(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】低電圧送電システム、DCDCコンバータ、制御方法、デバイス及び媒体
(51)【国際特許分類】
B60L 58/10 20190101AFI20240312BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240312BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20240312BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240312BHJP
B60L 1/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B60L58/10
H02J7/00 P
H02J7/00 Q
H02M3/28 B
H02M3/28 H
B60L3/00 S
B60L1/00 L
(21)【出願番号】P 2022542169
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2021081298
(87)【国際公開番号】W WO2022001198
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】202010615440.3
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】王瀟
(72)【発明者】
【氏名】但志敏
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110861530(CN,A)
【文献】国際公開第2011/099116(WO,A1)
【文献】特開2018-113814(JP,A)
【文献】特開2019-170147(JP,A)
【文献】特開2017-093226(JP,A)
【文献】国際公開第2012/053084(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110641284(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 58/10
H02J 7/00
H02M 3/28
B60L 3/00
B60L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流DCDCコンバータに適用される制御方法であって、
充電信号を取得することと、
車両起動信号を取得することと、
イネーブル信号を取得することと、
前記充電信号、前記車両起動信号及び前記イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつ電池管理システムBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定することと、
スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件で、セルフウェイクアップを行い、かつ前記BMSに前記BMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力することと、
を含み、
前記通信メッセージは、前記DCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージと前記DCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージとを含み、
前記充電信号がローレベルであり、前記車両起動信号がハイレベルであり、かつ前記第1の通信メッセージが受信された場合、又は前記充電信号がローレベルであり、前記車両起動信号及び前記イネーブル信号がハイレベルであり、かつ前記通信メッセージが受信されていない場合、車両が走行状態にあると判定することと、
前記車両が走行状態にあると判定した場合、
目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて
その電圧強度値が判定されると共に、前記目標電力消費モジュールへ電力を供給するように構成された第3の電気エネルギー信号を出力すること
とを更に含
み、
低電圧給電電源と前記DCDCコンバータとの低電圧給電回路が遮断された場合、前記DCDCコンバータは、前記第3の電気エネルギー信号により前記目標電力消費モジュールに電力を供給し、前記目標電力消費モジュールは、低電圧電力消費デバイスを含み、前記低電圧電力消費デバイスは、前記BMSを含み、
前記低電圧給電回路がオンになる場合、前記低電圧給電電源の出力電圧が前記DCDCコンバータの出力電圧より大きければ、前記目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、前記第3の電気エネルギー信号の電圧強度値はゼロに等しく、
前記低電圧給電電源の出力電圧が前記DCDCコンバータの出力電圧以下であれば、前記DCDCコンバータは前記第3の電気エネルギー信号により前記目標電力消費モジュールに電力を供給し、前記目標電力消費モジュールは前記低電圧給電電源と前記低電圧電力消費デバイスとを含む制御方法。
【請求項2】
前記スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件で、セルフウェイクアップした後、
前記BMSに電力を供給するための第1の電気エネルギー信号を出力することを更に含む請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記充電信号がハイレベルである条件で、前記第1の通信メッセージを受信した場合、又は、前記通信メッセージを受信していない場合、車両が充電状態にあると判定することを更に含み、前記通信メッセージを受信していないことは第1の通信メッセージが受信されていないとともに第2の通信メッセージが受信されていないことを示す、請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記車両が充電状態にあると判定した後、
目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて判定された第2の電気エネルギー信号を出力することを更に含み、
低電圧給電電源と前記DCDCコンバータとの低電圧給電回路が遮断された場合、前記DCDCコンバータは、前記第2の電気エネルギー信号により前記目標電力消費モジュールに電力を供給し、前記目標電力消費モジュールは、低電圧電力消費デバイスを含み、前記低電圧電力消費デバイスは、前記BMSを含み、
前記低電圧給電回路がオンになる場合、前記低電圧給電電源の出力電圧が前記DCDCコンバータの出力電圧より大きければ、前記目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、前記第2の電気エネルギー信号はゼロに等しく、
前記低電圧給電電源の出力電圧が前記DCDCコンバータの出力電圧以下であれば、前記DCDCコンバータは、前記第2の電気エネルギー信号により前記目標電力消費モジュールに電力を供給し、前記目標電力消費モジュールは、前記低電圧給電電源と前記低電圧電力消費デバイスとを含む請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記第1の通信メッセージを受信し、かつ前記充電信号及び前記車両起動信号がいずれもハイレベルである場合、又は前記第2の通信メッセージを受信した条件で、車両が待機状態にあると判定することを更に含む請求項1~
4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記第1の通信メッセージを受信し、かつ前記充電信号及び前記車両起動信号がローレベルである場合、車両がスリープモードに入るのを待っていることを表す目標状態にあると判定することを更に含む請求項1~
5のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記BMSから送信された通信メッセージが受信されておらず、前記充電信号及び前記車両起動信号がローレベルであり、及び前記イネーブル信号がハイレベルである場合、車両が故障状態にあると判定することを更に含む請求項1~
6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号を取得するためのパラメータ取得モジュールと、
前記充電信号、前記車両起動信号及び前記イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつ電池管理システムBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定するための制御モジュールと、
スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件下でセルフウェイクアップを行い、かつ前記BMSに前記BMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力するセルフウェイクアップモジュールと、
を含み、
前記通信メッセージは、前記DCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージと前記DCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージとを含み、
前記充電信号がローレベルであり、前記車両起動信号がハイレベルであり、かつ前記第1の通信メッセージが受信された場合、又は前記充電信号がローレベルであり、前記車両起動信号及び前記イネーブル信号がハイレベルであり、かつ前記通信メッセージが受信されていない場合、車両が走行状態にあると判定する状態判定モジュールと、
前記車両が走行状態にあると判定した場合、目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて
その電圧強度値が判定されると共に、前記目標電力消費モジュールへ電力を供給するように構成された第3の電気エネルギー信号を出力するための第3の出力モジュールと、を更に含み、
