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特許7453389パワー半導体モジュール冷却板の放熱構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】パワー半導体モジュール冷却板の放熱構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240312BHJP
   F28F 1/12 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240312BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240312BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
F28F1/12 A
H01L25/04 C
H01L23/36 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022543069
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2021126306
(87)【国際公開番号】W WO2022095750
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202011230363.6
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522227794
【氏名又は名称】ジョンハイ グループ カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チャンチェン
(72)【発明者】
【氏名】タン、ユーシェン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、シャンヤ
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ジャンウェン
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-004828(JP,A)
【文献】国際公開第2019/116910(WO,A1)
【文献】特開2017-224768(JP,A)
【文献】特開2012-248576(JP,A)
【文献】特開2001-148450(JP,A)
【文献】特開2007-273529(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105188307(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
F28F 1/12
H01L 25/07
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上から下へ順次配置されたパワーチップ、第1のはんだ層、銅張セラミック基板、第2のはんだ層、および冷却板本体を含むパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造であって、前記冷却板本体の底面に設けられたストレートリブ機構と、前記ストレートリブ機構の表面に設けられたピンリブ機構と、をさらに含み、
前記ストレートリブ機構は、前記冷却板本体の底面に設けられた複数のストレートリブであり、前記ストレートリブの断面形状は、三角形、弧形凸面、または弧形凹面であり、
前記複数のストレートリブは、前記冷却板本体の底面の延伸方向に間隔をおいて配置される、ことを特徴とするパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造。
【請求項2】
前記複数のストレートリブは、前記冷却板本体の底面の延伸方向において冷却液の流体の主流れ方向に対して0~90°の角度をなして配置される、ことを特徴とする請求項に記載のパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造。
【請求項3】
前記ピンリブ機構は、前記ストレートリブのリブベース、ストレートリブのリブトップおよび/またはストレートリブの側面に設けられた複数のピンリブであり、前記ピンリブの断面形状は、円形、長円形または多角形である、ことを特徴とする請求項に記載のパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造。
【請求項4】
前記ピンリブは、冷却液の流体の主流れ方向に沿って直線または千鳥形に分布される、ことを特徴とする請求項に記載のパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造。
【請求項5】
前記ピンリブは、複数のストレートリブの隣り合うリブベース、または隣り合うリブトップの間に少なくとも1列が分布される、ことを特徴とする請求項またはに記載のパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、パワーデバイス冷却の技術分野に関し、特に、パワー半導体モジュール冷却板の放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体モジュールは、パワー電子部品を一定の機能に応じて組み合わせてパッケージした1つの全体的なモジュールであり、サイズが小さく、パワー密度が高いなどの利点を有するので、新エネルギー自動車分野で広く適用されている。新エネルギー自動車のハイパワー、長い航続などの方面への発展に伴い、パワー半導体モジュールの適用環境はますます厳しくなり、パワー半導体モジュールの信頼性は広く注目されている。
【0003】
熱信頼性は、パワー半導体モジュールの信頼性の重要な構成部分であり、熱信頼性は、パワー半導体モジュールが良好な放熱性能を持つことを要求する。パワー半導体モジュールにおける熱は、主にチップ、銅層およびバスバー端子に由来し、チップおよび銅層から発生した熱は、主に銅張セラミック基板によって冷却板に伝達され、最終的に冷却液から伝達され、このように、冷却板の放熱構造はパワー半導体モジュールの放熱にとって特に重要である。
【0004】
熱伝達は、主に3つの基本方式があり、それぞれ熱伝導、熱対流および熱放射である。パワー半導体モジュールの放熱過程において、熱は、主に冷却板と冷却液の対流熱伝達の方式によって放熱を実現する。
【0005】
対流熱伝達は、流体の巨視的な流動による熱移動、および流体中の分子の熱伝導による熱伝達の共同作用の結果である。この現象を説明するために、図1に示すように、流体が冷却板で流れる定常状態熱伝達状況を例として取り上げる。仮に冷却液の流入温度が冷却板1の温度よりも低くすれば、流体粘性の作用により、冷却板1の壁面に近い流体薄層内での流速
【数1】

