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特許7453390フィールドマウントアクセスポイントアンテナのための内蔵型本質安全出力を備えた無線センサネットワークゲートウェイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】フィールドマウントアクセスポイントアンテナのための内蔵型本質安全出力を備えた無線センサネットワークゲートウェイ
(51)【国際特許分類】
   H02H 9/00 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
H02H9/00 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022544206
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021014084
(87)【国際公開番号】W WO2021150545
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】62/963,344
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/152,205
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515231553
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフマイスター、スコット ティー.
(72)【発明者】
【氏名】スカウ、コーディ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ケンプケ、アレン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィーンホールド、ニコラス アーロン
(72)【発明者】
【氏名】シュナーレ、セオドア エイチ.
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-33293(JP,A)
【文献】特開2003-273940(JP,A)
【文献】特表2010-541099(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109462896(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0074309(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0072278(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0356474(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0348041(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0123548(US,A1)
【文献】米国特許第5158464(US,A)
【文献】米国特許第6397322(US,B1)
【文献】米国特許第9544965(US,B1)
【文献】国際公開第2010/107440(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 9/00
H04L 12/10
H04W 84/18
H04W 88/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非危険環境に配置され、危険環境に配置された無線センサネットワークのアンテナに電力を供給し、データを通信するように構成された、工業用プロセスのプロセス変数を監視又は制御するために使用される工業用プロセスのための無線センサネットワークゲートウェイであって、
非本質安全電源から電力を受け取るように構成された安全側電源回路と、遠隔に配置された工業用プロセス制御ユニットを含む非本質安全機器と前記工業用プロセスのプロセス変数に関連するプロセス変数データを通信するように構成された安全側データ入出力回路と、を含む安全側回路と、
前記アンテナに電力を供給するように構成された危険側電源回路と、遠隔に配置された無線フィールドデバイスであって、前記工業用プロセスのプロセス変数を検知又は制御するために使用される無線フィールドデバイスとの間で前記プロセス変数データを通信するために、前記アンテナとの間で前記プロセス変数データに関連するデータ信号を受け渡すように構成された危険側データ入出力回路と、を含む危険側回路と、
前記安全側回路を前記危険側回路から分離する絶縁回路であって、前記安全側電源回路を前記危険側電源回路に結合し、前記安全側電源回路と前記危険側電源回路との間に本質安全障壁を形成する電力絶縁回路と、前記安全側データ入出力回路を前記危険側データ入出力回路に結合し、前記安全側データ入出力回路と前記危険側データ入出力回路との間に本質安全障壁を形成するデータ絶縁回路と、を含む絶縁回路と、
前記安全側回路、前記危険側回路、及び前記絶縁回路を支持するハウジングと、
を備えるゲートウェイ。
【請求項2】
前記電力絶縁回路は、変圧器を含む、請求項1に記載のゲートウェイ。
【請求項3】