低電圧給電電源と前記DCDCコンバータとの低電圧給電回路が遮断された場合、前記DCDCコンバータは、前記第3の電気エネルギー信号により前記目標電力消費モジュールに電力を供給し、前記目標電力消費モジュールは、低電圧電力消費デバイスを含み、前記低電圧電力消費デバイスは、前記BMSを含み、
前記低電圧給電回路がオンになる場合、前記低電圧給電電源の出力電圧が前記DCDCコンバータの出力電圧より大きければ、前記目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、前記第3の電気エネルギー信号の電圧強度値はゼロに等しく、
前記低電圧給電電源の出力電圧が前記DCDCコンバータの出力電圧以下であれば、前記DCDCコンバータは前記第3の電気エネルギー信号により前記目標電力消費モジュールに電力を供給し、前記目標電力消費モジュールは前記低電圧給電電源と前記低電圧電力消費デバイスとを含むDCDCコンバータ。
【請求項9】
位相シフトフルブリッジユニットを含む請求項
8に記載のDCDCコンバータ。
【請求項10】
電池管理システム、及び請求項
8又は請求項
9に記載のDCDCコンバータを含む低電圧送電システム。
【請求項11】
低電圧給電回路によりそれぞれ前記DCDCコンバータ及び前記電池管理システムに接続された低電圧給電電源を更に含む請求項
10に記載の低電圧送電システム。
【請求項12】
前記電池管理システムから電池パックの状態パラメータを取得し、かつ前記電池パックの状態パラメータを遠隔監視プラットフォームに送信するための状態パラメータ伝送装置を更に含む請求項
11に記載の低電圧送電システム。
【請求項13】
プログラムを記憶するためのメモリと、
前記メモリに記憶された前記プログラムを実行することにより、請求項1~
7のいずれか一項に記載のDCDCコンバータの制御方法を実行するプロセッサと、
を含むDCDCコンバータの制御デバイス。
【請求項14】
コンピュータプログラム指令が記憶され、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサにより実行される場合に請求項1~
7のいずれか一項に記載のDCDCコンバータの制御方法を実現するコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年6月30日に提出された名称が「低電圧送電システム、DCDCコンバータ、制御方法、デバイス及び媒体」である中国特許出願201010615440.3の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に低電圧送電システム、DCDCコンバータ及び制御方法、デバイス及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギーの発展に伴い、ますます多くの分野で新エネルギーを動力とする。エネルギー密度が高く、循環充電可能であり、安全で環境にやさしいなどの利点を有するため、電池は、新エネルギー自動車、消費電子、エネルギー蓄積システムなどの分野に広く適用される。
【0004】
新エネルギーの発展に伴い、電池の安全問題も徐々に公衆の注意を引き起こす。しかしながら、現段階では、車両全体がパワーオフされた後に電池パックを監視することができず、それにより車両のパワーオフ後の安全性を保証することができない。特に、電池の発火、爆発等の安全性の問題をタイムリーに予防することができない。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例の提供する低電圧送電システム、DCDCコンバータ及び制御方法、デバイス及び媒体は、電池の安全性を向上させることができる。
【0006】
第1の態様において、本願の実施例は、直流DCDCコンバータに適用される制御方法を提供し、該制御方法は、
充電信号を取得することと、
車両起動信号を取得することと、
イネーブル信号を取得することと、
充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつ電池管理システムBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定することと、
スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件で、セルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力することと、を含む。
【0007】
本願の実施例におけるDCDCコンバータの制御方法によれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあると判定し、かつスリープモードに入り、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。したがって、DCDCコンバータを利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視し、それにより車両がパワーオフされた後も電池管理システムを利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パックの安全性を向上させることができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件で、セルフウェイクアップした後、方法は、
BMSに電力を供給するための第1の電気エネルギー信号を出力することを更に含む。
【0009】
本願の実施例において、DCDCコンバータは、セルフウェイクアップした後、第1の電気エネルギー信号によりBMSに電力を供給することができ、それによりBMSが動作モードを行うことをサポートすることができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、通信メッセージは、DCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージとDCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージとを含み、方法は、
充電信号がハイレベルである条件で、第1の通信メッセージを受信した場合、又は、通信メッセージを受信していない場合、車両が充電状態にあると判定することを更に含む。
【0011】
本実施例により、通信メッセージに基づいて、車両が充電状態にあると正確に判断することができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、車両が充電状態にあると判定した後、方法は更に、
目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて判定された第2の電気エネルギー信号を出力することを含み、
低電圧給電電源とDCDCコンバータとの低電圧給電回路が遮断された場合、DCDCコンバータは、第2の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは、低電圧電力消費デバイスを含み、低電圧電力消費デバイスは、BMSを含み、
低電圧給電回路がオンになる場合、低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧より大きければ、目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、第2の電気エネルギー信号はゼロに等しく、
低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧以下であれば、DCDCコンバータは、第2の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは、低電圧給電電源と低電圧電力消費デバイスとを含む。
【0013】
本実施例により、車両が充電状態にある場合、低電圧給電回路のオン状態、及び低電圧給電電源とDCDCコンバータの出力電圧の高低に基づいて、目標電力消費モジュールに電力を供給することができる。それにより制御ポリシーの柔軟性を向上させることができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、通信メッセージは、DCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージとDCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージとを含み、方法は、
充電信号がローレベルであり、車両起動信号がハイレベルであり、かつ第1の通信メッセージが受信された場合、又は充電信号がローレベルであり、車両起動信号及びイネーブル信号がハイレベルであり、かつ通信メッセージが受信されていない場合、車両が走行状態にあると判定することを更に含む。
【0015】
本実施例により、充電信号、車両起動信号及び第1の通信メッセージに基づいて車両状態を正確に判断することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、車両が走行状態にあると判定した後、方法は、
目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて判定された第3の電気エネルギー信号を出力することを更に含み、
低電圧給電電源とDCDCコンバータの低電圧給電回路とが遮断された場合、DCDCコンバータは、第3の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは、低電圧電力消費デバイスを含み、低電圧電力消費デバイスは、BMSを含み、
低電圧給電回路がオンになる場合、低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧より大きければ、目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、第3の電気エネルギー信号はゼロに等しく、
