は、各ダンジョンについて、seedhfirst(換言すると、ブロックチェーンのハッシュ)と、各ダンジョンのダンジョンIDと、報酬概要決定処理で決定された各ダンジョンの報酬の概要と、に応じて報酬の詳細を決定する。
【0097】
このように、本実施形態では、ダンジョンの探索に基づいて付与され得るアイテムBの詳細(種類または量等の一部の内容)は、報酬詳細決定処理が実行されるまで確定しないようになっている。なお、ダンジョンの探索に基づいて付与され得るアイテムC(あるいは特定トークン)の詳細(種類または量等の一部の内容)は、報酬概要決定処理がされるタイミングで(換言すると、イベントの実行に係る権利がユーザに付与される前に)確定するようにしてもよい。また、報酬概要決定処理および報酬詳細決定処理では、報酬としてのアイテムBの概要および詳細を決定し、アイテムC(あるいは特定トークン)については、例えば、報酬概要決定処理がされるタイミングで、概要決定用シードや詳細決定用シードとは異なるシードを用いた処理(報酬概要決定処理とは異なる処理)により、ダンジョンの探索に基づいて付与され得る種類や量を決定してもよい。この場合、アイテムCについて決定する処理のロジックや、当該処理に用いるシードは、報酬概要決定処理や報酬詳細決定処理とは異なり、ブロックチェーン上での記憶や公開をしないこととしてもよい(報酬概要決定処理や報酬詳細決定処理の公開については後述する)。換言すると、当該処理に用いるシードは、ブロックチェーンを用いたシード(例えば、ブロックチェーンのハッシュに関するシード)ではなくてもよい。
【0098】
ここで、ダンジョンの取得および探索に係るタイムラインについて、図5を参照しながら説明する。ここでは、2022年5月29日の最後に生成されたハッシュであるhashlast_20220529がseedhlastとして用いられるとともに、2022年5月31日の最初に生成されたハッシュであるhashfirst_20220531がseedhfirstとして用いられ、マップやダンジョンの生成、報酬の決定等がされる場合を例に説明する。
【0099】
まず、イベント管理部231は、2022年5月29日最後のハッシュを用いてマップ作成処理を行い、マップを作成する。ここで、5月29日最後のハッシュ(換言すると、最後のブロック)は、ブロックチェーンのブロックに含まれるタイムスタンプの日付が5月30日に変わることにより事後的に確定する。換言すると、seedhlastは、2022年5月30日最初のハッシュ(換言すると、最初のブロック)が生成されることにより確定する。そこで、本実施形態では、イベント管理部231は、5月30日最初のハッシュが生成されたタイミングで(換言すると、当該ハッシュが生成された後に)、hashlast_20220529を用いたマップの作成を行う。
【0100】
また、イベント管理部231は、2022年5月29日最後のハッシュを用いて報酬概要決定処理を行い、各ダンジョンの報酬の概要を決定する。また、イベント管理部231は、2022年5月29日最後のハッシュを用いてダンジョン作成処理を行い、当該報酬概要決定処理で決定された報酬の含まれるダンジョンを作成する。本実施形態では、イベント管理部231は、5月30日最初のハッシュが生成されたタイミングで(換言すると、当該ハッシュが生成された後に)、hashlast_20220529を用いて報酬の概要を決定する。また、イベント管理部231は、5月30日最初のハッシュが生成されたタイミングで(換言すると、当該ハッシュが生成された後に)、hashlast_20220529を用いてダンジョンを作成する。
【0101】
また、イベント管理部231は、ダンジョンの取得が可能な期間を制限する制御を行う。本実施形態では、ダンジョンの取得可能期間は、その日最初のハッシュが生成(前日最後のハッシュに係るseedhlastが確定)されてから、次の日最初のハッシュが生成(当該ハッシュに係るseedhfirstが確定)されるまでの間に設定されている。換言すると、イベント管理部231は、hashlast_20220529を用いて作成されるダンジョンの取得が可能な期間を、当該ダンジョンの報酬の詳細が決定されるまでの期間となるように制御する。さらに換言すると、ダンジョン(換言すると、マップ)が作成されると、次にダンジョン(換言すると、マップ)が作成されるタイミングまで作成されたダンジョンの取得が可能となっている。なお、ダンジョンの取得可能期間は、例えば、その日最初のハッシュが生成されてから、その日(換言すると、ダンジョンが生成された日)が終了するまでの間に設定されるなどしてもよい。
【0102】
