(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】少なくとも1つの可動の家具部分をガイドするためのガイドアセンブリおよび家具
(51)【国際特許分類】
E05D 15/58 20060101AFI20240312BHJP
E05D 15/26 20060101ALI20240312BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20240312BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20240312BHJP
E05F 11/04 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
E05D15/58 A
E05D15/26
E05D15/06 119
A47B55/00
E05F11/04
(21)【出願番号】P 2022537856
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 AT2020060455
(87)【国際公開番号】W WO2021119693
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-17
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター シュヴァーツマン
(72)【発明者】
【氏名】カイ ホレンシュタイン
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-236598(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176072(JP,U)
【文献】特開2005-336882(JP,A)
【文献】国際公開第2015/155591(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03037612(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00-15/58
E05F 3/00-5/12
A47B 43/00-57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの不動の家具部分(3)
に対して相対的に少なくとも1つの可動の家具部分(2)
をガイドするためのガイドアセンブリ(1)であって、
- 前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)に配置すべき少なくとも1つのガイド(4)と、
- 前記少なくとも1つのガイド(4)に対して相対的に移動可能かつ前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)に結合可能な少なくとも1つのガイド装置(5)と、
- 前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)に対して相対的に前記少なくとも1つのガイド(4)を調整するための少なくとも1つの調整装置(6)であって、該少なくとも1つの調整装置(6)は、前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)に固定可能な組付け装置(7)と、前記少なくとも1つのガイド(4)に連結可能な少なくとも1つの連結装置(8)とを備え、前記組付け装置(7)に対して相対的に前記少なくとも1つの連結装置(8)を調整することができる
少なくとも1つの操作要素(9)が設けられている、少なくとも1つの調整装置(6)と、
を備え、
前記少なくとも1つのガイド装置(5)を前記少なくとも1つのガイド(4)に対して相対的に位置固定位置に固定することができる少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)が設けられており、前記少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)は、前記少なくとも1つの調整装置(6)に
含まれている少なくとも1つの位置固定体(10)を備える
ことを特徴とする、ガイドアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記1つの可動の家具部分(2)は、引戸または折戸である、請求項1記載のガイドアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)は家具壁である、請求項1または2記載のガイドアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの操作要素(9)は、回転可能に支持されている
請求項1から3までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)は、前記少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)を前記位置固定位置から解除位置に移行することができる少なくとも1つの切換要素(12)を有