低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧以下であれば、DCDCコンバータは第3の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは低電圧給電電源と低電圧電力消費デバイスとを含む。
【0017】
本実施例により、車両が走行状態にある場合、低電圧給電回路のオン状態、及び低電圧給電電源とDCDCコンバータの出力電圧の高低に基づいて、目標電力消費モジュールに電力を供給することができる。それにより制御ポリシーの柔軟性を向上させることができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、通信メッセージは、DCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージとDCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージとを含み、方法は、
第1の通信メッセージを受信し、かつ充電信号及び車両起動信号がいずれもハイレベルである場合、又は第2の通信メッセージを受信した条件で、車両が待機状態にあると判定することを更に含む。
【0019】
本実施例により、通信メッセージ、充電信号及び車両起動信号に基づいて車両が待機状態にあるか否かを正確に判定することができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、通信メッセージは、DCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージとDCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージとを含み、方法は、
第1の通信メッセージを受信し、かつ充電信号及び車両起動信号がローレベルである場合、車両がスリープモードに入るのを待っていることを表す目標状態にあると判定することを更に含む。
【0021】
本実施例により、通信メッセージに基づいて車両が目標状態にあるか否かを正確に判定することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、BMSから送信された通信メッセージが受信されておらず、充電信号及び車両起動信号がローレベルであり、及びイネーブル信号がハイレベルである場合、車両が故障状態にあると判定する。
【0023】
本実施例により、通信メッセージ、充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号に基づいて車両が故障状態にあるか否かを正確に判定することができる。
【0024】
第2の態様において、本願の実施例は、
充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号を取得するためのパラメータ取得モジュールと、
充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつ電池管理システムBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定するための制御モジュールと、
スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件下でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力するセルフウェイクアップモジュールと、を含むDCDCコンバータを提供する。
【0025】
本願の実施例におけるDCDCコンバータによれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定し、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。したがって、DCDCコンバータを利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視し、それにより車両がパワーオフされた後も電池管理システムを利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パックの安全性を向上させることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、DCDCコンバータは、位相シフトフルブリッジユニットを含む。
【0027】
本実施例の位相シフトフルブリッジユニットにより、DCDCコンバータの変換効率を向上させることができる。
【0028】
第3の態様において、本願の実施例は、
電池管理システム、及び第2の態様又は第2の態様のいずれか一つの実施形態の提供するDCDCコンバータを含む低電圧送電システムを提供する。
【0029】
本願の実施例における低電圧送電システムによれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定し、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。したがって、DCDCコンバータを利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視し、それにより車両がパワーオフされた後も電池管理システムを利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パックの安全性を向上させることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、低電圧送電システムは、低電圧給電回路によりそれぞれDCDCコンバータ及び電池管理システムに接続される低電圧給電電源を更に含む。
【0031】
本実施例において、低電圧給電電源を設置することにより、より柔軟な電力消費ポリシーを実現することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、低電圧送電システムは、更に、電池管理システムから電池パックの状態パラメータを取得し、かつ電池パックの状態パラメータを遠隔監視プラットフォームに送信する状態パラメータ伝送装置を含む。
【0033】
本実施例によれば、状態パラメータ伝送装置により電池パックの状態パラメータを遠隔監視プラットフォームに送信することができ、それにより関連作業者が遠隔監視プラットフォームを介して電池の状態パラメータを監視しやすい。
【0034】
第4の態様において、プログラムを記憶するためのメモリと、前記メモリに記憶された前記プログラムを実行することにより、第1の態様又は第1の態様のいずれか一つの実施形態の提供する制御方法を実行するプロセッサと、を含む制御デバイスを提供する。
【0035】
本願の実施例における制御デバイスによれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定し、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。したがって、DCDCコンバータを利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視し、それにより車両がパワーオフされた後も電池管理システムを利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パックの安全性を向上させることができる。
【0036】
第5の態様は、コンピュータプログラム指令が記憶され、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサにより実行される時に第1の態様又は第1の態様のいずれか一つの実施形態の提供する制御方法を実現するコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0037】
本願の実施例における媒体によれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定し、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。したがって、DCDCコンバータを利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視し、それにより車両がパワーオフされた後も電池管理システムを利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パックの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明された図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、更に図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本願の実施例の提供する低電圧送電システムの構造概略図である。
【
図2】本願の実施例の提供する制御方法のフローチャートである。
【
図3】本願の実施例の提供する例示的な制御方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例の提供するDCDCコンバータの構造概略図である。
【
図5】本願の実施例の提供する例示的な位相シフトフルブリッジユニットの構造概略図である。
【
図6】本願の実施例における制御デバイスのハードウェアアーキテクチャの例示的な構成図である。 図面において、図面は実際の比率に応じて描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に図面及び実施例を参照して、本願を更に詳しく説明する。理解すべきことは、ここで説明された具体的な実施例は本願を説明するように構成されるだけであり、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願はこれらの具体的な細部のうちのいくつかの細部を必要とせずに実施することができる。以下に実施例の説明は本願の例示を示すことにより本願をよりよく理解するためのものである。
【0040】
