(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】リソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20240312BHJP
H04W 72/12 20230101ALI20240312BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240312BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/12
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2022541975
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(86)【国際出願番号】 CN2020142296
(87)【国際公開番号】W WO2021139601
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】202010015253.1
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】孫 彦良
(72)【発明者】
【氏名】楊 暁東
(72)【発明者】
【氏名】洪 岳
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0073312(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26; H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端末UE1と第二の端末UE2を含む通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法であって、
第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含むネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信することと、
前記ネットワーク側機器によって前記時分割多重化モード要求に従って送信された、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を受信することと、
前記時分割多重化モード応答情報に従って、前記UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び前記UE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定することと、を含み、
前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウとがオーバーラップしておらず、
前記時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含み、
又は、
前記時分割多重化モード要求は、前記時分割多重化モード識別子とスロットオフセット量を含み、
前記時分割多重化モード識別子は、時分割多重化モードを識別するためのものであり、前記スロットオフセット量は、時間領域における前記第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウの位置又は時間領域における前記第二の伝送時間ウィンドウの位置を特徴付けるためのものであり、
前記時分割多重化モード要求は、前記通信機器への時分割多重モードの配置を要求するために用いられ、
前記通信機器は、前記ネットワーク側機器と複数の時分割多重化モードを予め規定しており、
前記通信機器は、前記第一のネットワーク側機器によって送信された前記時分割多重化モード識別子に対応する前記時分割多重化モード配置情報を受信する、リソーススケジューリング方法。
【請求項2】
時系列で、前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウが交互に配列され、
前記第一の伝送時間ウィンドウの長さは、前記第二の伝送時間ウィンドウの長さと同じである、請求項1に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項3】
M個の無線フレームごとにN個の前記第二の伝送時間ウィンドウがあり、M及びNは正の整数であり、
各前記無線フレームにおいて、前記第一の伝送時間ウィンドウの全体的な長さは、前記第二の伝送時間ウィンドウの全体的な長さよりも大きい、請求項1に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項4】
前記時分割多重化モード配置情報は、
前記第一の伝送時間ウィンドウと、前記第二の伝送時間ウィンドウと、時間領域における前記第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウとのうちの少なくとも一つを指示するためのものであり、
時間領域における前記第一の
伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウは、前記第二の伝送時間ウィンドウを含む、請求項1に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項5】
前記通信機器における前記UE1には前記UE2の無線リソース制御RRC状態ビットが記憶されており、
前記リソーススケジューリング方法は、
前記UE2のRRC接続状態の変化を検出した場合、前記RRC状態ビットを更新することをさらに含み、
前記UE2がRRC接続要求を受信した場合、前記RRC状態ビットは第一の識別子であり、
前記UE2がRRC接続をリリースした場合、前記RRC状態ビットは第二の識別子である、請求項1に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項6】
前記RRC状態ビットが前記第二の識別子から前記第一の識別子に変化したことを検出した場合、更新された前記時分割多重化モード要求を前記ネットワーク側機器に送信することをトリガーすること、又は、
前記RRC状態ビットが前記第一の識別子から前記第二の識別子に変化したことを検出した場合、前記通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止するように前記ネットワーク側機器に指示するための時分割多重化モード停止要求を前記ネットワーク側機器に送信することをトリガーすることをさらに含む、請求項5に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項7】
前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウの配置が有効になると、タイマーを開始することと、
前記タイマーがタイムアウトすると、前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウの配置が無効になるように配置することをさらに含む、請求項1に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項8】
前述した、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信することは、
前記UE1のサービス特徴パラメータと前記UE2のサービス特徴パラメータに従って、前記ネットワーク側機器に前記時分割多重化モード要求を送信することを含み、前記サービス特徴パラメータは、サービスの性能需要を特徴付け、
前記サービス特徴パラメータは、サービスデータパケット到着特徴パラメータ及び/又は遅延要求パラメータを含む、請求項1に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項9】
ネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法であって、
通信機器によって送信された、前記通信機器の第一の端末UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は前記通信機器の第二の端末UE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するための時分割多重化モード要求を受信することと、
前記時分割多重化モード要求に従って、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を通信機器に送信することと、を含み、
前記時分割多重化モード応答情報によって指示された前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウとがオーバーラップしておらず、
前記時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含み、
又は、
前記時分割多重化モード要求は、前記時分割多重化モード識別子とスロットオフセット量を含み、
前記時分割多重化モード識別子は、時分割多重化モードを識別するためのものであり、前記スロットオフセット量は、時間領域における前記第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウの位置又は時間領域における前記第二の伝送時間ウィンドウの位置を特徴付けるためのものであり、
前記時分割多重化モード要求は、前記通信機器への時分割多重モードの配置を要求するために用いられ、
前記ネットワーク機器は、前記通信機器と複数の時分割多重化モードを予め規定しており、
前記通信機器は、
前記ネットワーク機器によって送信された前記時分割多重化モード識別子に対応する前記時分割多重化モード配置情報を受信する、リソーススケジューリング方法。
【請求項10】
時系列で、前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウが交互に配列され、
前記第一の伝送時間ウィンドウの長さは、前記第二の伝送時間ウィンドウの長さと同じである、請求項9に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項11】
M個の無線フレームごとにN個の前記第二の伝送時間ウィンドウがあり、M及びNは正の整数であり、
各前記無線フレームにおいて、前記第一の伝送時間ウィンドウの全体的な長さは、前記第二の伝送時間ウィンドウの全体的な長さよりも大きい、請求項9に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項12】
前記通信機器によって送信された更新された前記時分割多重化モード要求を受信することと、
更新された前記時分割多重化モード要求に応答して、前記時分割多重化モード応答情報を更新し、且つ更新された前記時分割多重化モード応答情報を前記通信機器に送信することと、をさらに含み、又は
前記通信機器によって送信された時分割多重化モード停止要求を受信することと、
前記時分割多重化モード停止要求に応答して、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止することと、をさらに含む、請求項9に記載のリソーススケジューリング方法。
【請求項13】
第一の端末UE1と第二の端末UE2を有する通信機器であって、
第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含むネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信するための送信モジュールと、
前記ネットワーク側機器によって前記時分割多重化モード要求に従って送信された、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を受信するための受信モジュールと、
前記時分割多重化モード応答情報に従って、前記UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び前記UE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定するための処理モジュールと、を含み、
前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウとがオーバーラップしておらず、
前記時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含み、
又は、
前記時分割多重化モード要求は、前記時分割多重化モード識別子とスロットオフセット量を含み、
前記時分割多重化モード識別子は、時分割多重化モードを識別するためのものであり、前記スロットオフセット量は、時間領域における前記第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウの位置又は時間領域における前記第二の伝送時間ウィンドウの位置を特徴付けるためのものであり、
