(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】手術用顕微鏡システムならびに手術用顕微鏡システムのためのシステム、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/12 20060101AFI20240312BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20240312BHJP
A61B 3/10 20060101ALI20240312BHJP
A61B 8/10 20060101ALI20240312BHJP
A61B 8/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B3/12 300
A61F9/007 200C
A61B3/10 100
A61B3/10 900
A61B8/10
A61B8/06
(21)【出願番号】P 2022557839
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2021056824
(87)【国際公開番号】W WO2021191022
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】102020108074.3
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516114695
【氏名又は名称】ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Instruments (Singapore) Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】12 Teban Gardens Crescent, Singapore 608924, Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン コック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン パーング
(72)【発明者】
【氏名】マルコ シュッツ
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-116595(JP,A)
【文献】特開2019-164347(JP,A)
【文献】特開2017-136213(JP,A)
【文献】特開2019-213859(JP,A)
【文献】特開2013-111124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00- 3/18
A61F 9/00-11/30
A61B 8/00- 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用顕微鏡システム(100;500)のためのシステム(110;520)であって、前記システムは、1つまたは複数のプロセッサ(114)と1つまたは複数のストレージデバイス(116)とを有しており、前記システムは、
前記手術用顕微鏡システム(100)のドップラー式画像センサ(120)から眼(160)の少なくとも一部の術中センサデータを取得し、
前記術中センサデータを処理して、前記眼内の血流についての情報を特定し、
前記手術用顕微鏡システムのさらなるセンサ(140)から前記眼の複数の層の術中3次元センサデータを取得し、
前記眼の前記複数の層を前記術中3次元センサデータ内で特定し、
前記血流を前記眼の前記複数の層に割り当て、
前記血流の視覚化を生成し、
前記眼内の前記血流の前記視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を前記手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置(130)に提供する、
ように構成されて
おり、
前記視覚化は、異なる層内の血流が前記視覚化において区別されるように生成される、
システム(110、520)。
【請求項2】
前記視覚化は、前記ディスプレイ信号内で1つまたは複数の色を用いて前記血流が強調表示されるように生成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記術中センサデータに基づき前記血流の量を特定するように構成されていて、前記視覚化は、前記血流の量が前記ディスプレイ信号内で視覚化されるように生成される、
請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記術中センサデータに基づき前記血流の方向を特定するように構成されていて、前記視覚化は、前記血流の方向が前記ディスプレイ信号内で視覚化されるように生成される、
請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記手術用顕微鏡システムの光干渉断層センサ(140)から術中3次元センサデータを取得するように構成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記手術用顕微鏡システムの光学画像センサ(152)から前記眼の術中可視センサデータを取得して、前記術中センサデータと前記術中可視センサデータとの間の整合を特定し、前記術中センサデータと前記術中可視センサデータとの間の前記整合に基づき、前記ディスプレイ信号を前記ディスプレイ装置に提供するように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記術中可視センサデータ上に前記視覚化をオーバーレイするように、そしてオーバーレイされた前記視覚化と共に前記術中可視センサデータを含む前記ディスプレイ信号を前記ディスプレイ装置に提供するように構成されている、
請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記術中可視センサデータなしで前記視覚化を前記ディスプレイ装置に提供するように構成されている、
請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記術中センサデータは、パワードップラー画像センサからの術中センサデータである、
請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記術中センサデータは、カラードップラー画像センサからの術中センサデータである、
請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
手術用顕微鏡システム(100、500)であって、前記手術用顕微鏡システム(100、500)は、
請求項1から10までのいずれか1項記載のシステム(110、520)と、
ドップラー式画像センサ(120)と、
ディスプレイ装置(130)と、
を備えた手術用顕微鏡システム(100、500)。
【請求項12】
前記ドップラー式画像センサは、カラードップラー画像センサであり、または、前記ドップラー式画像センサは、パワードップラーセンサであり、
かつ/または、前記ドップラー式画像センサは、眼に接触させられるプローブを介して術中センサデータを生成するように構成されている、
請求項11記載の手術用顕微鏡システム。
【請求項13】