説明すべきものとして、本明細書において、第1及び第2などのような関係用語は一つの実体又は操作を他の実体又は操作と差別化するために用いられ、必ずしもこれらの実体又は操作の間にいかなるこのような実際の関係又は順序が存在することを要求するか又は暗示するものではない。かつ、用語「備える」、「含む」又はその任意の他の変形は非排他的な包含をカバーすることを意図し、それにより一連の要素を含む過程、方法、物品又はデバイスはそれらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されない他の要素を含み、又はこのような過程、方法、物品又はデバイスに固有の要素を含む。より多くの制限がない場合に、語句「……を備える」により限定された要素は、要素を含む過程、方法、物品又はデバイスにおいて他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0041】
電気自動車内の電源は、高電圧電池パックと低電圧給電電源とを含んでもよい。ここで、高電圧電池パックは、少なくとも一つの電池モジュール又は少なくとも一つの電池ユニットを含むことができるが、ここで限定されない。高電圧電池パックは電気自動車の動力源としてモータに電力を供給することができる。低電圧給電電源は車両全体の低電圧電力消費デバイスに12V又は24Vの低電圧電力を提供することができる。例示的には、低電圧給電電源は鉛蓄電池であってもよい。低電圧電力消費デバイスは、車両におけるメータコントローラ、リレー、エアポンプコントローラなどの低電圧で駆動される必要があるデバイスであってもよい。
【0042】
実際の適用過程において、電気自動車は、異なる使用状態、例えば走行状態、充電状態又はパワーオフ状態などにある。走行シーンにおいて、電気自動車は走行状態にある。この時、車両はパワーオン状態に入る必要がある。即ち、車両全体の低電圧電力消費デバイスは通電する必要がある。この場合、低電圧給電電源又は直流(Direct Current-Direct Current、DCDC)コンバータを利用して低電圧電力消費デバイスに電力を供給する必要がある。自動車を充電するシーンにおいて、車両内の低電圧電力消費デバイスがいずれも電力切断されると、自動車はパワーオフ充電状態にある。車両内の低電圧電力消費デバイスが通電状態にあると、自動車はパワーオン充電状態にある。また、静止駐車のシーンにおいて、自動車が安定しかつ車両内の全ての低電圧電力消費デバイスが電力切断された後、自動車は車両のパワーオフ状態にある。
【0043】
現段階において、車両がパワーオン状態にある時、電池管理システムを利用して電池パックの状態を監視することができる。車両がパワーオフされた後、電池管理システムも電力切断され、電池パックの状態を監視することができない。この時に電池パックの状態に異常が発生すると、タイムリーに発見及び処置が不可能であるため、電池パックの安全性を保証することができない。
【0044】
したがって、車両がパワーオフされた時に電池管理システム(Battery Management System、BMS)をウェイクアップして動作モードに切り替えることができ、それにより電池の安全性を保証する技術的解決手段が不足している。
【0045】
図1は、本願の実施例の提供する低電圧送電システムの構造概略図である。
図1に示すように、低電圧送電システム10は、DCDCコンバータ11及び電池管理システム12を含む。
【0046】
DCDCコンバータ11に対して、DCDCコンバータ11は、電池パック20の高電圧電力を低電圧電力に変換し、かつ変換して得られた低電圧電力を目標低電圧電力消費デバイスに出力することができる。
【0047】
目標車両がパワーオフ状態にある場合、DCDCコンバータ11はタイマーによりセルフウェイクアップを行い、かつBMS12をウェイクアップすることができる。それにより、目標車両がパワーオフ状態にある時に、電池管理システム12を利用して電池パック20を監視することができる。例示的には、DCDCコンバータ11はタイマーを含み、タイマーによりプリセット時間に達したと判定すると、DCDCコンバータ11はセルフウェイクアップし、かつセルフウェイクアップした後にBMS12にウェイクアップ信号を送信して、BMS12に電力を供給するための低電圧電力を出力する。
【0048】
BMS12に対して、BMS12は、電池パック20に対する監視機能を実現することができる。例えば、電池パック20における単セルの温度、単セルの電圧などの電池パック状態データを収集し、かつ電池パック状態データに基づいて電池パック20の状態が異常であるか否かを判断する。また、BMS12は更にDCDCコンバータ11を制御する機能を実現することができる。
【0049】
なお、BMS12は、具体的にドメインコントローラとして実現することができる。ここで、ドメインコントローラとは、車両コントローラ(Vehicle control unit、VCU)機能、モータコントローラ(Motor Control Unit、MCU)機能及び電池管理システム(Battery Management System、BMS)機能を統合した電子部品を指す。ドメインコントローラは更に他のモジュールの機能を集合することができるが、これらに限定されない。
【0050】
いくつかの実施例において、引き続き
図1を参照し、低電圧送電システム10は更に低電圧給電電源13を含むことができる。例示的には、低電圧給電電源13は鉛蓄電池等の12V又は24Vの電圧を出力することができる給電装置であってもよいが、これらに具体的に限定されない。
【0051】
一例では、低電圧給電電源13の位置する低電圧給電回路に、更に第1のスイッチモジュール14が設置される。第1のスイッチモジュール14がオンになる時、低電圧給電電源13と各低電圧電力消費モジュールとの間の低電圧給電回路をオンにすることで、低電圧給電電源13は各低電圧電力消費モジュールに給電することができる。同時に、低電圧給電電源13とDCDCコンバータ11との間の低電圧給電回路をオンにすることで、DCDCコンバータ11は低電圧給電電源13に電力を補充することができる。一例において、第1のスイッチモジュール14は具体的に手動スイッチとして実現することができる。
【0052】
説明すべきものとして、第1のスイッチモジュール14の位置は実際の需要又は具体的な動作シーンに基づいて低電圧給電回路の他の位置に設置することができ、例えば、DCDCコンバータ11のある給電回路に設置することができるが、これらに限定されない。
【0053】
いくつかの実施例において、引き続き
図1を参照し、低電圧送電システム10は更に状態パラメータ伝送装置15を含むことができる。電池管理システム12は、電池パック20の状態パラメータを取得した後、状態パラメータ伝送装置15により電池パック20の状態パラメータを遠隔監視端末に伝送することができる。ここで、電池パック20の状態パラメータは電池パック20の電気的特性状態を表すために用いられる。例えば、電池パック20における各単セルの電圧パラメータ及び/又は電池パック20における各単セルの温度パラメータ等であってもよい。例示的には、状態パラメータ伝送装置15と遠隔監視端末との間は無線通信を行うことができ、例えば、グローバル移動通信システム(Global System for Mobile Communications、GSM)ネットワーク、第4の世代移動通信技術(the 4th generation mobile communication technology、4G)などのデータ伝送ネットワーク又はワイヤレスフィディリティー(Wireless Fidelity、Wi-Fi)などの無線ローカルエリアネットワークを利用して伝送するが、これらに具体的に限定されない。
【0054】
いくつかの実施例において、低電圧送電システム10は、更に低電圧給電回路に設置された第2のスイッチモジュール16を含むことができる。具体的には、第2のスイッチモジュール16は、低電圧正極輸送ラインに設置されてもよい。第2のスイッチモジュール16の位置は具体的なシーン及び実際の需要に応じて設定することができるが、これらに限定されない。例示的に、
図1に示すように、各低電圧電力消費デバイスの低電圧給電ブランチ回路がいずれも一つの低電圧給電メイン回路に接続されると、第2のスイッチモジュール16を該低電圧給電メイン回路に設置することができる。第2のスイッチモジュール16がオンにされた時、各低電圧電力消費デバイスに電力を供給することができる。
【0055】
また、該低電圧給電ブランチ回路は、DCDCコンバータ11と低電圧給電電源13との間の低電圧給電回路に接続することができる。この低電圧給電ブランチ回路がDCDCコンバータ11と低電圧給電電源13との間の低電圧給電回路に接続される接続点を第1の接続点と称する。第1のスイッチモジュール14は、第1の接続点と低電圧給電電源13との間に設けられている。したがって、目標自動車がパワーオフ状態にある場合、第2のスイッチモジュール16をオンにするように選択して各低電圧電力消費モジュールに電力を供給することができ、第1のスイッチモジュール14をオンにするように選択して低電圧給電電源13に電力を補充することができる。それにより低電圧送電システム10全体の柔軟性を向上させることができる。
【0056】
また、第2のスイッチモジュール16は、車両コントローラ31の制御でオン又はオフすることができる。例示的には、車両コントローラ31のイネーブル端は制御信号を出力し、該制御信号は第2のスイッチモジュール16を制御するために用いられる。
【0057】
本願の実施例の提供する低電圧送電システム10は、DCDCコンバータ11を設置するだけでパワーオフ状態にある自動車の電池パック状態を監視することができ、かつ電源分配モジュールを設置する必要がない。電池パックの安全性を保証すると同時に、低電圧送電システムのトポロジー構造及び接続関係を簡略化し、低電圧送電システムのワイヤーハーネスの使用を減少させることができる。
【0058】
低電圧送電システム10を説明した後、本願の実施例の下記部分で、DCDCコンバータ11を具体的に説明する。DCDCコンバータ11を十分に理解するために、以下に図面を参照して、本願の実施例に係る制御方法、装置、デバイス及び媒体を詳細に説明する。注意すべきことは、これらの実施例は本願の開示する範囲を限定するものではない。