前記データ絶縁回路は、ガルバニック絶縁回路を含む、請求項2に記載のゲートウェイ。
【請求項4】
前記ガルバニック絶縁回路は、光カプラを含む、請求項3に記載のゲートウェイ。
【請求項5】
前記危険側電源回路は、前記アンテナに供給される前記電力の電圧を調整するように構成された電圧出力調整回路を含む、請求項3に記載のゲートウェイ。
【請求項6】
前記安全側電源回路は、ヒューズを含む、請求項5に記載のゲートウェイ。
【請求項7】
前記データ絶縁回路は、前記安全側データ入出力回路と前記危険側データ入出力回路との間を直接伝送する電気信号を遮断するように構成されている、請求項3に記載のゲートウェイ。
【請求項8】
前記安全側データ入出力回路及び前記危険側データ入出力回路は、RS-485、ファウンデーションフィールドバス、フィールドバス本質安全コンセプト、及びIEEE 802.3cg/APL/2-WISEからなる群から選択されたデータ通信規格を実装するように構成されている、請求項3に記載のゲートウェイ。
【請求項9】
前記ハウジングはモジュール受容部を備え、
前記ゲートウェイは、
前記モジュール受容部内に取り外し可能に収容可能なモジュールであって、前記モジュールは、前記絶縁回路の少なくとも一部及び/又は前記危険側回路の少なくとも一部を含
むモジュールと、
前記モジュールを前記モジュール受容部内に固定するように構成された協働コネクタと、を含み、
前記モジュールが前記モジュール受容部内に収容されたときに、前記安全側回路と、前記危険側回路の一部及び/又は前記絶縁回路の一部との間に電気的接続が形成される、
請求項1に記載のゲートウェイ。
【請求項10】
前記モジュールは、前記電力絶縁回路の少なくとも一部及び/又は前記危険側電源回路の少なくとも一部と、前記データ絶縁回路の少なくとも一部及び/又は前記危険側データ入出力回路の少なくとも一部と、のうちの一方を含む、請求項9に記載のゲートウェイ。
【請求項11】
非危険環境に配置され、危険環境に配置された無線センサネットワークの複数のアンテナに電力を供給し、データを通信するように構成された、工業用プロセスのプロセス変数を監視又は制御するために使用される工業用プロセスのための無線センサネットワークゲートウェイであって、
非本質安全電源から電力を受け取るように構成された安全側電源回路と、複数の安全側データ入出力回路であって、各々が、遠隔に配置された工業用プロセス制御ユニットを含む非本質安全機器と前記工業用プロセスのプロセス変数に関連するプロセス変数データを通信するように構成された複数の安全側データ入出力回路と、を含む安全側回路と、
前記複数のアンテナに電力を供給するように構成された危険側電源回路と、複数の危険側データ入出力回路であって、各々が、遠隔に配置された無線フィールドデバイスであって、前記工業用プロセスのプロセス変数を検知又は制御するために使用される無線フィールドデバイスとの間で前記プロセス変数データを通信するために、前記複数のアンテナのうちの1つとの間で前記プロセス変数データに関連するデータ信号を受け渡すように構成された複数の危険側データ入出力回路と、を含む危険側回路と、
前記安全側回路を前記危険側回路から分離する絶縁回路であって、前記安全側電源回路を前記危険側電源回路に結合し、前記安全側電源回路と前記危険側電源回路との間に本質安全障壁を形成する電力絶縁回路と、複数のデータ絶縁回路であって、各々が、前記複数の安全側データ入出力回路のうちの1つを前記複数の危険側データ入出力回路のうちの対応する1つに結合し、前記複数の安全側データ入出力回路と対応する前記複数の危険側データ入出力回路との間に本質安全障壁を形成する複数のデータ絶縁回路と、を含む絶縁回路と、
前記安全側回路、前記危険側回路、及び前記絶縁回路を支持するハウジングと、
を備えるゲートウェイ。
【請求項12】
前記電力絶縁回路は、変圧器を含む、請求項11に記載のゲートウェイ。
【請求項13】
前記データ絶縁回路の各々は、少なくとも1つのガルバニック絶縁回路を含む、請求項12に記載のゲートウェイ。
【請求項14】
前記ガルバニック絶縁回路は、光カプラを含む、請求項13に記載のゲートウェイ。
【請求項15】
前記危険側電源回路は、前記アンテナに供給される前記電力の電圧を調整するように構成された電圧出力調整回路を含む、請求項13に記載のゲートウェイ。
【請求項16】
前記安全側電源回路が、ヒューズを含む、請求項15に記載のゲートウェイ。
【請求項17】
前記データ絶縁回路の各々は、接続された前記安全側データ入出力回路と前記危険側データ入出力回路との間を直接伝送する電気信号を遮断するように構成されている、請求項13に記載のゲートウェイ。
【請求項18】
前記安全側データ入出力回路の各々及び/又は前記危険側データ入出力回路の各々は、
RS-485、ファウンデーションフィールドバス、フィールドバス本質安全コンセプト、及びIEEE 802.3cg/APL/2-WISEからなる群から選択されたデータ通信規格を実装するように構成されている、請求項13に記載のゲートウェイ。
【請求項19】
前記ハウジングはモジュール受容部を備え、
前記ゲートウェイは、
前記モジュール受容部内に取り外し可能に収容可能なモジュールであって、前記モジュールは、前記絶縁回路の少なくとも一部及び/又は前記危険側回路の少なくとも一部を含
むモジュールと、
前記モジュールを前記モジュール受容部内に固定するように構成された協働コネクタと、を含み、