前記ドップラー式画像センサは、前記ドップラー式画像センサによって放出された超音波の侵入深さを調整するための範囲制御モダリティを有しており、前記システムは、前記術中センサデータの深さを適合させるように前記範囲制御モダリティを制御するように構成されている、
請求項11または12記載の手術用顕微鏡システム。
【請求項14】
手術用顕微鏡システムのための方法であって、前記方法は、
前記手術用顕微鏡システムのドップラー式画像センサから眼の少なくとも一部の術中センサデータを取得するステップ(210)と、
前記眼内の血流についての情報を特定するために前記術中センサデータを処理するステップ(220)と、
前記手術用顕微鏡システムのさらなるセンサ(140)から前記眼の複数の層の術中3次元センサデータを取得するステップと、
前記眼の前記複数の層を前記術中3次元センサデータ内で特定するステップと、
前記血流を前記眼の前記複数の層に割り当てるステップと、
前記血流の視覚化を生成するステップ(230)と、
前記眼内の前記血流の前記視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を前記手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置に提供するステップ(240)と、
を含
み、
前記視覚化は、異なる層内の血流が前記視覚化において区別されるように生成される、
方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプロセッサで実行されるときに、
請求項14に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本例は、手術用顕微鏡システムならびに手術用顕微鏡システムのためのシステム、方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、視神経乳頭の進行性の萎縮を特徴とする疾患群であり、視野欠損、そして最終的には失明につながる。
【0003】
緑内障はしばしば眼圧(IOP)上昇を伴い、これは複数の機序により視神経線維を損傷するため、視野欠損進行の最も重要な危険因子である。「正常な」眼では、眼圧は10~21mm水銀柱の範囲にある。緑内障の眼では、眼圧が75mm水銀柱まで上昇することがある。眼圧は緑内障の唯一の治療可能な側面である場合があり、眼圧下降の成功は疾患の進行を遅らせるのに効果的である。
【0004】
難治性緑内障の治療には、房水シャントまたは緑内障ドレナージ装置の利用が増えてきている。従来の緑内障手術(線維柱帯切除術および緑内障ドレナージ装置)は、非常に効果的であるが、複視、深刻な眼感染症、ドレナージインプラントの露出、角膜の腫脹および過度の眼圧下降といったリスクを伴う。これらのリスクは比較的まれではあるが、これらのリスクのために多くの外科医は、低侵襲的な他の治療選択肢(薬剤およびレーザー治療)が全て最大限行われ、患者に確定的な緑内障の悪化が見られるまで、緑内障手術を遅らせている。
【0005】
最も標準的な緑内障手術の合併症の一部を減らすために、近年ではMIGS(低侵襲緑内障手術)処置が開発されている。これらの手技は、他の侵襲的技術よりも合併症が少なく、かつ回復時間がより速い、より高い安全性プロファイルを有する。MIGSアプローチの大半は、線維柱帯網、脈絡膜上腔または結膜下層からの房水の流出を目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
緑内障手術に使用するための手術用顕微鏡の改善されたコンセプトを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この要求は、独立請求項の主題によって達成される。
【0008】
本開示の例は、MIGS処置における重要なステップが、線維柱帯網(隅角鏡検査で見られる目標物)の適切な識別、過度の外圧の回避、および装置または切除器具の適切な配置の確認を含むという知見に基づく。角膜の皺、過度の出血および浅い眼房による不十分な視野により、外科医にとって手技が困難になる。単一のステント留置に関する学習曲線は、顕微鏡および隅角鏡を介した不十分な視野のため、最初の症例を行う緑内障外科医にとって困難であると考えられる。また別の見解は、流出動態についての外科医の理解には、緑内障外科治療において別の大きな隔たりがあるということである。上記で提示したMIGSアプローチは、房水流出を改善して眼の眼圧を下げることを試みる。外科医が房水フローパターンを術中に視覚化することを可能にし、かつ高流量または低流量の血管を目標にしてMIGSデバイスの留置および位置のカスタマイズにおいて外科医を支援するモダリティは、他のシステムによって提供され得ない。
【0009】
したがって本開示の例は、ドップラー式画像センサからの眼の術中センサデータを処理し、術中センサデータに基づき眼内の血流を特定し、血流の視覚化を生成し、外科医によるステントの留置を支援するために外科医に視覚化をアウトプットする、手術用顕微鏡システムのためのシステム、方法およびコンピュータプログラムならびに対応する手術用顕微鏡システムに関する。
【0010】
本開示の実施形態は、手術用顕微鏡システムのためのシステムを提供する。このシステムは、1つまたは複数のプロセッサと1つまたは複数のストレージデバイスとを有している。このシステムは、手術用顕微鏡システムのドップラー式画像センサから眼の少なくとも一部の術中センサデータを取得するように構成されている。このシステムは、術中センサデータを処理して、眼内の血流についての情報を特定するように構成されている。このシステムは、血流の視覚化を生成するように構成されている。このシステムは、眼内の血流の視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置に提供するように構成されている。ドップラー画像により、眼内の血流を示すセンサデータを生成することができ、このセンサデータは処理されて、外科医に提供され、したがって、眼、特に緑内障の手術中に外科医を支援する。
【0011】
さまざまな実施形態では、視覚化は、ディスプレイ信号内で1つまたは複数の色を用いて血流が強調表示されるように生成される。例えば、組織のイメージの血流を対比させるために、かつ/または眼内の異なる深度における血流を区別するために、1つまたは複数の色を使用することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムは、術中センサデータに基づき血流の量を特定するように構成されている。視覚化は、ディスプレイ信号内で血流の量が視覚化されるように生成されてよい。量、または速度、または血流は、可能なステント位置の良好な術中マーカーを提供することができる。
【0013】
例えば、システムは、術中センサデータに基づき血流の方向を特定するように構成されていてよい。視覚化は、ディスプレイ信号内で血流の方向が視覚化されるように生成されてよい。血流の方向は、ステント留置の際に考慮することができる別のファクタである。
【0014】
いくつかの実施形態では、システムは、手術用顕微鏡システムの別のセンサから眼の複数の層の術中の3次元センサデータを取得するように構成されていてよい。システムは、術中3次元センサデータ内の眼の複数の層を特定するように構成されていてよい。システムは、眼の複数の層に血流を割り当てるように構成されていてよい。視覚化は、異なる層内の血流が視覚化において区別されるように生成されてよい。したがって、層における血流に垂直方向位置および組織構造の両方を、外科医に示すことができる。