【0059】
図2は、本願の実施例の提供する制御方法のフローチャートである。
図2に示すように、本実施例における制御方法200は、以下のステップを含むことができる。
【0060】
S210では、充電信号を取得する。
【0061】
ここで、充電信号は車両が充電しているか否かを表すために用いられる。例えば、上記充電ウェイクアップ信号は、A+信号と呼ばれる。具体的には、充電ガンなどの外部充電電源が12V又は24Vの低電圧信号を入力すると、充電信号は、ハイレベルであり、そうでなければ充電信号は、ローレベルである。
【0062】
S220では、車両起動信号を取得する。
【0063】
ここで、車両起動信号は、車両がパワーオンされたか否かを表すために用いられる。車両起動信号がハイレベルであれば、車両がパワーオンされたことを確認する。逆に、車両起動信号がローレベルであれば、車両がパワーオンされていないことを確認する。例示的には、目標車両のイグニッションスイッチの位置するレンジに基づいて車両起動信号を判定することができる。例えば、目標車両のイグニッションスイッチがkey onレンジに切り替えられると、車両起動信号はハイレベルである。そうでなければ、車両起動信号はローレベルである。したがって、車両起動信号はkey on信号と呼ばれる。
【0064】
S230では、イネーブル信号を取得する。
【0065】
ここで、イネーブル信号は、BMSにより送信された信号であってもよい。イネーブル信号は、ENABLE信号と呼ばれ、イネーブル信号がハイレベルであれば、DCDCコンバータの出力を許可することを表す。いくつかの実施例において、DCDCコンバータ11のイネーブルENABLEポートによりイネーブル信号を受信することができる。
【0066】
また、BMS12は、DCDCコンバータ11にイネーブル信号を送信する以外に、BMS12とDCDCコンバータ11との間の通信ラインを介して通信することができる。該通信ラインは、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)バス、又はシリアルポート通信ラインを含む。又は、無線通信ラインであってもよいが、これらに具体的に限定されない。両者の間の通信ラインがCANバスであることを例とすると、BMS12は、DCDCコンバータ11にCANメッセージを送信することができる。
【0067】
具体的に、通常では、CANメッセージが示す情報は、ENABLE信号が示す情報と一致する必要がある。例示的に、CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示す場合、ENABLE信号はハイレベル信号であってもよく、CANメッセージがDCDCコンバータの出力を禁止することを示す場合、ENABLE信号はローレベル信号であってもよい。一例において、両者が示す情報が一致しない場合、CANメッセージをメインメッセージとし、かつ故障を報告することができる。CANメッセージが受信されていない場合、即ちCANLOSSである場合、ENABLE信号でBMS12の指令を判定することができる。
【0068】
説明すべきものとして、本願の実施例は、S210、S220、S230の三者の実行順序を限定せず、三者は同期して実行するか、又は非同期で実行することができる。
【0069】
S240では、充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMS12から送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定する。
【0070】
S250では、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件で、セルフウェイクアップを行い、かつBMS12にBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。
【0071】
即ち、車両全体がスリープモードにありかつスリープモードの持続時間がプリセット時間に達した場合、DCDCコンバータ11はセルフウェイクアップし、かつBMS12をウェイクアップする。ここで、タイマーによりスリープモードの持続時間がプリセット時間に達したことを判定できる。
【0072】
プリセット時間について、いくつかの実施例において、プリセット時間はBMS12により具体的な動作シーン及び動作需要に応じて設定することができる。それに応じて、更にBMS12から送信されたプリセット時間を表す時間情報を受信することができる。また、受信された時間情報に基づいてプリセット時間を調整することができる。
【0073】
いくつかの実施例において、BMS12が目標車両がパワーオフ状態にあることにより持続的なパワーオフモードにあると、目標車両がパワーオフ状態にある場合、BMS12が電池パック状態パラメータをリアルタイムに監視することができないため、電池パック20の安全性に影響を与える可能性がある。したがって、電池パック20の安全性を保証するために、目標車両がパワーオフ状態にある場合、DCDCコンバータ11を周期的にセルフウェイクアップし、それによりBMS12を周期的にウェイクアップすることができる。この時、BMS12は一定の時間ウェイクアップされた後に、再び動作モードからパワーオフモードに入る。
【0074】
例示的には、DCDCコンバータ11が周期的にセルフウェイクアップされることを実現するために、DCDCコンバータ11は、BMS12にウェイクアップ信号を出力した後、既存のタイミング時間をクリアしてタイミングを再開することができる。この時、プリセット時間は、BMS12が一回ウェイクアップされた時間より大きい必要がある。又は、BMS12は改めてパワーオフモードに入った後、DCDCコンバータ11にパワーオフ提示信号を送信し、DCDCコンバータ11は該パワーオフ提示信号を受信した後、既存のタイミング時間をクリアしてタイミングを再開することができる。
【0075】
次に、ウェイクアップ信号に対して、ウェイクアップ信号は通信ラインを介して送信することができる。例示的には、ウェイクアップ信号はCANメッセージにロードされてもよい。
【0076】
また、説明すべきこととして、BMS12は、動作モードに入った後に、電池パック20の状態パラメータを監視することができる。ここで、電池パック20の状態パラメータは電池パックの状態特性を表すために用いられる。例えば、電池パック20における各単セルの電圧パラメータ及び/又は電池パック20における各単セルの温度パラメータ、電池パックの圧力パラメータ、電池パック内の煙パラメータ等であってもよいが、これらに具体的に限定されない。
【0077】
いくつかの実施例において、BMS12がウェイクアップされる前に通電されないので、BMS12を正常にウェイクアップするために、BMS12をウェイクアップすると同時にそれに対し低電圧電力を供給する必要がある。
【0078】
それに応じて、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達したことを満たす条件でセルフウェイクアップした後、この方法は、更に、第1の電気エネルギー信号を出力することを含み、第1の電気エネルギー信号はBMS12に電力を供給するために用いられる。例示的には、DCDCコンバータ11は低電力出力モードにあることができる。例えば、第1の電気エネルギー信号は出力電力であってもよく、かつ第1の電気エネルギー信号の値は300Wに等しくてもよい。
【0079】
本願の実施例における低電圧送電システム、DCDCコンバータ及び制御方法、デバイス及び媒体によれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMS12から送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定し、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMS12にBMS12を動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力することができる。したがって、DCDCコンバータ11を利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視することができ、それにより車両がパワーオフされた後もBMS12を利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パック20の安全性を向上させることができる。
【0080】
本願の実施例において、上記4つの信号を利用してパワーオフ状態を判定できる以外に、更に充電状態を判定することができる。以下に、充電状態について具体的に説明する。
【0081】
充電状態について
【0082】
いくつかの実施例において、通信メッセージがDCDCコンバータの出力を許可する第1の通信メッセージ及びDCDCコンバータの出力を禁止する第2の通信メッセージを含む場合、この方法200は更に以下のことを含む。
【0083】
充電信号がハイレベルである条件で、第1の通信メッセージが受信されるか又は通信メッセージが受信されていないと、車両が充電状態にあると判定する。ここで、通信メッセージが受信されていないことは第1の通信メッセージが受信されていないとともに第2の通信メッセージが受信されていないことを示す。
【0084】
例示的には、表1に列挙された8種類の状況で、車両が充電状態にあると判定することができる。
【0085】
【0086】