前記モジュールが前記モジュール受容部内に収容されたときに、前記安全側回路と、前記危険側回路の一部及び/又は前記絶縁回路の一部との間に電気的接続が形成される、
請求項11に記載のゲートウェイ。
【請求項20】
前記モジュールは、前記電力絶縁回路の少なくとも一部及び/又は前記危険側電源回路の少なくとも一部と、前記データ絶縁回路の少なくとも一部及び/又は前記危険側データ入出力回路の少なくとも一部と、のうちの一方を含む、請求項19に記載のゲートウェイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、危険環境(hazardous environment)に配置された無線
センサのための1つ又は複数のアクセスポイントスマートアンテナに電力を供給し、それと通信するための無線センサネットワークゲートウェイに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用プロセスフィールドデバイスは、工業用プロセス制御及び監視システムにおいて使用され、プロセスセンサ(例えば、圧力センサ、温度センサ等)を用いて工業用プロセス変数を監視し、及び/又は工業用プロセスと相互作用する1つ又は複数の制御デバイス(例えば、アクチュエータ、バルブ等)を制御する。
【0003】
しばしば、制御又は監視される工業用プロセスは、引火性ガスや蒸気、引火性液体、可燃性粉塵、発火性繊維などを含む雰囲気を有する環境など、火災や爆発が起こり得る危険性が常にある危険環境下にある。危険環境を分類するために業界で認められている慣行によれば、通常の操作条件下で、引火性ガス又は蒸気が発火濃度を有するか、又は有する可能性がある環境は、ゾーン0、ゾーン1又はディビジョン1の領域として指定され、一方、引火性ガス又は蒸気の発火濃度が異常条件下でのみ発生する可能性がある環境は、ゾーン2又はディビジョン2の領域として指定されている。可燃性又は引火性の物質が存在しない環境は、通常、非危険領域又は安全領域と呼ばれる。
【0004】
危険環境に配置されるフィールドデバイスは、一般に「本質安全(intrinsic safety)」などの認定された技術を使用して爆発から保護された構造でなければならない。本質的に安全なデバイスは、電子機器内に存在するエネルギー量を制限し、電気的な故障が発生した場合にアーク放電が起こらないように電子部品の間隔を十分にとることで、引火性ガスの発火を防止する。また、電子部品によって発生する熱も制御される。ゾーン2やディビジョン2の危険環境下で使用される機器については、引火性物質又は可燃性物質が発火する濃度で存在するのは異常な状況下のみであるため、要求事項はそれほど厳しくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2018/0348041号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、非危険環境に配置され、危険環境に配置された無線センサネットワークの1つ又は複数のアンテナに電力を供給し、データを通信するように構成された無線センサネットワークゲートウェイに関する。一実施形態では、ゲートウェイは、安全側回路、危険側回路、及び絶縁回路を含む。安全側回路は、非本質安全電源から電力を受け取るように構成された安全側電源回路と、非本質安全機器とデータを通信するように構成された安全側データ入出力(I/O)回路とを含む。危険側回路は、アンテナに電力を供給するように構成された危険側電源回路と、アンテナとの間でデータ信号を受け渡すように構成された危険側データ入出力回路とを含む。絶縁回路は、安全側回路を危険側回路から分離する。絶縁回路は、安全側電源回路を危険側電源回路に結合し、安全側電源回路と危険側電源回路との間に本質安全障壁を形成する電力絶縁回路と、安全側データ入出力回路を危険側データ入出力回路に結合し、安全側データ入出力回路と危険側データ入出力回路との間に本質安全障壁を形成するデータ絶縁回路とを含む。ゲートウェイのハウジングは、安全側回路、危険側回路、及び絶縁回路を支持する。
【0007】
ゲートウェイの別の実施形態は、危険環境に配置された無線センサネットワークの複数のアンテナに電力を供給し、データを通信するように構成される。ゲートウェイは、安全側回路、危険側回路、及び絶縁回路を含む。安全側回路は、非本質安全電源から電力を受
け取るように構成された安全側電源回路と、各々が非本質安全機器とデータを通信するように構成された複数の安全側データ入出力(I/O)回路とを含む。危険側回路は、複数のアンテナに電力を供給するように構成された危険側電源回路と、各々が複数のアンテナのうちの1つとの間でデータ信号を受け渡すように構成された複数の危険側データ入出力回路とを含む。絶縁回路は、安全側回路を危険側回路から分離する。絶縁回路は、安全側電源回路を危険側電源回路に結合し、安全側電源回路と危険側電源回路との間に本質安全障壁を形成する電力絶縁回路と、各々が、複数の安全側データ入出力回路のうちの1つを複数の危険側データ入出力回路のうちの対応する1つに結合し、複数の安全側データ入出力回路と対応する複数の危険側データ入出力回路との間に本質安全障壁を形成する複数のデータ絶縁回路と、を含む。ゲートウェイのハウジングは、安全側回路、危険側回路、及び絶縁回路を支持する。
【0008】