が徐々に減少し、最終的に流体が接着箇所で阻止されてずれのない状態にある。この場合、流体分子の熱伝導により、熱量
【数2】

が板面から流体に伝達するため、流体が加熱され、加熱された流体が同時に前へ運動して熱量の一部
【数3】

を運び去ることにより、図1の点線矢印に示すように、流体分子が板面に垂直な方向へ伝達し続ける熱量
【数4】

を徐々に低減させる。流体薄層の外側の境界に達する場合、冷却板1の壁面から流体に伝達される熱量の全ては既に、運動している流体によって運び去られ、当該箇所の板面に垂直な方向の流体の温度変化率をゼロに近させるため、板面に垂直な方向の流体分子の熱伝導もゼロになる。図1における点線矢印は、板面に垂直な主流れ方向の分子熱伝導
【数5】

を表し、矢印の異なる幅は熱流の大きさを示し、太い実線矢印は、流体によって運び去られた熱量
【数6】

を表し、矢印の異なる幅は、熱流の大きさを示し、
【数7】

は、流体の主な流れ速度を示し、細い実線矢印は、
【数8】

の大きさおよび方向を表す。
【0006】
対流熱伝達の式は、以下の通りである。
【数9】

式において、
【数10】

は、冷却板と冷却液との対流熱伝達によって運び去られた熱量であり、単位が
【数11】

であり、
【数12】

はそれぞれ流体-固体接触面の固体壁面の平均温度及び液体壁面の平均温度であり、単位が
【数13】

であり、
【数14】

は対流熱伝達係数であり、単位が
【数15】

であり、
【数16】

は対流熱伝達面積であり、単位が
【数17】

であり、
【数18】


【数19】

の両者の温度差であり、単位が
【数20】

である。
【0007】
式(1)により分かるように、対流熱伝達の量を増加しようとすると、対流熱伝達係数の増加、熱交換面積の増加、および温度差の増加という3種類の方法によって実現することができる。対流熱伝達係数は、冷却液の速度、密度、動的粘度、比熱容量、および冷却板の熱伝導率などの多くの影響要素に関し、熱交換面積は、冷却板の放熱構造の構造形式に関し、温度差は、具体的なプロセス技術に関する。
【0008】
流体力学の研究により、粘性流体には、層流および乱流という2つの異なる流動状態が存在することを示した。層流の場合、図1の細い実線矢印に示すように、流体のミセルはいずれも主流れ方向に沿って規則的な層流を行い、乱流の場合、流体は、主流れ方向の運動に加えて、流体のミセルは不規則的な脈動を行い、流体のミセルが1つの位置からもう1つの位置に脈動する時、各部分の流体のミセルの間に激しい混合が発生し、この場合、異なる流速の層流体の間に付加的な運動量交換が発生する作用、および異なる温度の層流体の間に付加的な熱交換が発生する作用という2つの作用が発生する。対流熱伝達理論により分かるように、他の条件が同じである場合、層流時の対流熱伝達係数は、乱流時の対流熱伝達係数よりも小さく、さらに分かるように、乱流の流体によって運び去られた熱量は、層流の流体によって運び去られた熱量よりも大きい。
【0009】
図1に示すように、通常のパワー半導体モジュール冷却板1は、底部が平板構造であることが多く、あるいは、図2に示すように、平板構造とピンリブ2の構造が共同で構成され、ピンリブ2は、冷却板1の底部に間隔をおいて設けられる。図1に示す流体-固体接触面での粘性流体流動状態は、完全に層流であり、図2に示す流体-固体接触面での流体流動状態は、乱流が存在するが、乱流の流体のミセルが極めて少なく、層流が依然として主要なものである。式(1)を結合して分かるように、図1図2に示す冷却板の放熱構造は、流体-固体接触面での流体流動状態を実質的に変更させないため、対流熱伝達係数
【数21】

