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特許7453338モジュール式建築における、改良された部品
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  • 特許-モジュール式建築における、改良された部品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】モジュール式建築における、改良された部品
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
E04B1/348 X
E04B1/348 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022506969
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 AU2020050885
(87)【国際公開番号】W WO2021035292
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】2019903136
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】517141524
【氏名又は名称】インテックス ホールディングス ピーティーワイ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス,ロジャー
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0180182(US,A1)
【文献】実開昭62-108401(JP,U)
【文献】特開平07-180229(JP,A)
【文献】特開2016-023420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階部分および2階部分と1階部分に隣接する2階部分の底部に設けられた1対のチャネルを備える建物のモジュールであって、
前記1対のチャネルは実質的に前記建物のモジュールの質量中心に近く位置し、
前記建物のモジュールは、前記1階部分の底部が地面に載置可能な第1の姿勢と、前記建物のモジュールの側面が地面に載置可能な第2の姿勢との間で回転可能であり、
前記建物のモジュールは、前記1対のチャネルが該チャネルに係合されたフォークリフトのタインの回転を受けて、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間で回転するように適合されている、ことを特徴とする、建物のモジュール。
【請求項2】
組み立て式の金属部品から構築される、ことを特徴とする、請求項1に記載の建物のモジュール。
【請求項3】
幅が、高さよりも実質小さくなっている、ことを特徴とする、請求項1に記載の建物のモジュール。
【請求項4】
垂直支柱を備え、
前記垂直支柱は、それ自体が、前記1階部分および前記2階部分の支えとなる根太を支持する水平チャネルを支持する、ことを特徴とする、請求項1に記載の建物のモジュール。
【請求項5】
複数の建物のモジュールを組み合わせることで、建物を形成可能である、ことを特徴とする、請求項1に記載の建物のモジュール。
【請求項6】
前記2階部分の上部に支持梁を備える、ことを特徴とする、請求項1に記載の建物のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み合わせた際に、モジュール式建築物、一般的には、戸建てとなる、建築モジュールのアッセンブリおよび移送に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の戸建ては、既知の方法によって建築される。スラブ床を使用し、垂直支柱を追加することで、壁や屋根が支えられ、様々な設備を導入して、工事が完了する。こうした戸建て建築は、オンサイトでの作業では、工事完了までに数か月を要する。
【0003】
オンサイトでは、段取り次第で、工事がストップしてしまうこともあり、また、悪天候によっても、工期に遅れが出てしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、建物のモジュールを多く用いて建築される、戸建て等の建築物を提供することにある。これらのモジュールは、オフサイトで組み立てることで、1階部分および2階部分を形成することができ、さらに、それを工事現場まで容易に移送することができる。工事現場では、モジュール同士を結合することで、現行の建築手法と比較して、短時間で建物を完成させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の形態として、組み立て式の金属部品からなる、1階部分および2階部分を備える建物のモジュールを提供する。2階部分の下には、モジュールを係合可能なフォークリフトの回転式タインと係合するよう設けられた、少なくとも1対のチャネルが配置され、フォークリフトがモジュールを回転させることで、モジュールを横にして、平台型トラックに積載し、所望の位置に移送する。
【0006】
好ましくは、モジュールの幅は、標準的な道路を通行する平台型トラック上での商品輸送に関する規定によって許容されている範囲よりも、小さく設定される。
【0007】
好ましくは、モジュールは垂直支柱を備え、該垂直支柱は、それ自体が、支えとなる根太を支持する水平チャネルを支持する。
【0008】
好ましくは、モジュールを追加して、他のモジュールと組み合わせる。これにより、戸建て等の建築物を建築可能となる。
【0009】