表1に示すように、(1)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示し、A+信号、KEY ON信号、ENABLE信号がいずれもハイレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(2)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示し、A+信号及びKEY ON信号がハイレベルであり、ENABLE信号がローレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(3)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示し、A+信号とENABLE信号がハイレベルであり、KEY ON信号がローレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(4)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示し、A+信号がハイレベルであり、KEY ON信号とENABLE信号がローレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(5)CANメッセージが受信されておらず、即ちCANLOSSであり、A+信号、KEY ON信号、ENABLE信号がいずれもハイレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(6)CANLOSSで、A+信号及びKEY ON信号がハイレベルであり、ENABLE信号がローレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(7)CANLOSSで、A+信号及びENABLE信号がハイレベルであり、KEY ON信号がローレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。(8)CANLOSSで、A+信号がハイレベルであり、KEY ON信号とENABLE信号がローレベルである場合に、車両が充電状態にあると判定する。
【0087】
いくつかの実施例において、充電状態で、DCDCコンバータ11は更に第2の電気エネルギー信号を出力することができる。それに応じて、車両が充電状態にあると判定した後、方法200は更に、第2の電気エネルギー信号を出力することを含む。
【0088】
ここで、第2の電気エネルギー信号は、目標電力消費モジュールの電力消費量に基づいて決定される。例示的には、DCDCコンバータ11は固定電圧を出力することができ、例えば固定電圧の電圧強度値は27Vであってもよいが、第2の電気エネルギー信号の電圧強度値は0-3KWの範囲内にあってもよい。
【0089】
具体的には、第2の電気エネルギー信号に対して3種類の状況に分けられる。
【0090】
(1)低電圧給電電源13とDCDCコンバータ11との低電圧給電回路が遮断されている場合。例示的には、
図1を参照すると、第1のスイッチモジュール14がオフされた具体的な状況であってもよい。このとき、DCDCコンバータ11は低電圧電力消費デバイスに電力を供給する必要がある。ここで、低電圧電力消費デバイスはBMS12を含む。例示的に、第2の電気エネルギー信号の電圧強度値は300W-3KWの範囲内で変化することができる。
【0091】
(2)上記低電圧給電回路がオンになり、かつ低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータ11の出力電圧以下である場合、DCDCコンバータ11は低電圧給電電源13と低電圧電力消費デバイスに電力を供給する必要がある。このとき、目標電力消費モジュールは低電圧給電電源13及び低電圧電力消費デバイスを含む。
【0092】
(3)上記低電圧給電回路がオンになり、かつ低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータ11の出力電圧より大きい場合、この時に低電圧給電電源13により目標電力消費モジュールの電力需要を満たし、即ち低電圧給電電源が目標電力消費モジュールに給電し、この時に目標電力消費モジュールのDCDCコンバータ11に対する電力消費需要量がゼロであり、第2の電気エネルギー信号の電圧強度値がゼロである。
【0093】
本願の実施例において、上記4つの信号を利用してパワーオフ状態を判定する以外に、更に走行状態を判定することができる。以下、走行状態について具体的に説明する。
【0094】
走行状態について
【0095】
いくつかの実施例において、方法200は更に以下のことを含む。
【0096】
充電信号がローレベルであり、車両起動信号がハイレベルであり、かつ第1の通信メッセージが受信された場合、車両が走行状態にあると判定する。
【0097】
又は、充電信号がローレベルであり、車両起動信号及びイネーブル信号がハイレベルであり、かつ通信メッセージが受信されていない場合に、車両が走行状態にあると判定する。
【0098】
例示的には、表2に示される3種類の状況で、車両が走行状態にあると判定することができる。
【0099】
【0100】
表2に示すように、(1)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示し、A+信号がローレベルであり、KEY ON信号、ENABLE信号がいずれもハイレベルである場合に、車両が走行状態にあると判定する。(2)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を許可することを示し、A+信号及びENABLE信号がローレベルであり、KEY ON信号がハイレベルである場合に、車両が走行状態にあると判定する。(3)CANLOSSで、A+信号がローレベルであり、KEY ON信号及びENABLE信号がハイレベルである場合に、車両が走行状態にあると判定する。
【0101】
いくつかの実施例において、車両が走行状態にあると判定した後、方法200は更に以下のことを含む。
【0102】
第3の電気エネルギー信号を出力する。ここで、第3の電気エネルギー信号の内容は第2の電気エネルギー信号の内容と類似し、ここでは説明を省略する。
【0103】
本願の実施例において、上記4つの信号を利用してパワーオフ状態を判定できる以外に、更に待機状態を判定することができる。以下、待機状態について具体的に説明する。
【0104】
待機状態について
【0105】
いくつかの実施例において、方法200は更に以下のことを含む。
【0106】
第1の通信メッセージが受信され、かつ充電信号及び車両起動信号がいずれもハイレベルである場合、車両が待機状態にあると判定する。
【0107】
又は、第2の通信メッセージが受信された条件で、車両が待機状態にあると判定する。
【0108】
例示的には、表3に示す2種類の状況で、車両が待機状態にあると判定することができる。
【0109】
【0110】
表3に示すように、(1)CANメッセージがDCDCコンバータ11の出力を禁止することを示す場合、A+信号、KEY ON信号、ENABLE信号の高低にかかわらず、車両が待機状態にあると判定することができる。(2)CANLOSSで、A+信号及びENABLE信号がローレベルであり、KEY ON信号がハイレベルである場合に、車両が待機状態にあると判定する。
【0111】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ11が待機モードにあると、出力電力が0であり、即ち電力出力を行わず、他の状態の判定条件を満たすまで待機モードを終了する。
【0112】
本願の実施例において、上記4つの信号を利用してパワーオフ状態を判定することができる以外に、車両がスリープモードに入る準備ができたことを表す目標状態にあると判定することができる。以下、目標状態について具体的に説明する。
【0113】
目標状態について
【0114】
いくつかの実施例において、方法200は更に以下のことを含む。
【0115】
第1の通信メッセージが受信され、かつ充電信号及び車両起動信号がローレベルである場合、車両がスリープモードに入るのを待っていることを表す目標状態にあると判定する。例示的には、車両が点火しておらず、かつ車両が充電されていない場合、BMS12が完全にパワーオフされないことにより車両がスリープモードに入るのを待っている目標状態にある可能性がある。一例では、スリープモードに入るのを待っている目標状態では、DCDCコンバータ11の出力を停止し、即ちDCDCコンバータ11の出力電圧と出力電力はゼロであってもよい。
【0116】
例示的には、表4に示す2種類の状況で、車両が待機状態にあると判定することができる。
【0117】
【0118】
表4に示すように、CANメッセージがDCDCコンバータの出力を許可することを示し、かつA+信号、KEY ON信号がいずれもローレベルである場合、ENABLE信号の高低に関わらず、いずれも車両が目標状態にあると判定することができる。
【0119】
本願の実施例において、上記4つの信号を利用してパワーオフ状態を判定する以外に、車両が故障状態にあることを判定することができる。以下、故障状態について具体的に説明する。
【0120】
故障状態について
【0121】
いくつかの実施例において、方法200は更に以下のことを含む。
【0122】
BMS12から送信された通信メッセージが受信されておらず、充電信号及び車両起動信号がローレベルであり、及びイネーブル信号がハイレベルである場合に、車両が故障状態にあると判定する。例示的には、故障状態でEnableがハイレベルであるため、DCDCコンバータは、セルフウェイクアップ異常状態にあり、スリープ状態に入ることができず、故障をBMS12に報告し、かつ電力を出力しない。
【0123】
例示的には、表5に示す状況で、車両が故障状態にあると判定することができる。
【0124】
【0125】
表5に示すように、CANLSSで、かつA+信号、KEY ON信号がいずれもローレベルであり、ENABLE信号がハイレベルである場合、いずれも車両が故障状態にあると判定することができる。
【0126】
より十分に理解するために、本願の実施例は、更に例示的な制御方法を提供する。
図3は本願の実施例の提供する例示的な制御方法のフローチャートである。
【0127】
S301では、A+信号がハイレベル信号であるか否かを判断する。判断結果がYESであれば、S302を実行する。判断結果がNOであれば、S303を実行する。
【0128】
S302では、DCDCコンバータ11の出力を禁止することを示す第2のCANメッセージを受信したか否かを判断する。判断結果がYESであれば、車両が待機状態にあると判定する。判断結果がNOであれば、車両が充電状態にあると判定する。