前記時分割多重化モード要求は、前記通信機器への時分割多重モードの配置を要求するために用いられ、
前記通信機器は、前記ネットワーク側機器と複数の時分割多重化モードを予め規定しており、
前記通信機器は、前記第一のネットワーク側機器によって送信された前記時分割多重化モード識別子に対応する前記時分割多重化モード配置情報を受信する、通信機器。
【請求項14】
ネットワーク機器であって、
通信機器によって送信された、前記通信機器の第一の端末UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は前記通信機器の第二の端末UE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するための時分割多重化モード要求を受信するための受信モジュールと、
前記時分割多重化モード要求に従って、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を通信機器に送信するための送信モジュールと、を含み、
前記時分割多重化モード応答情報によって指示された前記第一の伝送時間ウィンドウと前記第二の伝送時間ウィンドウとがオーバーラップしておらず、
前記時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含み、
又は、
前記時分割多重化モード要求は、前記時分割多重化モード識別子とスロットオフセット量を含み、
前記時分割多重化モード識別子は、時分割多重化モードを識別するためのものであり、前記スロットオフセット量は、時間領域における前記第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウの位置又は時間領域における前記第二の伝送時間ウィンドウの位置を特徴付けるためのものであり、
前記時分割多重化モード要求は、前記通信機器への時分割多重モードの配置を要求するために用いられ、
前記ネットワーク機器は、前記通信機器と複数の時分割多重化モードを予め規定しており、
前記通信機器は、
前記ネットワーク機器によって送信された前記時分割多重化モード識別子に対応する前記時分割多重化モード配置情報を受信する、ネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年1月7日に提出された名称が「リソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器及び記憶媒体」である中国特許出願202010015253.1の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、本出願に参照として取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願の実施例は、通信技術分野に関し、特にリソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
通信技術の発展に伴い、デュアルカード端末は、ますます広く応用されている。デュアルカード端末は、二つの加入者識別(Subscriber Identity Modula、SIM)カードを含む端末である。二つのSIMカードのそれぞれは、信号の送信と信号の受信に対応できる。
【0004】
信号の受信及び送信に対するデュアルカード端末自体のサポート能力の制限により、デュアルカード端末は、二つのSIMカードの信号を同時に受信できず、又は、二つのSIMカードの信号を同時に送信できない。つまり、二つのSIMカードの間にはリソース競合が存在する。リソース競合による直接的な結果は、二つのSIMカードのうちの少なくとも一つのSIMカードのサービスを正常に実行できないことであり、それにより、デュアルカード端末のサービス処理の信頼性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、通信機器のサービス処理の信頼性が低いという問題を解决するためのリソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本出願は、以下のように実現される。
【0007】
第一に、本出願の実施例は、第一の端末UE1と第二の端末UE2を含む通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法を提供する。方法は、第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含むネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信することと、ネットワーク側機器によって時分割多重化モード要求に従って送信された、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を受信することと、時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及びUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定することとを含み、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0008】
第二に、本出願の実施例は、ネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法を提供する。方法は、通信機器によって送信された、通信機器の第一の端末UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は通信機器の第二の端末UE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するための時分割多重化モード要求を受信することと、時分割多重化モード要求に従って、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を通信機器に送信することとを含み、時分割多重化モード応答情報によって指示された第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0009】
第三に、本出願の実施例は、第一の端末UE1と第二の端末UE2を有する通信機器を提供する。通信機器は、第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含むネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信するための送信モジュールと、ネットワーク側機器によって時分割多重化モード要求に従って送信された、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を受信するための受信モジュールと、時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及びUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定するための処理モジュールとを含み、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0010】
第四に、本出願の実施例は、ネットワーク機器を提供する。ネットワーク機器は、通信機器によって送信された、通信機器の第一の端末UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は通信機器の第二の端末UE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するための時分割多重化モード要求を受信するための受信モジュールと、時分割多重化モード要求に従って、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む時分割多重化モード応答情報を通信機器に送信するための送信モジュールとを含み、時分割多重化モード応答情報によって指示された第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0011】
第五に、本出願の実施例は、通信機器を提供する。通信機器は、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、且つプロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第一の方面の技術案におけるリソーススケジューリング方法を実現させる。
【0012】
第六に、本出願の実施例は、ネットワーク機器を提供する。ネットワーク機器は、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、且つプロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第二の方面の技術案におけるリソーススケジューリング方法を実現させる。
【0013】
第七に、本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第一の方面の技術案におけるリソーススケジューリング方法を実現させ、又は第二の方面の技術案におけるリソーススケジューリング方法を実現させる。
【発明の効果】
【0014】
本出願の実施例では、通信機器は、第一のネットワーク側機器に時分割多重化要求を送信することにより、ネットワーク側機器に時分割多重化モード応答情報を要求する。ネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定する。そのうち、時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む。第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。それにより、UE1とUE2は、迅速に切り替えられて、異なる伝送時間ウィンドウでそれぞれのデータの送受信を行い、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避し、UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を可能にし、通信機器のサービス処理の信頼性の向上を実現することができる。
【0015】
本出願の実施例では、ネットワーク機器は、通信機器によって送信された時分割多重化要求を受信し、時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信することにより、通信機器は、通信機器におけるUE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定することができる。通信機器におけるUE1とUE2がそれぞれの伝送時間ウィンドウ内でデータの送受信を行うことを確保し、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避することができる。UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を確保し、通信機器のサービス処理の信頼性の向上を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下の添付図面を参照した本出願の具体的な実施の形態の記述から本出願をよりよく理解することができる。そのうち、同じ又は類似した符号は、同じ又は類似した特徴を表す。
【
図1】本出願の実施例による通信機器の一例のユニット概略図である。
【
図2】本出願による通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法の一実施例のフローチャートである。
【
図3】本出願の実施例による時分割多重化モードの一例の時間領域概略図である。
【
図4】本出願の実施例による時分割多重化モードの別の一例の時間領域概略図である。
【
図5】本出願による通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法の別の実施例のフローチャートである。
【
図6】本出願による通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法のさらなる実施例のフローチャートである。
【
図7】本出願によるネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法の一実施例のフローチャートである。
【
図8】本出願による通信機器の一実施例の構造概略図である。
【
図9】本出願による通信機器の別の実施例の構造概略図である。
【