が実質的に向上することがなく、図2図1と比較しても、対流熱伝達面積
【数22】

を増加させるだけであり、放熱能力が著しく高めることがない。
【0010】
パワー半導体モジュールの適用環境がますます厳しくなるにつれて、通常の冷却板の放熱構造は既に、放熱の要求を満たすことができなくなり、パワー半導体モジュールの熱信頼性に重大な影響を与え、パワー半導体モジュールの総合性能および耐用年数を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、パワー半導体モジュール冷却板の放熱構造を提供し、本放熱構造は、従来の平板式冷却板の欠陥を克服し、流体-固体接触面の対流熱伝達係数および放熱面積を効果的に向上させ、流体の巨視的な流動による移動熱量および流体中の分子熱伝導による伝達熱量を増加させ、パワー半導体モジュールの放熱性能を高め、パワー半導体モジュールの熱信頼性および耐用年数を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記技術的課題を解決するために、本発明に係るパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造は、上から下へ順次配置されたパワーチップ、第1のはんだ層、銅張セラミック基板、第2のはんだ層、および冷却板本体を含み、本放熱構造は、前記冷却板本体の底面に設けられたストレートリブ機構と、前記ストレートリブ機構の表面に設けられたピンリブ機構と、をさらに含む。
【0013】
さらに、前記ストレートリブ機構は、前記冷却板本体の底面に設けられた若干のストレートリブであり、前記ストレートリブの断面形状は、三角形、弧形凸面、または弧形凹面である。
【0014】
さらに、前記若干のストレートリブは、前記冷却板本体の底面の延伸方向に連続的または間隔をおいて配置される。
【0015】
さらに、前記若干のストレートリブは、前記冷却板本体の底面の延伸方向において冷却液の流体の主流れ方向に対して0~90°の角度をなして配置される。
【0016】
さらに、前記ピンリブ機構は、前記ストレートリブのリブベース、ストレートリブのリブトップおよび/またはストレートリブの側面に設けられた若干のピンリブであり、前記ピンリブの断面形状は、円形、長円形または多角形である。
【0017】
さらに、前記ピンリブは、冷却液の流体の主流れ方向に沿って直線または千鳥形に分布される。
【0018】
さらに、前記ピンリブは、若干のストレートリブの隣り合うリブベース、または隣り合うリブトップの間に少なくとも1列が分布される。
【0019】
本発明に係るパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造は、上記技術案を採用し、即ち、本放熱構造は、上から下へ順次配置されたパワーチップ、第1のはんだ層、銅張セラミック基板、第2のはんだ層、および冷却板本体を含み、本放熱構造は、前記冷却板本体の底面に設けられたストレートリブ機構と、前記ストレートリブ機構の表面に設けられたピンリブ機構と、をさらに含む。これにより、本放熱構造は、従来の平板式冷却板の欠陥を克服し、流体-固体接触面の対流熱伝達係数および放熱面積を効果的に向上させ、流体の巨視的な流動による移動熱量および流体中の分子熱伝導による伝達熱量を増加させ、パワー半導体モジュールの放熱性能を高め、パワー半導体モジュールの熱信頼性および耐用年数を向上させる。
【0020】
以下、図面および実施形態を結合して本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】平板型冷却板の放熱メカニズムの概略図である。
図2】平板型冷却板の底部にピンリブが設けられた放熱メカニズムの概略図である。
図3】本発明に係るパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造の概略図である。
図4図3の平面図である。
図5図3の底面図である。
図6】本放熱構造の軸測図である。
図7】本放熱構造におけるストレートリブおよびピンリブの形式1の概略図である。
図8】本放熱構造におけるストレートリブおよびピンリブの形式2の概略図である。
図9】本放熱構造におけるストレートリブおよびピンリブの形式3の概略図である。
図10】本放熱構造におけるストレートリブおよびピンリブの形式4の概略図である。
図11】本放熱構造におけるストレートリブおよびピンリブの形式5の概略図である。
図12】本放熱構造におけるストレートリブおよびピンリブの形式6の概略図である。
図13】本放熱構造においてストレートリブが延伸方向に沿って間隔をおいて配置され且つピンリブがストレートリブの側面に設けられる概略図である。
図14図13の底面図である。
図15】本放熱構造においてストレートリブが延伸方向に沿って間隔をおいて配置され且つピンリブがストレートリブのリブベースおよびリブトップに設けられる概略図である。
図16図15の底面図である。
図17】本放熱構造においてストレートリブが冷却液の流体の主流れ方向に対して角度をなして配置される概略図である。
図18】本放熱構造の放熱メカニズムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施例は、図3図4図5および図6に示され、本発明に係るパワー半導体モジュール冷却板の放熱構造は、上から下へ順次配置されたパワーチップ1、第1のはんだ層2、銅張セラミック基板3、第2のはんだ層4、および冷却板本体5を含み、本放熱構造は、前記冷却板本体5の底面に設けられたストレートリブ機構6と、前記ストレートリブ機構6の表面に設けられたピンリブ機構7と、をさらに含む。
【0023】
好ましくは、前記ストレートリブ機構6は、前記冷却板本体5の底面に設けられた若干のストレートリブ61であり、前記ストレートリブ61の断面形状は、三角形、弧形凸面、または弧形凹面である。
【0024】
好ましくは、前記若干のストレートリブ61は、前記冷却板本体5の底面の延伸方向に連続的または間隔をおいて配置される。
【0025】
好ましくは、前記若干のストレートリブ61は、前記冷却板本体5の底面の延伸方向において冷却液の流体の主流れ方向に対して0~90°の角度をなして配置される。
【0026】
好ましくは、前記ピンリブ機構7は、前記ストレートリブ61のリブベース、ストレートリブ61のリブトップおよび/またはストレートリブ61の側面に設けられた若干のピンリブ71であり、前記ピンリブ71の断面形状は、円形、長円形または多角形である。
【0027】
好ましくは、前記ピンリブ71は、冷却液の流体の主流れ方向に沿って直線または千鳥形に分布される。
【0028】
好ましくは、前記ピンリブ71は、若干のストレートリブ61の隣り合うリブベース、または隣り合うリブトップの間に少なくとも1列が分布される。
【0029】
図7に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が三角形であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、ストレートリブ61の側面、即ち、ストレートリブ61のリブベース62とリブトップ63との間に設けられる。
【0030】
図8に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が弧形凸面であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、弧形凸面の側面に設けられる。
【0031】
図9に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が弧形凹面であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、弧形凸面の内凹面に設けられる。
【0032】
図10に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が三角形であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、ストレートリブ61のリブベースおよびリブトップに設けられる。
【0033】
図11に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が弧形凸面であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、弧形凸面の弧のトップおよび弧のボトムに設けられる。
【0034】
図12に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が弧形凹面であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、弧形凸面の内凹の弧のトップおよび弧形凸面の端部に設けられる。
【0035】
図13および図14に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が三角形であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に間隔をおいて設けられ、ピンリブ71は、ストレートリブ61の側面に設けられる。
【0036】
図15および図16に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が三角形であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に間隔をおいて設けられ、ピンリブ71は、ストレートリブ61のリブベースおよびリブトップに設けられる。
【0037】
図17に示すように、本冷却構造のストレートリブ61は、断面が三角形であり、延伸方向に沿って冷却板本体5の底面に連続的に設けられ、ピンリブ71は、ストレートリブ61のリブベースおよびリブトップに設けられ、ストレートリブ61は、冷却板本体5の底面の延伸方向において冷却液の流体の主流れ方向に対して角度をなして配置される。
【0038】
図18に示すように、本放熱構造は、従来技術の欠陥を考慮して、対流熱伝達係数
【数23】