【0129】
S303では、KEY ON信号がハイレベル信号であるか否かを判断する。判断結果がYESであれば、S304を実行する。判断結果がNOであれば、S305又はS306又はS307を実行する。
【0130】
S304では、第1の条件を満たすか否かを判断する。ここで、第1の条件は、ENABLE信号がローレベルであり、かつCANLOSSであり、又は受信された第2のCANメッセージであることを言う。判断結果がYESであれば、車両が待機状態にあると判定する。判断結果がNOであれば、車両が走行状態にあると判定する。
【0131】
S305では、第1のCANメッセージを受信すると、車両が目標状態にあり、即ちパワーオフモードに入るのを待っている状態にあると判定する。
【0132】
S306では、第2のCANメッセージを受信すると、車両が待機状態にあると判定する。
【0133】
S307では、CANメッセージを受信していない場合、即ちCANLOSSである場合、S308を継続して実行する。
【0134】
S308では、ENABLE信号がハイレベル信号であるか否かを判断する。判断結果がYESであれば、車両がパワーオフ状態にあると判定する。判断結果がNOであれば、車両が故障状態にあると判定する。
【0135】
同様の出願構想に基づいて、本願の実施例は、制御方法の他に、それに対応するDCDCコンバータを更に提供する。以下に図面を参照して、本願の実施例に係る装置を詳細に説明する。
【0136】
本願の実施例は、DCDCコンバータを提供する。
図4は、本願の実施例の提供するDCDCコンバータの構造概略図である。
図4に示すように、DCDCコンバータ装置はパラメータ取得モジュール410、制御モジュール420及びセルフウェイクアップモジュール430を含む。
【0137】
パラメータ取得モジュール410は、充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号を取得するために用いられる。
【0138】
制御モジュール420は、充電信号、車両起動信号及びイネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつ電池管理システムBMSから送信された通信メッセージを受信していないと、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定するために用いられる。
【0139】
セルフウェイクアップモジュール430は、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSにBMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力するために用いられる。
【0140】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、BMSに電力を供給するための第1の電気エネルギー信号を出力するための第1の出力モジュールを更に含む。
【0141】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、充電信号がハイレベルである条件で、第1の通信メッセージを受信した場合、又は通信メッセージを受信していない場合、車両が充電状態にあると判定するために用いられる状態判定モジュールを更に含む。
【0142】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて決定された第2の電気エネルギー信号を出力するための第2の出力モジュールを更に含む。
【0143】
低電圧給電電源とDCDCコンバータとの低電圧給電回路が遮断された場合、DCDCコンバータは、第2の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは、低電圧電力消費デバイスを含み、低電圧電力消費デバイスはBMSを含む。
【0144】
低電圧給電回路がオンになる場合、目標電力消費モジュールは低電圧給電電源及び低電圧電力消費デバイスを含み、低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧より大きい場合、目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、第2の電気エネルギー信号はゼロに等しい。
【0145】
低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧以下であれば、DCDCコンバータは第2の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは、低電圧給電電源及び低電圧電力消費デバイスを含む。
【0146】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、充電信号がローレベルであり、車両起動信号がハイレベルであり、かつ第1の通信メッセージを受信した場合、又は、充電信号がローレベルであり、車両起動信号及びイネーブル信号がハイレベルであり、かつ通信メッセージを受信していない場合、車両が走行状態にあると判定するために用いられる状態判定モジュールを更に含む。
【0147】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、目標電力消費モジュールの電力消費需要量に基づいて決定された第3の電気エネルギー信号を出力するための第3の出力モジュールを更に含む。ここで、低電圧給電電源とDCDCコンバータとの低電圧給電回路が遮断された場合、DCDCコンバータは第3の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは低電圧電力消費デバイスを含み、低電圧電力消費デバイスはBMSを含む。
【0148】
低電圧給電回路がオンになる場合、目標電力消費モジュールは、低電圧給電電源及び低電圧電力消費デバイスを含み、低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧より小さい場合、目標電力消費モジュールの電力消費需要量はゼロであり、第3の電気エネルギー信号はゼロに等しい。
【0149】
低電圧給電電源の出力電圧がDCDCコンバータの出力電圧以下であれば、DCDCコンバータは第3の電気エネルギー信号により目標電力消費モジュールに電力を供給し、目標電力消費モジュールは、低電圧給電電源及び低電圧電力消費デバイスを含む。
【0150】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、第1の通信メッセージを受信し、かつ充電信号及び車両起動信号がいずれもハイレベルである場合、又は、第2の通信メッセージを受信した条件で、車両が待機状態にあると判定するために用いられる状態判定モジュールを更に含む。
【0151】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、第1の通信メッセージを受信し、かつ充電信号及び車両起動信号がローレベルである場合、車両がスリープモードに入るのを待っていることを表す目標状態にあると判定するために用いられる状態判定モジュールを更に含む。
【0152】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータ装置は、BMSから送信された通信メッセージを受信しておらず、充電信号及び車両起動信号がローレベルであり、及びイネーブル信号がハイレベルである場合、車両が故障状態にあると判定するために用いられる状態判定モジュールを更に含む。
【0153】
いくつかの実施例において、DCDCコンバータは、位相シフトフルブリッジ回路を含む。本願の実施例は、
図5を参照して例示的に位相シフトフルブリッジユニット(Phase-ShiftingFull-BridgeConverter、PSFB)を示す。
【0154】
図5における回路は、本願の実施例の提供するDCDCコントローラのメイン電力トポロジー構造であり、DCDCコントローラの一次側は、位相シフトフルブリッジ(PSFB)を採用し、Q1-4Q4は、4つの炭化珪素金属酸化物半導体電界効果(SiC-Metal-Oxide-Semiconductor、SiC-MOS)スイッチトランジスタであり、その接合容量C1、C2、C3、C4及び変圧器リークインダクタンスCb及び共振インダクタンスLrを共振素子として利用し、4つのSiC-MOSスイッチトランジスタを順にゼロ電圧でオン/オフ(ZVS)することにより、ソフトスイッチを実現する。埋め込みダイオードDc1及び埋め込みダイオードDc2を用いて2次側の電圧発振を抑制し、一つのブロックコンデンサCbを直列接続して高周波変圧器の一次巻線における直流成分を抑制し、2次側は、同期整流技術を採用する全波整流方式であり、DCDCコンバータの変換効率を向上させる。
【0155】
続いて
図5を参照し、Vinは、入力された直流電源であり、D1-D4は4つのスイッチトランジスタの寄生ダイオード又は追加のフリーホイールダイオードであり、Trは位相シフトフルブリッジ電源変圧器であり、Q
s1及びQ
s2はスイッチトランジスタであり、L
fは位相シフトフルブリッジ電源の二次出力フリーホイールインダクタンスであり、C
fは、位相シフトフルブリッジ電源の二次出力コンデンサであり、R
Ldは、位相シフトフルブリッジ電源二次負荷である。
【0156】
本願の実施例におけるDCDCコンバータによれば、充電信号、車両起動信号、イネーブル信号がいずれもローレベルであり、かつBMSから送信された通信メッセージが受信されていない場合、車両がパワーオフ状態にあり、かつスリープモードに入ると判定し、スリープモードの持続時間がプリセット時間に達した条件でセルフウェイクアップを行い、かつBMSに、BMSを動作モードに入らせるようにウェイクアップするためのウェイクアップ信号を出力する。したがって、DCDCコンバータを利用して電池管理システムをウェイクアップして電池パックを監視することができ、それにより車両がパワーオフされた後も電池管理システムを利用して自動車の安全状態を監視することができ、電池パックの安全性を向上させることができる。
【0157】