図10】本出願によるネットワーク機器の一実施例の構造概略図である。
【
図11】本出願による通信機器の一実施例のハードウェア構造概略図である。
【
図12】本出願によるネットワーク機器の一実施例のハードウェア構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、本出願の実施例における添付図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0018】
本出願の実施例は、リソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器及び記憶媒体を提供し、通信機器が第一のネットワーク側機器、第二のネットワーク側機器との通信をサポートできるシーンに適用することができる。そのうち、通信機器は、第一の端末UE1と第二の端末UE2を含み、即ち、通信機器はマルチカード端末である。通信機器は、具体的に、携帯電話、タブレットパソコンなどの通信機器であってもよく、ここでは限定しない。第一のネットワーク側機器、第二のネットワーク側機器は、基地局などの機器であってもよく、ここでは限定しない。
【0019】
本出願の実施例に言及された第一の端末UE1と第二の端末UE2は、いずれもUEであり、例えば、スマートカードに対応する通信送受信プロトコル機能を指してもよく、例えば、ネットワークアタッチドストレージ(Network Attached Storage、NAS)、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)、無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)などのプロトコルスタック機能を含む。各UEは、ネットワーク側機器のスケジューリング/配置/パワー制御命令などをそれぞれ独立して受信し、且つネットワーク側機器の制御の下でデータの送受信を行ってもよく、即ち、UEは、通信機器におけるスマートカードに対応するプロトコルエンティティ+スマートカードであってもよい。一具体的な例では、通信機器に搭載された複数のスマートカードと本出願の実施例に言及された複数のUEは一対一に対応する関係である。例えば、UE1は、第一のネットワーク側機器のスケジューリング/配置/パワー制御命令などを独立して受信し、且つ第一のネットワーク側機器の制御の下でデータの送受信を行ってもよい。UE2は、第二のネットワーク側機器のスケジューリング/配置/パワー制御命令などを独立して受信し、且つ第二のネットワーク側機器の制御の下でデータの送受信を行ってもよい。
【0020】
そのため、理解できるように、一つの通信機器は、複数の論理UE機能の物理キャリアであってもよく、各論理UE機能は、一つのスマートカードに対応する。本明細書の各実施例では、論理UE機能は、スマートカードに対応するUEとも呼ばれる。本明細書の各実施例に言及されたスマートカードは、SIM(即ち、Subscriber Identification Module)カード、加入者識別カードなどと呼ばれてもよい。また、本明細書の各実施例に言及されたスマートカードは、物理カードだけでなく、仮想カード、例えば、チップ内蔵型加入者識別カード(Embedded-SIM、eSIM)などであってもよく、ここでは限定しない。例えば、通信機器は携帯電話であり、この携帯電話は、二つのSIMカードを備えてもよく、それぞれは第一のSIMカードSIM Aと第二のSIMカードSIM Bである。
【0021】
いくつかの例では、通信機器には異なる無線周波数とベースバンドとの組み合わせによる通路が2セット存在し、UE1とUE2に対応するデータの送受信を同時にそれぞれ処理することができる。通信機器は、「2RX+2TX」モードをサポートし、即ち、通信機器は、UE1とUE2の同時データ送信と同時データ受信をサポートすることができる。注意すべきことは、UE1とUE2との間のデータの送受信に高調波の干渉又は相互変調干渉が存在する可能性がある場合、UE1とUE2の同時データ送信又は同時データ受信は、通信に悪影響を与えることになる。
【0022】
別のいくつかの例では、通信機器には無線周波数とベースバンドとの組み合わせによる異なる通路が2セット存在し、UE1とUE2に対応するデータ受信を同時にそれぞれ処理できる。しかしながら、通信機器には無線周波数とベースバンドとの組み合わせによる通路が一セットしか存在せず、同一の時刻でUE1又はUE2に対応するデータ送信しか処理できない。通信機器は、「2RX+1TX」モードをサポートし、即ち、通信機器は、UE1とUE2の同時データ受信をサポートし、UE1と前記UE2の同時データ送信をサポートしない。
【0023】
さらなるいくつかの例では、通信機器には無線周波数とベースバンドとの組み合わせによる通路が一セットしか存在せず、同一の時刻でUE1又はUE2のデータの送受信しか処理できない。通信機器は、「1RX+1TX」をサポートし、即ち、通信機器は、UE1とUE2の同時データ受信もサポートせず、UE1とUE2の同時データ送信もサポートしない。
【0024】
例えば、
図1は、本出願の実施例による通信機器の一例のユニット概略図である。
図1に示すように、通信機器は、ベースバンド処理ユニット、無線周波数ユニット及びアンテナユニットを含む。そのうち、ベースバンド処理ユニットにはUE1処理モジュールとUE2処理モジュールが含まれてもよい。無線周波数ユニットには受信チャンネル、送信チャンネル、無線周波数配線及び切り替えスイッチが含まれてもよい。アンテナユニットは、高周波数バンド(High Band、HB)アンテナ、中周波数バンド(Middle Band、MB)アンテナ、低周波数バンド(Low Band、LB)アンテナ及び同調回路を含んでもよい。なお、通信機器は、上記ユニットを含むが、それに限らない。上記各ユニットは、上記構造を含むが、それに限らない。
【0025】
「2RX+1TX」モード又は「1RX+1TX」モードをサポートする通信機器に対して、UE1とUE2が異なる周波数バンドのネットワークのカバレッジにある場合、例えば、UE1とUE2が異なるオペレータにそれぞれ対応する場合、無線周波数ユニットとアンテナユニットを周波数バンド間で切り替えるために、比較的長い遅延、例えば、3ms~5msを必要とする。UE1とUE2が同じ周波数バンドのネットワークカバレッジにある場合、例えば、UE1とUE2が同一のオペレータに対応し、同じセルカバレッジにある場合、UE1とUE2は、比較的迅速なリンク切り替えを実現することができる。
【0026】
「2RX+2TX」モードをサポートする通信機器に対して、UE1とUE2との間は、切り替えスイッチの状態の異なりによって、比較的迅速な切り替えを実現することができる。
【0027】
通信機器において、UE1をプライマリ端末とし、UE2をセカンダリ端末としてもよく、UE1をセカンダリ端末とし、UE2をプライマリ端末としてもよく、ここでは限定しない。例えば、UE1は、主にデータサービスに用いられてもよく、UE2は、主にページングのモニタリングと基本的な通話機能の維持に用いられてもよい。UE1がサービス、例えば、インタラクティブサービス、ダウンロードサービス、アップロードサービスなどを処理する過程では、UE2は、リンク維持タスク、例えば、ページング(即ち、paging)のモニタリング、無線リソース管理(Radio Resource Management、RRM)測定及びセルの再選択などのアイドル状態操作を行い、UE1とUE2との間にリソース競合が存在する可能性がある。UE1がサービスを処理する過程では、UE2がトラッキングエリア更新(Tracking Area Update、TAU)又はボイスオーバーロングタームエボリューション(Voice over Long-Term Evolution、VoLET)などの接続状態操作を行う必要がある時、UE1とUE2にはリソース競合が存在し、リソース衝突を起こす可能性もある。UE1とUE2との間のリソース衝突は、通信機器の全体的なサービス処理に悪影響を与え、通信機器のサービス処理の信頼性を低下させる。本出願の実施例によるリソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器、システム及び記憶媒体を使用することにより、UE1とUE2との間のリソース衝突を効果的に回避することができ、それにより、通信機器のサービス処理の信頼性を向上させることができる。
【0028】
図2は、本出願による通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法の一実施例のフローチャートである。
図2に示すように、このリソーススケジューリング方法は、ステップS101~ステップS103を含んでもよい。
【0029】
ステップS101では、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信する。
【0030】
そのうち、ネットワーク側機器は、第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含んでもよい。つまり、通信機器は、第一のネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信してもよく、第二のネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信してもよく、第一のネットワーク側機器と第二のネットワーク側機器にいずれも時分割多重化モード要求を送信してもよく、ここでは限定しない。そのうち、第一のネットワーク側機器は、UE1との通信を確立するネットワーク側機器であり、第二のネットワーク側機器は、UE2との通信を確立するネットワーク側機器である。
【0031】
時分割多重化モード要求は、通信機器に配置された時分割多重化モード(Time-Division Multiplexing pattern、TDM pattern)を第一のネットワーク側機器に要求するためのものである。時分割多重化モードは、具体的に、UE1とUE2が時分割多重化を行うモードを指し、選択的に、時分割多重化モードは、ネットワーク側が一時的にRRCリリースを行っており、且つ迅速にRRC接続を再開する時間領域モードとして理解されてもよい。例えば、UE1は、時分割多重化モードで定義された、現在のサービングセルに接続されていない時間領域内で、上りリンク及び下りリンクデータの伝送も行わず、何のリンクモニタリングなどのリンク維持挙動もない。同様に、UE2は、時分割多重化モードで定義された、現在のサービングセルに接続されていない時間領域内で、上りリンク及び下りリンクデータの伝送も行わず、何のリンクモニタリングなどのリンク維持挙動もない。時分割多重化モードの決定は、通信機器によって完了されてもよく、ネットワーク側機器によって完了されてもよい。
【0032】
例えば、通信機器は、UE1のサービス特徴とUE2のサービス特徴に従って、選択された時分割多重化モードを決定し、且つ通信機器によって決定された時分割多重化モードを第一のネットワーク側機器に通知してもよい。第一のネットワーク側機器は、通信機器によって決定された時分割多重化モードに対応する配置情報を通信機器に送信する。
【0033】
さらに例えば、通信機器は、第一のネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信する。第一のネットワーク側機器は、時分割多重化モード要求に従って、通信機器におけるUE1とUE2のために時分割多重化モードを決定し、且つ決定された時分割多重化モードに対応する配置情報を通信機器に送信する。
【0034】
さらに例えば、通信機器は、第一のネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信する。第一のネットワーク側機器は、時分割多重化モード要求に従って、通信機器におけるUE1とUE2のために時分割多重化モードを決定し、且つ決定された時分割多重化モードに対応する配置情報を通信機器に送信する。通信機器は、第二のネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信する。第二のネットワーク側機器は、時分割多重化モード要求に従って、時分割多重化確認情報を通信機器に送信する。
【0035】
ステップS102では、ネットワーク側機器によって時分割多重化モード要求に従って送信された時分割多重化モード応答情報を受信する。
【0036】
時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含んでもよい。時分割多重化モード配置情報は、通信機器のUE1とUE2の時分割多重化モードを配置するためのものである。時分割多重化モード確認情報は、通信機器のUE1とUE2の時分割多重化モードを確認するためのものである。
【0037】