この発明の概要は、詳細な説明で後述する概念の一部を簡略化された形態で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術において言及されるいずれか又はすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態による、無線センサネットワークゲートウェイを含む工業用プロセスセンサネットワークを示す簡略図である。
図2】本開示の実施形態による、例示的なゲートウェイを示す簡略図である。
図3】本開示の実施形態による、図2のゲートウェイを複数のアンテナに接続するための電力接続及びデータ接続を示す簡略図である。
図4】本開示の実施形態による、例示的なゲートウェイを含む無線センサネットワークの一例を示す簡略図である。
図5】本開示の実施形態による、図4のゲートウェイを複数のアンテナに接続するための電力接続及びデータ接続を示す簡略図である。
図6】本開示の実施形態による、図4のゲートウェイを示す簡略図である。
図7】本開示の実施形態による、無線センサネットワークゲートウェイの一例を示す簡略図である。
図8】従来技術による工業用プロセス制御システムの無線センサネットワークを示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。同一又は類似の参照符号を使用して識別される要素は、同一又は類似の要素を指す。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0011】
本明細書で使用する場合、「危険環境」という用語は、危険と分類された環境(例えば、ゾーン0、ゾーン1、ゾーン2、ディビジョン1又はディビジョン2に分類された環境)を指し、電子フィールドデバイスは、本質安全基準(intrinsic safety standards)などの特定の防爆安全基準を満たす必要がある。本明細書では、「非危険環境」又は「安全環境」という用語は、危険ではないと分類され、電子フィールドデバイスが防爆安全基準を満たす必要がない環境を指すか、又は防爆要件がそれほど厳しくないゾーン2又はディビジョン2の領域内にある環境を指す。
【0012】
図8は、従来技術による工業用プロセス制御システムの無線センサネットワーク300の簡略図である。図示されたシステムでは、無線プロセス変数センサ(wireless process
variable sensors)302は、危険環境304に設置され、アクセスポイントスマート
アンテナ306とデータを無線通信するように構成されている。また、アンテナ306は、最高のネットワーク性能を達成するために、典型的には、危険環境304内でセンサ302に近接して配置されている。結果として、センサ302及びアンテナ306の両方は、危険環境304で動作するために、本質的に安全なデバイスとして構成される必要がある。
【0013】
無線センサネットワークゲートウェイ310は、アンテナ306に電力を供給し、アンテナ306から配信されるデータ信号を非本質安全(NIS:non-intrinsically safe)機器312にルーティングするために使用されている。ゲートウェイ310を動作させるのに必要な電力は、NIS電源314によって供給されるため、電圧、電流、及び電力に対する厳しい制限によって、危険環境に対する本質的な安全要件を満たすようにゲートウェイ310を設計することは非現実的である。したがって、ゲートウェイ310は、防爆要件がそれほど厳しくないゾーン2又はディビジョン2の領域内、又は非危険環境316内に配置されなければならない。
【0014】
データ信号は、有線データ接続318を介してアンテナ306とゲートウェイ310との間で通信されてもよく、電力は、有線電力接続320を介してゲートウェイ310からアンテナ306に供給されてもよい。アンテナ306が危険環境304の本質安全基準を満たすことを保証するために、本質安全障壁322及び324が、非危険領域316内のゲートウェイ310とアンテナ306との間の接続部318及び320に沿って設けられている。
【0015】
図8に例示された分離されたゲートウェイ310と本質的安全障壁322及び324との配置は、エマソン1410Dゲートウェイ及びエマソン781遠隔リンク(スマートアンテナ)を用いて形成されたものなど、無線センサネットワーク300に対する従来の構成に概ね対応する。しかしながら、この分離アプローチ(partitioned approach)の重大な欠点の1つは、顧客が、ゲートウェイ310とアンテナ306との間の適切な本質安全障壁322及び324を購入し、設置する必要があることである。特定の用途に適合するそのような障壁322及び324は、見つけるのが困難である可能性があり、購入及び設置に費用がかかる。本開示の実施形態は、これらの問題及び他の問題に対する解決策を提供し、従来の無線センサネットワークゲートウェイ310を超える利点を提供する。
【0016】
図1は、本開示の実施形態による、無線センサネットワークゲートウェイ102を有する工業用プロセスセンサネットワーク100の簡略図である。ネットワーク100はまた、1つ又は複数の本質安全アクセスポイントスマートアンテナ104(例えば、エマソン781遠隔リンク)と、1つ又は複数の無線センサ106とを含み、それらは、危険環境