また、DCDCコンバータ11は、セルフウェイクアップして動作モードに入ることができ、DCDCと電池パックとの間に車両DCDCリレーを設置する必要がなく、回路構成を簡略化する。
【0158】
本願の実施例に係るDCDCコンバータの他の詳細について、以上の
図1~
図3に示す実施例を参照して説明した制御方法と類似し、かつその対応する技術的効果を達成することができ、簡潔に説明するために、ここでは説明を省略する。
図6は本願の実施例の提供する制御デバイスのハードウェア構成図を示す。
【0159】
制御デバイスは、プロセッサ601及びコンピュータプログラム指令を記憶したメモリ602を含むことができる。
【0160】
具体的には、上記プロセッサ601は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、又は特定の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、又は本願の実施例を実施するように構成される一つ又は複数の集積回路を含むことができる。
【0161】
メモリ602は、データや指令に用いられる大容量のメモリを含んでもよい。例えば、メモリ602は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ドライブ又は二つ以上のこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、メモリ602は、取り外し可能又は取り外し不可能(又は固定)の媒体を含むことができ、又はメモリ602は不揮発性固体メモリである。いくつかの実施例において、メモリ602は、制御デバイスの内部又は外部に位置することができる。
【0162】
いくつかの実施例において、メモリ602は、リードオンリーメモリ(Read Only Memory、ROM)であってもよい。一実施例において、当該ROMは、マスクプログラムのROM、プログラム可能なROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的に書き換え可能ROM(EAROM)又はフラッシュメモリ又は二つ以上のこれらの組み合わせであってもよい。
【0163】
メモリ602は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体装置、光記憶媒体装置、フラッシュメモリ装置、電気、光学又は他の物理/有形のメモリ記憶装置を含むことができる。したがって、一般的に、メモリは、コンピュータ実行可能な指令を含むソフトウェアをコードする一つ以上の有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリデバイス)を含み、かつ当該ソフトウェアが実行される(例えば、一つ又は複数のプロセッサにより)場合、それは本開示の一態様に係る方法で説明された操作を操作して実行することができる。
【0164】
プロセッサ601は、メモリ602に記憶されたコンピュータプログラム指令を読み出して実行することにより、
図2~
図3に示される実施例における方法を実現し、かつ
図2~
図3に示される実施例がその方法を実行することで得た技術的効果を達成し、簡潔に説明するためにここで説明を省略する。
【0165】
一例において、制御デバイスは、更に通信インタフェース603及びバス610を含むことができる。ここで、
図6に示すように、プロセッサ601、メモリ602、通信インタフェース603は、バス610により接続されかつ相互間の通信を完了する。
【0166】
通信インタフェース603は、主に本願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又はデバイスの間の通信を実現するために用いられる。
【0167】
バス610は、ハードウェア、ソフトウェア又は両者を含み、オンラインデータ流量課金装置の部品を互いに結合する。例えば、バスは、アクセラブルグラフィーポート(Acerated Graphics Port、AGP)又は他のグラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バス、フロントサイドバス(Front Side Bus、FSB)、ハイパートランスポート(Hyper Transport、HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISA)バス、無限帯域幅相互接続、低ピンイン数(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺機器コンポーネント相互接続(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、シリアル高度な技術アクセサリ(SATA)バス、ビデオ電子標準協会ローカル(VLB)バス又は他の適切なバス又は二つ以上のこれらの組み合わせを含むことができる。適切な状況で、バス610は、一つ又は複数のバスを含むことができる。本願の実施例は、特定のバスを説明して示したが、本願は任意の適切なバス又は相互接続を考慮する。
【0168】
当該制御デバイスは、本願の実施例における制御方法を実行することで、
図1~
図5を参照して説明した制御方法及び装置を実現することができる。
【0169】
また、上記実施例における制御方法を参照して、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供して実現することができる。当該コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラム指令が記憶される。当該コンピュータプログラム指令がプロセッサにより実行される場合に上記実施例における任意の制御方法を実現する。
【0170】
なお、本願は、上記説明した且つ図に示された特定の構成及び処理に限定されるものではない。簡単のために、ここで既知の方法の詳細な説明を省略する。上記実施例において、いくつかの具体的なステップを例として説明して示す。しかしながら、本願の方法過程は記述及び示された具体的なステップに限定されず、当業者は本願の精神を理解した後に、様々な変更、修正及び追加を行い、又はステップの間の順序を変更することができる。
【0171】
以上に述べた構成ブロック図に示された機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせとして実現することができる。ハードウェア方式で実現する場合、それは例えば電子回路、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、適切なファームウェア、プラグイン、機能カード等であってもよい。ソフトウェア方式で実現する場合、本願の要素は必要なタスクを実行するためのプログラム又はコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、機器可読媒体に記憶されてもよく、又は搬送波に搬送されたデータ信号により伝送媒体又は通信リンクに伝送されてもよい。「機器読み取り可能な媒体」には、情報を記憶または送信可能な任意の媒体が含まれ得る。機器可読媒体の例は、電子回路、半導体メモリ装置、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フレキシブルディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ媒体、無線周波数(Radio Frequency、RF)リンク等を含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネット等のコンピュータネットワークを介してダウンロードされてもよい。
【0172】
なお、本願で言及した例示的な実施例は、一連のステップ又は装置に基づいていくつかの方法又はシステムを説明する。しかしながら、本願は上記ステップの順序に限定されず、即ち、実施例に言及された順序に応じてステップを実行することができ、実施例における順序と異なり、又は複数のステップを同時に実行することもできる。
【0173】
以上、本開示の実施例に係る方法、装置、デバイス及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して本開示の各態様を説明する。理解すべきことは、フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における各ブロックの組み合わせはコンピュータプログラム指令によって実現されてもよい。これらのコンピュータプログラム指令は汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルなデータ処理装置のプロセッサに提供され、それにより機器を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行されたこれらの指令はフローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実現する。このようなプロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特殊アプリケーションプロセッサ又はフィールドプログラマブルロジック回路であってもよいが、これらに限定されない。理解されるように、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ指令の組み合わせで実現されてもよい。
【0174】
前記のように、本願の具体的な実施形態に過ぎず、当業者であれば、説明の便宜上簡潔にするために、上記説明したシステム、モジュール及びユニットの具体的な動作過程は、前述の方法実施例における対応するプロセスを参照することができることが分かるが、ここでは説明を省略する。理解すべきことは、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者が本願の開示する技術的範囲内に、様々な等価な修正又は置換を容易に想到でき、これらの修正又は置換はいずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。