する、請求項1
から4までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの切換要素(12)は回転可能に支持されている、請求項5記載のガイドアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの切換要素(12)はねじとして形成されている、請求項5記載のガイドアセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)は、前記少なくとも1つのガイド装置(5)に結合可能であるかまたは結合されている少なくとも1つの別の位置固定体(11)を備える、請求項1
から7までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)は、少なくとも1つの位置固定要素(13)を備え、該少なくとも1つの位置固定要素(13)によって、設けられた前記
少なくとも1つの位置固定体(10
)と前記少なくとも1つの別の位置固定体(11)とは、前記位置固定位置では互いに相対的に固定可能であり、解除位置では解放可能であり、これにより、前記
少なくとも1つの位置固定体(10
)と前記少なくとも1つの別の位置固定体(11)とが互いに相対的に可動である、請求項
8記載のガイドアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの位置固定装置(10,11,12,13,14)は、前記少なくとも1つの位置固定要素(13)に
予荷重を加える少なくとも1つのばね要素(14)を有する、請求項
9記載のガイドアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位置固定要素(13)は、旋回レバーとして形成されており、かつ/または前記少なくとも1つの位置固定要素(13)が前記少なくとも1つのガイド装置(5)によって乗越え可能である少なくとも1つの斜面(13a)を備える、請求項
9または10記載のガイドアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの位置固定要素(13)は、解除位置では、少なくとも部分的に
前記少なくとも1つの位置固定体(10)内に格納可能である、請求項1から
11までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの位置固定要素(13)は、完全に前記少なくとも1つの位置固定体(10)内に格納可能である、請求項12記載のガイドアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの連結装置(8)は、少なくとも1つの連行体(8a)を備え、前記少なくとも1つのガイド(4)は、前記少なくとも1つの連行体(8a)に連結可能な少なくとも1つのストッパ(4a)を備えるか、または前記少なくとも1つの連結装置(8)は、少なくとも1つのストッパを備え、前記少なくとも1つのガイド(4)は、前記少なくとも1つのストッパに連結可能な少なくとも1つの連行体を備える、請求項1から
13までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)に配置すべき少なくとも1つの別のガイド(15)が設けられており、該少なくとも1つの別のガイド(15)に前記少なくとも1つの調整装置(6)が配置されて
いる、請求項1から
14までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの別のガイド(15)は、前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)に固定手段(16)を介して固定可能である、請求項15記載のガイドアセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのガイド(4)に対して横方向に配置されている少なくとも1つの横方向ガイド(17)が設けられて
いる、請求項1から
16までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの横方向ガイド(17)と前記少なくとも1つのガイド(4)とは、互いに連動するように結合されているかまたは結合可能である、請求項17記載のガイドアセンブリ。
【請求項19】
前記ガイドアセンブリ(1)は、傾動軸線を中心とした支持体(20)および/または前記支持体(20)に配置された可動の家具部分(2)の傾動モーメントを補償するための補償装置(18)を備える、請求項1から
18までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項20】
前記補償装置(18)は、少なくとも1つのボーデンケーブル装置(18a)
を有
する、請求項
19記載のガイドアセンブリ。
【請求項21】