【0015】
例えば、システムは、手術用顕微鏡システムの光干渉断層(OCT)センサから術中3次元センサデータを取得するように構成されていてよい。OCTは、術中3次元センサデータを、例えば眼の手術に提供するために使用することができる。
【0016】
さまざまな実施形態では、血流の視覚化は、眼の可視センサデータ(例えば、カメラセンサデータ)と組み合わせることが、またはオーバーレイすることができる。したがって、システムは、手術用顕微鏡システムの光学画像センサから眼の術中可視センサデータを取得するように構成されていてよい。システムは、術中センサデータと術中可視センサデータとの間の整合を特定するように構成されていてよい。システムは、術中センサデータと術中可視センサデータとの間の整合に基づいてディスプレイ信号をディスプレイ装置に提供するように構成されていてよい。したがって、血流の視覚化を、術中可視センサデータと共に示すことができる。
【0017】
例えばシステムは、術中可視センサデータ上に視覚化をオーバーレイするように構成されていてよい。システムは、オーバーレイされた視覚化を伴う術中可視センサデータを含むディスプレイ信号をディスプレイ装置に提供するように構成されていてよい。これにより、外科医に術中可視センサデータと血流の視覚化とを心理的に同じ配置にさせる必要なく、複合的な像を外科医に提供することができる。
【0018】
さまざまな実施形態では、システムは、術中可視センサデータなしで視覚化をディスプレイ装置に提供するように構成されている。例えば、視覚化は、手術部位の純粋に光学的な画像上にオーバーレイされてよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、術中センサデータは、パワードップラー画像センサからの術中センサデータである。パワードップラーセンサは、カラードップラー画像センサよりも感度が高いが、流れの方向に関する情報を提供することはできない。
【0020】
代替的にまたは付加的に、術中センサデータは、カラードップラー画像(CDI)センサからの術中センサデータであってよい。CDIは、パワードップラー画像よりも低い感度で、血流の速度(したがって量)および血流の方向を測定するために使用することができる。
【0021】
本開示の実施形態はさらに、このシステム、ドップラー式画像センサおよびディスプレイ装置を備えた手術用顕微鏡システムを提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、上述したように、ドップラー式画像センサは、カラードップラー画像センサであってよい。代替的に、ドップラー式画像センサは、パワードップラーセンサであってよい。第3の態様では、手術用顕微鏡システムは、カラードップラー画像センサとパワードップラーセンサとの両方を有していてよい。例えば、ドップラー式画像センサは、眼に接触させられるプローブを介して術中センサデータを生成するように構成されていてよい。プローブは、ドップラー式画像センサのセットの一部として使用される。
【0023】
いくつかの実施形態では、ドップラー式画像センサは、ドップラー式画像センサによって放出された超音波の侵入深さを調整するための範囲制御モダリティを含んでいてよい。システムは、術中センサデータの深さに適合させるために範囲制御モダリティを制御するように構成されていてよい。これによりシステムは、手術部位の表面付近を画像化することが、または組織内のより深いところを画像化することができる。
【0024】
本開示の実施形態はさらに、手術用顕微鏡システムのための方法を提供する。この方法は、手術用顕微鏡システムのドップラー式画像センサから眼の少なくとも一部の術中センサデータを取得するステップを含む。この方法は、眼内の血流についての情報を特定するために術中センサデータを処理するステップを含む。この方法は、血流の視覚化を生成するステップを含む。この方法は、眼内の血流の視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置に提供するステップを含む。
【0025】
本開示の実施形態はさらに、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがプロセッサで実行されるときにこの方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムを提供する。
【0026】
以下では、装置および/または方法のいくつかの例を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】手術用顕微鏡システムのためのシステムの例を示す概略図である。
【
図1b】手術用顕微鏡システムのためのシステムの例を示す概略図である。
【
図1c】手術用顕微鏡システムの例を示す概略図である。
【
図1e】眼内の血流の異なる視覚化を示す概略図である。
【
図2】手術用顕微鏡システムのための方法のフローチャートを示す図である。
【
図3】緑内障手術で使用されるさまざまなセンサおよびモダリティを示す概略図である。
【
図4】ゴニオプリズムを通した眼の像を示す概略図である。
【
図5】顕微鏡およびコンピュータシステムを含む概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、いくつかの例が示されている添付の図面を参照して、さまざまな例をより完全に説明する。図中、線の太さ、層の厚さおよび/または領域の大きさは、明確にするために誇張されている場合がある。
【0029】
図1aおよび
図1bは、手術用顕微鏡システム100のためのシステム110の例の概略図を示す。このシステム110は、1つまたは複数のプロセッサ114と1つまたは複数のストレージデバイス116とを有している。オプションとして、このシステムはインターフェース112を有している。1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数のストレージデバイスに、およびオプションとしてのインターフェースに接続される。一般的に、システムの機能は、例えば、オプションとしてのインターフェースおよび/または1つまたは複数のストレージデバイスと連携して、1つまたは複数のプロセッサにより提供される。システムは、手術用顕微鏡システム100のドップラー式画像センサ120から眼160の少なくとも一部の術中センサデータを、例えばインターフェース112を介して取得するように構成されている。このシステムは、術中センサデータを処理して、眼内の血流についての情報を特定するように構成されている。このシステムは、血流の視覚化を生成するように構成されている。システムは、眼内の血流の視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を(例えばインターフェース112を介して)手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置130に提供するように構成されている。
【0030】
本開示の例は、手術中に眼内の血流の視覚化を生成するために、ドップラー式画像センサの術中センサデータを使用する手術用顕微鏡システムのためのシステム、方法およびコンピュータプログラムならびに対応する手術用顕微鏡システムに関する。一般的に、
