IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特許7453408固有の視覚的効果及びリサイクルされた熱可塑性材料を有する多層熱可塑性物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】固有の視覚的効果及びリサイクルされた熱可塑性材料を有する多層熱可塑性物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 1/00 20240101AFI20240312BHJP
   B29C 49/22 20060101ALI20240312BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20240312BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20240312BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B32B1/00 Z
B29C49/22
B65D1/00 111
B65D1/00 BRH
B65D1/00 BSF
B32B27/20 A
B32B27/00 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022560214
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 US2021026503
(87)【国際公開番号】W WO2021207563
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】63/008,337
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンドリュー ママク
(72)【発明者】
【氏名】マーク ルイス アガートン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー スコット ニューファース
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジョセフ ホートン
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/075324(WO,A1)
【文献】実開平02-095631(JP,U)
【文献】国際公開第2020/018272(WO,A1)
【文献】特開平07-214737(JP,A)
【文献】特開2000-264325(JP,A)
【文献】特開2004-148616(JP,A)
【文献】国際公開第2020/210590(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B65D1/00-1/48
B29C49/00-49/46
49/58-49/68
49/72-51/28
51/42;51/46
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形多層物品であって、
a.内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、前記壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、前記層は、
i.第1のスキン層及び第2のスキン層であって、
前記スキン層の94重量%~99.9重量%の第1の熱可塑性材料を含み、
前記第1のスキン層が、前記領域内の前記壁の前記外側表面を含み、前記第2のスキン層が、前記領域内の前記壁の前記内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、
ii.前記第1のスキン層と前記第2のスキン層との間に挟まれたコアであって、
第2の熱可塑性材料と、200ppm超不純物とを含む、90%~99%のリサイクルされた熱可塑性材料と、
前記コアの0.1重量%~6重量%の顔料及び/又は染料と、を含む、コアと、を含み、
前記第1のスキン層及び前記コアが、前記第1のスキン層と前記コアとの間の界面層において相互貫入しており、
前記物品が、30%超のリサイクルされた熱可塑性材料を含む、ブロー成形多層物品。
【請求項2】
前記第2の熱可塑性材料が、ASTM E 308、ASTM E 1164,ASTM E 2194,及びISO7724に従ってゴニオ分光光度法により測定したときに、80以下のL*値を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記リサイクルされた熱可塑性材料が、機械的にリサイクルされた熱可塑性材料を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記スキン層が、前記スキン層の0.1重量%~6重量%の効果顔料及び/又はポロゲンを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記スキン層が、リサイクルされた熱可塑性材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記第1の熱可塑性材料及び前記第2の熱可塑性材料が、機械的にリサイクルされた熱可塑性材料を含み、前記物品中の前記熱可塑性材料の実質的に全てが、機械的にリサイクルされた熱可塑性材料である、請求項1~5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
本明細書に記載のタイ層厚さの方法により測定したときに、500nm~125μmの厚さを有する、前記第1のスキン層と前記コアとの間の界面層が存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の熱可塑性材料及び/又は前記第2の熱可塑性物質が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール修飾PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸のコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記第1の熱可塑性材料及び/又は前記第2の熱可塑性物質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の物品。
【請求項10】
前記第1の熱可塑性材料と前記第2の熱可塑性材料とが同じである、請求項1~9のいずれか一項に記載のブロー成型品。
【請求項11】
前記物品が、本明細書に記載の臨界垂直荷重試験法により測定したときに、50N超の臨界垂直荷重を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のブロー成型品。
【請求項12】
前記コア層が、顔料を含み、前記顔料が、15nm超の平均粒径を有する不透明顔料である、請求項1~11のいずれか一項に記載のブロー成形品。
【請求項13】
前記物品がボトルである、請求項1~12のいずれか一項に記載のブロー成形品。
【請求項14】
本明細書に記載のゴニオ分光光度法により測定したときに、25~150の、45°の照明を使用したΔE*-15°対45°、請求項9に記載のブロー成型品。
【請求項15】