および熱交換面積
【数24】

を増加させることにより、冷却板5の放熱能力を著しく高めることができる。
【0039】
式(1)によれば、本冷却板5の放熱構造と冷却液との対流熱伝達によって運び去られた熱量は、以下の通りである。
【数25】

式において、
【数26】

は冷却板の放熱構造のリブ面の総効率であり、
【数27】

はそれぞれ、冷却板にリブを加えた後の対流熱伝達によって運び去られた熱量、対流熱伝達係数、および放熱総面積である。
【0040】
対流熱伝達理論によれば、ストレートリブ61およびピンリブ71の作用により、従来技術よりも明らかに優れたのは、流体-固体接触面での流体流動状態が層流から乱流に変更することであり、その対流熱伝達係数
【数28】

は、層流時の対流熱伝達係数よりも著しく大きくなり、流体の巨視的な流動による移動熱量
【数29】

を増加させ、また、本放熱構造の流体-固体接触面の放熱面積が著しく増加し、ひいては流体中の分子熱伝導による伝達熱量
【数30】

が増加する。従って、本放熱構造の対流熱伝達によって運び去られた熱量
【数31】

は、従来技術よりも著しく大きくなり、冷却板の放熱能力を効果的に高めることができる。
【0041】
図18に示すように、本放熱構造は、ストレートリブおよびピンリブの共同作用により、その流体-固体接触面の冷却液の流体が、主流れ方向の運動に加えて、流体のミセルが不規則的な脈動を行い、流体のミセルが1つの位置からもう1つの位置に脈動する時、各部分の流体のミセルの間に激しい混合が発生し、異なる温度の層流体の間に付加的な熱交換が発生し、即ち、流体-固体接触面での冷却液の流体流動状態が層流から乱流に変更し、その対流熱伝達係数
【数32】

が層流時の対流熱伝達係数よりも著しく大きくなり、流体の巨視的な流動による移動熱量
【数33】

を増加させる。同時に、本放熱構造の流体-固体接触面の放熱面積が著しく増加し、ひいては流体中の分子熱伝導による伝達熱量
【数34】

が増加する。本放熱構造によれば、パワー半導体モジュールの放熱性能を著しく高め、パワー半導体モジュールの熱信頼性を向上させ、パワー半導体モジュールの総合放熱コストを大幅に削減させ、パワー半導体モジュールの耐用年数を向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18