通信機器は、第一のネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード配置情報を受信してもよい。又は、通信機器は、第一のネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード配置情報と第二のネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード確認情報を受信してもよい。又は、通信機器は、第一のネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード確認情報を受信してもよい。ここでは、時分割多重化モード配置情報の送信側と時分割多重化モード確認情報の送信側を限定しない。
【0038】
ステップS103では、時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及びUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定する。
【0039】
UE1は、第一の伝送時間ウィンドウ内でデータの送受信を行う。UE2は、第二の伝送時間ウィンドウ内でデータの送受信を行う。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウとはオーバーラップしておらず、即ち、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウとは、時間領域でオーバーラップしていない。UE1は、第二の伝送時間ウィンドウでデータの送受信を行わず、UE2は、第一の伝送時間ウィンドウでデータの送受信を行わない。
【0040】
いくつかの例では、時分割多重化モード配置情報は、第一の伝送時間ウィンドウを指示してもよく、通信機器は、時間領域のうち、第一の伝送時間ウィンドウではない部分を第二の伝送時間ウィンドウとしてもよい。時分割多重化モード確認情報は、第二の伝送時間ウィンドウを確認してもよい。
【0041】
別のいくつかの例では、時分割多重化モード配置情報は、第一の伝送時間ウィンドウ及び第二の伝送時間ウィンドウを直接指示してもよい。時分割多重化モード確認情報は、第二の伝送時間ウィンドウを確認してもよい。
【0042】
さらなるいくつかの例では、時分割多重化モード確認情報は、さらに第一の伝送時間ウィンドウを確認してもよい。
【0043】
具体的な作動シーンと作動需要に応じてUE1の第一の伝送時間ウィンドウでのデータの送受信とUE2の第二の伝送時間ウィンドウでのデータの送受信を設定してもよい。例えば、通信機器が「2RX+1TX」モードをサポートする場合、UE1は、第一の伝送時間ウィンドウでデータ送信を行い、UE2は、第二の伝送時間ウィンドウでデータ送信を行い、UE1とUE2のデータ受信は、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの制限に厳守する必要がない。さらに例えば、通信機器が「1RX+1TX」モードをサポートする場合、UE1は、第一の伝送時間ウィンドウでデータの送受信を行い、UE2は、第二の伝送時間ウィンドウでデータの送受信を行う。
【0044】
本出願の実施例では、通信機器がネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信するタイミングを限定しない。例えば、「2RX+1TX」モードをサポートする通信機器、又は、「2RX+2TX」モードをサポートするが、UE1とUE2とのデータの送受信に干渉がある通信機器は、UE1がデータサービスを処理し、且つRRC接続状態にあり、UE2がアイドル状態にある場合、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信してもよい。さらに例えば、「1RX+1TX」モードをサポートする通信機器、又は「2RX+1TX」モードをサポートするが、UE1とUE2のデータ受信に干渉がある通信機器は、UE1がアイドル状態にあり、UE2もアイドル状態にある場合、UE2のページングシーンの需要に応じて、時分割多重化モード要求を生成し、ネットワーク側機器に送信してもよい。
【0045】
本出願の実施例では、通信機器は、ネットワーク側機器に時分割多重化要求を送信し、ネットワーク側機器に時分割多重化モード応答情報を要求する。ネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定する。そのうち、時分割多重化モード応答情報を要求することは、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を要求することを含む。第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。それにより、UE1とUE2は、迅速に切り替えられて、異なる伝送時間ウィンドウでそれぞれのデータの送受信を行うことができ、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避し、UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を可能にし、通信機器のサービス処理の信頼性を向上させる。通信機器におけるUE1とUE2は、衝突がない状況でハードウェアリソースを共有し、UE1とUE2のリソーススケジューリングの制限を減少させることができる。ネットワーク側機器はまた、通信機器の状態を取得でき、それにより、ネットワーク側機器と通信機器の協調が容易になる。
【0046】
上記実施例における時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含む。そのうち、時分割多重化モード識別子は、時分割多重化モードを識別するためのものである。通信機器は、ネットワーク側機器と複数の時分割多重化モードを予め規定してもよく、時分割多重化モード要求における時分割多重化モード識別子を通じて、通信機器によって選択された時分割多重化モードを決定してもよい。時分割多重化モードは、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置モードである。各時分割多重化モードは、対応する時分割多重化モード配置情報を有してもよい。例えば、通信機器は、第一のネットワーク側機器と四つの時分割多重化モードを予め規定しており、四つの時分割多重化モードの時分割多重化モード識別子は、それぞれ00、01、10及び11である。通信機器が第一のネットワーク側機器に送信する時分割多重化モード要求には時分割多重化モード識別子10が含まれる場合、通信機器は、第一のネットワーク側機器によって選択された時分割多重化モード識別子10に対応する時分割多重化モード配置情報を受信する。
【0047】
又は、上記実施例における時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子とスロットオフセット量(即ち、offset)を含む。時分割多重化モード識別子の内容は、上記関連説明を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。スロットオフセット量は、時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウの位置又は時間領域における第二の伝送時間ウィンドウの位置を特徴付けるために用いられてもよい。時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウは、第二の伝送時間ウィンドウを含んでもよい。そのため、場合によっては、スロットオフセット量を通じて時分割多重化モード識別子によって識別された時分割多重化モードにおける第二の伝送時間ウィンドウを介してさらなる細かい設定を行ってもよい。例えば、通信機器が第一のネットワーク側機器に送信する時分割多重化モード要求に含まれる時分割多重化モード識別子が10であり、時分割多重化モード識別子が10の時分割多重化モードが第一の伝送時間ウィンドウの長さが第二の伝送時間ウィンドウの長さよりも大きいことを指示したが、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの位置を指示していない場合、スロットオフセット量を通じて第二の伝送時間ウィンドウの位置を決定してもよく、通信機器は、第一のネットワーク側機器によって時分割多重化モード識別子10とスロットオフセット量に従って送信された時分割多重化モード配置情報を受信してもよい。
【0048】
いくつかの例では、上記実施例における時分割多重化モード配置情報は、第一の伝送時間ウィンドウと、第二の伝送時間ウィンドウと、時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウとのうちの少なくとも一つを指示するために用いられてもよい。そのうち、時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウは、第二の伝送時間ウィンドウを含んでもよい。
【0049】
いくつかの例では、時系列で、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウが交互に配列されてもよい。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウの長さは、第二の伝送時間ウィンドウの長さと同じである。例えば、
図3は、本出願の実施例による時分割多重化モードの一例の時間領域概略図である。
図3に示すように、第一の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含む。第二の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含む。xは正の整数であり、xの具体的な値は、作動シーンと作動需要に応じて設定されてもよく、ここでは限定しない。例えば、xは、1、2、3又は5などの正の整数であってもよい。なお、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウは、無線フレーム、サブフレーム、ms、シンボルなどを単位としてもよく、例えば、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウはいずれも、m個のサブフレームを含む。
【0050】
図3に示す時分割多重化モードは、UE1によって処理されたサービスの遅延に対する要求が比較的低いシーンに適用でき、例えば、ビデオの視聴、ウェブページの閲覧など、下りリンクデータを含み、データパケットが比較的大きく、データを連続的に伝送する必要があり、遅延感度が低いサービス、又は、例えば、ファイル又はデータパケットの送信など、上りリンクデータを含み、データパケットが比較的大きく、データを連続的に伝送する必要があり、遅延感度が低いサービスである。例えば、「2RX+1TX」モードをサポートする通信機器に対して、UE1のデータ受信とUE2のデータ受信は同期的に行われてもよい。UE2がデータを送信するためにRRC接続状態に入る必要がある場合、メディアアクセスコントロール制御要素(Medium Access Control Control Element、MAC CE)などのシグナリングを時分割多重化モード要求として第一のネットワーク側機器に送信して、
図3に示す時分割多重化モードの時分割多重化モード応答情報を要求する。
【0051】
別のいくつかの例では、M個の無線フレームごとにN個の第二の伝送時間ウィンドウがある。そのうち、各無線フレームにおいて、第一の伝送時間ウィンドウの全体的な長さは、第二の伝送時間ウィンドウの全体的な長さよりも大きい。M、Nは正の整数であり、M、Nの値は、作動シーンと作動需要に応じて設定されてもよく、ここでは限定しない。例えば、M=6、N=3、即ち、6つの無線フレームごとに3つの第二の伝送時間ウィンドウがあり、最初の3つの無線フレームに第二の伝送時間ウィンドウを設置せず、最後の3つの無線フレームに一つの第二の伝送時間ウィンドウをそれぞれ設置する。さらに例えば、
図4は、本出願の実施例による時分割多重化モードの別の一例の時間領域概略図である。M=1、N=1、即ち、各無線フレームには一つの第二の伝送時間ウィンドウがある。一つの第二の伝送時間ウィンドウは、y個のスロットを含む。yは正の整数であり、yの値は、作動シーンと作動需要に応じて設定されてもよく、ここでは限定しない。
【0052】
図4に示す時分割多重化モードは、UE1によって処理されたサービスの遅延に対する要求が比較的高いシーンに適用でき、例えば、ゲーム、生放送、音声など、同時に上りリンクデータと下りリンクデータを含み、データパケットが比較的小さく、遅延感度が高いサービスである。例えば、UE2がRRC接続状態に入る必要がある場合、低遅延に対するUE1の要求がUE2よりもはるかに高いため、時間領域における大部分のスロットを第一の伝送時間ウィンドウとしてUE1に割り当てるが、UE2は、時間領域における一部のスロットのみを使用して該当する必要なRRC接続状態操作を完了する。