108内に配置できるように、本質安全基準に従って設計されている。センサ106は、工業用プロセスのプロセス変数(例えば、圧力、温度、レベルなど)を検出、測定、又は中継するように構成されてもよい。センサ106は、無線で(例えば、RF信号により)アンテナ104との間でデータ信号を通信する。
【0017】
ゲートウェイ102は、ゾーン2、ディビジョン2、又は非危険環境112内に配置されるように構成され、有線電力接続114を介してアンテナ104に電力を供給し、有線データ接続116を介してアンテナ104との間でデータを通信する。ゲートウェイ102は、一般に、安全側回路120と、絶縁回路(isolation circuitry)122と、危険
側回路124とを備えている。ゲートウェイ102のハウジング126は、回路120、122、及び124を支持し、回路120、122、及び124の一部又は全部を取り囲
むことができる。
【0018】
安全側回路120は、一般に、図8のゲートウェイ210と同様に、非本質安全電源128及び非本質安全機器130と接続するように構成されている。したがって、安全側回路120は、アンテナ104と非本質安全機器130との間のデータ信号の通信を容易にし、非本質安全電源128から受け取った電力を使用してアンテナ104に電力を供給することができる。
【0019】
危険側回路124は、一般に、有線電力接続114を介してアンテナ104の回路に電力を供給し、有線データ接続116を介してアンテナ104とのデータ通信を容易にするように構成されている。絶縁回路122は、危険側回路124と安全側回路120との間に本質安全障壁を提供するように構成され、電力接続114及びデータ接続116と、接続114及び116に沿ってアンテナ104に供給される電気信号とが、アンテナ104に必要とされる本質安全基準を満たすようにされる。いくつかの実施形態では、接続114及び116は、ゲートウェイ102とアンテナ104との間に延在する単一のケーブルで提供される。
【0020】
一実施形態では、ゲートウェイ102は、図1に示されるように、制御室134においてゲートウェイ102から遠隔に配置され得るコンピュータ化された制御ユニット132に接続されてもよい。制御ユニット132は、2線式制御ループ136などの適切な物理通信リンク、又は無線通信リンクを介してゲートウェイ102に通信可能に結合されてもよい。したがって、制御室134は、ゲートウェイ102を介してアンテナ104との間でデータ信号を通信する非本質安全機器130として動作することができる。
【0021】
制御ユニット132とゲートウェイ102との間の通信は、従来のアナログ及び/又はデジタル通信プロトコルに従って、制御ループ136を介して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、制御ループ136は、2線式で4~20ミリアンペアの制御ループを含み、センサ106のうちの1つによって検出され、アンテナ104によってゲートウェイ102に通信されるプロセス変数又は他の値は、制御ループ136を通って流れるループ電流Iのレベルによって表されてもよい。例示的なデジタル通信プロトコルは、HART(登録商標)通信規格に従うような、2線式制御ループ136のアナログ電流レベルに対するデジタル信号の変調を含む。また、フィールドバス(FieldBus)及びプロフィバス(Profibus)通信プロトコルを含む、他の純粋なデジタル技術が採用されてもよい。
【0022】
ゲートウェイ102は、交流電力主電源(A. C. power main)、イーサネット(登録商標)を介した電力、バッテリ、発電機(ソーラーパネル、風力発電機など)、又は別の電源など、任意の適切な電源128によって電力を供給されてもよい。一実施形態では、制御室132は、図1に示されるように、制御ループ136を通って流れる電流Iを使用してゲートウェイ102に電力を供給することによって、電源128を構成することができる。
【0023】
図2は、本開示の実施形態による、例示的なゲートウェイ102Aの簡略図である。一実施形態では、ゲートウェイ102Aの安全側回路120は、安全側電源回路140と安全側データ入出力(I/O)回路142とを含む。電源回路140は、NIS電源128から電力144を受け取るように動作し、データI/O回路142は、制御ユニット132(図1)及び/又は他の機器を含み得るNIS機器130とデータ信号146を通信するように動作する。
【0024】
一実施形態では、ゲートウェイ102Aの危険側回路124は、電力接続114を介してアンテナ104に電力150を供給する危険側電源回路148を含む。いくつかの実施
形態では、危険側電源回路148は、電力接続114を介してそれを放電する前に、電力150を処理する(例えば、電力、電圧、及び/又は電流を、調整又は制限する)。
【0025】
また、ゲートウェイ102Aの危険側回路124は、データ接続116を介してアンテナ104とゲートウェイ102Aとの間のデータ信号146の通信を容易にする危険側データI/O回路152を含むことができる。危険側データI/O回路152及び/又は安全側データI/O回路142は、アンテナ104及び/又は機器130とデータ信号146を通信する場合に、RS-485、ファウンデーションフィールドバス、フィールドバス本質安全コンセプト(FISCO:Fieldbus Intrinsically Safe Concept)、IEE
E 802.3cg/APL/2-WISEなどの、データ通信規格を実装するように構成されてもよい。