45°の照明を使用したΔE*-15°対45°、ΔL*、及び平均C*を含み、前記ΔE*-15°対45°、前記ΔL*、及び前記平均C*が、前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層と同じ要素を有するスキン層と、前記リサイクルされた熱可塑性材料の代わりに未使用の熱可塑性材料を含むことを除いて前記コアと同じ要素を有するコアとを含む第2の多層構造の6単位以内である、請求項1~14のいずれか一項に記載のブロー成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固有の視覚的効果を有する多層熱可塑性物品に関し、とりわけ、リサイクルされた熱可塑性材料を含有するコア層を有する多層物品に関する。本発明はまた、そのような物品を製造するためのプリフォーム、及びこれらのプリフォーム及び物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの消費者は、人目を引きかつ機能的であるパッケージングに入った物品、特に毛髪製品及び美容ケア製品を購入することを好む。毛髪製品及び美容ケア製品に関し、多くの消費者は、プラスチックパッケージングが特に望ましいと感じており、その理由は、プラスチックパッケージは、一般に軽量であると同時に良好な機械的特性も提供し、使用が容易であり、かつガラスとは異なり耐破砕性であることによる。毛髪製品及び美容ケア製品は、バスルーム内、浴室内で、又はシャワー中に、ユーザーが裸足でいる間に滑りやすい手で使用することが多いので、耐破砕性は毛髪製品及び美容ケア製品にとって特に重要である。多くの消費者はまた、プラスチック、特に、再生利用可能であるという理由から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及びポリプロピレン(PP)を好む。
【0003】
少なくともいくつかのリサイクルプラスチック材料から作製された容器内に毛髪製品及び美容ケア製品をパッケージすることが望ましい場合がある。しかしながら、未使用プラスチックと同様の物理的特性を有することができる化学的にリサイクルされたプラスチックは、現在、限られた供給量で利用可能である。場合によっては、化学的リサイクルよりも利用可能であるという理由から、機械的リサイクルが好ましい場合がある。しかしながら、機械的リサイクルプラスチックは、構造的完全性が不十分な、色の悪いボトルを作り出す場合がある。例えば、最も一般的なリサイクルPETは、「透明」として販売されている機械的にリサイクルされたPETであり、当該PETは、毛髪製品及び美容ケア製品をパッケージングするときに一般に消費者にとって望ましくない灰色の色合いを有するボトルを生成する。あまり一般的でないリサイクルPETは、緑色又は混合であり得、一般に、魅力に欠ける色の悪い容器を生成する。更に、カーペット及び非飲料容器などの例から更に多くの着色PETを生産する機会が多く存在し、着色PETは、リサイクルされると、色の濃い及び/又は暗色を有することになる。この材料の現在の市場は非常に限られているため、これらの例は現在、リサイクルのために収集されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、リサイクルされた材料、特に着色されたリサイクルPETを含む機械的にリサイクルされたプラスチック材料を含有する、良好な機械的特性を有する見た目に魅力的なブロー成形品が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ブロー成形多層物品であって、(a)内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、層は、(i)第1のスキン層及び第2のスキン層であって、第1の熱可塑性材料、及び効果顔料及び/又はポロゲンを含み、第1のスキン層が、領域内の壁の外側表面を含み、第2のスキン層が、領域内の壁の内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、(ii)第1のスキン層と第2のスキン層との間に挟まれたコアであって、第2の熱可塑性材料と、200ppm超の不純物とを含む、90%~99%のリサイクルされた熱可塑性材料と、顔料及び/又は染料と、を含む、コアと、を含み、物品が、30%超のリサイクルされた熱可塑性材料を含む、ブロー成形多層物品。
【0006】
ブロー成形多層物品であって、(a)内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、層は、(i)第1のスキン層及び第2のスキン層であって、熱可塑性材料、及び効果顔料及び/又はポロゲンを含み、第1のスキン層が、領域内の壁の外側表面を含み、第2のスキン層が、領域内の壁の内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、(i)第1のスキン層と第2のスキン層との間に挟まれた不透明なコアであって、コアが、第2の熱可塑性材料と、80以下のL値とを含む、90%~99%のリサイクルされた熱可塑性材料と、顔料及び/又は染料と、を含む、不透明なコアと、を含み、第1のスキン層及びコアが、第1のスキン層とコアとの間の境界面においてわずかに相互貫入している、ブロー成形多層物品。
【0007】
物品のアレイであって、各物品が、(a)内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、層は、(i)第1のスキン層及び第2のスキン層であって、熱可塑性材料、及び効果顔料及び/又はポロゲンを含み、第1のスキン層が、領域内の壁の外側表面を含み、第2のスキン層が、領域内の壁の内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、(ii)第1のスキン層と第2のスキン層との間に挟まれたコアであって、第2の熱可塑性材料含む機械的にリサイクルされた熱可塑性材料と、顔料及び/又は染料と、を含む、コアと、を含み、各物品が、アレイにわたって6単位未満だけ変化する、45°の照明を使用したΔE-15°対45°、ΔL、及び平均C、ΔE-15°対45°、ΔLを含む、物品のアレイ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本特許又は出願書類には、色彩を付して作成された少なくとも1つの図面が含まれる。カラー図面を有する本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁より提供されるであろう。
【0009】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘して明確に特許請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付図面と関連させた次の説明によってより容易に理解することができると考えられる。
図1】異なるリサイクルPET材料から作製されたプリフォーム及びボトルの写真である。
図2】3つの層を備えたその拡大概略断面を示すことにより、ボトルを概略的に表す図である。
図3】45°で照明されたときの異なる視野角におけるΔE、a、b、C、及びh°を決定するために使用される測定命名システムを説明する図である。
図4A】ノズルが同心であるインジェクタの配置の概略図である。
図4B】中心がずれているインジェクタの配置の概略断面図である。
図4C】中心がずれているインジェクタの配置の概略断面図である。
図5A】コア中に機械的にリサイクルされたPETを有し、かつスキン層中に化学的にリサイクルされたPETを有する多層PETボトルの写真である。
図5B】コア層中に機械的にリサイクルされたPET及び不透明な顔料を有し、かつスキン層中に化学的にリサイクルされたPET及び効果顔料を有する多層PETボトルの写真である。
図5C】コア中に未使用のPET及び不透明な顔料を有し、かつスキン層中に未使用のPET及び効果顔料を有する多層PETボトルの写真である。
図6A】PCRを66.8%有する多層PETボトルである実施例1の写真である。
図6B】実施例1のボトルにブロー成形することができるプリフォームの断面の写真である。
図6C】PCRを66.8%有する単層ボトルである実施例3の写真である。
図6D】実施例3のボトルにブロー成形することができるプリフォームの断面の写真である。
図6E】PCRを67%有する多層PETボトルである実施例5の写真である。
図6F】実施例5のボトルにブロー成形することができるプリフォームの断面の写真である。
図6G】PCRを67%有する単層PETボトルである実施例6の写真である。
図6H】実施例6のボトルにブロー成形することができるプリフォームの断面の写真である。
図6I】PCRを65%有する多層PETボトルである実施例9の写真である。
図6J】実施例9のボトルにブロー成形することができるプリフォームの断面の写真である。
図6K】PCRを65%有する多層PETボトルである実施例10の写真である。