なお、上述したいずれの形態も、上述した他の形態が有する特徴のいずれかを含んでいてもよく、また、以下に説明する実施形態が有する特徴のいずれかを、適宜、含んでいてもよい。
【0010】
当業者が本発明を実施するに足る情報が記載された、以下の「発明を実施するための形態」に基づいて、本発明の好ましい特徴、実施形態、変形例を明らかにする。「発明を実施するための形態」は、前述した本発明の「発明の概要」の範囲を、なんら限定するものではないと理解されたい。「発明を実施するための形態」は、以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、複数のモジュールからなるモジュールハウスの斜視図である。
図2図2は、1階部分および2階部分を備える単一モジュールの斜視図である。
図3図3は、図2のモジュールの下面図である。
図4図4は、フォークリフトを使用したモジュールの移動機能を示す。
図5図5は、モジュールブロック回転させ、横にした状態で、平台型トラックに積載している様子を示す。
図6図6は、個々のモジュールを利用して建築したモジュールハウスの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に示す本発明の詳細な説明は、添付の図面を参照する。図面および以下の説明を通して、同一の構成要素を参照する際は、可能な箇所については、同一の参照符号を付す。図面に示す特定の構成要素の寸法は、理解のしやすさや図解の目的において、修正および/または誇張され得る。
【0013】
添付の図面の詳細を参照すると、バルコニー18および階段部分20といった外部部品と併せて、個々のモジュール(建築用ブロック)12、14、16からなるモジュールハウス10が示されている。各建築用ブロックは、種々の支持梁26および補強部材28に加えて、1階部分および2階部分に対し、既知の技術手段である、支持根太24を利用した垂直支柱22を備える。2階部分の下には、フォークリフトのタイン32が収まるようなチャネル30が設けられている。したがって、図2に示すようなモジュールブロックが組み立てられると、フォークリフト34がチャネル30に係合され、符号12を付したようなモジュール式建築用ブロックが持ち上げられる。
【0014】
フォークリフトには、回転可能なヘッドがついており、これにより、建物のモジュールが回転し、図5に示す通り、建築モジュールを平台型トラック36に載置することができる。
【0015】
これにより、1階部分および2階部分を備える単一モジュールを回転させ、モジュールを横にすれば、モジュールをトラックに積載することができるという利点が発揮される。2階部分の下方に位置するチャネルにより、モジュールはバランスを保ちながら、横にした状態でトラックに積載され、所望の位置に移送される。
【0016】
ブロックが現場に移送されると、ブロックが組み立てられ、容易に、図1に示すようなモジュール式建築や戸建てを建築することができる。建築現場にて、溶接され、モジュール式に屋根がつけられ、設備工事が行われる。これにより、現在の建築手法と比較して、工期を大幅に短縮することができる。
【0017】
なお、重要な点として、モジュール式建築用ブロックの略質量中心に、チャネル30を設ける必要がある。これにより、バランスを保ちながら、回転することができるようになる。したがって、建築されているものが、戸建てというよりは、小型の倉庫に近い場合、チャネルがその質量中心に位置していれば、階層を複数設けてもよい。本発明はまた、ブロックを横にしてセミトレーラートラックに積載し、高さの問題を解決することができる。各建築用ブロックの高さに応じて、複数の建物のモジュールを平台型のセミトレーラーに載置し、所望の場所に移送してもよい。
【0018】
モジュール式建築におけるその他の構成要素としては、適切な金属製加工部品といった、当業界では既知のものを使用してもよく、これにより、建築物を堅牢なものにすることができる。適切な踏み板(図示せず)や、充分な深さのコンクリート基礎があれば、垂直支柱22を地面に載置してもよい。
【0019】
読者は、建築物の工事において使用されるモジュール式建築用ブロックの移送が容易になる、という本発明の利点を享受することができるであろう。
【0020】
特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、本発明には、さらなる利点および改善点が加えられ得る。最も実用的かつ好ましいと考えられる実施形態において本発明を示し、説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、そうした実施形態からの派生は認められ得る。本発明は、ここに開示した詳細に限定されるものではなく、いかなる、そして全ての、相当する機器および装置を包含する、特許請求の最大限の範囲が付与されるものである。本明細書中の従来技術に関するいかなる記載も、当分野において、従来技術が広く知られている、あるいは、技術常識の一部分を形成するものだと認めるものでは、決してない。
【0021】
本明細書および請求項において、「含む」という表現や、その派生形である「含み」、「含んで」といった表現が使用されている場合、上述した各符号が含まれるが、一つ以上の符号をさらに含む場合を除外する意図はない。
【符号の説明】
【0022】
10 モジュールハウス
12 第1モジュール
14 第2モジュール
16 第3モジュール
18 バルコニー
20 階段部分
22 垂直支柱
24 支持根太
26 支持梁
28 補強部材
30 フロアチャネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6