【0026】
ゲートウェイ102Aの絶縁回路122は、電力絶縁回路154を含み、電力絶縁回路154は、安全側電源回路140を危険側電源回路148に結合し、安全側電源回路140と危険側電源回路148との間に本質安全障壁を形成する。電力絶縁回路154の本質安全障壁は、安全側電源回路140と危険側電源回路148との間を直接通過する電力を遮断することができ、及び/又は安全側電源回路140から受け取った非本質安全入力電力144’を本質安全電力144”に変換することができる。危険側電源回路148は、任意選択で、電力接続114に沿って電力150をアンテナ104に供給する前に、電力絶縁回路から出力された本質安全電力144”を処理する。
【0027】
また、ゲートウェイ102Aの絶縁回路122は、データ絶縁回路156を含み、データ絶縁回路156は、安全側データI/O回路142を危険側データI/O回路152に結合し、安全側データI/O回路142と危険側データI/O回路152との間の本質安全障壁を形成する。いくつかの実施形態では、データ絶縁回路156の本質安全障壁は、安全側データI/O回路142と危険側データI/O回路152との間を直接伝送する電気信号を遮断する障壁を形成する。この絶縁は、安全側データI/O回路142における電流スパイク又は電圧スパイクが、危険側データI/O回路152及びアンテナ104に到達することを防止する。
【0028】
いくつかの実施形態では、ゲートウェイ102Aは、複数のアクセスポイントスマートアンテナ104に電力を供給し、通信するように構成されている。図3は、ゲートウェイ102Aを複数アンテナ104(対応するセンサ106A及び106Bとそれぞれ通信するアンテナ104A及び104B等)に接続するための電力接続114及びデータ接続116を説明する簡略図である。図示を簡略化するために、ゲートウェイ102の危険側電源回路148及び危険側データI/O回路152のみが図示されている。
【0029】
一実施形態では、安全側電源回路140、電力絶縁回路154、及び危険側電源回路148によって形成される単一の電力チャネルからアンテナ104に電力を供給するために、別々の電力接続114A及び114Bを使用することができる。代替的に、ネットワーク100のアンテナ104の各々に対して、別個の分離された電力チャネルが、提供されてもよい。
【0030】
ゲートウェイ102Aの安全側データI/O回路142、データ絶縁回路156、及び危険側データI/O回路152によって形成される単一のデータチャンネルと、複数のアンテナ104A及び104Bの各々との間のデータ通信は、図3に示すように、危険側データI/O回路からアンテナ104A及び104Bの各々にまで延在する共通データ通信バスの形態でのデータ接続116によって容易にされてもよい。ゲートウェイ102Aは、同様の方法で、追加のアンテナ104とのデータ通信を提供してもよい。したがって、バス116から複数のアンテナ104の各々への別個のドロップを使用して、ファウンデ
ーションフィールドバス、プロフィバス、及びFISCOなどのデータ通信プロトコルが実装されてもよい。IEEE 802.3cg/APL/2-WISE通信プロトコルは、複数のアクセスポイントスマートアンテナ104に対して、危険側データI/O回路152など、単一データチャンネルにAPLフィールドスイッチを含めることによって実装されてもよい。
【0031】
図4は、本開示の実施形態による、例示的なゲートウェイ102Bを含む無線センサネットワーク100の一例の簡略図である。ゲートウェイ102Bとゲートウェイ102A(図2)との主な区別は、複数のデータ通信チャンネル(例えば0-n)を含むことであり、複数のデータ通信チャンネルの各々は、安全側データI/O回路142、データ絶縁回路156、及び危険側データI/O回路152の接続セットによって形成される。データ通信チャネルの各々は、対応する機器130(0~n)と対応するアンテナ104(0~n)との間でデータを通信するように構成されている。データ通信チャネルの各々は、安全側データI/O回路142、データ絶縁回路156、及び危険側データI/O回路152によって形成されるゲートウェイ102A(図2)の単一のデータ通信チャンネルに関して、上述した方法で動作することができる。
【0032】
図5は、ゲートウェイ102Bを複数アンテナ104(対応するセンサ106A及び106Bとそれぞれ通信するアンテナ104A及び104B等)に接続するための電力接続114及びデータ接続116を示す簡略図である。図示を簡略化するために、ゲートウェイ102Bの危険側電源回路148及び危険側データI/O回路152のうちの2つだけが図示されている。
【0033】
一実施例では、別々の電力接続114A及び114Bを用いて、危険側電源回路148から複数のアンテナ104A及び104Bに電源150を供給することができる。電力は、同様の方法で追加のアンテナ104に供給されてもよい。
【0034】
ゲートウェイ102Bの危険側データI/O回線152の各々と複数アンテナ104A及び104Bとの間のデータ通信は、ゲートウェイ102Bのデータ通信チャネルの1つにそれぞれ接続された別々のデータ接続116A及び116Bによって容易化されてもよい。ゲートウェイ102Bは、同様の方法で追加のアンテナ104とのデータ通信を提供することができる。
【0035】