図6L】実施例10のボトルにブロー成形することができるプリフォームの断面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
多くの消費者は、少なくとも部分的に、リサイクルされた材料から形成される、審美的に美しく軽量の、飛散防止プラスチックパッケージに入った美容ケア製品を購入することを望む。しかしながら、この種のパッケージを作製することは困難であり得る。消費者は、パッケージングが含有するリサイクルプラスチックの実際の割合を知ることにますます関心を寄せている。例えば、飲料用の多くの現在のPET ISBM(射出延伸ブロー成形(injection stretch blow molding))ボトルは、北米市場で11%のリサイクル材料及び西欧州市場で27%リサイクル材料しか含有していない。
【0011】
化学的にリサイクルされたプラスチックは、未使用プラスチックに似ている可能性があるが、現在、大規模製造では十分に利用できない。機械的にリサイクルされた材料は、より容易に入手可能であるが、低光沢、高ヘイズ、及び/又は色の悪さを含み得る魅力に欠ける外観を有し得、美容ケア製品を収容するボトルに十分な構造的完全性を提供しない場合がある。
【0012】
図1は、ISBMを介して作製されたプリフォーム100、101、及び102、並びにボトル110、111、及び112の写真を示す。プリフォーム100及びボトル110は、コア中に未使用のPET(透明ペレット、DAK Americas(登録商標)(Richmond,Indiana,USA)から入手可能)を100%含有し、スキン層中に未使用のPETを含有しており、プリフォーム100及びボトル110の両方は、比較で使用するために透明である。この透明性は、高級品及び品質を暗示するパッケージングとして美容ケア消費者が一般に好むものであり、この高級品及び品質は、あらゆる色の変動によって減少する可能性がある。
【0013】
更に、PETボトルの加工又は安定化に使用される添加剤、及び物品の使用中に吸収される化学物質に起因して、真に「透明な」機械的にリサイクルされたPETの利用可能性は限定的である。飲料業界で一般的に使用されるPET ISBMボトルは、主としてクリアで透明であり、リサイクルされた材料を含有するパッケージには「ほぼ透明な」機械的にリサイクルされたPETを使用している。多くの場合、これらのボトルは、色合いの違い(off tint)から生じる色ずれのため、わずかな量のリサイクル含有物しか有していない。
【0014】
プリフォーム101及びボトル111は、コア中に「未使用の」PETを75%含有し、スキン層中に化学リサイクルPET(Indorama(登録商標)(London)から入手可能なペレット)を25%含有している。プリフォーム101及びボトル111は灰色がかった色合いを有しており、これは美容消費者にとって魅力的ではない。
【0015】
プリフォーム102及びボトル112は、コア中に「緑色の」リサイクルPET(緑色ペレット、Evergreen Plastics(登録商標)(Ohio,USA)から入手可能)を40%含有し、スキン層中に化学リサイクルされたPETを25%及び未使用のPETを75%含有している。容易に入手可能であるため、「緑色の」リサイクルPETを使用することは有利である。しかしながら、プリフォーム102及びボトル112は、沼の水の緑色であり、これは消費者にとって、特に美容ケア製品を購入する消費者にとって魅力的ではない。
【0016】
上質な外観及び強い構造特性を有する物品は、透明、緑色、又は別様に着色された(茶色、灰色、及び黒色などの暗色を含む)機械的にリサイクルされたPETを含む、大量のリサイクルされた熱可塑性材料を使用して作製され得ることが見出された。図2は、中空物品1を示し、この実施例では、中空物品は容器、具体的には不透明なボトルである。中空物品1は、内側表面5と外側表面6とを有する壁3によって画定される中空本体25を含む。拡大断面で示されるように、物品の壁3は3つの層を有する。壁は、射出延伸ブロー成形(ISBM)によって接着剤を用いずに(又は接着剤を実質的に含まずに)形成され得る。スキン層(A)は効果顔料を含み得る。コア層(C)は、不透明であり得、リサイクルされた熱可塑性材料、特に、限定するものではないが、透明、緑色、又は別様に着色されたPETなどの機械的にリサイクルされた熱可塑性材料、不透明顔料などの顔料、トナー、及び/又は染料を含むことができる。コアが別個の不透明な層である場合、そのコアは、透過した補色を吸収することができ、また向上された色及び/又は鮮やかな角度依存色を観察することを可能にすることができる。コアは任意の色であり得る。有色コアのように、効果顔料の後ろに暗色又は黒色が配置されている場合には、透過光の多くを吸収するので、結果として色応答が増加し得、それにより店舗棚の物品を通過する際に消費者の眼を捕捉することができる。
【0017】
本明細書に記載される物品において、スキン層中の効果顔料粒子は、それらの面が物品の表面に対して平行になるように主として配向され得ることが判明している。理論に拘束されるものではないが、配向されていないプレートレットに対する配向されたプレートレットの比が高いのは、多層物品のスキン層よりも厚い(物品の同等の機械的強度において)物品の壁全体に効果顔料が分散される単層物品における同様の位置と対比して、各ストリーム間の境界面がより高い剪断を受けるという事実を含む要因の組み合わせによる可能性があると考えられている。単層物品では、粒子は高剪断領域に集中しにくいため、射出成形プロセス中に粒子が360°タンブル/回転するための自由空間がより多くなるが、多層物品では、それぞれのスキン層は物品の壁の全厚の一部のみを表すため、スキン層は非常に薄く、その結果、射出成形及び延伸ステップにより、プレートレット状顔料粒子のより多くの割合がより最適な配向となる。更に、スキン層内の効果顔料の分散は、隣接するプレートレッ間のより良好な空間的重複をもたらすことができ、これにより、より高い割合の入射光が、単層物品と比べて外側表面のより近くへと反射される。
【0018】
更に、プレートレット効果顔料が物品の表面と平行に配向する傾向は、物品が不規則な形状である場合でも持続することが見出された。したがって、物品の形状は、見られているときの物品の向きに依存して、物品を見ている人の視点から物品が生成する視覚効果を修正するために、更に使用することができる。
【0019】
コア層(複数可)は、約約0.1%~約6%、約0.3%~約4%、及び/又は約0.5%~約2%の顔料及び/又は染料を有することができる。コア層(複数可)は、コア層(複数可)の約94重量%~約99.9重量%、約96重量%~約99.7重量%、約約98重量%~約99.5重量%のリサイクルされた熱可塑性材料を含有することができる。リサイクルされた熱可塑性材料は、熱可塑性材料と、任意選択で、原料物質からの着色剤/染料、添加剤、触媒、並びに/又は他の非熱可塑性元素及び/又は化合物などの不純物と、を含むことができる。リサイクルされた熱可塑性材料は、コア層の1000重量ppm超、500ppm重量超、及び/又は200ppm重量超の不純物を含むことができる。リサイクルされた熱可塑性材料は、コア層(複数可)の2重量%未満、1.5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.25重量%未満、0.1重量%未満、及び0.05重量%未満の不純物を含むことができる。リサイクルされた熱可塑性材料は、コア層(複数可)の約0.01重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%、及び/又は約0.1重量%~約0.75重量%の不純物を含むことができる。
【0020】