また、イベント管理部231は、2022年5月31日最初のハッシュを用いて報酬詳細決定処理を行い、概要の決定に2022年5月29日最後のハッシュが用いられた報酬について詳細を決定する。本実施形態では、イベント管理部231は、5月31日最初のハッシュが生成されたタイミングで(換言すると、当該ハッシュが生成された後に)、hashfirst_20220531を用いて報酬の詳細を決定する。すなわち、イベント管理部231は、ダンジョンの取得可能な期間の経過後に、当該ダンジョンに係る報酬の詳細を決定する。換言すると、イベント管理部231は、報酬の詳細が決定された後にダンジョンを取得することができないように制御する。
【0103】
このように報酬の概要および詳細が決定されるダンジョンは、ユーザの操作に基づいてユーザに付与され、探索することが可能となっている。
【0104】
イベント管理部231は、ユーザによる探索を行うダンジョンを選択する操作が行われると、当該操作に基づいて、選択されたダンジョンをユーザに付与する。換言すると、イベント管理部231は、ユーザが選択したダンジョンの探索に係る権利(換言すると、イベントの実行に係る権利)を当該ユーザに付与する。具体的には、例えば、端末装置10の操作受付部111は、マップ内の複数のダンジョンの中から、探索を行うダンジョンを選択する操作を受け付ける。換言すると、操作受付部111は、複数のダンジョンの中から特定のダンジョンを取得する操作を受け付ける。さらに換言すると、操作受付部111は、特定のイベント(具体的には、特定のダンジョンの探索)の実行に係る権利の取得に係る操作を受け付ける。すなわち、本実施形態では、ユーザは、自身が取得したダンジョンについて探索を行うことが可能となっており、ダンジョンの取得は、ダンジョンの探索(換言すると、イベント)の実行に係る権利の取得と言い換えることができる。なお、ここで、イベントの実行に係る権利の付与とは、結果としてイベントの実行(例えば、ダンジョンの探索)が可能となるものであればよい。すなわち、イベントの実行に係る権利の付与とは、当該ユーザによるイベントの実行を有効化する処理ともいえる。
【0105】
また、ダンジョンを取得する操作の受付に際し、表示制御部114は、表示部18に、ダンジョンの探索により取得可能な報酬に関する情報を表示させる。具体的には、例えば、端末処理部113は、ダンジョンの報酬の概要に関する情報をイベント管理部231から受け取り、当該情報に基づいて、ダンジョンを探索した場合に取得可能な報酬の個数や各報酬のサイズの概要等を表示部18に表示させる。より具体的には、例えば、ダンジョンの取得が表示部18に表示されるマップ上において特定のダンジョンを選択する操作により行われる構成においては、マップ上において特定のダンジョンが選択された場合に、当該特定のダンジョンの探索により取得可能な報酬に関する情報が表示部18に表示され、ユーザは、当該情報を見た上で、当該特定のダンジョンを取得するか否かを選択できるようになっていてもよい。また、例えば、ダンジョンの取得が操作キャラクタを動かす操作によって当該操作キャラクタをマップ内の特定のダンジョンが配置された位置まで導くことにより行われる構成においては、特定のダンジョンが配置された位置まで操作キャラクタを移動させると、当該特定のダンジョンの探索により取得可能な報酬に関する情報が表示部18に表示され、ユーザは、当該情報を見た上で、当該特定のダンジョンを取得するか否かを選択できるようになっていてもよい。すなわち、本実施形態では、イベント管理部231は、ユーザがイベントの実行の権利を取得する前に、当該イベントの実行により取得可能な報酬に関する情報を、当該ユーザに提示可能となっており、当該情報が表示部18に表示されるようになっている。なお、当該情報の表示は、取得可能な報酬の概要等を直接的に示すものに限らず、間接的に示す(例えば、獲得可能な報酬の量や質に関する期待度を示唆するもの等)であってもよい。
【0106】
また、イベント管理部231は、ユーザが取得したダンジョンを示す情報をブロックチェーン(例えば、イーサリアムのブロックチェーン)上に記憶させる。具体的には、イベント管理部231は、あるユーザがあるダンジョンを取得した場合に、当該あるユーザが当該あるダンジョンを取得したことを示す情報をブロックチェーン上に記憶させる。すなわち、本実施形態では、ユーザによるダンジョンの取得に係る履歴がブロックチェーン上に記憶されるといえる。換言すると、本実施形態では、ユーザの有するイベントの実行に係る権利に関する情報がブロックチェーン上に記憶される。このような構成によれば、不正な手法でのダンジョンやアイテム等の取得を防止することができる。すなわち、本実施形態では、取得可能な期間に制限のあるダンジョン(換言すると、イベントの実行に係る権利)の取得により報酬を獲得する権利が得られるようになっているとともに、ユーザが取得したダンジョンを示す情報が、改ざんの困難なブロックチェーン上に記憶されるようになっているところ、本構成によれば、あるユーザが不正な手法によりアイテムを取得した場合等において、当該アイテムを取得可能なダンジョンの取得情報を当該あるユーザが有さないこと等が確認可能となり、当該あるユーザの不正を証明すること等が可能となる。加えて、本実施形態では、ダンジョンの取得情報が書き換えの困難なブロックチェーン上に記憶されるとともに、報酬の詳細が決定されるタイミングが、ダンジョンの取得可能な期間の経過後となっているので、アイテムの不正取得をより強固に防止することができる。