図1cに示された顕微鏡150(または「光学系キャリア」)のような顕微鏡は、人間の目(単独)によって検査するにはおそらくは小さすぎる対象物を検査するのに適した光学機器である。例えば、顕微鏡は、試料の光学的拡大を提供することができる。現代の顕微鏡では、光学的拡大は、カメラ、または
図1bに示すような顕微鏡150の画像センサ152などの画像センサのために提供されることが多い。代替的に、純粋に光学的なアプローチを取ることができる。顕微鏡150は、試料の像を拡大するために使用される1つまたは複数の光学的増幅部品、例えば対物レンズ(すなわちレンズ)をさらに含んでいてよい。本出願の文脈では、「(手術用)顕微鏡システム」という用語は、(光学部品を含む)実際の顕微鏡の一部ではないが、顕微鏡に付随して使用されるシステム部分、例えば、システム110、ドップラー式画像センサ120、またはディスプレイ装置130を網羅するために使用される。
【0031】
図1cは、システム110を有する手術用顕微鏡システム100(すなわち、手術中に使用するための顕微鏡システム)の例の概略図を示す。手術用顕微鏡システムはさらに、少なくとも1つのドップラー式画像センサ120と、ディスプレイ装置130と、を有している。
図1cでは、ドップラー式画像センサ120の(ドップラー)プローブが、フレキシブルアーム122を介して手術用顕微鏡150に取り付けられている。
図1cに示された顕微鏡システムは、眼科手術、すなわち眼の手術で使用するための手術用顕微鏡システムである。
図1cに示された手術用顕微鏡システム100は、複数のオプションとしての構成要素、例えば、(回転)スタンドを備えた(システム110を有した)ベースユニット105、顕微鏡150を位置保持し、ベースユニット105と顕微鏡150とに連結された(ロボットまたは手動)アーム170および顕微鏡150に取り付けられた操作ハンドル180を有している。1つまたは複数のディスプレイ装置は、例えば、補助ディスプレイとして、または接眼ディスプレイとして、顕微鏡150の一部であってよい。例えば、システム110は、(ドップラー式画像センサの)ドップラー送受信機、ドップラー式画像センサの範囲制御装置、ドップラー式画像センサの信号デジタル化装置を有していてよく、または実装されていてよい。補助ディスプレイ130および/または接眼ディスプレイには、血流の視覚化132が、カラーオーバーレイとして示されてよい。
【0032】
さまざまな異なる形式の顕微鏡がある。顕微鏡が医学的または生物学的分野で使用される場合、顕微鏡を通して観察される試料は、例えばシャーレ内に配置された、または患者の身体の一部に存在している有機組織の試料であってよい。本開示の例は、眼の手術で使用するための手術用顕微鏡および手術用顕微鏡システムに関する。したがって、試料、または有機組織の試料は、患者の眼160、または少なくとも眼の一部である。
【0033】
システムは、手術用顕微鏡システム100のドップラー式画像センサ120から眼160の少なくとも一部の術中センサデータを取得するように構成されている。一般に、ドップラー式の(超音波)画像検査は、超音波画像化に基づく技術である。パルスエコー超音波画像検査としても知られる「古典的」な超音波画像検査では、パルスが組織中に送信され、エコーの振幅および往復時間がパルスの方向性に関する知識と共に用いられて、組織の深度画像が生成される。ドップラー式の画像検査(またはドップラー式超音波画像検査)では、エコーの振幅の代わりに(またはエコーの振幅に加えて)、エコーのドップラーシフトが利用され、ドップラープローブに対して相対的な組織または流体の速度が特定される。ドップラー式の超音波画像は、心臓、動脈および静脈などの血管内の血流を測定するため、または心臓壁等の組織の移動を特定するために用いられる。
【0034】
さまざまな形式のドップラー式画像センサがある。第1の形式のドップラー式(超音波)画像センサは、「カラードップラー画像センサ」と呼ばれるセンサであり、血流の方向の特定を支援するように、動脈または静脈の血流を視覚化するために用いられることが多い。例えば、術中センサデータは、カラードップラー画像センサからの術中センサデータであってよい。ドップラー式画像センサは、カラードップラー画像センサであってよい。カラードップラー画像(カラーフローイメージング、CFIとも称される)の場合、ドップラー式画像センサが、試料の所与の体積から戻る後続のパルスのエコー間の位相シフトに基づいて組織のまたは液体(例えば血液)の速度の推定値を生成するように構成されていてよい。代替的に、試料の所与の体積から戻ってくるエコー間の時間遅延の差を利用して、速度を推定することもできる。1980年代初期に導入されたとき、CDIでは、移動速度は、超音波プローブによって放出されるパルスの方向に沿ってのみ測定することができた。本例において使用可能なもののように、より改良されたセンサ構造では、血流の指向性が所望される場合、血流の方向を、例えばビームフォーミングを利用して、放射される超音波パルスの角度を変化させることによって、特定することができる。したがって、カラードップラー画像センサの術中センサデータは、眼内の血流の移動の速度および/または方向に関する情報を含むことができる。
【0035】
別の形式のドップラー式(超音波)画像は、パワードップラー画像である。パワードップラー画像では、組織または液体の移動の速度および/または方向を分析するのではなく、ドプラー信号の強度が視覚化される。例えば、手術用顕微鏡システムのドップラー式画像センサは、パワードップラーセンサであってよい。術中センサデータは、パワードップラー画像センサからの術中センサデータであってよい。パワードップラーセンサは、試料の所与の体積でのドップラーシフトの大きさを特定するように構成されていてよい。したがって、カラードップラー画像センサの術中センサデータは、眼内の血流の移動の強度(またはパワー)に関する情報を含むことができる。パワードップラー画像は、血流の方向または速度についての情報を提供できないかもしれないが、その感度はCDIの感度よりも高くなり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、両方のドップラー画像技術が組み合わせられていてよい。例えば、術中センサデータは、パワードップラー画像センサからの術中センサデータと、カラードップラー画像センサからの術中センサデータと、の両方を含んでいてよい。
【0037】
どちらの形式のセンサも、(ジェルを介して)眼に接触させられるプローブを使用する。プローブは、超音波エミッタ(またはパルス発生器によって生成された超音波パルスを放出するための少なくとも1つの放出モダリティ)と、センサ(または眼に接触させられるセンサの少なくとも一部)と、を備える。したがって、ドップラー式画像センサは、眼に接触させられるプローブを介して術中センサデータを生成するように構成されていてよい。いくつかの実施形態では、ドップラー式画像センサは、1つの別個のセンサ(または両形式のドップラー式画像センサが使用される場合には、複数の別個のセンサ)であってもよい。代替的に、ドップラー式画像センサの機能は、システム110によって実施されてもよい。
【0038】