熱可塑性材料は、PETであり得る。コアは、コア層の99重量%未満、98重量%未満、96重量%未満、95重量%未満、及び/又は94重量%未満のPETを含有することができる。コアは、コア層の約90重量%~約99重量%、約92重量%~約98重量%、約93重量%~約97重量%、及び/又は約94重量%~約96重量%のPETを含有することができる。いくつかの実施例では、コア中の実質的に全ての熱可塑性材料は、リサイクルされた熱可塑性樹脂であり、他の実施例では、コア中の実質的に全ての熱可塑性材料は、機械的にリサイクルされた熱可塑性樹脂である。本明細書で使用するとき、「実質的に全て」とは、少なくとも97%、あるいは少なくとも98%、あるいは少なくとも98.5%、あるいは少なくとも99%、あるいは少なくとも99.25%、あるいは少なくとも99.5%、あるいは少なくとも99.75%、あるいは少なくとも99.9%、あるいは少なくとも99.99%を意味し得る。
【0021】
スキン層は、熱可塑性材料と、効果顔料などの顔料、トナー、染料、ポロゲン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される追加成分とを含有することができる。スキン層は、スキン層の約0.1重量%~約6重量%、約0.3重量%~約4重量%、及び/又は約0.5重量%~約2重量%の追加材料を含有することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、スキン層は、本明細書に記載されるように、熱可塑性材料と、任意選択的に不純物とを含み得る、リサイクルされた熱可塑性材料を含むことができる。いくつかの実施例では、スキン層中の実質的に全ての熱可塑性材料は、リサイクルされた熱可塑性樹脂であり、他の実施例では、スキン層中の実質的に全ての熱可塑性材料は、機械的にリサイクルされた熱可塑性樹脂である。スキン層は、スキン層の約94重量%~約99.9重量%、約96重量%~約99.7重量%、約約98重量%~約99.5重量%のリサイクルされた熱可塑性材料を含有することができる。スキン層は、スキン層の約94重量%~約99.9重量%、約96重量%~約99.7重量%、約約98重量%~約99.5重量%の熱可塑性材料を含有することができる。熱可塑性材料は、限定するものではないが、未使用の熱可塑性材料、リサイクルされた熱可塑性材料、及びこれらの組み合わせを含む群から選択され得る。リサイクルされた熱可塑性材料は、スキン層の2重量%未満、1.5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.25重量%未満、0.1重量%未満、及び0.05重量%未満の不純物を含むことができる。リサイクルされた熱可塑性材料は、スキン層の約0.01重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%、及び/又は約0.1重量%~約0.75重量%の不純物を含むことができる。
【0023】
物品は、物品の20重量%超、30重量%超、35重量%超、40重量%超、45重量%超、50重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、92重量%超、94重量%超、95重量%超の、化学的にリサイクルされた材料、機械的にリサイクルされた熱可塑性材料、及びこれらの組み合わせを含むリサイクルされた熱可塑性材料を含むことができる。一実施例では、スキン層(複数可)は、スキン層の25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満の機械的にリサイクルされた熱可塑性材料又は化学的にリサイクルされた熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例では、容器に使用される実質的に全ての熱可塑性樹脂は、機械的にリサイクルされた熱可塑性樹脂である。他の実施例では、容器に使用される熱可塑性樹脂は、化学的にリサイクルされた材料及び/又は機械的にリサイクルされた熱可塑性材料を含み得るリサイクルされた熱可塑性材料である。
【0024】
本明細書に記載の物品は、機械的及び/又は化学的にリサイクルされた材料を含み得るリサイクルされた熱可塑性材料を含有するだけでなく、リサイクルされた材料を含有する他の物品と比較して改善された美観及び改善された構造的完全性をも有する。
【0025】
物品は、リサイクルされた熱可塑性材料から作製された他の物品と比較して、比較的高い光沢を有することができる。物品の外側表面の面積の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、及び/又は少なくとも95%は、65GU以上、68GU以上、70GU以上、71GU以上、73GU以上、75GU以上、80GU以上、85GU以上、90GU以上、及び/又は95GU以上の20°光沢度を有することができる。この段落で指定された20°光沢度を有する面積の%を決定するために、サンプルを横断する(もともと肩部に最も近かった側から、もともと基部に最も近かった側まで)垂直線を選択し、20°光沢法に従って、垂直線に沿って等間隔に離間させて10回の測定を行い、それらのうちのいくつが必要な光沢単位(gloss unit)を有するのかを確認する。
【0026】
物品は、≦30、あるいは≦20、あるいは≦15、あるいは≦10、あるいは≦5、あるいは≦3、あるいは≦2のヘイズを有する場所を外側表面上に有し得る。物品は、約0~約30、あるいは約0~約20、あるいは約0.5~約15、あるいは約0.8~約10、あるいは約1~約5のヘイズを有する場所を外側表面上に有し得る。ヘイズは、以下に記載のヘイズ及び反射法(Haze and Reflection Method)によって決定することができる。
【0027】
物品は、≦1、あるいは≦0.9、あるいは≦0.8、あるいは≦0.7、あるいは≦0.6のヘイズ異方性を有する場所を外側表面上に有し得る。ヘイズは、以下に記載のヘイズ及び反射法によって決定することができる。
【0028】
更に、本明細書に記載される物品は、リサイクルされた熱可塑性材料、特に機械的にリサイクルされた熱可塑性材料を含有する単層及び多層物品を含む他の物品と比較して、層間剥離を受けにくい可能性がある。層間剥離は、ボトル及び容器などのブロー成形多層中空物品の製造における一定の問題である。層間剥離は、容器の機械的取り扱い、熱応力又は機械的応力により、直ちに又は経時的に生じることがある。これは通常、容器表面の気泡(実際には、気泡のように見える、境界面での2つの層の分離である)として現れるが、容器の破損の原因となり得る。理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、依然として溶融状態にあるか、又は部分溶融状態にある様々な層の材料が長期にわたって接触するため、平行流共射出は、層間の境界面領域の形成をもたらし、層は境界面においてわずかに相互浸透すると考えている。界面領域は、層間の良好な接着を生成し、したがって、それらを分離することは非常に困難となる。
【0029】
スキン層とコア(タイ層とも呼ばれる)との間の境界面の存在及び厚さは、以下に記載されるタイ層厚さの方法によって決定された。境界面の厚さは、固有顔料、添加剤、又は樹脂の組成が最大濃度と最小濃度との間で変化する境界面に対して垂直な距離である。
【0030】
境界面(すなわち、タイ層又は遷移層又は相互浸透のエリア)の厚さは、後述のタイ層厚さの方法によって決定されるように、約500nm~約125μm、あるいは1μm~約100μm、あるいは約3μm~約75μm、あるいは約6μm~約60μm、あるいは約10μm~約50μmであり得る。
【0031】
物品は、30N以上、50N以上、60N以上、70N以上、80N以上、90N以上、95N以上、100N以上、104N以上、105N以上、110N以上、及び/又は120N以上の臨界垂直荷重を有することができる。物品は、約30N~約170N、あるいは約50N~約160N、あるいは約60N~約155N、あるいは約90N~約145N、あるいは約100N~約140Nの臨界垂直荷重を有することができる。臨界垂直荷重は、後述の方法を使用して、臨界垂直荷重によって測定され得る。
【0032】
本明細書で使用するとき、「物品」は、消費者が使用するための個別のブロー成形中空物体、例えば、組成物を入れるのに適した容器を指す。非限定的な例としては、ボトル、ジャー、カップ、キャップ、バイアル、トトルなどを挙げることができる。物品は、貯蔵、包装、輸送/出荷、及び/又は中の組成物容器を分配するために使用することができる。容器内に収容可能な非限定的な容積は、約10mL~約1000mL、約100mL~約900mL、約200mL~約860mL、約260mL~約760mL、約280mL~約720mL、約350mL~約500mLである。あるいは、容器は最大5L又は最大20Lの容量を有することができる。