図6は、本開示の実施形態による、ゲートウェイ102Bの簡略図である。図6に示された特徴は、適用可能な場合にはゲートウェイ102Aに適用することができる。
【0036】
一実施形態では、安全側電源回路140は、電力サージが発生した場合に回路を開くように構成されたヒューズ160を含む。安全側電源回路140は、安全側電源回路140を、NIS電源128に接続され得る1つ又は複数のケーブル164に接続するための1つ又は複数のコネクタ162を含むことができる。
【0037】
電力絶縁回路154の一実施形態は、安全側電源回路140から危険側電源回路148への電力144’の直接的な通過をブロックする変圧器166を含む。変圧器166は、入力側で電源128から電力144’を受け取り、出力側へ電力144”を伝送する。いくつかの実施形態では、変圧器166は、入力側で受け取った電力144’の電圧よりも低い電圧で出力側に電力144”を放電させる降圧変圧器である。
【0038】
危険側電源回路148は、電力サージが発生した場合に回路を開くように構成されたヒューズ170、及び/又は電圧出力調整回路172を含むことができる。電圧出力調整回路172は、電力144”の電圧を調整するように動作して、電力150を受け取る1つ
又は複数のアンテナ104の本質安全電力要件を満たす電力150を形成することができる。電圧出力調整回路172は、様々な形態をとることができ、ツェナーダイオードや抵抗器などの電力制限部材を含むことができる。また、危険側電源回路148は、1つ又は複数の電力接続114を形成する1つ又は複数のケーブルを接続するためのコネクタ174を含むことができる。
【0039】
ゲートウェイ102Bの1つ又は複数の安全側データI/O回路142の各々は、対応するNIS機器130とデータ絶縁回路156との間で通信されるデータ信号146の電流及び/又は電圧を制限するように構成された電力制限回路176を含むことができる。電力制限回路176は、様々な形態をとることができ、電流、電圧及び/又は電力制限部材(例えば、抵抗器、ヒューズ、ツェナーダイオードなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、安全側データI/O回路142は、安全側データ回路142を、NIS機器130に接続され得る1つ又は複数のケーブル180に接続するためのコネクタ178を含む。
【0040】
ゲートウェイ102Bの1つ又は複数の危険側データI/O回路152の各々は、データ絶縁回路156と対応するアンテナ104との間で通信されるデータ信号146の電流及び/又は電圧を制限するように構成された電力制限回路182を含むことができる。電力制限回路182は、上述の電力制限回路176と同様の方法で形成することができ、電流、電圧、及び/又は電力制限部材(例えば、抵抗器、ヒューズ、ツェナーダイオードなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、危険側データI/O回路152は、データ接続116を形成する1つ又は複数のケーブルに接続するためのコネクタ184を含む。
【0041】
ゲートウェイ102Bの1つ又は複数のデータ絶縁回路156の各々は、危険側データI/O回路152及び対応するアンテナ104に完全なガルバニック絶縁を提供するガルバニックデータ絶縁回路186を含むことができる。これにより、データ接続116を形成する配線が簡略化され、過渡電位差及び接地電位差に対して耐性を有することができる。さらに、データ絶縁回路156及び危険側データI/O回路152は、不注意によるデータ接続配線の断線、相互接続、及び接地を許容するように構成され、それによって、データ接続116の配線が標準的な低コストのケーブル188に混在することを可能にする。これにより、配線の設置コスト及び複雑さが低減される。
【0042】
一実施形態では、ガルバニックデータ絶縁回路186は、電気信号が安全側データI/O回路142と危険側データI/O回路152との間を直接伝送することを防止する適切な光カプラ190を備えている。光カプラ190は、一般に、危険側データI/O回路152から受け取ったデータ信号146を光信号に変換し、光信号を光路を介して伝送し、光信号を電気データ信号に変換し、電気データ信号146を安全側データI/O回路142に出力する。同様に、光カプラ190はまた、安全側データI/O回路142から受け取ったデータ信号146を光信号に変換し、光信号を光路を介して伝送し、光信号を電気データ信号に変換し、電気データ信号146を危険側データI/O回路152に出力するように構成されてもよい。
【0043】
したがって、上述の実施形態のうちの1つ又は複数に従って形成されたゲートウェイ102は、絶縁回路122を組み込んでおり、絶縁回路122は、危険環境108に配置された1つ又は複数のアンテナの端子に対して、電力接続114及びデータ接続116と接続を介して通信される電気信号とを本質的に安全にする。したがって、ゲートウェイ102は、図8に示される障壁322及び324などの、従来のゲートウェイ310の追加の外部本質安全障壁を必要としない。
【0044】
所与の無線センサネットワークに必要とされ得る本質安全要件は、1つ又は複数のスマートアンテナが配置され得る特定のタイプの危険環境に依存し得る。加えて、所与の危険環境に対する本質安全基準は、国によって異なり得るし、また、時間の経過とともに変化する可能性がある。その結果、その用途に応じてゲートウェイ102の回路をカスタマイズすることが必要になる場合がある。さらに、新しい本質安全基準を満たすために、設置されたゲートウェイ102の回路を定期的に更新すること、又はゲートウェイ102の誤動作している回路を修復することが必要な場合がある。