本開示のさまざまな実施形態では、術中センサデータは、画像データ、例えば、2次元画像データのフレームを有していてよい。例えば、画像データでは、眼の組織をグレースケール画像で示すことができ、血流のドップラー式の視覚化を、グレースケール画像上に(例えばカラーで)重ね合わせて示すことができる。代替的に、術中センサデータは、2つのセットの画像データを含むことができ、一方のセットは(例えばパルスエコー超音波画像に基づく)眼の組織を示し、他方のセットは、血流のドップラー式の視覚化を示す。2つの形式のドップラー式画像センサが使用される場合、両方のセンサからの画像データを術中センサデータに含ませることができる。代替的に、術中センサデータは、生データを、例えば、超音波エミッタによって放出されたパルスに対する1つまたは複数のエコーの振幅および/または位相に関連する生データを、例えば、超音波エミッタによってプローブに対して放出されたパルスの角度と共に含むことができる。
【0039】
ドップラー式画像センサから取得されるセンサデータは、術中センサデータ、すなわち手術中に生成されるセンサデータである。例えば、術中センサデータは、手術中に取得されて処理されてよい。換言すると、システムは、眼の手術中に術中センサデータのリアルタイム処理を実行するように構成されていてよい。したがって、システムは、手術中に、例えば、リアルタイムで(すなわち、対応する術中センサデータに対して所定の最大遅延を伴って)ディスプレイ装置にディスプレイ信号を提供するように構成されていてよい。
【0040】
システムは、術中センサデータを処理して眼内の血流についての情報を決定するように構成されている。上述したように、術中センサデータは、眼内の血流に関する情報、例えば、眼内の血流の移動の強度(またはパワー)に関する情報、眼内の血流の方向に関する情報および/または眼内の血流の量に関する情報を含むことができる。術中センサデータは、眼の少なくとも一部の複数の異なる位置に関する各センサデータを含むことができる。例えば、術中センサデータが画像データを含んでいる場合には、画像データの各画素は、眼の一部の複数の異なる位置のうちの1つの位置に関する血流についての情報を含むことができる。システムは、術中センサデータを処理して、例えば眼の一部の複数の位置に関する、眼内の血流についての情報を術中センサデータから抽出するように構成されていてよい。例えばシステムは、画像データ内の可視色(血液の方向、速度および/または強度を示す色)を処理して、眼内の血流についての情報を術中センサデータから抽出するように、または生データを処理して、眼内の血流についての情報を術中センサデータから抽出するように構成されていてよい。いずれの場合でも、システムは、術中センサデータに基づき血流の量を特定するように構成されていてよい。付加的にまたは代替的に、システムは、術中センサデータに基づき血流の方向を特定するように構成されていてよい。処理後、システムは、眼の一部の複数の位置のそれぞれに関する血流についての情報をコンパイルすることができる。
【0041】
続いて、システムは、眼の一部の複数の位置に関する血流の視覚化を生成する。換言すると、システムは、血流の視覚化を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、血流を視覚化するためにさまざまな記号を、例えば、方向を示すためのベクトル矢印、多量の血流のためには太線矢印、高速のためには長い矢印等を使用することができる。代替的または付加的に、血流を視覚化するためにさまざまな色が使用されてもよい。換言すると、ディスプレイ信号内で1つまたは複数の色を用いて血流が強調表示されるように、視覚化が生成されてよい。例えば、血流の方向がディスプレイ信号内で視覚化されるように、例えば異なる方向が異なる色を用いて強調表示されるように、視覚化が生成される。付加的にまたは代替的に、ディスプレイ信号内で血流の量が視覚化されるように、視覚化が生成されてよい。例えば、血流の異なる量(または速度)が、異なる色を用いて強調表示されるように、視覚化が生成されてよい。例えば、血流の第1の方向が第1の色範囲(例えば、黒から赤)によって示され、血流の第2の方向が第2の色範囲(例えば、黒から青)によって示され、この場合、色範囲内の色がそれぞれの方向における血流の量および/または速度を表す視覚化を生成することができる。代替的に、4つの方向と、4つの色範囲(例えば黒から黄色、緑、青、赤)と、を有する視覚化が選択されてもよい。
【0042】
図1d~
図1eは、眼内の血流の異なる視覚化の概略図を示す。
図1dでは、血流の方向が矢印を用いて視覚化されており、矢印の太さは血量を示し、矢印の長さは速度を示す。
図1eでは、血流の方向が、異なる色範囲を表す異なるパターンを用いて視覚化されており、血流の量が、色範囲内の異なる色を表す異なる密度パターンを用いて視覚化されている。
【0043】
いくつかの実施形態では、異なる深さにおける血流を区別することができる。例えば、眼は複数の異なる層を有していてよく、血流は複数の層のうちの1つまたはいくつかの層で生じる。したがって、システムは、複数の層を識別し、血流が発生する各層に、特定された血流を割り当てることができる。したがって、システムは、(例えばインターフェース112を介して)手術用顕微鏡システムの別のセンサ140から(または代替的にまたは付加的にドップラー式画像センサから)眼の複数の層の術中の3次元センサデータを取得するように構成されている。例えば、システムは、手術用顕微鏡システムの光干渉断層法(OCT)センサ140から術中の3次元センサデータを取得するように、構成されていてよい。したがって、手術用顕微鏡センサは、光干渉断層センサ140を有していてよい。代替的に、システムは、例えば、パルスエコー超音波センサデータから複数の層を抽出することによって、術中3次元センサデータを取得するために、ドップラー式画像センサの基礎となるパルスエコー超音波センサデータを3次元センサデータに変換するように構成されていてよい。
【0044】
システムは、術中3次元センサデータ内の眼の複数の層を特定するように構成されていてよい。例えば、術中3次元センサデータは、眼の一部の組織の3次元表現を有していてよい。システムは、目の一部の組織の3次元表現内の層を識別し、目の一部の組織の3次元表現内で識別された層に基づいて複数の層を特定するように構成されていてよい。
【0045】
システムは、眼の複数の層に血流を割り当てるように構成されていてよい。血流が眼の表面下方のどの深さで生じるかを特定するために、ドップラー式画像センサのために使用される超音波パルスの侵入深さを、複数の層のさまざまな層に適合させることができる。したがって、ドップラー式画像センサは、ドップラー式画像センサによって(例えば、ドップラー式画像センサのプローブのエミッタによって)放出された超音波の侵入深さを調整するための範囲制御モダリティを、例えば制御回路を含んでいてよい。これによりシステムは、手術部位の表面付近を画像化することが、または組織内のより深いところを画像化することができる。システムは、術中センサデータの深さに適合させるために範囲制御モダリティを制御するように構成されていてよい。例えば、システムは、術中センサデータの深さが、複数の層のうちの層に整合させられるように範囲制御モダリティを制御するように構成されていてよい。例えば、システムは、ドップラー式画像センサによって放出された超音波の侵入深さが順次、複数の層のそれぞれをターゲットとして、複数の層のそれぞれにおける血流を表す術中センサデータを取得するように、範囲制御モダリティを制御するように構成されていてよい。視覚化は、異なる層内の血流が視覚化において区別されるように生成されてよい。例えば、異なる層における血流は、異なる色で表すことができる。換言すると、システムは、異なる層における血流を、異なる色で表すように視覚化を生成するように構成されていてよい。
【0046】