前記補償装置(18)は、少なくとも1つの旋回レバー機構(18b)を有し、前記少なくとも1つの旋回レバー機構(18b)は、互いに枢動可能に結合された少なくとも2つの旋回レバーを備える、請求項19記載のガイドアセンブリ。
【請求項22】
前記少なくとも1つのボーデンケーブル装置(18
a)は、少なくとも1つの
ケーブルを有し、該ケーブルの一端
が、前記支持体(20)に取り付けられている、請求項
20記載のガイドアセンブリ。
【請求項23】
前記少なくとも1つのボーデンケーブル装置(18a)は、正確に1つのケーブルを有する、請求項22記載のガイドアセンブリ。
【請求項24】
前記ケーブルの両端が、前記支持体(20)に取り付けられている、請求項22または23記載のガイドアセンブリ。
【請求項25】
前記補償装置(18)は、前記ガイドアセンブリ(1)の出荷状態において、少なくとも部分的に
前記支持体(20)に事前に組み付けられている、請求項
19から
24までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項26】
前記補償装置(18)は、完全に前記支持体(20)に事前に組み付けられている、請求項25記載のガイドアセンブリ。
【請求項27】
前記少なくとも1つの連結装置(8)は、少なくとも1つの連行体(8a)を備え、
前記少なくとも1つの位置固定体(10)と前記少なくとも1つの連行体(8a)とは、互いに一体に形成されている、請求項1から
26までのいずれか1項記載のガイドアセンブリ。
【請求項28】
家具(100)であって、少なくとも1つの可動の家具部分(2)
と、少なくとも1つの不動の家具部分(3)
と、前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)に対して相対的に前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)をガイドするための少なくとも1つの
、請求項1から27までのいずれか1項に記載のガイドアセンブリ(1)とを備え
る、
ことを特徴とする、家具(100)。
【請求項29】
前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)は、引戸または折戸である、請求項28記載の家具(100)。
【請求項30】
前記少なくとも1つの不動の家具部分(3)は、家具壁である、請求項28または29記載の家具(100)。
【請求項31】
前記家具(100)は、前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)によって少なくとも部分的に覆うことができる、内部に台所用調度および台所用器具が配置可能である少なくとも1つの内室(101)を有し、かつ/または前記少なくとも1つの可動の家具部分(2)を少なくとも部分的に収容するための、前記家具(100)の奥行き方向に延在する中空室(102)を有する、請求項28から30までのいずれか1項記載の家具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部の特徴を有する、少なくとも1つの可動の家具部分をガイドするためのガイドアセンブリに関する。本発明はさらに、請求項16の前提部の特徴を有する家具に関する。
【0002】
引戸または折戸をガイドするためのアセンブリは、従来技術に基づきすでに公知である。本出願人によるオーストリア国特許発明第50618/2019号は、引戸または折戸に作用する傾動モーメントを補償するための補償装置を備えた、引戸または折戸をガイドするためのアセンブリを開示している。
【0003】
そのようなアセンブリの欠点として、アセンブリの組付けも、アセンブリの搬送も、困難であることが判っている。なぜなら、アセンブリの支持体が、少なくとも1つのガイドシステムを介して家具壁に自由に可動に支持されているからである。つまり、組み付ける場合、作業員は支持体を常に手で所定の位置に保持する必要があり、アセンブリを搬送するためには、支持体あるいは引戸または折戸をずれに対して位置固定する必要がある。
【0004】
本発明の課題は、従来技術の欠点を取り除き、従来技術に対して改善された、引戸または折戸をガイドするためのアセンブリを提供することにある。更なる課題は、少なくとも1つのそのようなアセンブリを備えた家具を提供することにある。
【0005】
これらの課題は、独立請求項1および16の特徴によって解決される。
【0006】
つまり、ガイドアセンブリに関して、少なくとも1つのガイド装置を少なくとも1つのガイドに対して相対的に位置固定位置に固定することができる少なくとも1つの位置固定装置が設けられており、少なくとも1つの位置固定装置は、少なくとも1つの調整装置に統合されている少なくとも1つの位置固定体を備えている。
【0007】