【0107】
イベント実行部232は、ユーザによるダンジョンの探索開始を指示する操作に基づいて、ユーザが取得したダンジョンの探索を開始する。すなわち、操作受付部111は、所定のイベントの実行(換言すると、特定のダンジョンの探索)に係る権利を有するユーザによる、当該所定のイベントの実行(換言すると、開始)を指示する操作を受け付ける。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介してイベント実行部232に送られ、イベント実行部232は、当該操作に基づいて、当該所定のイベントを開始させる。具体的には、例えば、ユーザが取得したダンジョンに関する情報が表示部18に表示され、操作受付部111は、当該情報が表示されている状態においてダンジョンの探索開始を指示する操作を受け付けてもよい。
【0108】
本実施形態のゲームでは、ダンジョンの探索は、報酬の概要が決定され、ダンジョンが作成された以降のタイミングから可能となっており、当該報酬の詳細が決定される前に探索を行うことも可能となっている。また、ダンジョンの探索は、報酬の詳細が決定された後に行うことも可能となっている。
【0109】
また、イベント実行部232は、ダンジョンの探索を自動的に進行する。すなわち、例えば、操作受付部111が、イベントの実行を指示する操作を受け付けると、イベント実行部232は、ユーザの操作を要さずにイベントを進行する。具体的には、イベント(換言すると、ダンジョンの探索)は、イベントの開始から所定期間(例えば、数時間)が経過すると終了するようになっている。また、当該所定期間は、ユーザの選択に基づいて特定トークンを消費して短縮させることが可能となっている。なお、イベントは、開始された直後に終了してもよい。また、ダンジョンの探索は、イベント実行部232がユーザの操作に基づいて進行してもよい。具体的には、例えば、イベントの実行を指示する操作が行われると、その後、操作受付部111は、ダンジョン内(換言すると、仮想空間内)において操作キャラクタを移動させる操作(換言すると、ダンジョン内に配置されたアイテムを探す操作等)を受け付け、ユーザが発見したアイテムが報酬として付与されるようになっていてもよい。
【0110】
報酬付与部233は、ダンジョンの探索に基づいて、ユーザに報酬を付与する。換言すると、報酬付与部233は、イベントの実行に基づいて、ユーザに報酬を付与する。具体的には、本実施形態では、ダンジョンの探索が自動で進行され、探索が終了すると、当該探索で発見されたアイテムBおよびアイテムCがユーザに付与される。なお、例えば、ダンジョンの探索が手動で進行される場合に、ユーザが操作キャラクタを操作してダンジョン内でアイテムBやアイテムCを発見する毎に発見されたアイテムが報酬としてユーザに付与されるなどしてもよい。また、イベントの実行に基づいて付与される報酬のうちの少なくとも一部は、探索により発見したものではなく、探索をしたことに対する謝礼等として付与されるものであってもよい。
【0111】
ここで、ダンジョンの探索に基づいてアイテムBやアイテムCの付与が決定されるタイミング(換言すると、例えば、ダンジョンの探索が終了するタイミング)としては、報酬の詳細(具体的には、アイテムBの詳細)が決定される前と後との両パターンが考えられる。換言すると、ダンジョンの探索を自動で行う場合と手動で行う場合とのいずれの場合についても、報酬の付与が決定されるタイミングにおいて、報酬の詳細が確定していない場合が存在し得る。具体的には、本実施形態では、アイテムBとしてのモンスターの詳細が決定される前に、ダンジョンの探索によりアイテムBとしてのモンスターが発見される(換言すると、アイテムBの付与が決定される)という状態(ただし、アイテムBの詳細まではわからないという状態)が存在し得る。そこで、報酬の詳細が決定される前にアイテムBの付与が決定された場合(換言すると、アイテムBが発見された場合)、報酬付与部233は、当該アイテムBの付与が決定されたタイミング(換言すると、例えば、ダンジョンの探索が終了したタイミング)では当該アイテムBを付与せず、アイテムBの詳細が決定された後に報酬としてのアイテムBを付与する。