システムは、眼内の血流の視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置130に提供するように構成されている。例えば、ディスプレイ装置は、手術用顕微鏡150の接眼ディスプレイ、または手術用顕微鏡または手術用顕微鏡システムのベースユニットに配置される補助ディスプレイであってよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ドップラー式画像センサのプローブを眼の表面上で動かすことができるので、術中センサデータを眼の一部の視覚的知覚と整合させて、例えば接眼レンズ内で正確なオーバーレイを提供することができ、または正しくオーバラップされた眼の表面の視覚表現と血流の視覚表現との両方を有する視覚化を生成することができる。例えば、システムは、インターフェース112を介して、手術用顕微鏡システムの光学画像センサ152から(例えば、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡150の光学画像センサ152から)眼の術中可視センサデータを取得するように構成されていてよい。例えば、光学画像センサ152は、APS(Active Pixel Sensor)方式もしくはCCD(Charge-Coupled-Device)方式の画像センサを含んでいてよく、またはこれらであってよい。例えば、
図3および
図4に示されたように、光学画像センサは、ゴニオプリズム(光学画像センサと眼との間の光路を再方向付けるために使用することができるプリズム、これにより、手術用顕微鏡システムの光学画像センサは、側方から術中可視センサデータを生成することができる)を介して術中可視センサデータを生成するように構成されていてよい。
【0048】
システムは、術中センサデータと術中可視センサデータとの間の整合を特定するように構成されていてよい。前述したように、術中センサデータは、画像データを有していてよい。画像データでは、眼の組織をグレースケール画像で示すことができ、血流のドップラー式の視覚化を、グレースケール画像上に(例えばカラーで)重ね合わせて示すことができる。代替的に、術中センサデータは、2つのセットの画像データを含むことができ、一方のセットは(例えばパルスエコー超音波画像に基づく)眼の組織を示し、他方のセットは、血流のドップラー式の視覚化を示す。システムは、画像データに示された眼の組織と術中可視センサデータとの間の整合を特定するように構成されていてよい。例えば、システムは、画像データからおよび術中可視センサデータから、眼の組織の輪郭を抽出するように構成されていてよい。システムは、例えば、輪郭パターンマッチングを使用して、輪郭を互いに整合させるように構成されていてよい。例えば、システムは、(例えば、術中センサデータの)深度情報と組み合わせて、血管の屈曲度および太さの画像/パターン認識を実施するように構成されていてよい。例えば、システムは、(例えば、ゴニオプリズムの形状に基づいて)輪郭を互いに整合させるために輪郭の並進、回転および/または変形を行うように構成されていてよい。術中可視センサデータが術中センサデータと整合させられると、システムは、眼に対して相対的な術中センサデータの位置を認識する。この情報は、術中センサデータを術中3次元センサデータと整合させるために使用されてもよい。換言すれば、システムは、例えば、術中可視センサデータと術中センサデータとの間の整合に基づいて、または術中可視センサデータと術中センサデータとの間で実施される整合と類似して、術中センサデータを術中3次元センサデータと整合させるように構成されていてよい。
【0049】
システムは、術中センサデータと術中可視センサデータとの間の整合に基づいてディスプレイ信号をディスプレイ装置に提供するように構成されていてよい。いくつかの実施形態では、外科医に、カメラに基づく試料の像を提供することができる、すなわちこの場合、手術用顕微鏡を使用して術中可視センサデータが生成され、次いでこれが、手術用顕微鏡の接眼レンズ内に組み込まれたディスプレイを介して外科医に提示される。この場合、視覚化を、術中可視センサデータ上にオーバーレイすることができ、結果として生じた画像を、ディスプレイ装置を介して外科医に提示することができる。換言すると、システムは、術中可視センサデータ上に視覚化をオーバーレイするように、そしてオーバーレイされた視覚化と共に術中可視センサデータを含むディスプレイ信号をディスプレイ装置に提供するように構成されていてよい。付加的にまたは代替的に、システムは、術中3次元センサデータの可視表現上に視覚化をオーバーレイするように、そしてオーバーレイされた視覚化と共に術中3次元センサデータの可視表現を含むディスプレイ信号をディスプレイ装置に、例えば血流および組織の3次元表現として提供するように構成されていてよい。
【0050】
代替的に、術中センサデータと術中可視センサデータとの間の整合が単に、眼に対して相対的な視覚化の配置を決定するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、手術用顕微鏡を介して見る眼の像は、画像センサを介さない光学的な像であってよい。単に、視覚化を、例えば透明なディスプレイを使用して、または一方向鏡を介して、光学的な像に重ね合わせてもよい。システムは、術中可視センサデータなしで視覚化をディスプレイ装置に提供するように構成されていてもよい。ディスプレイ装置は、眼の光学的な像の上に視覚化を重ねるように構成されていてよい。眼の光学的な像に対して相対的な視覚化の配置は、術中センサデータと術中可視センサデータとの間の整合に基づいていてよい。
【0051】
インターフェース112は、モジュール内、モジュール間、またはさまざまなエンティティのモジュール間で、指定されたコードによるデジタル(ビット)値であってよい情報を受信および/または送信するための1つまたは複数の入力および/または出力に対応することができる。例えば、インターフェース112は、情報を受信および/または送信するように構成されたインターフェース回路を有していてよい。実施形態では、1つまたは複数のプロセッサ114が、1つまたは複数の処理ユニット、1つまたは複数の処理デバイス、処理のための任意の手段、例えば、プロセッサ、コンピュータ、または適合されたソフトウェアで動作可能なプログラマブルハードウェアコンポーネントを使用して、実現されてよい。換言すると、1つまたは複数のプロセッサ114の説明された機能は、ソフトウェアで実現されてもよく、この場合、このソフトウェアは、1つまたは複数のプログラマブルハードウェアコンポーネントにおいて実行される。このようなハードウェアコンポーネントは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ等を含んでいてよい。少なくともいくつかの実施形態では、1つまたは複数のストレージデバイス116は、磁気記憶媒体または光学記憶媒体、例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電子消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、またはネットワークストレージのようなコンピュータ可読記憶媒体のグループのうちの少なくとも1つの要素を含んでいてよい。
【0052】
システムおよび手術用顕微鏡システムのさらなる詳細および態様は、提案されたコンセプトまたは上述もしくは下述の1つまたは複数の例に関連して言及される(例えば、
