(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】移動機構を有するエアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240312BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240312BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022531367
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2020083791
(87)【国際公開番号】W WO2021105469
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アビ アウン, ワリド
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジャスティン ハン ヤン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-534813(JP,A)
【文献】国際公開第2019/016740(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0289908(US,A1)
【文献】特表2018-504127(JP,A)
【文献】特表2019-519194(JP,A)
【文献】米国特許第06053176(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、
エアロゾル生成材料を備える消耗品であって、前記消耗品が前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、前記表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品と、
前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすための移動機構と、
を備える、エアロゾル供給システムであって、
前記移動機構が、前記第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、前記第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすように配置されて
おり、
前記第1の方向が、前記第2の方向に実質的に直交している、エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記移動機構は、前記消耗品の異なる領域が前記エアロゾル生成構成要素と個別に位置合わせされるように、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすように構成される、請求項1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
前記消耗品は、前記エアロゾル生成材料が配置される担体支持体を備え、
前記担体支持体は、前記第1の方向及び前記第2の方向に特徴的な広がりを有する前記表面を画定する、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記表面が、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って延在する平面を画定する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
前記移動機構が、前記エアロゾル生成構成要
素の移動をもたらすように配置される、請求項1~
4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
前記エアロゾル生成構成要素が、前記第1及び第2の方向に延在する表面を有し、前記表面によって画定される区域は、前記消耗品の前記表面によって画定される区域よりも小さい、請求項1~
5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
前記エアロゾル供給システムが、前記消耗品の少なくとも一部を受容するためのレセプタクルを備え、前記エアロゾル生成構成要素が、前記レセプタクル内に設けられ、前記レセプタクルに対して前記第1の方向及び前記第2の方向に移動するように構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記移動機構は、前記第1の方向及び前記第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をさらにもたらすように配置される、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
前記移動機構が、前記エアロゾル生成構成要素を前記消耗品に対して移動させて、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の接触をもたらすように配置される、請求項
8に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記エアロゾル生成構成要素が加熱要素である、請求項1~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記消耗品が、前記第1の方向及び前記第2の方向に配置された複数のエアロゾル生成材料を備えている、請求項1~
10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
前記エアロゾル供給システムが、前記第1の方向及び/又は前記第2の方向に移動するように構成された
追加のエアロゾル生成構成要素をさらに備え、前記
追加のエアロゾル生成構成要素が、前
記エアロゾル生成構成要素と比較して、前記第1及び第2の方向で異なる位置に移動するように制御される、請求項1~
11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部が、非晶質固体である、請求項1~
12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、
消耗品を受容するためのレセプタクルと、
前記エアロゾル生成構成要素と前記レセプタクルとの間の相対移動をもたらすための移動機構と、
を備える、エアロゾルを供給するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記移動機構が、第1の方向に実質的に平行な軸線及び第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、前記エアロゾル生成構成要素と前記レセプタクルとの間の相対移動をもたらすように配置され