換言すると、本実施形態では、所定の期間としてのダンジョン取得可能期間(換言すると、イベントの実行に係る権利の取得可能期間)の経過後に報酬の詳細が決定されるようになっているとともに、ダンジョン取得可能期間中にダンジョンの探索(換言すると、イベント)が実行され報酬の付与が決定される場合が存在し得るが、ダンジョン取得可能期間中に報酬の付与が決定された場合、報酬付与部233は、報酬の詳細が決定された後に報酬を付与してもよい。なお、ここで、「報酬の詳細が決定された後に報酬を付与する」とは、本実施形態においては詳細の確定したアイテムBとしての具体的なモンスターを付与することを意味する。換言すると、「報酬の詳細が決定された後に報酬を付与する」といった場合、例えば、報酬の詳細が決定する前に、アイテムBとしての具体的なモンスターに代わるアイテム等(例えば、詳細が決定された後に何らかのモンスターが付与されることを示すアイテム等)を付与しておく構成等を含み得る。
【0112】
なお、本実施形態では、マップの作成、ダンジョンの作成、報酬の概要の決定および報酬の詳細の決定は連日行われており、日々マップの更新およびダンジョンの更新が行われている。すなわち、例えば、図5に示す例においては、5月30日最後のハッシュを用いてマップ作成処理、報酬概要決定処理、およびダンジョン作成処理が行われ、当該報酬概要決定処理で概要が決定された報酬について、6月1日最初のハッシュを用いて報酬詳細決定処理が行われる。なお、本実施形態では、ダンジョンの取得可能期間が終了してから次のマップ更新およびダンジョン更新が行われるようになっているが、ダンジョンの取得可能期間中に、次のマップ更新およびダンジョン更新が行われてもよい。換言すると、マップの作成、ダンジョンの作成、報酬の概要の決定または報酬の詳細の決定に用いられるハッシュは、1日の最後のハッシュや最初のハッシュでなくてもよい。
【0113】
なお、本実施形態では、1日の最後に生成されるハッシュを用いて、マップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の概要の決定を行っているが、1日の最後に生成されるハッシュ(換言すると、1日の最後のブロック)は、翌日最初のハッシュ(換言すると、翌日最初のブロック)が生成されることにより事後的に決定されるようになっている。このため、マップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の概要の決定は、翌日最初のハッシュが生成された以降のタイミングで行われる。そこで、マップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の概要の決定を、翌日最初のハッシュを用いて行うことも考えられる。しかし、本実施形態では、マップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の概要の決定を、1日の最後に生成されるハッシュを用いて行うことにより、マップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の概要の決定と、報酬の詳細の決定とを異なるハッシュに基づいて行われるようにしている。すなわち、マップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の決定等に係る処理を連日実行する場合において、前日に概要を決定した報酬の詳細の決定に用いられるハッシュと、当日に報酬の概要の決定に用いられるハッシュとが同一とならないようにされている。換言すると、本実施形態では、ゲーム制御部212は、繰り返し訪れる任意の期間内の特定のハッシュ(具体的には、1日の最初のハッシュ)を用いて報酬の詳細を決定するとともに、当該特定のハッシュとは異なるハッシュ(具体的には、1日の最後のハッシュ)を用いて報酬の概要を決定するようになっている。また、ブロックチェーンは分岐することがあるところ、本実施形態では、翌日最初のハッシュが生成されたタイミングで、1日の最後に生成されるハッシュを用いてマップおよびダンジョンの作成ならびに報酬の概要の決定を行っているので、採択された可能性の高いハッシュ(換言すると、ブロック)を用いて処理を行うことが可能となる。
【0114】