図2~
図5)。システムおよび手術用顕微鏡システムは、提案されたコンセプトの1つまたは複数の態様または上述もしくは下述の1つまたは複数の例に対応する1つまたは複数の付加的なオプションとしての特徴を有していてよい。
【0053】
図2は、手術用顕微鏡システム、例えば
図1a~
図1eの手術用顕微鏡システム100に対応する方法のフローチャートを示している。この方法は、手術用顕微鏡システムのドップラー式画像センサから眼の少なくとも一部の術中センサデータを取得するステップ210を含む。この方法は、眼内の血流についての情報を特定するために術中センサデータを処理するステップ220を含む。この方法は、血流の視覚化を生成するステップ230を含む。この方法は、眼内の血流の視覚化に基づいて、ディスプレイ信号を手術用顕微鏡システムのディスプレイ装置に提供するステップ240を含む。
【0054】
上述したように、
図1a~
図1eのシステム110および手術用顕微鏡システム100に関連して説明した特徴は、同様に
図2の方法にも適用されてよい。
【0055】
方法のさらなる詳細および態様は、提案されたコンセプト、または上述もしくは下述の1つまたは複数の例に関連して言及される(例えば、
図1a~
図1e、
図3~
図5)。この方法は、提案されたコンセプトの1つまたは複数の態様または上述もしくは下述の1つまたは複数の例に対応する1つまたは複数の付加的なオプションとしての特徴を有していてよい。
【0056】
本開示のさまざまな実施形態は、(例えば、ドップラー顕微鏡を使用する)顕微鏡での血管視覚化のための(例えば
図1a~
図1eのシステムによって提供されるような)統合されたドップラー画像に関する。カラードップラー画像(CDI)またはパワードップラーは、流速を求めるために使用することができ、特に、顕微鏡システムに組み込まれている場合には、眼血流の評価を提供するために使用することができる。これは、特に、より正確なステント留置および房水流出の術中確認のために有用であり得る。
【0057】
別の用途は、網膜剥離などの網膜異常を検出するための非侵襲的方法としてのものであろう。網膜には、網膜中心動脈から血液が供給され、網膜中心動脈は眼の後方の約1cmで視神経に入り、上枝と下枝に分かれる。次いで、これらの各動脈はさらに上鼻側細動脈と下鼻側細動脈と上耳側細動脈と下耳側細動脈とに分かれ、これらも網膜表面に沿ってさらに分岐する。
【0058】
ドップラー顕微鏡は、剥離が生じた場合にかつ/または手術後に網膜が完全に固定された場合に、これらの網膜の膜構造における血流を検出し、リアルタイムで視覚確認を提供するのに有用であり得る。また、より良好な臨床結果を得るために、手術中の移植グラフトとして使用することができる高度に血管新生した網膜または網膜周辺の脈絡膜の部位を識別するために、術中に使用することもできる。ドップラー顕微鏡の別の用途は、眼内の転移部位を識別することである。このような眼癌、例えば、脈絡膜転移は、最も一般的には、悪性腫瘍に供給する血管新生の多い部位と関連している。ドップラー画像は、そのような部位を識別するために術中に用いることができ、さらに全ての腫瘍組織が治療されたということの術後の臨床的確認として機能させることができる。眼のドップラー画像は文献で研究されているが、眼科における術中の手術用途に関して、この技術はまだ顕微鏡検査に組み込まれていない。
【0059】
カラードップラー画像(CDI)は、周波数(ヘルツ)におけるドップラーシフトの原理を使用して血流速度(cm/秒)を測定する。CDIの利点は、非侵襲的であり、欠陥のある中間透光体によって影響を受けず、造影剤や放射線を必要とせず、眼血流の画像検査において眼科学で証明されているものであるということである。CDIは血流速度を測定し、これは、手術中の所与の血管内の可能なステント位置の良好な術中マーカーとして使用することができる。
【0060】
パワードップラーは、血流の検出およびデモンストレーションに関してCDIよりも感度が高いが、流れの方向に関する情報は提供しない。しかしながら、パワードップラーは、最小限の血流の検出に対してより高い感度を有し、より良好なエッジ定義および流れの連続性の描画によって、標準のカラードップラーの使用によっては取得することが困難または不可能である画像を取得するために使用することができる。パワードップラーは、小血管や低速流の検出に特に有用である。
【0061】
CDIおよびパワードップラーの両方が、術中センサデータを生成するために使用されてよい。これらの画像技術のどちらか一方を、または両方を組み合わせて、(例えば、システムを介して)顕微鏡システム内に結合することができる。所定の区域内における血流のスピードおよび速度を表す色を、接眼レンズまたはデジタルスクリーン上のオーバーレイ(すなわち視覚化)として提示することができ、これによっていっそう高い臨床的確実性を外科医に提供することができる。パワードップラー画像は、3次元画像と組み合わせて、容積情報を提供することができる。
【0062】
ドップラー画像を付加的に光干渉断層法(OCT)と結合させて、血管構造における流れのリアルタイムマッピングによる、眼の種々の層の安全な非侵襲的視覚化を提供することができる。
【0063】
図3は、緑内障手術で使用されるさまざまなセンサおよびモダリティの概略図を示す。
図3は、手術用顕微鏡(すなわち光学キャリア)150を示しており、この顕微鏡は、手術用顕微鏡の光路を眼160に向けて方向転換させるゴニオプリズム300に向けられた顕微鏡対物レンズ/レンズ154を備える。非侵襲的ドップラートランスデューサ(プローブ)120は、光学キャリアの一部として、または顕微鏡システムに取り付けられた延長可能なハンドピースとして組み込まれて、顕微鏡に連結させることができる。
図3はさらに、フレキシブルアーム122を介して顕微鏡150に取り付けられたドップラープローブ120を示している。プローブは、顕微鏡から伸張するフレキシブル支持アームによって、手術中に患者の目に向かって所定の位置に保持され得る。超音波ジェル310は、眼表面とプローブ先端との間の中間体として使用することができ、つまりドップラープローブは超音波ジェル310を介して眼に接触させられる。
図4は、ゴニオプリズム300を通した眼160の像の概略図を示している。
図4はさらに、直接に、およびゴニオプリズム300を通して見た場合の手術用器具400を示している。
【0064】
血管への高周波音波の放射および反射の測定によって、システムは、血管を通る液体(例えば血流)の移動を測定し、示すことができる。処理ユニット(例えばシステム110)は、手術中にリアルタイムに流れの強度を反映させるために、音波の強度をさまざまな色に変化させることができる。さらに、超音波の侵入深さを調整するために範囲制御を使用することができ、これにより、システムは角膜および強膜の近くを画像化することが、またはより深いところで網膜構造を画像化することができる。
【0065】
血管の屈曲度および太さを深度情報と組み合わせて画像認識することにより、ドップラー画像(すなわち術中センサデータ)を顕微鏡光学系またはカメラからの視覚画像(すなわち術中可視センサデータ)と一致させる(すなわち整合させる)ように、また、接眼部またはデジタルスクリーンへの画像注入として、カラーオーバーレイ(例えば視覚化)を表示するように、システムは構成されてよい。付加的に、画像は、パワードップラーと統合された場合、血管の体積を示す3次元画像として再構成することができる。
【0066】