【0053】
図5は、本出願による通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法の別の実施例のフローチャートである。
図5に示すリソーススケジューリング方法と
図2に示すリソーススケジューリング方法の相違点は、
図5に示すリソーススケジューリング方法がステップS104と、ステップS105又はステップS106とをさらに含んでもよいことである。
【0054】
ステップS104では、UE2のRRC接続状態の変化を検出した場合、RRC状態ビットを更新する。
【0055】
RRC接続状態の変化は、UE2のページングオケージョン(即ち、paging occasion)が変化しており、UE2が時分割多重化モードを必要としない新セルに切り替えており、又は、通信機器が第二のネットワーク側機器によって送信されたページングを受信しており、又は、第二のネットワーク側機器によって送信されたシステムメッセージに指示されたセルの属するトラッキングエリア識別子リスト(Tracking Area Identity list、TAI list)が変化しており、又は、UE2にTAUが発生したこととして具現化されてもよく、ここでは限定しない。そのうち、UE2にTAUが発生したことは、UE2が直ちにセルを再選択する必要があることを検出した状況に限らず、セルを再選択する直前になる状況を含んでもよく、例えば、地理的位置情報と速度情報に従って、UE2がTAUフローに進む直前になると決定することは、TAUの関連情報を送信することとして具現化されてもよい。
【0056】
なお、UE2のRRC接続状態の変化は、UE2のRRC接続状態が変化する直前であることと、UE2のRRC接続状態が変化している最中であることと、UE2のRRC接続状態が既に変化したこととを含む。
【0057】
具体的には、UE2がRRC接続要求を受信した場合、RRC状態ビットは第一の識別子である。UE2がRRC接続をリリースした場合、RRC状態ビットは第二の識別子である。第一の識別子は第二の識別子と異なり、ここでは、第一の識別子と第二の識別子の具体的な形式を限定しない。例えば、第一の識別子は1であり、第二の識別子は0である。
【0058】
ステップS105では、RRC状態ビットが第二の識別子から第一の識別子に変化したことを検出した場合、更新された時分割多重化モード要求をネットワーク側機器に送信することをトリガーする。
【0059】
RRC状態ビットが第二の識別子から第一の識別子に変化したことを検出した場合、UE2のRRC接続状態がアイドル状態から接続状態に変化した可能性があり、UE2のデータの送受信も変化し、UE1とUE2にリソース衝突が発生する可能性があることを表し、更新された時分割多重化モード要求を通じて、時分割多重化モード応答情報を更新するようにネットワーク側機器をトリガーする必要がある。
【0060】
ネットワーク側機器は、時分割多重化モード配置情報を更新した後、更新された時分割多重化モード配置情報を通信機器に送信し、通信機器は、更新された時分割多重化モード配置情報に従って、新しい第一の伝送時間ウィンドウと新しい第二の伝送時間ウィンドウを決定する。ネットワーク側機器は、時分割多重化モード確認情報を更新した後、更新された時分割多重化モード確認情報を通信機器に送信し、通信機器は、更新された時分割多重化モード確認情報に応答して、新しい第一の伝送時間ウィンドウと新しい第二の伝送時間ウィンドウを決定する。
【0061】
ステップS106では、RRC状態ビットが第一の識別子から第二の識別子に変化したことを検出した場合、ネットワーク側機器に時分割多重化モード停止要求を送信することをトリガーする。
【0062】
そのうち、RRC状態ビットが第一の識別子から第二の識別子に変化したことを検出した場合、UE2のRRC接続状態が接続状態からアイドル状態に変化した可能性があることを表し、UE2に第二の伝送時間ウィンドウを割り当てなくてもよいため、通信機器は、ネットワーク側機器に時分割多重化モード停止要求を送信することをトリガーする。
【0063】
時分割多重化モード停止要求は、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止するようにネットワーク側機器に指示するためのものである。ネットワーク側機器が時分割多重化モード停止要求を受信し、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止することにより、通信機器の時分割多重化モードがキャンセルされる。
【0064】
UE1がRRC接続をリリースした場合、通信機器は、時分割多重化モードの配置を自動的にキャンセルする。
【0065】
いくつかの例では、通信機器はさらに、ネットワーク側機器にタイマー要求を開始してもよい。通信機器はさらに、ネットワーク側機器によってタイマー要求に従ってフィードバックされたタイマー応答情報を受信してもよい。タイマー応答情報には、有效時間長を指示するための有效時間長情報が含まれてもよい。第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置が有効になると、タイマーを起動し、計時を開始する。タイマーがタイムアウトすると、即ち、タイマーが有效時間長情報によって指示された有效時間長を超えると、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置が無効になるように配置する。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置が有効になることは、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報が通信機器において有効になることを指す。
【0066】
つまり、第一のネットワーク側機器は、時分割多重化モードの有效時間長を設定してもよい。有效時間長内に、時分割多重化モードは有効である。有效時間長が終わると、時分割多重化モードは無効になる。
【0067】
図6は、本出願による通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法のさらなる実施例のフローチャートである。
図6に示すリソーススケジューリング方法と
図2に示すリソーススケジューリング方法の相違点は、
図2に示すステップS101が
図6に示すステップS1011に細分化されてもよいことである。
【0068】
ステップS1011では、UE1のサービス特徴パラメータとUE2のサービス特徴パラメータに従って、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信する。
【0069】
サービス特徴パラメータは、サービスの性能需要を特徴付ける。通信機器は、UE1のサービスの性能需要とUE2のサービスの性能需要に応じて、時分割多重化モード要求を決定して送信する。いくつかの例では、サービス特徴パラメータは、サービスデータパケット到着特徴パラメータ及び/又は遅延要求パラメータを含んでもよい。サービスデータパケット到着特徴は、アプリケーション層データ状態、及び伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)データの統計結果に従って推定されて得られてもよい。例えば、時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含み、通信機器がネットワーク側機器と規定された二つの時分割多重化モードは、それぞれ上記実施例における
図3に示す時分割多重化モードと
図4に示す時分割多重化モードである。通信機器は、UE1のサービスデータパケット到着特徴パラメータと遅延要求パラメータに従って、UE1のサービスが遅延感度に対する要求の比較的高いオンラインゲームであると決定する。UE2のサービス特徴パラメータに従って、UE2のサービスが遅延感度に対する要求の比較的低いサービスであると決定する。それに対応して、通信機器は、
図3に示す時分割多重化モードの時分割多重化モード識別子を含む時分割多重化モード要求を生成する。
【0070】
UE1のサービス特徴パラメータとUE2のサービス特徴パラメータに従って、時分割多重化モード要求を周期的に生成してもよい。例えば、三番目の周期内に、UE1のサービス特徴パラメータが変化しており、例えば、遅延感度に対する要求の高いUE1のアプリケーションが閉じられた場合、時分割多重化モード要求を再生成し、且つネットワーク側機器に送信する。
【0071】
なお、UE1に瞬間的な高データ需要が存在する場合、通信機器は、自ら時分割多重化モードを一時的にキャンセルしてもよい。
【0072】
本出願の実施例は、ネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法をさらに提供する。ここでのネットワーク機器は、上記実施例におけるネットワーク側機器と見なされてもよく、ネットワーク側機器は、第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含んでもよい。
図7は、本出願によるネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法の一実施例のフローチャートである。
図7に示すように、このリソーススケジューリング方法は、ステップS201とステップS202を含んでもよい。
【0073】
ステップS201では、通信機器によって送信された時分割多重化モード要求を受信する。
【0074】
そのうち、時分割多重化モード要求は、通信機器のUE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は通信機器のUE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するためのものである。
【0075】
ステップS202では、時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信する。
【0076】
そのうち、時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む。ネットワーク機器は、第一のネットワーク側機器を含み、第一のネットワーク側機器は、通信機器に時分割多重化モード配置情報を送信してもよく、又は、第一のネットワーク側機器は、通信機器に時分割多重化モード確認情報を送信してもよい。ネットワーク機器は、第二のネットワーク側機器を含み、第二のネットワーク側機器は、通信機器に時分割多重化モード確認情報を送信してもよく、又は、第二のネットワーク側機器は、通信機器に時分割多重化モード配置情報を送信してもよい。ネットワーク機器は、第一のネットワーク側機器と第二のネットワーク側機器を含み、第一のネットワーク側機器は、通信機器に時分割多重化モード配置情報を送信してもよく、第二のネットワーク側機器は、通信機器に時分割多重化モード確認情報を送信してもよい。ここでは、ネットワーク機器が通信機器に送信する具体的な情報を限定しない。
【0077】
時分割多重化モード応答情報によって指示された第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。そのうち、時分割多重化モード配置情報は、少なくとも通信機器のUE1の第一の伝送時間ウィンドウの配置を特徴付けるために用いられてもよい。例えば、時分割多重化モード配置情報は、UE1の第一の伝送時間ウィンドウのみを特徴付けてもよい。通信機器は、時分割多重化モード配置情報を受信すると、時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウをUE2の第二の伝送時間ウィンドウとしてもよい。さらに例えば、時分割多重化モード配置情報は、UE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを特徴付けてもよく、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0078】
いくつかの例では、時系列で、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウが交互に配列される。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウの長さは、第二の伝送時間ウィンドウの長さと同じである。例えば、第一の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含み、第二の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含む。xは正の整数である。
【0079】