なお、本実施形態のゲームではアイテムBに係る抽選ロジックは、ブロックチェーン上に記憶され公開される。具体的には、報酬概要決定処理および報酬詳細決定処理のロジックがスマートコントラクトとして公開される。すなわち、seedhlastを用いて報酬の概要を決定する処理のロジックが、スマートコントラクトとして公開される。また、seedhfirstを用いて報酬の詳細を決定する処理のロジックが、スマートコントラクトとして公開される。また、seedhlastおよびseedhfirstは、ブロックチェーンのハッシュであり、公開されたシードとなっている。すなわち、本実施形態では、各ダンジョンで取得可能な報酬の概要は、所定のシードを用いて所定のロジックにより決定されるが、当該所定のシードおよび当該所定のロジックは公開されており、各ユーザは、報酬の概要の決定にあたり不正が働いていないかを公開された当該所定のシードと当該所定のロジックとを用いて検算することが可能となっている。また、本実施形態では、各ダンジョンで取得可能な報酬の詳細は、所定のシードを用いて所定のロジックにより決定されるが、当該所定のシードおよび当該所定のロジックは公開されており、各ユーザは、報酬の詳細の決定にあたり不正が働いていないかを公開された当該所定のシードと当該所定のロジックとを用いて検算することが可能となっている。このような構成によれば、報酬の付与について運営者側の作為が入り込むことがなく、かつこのことをユーザに明確に提示できる透明性の高いシステムを提供することができる。また、シードにブロックチェーンのハッシュを用いることにより、シードを運営者であっても予測不可能であり、かつ誰が見ても不変的で明らかなものとすることができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、報酬の付与について、運営者であってもコントロールすることができず、公開されたロジックによりユーザが検算可能であり、事前に予測することができないものとすることができる。このため、アイテムの付与について不正が起こり、システムの価値が毀損してしまうことを防止できる。また、本実施形態では、報酬の概要や詳細の決定に係る乱数がブロックチェーンのハッシュに基づいて決定され、乱数が特定可能となっているため、乱数を操作する不正の発見が可能となり、乱数を操作して所定のオブジェクトを不正に出現させる等の不正を防止することができる。なお、ダンジョン作成処理のロジック等についても、ブロックチェーン上に記憶し公開してもよく、ブロックチェーン上に記憶せず非公開としてもよい。
【0115】
なお、ユーザが保有しているアイテムAは、他のユーザに貸出可能となっていてもよい。具体的には、あるユーザがアイテムAを他のユーザに貸し出した場合に、当該他のユーザの端末装置10の操作受付部111は、当該他のユーザによる、当該あるユーザが実行の権利を有するイベントについてのイベントの実行を指示する操作を受け付けてもよい。そして、当該操作に関する情報が送受信部112,211を介してイベント実行部232に送られ、イベント実行部232は、当該他のユーザによる当該操作に基づいて、イベントを開始させてもよい。すなわち、アイテムAを保有していない当該他のユーザであっても、アイテムAを借りてゲームをプレイすることが可能となっていてもよい。この場合において、報酬付与部233は、当該他のユーザの操作に基づいて実行されたイベントによって得られた報酬の一部を、アイテムAを貸し出したユーザに付与してもよい。これにより、アイテムAを貸し出すユーザにとっては、他のユーザにダンジョンの攻略を協力してもらい、攻略の効率化が図れるという利点が得られる。また、アイテムを借りるユーザにとっては、アイテムAを購入することなくゲームに参加できるという利点が得られる。
【0116】
次に、ダンジョンの生成および報酬の決定に係る処理を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0117】
イベント管理部231は、特定のブロックチェーンから、1日の最後に生成されたハッシュを取得する(ステップS1)。次いで、イベント管理部231は、取得したハッシュをシード(具体的には、seedhlast)として用いて演算を行いマップを作成する(ステップS2)。具体的には、イベント管理部231は、マップの地形およびマップにおけるダンジョンの配置を決定するとともに、マップ内の各ダンジョンに対して、各ダンジョンを識別可能とするIDを付与する。
【0118】
次いで、イベント管理部231は、ステップS2で作成されたマップの各ダンジョンについて、報酬の概要を決定する(ステップS3)。具体的には、イベント管理部231は、ステップS1で取得したハッシュと、各ダンジョンのダンジョンIDとをシード(具体的には、seedhlast、seedmdid)として用いて演算を行い、各ダンジョンの報酬の個数と、各報酬のサイズの概要とを決定する。
【0119】
次いで、イベント管理部231は、ステップS3で概要が決定された報酬の付与される(換言すると、当該報酬の含まれる)ダンジョンを作成する(ステップS4)。具体的には、イベント管理部231は、ステップS1で取得したハッシュと、各ダンジョンのダンジョンIDとをシード(具体的には、seedhlast、seedmdid)として用いて演算を行い、ダンジョンを作成する。