ドップラー画像を付加的に光干渉断層法(OCT)と結合させて、血管構造における流れのリアルタイムマッピングによる、眼のさまざまな層の安全な非侵襲的視覚化を提供することができる。この態様では、手術中に組織構造と血流の高分解能断層画像を同時に取得することができる。
【0067】
提示されたコンセプトは、手術中の所与の血管内の可能なステント位置のリアルタイムな術中マーカーの提供により、より大きな臨床的確実性を可能にすることができる。さらに、ドップラー顕微鏡は、網膜血管構造または眼内腫瘍増殖の検出に有用な非侵襲的方法として用いることができる。
【0068】
コンセプトのさらなる詳細および態様は、提案されたコンセプト、または上述もしくは下述の1つまたは複数の例に関連して言及される(例えば、
図1a~
図2、
図5)。このコンセプトは、提案されたコンセプトの1つまたは複数の態様または上述もしくは下述の1つまたは複数の例に対応する1つまたは複数の付加的なオプションとしての特徴を有していてよい。
【0069】
いくつかの実施形態は、
図1から
図4のうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムを含んでいる顕微鏡に関する。択一的に、顕微鏡は、
図1から
図4のうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムの一部であってもよい、または
図1から
図4のうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムに接続されていてもよい。
図5は、顕微鏡およびコンピュータシステムを含む概略図を示している。
図5は、本明細書に記載された方法を実施するように構成されたシステム500の概略図を示している。システム500は、顕微鏡510とコンピュータシステム520とを含んでいる。顕微鏡510は、撮像するように構成されており、かつコンピュータシステム520に接続されている。コンピュータシステム520は、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実施するように構成されている。コンピュータシステム520は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてもよい。コンピュータシステム520と顕微鏡510は別個の存在物であってもよいが、1つの共通のハウジング内に一体化されていてもよい。コンピュータシステム520は、顕微鏡510の中央処理システムの一部であってもよく、かつ/またはコンピュータシステム520は、顕微鏡510のセンサ、アクター、カメラまたは照明ユニット等の、顕微鏡510の従属部品の一部であってもよい。
【0070】
コンピュータシステム520は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってもよく、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等のさまざまな場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。コンピュータシステム520は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。1つの実施形態では、コンピュータシステム520は、任意の種類のものとすることができる、1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えばカメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。コンピュータシステム520に含まれ得る他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。コンピュータシステム520は、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含み得る1つまたは複数のストレージデバイス、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいてもよい。コンピュータシステム520はディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカーおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含み得るコントローラ、またはシステムのユーザーがコンピュータシステム520に情報を入力すること、およびコンピュータシステム520から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
【0071】
ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0072】
一定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装され得る。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
【0074】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてもよい。
【0075】
別の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0076】
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0077】
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体を含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
【0078】
したがって、本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
【0079】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0080】
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0081】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
【0083】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0084】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
【符号の説明】
【0085】
100 手術用顕微鏡システム
105 ベースユニット
110 システム
112 インターフェース
114 1つまたは複数のプロセッサ
116 1つまたは複数のストレージデバイス
120 ドップラー式画像センサ
122 フレキシブルアーム
130 ディスプレイ装置
132 視覚化
140 光干渉断層センサ
150 手術用顕微鏡
160 眼
170 アーム
180 操作ハンドル
210 術中センサデータを取得するステップ
220 術中センサデータを処理するステップ
230 血流の視覚化を生成するステップ
240 ディスプレイ信号をディスプレイ装置に提供するステップ
300 ゴニオプリズム
310 超音波ジェル
400 手術用器具
500 システム
510 顕微鏡
520 コンピュータシステム