別のいくつかの例では、M個の無線フレームごとにN個の第二の伝送時間ウィンドウがある。そのうち、各無線フレームにおいて、第一の伝送時間ウィンドウの全体的な長さは、第二の伝送時間ウィンドウの全体的な長さよりも大きい。M、Nは正の整数である。例えば、一つの第二の伝送時間ウィンドウは、y個のスロットを含む。yは正の整数である。
【0080】
本出願の実施例では、ネットワーク機器は、通信機器によって送信された時分割多重化要求を受信し、時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信することにより、通信機器は、通信機器におけるUE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定することができる。通信機器におけるUE1とUE2がそれぞれの伝送時間ウィンドウ内でデータの送受信を行うことを確保し、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避することができる。UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を確保し、通信機器のサービス処理の信頼性を向上させる。通信機器におけるUE1とUE2は、衝突がない状況でハードウェアリソースを共有し、UE1とUE2のリソーススケジューリングの制限を減少させることができる。ネットワーク機器はまた、通信機器の状態を取得でき、それにより、ネットワーク機器と通信機器の協調が容易になる。
【0081】
いくつかの例では、ネットワーク機器はさらに、通信機器によって送信されたタイマー要求を受信してもよく、タイマー要求に応答して、通信機器にタイマー応答情報をフィードバックしてもよい。タイマー応答情報は、有效時間長情報を含んでもよい。この有效時間長情報は、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置の有效時間長を指示して、通信機器における第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置の有效時間長を設定し、通信機器における時分割多重化モードのライフサイクルを自動的に制御してもよい。
【0082】
いくつかの例では、ネットワーク機器はさらに、通信機器によって送信された更新された時分割多重化モード要求を受信してもよく、更新された時分割多重化モード要求に応答して、時分割多重化モード応答情報を更新し、且つ更新された時分割多重化モード応答情報を通信機器に送信してもよい。ネットワーク機器は、更新された時分割多重化モード応答情報を通じて、通信機器によって使用された時分割多重化モードを更新することにより、通信機器における時分割多重化モードの適用性と即時有効性を確保する。
【0083】
いくつかの例では、ネットワーク機器はさらに、通信機器によって送信された時分割多重化モード停止要求を受信し、時分割多重化モード停止要求に応答して、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止してもよい。ネットワーク機器は、通信機器が時分割多重化モードを使用する必要がない場合、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止することにより、通信機器における時分割多重化モードを停止する。
【0084】
ネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法におけるいくつかの内容は、上記実施例における通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法の関連説明を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0085】
本出願の実施例は、第一の端末UE1と第二の端末UE2を有する通信機器をさらに提供する。
図8は、本出願による通信機器の一実施例の構造概略図である。
図8に示すように、この通信機器300は、送信モジュール301、受信モジュール302及び処理モジュール303を含んでもよい。
【0086】
送信モジュール301は、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信するためのものである。
【0087】
ネットワーク側機器は、第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含む。
【0088】
受信モジュール302は、ネットワーク側機器によって時分割多重化モード要求に従って送信された時分割多重化モード応答情報を受信するためのものである。
【0089】
そのうち、時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む。
【0090】
処理モジュール303は、時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及びUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定するためのものである。
【0091】
そのうち、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0092】
本出願の実施例では、通信機器は、ネットワーク側機器に時分割多重化要求を送信し、ネットワーク側機器に時分割多重化モード応答情報を要求する。ネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定する。時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む。第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。それにより、UE1とUE2は、迅速に切り替えられて、異なる伝送時間ウィンドウでそれぞれのデータの送受信を行うことができ、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避し、UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を可能にし、通信機器のサービス処理の信頼性を向上させる。通信機器におけるUE1とUE2は、衝突がない状況でハードウェアリソースを共有し、UE1とUE2のリソーススケジューリングの制限を減少させることができる。ネットワーク側機器はまた、通信機器の状態を取得でき、それにより、ネットワーク側機器と通信機器の協調が容易になる。
【0093】
いくつかの例では、時系列で、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウが交互に配列される。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウの長さは、第二の伝送時間ウィンドウの長さと同じである。例えば、第一の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含み、第二の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含む。xは正の整数である。
【0094】
別のいくつかの例では、M個の無線フレームごとにN個の第二の伝送時間ウィンドウがある。そのうち、各無線フレームにおいて、第一の伝送時間ウィンドウの全体的な長さは、第二の伝送時間ウィンドウの全体的な長さよりも大きい。M、Nは正の整数である。例えば、一つの第二の伝送時間ウィンドウは、y個のスロットを含む。yは正の整数である。
【0095】
具体的に、時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子を含む。又は、時分割多重化モード要求は、時分割多重化モード識別子とスロットオフセット量を含む。
【0096】
そのうち、時分割多重化モード識別子は、時分割多重化モードを識別するためのものである。スロットオフセット量は、時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウの位置又は時間領域における第二の伝送時間ウィンドウの位置を特徴付けるためのものである。
【0097】
いくつかの例では、時分割多重化モード配置情報は、第一の伝送時間ウィンドウと、第二の伝送時間ウィンドウと、時間領域における第一の伝送時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウとのうちの少なくとも一つを指示するためのものである。
【0098】
そのうち、時間領域における第一の時間ウィンドウによって占有されていない時間ウィンドウは、第二の伝送時間ウィンドウを含む。
【0099】
いくつかの例では、送信モジュール301は、具体的に、UE1のサービス特徴パラメータとUE2のサービス特徴パラメータに従って、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信するためのものである。
【0100】
そのうち、サービス特徴パラメータは、サービスの性能需要を特徴付ける。具体的に、サービス特徴パラメータは、サービスデータパケット到着特徴パラメータ及び/又は遅延要求パラメータを含む。
【0101】
図9は、本出願による通信機器の別の実施例の構造概略図である。
図9に示す通信機器と
図8に示す通信機器の相違点は、
図9に示す通信機器が状態更新モジュール304と計時モジュール305をさらに含んでもよいことである。
【0102】
状態更新モジュール304は、UE2のRRC接続状態の変化を検出した場合、RRC状態ビットを更新するためのものである。
【0103】
そのうち、通信機器300におけるUE1にはUE2の無線リソース制御RRC状態ビットが記憶されている。UE2がRRC接続要求を受信した場合、RRC状態ビットは第一の識別子であり、UE2がRRC接続をリリースした場合、RRC状態ビットは第二の識別子である。
【0104】
いくつかの例では、送信モジュール301はさらに、RRC状態ビットが第二の識別子から第一の識別子に変化したことを検出した場合、更新された時分割多重化モード要求をネットワーク側機器に送信することをトリガーするためのものである。
【0105】
送信モジュール301はさらに、RRC状態ビットが第一の識別子から第二の識別子に変化したことを検出した場合、ネットワーク側機器に時分割多重化モード停止要求を送信することをトリガーするためのものである。そのうち、時分割多重化モード停止要求は、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止するようにネットワーク側機器に指示するためのものである。
【0106】
計時モジュール305は、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置が有効になると、計時を開始するためのものであり、計時モジュール305がタイムアウトすると、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウの配置が無効になるように配置するように処理モジュール303をトリガーする。計時モジュール305は、タイマーとして実現されてもよい。
【0107】
本出願の実施例は、ネットワーク機器をさらに提供する。
図10は、本出願によるネットワーク機器の一実施例の構造概略図である。
図10に示すように、ネットワーク機器400は、受信モジュール401と送信モジュール403を含んでもよい。
【0108】
受信モジュール401は、通信機器によって送信された時分割多重化モード要求を受信するためのものである。
【0109】
そのうち、時分割多重化モード要求は、通信機器のUE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は通信機器のUE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するためのものである。
【0110】
送信モジュール403は、前記時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信するためのものである。
【0111】
そのうち、時分割多重化モード応答情報は、配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む。時分割多重化モード応答情報によって指示された第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0112】