ており、
前記第1の方向が、前記第2の方向に実質的に直交している、エアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
エアロゾル生成構成要素を準備するステップと、
エアロゾル生成材料を備える消耗品を準備するステップであって、前記消耗品が前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、前記表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品を準備するステップと、
前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすための移動機構を準備するステップと、
前記第1の方向に実質的に平行な軸線、及び、
前記第2の方向に実質的に平行な軸線
の少なくとも1つに沿って、前記エアロゾル生成構成要素を前記消耗品に対して移動させるステップ
であって、前記第1の方向が、前記第2の方向に実質的に直交している、ステップと、
前記エアロゾル生成構成要素を作動して、前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するステップと、
を含む、消耗品からエアロゾルを生成する方法。
【請求項16】
前記消耗品の複数の異なる領域が前記エアロゾル生成構成要素と個別に位置合わせされるように、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすステップをさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の方向及び前記第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすステップをさらに含む、請求項
15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の方向及び前記第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、前記エアロゾル生成構成要素を前記消耗品に対して移動させて、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の接触をもたらすステップをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記エアロゾル生成構成要素を前記消耗品に対して第1の位置に移動させて、エアロゾル生成材料の第1の部分を加熱するステップと、
前記エアロゾル生成構成要素を前記消耗品に対して第2の位置に移動させて、エアロゾル生成材料の第2の部分を加熱するステップと、
をさらに含み、
前記エアロゾル生成材料の第1の部分及び前記エアロゾル生成材料の第2の部分が、異なるエアロゾル生成材料である、請求項
15~
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
エアロゾル生成手段からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、
エアロゾル生成材料を備える消耗品であって、前記消耗品が前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、前記表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品と、
前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすための移動手段と、
を備えるエアロゾル供給手段であって、
前記移動手段は、前記第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、前記第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、前記エアロゾル生成構成要素と前記消耗品との間の相対移動をもたらすように配置され
ており、
前記第1の方向が、前記第2の方向に実質的に直交している、エアロゾル供給手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給システム、消耗品からエアロゾルを生成する方法、エアロゾル供給デバイス、及び、エアロゾル供給手段に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給システムは公知である。
【0003】
エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを供給するためにエアロゾル供給システムで使用される。エアロゾル生成構成要素は、発振器又は加熱器などであってもよい。エアロゾル生成材料がエアロゾル供給システムに挿入されるとき、適切に配置されたエアロゾル生成構成要素によって、効果的なエアロゾル化が実現され得る。最新のデバイスでは、吸入に望ましいエアロゾルを供給するために、エアロゾル生成構成要素とエアロゾル生成材料とを調整することがよくある。この調整が必要なものの中に柔軟性があることが望ましい。
【0004】
本発明は、上記問題のいくつかを解決することを目的としている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、添付の特許請求の範囲に規定される。
【0006】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、エアロゾル生成材料を備える消耗品であって、消耗品がエアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品と、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすための移動機構とを備え、移動機構は、第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすように配置されている、エアロゾル供給システムが提供されている。
【0007】
移動機構は、消耗品の異なる領域がエアロゾル生成構成要素と個別に位置合わせされるように、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすように構成されてもよい。
【0008】
消耗品は、エアロゾル生成材料が配置される担体支持体を備え、担体支持体は、第1の方向及び第2の方向に特徴的な広がりを有する表面を画定する。
【0009】
表面は、第1の方向及び第2の方向に沿って延在する平面を画定することができる。