【0033】
物品に含まれる組成物は、種々の組成物のいずれかであってもよく、洗剤(洗濯洗剤又は食器用洗剤など)、布地柔軟剤及び芳香増強剤(Downy(登録商標)Fresh Protectなど)、飲料及びスナックを含むがこれらに限定されない食品、紙製品(例えば、ティッシュ、ワイプ)、美容ケア組成物(例えば、化粧品、ローション、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング剤、デオドラント剤及び制汗剤、並びに顔、手、頭皮、及び身体を含む皮膚の洗浄、クリーニング、クレンジング、及び/又は角質ケアを含む、個人用クレンジング)、口腔ケア製品(例えば、練り歯磨き、マウスウォッシュ、デンタルフロス)、医薬品(解熱剤、鎮痛剤、鼻粘膜充血除去薬、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、サプリメント、下痢止め、プロトンポンプ阻害薬及び他の胸焼け治療薬、吐き気止めなど)などを含む。組成物は多くの形態を含むことができ、形態の非限定的な例としては、液体、ゲル、粉末、ビーズ、固体バー、パック(例えば、Tide PODS(登録商標))、フレーク、ペースト、錠剤、カプセル、軟膏、フィラメント、繊維、及び/又はシート(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ワイプなどの紙シートを含む)を挙げることができる。
【0034】
物品は、製品、例えばシャンプー及び/又コンディショナー及び/又はボディーソープなどの液体製品を保持するためのボトルであってもよい。
【0035】
本明細書で使用するとき、「ブロー成形」という用語は、組成物を収容するのに適した空洞を含む中空熱可塑性物品が形成される製造プロセスを指す。一般的には、押出ブロー成形(EBM)、射出ブロー成形(IBM)、及び成形射出延伸ブロー成形(ISBM)の3種類の主なブロー成形がある。
【0036】
本明細書で使用するとき、用語「色」には、例えば、白色、黒色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、スミレ色、茶色、及び/又は他の任意の色などの任意の色、又はこれらの彩度が低下した色調(declination)が含まれる。
【0037】
本明細書で使用するとき、「効果顔料」とは、2つの主要な顔料クラスのいずれか、「金属効果顔料」及び「特殊効果顔料」を意味する。金属効果顔料は、金属粒子で構成されている。金属効果顔料は、アプリケーションシステムで平行に配列されている場合、金属プレートレットの表面での光の反射によって金属のような光沢を生成する。入射光線は、いかなる成分も透過することなく、金属プレートレットの表面で完全に反射される。金属プレートレットが十分に整列し、密接に離間している場合、入射光線は、表面から最初の数十マイクロメートルから完全に反射されることができる。ブロー成型品では、物品がその全厚分布全体にわたって金属プレートレットを含有する場合、表面近くの数十マイクロメートルを超えて分布したものは、入射光と相互作用する機会を有さず、したがって光学応答にとって重要ではない。更に、金属効果顔料は、製造に費用がかかり、かつ購入に費用がかかる可能性があり、また、リサイクルの流れ及び環境維持に影響を与える可能性がある。金属効果顔料が薄層に限定されており、物品の厚さの残りが金属効果顔料を含まないか又は実質的に含まないブロー成型品は、使用する金属効果顔料の総量を低減するために望ましい場合がある。多くの金属効果顔料の高反射率及び隠蔽強度と、プレートレットの良好な整列及び間隔との組み合わせに起因して、金属効果顔料を含有する層の後ろにある材料の色はあまり重要ではなく、したがって、1つ以上のリサイクルの流れからの樹脂を含む、以前は望ましくなかった色及び退色した樹脂などの様々な有色材料。
【0038】
金属効果顔料は、多くの場合、アルミニウム、銅、又は青銅などの金属をプレートレット基板として有する。プレートレットの厚さ、形状、及びアスペクト比は、「コーンフレーク」としばしば呼ばれる厚くて不規則な形状、より滑らかなパンケーキ形状の「1ドル硬貨」から、極薄、平坦、及び非常に高いアスペクト比のプレートレットまで、様々であり得る。「コーンフレーク」及び「1ドル硬貨」プレートレットは、摩砕又は噴霧プロセスによって生成され、極薄のプレートレットは、物理蒸着によって生成される。金属プレートレットは、多くの場合、アルミニウムを不動態化して、熱可塑性加工条件での処理のためにそれらを安定させるために、追加の材料でコーティングされる。更に、特定の屈折率を有する金属酸化物などの誘電物質及び/又は表面と連結した染料若しくは顔料などの吸収種でコーティングすることによって、様々な色効果を得ることができる。金属効果顔料の市販の例は、Schlenk Metallic Pigments GmbH製のConstant(登録商標)、Grandal(登録商標)、Luminor(登録商標)、MultiFlect(登録商標)、Zenexo(登録商標)製品ライン、並びにEckart(Altanaの一部門)製のMastersafe、STANDART(登録商標)、及びStapa(登録商標)である。
【0039】
特殊効果顔料は、「金属効果顔料」として分類できない他の全てのプレートレット状の効果顔料を含むことができる。特殊効果顔料は、通常、マイカ、(天然又は合成)ホウケイ酸ガラス、アルミナフレーク、及び/又はシリカフレークなどのプレートレット状の結晶(又は粒子)を有する基板に基づく。これらのプレートレット状の粒子は、二酸化チタン、酸化鉄、二酸化ケイ素、酸化スズ、及びこれらの組み合わせのような金属酸化物でコーティングさてもよい。真珠光沢顔料を含む特殊効果顔料は、Merck(登録商標)及びBASF(登録商標)などの供給業者から特殊効果顔料として市販されている。
【0040】
特殊効果顔料は、マイカ、二酸化ケイ素、ホウケイ酸ガラス、アルミナなどのプレートレット基材上に1つ以上の層をコーティングすることに基づいて透明/半透明であり得る。プレートレットをコーティングする層は、多くの場合、二酸化チタン、酸化鉄、二酸化ケイ素、又はこれらの組み合わせのような酸化物である。この構造に基づく効果顔料は、入射光の一部分を反射する一方で、光スペクトルの相補的部分が、コーティングされたプレートレットを透過することを可能にする。半透明効果顔料からの反射光による干渉色効果は、暗い背景を介して見られた場合に最良に観察され得るが、それは、その背景が、コーティングされたプレートレットを貫いてあるいはその周りを進む任意の他の入射光と共に、透過した相補的光スペクトルを吸収し得るからである。白色又は淡色の背景では、相補的な透過光スペクトルは、散漫散乱して観察者に再出現し、したがって、より少ない彩色応答をもたらし得る。
【0041】
一実施例では、効果顔料は、マイカプレートレット上にコーティングされた二酸化チタンであってもよく、これにより40~60nmの厚さでシルバーパールの光沢を得ることができる。二酸化チタンがより厚い層である場合、この層とマイカプレートレットとの間の屈折率差により、一連の干渉色が達成され得る。例えば、二酸化チタン層が約60~160nmへと増大するにつれて、干渉色は黄色から赤色、青色、緑色へと推移する。顔料の性質により、干渉色は、観察者、入射光、及びプレートレット表面に対する特定の角度においてのみ観察され得る。換言すれば、それらの適用システムにおいて平行な位置合わせを有する二酸化チタン/マイカに基づいた特定の効果顔料に関して言えば、干渉色は、ある角度の近くでは光沢色に見え、また、他の角度では、周囲の材料又は背景が明らかになるように、透明に見える。半透明効果顔料からの反射光による干渉色効果は、暗い背景を介して見られた場合に最良に観察されるが、それは、その背景が、任意の他の入射光と共に、透過した相補的光スペクトルを吸収し得るからである。この場合、青色の干渉色を有する二酸化チタン/マイカ顔料は、角度が変更されたときに、光沢のある青色と黒色との間で転換するように見える。白色の背景では、相補的な透過光スペクトルは、散漫散乱して観察者に再出現し、したがって、より少ない彩色応答をもたらし得る。この場合、青色の干渉色を有する二酸化チタン/マイカ顔料は、角度が変更されたときに、光沢の少ない青色と淡黄色との間で転換するように見える。異なる色の背景では、背景色は、特殊な角度で隠され得るが、他の角度では明らかとなり得る。この場合、様々なフリップフロップ効果が生成され得る。加えて、曲面は物品の外観を強調し得るが、これは、両方の効果が物品全体にわたって同時に観察され得るためである。