位置固定装置が位置固定位置にある場合、少なくとも1つのガイドおよび少なくとも1つのガイド装置、ひいては不動の家具部分および可動の家具部分も、互いに相対的に固定されている。この位置固定位置において、ガイドアセンブリは、問題なく搬送もしくは組付け可能である。ガイドアセンブリが自身の規定位置にある場合、もしくはガイドアセンブリが組付け済みである場合、位置固定装置は解除位置に移行可能である。少なくとも1つのガイドおよび少なくとも1つのガイド装置、ひいては不動の家具部分および可動の家具部分も、この場合、互いに相対的に可動である。
【0008】
本発明による位置固定装置は、従来技術に基づき公知の位置固定装置(ねじ、コッター等)と比べて、位置固定装置全体がガイドアセンブリにとどまることができるので有利である。つまり、ねじまたはコッター等を廃棄処分あるいは回収する、保管する等の必要はない。
【0009】
本発明に係る家具に関して、家具が、本発明に係る少なくとも1つのガイドアセンブリを有し、好ましくは、家具は、少なくとも1つの可動の家具部分によって少なくとも部分的に覆うことができる、内部に台所用調度および台所用器具が配置可能である少なくとも1つの内室を有し、かつ/または少なくとも1つの可動の家具部分を少なくとも部分的に収容するための、家具の奥行き方向に延在する少なくとも1つの中空室を有していることが想定されている。
【0010】
本発明の更なる有利な構成は、従属請求項に規定されている。
【0011】
本発明の好適な一実施形態によれば、少なくとも1つの位置固定装置は、少なくとも1つの位置固定装置を位置固定位置から解除位置に移行することができる少なくとも1つの切換要素を有し、好適には、少なくとも1つの切換要素は回転可能に支持されており、特に好適には、少なくとも1つの切換要素はねじとして形成されていることが想定されていてよい。
【0012】
そのような切換要素は、特に好適な一実施形態では、位置固定位置から解除位置への位置固定装置の移行を著しく容易にする。
【0013】
さらに、少なくとも1つの位置固定装置が、少なくとも1つのガイド装置に結合可能であるかまたは結合されている少なくとも1つの別の位置固定体を備えていると、有利であることが判る。
【0014】
本発明の別の一態様によれば、少なくとも1つの位置固定装置が、少なくとも1つの位置固定要素を備え、この少なくとも1つの位置固定要素によって、設けられた位置固定体は、位置固定位置では互いに相対的に固定可能であり、解除位置では解放可能であり、これにより、位置固定体が互いに相対的に可動であることが想定されていてよい。
【0015】
位置固定装置のそのような構成は、少なくとも1つのガイドに対する少なくとも1つのガイド装置の簡単かつ効率的な固定を可能にする。
【0016】
少なくとも1つのガイド装置が、少なくとも1つの位置固定要素に位置固定位置の方向で予荷重を加える少なくとも1つのばね要素を有していることが想定されていてもよい。
【0017】
好適にはさらに、少なくとも1つの位置固定要素が、旋回レバーとして形成されており、かつ/または少なくとも1つの位置固定要素が少なくとも1つのガイド装置によって乗越え可能である少なくとも1つの斜面を備えていることが想定されていてよい。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの連結装置が、少なくとも1つの連行体を備え、少なくとも1つのガイドが、少なくとも1つの連行体に連結可能な少なくとも1つのストッパを備えているか、または少なくとも1つの連結装置が、少なくとも1つのストッパを備え、少なくとも1つのガイドが、少なくとも1つのストッパに連結可能な少なくとも1つの連行体を備えていることが想定されていてよい。
【0019】
このことは、少なくとも1つの不動の家具部分に対して相対的に少なくとも1つのガイドを調整するための調整装置の簡単な実現を可能にする。
【0020】
少なくとも1つの不動の家具部分に配置すべき少なくとも1つの別のガイドが設けられており、少なくとも1つの別のガイドに少なくとも1つの調整装置が配置されており、好ましくは、少なくとも1つの別のガイドは、少なくとも1つの不動の家具部分に固定手段を介して固定可能であると、特に有利であることが判った。
【0021】
そのような少なくとも1つの別のガイドにより、不動の家具部分に対する可動の家具部分のより安定したガイドを、少なくとも1つの調整装置に付加的な変更を行う必要なく、確保することができる。
【0022】
特に好適には、少なくとも1つのガイドに対して横方向に配置されている少なくとも1つの横方向ガイドが設けられていてよく、好ましくは、少なくとも1つの横方向ガイドと少なくとも1つのガイドとは、互いに連動するように結合されているかまたは結合可能である。
【0023】
これにより、少なくとも1つの不動の家具部分に対して相対的に少なくとも1つのガイドを調整する際に、横方向ガイドも共に調整される。したがって、不動の家具部分に対する可動の家具部分の申し分のないガイドが、1回の調整工程後でも確保されている。
【0024】
ガイドアセンブリが、傾動軸線を中心とした支持体および/または支持体に配置された可動の家具部分の傾動モーメントを補償するための補償装置を備えていると、有利であることが判った。
【0025】