【0010】
第1の方向は、第2の方向に実質的に直交している。
【0011】
移動機構は、エアロゾル生成構成要素への移動をもたらすように配置され得る。
【0012】
エアロゾル生成構成要素は、第1及び第2の方向に延在する表面を有していてもよく、その表面によって画定される区域は、消耗品の表面によって画定される区域よりも小さい。
【0013】
エアロゾル供給システムは、消耗品の少なくとも一部を受容するためのレセプタクルを備えていてもよく、エアロゾル生成構成要素は、レセプタクル内に設けられていてもよく、レセプタクルに対して第1の方向及び第2の方向に移動するように構成されていてもよい。
【0014】
移動機構は、第1の方向及び第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をさらにもたらすようにさらに配置することができる。
【0015】
移動機構は、エアロゾル生成構成要素を消耗品に対して移動させて、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の接触をもたらすように配置することもできる。
【0016】
エアロゾル生成構成要素は、加熱要素であってもよい。
【0017】
消耗品は、第1の方向及び第2の方向に配置された複数のエアロゾル生成材料を備えていてもよい。
【0018】
エアロゾル供給システムは、第1の方向及び/又は第2の方向に移動するように構成された第2のエアロゾル生成構成要素をさらに備えていてもよく、第2のエアロゾル生成構成要素は、第1のエアロゾル生成構成要素と比較して、第1及び第2の方向で異なる位置に移動するように制御される。
【0019】
エアロゾル生成材料の少なくとも一部は、非晶質固体であってもよい。
【0020】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾルを供給するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、そのデバイスは、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、消耗品を受容するためのレセプタクルと、エアロゾル生成構成要素とレセプタクルとの間の相対移動をもたらすための移動機構とを備え、移動機構は、第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素とレセプタクルとの間の相対移動をもたらすように配置される。
【0021】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、消耗品からエアロゾルを生成する方法が提供され、その方法は、エアロゾル生成構成要素を準備することと、エアロゾル生成材料を備える消耗品を準備することであって、消耗品がエアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、その表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品を準備することと、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすための移動機構を準備することと、第1の方向に実質的に平行な軸線及び第2の方向に実質的に平行な軸線の少なくとも1つに沿ってエアロゾル生成構成要素を消耗品に対して移動させることと、エアロゾル生成構成要素を作動して、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することと、を含む。
【0022】
その方法は、消耗品の複数の異なる領域がエアロゾル生成構成要素と個別に位置合わせされるように、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすこともできる。
【0023】
その方法は、第1の方向及び第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をさらにもたらすことができる。
【0024】
その方法は、第1の方向及び第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素を消耗品に対して移動させて、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の接触をもたらすことを含むことができる。
【0025】
その方法は、エアロゾル生成構成要素を消耗品に対して第1の位置に移動させて、エアロゾル生成材料の第1の部分を加熱することと、エアロゾル生成構成要素を消耗品に対して第2の位置に移動させて、エアロゾル生成材料の第2の部分を加熱することと、を含むこともでき、エアロゾル生成材料の第1の部分及びエアロゾル生成材料の第2の部分は、異なるエアロゾル生成材料である。
【0026】
エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾルを生成するように配置された加熱要素であってもよい。
【0027】
消耗品は、担体支持体を備えていてもよく、エアロゾル生成材料は、担体支持体に配置され、担体支持体は、第1の方向及び第2の方向に特徴的な広がりを有する表面を画定する。
【0028】
その方法は、消耗品の少なくとも一部をレセプタクルに配置することと、エアロゾル生成構成要素をレセプタクルに配置することと、エアロゾル生成構成要素をレセプタクルに対して第1及び第2の方向に移動させることと、をさらに含むことができる。
【0029】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、エアロゾル生成手段からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、エアロゾル生成材料を備える消耗品であって、消耗品がエアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品と、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすための移動手段と、を備えるエアロゾル供給手段が提供され、移動手段は、第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすように配置される。
【0030】
以下の図面を参照して、本教示を例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】一例によるエアロゾル供給システムの縦断面図である。
【
図2】一例によるエアロゾル供給システムの一部の斜視図である。
【
図3】一例によるエアロゾル供給システムの一部の斜視図である。
【
図4】一例によるエアロゾル供給システムの縦断面図である。