【0042】
黒色の背景は、二酸化チタン/マイカ効果顔料の外観を改善し得るが、干渉色効果は、プレートレット基材として使用されるマイカの不均質かつ不純な性質が原因で限定され得る。理論に束縛されるものではないが、二酸化チタンの単層でコーティングされたマイカ(この構造は実際には3層のA/B/Aであり、ここで、B=マイカ、A=二酸化チタンである)の干渉色効果を改善するために、2つの一般的なアプローチが用いられてきた。第1に、最終構造がA/C/A/B/A/C/A(ここで、C=二酸化ケイ素、B=マイカ、A=二酸化チタン)のアーキテクチャを有するように、交番する屈折率と適切な層厚さの付加的な層が、A/B/A構造に追加され得る。多層構造によって作り出される付加的な境界面は、3層のA/B/A構造に対して、反射率の増加及び彩度の向上に寄与し得る。第2のアプローチは、効果顔料プレートレットを製造するために使用される基材の品質を改善することに依存したものである。厚さの変動は、商業的な研削及び分類プロセスを介して生産されたマイカプレートレットの場合、比較的大きくなる。加えて、マイカプレートレットは、散漫散乱をもたらし得る表面欠陥を伴うという欠点がある。天然のマイカはまた、効果顔料に黄色のマストーンを付与する鉄不純物を含有し得る。ホウケイ酸ガラス、アルミナ又は二酸化ケイ素に基づく合成プレートレットは、それらの表面が滑らかであること、厚さが均一であること、及び元素不純物に起因するマストーンがないことなどにより、高度な彩度(色純度)及び輝きなどの達成可能なカラーフロップ効果を改善し得る。
【0043】
色移動/ゴニオクロマチック効果は、物品が観測角度と共に色を変化させる(すなわち、緑色から紫色、金色から紫色、青色から紫色、赤色から青色)能力によって定義される。理論に束縛されることを望むものではないが、色移動/ゴニオクロマチック効果を示す高度に透明な特殊効果顔料は多数の方法で生成され得る。一般に、マイカ、ホウケイ酸ガラス、アルミナ、及び二酸化ケイ素を含むほとんどの基材について言えば、層の厚さと屈折率の差が適切に選択された場合、層の数をベースA/B/A構造まで増加させることにより、色移動/ゴニオクロマチック効果が生じ得る。この商業的な例が、BASF CorporationのFiremist(登録商標)Colormotion製品ラインであり、これは、ホウケイ酸プレートレット基材から始まり、基材のいずれかの側の交番するTiO/SiO/TiOが続く7層構造に依拠したものである。代替的に、均一かつ制御可能な厚さで合成的に生産される二酸化ケイ素などの基材は、A=TiO、B=SiOとする3層のA/B/A構造のみで色移動/ゴニオクロマチック効果を生成し得る。この商業的な例が、Merck KGaA(Darmstadt,Germany)のColorstream(登録商標)製品ラインである。
【0044】
効果顔料は、最長寸法において、約1μm~約200μm、約2μm~約150μm、約3μm~約100μm、約4μm~約75μm、及び/又は約5μm~約50μmの粒径を有し得る。効果顔料は、5μm未満、3μm未満、1μm未満、800nm未満、700nm未満、及び/又は600nm未満の厚さを有し得る。効果顔料は、約25nm~約5μm、約100nm~約3μm、約150nm~約1μm、約200nm~約700nm、約250nm~約600nm、及び/又は約300nm~約560nmの厚さを有し得る。効果顔料の寸法は、以下に記載されるプレートレット寸法試験の方法によって決定され得る。
【0045】
効果顔料は、比較的高いアスペクト比(すなわち、主軸を短軸で割った比)を有することができる。例えば、アスペクト比は、1:1超、5:1超、10:1超、15:1超、20:1超、30:1超、40:1超、60:1超、80:1超、及び/又は100:1超であり得る。
【0046】
プリフォーム及び/又は物品の層のうちのいずれか1つ以上を構成する材料は、1種以上の効果顔料、又は、本明細書に記載のマイクロドメイン形成液体、マイクロドメイン形成固体、マイクロボイド形成固体、及び発泡剤を含むがこれらに限定されないポロゲンなどの他の材料を含むことができる。本明細書で使用するとき、「ポロゲン」という用語は、ガスが充填された又は蒸気が充填されたマイクロドメイン又は微細孔をポリマーマトリックス中に発生させる可能性がある材料を指す。ポロゲンの例としては、容器を形成するための処理中にそれらの多孔性の少なくとも一部を保持する多孔質固体粒子が挙げられる。他のポロゲンとしては、熱可塑性材料の延伸時にマトリックスから少なくとも部分的に分離し、微細孔形成をもたらす固体粒子が挙げられる。そのような固体粒子の例としては、脂肪酸又はその塩(複数可)でコーティングされ得る炭酸カルシウム粒子が挙げられる。ポロゲンとしてはまた、ガスを気化又は発生させて微細孔を形成することができる発泡剤が挙げられる。そのような材料は、プリフォーム及び/又は完成品に多くの異なる視覚的効果、例えば、真珠光沢、輝き、反射、色変化などを付与するために添加されてもよい。しかしながら、驚くべきことに、本明細書でより詳細に説明されるように、プリフォームの外側表面のエッチング、テクスチャ加工、ないしは別の方法による改質と組み合わされると、効果顔料及び/又はポロゲンを含むことにより、最終物品に独特の審美的特性を付与することができることが見出された。例えば、物品は、深さ、触感、及び/又は三次元の外観を有する独特の審美的特徴を備えることができる。また、本明細書に記載の新規の特徴及び方法を除けば、従来のブロー成形装置及び技術を用いてこれらの審美的特性を提供することができる。更に、これらの独特の審美的特性は、滑らかな、比較的滑らかな、又は実質的に滑らかな外面を有する物品に付与されることができ、それ自体が利益であり得る。滑らかな、比較的滑らかな、又は実質的に滑らかな外側表面を有することは、外側表面のより容易な印刷、より容易なラベル付け、より容易な取り扱い、より良好な手触り、及び他の利益を可能にすることができるためなどの多くの理由で望ましい場合がある。
【0047】
プリフォームは、約0.01%~約5.0%、約0.05%~約1.5%、及び/又は約0.1%~約0.5%のマイクロドメイン形成液体を含むことができる。理論に束縛されるものではないが、液体は、マスターバッチの配合中及び/又はプリフォームの射出成形中の高剪断条件に起因して、熱可塑性材料中に細かく分散されると考えられる。液体は熱可塑性材料と非混和性であるため、熱可塑性材料内に微細分散した液滴又は相分離したマイクロドメインを形成する。界面エネルギーを最小限に抑えるために、マイクロドメインは、形成されたときに球形である傾向がある。しかしながら、射出成形及びブロー成形プロセスの間、マイクロドメインは形状を変化させる場合がある。熱可塑性材料が特定のゾーン又は領域で一軸剪断又は延伸を受ける場合、マイクロドメインは、その領域又はゾーンにおいて、ロッド状、ソーセージ形状又は楕円形になり得る。熱可塑性材料が特定のゾーン又は領域で二軸延伸を受ける場合、マイクロドメインは、その領域又はゾーンにおいてディスク形状又はプレート状になり得る。これら及び異なる形状は、熱可塑性材料の伸長又は延伸の性質に応じて形成され得る。異なる流体含有マイクロドメイン形状は、プリフォーム又は物品内の異なる領域又はゾーンに配置され得る。
【0048】