【0045】
図7は、絶縁回路122及び/又は危険側回路124などのゲートウェイ102の回路のカスタマイズ及び更新を簡略化するように構成された無線センサネットワークゲートウェイ102の一例の簡略図である。一実施形態では、ゲートウェイ102のハウジング126は、一般に200と表記される1つ又は複数のモジュール受容部を含み、その各々は、対応するモジュール202を受け入れるように構成されている。一実施形態では、各モジュール202は、絶縁回路122の少なくとも一部分及び/又は危険側回路124の少なくとも一部分を含む。モジュールは、対応するモジュール受容部に挿入されて、絶縁回路122の一部及び/又は危険側回路124の一部を、対応する安全側回路120に接続して動作可能なゲートウェイ102を形成することができる。タブ及び戻り止めコネクタ、又は他の適切なコネクタなどのコネクタ204は、モジュール202の各々をそのモジュール受容部200内に固定するように動作する。その結果、ゲートウェイ102は、ゲートウェイ用の特定のアプリケーションが必要とするモジュール202を挿入することによって、所与のアプリケーションのために容易にカスタマイズされ得るし、又は、例えば、現在の本質安全基準を満たさないか、又は誤動作しているゲートウェイの1つ又は複数の既存のモジュール202を新しいモジュール202と交換することによって、容易にメンテナンス(更新、修復など)され得る。
【0046】
一実施例では、ゲートウェイ102は、電力絶縁回路154の一部又は全部、及び/又は危険側電源回路148の一部又は全部を含む、1つ又は複数の電源モジュール202Aを含んでおり、ハウジング126は、図7に示すように、電源モジュール202Aを受け入れるように構成された電源モジュール受容部200Aを含む。したがって、電源モジュール202Aの実施形態は、電力絶縁回路154の全部又は一部、及び/又は危険側電源回路148の全部又は一部を含む。電力絶縁回路154及び/又は危険側電源回路148の残りの回路は、電源モジュール202Aが受容部200Aから取り外された場合にも、ハウジング126によって支持されたままであってもよい。電源モジュール202Aが受容部200A内に完全に受け入れられると、安全側電源回路140と電力絶縁回路154と危険側電源回路148との間に電気接続が形成される。追加の電源モジュール202A及び対応する受容部200Aは、複数の電力供給源を提供するためにゲートウェイ102に実装されてもよい。
【0047】
ゲートウェイ102はまた、1つ又は複数のデータモジュール202Bを含んでもよく、データモジュール202Bの各々は、少なくともデータ絶縁回路156の一部及び/又は危険側データ回路152の一部を含んでおり、ハウジング126は、1つ又は複数のデータモジュール受容部200Bを含み、その各々は、図7に示されるように、データモジュール202Bのうちの1つを受け入れるように構成されている。したがって、データモジュール202Bの実施形態は、データ絶縁回路156の全部又は一部、及び/又は危険側データ回路152の全部又は一部を含む。データ絶縁回路156及び/又は危険側データ回路152の残りの回路は、データモジュール202Bが受容部200Bから取り外された場合にも、ハウジング126によって支持されたままであってもよい。データモジュール202Bが受容部200B内に完全に受け入れられると、安全側データ回路142とデータ絶縁回路156と危険側データI/O回路152との間に電気接続が形成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、モジュール受容部200の形状は、ユーザがデータモジュール202Bを電源モジュール受容部200Aに挿入することを防ぐために、又は、電源モジュール202Aをデータモジュール受容部200Bに挿入することを防ぐために、対応するモジュール202にキー設定されている(keyed)。例えば、モジュール202及び
モジュール受容部200のソケットの外形形状は、モジュール202が意図されたモジュール受容部200にのみ挿入されること可能にするタブ及び溝などの特徴を含んでいてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、ゲートウェイ102は、回路を含まない充填モジュールを含んでいてもよく、充填モジュールは、開放モジュール受容部200を塞ぐために使用されてもよい。
【0050】
ハウジングは、仮想線で図示するように、モジュール受容部200のためのカバー206を含んでいてもよい。カバー206は、モジュール受容部200内にモジュール202を設置するために取り外され、次いで、環境条件からモジュール202及びゲートウェイ102の回路を保護するために設置されてもよい。
【0051】
好ましい実施形態を参照して本開示の実施形態を説明してきたが、当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更を加え得ることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8