【
図5】一例によるエアロゾル供給システムの一部の斜視図である。
【
図6】一例によるエアロゾル供給システムの縦断面図である。
【
図7】一例によるエアロゾルを生成する方法のための概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、様々な修正形態及び代替形態の影響を受けやすいが、特定の実施形態は、例として図面に示され、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、特定の実施形態の図面及び詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるすべての修正形態、同等物及び代替物を包含する。
【0033】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴を、本明細書で論じ説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来通り実施することができ、これらは、簡潔にするために、詳細には論じられず、説明されない。したがって、本明細書に論じられるが詳細に説明されていない装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実施するための任意の従来の手法に従って実施され得ることが理解されよう。
【0034】
本開示は、eシガレットのようなエアロゾル供給システムとも称されることがあるエアロゾル供給システムに関する。本開示によれば、「不燃式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの送達を容易にするために、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)の成分たるエアロゾル化可能な材料が燃焼されない、又は燃やされないシステムである。以下の説明全体を通して、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語を使用する場合があるが、この用語は、エアロゾル供給システム/デバイスと、電子エアロゾル供給システム/デバイスとを言い換え可能に使用され得ることが理解されよう。さらに、本技術分野で一般的であるように、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語、並びに関連する用語、例えば「気化する」、「揮発する」及び「エアロゾル化する」などは、一般的に言い換え可能に使用されてもよい。
【0035】
図1の例では、エアロゾル供給システム100が示されている。エアロゾル供給システム100は、エアロゾル生成構成要素110を備える。エアロゾル生成構成要素110は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのものである。エアロゾル供給システム100は、エアロゾル生成材料を備える消耗品120も備える。消耗品120は、エアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置される表面を画定し、その表面は、第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する。エアロゾル供給システム100は、移動機構130も備える。移動機構130は、エアロゾル生成構成要素110と消耗品120との間の相対移動をもたらすためのものである。移動機構130は、第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素110と消耗品120との間の相対移動をもたらすように配置される。
【0036】
エアロゾル生成構成要素110は、加熱要素であってもよい。エアロゾル生成構成要素110は、加熱機構又は加熱機構の一部であってもよい。一例では、エアロゾル生成構成要素110は、消耗品120でエアロゾル生成材料に熱を供給するための加熱器であってもよい。エアロゾル生成構成要素110は、電気的に接続された動力源によって流される電流から消耗品120に熱を供給するための抵抗加熱器であってもよい。エアロゾル生成構成要素110は、金属又はセラミックなどでできていてもよい。或いは、又はさらに、エアロゾル生成構成要素110は、消耗品120に熱を供給するための誘導加熱器又は誘導加熱システムの一部であってもよい。
【0037】
消耗品120は、タバコなどのようなエアロゾル生成材料のブロックであってもよい。消耗品120は、タバコなどのようなエアロゾル生成材料のシートであってもよい。
【0038】
消耗品によって画定された表面は、曲面又は平面であってもよい。例えば、消耗品は、シートであるか、又は球体の形態であってもよい。したがって、第1の方向及び第2の方向の特徴的な広がりは、第1の方向及び第2の方向によって画定される平面上への表面の投影に関連し得る。この意味では、表面は、仮想表面であってもよい。
【0039】
図2の例では、エアロゾル供給システム200の一部が斜視図で示されている。エアロゾル生成構成要素210及び消耗品120が示されている。図示の例では、消耗品220は、2つの方向(例えば「x方向」及び「y方向」)で相対的に長く、1つの方向(例えば「z方向」)で相対的に短い。図示のエアロゾル生成構成要素210は、これらの方向で同様の長さである。
【0040】
移動機構(図示せず)は、エアロゾル生成構成要素210と消耗品220との間の相対移動をもたらすように構成されてもよい。
図2の例では、相対移動は、矢印A及び矢印Bによって示される2つの方向であり得る。これらの方向は、消耗品220が相対的に長くなる2つの方向と一致する。このように、相対移動により、例えば、エアロゾル生成構成要素210は、消耗品220の大きな表面Aの全範囲を通過することができる。通過するというのは、消耗品220の下側表面をエアロゾル生成構成要素210の上側表面が通過することを意味する。或いは、エアロゾル生成構成要素210の下側表面を消耗品220の上側表面が通過してもよい。
【0041】
この例及び
図1の例の移動機構は、1つ又は複数の方向、例えばx、y又はz方向に、エアロゾル生成構成要素210と消耗品220との間の相対移動をもたらすように配置することもできる。
【0042】
別の例では、移動機構は、エアロゾル生成構成要素210と消耗品220との間で、方向A及びBに対して直交する方向の、すなわち、移動がx、y又はz方向であり得る相対移動をもたらすように構成され得る。相対移動は、1つ又は複数の方向に同時に行われ得る。
【0043】
図3の例では、エアロゾル供給システム300の一部が斜視図で示されている。
図2に示すエアロゾル供給システム200の例は、
図3に示すエアロゾル供給システム300の例と同様である。