マイクロドメイン形成液体は、シリコーン油、炭化水素油、液体ポリフッ素化化合物、液体オリゴマー、ポリアルキレンオキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール水、イオン性液体、及びこれらの混合物を含むことができる。マイクロドメイン形成液体の分子のいくつか又は全ては、直鎖状、環状、又は分岐状であり得る。マイクロドメイン形成液体の分子のいくつか又は全ては、官能基を含有し得る。そのような官能基の例としては、エステル、エーテル、アミン、フェニル、ヒドロキシル、カルボン酸、ビニル、及びハロゲン基が挙げられる。分子は、1つ以上の官能基を含有してもよく、マイクロドメイン形成液体は、異なる官能基を有する分子を含んでもよい。マイクロドメイン形成液体の具体例としては、直鎖、分岐、及び環状のポリジメチルシロキサン、又は他のポリジアルキル若しくはポリジアリールシロキサンが挙げられる。好適なシロキサン液体としては、直鎖又は分岐ポリジメチルシロキサンホモポリマーが挙げられる。炭化水素油には、鉱油(C15~C40)又は液体パラフィンが含まれる。ポリフッ素化化合物は、ペルフルオロオクタンなどのペルフルオロカーボン化合物、並びにFomblin(登録商標)油などのフルオロポリエーテルを含む。液体オリゴマーは、ポリイソプレン又はポリイソブチレンなどの低分子量炭化水素化合物を含む。他の液体オリゴマーは、低分子量ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールを含む。例示的な熱可塑性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、例示的なマイクロドメイン形成液体は、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンである。
【0049】
プリフォームは、約0.10%~20%、好ましくは約1.0%~約10%、より好ましくは約1.0%~約5.0%のマイクロドメイン形成固体材料又はマイクロボイド形成固体材料を含むことができる。材料は、小さな固体粒子の形態の熱可塑性材料内に分散され、粒子は、典型的には、約1マイクロメートル以下の数平均最大寸法を有する。粒子は、炭酸カルシウムなどの無機材料、又はポリ(メチルメタクリレート)などの有機材料を含むことができる。理論に束縛されるものではないが、マイクロボイド形成固体粒子は、マスターバッチの配合中及び/又はプリフォームの射出成形中の高剪断条件に起因して、熱可塑性材料中に微細分散されると考えられる。固体材料は、マスターバッチ(materbatch)の配合中に溶融して液体液滴を形成することができるが、25℃に冷却すると再固化して、熱可塑性材料内に相分離した微細分散固体粒子を形成する。
【0050】
マイクロボイド形成固体は、例えばブロー成形プロセス中に熱可塑性材料が延伸すると、熱可塑性材料マトリックスから少なくとも部分的に分離して、熱可塑性材料内に離散したマイクロボイドを形成すると考えられる。本明細書で使用するとき、マイクロボイドは、ガス充填マイクロボイド及び中の任意の固体マイクロボイド形成粒子(複数可)の両方を包含することができる。マイクロボイド形成固体粒子は、延伸時の熱可塑性ポリマーマトリックスからの剥離を容易にするように処理又はコーティングされ得る。例えば、粒子は、ステアリン酸又はステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸又はその塩の比較的薄層で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。他の処理又はコーティング材料の例としては、フルオロ化合物及びシリコーン化合物が挙げられる。無機マイクロボイド形成固体粒子の例としては、炭酸カルシウム、シリカ(粉砕、沈殿及び/又はヒュームドシリカを含む)、アルミナ、チタニア、粘土、硫酸バリウムなど、及びこれらの混合物が挙げられる。有機又は有機ケイ素のマイクロボイド形成固体粒子の例としては、ポリシロキサンワックス、炭化水素ワックス、ポリアルキレンオキシドワックス、ポリスチレン、ポリカーボネートなどのポリエステル、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリメチルペンテン、液晶ポリマー(LCP)、及び他の固体若しくはワックスポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。例示的な実施形態は、ポリエチレンテレフタレート(PET)中の炭酸カルシウムであるマイクロボイド形成固体を含む。
【0051】
マイクロドメイン形成固体は、マイクロボイド形成固体とは異なり、ブロー成形プロセス中に軟化すると考えられている。したがって、それらは、それらが埋め込まれた熱可塑性ポリマーマトリックスから分離しない傾向があり、マイクロボイドを形成しない。マイクロドメイン形成固体の例としては、エラストマー及び他の架橋ポリマー並びにPETが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
プリフォームは、約0.01%~約5.0%、好ましくは約0.05%~約1.5%、より好ましくは約0.1%~約0.5%のマイクロボイド形成発泡剤を含むことができる。発泡剤は、周囲条件下で固体又は液体であり得る。理論に束縛されるものではないが、発泡剤は、マスターバッチの配合中及び/又はプリフォームの射出成形中の高圧及び高剪断条件に起因して、熱可塑性材料中に微細分散又は溶解されると考えられる。発泡剤は、熱可塑性材料と混和性又は非混和性であり得る。加熱、圧力低下、又はpHの変化などのトリガ事象により、発泡剤は、蒸気又は気体を発生させて、熱可塑性材料マトリックス内にマイクロボイドを形成する。マイクロボイドは、形成されたときに球形である傾向がある。しかしながら、ブロー成形プロセス中に、マイクロボイドは形状を変化させる可能性がある。熱可塑性材料が特定のゾーン又は領域で一軸延伸を受ける場合、マイクロボイドは、その領域又はゾーンにおいて、ロッド状、ソーセージ形状又は楕円形になり得る。熱可塑性材料が特定のゾーン又は領域で二軸延伸を受ける場合、マイクロボイドは、その領域又はゾーンにおいてディスク形状又はプレート状になり得る。熱可塑性材料の伸長又は延伸の性質に応じて異なる形状が形成され得、プリフォーム及び/又は物品は、異なる領域又はゾーンにおいて異なる流体含有マイクロボイド形状を有し得る。
【0053】
発泡剤は、周囲条件下で揮発性液体であるが、温度上昇及び/又は減圧を含み得るプロセス条件下で沸騰又は気化する、ペンタン又はヘキサンなどの化合物を含み得る。あるいは、ボウイング剤(bowing agent)は、周囲条件下で固体であってもよいが、加熱又は他のトリガ事象に供されると蒸気又は気体を発生させてもよい。そのような材料の例としては、ペンタン、重炭酸ナトリウム、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、過酸化ジベンゾイルなどのペルオキシ化合物などが挙げられる。
【0054】
効果顔料、マイクロドメイン形成材料、マイクロボイド形成固体及びマイクロボイド形成発泡剤は、プリフォームの層のうちの1つ以上において、プレートレット状の形状の粒子又は領域(以下、「効果構造」)を含むか、又は形成し得る。マイクロドメイン形成液体、マイクロドメイン形成固体、マイクロボイド形成固体及びマイクロボイド形成発泡剤を含むポロゲンに関する追加情報は、参照により組み込まれる米国特許出願第16/720052号に見出すことができる。
【0055】
本明細書で使用するとき、「不透明」とは、層又は壁の全視感透過率が50%未満であることを意味する。全視感透過率は、後述する全視感透過率試験の方法に従って測定される。
【0056】
本明細書で使用するとき、「プリフォーム」は、予備的な、通常は不完全な成形(shaping)又は成形(molding)を受け、通常は更に加工されて物品を形成するユニットである。通常、プリフォームは、ほぼ「試験管」形状である。
【0057】
本明細書で使用するとき、「実質的に含まない」とは、3%未満、あるいは2%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満、あるいは0.25%未満、あるいは0.1%未満、あるいは0.05%未満、あるいは0.01%未満、あるいは0.001%未満含み、かつ/又は、代替的には含まないことを意味する。本明細書で使用するとき、「含まない」は0%を意味する。