本出願の実施例では、ネットワーク機器は、通信機器によって送信された時分割多重化要求を受信し、時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信することにより、通信機器は、通信機器におけるUE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定することができる。通信機器におけるUE1とUE2がそれぞれの伝送時間ウィンドウ内でデータの送受信を行うことを確保し、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避することができる。UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を確保し、通信機器のサービス処理の信頼性を向上させる。通信機器におけるUE1とUE2は、衝突がない状況でハードウェアリソースを共有し、UE1とUE2のリソーススケジューリングの制限を減少させることができる。ネットワーク機器はまた、通信機器の状態を取得でき、それにより、ネットワーク機器と通信機器の協調が容易になる。
【0113】
いくつかの例では、時系列で、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウが交互に配列される。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウの長さは、第二の伝送時間ウィンドウの長さと同じである。例えば、第一の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含み、第二の伝送時間ウィンドウは、x個のスロットを含む。xは正の整数である。
【0114】
別のいくつかの例では、M個の無線フレームごとにN個の第二の伝送時間ウィンドウがある。そのうち、各無線フレームにおいて、第一の伝送時間ウィンドウの全体的な長さは、第二の伝送時間ウィンドウの全体的な長さよりも大きい。M、Nは正の整数である。例えば、一つの第二の伝送時間ウィンドウは、y個のスロットを含む。M、N、yは正の整数である。
【0115】
いくつかの例では、受信モジュール401はさらに、通信機器によって送信された更新された時分割多重化モード要求を受信するためのものである。
【0116】
送信モジュール403はさらに、更新された時分割多重化モード要求に応答して、時分割多重化モード応答情報を更新し、且つ更新された時分割多重化モード応答情報を通信機器に送信するためのものである。
【0117】
いくつかの例では、受信モジュール401はさらに、通信機器によって送信された時分割多重化モード停止要求を受信するためのものである。
【0118】
処理モジュール402はさらに、時分割多重化モード停止要求に応答して、通信機器に対する時分割多重化モード配置を停止するためのものである。
【0119】
本出願の実施例による通信機器は、
図2、
図5及び
図6に示す方法の実施例において通信機器によって実現された各プロセスを実現することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。
【0120】
図11は、本出願による通信機器の一実施例のハードウェア構造概略図である。この通信機器500は、無線周波数ユニット501、ネットワークモジュール502、オーディオ出力ユニット503、入力ユニット504、センサ505、表示ユニット506、ユーザ入力ユニット507、インターフェースユニット508、メモリ509、プロセッサ510、及び電源511などの部材を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、
図11に示される通信機器の構造は、通信機器に対する限定を構成せず、通信機器は、図示される部材の数よりも多くまたは少ない部材、またはなんらかの部材の組み合わせ、または異なる部材の配置を含んでもよい。本出願の実施例では、通信機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、車載端末、ウェアラブルデバイス、及び歩数計などを含むが、それらに限らない。
【0121】
無線周波数ユニット501は、ネットワーク側機器に時分割多重化モード要求を送信すること、及び、ネットワーク側機器によって時分割多重化モード要求に従って送信された時分割多重化モード応答情報を受信することに用いられる。
【0122】
時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む。ネットワーク側機器は、第一のネットワーク側機器及び/又は第二のネットワーク側機器を含む。
【0123】
プロセッサ510は、時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウ及びUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定するためのものである。そのうち、第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0124】
本出願の実施例では、通信機器は、ネットワーク側機器に時分割多重化要求を送信し、ネットワーク側機器に時分割多重化モード応答情報を要求する。ネットワーク側機器によって送信された時分割多重化モード応答情報に従って、UE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定する。時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報及び/又は時分割多重化モード確認情報を含む。第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。それにより、UE1とUE2は、迅速に切り替えられて、異なる伝送時間ウィンドウでそれぞれのデータの送受信を行うことができ、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避し、UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を可能にし、通信機器のサービス処理の信頼性を向上させる。通信機器におけるUE1とUE2は、衝突がない状況でハードウェアリソースを共有し、UE1とUE2のリソーススケジューリングの制限を減少させることができる。ネットワーク側機器はまた、通信機器の状態を取得でき、それにより、ネットワーク側機器と通信機器の協調が容易になる。
【0125】
本出願の実施例では、無線周波数ユニット501は、情報の送受信または通話中の信号の送受信に用いられてもよいことが理解されたい。具体的には、基地局からの下りリンクデータを受信してから、プロセッサ510に処理させてもよい。また、上りリンクデータを基地局に送信してもよい。一般的には、無線周波数ユニット501は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。なお、無線周波数ユニット501は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行ってもよい。
【0126】
通信機器は、ネットワークモジュール502によってユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供し、例えば、ユーザへ電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0127】
オーディオ出力ユニット503は、無線周波数ユニット501またはネットワークモジュール502によって受信されたまたはメモリ509に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換して、音声として出力することができる。そして、オーディオ出力ユニット503はさらに、通信機器500によって実行された特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)を提供することができる。オーディオ出力ユニット503は、スピーカ、ブザー及び受話器などを含む。
【0128】
入力ユニット504は、オーディオまたはビデオ信号を受信するために用いられる。入力ユニット504は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)5041とマイクロホン5042を含んでもよい。グラフィックスプロセッサ5041は、ビデオキャプチャモードまたは画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像またはビデオの画像データを処理する。処理された画像フレームは、表示ユニット506に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ5041によって処理された画像フレームは、メモリ509(または他の記憶媒体)に記憶されてもよく、または無線周波数ユニット501またはネットワークモジュール502を介して送信されてもよい。マイクロホン5042は、音声を受信することができるとともに、このような音声をオーディオデータとして処理することができる。処理されたオーディオデータは、電話の通話モードにおいて、無線周波数ユニット501を介して移動通信基地局に送信することが可能なフォーマットに変換して出力されてもよい。
【0129】
通信機器500は、少なくとも一つのセンサ505、例えば、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサをさらに含む。具体的には、光センサは、環境光センサ及び接近センサを含み、そのうち、環境光センサは、環境光の明暗に応じて、表示パネル5061の輝度を調整することができ、接近センサは、通信機器500が耳元に移動した時、表示パネル5061及び/又はバックライトをオフにすることができる。モーションセンサの一種として、加速度計センサは、各方向(一般的には、三軸)での加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、通信機器姿勢(例えば、縦横スクリーン切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)の識別、振動識別関連機能(例えば、歩数計、タップ)などに用いることができる。センサ505は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどをさらに含んでもよい。ここではこれ以上説明しない。
【0130】
表示ユニット506は、ユーザによって入力された情報またはユーザに提供される情報を表示するために用いられる。表示ユニット506は、表示パネル5061を含んでもよい。液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で表示パネル5061を配置してもよい。
【0131】
ユーザ入力ユニット507は、入力された数字または文字情報の受信、通信機器のユーザによる設置及び機能制御に関するキー信号入力の発生に用いられてもよい。具体的には、ユーザ入力ユニット507は、タッチパネル5071および他の入力機器5072を含む。タッチパネル5071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上または付近でのユーザによるタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体または付属品を使用してタッチパネル5071上またはタッチパネル5071付近で行う操作)を収集することができる。タッチパネル5071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの二つの部分を含んでもよい。そのうち、タッチ検出装置は、ユーザによるタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ510に送信し、プロセッサ510から送信されてきた指令を受信して実行する。なお、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音波などの様々なタイプを用いてタッチパネル5071を実現してもよい。タッチパネル5071以外、ユーザ入力ユニット507は、他の入力機器5072を含んでもよい。具体的には、他の入力機器5072は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、ボリューム制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限らない。ここではこれ以上説明しない。
【0132】
さらに、タッチパネル5071は、表示パネル5061上に覆われてもよい。タッチパネル5071は、その上または付近でのタッチ操作を検出すると、プロセッサ510に伝送して、タッチイベントのタイプを特定し、その後、プロセッサ510は、タッチイベントのタイプに応じて表示パネル5061上で該当する視覚出力を提供する。
図11では、タッチパネル5071と表示パネル5061は、二つの独立した部材として通信機器の入力と出力機能を実現するものであるが、なんらかの実施例では、タッチパネル5071と表示パネル5061を集積して通信機器の入力と出力機能を実現してもよい。具体的には、ここでは限定しない。