図3に示すエアロゾル供給システム300は、わずかに異なる構成の消耗品320を有する。
【0044】
図3に示す消耗品320は、点線で示す2つの消耗品領域320A、320Bを有する。移動機構(図示せず)は、消耗品320の異なる領域がエアロゾル生成構成要素310と個別に位置合わせされるように、エアロゾル生成構成要素310と消耗品320との間の相対移動をもたらすように構成されてもよい。これらの領域320A、320Bは、移動機構がエアロゾル生成構成要素310を矢印Aによって示す方向に短い距離だけ相対的に移動させ、次に矢印Bによって示す方向に(領域320Aに位置合わせするために)短い距離だけ相対的に移動させ、又は、矢印Bによって示す方向に(領域320Bに位置合わせするために)長い距離だけ相対的に移動させた結果として、例えば、エアロゾル生成構成要素310と位置合わせすることができる。このように、相対移動によって、消耗品320の領域とエアロゾル生成構成要素310とを個別に位置合わせすることが可能になる。
【0045】
一例では、消耗品120、220、320は、エアロゾル生成材料が配置される担体支持体を備えることができる。担体支持体は、第1の方向及び第2の方向に(例えば、矢印A及び矢印Bによって示す方向に)、特徴的な広がりを有する表面を画定することができる。担体支持体は、平坦であっても、何らかの方法で湾曲していてもよい。
【0046】
担体支持体は、エアロゾル生成構成要素110、210、310から担体支持体のエアロゾル生成材料に熱をより容易に通過させることができる熱伝導性の材料で形成されていてもよい。一例では、担体支持体は、アルミニウムなどの誘導性材料で形成されていてもよい。誘導性材料は、誘導によってエアロゾル生成材料の加熱が起こるのを可能にし得る。
【0047】
エアロゾル生成構成要素110、210、310は、アルミニウムサセプタと連動して、消耗品120、220、320のエアロゾル生成材料に熱エネルギーを供給することができるワークコイルであってもよい。
【0048】
図3に示す例では、消耗品の表面は、第1の方向(矢印Aによって示す)及び第2の方向(矢印Bによって示す)に沿って延在する平面を画定する。図示の特定の例では、平面は、平坦な面である。
図3に示す例では、第1の方向は、第2の方向に実質的に直交している。一例では、第1の方向(矢印Aによって示す)は、「x」座標を規定し、第2の方向(矢印Bによって示す)は、「y」座標を規定し、これらは、ともに平面を形成している。一例では、第1の方向は、第2の方向に直交している。
【0049】
図3に示す例では、移動機構(図示せず)によってもたらされる移動は、エアロゾル生成構成要素310にもたらされてもよい。エアロゾル供給システムでエアロゾル生成構成要素310を移動させることによって、エアロゾル供給システム内の空間を効率よく使用することができる。消耗品320は、エアロゾル供給システムの一部を満たすために設けることができる。次いで、エアロゾル生成構成要素310は、エアロゾル供給システムのその一部内で移動されて、消耗品320の異なる領域320A、320Bからエアロゾルを生成することができる。このことは、エアロゾル生成構成要素310が、消耗品320の面積よりも小さな面積を典型的に有することに起因する。
【0050】
或いは、移動機構(図示せず)によってもたらされる移動は、消耗品320にもたらされてもよい。エアロゾル生成構成要素310は、動作のための電気信号を送達するために関連する電子機器を有するであろう。エアロゾル生成構成要素310を移動することは、そのような電子機器を移動することも含み得る。したがって、消耗品320(関連する電子機器を有していなくてもよい)を移動することは、組織的に単純な作業である。さらに、消耗品320は、消耗品320に移動をもたらすために移動面上に配置することができる。これは、例えば、移動面が消耗品320をエアロゾル供給システムの縁部からエアロゾル供給システムの中央加熱部分へ移動するのに役立つ場合、消耗品320をエアロゾル供給システム内に挿入しやすくするように動作することもできる。移動面は、エアロゾル供給システムの外部の開口部からエアロゾル供給システムの内部の加熱部分へ、エアロゾル供給システムに入るのを可能にするためのコンベアベルトシステムなどであってもよい。
【0051】
図4の例では、エアロゾル供給システム400の一部が示されている。エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成構成要素410と、消耗品420と、移動機構430とを有する。移動機構430は、第1の方向及び第2の方向に実質的に垂直な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素410と消耗品420との間の相対移動をもたらすように配置されている。相対移動の方向は、矢印Cで示されている。矢印Cで示す方向に沿った移動により、エアロゾル生成構成要素410と消耗品420とを、直接的に近づけるか、又は直接的にさらに遠ざけるように移動することができる。移動機構430によってもたらされる移動は、消耗品420に向かうエアロゾル生成構成要素410の、及び、エアロゾル生成構成要素410への消耗品420の並進移動であってもよい。矢印Cで示す方向は、「z」軸線に沿っていてもよい。一例では、移動機構430は、第1の方向及び第2の方向に垂直な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素410と消耗品420との間の相対移動をもたらすように配置されている。
【0052】
エアロゾル生成構成要素410と消耗品420との間の距離を短くすることにより、エアロゾル生成の効率を上げることができる。エアロゾル生成構成要素410が抵抗性加熱器である例では、熱は、加熱器と消耗品420との間のより短い距離にわたって、より効率的に伝達される。このように、1回の加熱プロセスの間により多くのエアロゾルが供給される。このように、エアロゾル供給システム400の動力源がより効率的に使用されることにより、動力源の1回の満充電におけるエアロゾル供給システムの寿命が改善される。
【0053】
特定の例では、移動機構430は、エアロゾル生成構成要素410と消耗品420との間の接触をもたらすために、第1の方向及び第2の方向に垂直な軸線(「z」軸線)に沿って、エアロゾル生成構成要素410と消耗品420との間の相対移動をもたらすように配置されている。このことにより、エアロゾル生成構成要素410が加熱器である場合に、効果的な熱伝達がさらに提供される。
【0054】