【0120】
次いで、イベント管理部231は、ステップS1で取得したハッシュの生成された日の翌々日最初に生成されたハッシュを取得する(ステップS5)。次いで、イベント管理部231は、ステップS2で作成されたマップの各ダンジョンについて、報酬の詳細を決定する(ステップS6)。具体的には、イベント管理部231は、ステップS5で取得したハッシュと、各ダンジョンのダンジョンIDとをシード(具体的には、seedhfirst、seedmdid)として用いて演算を行い、各ダンジョンの報酬としてのアイテムBの、種類、色、具体的なサイズを決定する。
【0121】
次に、ダンジョンの取得および探索に係る処理を図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0122】
端末装置10の操作受付部111は、マップ内の複数のダンジョンの中から、探索を行うダンジョンを取得する操作を受け付ける(ステップS11)。換言すると、操作受付部111は、複数のダンジョンの中から特定のダンジョンを選択する操作を受け付ける。さらに換言すると、操作受付部111は、特定のイベント(具体的には、特定のダンジョンの探索)の実行に係る権利の取得に係る操作を受け付ける。
【0123】
探索を行うダンジョンを取得する操作が行われると、イベント管理部231は、当該操作に基づいて、特定のダンジョンをユーザに付与する(ステップS12)。換言すると、イベント管理部231は、ユーザの操作に基づいて、イベントの実行に係る権利を当該ユーザに付与する。
【0124】
また、操作受付部111は、ユーザが取得したダンジョンについて、ダンジョンの探索の開始を指示する操作を受け付ける(ステップS13)。換言すると、操作受付部111は、ユーザによる、当該ユーザが実行の権利を有するイベントの実行を指示する操作を受け付ける。
【0125】
また、イベント実行部232は、ユーザによるダンジョンの探索の開始を指示する操作に基づいて探索を開始させる(ステップS14)。換言すると、イベント実行部232は、ユーザによるイベントの実行を指示する操作に基づいてイベントを実行する。なお、実行されるイベントは、イベント実行部232がユーザの操作に応じて(換言すると、手動で)進行してもよく、ユーザの操作を介さずにイベント実行部232が自動で進行してもよい。また、イベントを手動で進行させるか自動で進行させるかをユーザが選択可能となっていてもよい。
【0126】
次いで、報酬付与部233は、ダンジョンの探索に基づいて、ユーザに報酬を付与する(ステップS15)。換言すると、報酬付与部233は、イベントの実行に基づいて、ユーザに報酬を付与する。具体的には、報酬付与部233は、ダンジョンの探索に基づいてアイテムBおよびアイテムCを付与する。
【0127】
なお、本実施形態では、ブロックチェーン上で管理されるアイテム、トークン、各種ロジック(換言すると、スマートコントラクト)は、同一のブロックチェーン上で管理されるが、一部が異なるブロックチェーン上で管理されてもよい。また、各種処理に用いられるハッシュは、当該同一のブロックチェーンのハッシュであってもよく、他のブロックチェーンのハッシュであってもよい。なお、ブロックチェーンには、イーサリアムやビットコイン等の既存のものを用いてもよい。なお、アイテムAやアイテムBに対応するNFT(換言すると、NFT化されたアイテムAやアイテムB)は、発行されたブロックチェーンから他のブロックチェーンにブリッジすることが可能となっていてもよい。
【0128】
なお、本実施形態に係る各構成は、本実施形態に係るゲーム以外のコンテンツ(換言すると、サービス)に適用することもできる。
【0129】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または任意の構成要素の省略等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。
【0130】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0131】
(付記1)
コンピュータを、
所定のイベントの実行を制御する制御手段(例えば、イベント実行部232)と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに第1のオブジェクトを付与する第1付与手段(例えば、報酬付与部233)と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、前記ユーザに暗号資産および前記暗号資産と交換可能な第2のオブジェクトの少なくとも一方を付与する第2付与手段(例えば、報酬付与部233)と、として機能させ、