【0133】
インターフェースユニット508は、外部装置と通信機器500との接続のためのインターフェースである。例えば、外部装置は、有線または無線ヘッドフォンポート、外部電源(または電池充電器)ポート、有線または無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含んでもよい。インターフェースユニット508は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信した入力を通信機器500内の一つまたは複数の素子に伝送するために用いられてもよく、または通信機器500と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0134】
メモリ509は、ソフトウェアプログラム及び各種のデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ509は、主に記憶プログラム領域および記憶データ領域を含んでもよい。そのうち、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、記憶データ領域は、携帯電話の使用によって作成されるデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ509は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非揮発性メモリ、例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の非揮発性ソリッドステートメモリデバイスをさらに含んでもよい。
【0135】
プロセッサ510は、通信機器の制御センターであり、各種のインターフェースと線路によって通信機器全体の各部分に接続され、メモリ509内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行すること、及びメモリ509内に記憶されたデータを呼び出し、通信機器の各種の機能を実行し、データを処理することにより、通信機器全体をモニタリングする。プロセッサ510は、一つまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ510は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを集積してもよい。そのうち、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェースおよびアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解できるように、上記モデムプロセッサは、プロセッサ510に集積されなくてもよい。
【0136】
通信機器500はさらに、各部材に電力を供給する電源511(例えば、電池)を含んでもよい。選択的に、電源511は、電源管理システムによってプロセッサ510にロジック的に接続されてもよい。それにより、電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0137】
また、通信機器500は、いくつかの示されていない機能モジュールを含む。ここではこれ以上説明しない。
【0138】
選択的に、本出願の実施例は、通信機器をさらに提供する。プロセッサ510と、メモリ509と、メモリ509に記憶され、且つ前記プロセッサ510上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、このコンピュータプログラムがプロセッサ510によって実行されると、上述した通信機器に用いられるリソーススケジューリング方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。
【0139】
図12は、本出願によるネットワーク機器の一実施例のハードウェア構造概略図である。
図12に示すように、このネットワーク機器600は、メモリ601と、プロセッサ602と、無線周波数ユニット603と、メモリ601に記憶され、且つプロセッサ602上で運行できるコンピュータプログラムとを含む。当業者であれば理解できるように、
図12に示されるネットワーク機器の構造は、ネットワーク機器に対する限定を構成せず、ネットワーク機器は、図示される部材の数よりも多くまたは少ない部材、またはなんらかの部材の組み合わせ、または異なる部材の配置を含んでもよい。
【0140】
そのうち、無線周波数ユニット603は、通信機器によって送信された時分割多重化モード要求を受信すること、及び、時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信することに用いられる。
【0141】
そのうち、時分割多重化モード応答情報は、時分割多重化モード配置情報又は時分割多重化モード確認情報を含む。時分割多重化モード要求は、通信機器のUE1の第一の伝送時間ウィンドウ及び/又は通信機器のUE2の第二の伝送時間ウィンドウを要求するためのものである。時分割多重化モード応答情報によって指示された第一の伝送時間ウィンドウと第二の伝送時間ウィンドウがオーバーラップしていない。
【0142】
本出願の実施例では、ネットワーク機器は、通信機器によって送信された時分割多重化要求を受信し、時分割多重化モード要求に従って、通信機器に時分割多重化モード応答情報を送信することにより、通信機器は、通信機器におけるUE1の第一の伝送時間ウィンドウとUE2の第二の伝送時間ウィンドウを決定することができる。通信機器におけるUE1とUE2がそれぞれの伝送時間ウィンドウ内でデータの送受信を行うことを確保し、UE1とUE2との間のリソース衝突を回避することができる。UE1とUE2のそれぞれのサービスの処理を確保し、通信機器のサービス処理の信頼性の向上を実現する。通信機器におけるUE1とUE2は、衝突がない状況でハードウェアリソースを共有し、UE1とUE2のリソーススケジューリングの制限を減少させることができる。ネットワーク機器はまた、通信機器の状態を取得でき、それにより、ネットワーク機器と通信機器の協調が容易になる。
【0143】
そのうち、
図12では、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスとブリッジを含んでもよく、具体的にはプロセッサ602によって代表される一つまたは複数のプロセッサとメモリ601によって代表されるメモリの各種の回路でリンクされてもよい。バスアーキテクチャは、周辺機器、電圧レギュレータ及びパワー管理回路などの各種の他の回路をリンクしてもよい。それらは、すべて当技術分野でよく知られているものであるため、ここではこれ以上説明しない。バスインターフェースは、インターフェースを提供する。無線周波数ユニット603は、複数の素子であってもよく、すなわち、送信機と受信機を含み、伝送媒体で各種の他の装置と通信するためのユニットを提供し、プロセッサ602の制御の下でデータを送受信するために用いられてもよい。プロセッサ602は、バスアーキテクチャと一般的な処理の管理を担当し、メモリ601は、プロセッサ602の操作実行時に使用されるデータを記憶してもよい。
【0144】
選択的に、本出願の実施例は、ネットワーク機器をさらに提供する。プロセッサ602と、メモリ601と、メモリ601に記憶され、且つプロセッサ602上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、このコンピュータプログラムがプロセッサ602によって実行されると、上述したネットワーク機器に用いられる
図7に示すリソーススケジューリング方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。
【0145】
本出願の実施例は、リソーススケジューリングシステムをさらに提供する。このリソーススケジューリングシステムは、上記実施例における通信機器とネットワーク機器を含み、具体的な内容は、上記実施例における関連説明を参照すればよく、ここではこれ以上説明しない。
【0146】
本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上述した通信機器又はネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここではこれ以上説明しない。そのうち、前記コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROMと略称される)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称される)、磁気ディスクまたは光ディスクなどである。
【0147】
上記実施例におけるリソーススケジューリング方法、通信機器、ネットワーク機器、システム及び記憶媒体は、長期的進化(Long Term Evolution、LTE)通信システム、5G通信システム及び後続の通信システムに用いられてもよく、ここでは限定しない。
【0148】
本明細書における各実施例は、いずれも漸進的に記述され、各実施例間の同じまたは類似した部分は、相互に参照すればよく、各実施例は、他の実施例との相違点を重点として説明される。ネットワーク機器に用いられるリソーススケジューリング方法、通信機器の実施例、ネットワーク機器の実施例及びコンピュータ可読記憶媒体の実施例にとって、関連内容は、方法の実施例の説明部分を参照すればよい。
【0149】
なお、本明細書において、「含む」、「包含」という用語またはその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、またはこのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品または装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。
【0150】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによっても実現されるが、多くの場合、前者は、好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質にはまたは従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって表われてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、またはネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の指令を含む。
【0151】
以上は、本出願の実施例による方法、装置(システム)及びデバイスプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して本出願の各方面を記述した。理解すべきことは、フローチャート及び/又はブロック図の各ブロックとフローチャート及び/又はブロック図の各ブロックの組み合わせは、プログラム又は指令によって実現されてもよい。これらのプログラム又は指令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されるこれらのプログラム又は指令がフローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックで指定される機能/動作を実現させるマシンを生じさせてもよい。このようなプロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特定用途のプロセッサ、又はフィールドプログラマブル論理回路であってもよいが、それらに限らない。さらに理解できるように、ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロックとブロック図及び/又はフローチャートのブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアによって実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ指令の組み合わせによって実現されてもよい。
【0152】
以上は、添付図面を参照しながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上述した具体的な実施の形態に限られるものではない。上述した具体的な実施の形態は例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆を基にして、本出願の趣旨と請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式の変更を行うことができ、それらは、いずれも本出願の請求範囲に入っている。