図5の例では、エアロゾル供給システム500の一部が示されている。図示のエアロゾル供給システム500の一部は、エアロゾル生成構成要素510と、消耗品520とを有する。消耗品520は、担体支持体524と、エアロゾル生成材料522の複数の部分を有する。消耗品520は、第1の方向及び第2の方向に配置された複数のエアロゾル生成材料を備えていてもよい。部分522A、522B、522Cは、担体支持体524に配置された個別の領域として示されている。使用中、エアロゾル生成構成要素510は、矢印A及びBで示す方向に沿った移動によって、エアロゾル生成材料522の個別の部分と位置合わせすることができる。一例では、エアロゾル生成材料522は、ニコチン、グリセロール、酸などのような複数のエアロゾル生成材料を含んでいてもよい。一例では、部分522Aは、ニコチン含有エアロゾル生成材料であり、部分522Bは、グリセロール含有エアロゾル生成構成要素であり、部分522Cは、酸含有エアロゾル生成材料である。一例では、エアロゾル生成構成要素510は、エアロゾル生成材料522の個別の部分からのエアロゾル化を制御するように制御され得る。このように、個人向けのエアロゾルがエアロゾル供給システム500から供給され得る。
【0055】
一例では、エアロゾル供給システム500は、エアロゾル生成構成要素510によって影響を受けるエアロゾル生成材料522の一部を制御するために、エアロゾル生成構成要素510及び消耗品520の相対移動を制御するためのコントローラを有していてもよい。一例では、エアロゾル供給システム500は、エアロゾル供給システム500に提供される消耗品520を検出することができるセンサを有していてもよい。この検出は、コントローラに通知されてもよい。コントローラは、データベースへのアクセスを有することができ、そのデータベースは、コントローラが消耗品520を認識し、その後、担体支持体524でエアロゾル生成材料522のレイアウトを提供されることを可能にする。コントローラは、次いで、ユーザに所望のエアロゾルを供給するためにエアロゾル生成構成要素510及び消耗品520の相対移動を制御することができる。これは、予め定められた複数の加熱プロファイルからユーザが選択することができるか、又は、ユーザによって作成された特注の加熱プロファイルであり得る。
【0056】
図6には、エアロゾル供給システム600の一部の例が示されている。エアロゾル供給システム600は、エアロゾル生成構成要素610と、移動機構630と、レセプタクル650とを有する。エアロゾル供給システム600は、消耗品の少なくとも一部を受容するレセプタクル650を備える。エアロゾル生成構成要素610は、レセプタクル650内に設けられてもよく、レセプタクルに対して第1の方向及び第2の方向に移動するように構成されてもよい。レセプタクルは、エアロゾル供給システム600に取り外し可能に挿入可能であってもよい。消耗品は、レセプタクル650内にプリロードされてもよく、ユーザは、外部表面にエアロゾル生成材料を有さないレセプタクル650を取り扱うだけでよいので、よりクリーンなユーザ体験につながる。
【0057】
一例では、本開示のエアロゾル供給システムは、複数のエアロゾル生成構成要素を有することができる。これらのエアロゾル生成構成要素は、第1及び/又は第2の方向に移動するように構成され得る。第2のエアロゾル生成構成要素は、第1のエアロゾル生成構成要素と比較して、第1及び第2の方向の異なる位置に移動するように制御することができる。この制御によって、異なるエアロゾル部分を同時にエアロゾル化することが可能になり得る。このエアロゾル化が同時にできることにより、エアロゾルを供給するために、エアロゾル生成材料のある部分から担体支持体における別の部分に1つのエアロゾル生成構成要素を迅速に移動させる必要性がなくなる。このように、移動機構の摩耗は、1つのエアロゾル生成構成要素を有する実施形態と比較して、低減され得る。
【0058】
図7には、消耗品700からエアロゾルを生成する方法の例が示されている。第1のステップ710は、エアロゾル生成構成要素を消耗品に対して移動させることを含む。第2のステップは、エアロゾル生成構成要素を作動して、エアロゾルを生成することを含む。第3のステップは、エアロゾル生成材料の一部からエアロゾルを生成することを含む。一例では、消耗品は、エアロゾル生成材料を備え、消耗品は、エアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、その表面は、第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する。
【0059】
ステップ710での消耗品に対するエアロゾル生成構成要素の移動は、第1の方向に実質的に平行な軸線及び第2の方向に実質的に平行な軸線の少なくとも1つに沿って、エアロゾル生成構成要素を消耗品に対して移動させることを含んでいてもよい。特定の例では、エアロゾル生成構成要素は、第1の方向に平行な軸線及び第2の方向に平行な軸線の少なくとも1つに沿って、消耗品に対して移動される。この移動は、エアロゾル生成構成要素が、エアロゾル生成材料の特定の領域、部分又は区域を優先的に加熱するのに役立つ。
【0060】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル化可能な材料におけるニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0061】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムは、非燃焼・加熱式システムとしても知られるタバコ加熱システムである。
【0062】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能な材料の混合物を使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムであり、エアロゾル化可能な材料のうちの1つ又は複数は、加熱され得る。エアロゾル化可能な材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル状のエアロゾル化可能な材料と、固体のエアロゾル化可能な材料とを含む。固体のエアロゾル化可能な材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでいてもよい。
【0063】
典型的には、不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイスと、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品とを備えることができる。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素に電力を供給するための手段を備える物品は、それ自体が不燃式エアロゾル供給システムを形成し得ることが想定される。