このとき、補償装置が、少なくとも1つのボーデンケーブル装置および/または少なくとも1つの旋回レバー機構を有し、少なくとも1つの旋回レバー機構は、互いに枢動可能に結合された少なくとも2つの旋回レバーを備えていることが想定されていてもよい。
【0026】
これにより、安定性および剛性が改善された、引戸または折戸をガイドするためのアセンブリが達成される。
【0027】
本発明の別の一態様によれば、補償装置は、アセンブリの出荷状態において、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、支持体に事前に組み付けられていることが想定されていてよい。
【0028】
このことは、本発明に係るアセンブリの組付けを著しく容易にする。少なくとも1つの位置固定装置も、アセンブリの出荷状態において、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、支持体に事前に組み付けられていると、組付けはさらに容易になる。
【0029】
好適な一実施例では、少なくとも1つの位置固定体と少なくとも1つの連行体とは、互いに一体に形成されていてよい。このことは、本発明による位置固定装置の簡単な形成につながる。
【0030】
さらに、少なくとも1つの位置固定要素は、解除位置では、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、少なくとも1つの位置固定体内に格納可能であることが想定されていてよい。
【0031】
冒頭で述べたように、本発明に係る少なくとも1つのガイドアセンブリを備えた家具についても、権利の保護が求められる。
【0032】
本発明の更なる詳細および利点を図面の説明に基づき図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図2a】位置固定装置の、位置固定位置にある部材を備えた本発明による調整装置の斜視図である。
【
図2b】位置固定装置の、位置固定位置にある部材の断面の斜視図である。
【
図3a】位置固定装置の、解除位置にある部材を備えた本発明による調整装置の斜視図である。
【
図3b】位置固定装置の、解除位置にある部材の断面の斜視図である。
【
図4a】本発明による調整装置と、ガイドと、別のガイドとの側面図である。
【
図4b】調整工程前の調整装置を含む
図4aの詳細Aを示す図である。
【
図4c】調整工程後の調整装置を含む
図4aの詳細Aを示す図である。
【
図5a】位置固定位置にある本発明による位置固定装置を備えたガイドアセンブリの断面図である。
【
図5b】位置固定位置にある位置固定装置を含む
図5aの詳細Aを示す図である。
【
図5c】解除位置にある位置固定装置を含む
図5aの詳細Aを示す図である。
【
図5d】解除位置にあり、ガイド装置が移動させられた位置固定装置を含む
図5aの詳細Aを示す図である。
【
図6】本発明に係るガイドアセンブリの斜視図である。
【0034】
図1には、本発明による調整装置6の分解図が示してある。この調整装置6を不動の家具部分3に組み付けるための組付け装置7を認めることができる。連結装置8の連行体8aと、位置固定装置10,11,12,13,14の位置固定体10とは、互いに一体に形成されている。
【0035】
位置固定体10内には、ばね装置14と位置固定要素13とが配置されている。この位置固定要素13には、ばね装置14によって力が加えられる。位置固定要素13は、さらに、斜面13aを有している。
【0036】
さらに、調整装置を操作するための操作要素9と、位置固定装置10,11,12,13,14を位置固定位置から解除位置に移行するための切換要素12とを認めることができる。
【0037】
図2aには、位置固定装置10,11,12,13,14の部材が位置固定位置にある本発明による調整装置6の斜視図が示してあり、
図2bには、位置固定装置10,11,12,13,14の部材の対応する断面図が示してある。
【0038】
そして、
図3aには、位置固定装置10,11,12,13,14の部材が解除位置にある本発明による調整装置6の斜視図が示してあり、
図3bは、位置固定装置10,11,12,13,14の部材の対応する断面図が示してある。
【0039】
図2a~
図3bから明らかであるように、位置固定要素13には、位置固定位置でばね装置14により力が加えられ、これによって、位置固定要素13が、少なくとも部分的に位置固定体10を越えて突出している。この場合、切欠きが、図示していない別の位置固定体11に形状接続的に結合されている。
【0040】
ここで、切換要素12が操作される、つまり、ねじがねじり込まれると、位置固定要素13が、ばね装置14により加えられている力に抗して位置固定体10の方向に運動させられ、最終的にこの位置固定体10内に格納される。位置固定要素13が、位置固定体10内に全く格納されないかまたは部分的にしか格納されないことが特定されていてもよい。
【0041】
したがって、位置固定要素13が、図示していない別の位置固定体11にもはや係合しておらず、位置固定装置10,11,12,13,14が解除位置にある。