前記第1のオブジェクトは、NFT化された状態を取り得るオブジェクトである
プログラム。
本構成によれば、所定のイベントの実行に基づいて暗号資産または暗号資産と交換可能なオブジェクトが付与されるサービス、すなわち所定のイベントの実行に基づいて暗号資産を獲得可能なサービスが提供できる。一方で、このようなサービスにおいては、暗号資産を稼ぎたいというユーザ心理が働きやすいといった特性があるところ、暗号資産の消費よりも獲得が上回ってしまうことで暗号資産の価値が下がり、エコノミーが崩壊してしまうおそれがあった。換言すると、この種のサービスでは持続可能性について課題があった。しかし、本構成によれば、所定のイベントの実行に基づいて暗号資産を獲得可能なだけでなく、NFT化された状態を取り得るオブジェクトが獲得可能となる。したがって、NFT化された状態のオブジェクトの流通によりエコノミーを活性化することが可能となり、サービスの持続可能性を向上させることができる。
【0132】
(付記2)
前記所定のイベントにおいて前記第1のオブジェクトが付与される確率は、前記所定のイベントにおいて前記暗号資産が付与される確率または前記第2のオブジェクトが付与される確率よりも低い
付記1に記載のプログラム。
本構成によれば、第1のオブジェクトの希少価値を高めることができるので、第1のオブジェクトの価値が低下し、サービスの持続可能性が低下してしまうことを防止できる。
【0133】
(付記3)
前記コンピュータを、さらに、前記ユーザの保有する前記第1のオブジェクトを前記暗号資産と交換する交換手段として機能させる
付記1に記載のプログラム。
本構成によれば、第1のオブジェクトと暗号資産との結びつきを強め、エコノミーを活性化することが可能となり、サービスの持続可能性を向上させることができる。
【0134】
(付記4)
前記コンピュータを、さらに、前記暗号資産を消費して前記第1のオブジェクトをNFT化するNFT化手段(例えば、資産管理部213)として機能させる
付記1~3のいずれか1つに記載のプログラム。
本構成によれば、第1のオブジェクトをNFT化して流通させる際に、暗号資産の消費を必要とすることができ、ユーザの資産について獲得と消費のバランスを取ることが可能となる。したがって、サービスの持続可能性を向上させることができる。
【0135】
(付記5)
所定のイベントの実行を制御する制御手段(例えば、イベント実行部232)と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに第1のオブジェクトを付与する第1付与手段(例えば、報酬付与部233)と、
前記所定のイベントの実行に基づいて、前記ユーザに暗号資産および前記暗号資産と交換可能な第2のオブジェクトの少なくとも一方を付与する第2付与手段(例えば、報酬付与部233)と、を備える
情報処理システム。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0136】
1 ゲームシステム、3 ブロックチェーンシステム、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信IF、15 入出力IF、16 タッチスクリーン、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信IF、25 入出力IF、30 ノード装置、31 プロセッサ、32 メモリ、33 ストレージ、34 通信IF、35 入出力IF、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 端末処理部、114 表示制御部、120 記憶部、210 制御部、211 送受信部、212 ゲーム制御部、213 資産管理部、214 マーケット管理部、220 記憶部、231 イベント管理部、232 イベント実行部、233 報酬付与部、310 制御部、320 記憶部
【要約】
【課題】サービスの持続可能性を向上させる。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、所定のイベントの実行を制御する制御手段と、所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに第1のオブジェクトを付与する第1付与手段と、所定のイベントの実行に基づいて、ユーザに暗号資産および暗号資産と交換可能な第2のオブジェクトの少なくとも一方を付与する第2付与手段と、として機能させ、第1のオブジェクトは、NFT化された状態を取り得るオブジェクトである。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7