【0064】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスは、動力源とコントローラを備えていてもよい。動力源は、例えば、電源であってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成領域、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能な材料を受容する領域を含んでいてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能な材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル化可能な材料と相互作用可能な加熱器である。
【0067】
いくつかの実施形態では、送達される物質は、エアロゾル化可能な材料であってもよい。本明細書ではエアロゾル生成材料と呼ばれることもあるエアロゾル化可能な材料は、例えば、加熱され、照射され、又はその他の方法で通電されるときに、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル化可能な材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチン及び/又は香味料を含んでいても含んでいなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能な材料は、「非晶質固体」を含んでいてもよく、代わりに、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維性)と呼ぶこともできる。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体などのいくつかの流体を内部に保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能な材料は、例えば、非晶質固体の約50wt%、60wt%又は70wt%から、非晶質固体の約90wt%、95wt%又は100wt%まで含むことができる。
【0068】
エアロゾル化可能な材料は、1つ又は複数の活性成分、1つ又は複数の担体成分、及び任意選択で1つ又は複数の他の機能的成分を含んでいてもよい。
【0069】
活性成分は、ユーザにおいて生理学的及び/又は嗅覚的反応を達成するために、エアロゾル化可能な材料に含まれる1つ又は複数の生理学的及び/又は嗅覚的活性成分を含んでいてもよい。活性成分は、例えば、栄養補助食品、向知性薬及び向精神薬から選択することができる。活性成分は、天然に存在するものでも、合成的に得られるものでもよい。活性成分は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、又は任意の他の適切な成分を含んでいてもよい。活性成分は、タバコ若しくは他の植物の成分、誘導体、又は抽出物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、活性成分は、生理学的活性成分であって、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチン二酒石酸塩(nicotine ditartrate)/ニコチン酒石酸塩(nicotine bitartrate))、ニコチンを含まないタバコ代替品、カフェインなどの他のアルカロイドから選択されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、活性成分は、嗅覚的活性成分であって、「香料」及び/又は「香味料」から選ばれてもよく、これらは、地方条例が許可する場合、成人の消費者用の製品に、所望の味、香り又はその他の体性感覚を作り出すために使用されてもよい。いくつかの例では、このような成分は、香料、香味料、冷却剤、加熱剤、又は甘味剤と呼ばれることがある。これらは、天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られた材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドのスパイス類、アジアのスパイス類、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、わさび、ビーマン、生姜、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の種からのミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶又は紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、ニワトコの花、バジル、月桂樹の葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンの皮、ミント、シソ、クルクマ、コリアンダー葉、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ(carvi)、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物を含むことができる。これらは、模倣品、合成若しくは天然成分、又はこれらの混合物としてもよい。これらは、任意の適切な形態、例えば、油等の液体、粉末等の固体、若しくは、気体、1つ又は複数の抽出物(例えば、リコリス、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、生姜、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物とすることができる。これらは、模倣品、合成若しくは天然成分、又はこれらの混合物としてもよい。これらは、任意の適切な形態、例えば、油、液体、又は粉末であってもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、感覚惹起剤を含んでいてもよく、この感覚惹起剤は、香り又は味覚神経に加えて、又は代わりに、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって、通常は化学的に誘導され知覚される体性感覚を実現するように意図されており、加熱効果、冷却効果、ひりひりする効果、しびれ効果をもたらす薬剤を含んでいてもよい。適切な熱効果剤は、バニリルエチルエーテルであり得るが、これに限定されず、適切な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であり得るが、これに限定されない。
【0072】