【0042】
図4aには、本発明による調整装置6と、ガイド4と、別のガイド15との側面図が示してある。調整装置6が、ガイド4と別のガイド15との一方の端部に配置されていることが明らかとなっている。しかしながら、調整装置6は、基本的に、ガイド4もしくは別のガイド15に沿った任意のあらゆる位置に配置されていてよい。
【0043】
別のガイド15を不動の家具部分3に固定するための固定手段16は図示していない。この固定手段16は、基本的に、適切なあらゆる形態で形成されていてよいものの、好適にはねじとして形成されていてよい。
【0044】
図4bには、調整工程前の調整装置6を含む
図4aの詳細Aが示してあり、
図4cには、調整工程後の調整装置6を含む詳細Aが示してある。
【0045】
連行体8aが、ガイド4の、切欠きとして形成されたストッパ4aに形状接続的に結合されていることを認めることができる。このストッパ4aと連行体8aとによって、連結装置8が形成される。組付け装置7は、不動の家具部分3もしくは別のガイド15に移動不能に配置されている。
【0046】
操作要素9が操作されると、連行体8aひいてはガイド4も組付け装置7から離れる方向に運動させられる。したがって、ガイド4と、少なくとも1つのガイド装置5を介してガイド4に結合された可動の家具部分2とが、組付け装置7もしくは不動の家具部分3もしくは別のガイド15に対して相対的に移動させられる。
【0047】
図5aには、本発明による位置固定装置10,11,12,13,14が位置固定位置にあるガイドアセンブリ1の断面図が示してある。位置固定要素13が係合している位置固定体11が、ガイド装置5に結合されていることを認めることができる。このガイド装置5は支持体20を備えている。
【0048】
少なくとも1つのガイド装置5に配置された位置固定体11は、斜面13aを乗り越えることができ、ひいては、位置固定要素13を、ばね装置14により加えられている力に抗して位置固定体10内に格納することができる。斜面13aを乗り越えた後、位置固定体11は、位置固定要素13の切欠きに係合する。この場合、位置固定装置10,11,12,13,14は位置固定位置にある。
【0049】
図5bには、
図5aの詳細Aが示してある。ここでも、どのようにして位置固定要素13が位置固定体11に係合して、ばね要素14によって位置固定位置に保持されるのかが明らかである。
【0050】
図5cには、
図5aの詳細A(ただし、位置固定装置10,11,12,13,14は解除位置にある)が示してある。したがって、切換要素12が操作されていて、位置固定要素13を、ばね要素14により加えられている力に抗して解除位置に保持している。位置固定要素13は、完全に位置固定体10内に格納されている。
【0051】
図5dでは、ガイド装置5が、位置固定体10ひいてはガイド4もしくは別のガイド15および不動の家具部分3に対して相対的に移動させられている。位置固定装置10,11,12,13,14は引き続き解除位置にあるので、ガイド装置5は、ガイド4または別のガイド15に対して自由に移動することができる。
【0052】
図6には、本発明に係るガイドアセンブリ1が示してある。不動の家具部分3は、家具壁の形態で形成されている。可動の家具部分2は図示していない。さらに、ボーデンケーブル装置18aと旋回レバー機構18bとを備えた補償装置18が明らかである。
【0053】
さらに、ガイド装置5のより安定したガイドのために働く付加的なガイド19を認めることができる。
【0054】
図7には、ガイドアセンブリ1を備えた本発明に係る家具100が示してある。不動の家具部分3と、折戸の形態の可動の家具部分2とが明らかである。しかしながら、この可動の家具部分2は、基本的に、適切なあらゆる形態を有していてよい。
【0055】
家具100の側方には、互いに離間させられた2つの不動の家具部分3から形成される中空室102が設けられている。
【0056】
この中空室102内には、折戸の形態で形成された可動の家具部分2が、折り畳まれた状態で格納可能である。折戸の形態で形成された可動の家具部分2が拡開されると、この可動の家具部分2が、家具100の内室101を覆い隠す。
【0057】
中空室102に続いて、家具100の別の部分、例えばキャビネットが配置されている。折戸の形態で形成された可動の家具部分2が、拡開された位置にあり、家具100の別の部分が閉鎖されていると、折戸の形態で形成された可動の家具部分2と、家具100の別の部分とが、連続した家具前面を形成している。
【符号の説明】
【0058】
1 ガイドアセンブリ
2 可動の家具部分
3 不動の家具部分
4 ガイド
4a ストッパ
5 ガイド装置
6 調整装置
7 組付け装置
8 連結装置
8a 連行体
9 操作要素
10 位置固定体
11 位置固定体
12 切換要素
13 位置固定要素
13a 斜面
14 ばね要素
15 別のガイド
16 固定手段
17 横方向ガイド
18 補償装置
18a ボーデンケーブル装置
18b 旋回レバー装置
19 付加的なガイド
20 支持体
100 家具
101 内室
102 中空室