担体成分は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、担体成分は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0073】
1つ又は複数の他の機能性成分は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料、又はエアロゾル化可能な材料を受容するための領域を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、マウスピースを備えていてもよい。エアロゾル化可能な材料を受容するための領域は、エアロゾル化可能な材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。例えば、貯蔵領域は、リザーバであってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能な材料を受容するための領域は、エアロゾル生成領域と別々であってもよいし、又は組み合わされていてもよい。
【0075】
したがって、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成構成要素と、エアロゾル生成材料を備える消耗品であって、消耗品がエアロゾル生成材料の少なくとも一部が配置された表面を画定し、表面が第1の方向に特徴的な広がりを有し、第2の方向に特徴的な広がりを有する、消耗品と、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすための移動機構と、を備え、移動機構が、第1の方向に実質的に平行な軸線に沿って、及び、第2の方向に実質的に平行な軸線に沿って、エアロゾル生成構成要素と消耗品との間の相対移動をもたらすように配置されている、エアロゾル供給システムが記載されている。
【0076】
エアロゾル供給システムは、タバコ工業製品、例えば、不燃式エアロゾル供給システムで使用することができる。
【0077】
一実施形態では、タバコ工業製品は、加熱器及びエアロゾル化可能な基材など、不燃式エアロゾル供給システムの構成要素のうちの1つ又は複数を備える。
【0078】
一実施形態では、エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスとしても知られている電子タバコである。
【0079】
一実施形態では、電子タバコは、加熱器と、加熱器に電力を供給することが可能な電源と、液体又はゲルなどのエアロゾル化可能な基材と、ハウジングと、任意選択でマウスピースとを備える。
【0080】
一実施形態では、エアロゾル化可能な基材は、基材容器内又は基材容器上に収容される。一実施形態では、基材容器は、加熱器と組み合わされているか、又は加熱器を備えている。
【0081】
一実施形態では、タバコ工業製品は、基材材料を燃焼させるのではなく加熱することによって1つ又は複数の化合物を放出する加熱製品である。基材材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品であり得るエアロゾル化可能な材料であり、これらはニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい。一実施形態では、加熱デバイス製品は、タバコ加熱製品である。
【0082】
一実施形態では、加熱製品は、電子デバイスである。
【0083】
一実施形態では、タバコ加熱製品は、加熱器と、加熱器に電力を供給することが可能な電源と、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能な基材とを備える。
【0084】
一実施形態では、加熱製品は、非電子物品である。
【0085】
一実施形態では、加熱製品は、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能な基材と、チャコールなどの燃焼物質を燃焼させることなどにより電子的な手段を用いずにエアロゾル化可能な基材に熱エネルギーを供給することが可能な熱源とを備える。
【0086】
一実施形態では、加熱製品はまた、エアロゾル化可能な基材を加熱することによって生成されるエアロゾルを濾過することが可能なフィルタを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能な基材材料は、エアロゾル、又はエアロゾル生成剤、又はグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、若しくはジエチレングリコールなどの保湿剤を含んでいてもよい。
【0088】
一実施形態では、タバコ工業製品は、基材材料の組合せを燃焼させるのではなく加熱することによってエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。基材材料は、例えば、固体、液体又はゲルを含んでいてもよく、これらはニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルの基材と、固体の基材とを含む。固体の基材は、例えばタバコ製品又は他の非タバコ製品であってもよく、これらはニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルの基材と、タバコとを含む。
【0089】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は、特許請求される発明を実施することができ、優れた電子エアロゾル供給システムを提供し得る様々な実施形態を例証として示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的な実例に過ぎず、網羅的及び/又は排他的なものではない。本開示の利点及び特徴は、特許請求される特徴の理解を促し、教示するためだけに提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本開示に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定であると見なされるべきではないこと、並びに本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、修正を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、開示される要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に含んでもよく、そのような組合せからなっていてもよく、又はそのような組合せから本質的になっていてもよい。さらに、本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求され得る他の発明を含む。