【0058】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include、includes、及びincluding)」は非限定的であることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味すると理解される。
【0059】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0060】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0061】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0062】
量の範囲が記載される場合、これらは組成物中の当該成分の総量であり、又は成分定義の範囲に1種より多くが当てはまる場合、組成物中の、その定義に適合する全ての成分の総量であると理解されるべきである。
【0063】
物品は、50%以下、あるいは40%以下、あるいは30%以下、あるいは20%以下、あるいは10%以下、あるいは0%以下の全視感透過率を有し得る。全視感透過率は、後述される全視感透過率試験の方法に従って測定したときに、約0%~約50%、あるいは約0%~約40%、あるいは約0%~約30%、あるいは約0%~約20%、あるいは約0%~約10%であり得る。
【0064】
コア層は、後述する全視感透過率試験の方法に従って測定したときに、50%以下、あるいは40%以下、あるいは30%以下、あるいは20%以下、あるいは10%以下、あるいは5%以下の全視感透過率を有し得る。
【0065】
コア層は、80以下、70以下、60以下、50以下、あるいは40以下、あるいは30以下、あるいは20以下、あるいは10以下、あるいは5以下のLを有する暗色又は黒色を有し得る。コアは、約0~約80、約0~約75、約0~約65、約0~約55、約0~約50、約0~約45、及び/又は約0~約40のLを有し得る。
いくつかの実施例では、効果顔料、特に特殊効果顔料が使用され得るが、これは、ゴニオクロマチック効果を提供し得る(すなわち、ボトルが角依存性である色シフトを有する)ものである。
【0066】
色フロップの大きさは、同じ領域ではあるが急な観測角度と浅い観測角度との間など2つの異なる検出角度(Color45as45及びColor45as-15)の間で色変化ΔEを計算することによって決定され得る。色フロップの大きさが大きいほど、ボトル全体での色シフトもより大きくなる。本明細書で使用される測定命名システムは、提供される第1の角度が、表面法線から規定される照明角度であり、第2の角度がアスペキュラー検出角度である位置を書き込まれる。これは図3に更に記載されている。
【0067】
ΔEは、以下の等式によって数学的に表される。
ΔE=[(L -L +(a -a +(b -b 1/2
「X」は、第1の測定点(例えば、Color45as45)を表し、「Y」は第2の測定点(例えば、Color45as-15)を表す。
【0068】
45°の照明を使用すると、多層構造に対するΔE-15°対45°は、20超、30超、40超、50超、60超、75超、80超、85超、90超、95超、100超、及び/又は105超となり得る。多層構造に対するΔE-15°対45°は、約25~約150、約35~約145、約45~約140、約50~約135、約55~約130、約60~約130、約75~約130、約90~約125、約95~約130、約100~約125、及び/又は約105~約120となり得る。
【0069】
ΔLは次の6つの角度、Color45as-15、Color45as15、Color45as25、Color45as45、Color45as75、及びColor45as110についての最大値と最小値との差である。多層構造に対するΔLは、45超、50超、55超、60超、65超、及び/又は70超なり得る。多層構造に対するΔLは、約10~約100、約25~約90、約40~約85、及び/又は約50~約80となり得る。
【0070】
平均Cは、次の6つの角度、Color45as-15、Color45as15、Color45as25、Color45as45、Color45as75、及びColor45as110に対する平均彩度である。多層構造に対する平均Cは、10超、15超、20超、25超、及び/又は30超となり得る。多層構造に対する平均Cは、約10~約50、約15~約45、約20~約40、及び/又は約25~約35となり得る。
【0071】
機械的にリサイクルされたポリマー材料を含むコアを有する多層構造に対するΔE、ΔL、平均Cは、コアが、機械的にリサイクルされたポリマー材料の代わりに未使用の熱可塑性材料を含むことを除いて同様の構造を有する多層構造として、約6単位以内、約5単位以内、約4単位以内、約3単位以内、約2単位以内、及び/又は約1単位以内であり得る。
【0072】
リサイクルされた熱可塑性材料、特にPETを含む機械的にリサイクルされた熱可塑性材料に取り組むことに関連する別の問題は、異なる供給原料が均一な色を有さず、これにより物品が店舗棚の上で整列したときに異なって見えることである。顕著な変動により、製品が安価で魅力的でなく見える可能性があり、美容製品を購入する消費者はこれを受け入れることができない。本明細書に記載の物品は、様々であり得るΔE、ΔL、平均C、光沢、及びヘイズを有し得る2つ以上の物品のアレイを含むことができるが、この変動は視認者にとって視覚的に知覚可能ではない。アレイ内の各物品にわたるΔE、ΔL、平均Cは、アレイ全体にわたって6単位未満、5単位未満、4単位未満、3単位未満、2単位未満、及び/又は1単位未満だけ変化する。アレイ全体にわたってボトルの外壁上で測定されたΔE、ΔL、平均Cは、アレイ全体にわたって10%未満、7%未満、5%未満、3%未満、2%未満、及び/又は1%未満だけ変化する。「視覚的に知覚可能」とは、標準的な100ワットの白熱電球の照度に少なくとも相当する照明の下で、1メートルの距離から、人の観察者が、肉眼(近視、遠視を矯正するために適した標準的な矯正レンズを除く、又は正視、又は他の矯正された視力)でデボス加工された要素を視覚的に認識することができることを意味する。
【0073】
平均パネル壁厚は、約200μm~約5mm、あるいは約250μm~約2.5mm、あるいは約300μm~約2mm、あるいは約350μm~約1.5mm、あるいは約375μm~約1.4mm、あるいは約400μm~約1mmであり得る。平均パネル壁厚は、後述する局所的壁厚さの方法を用いて決定され得る。平均局所壁厚は、容積全体で20%未満、あるいは15%未満、あるいは10%未満、あるいは10%未満だけ変化する可能性がある。
【0074】
外側表面を含むスキン層及び/又は内側表面を含むスキン層及び/又はコアの層厚さは、約50μm~約800μm、あるいは約75μm~約600μm、あるいは85μm~約500μm、あるいは100μm~約450μm、あるいは約120μm~約250μmであり得る。
【0075】
物品の外側表面を含むスキン層は、物品の内側表面を含むスキン層を含めて、他の層よりも厚くてよい。外側表面を含むスキン層は、内側表面を含むスキン層よりも10%より大きくてもよく、20%より大きくてもよく、25%より大きくてもよく、30%より大きくてもよく、40%より大きくてもよく、かつ/又は50%より大きくてもよい。外側表面を含むスキン層は、内側表面を含むスキン層の厚さの2倍であっても、3倍以上、4倍以上、及び/又は5倍以上であってもよい。層の厚さは、本明細書に記載される層厚さの方法を使用して決定することができる。
【0076】
平均パネル壁厚は、約30%~約80%のコア、約35%~約75%のコア、約40%~約70%のコア、約45%~約65%のコア、及び/又は約50%~約60%のコアを含み得る。平均パネル壁厚は、33%超のコア、40%超のコア、45%超のコア、50%超のコア、55%超のコア、及び/又は60%超のコアを含むことができる。
【0077】
物品は滑らかさを感じるものとなり得、また50μin(1.27μm)未満、45μin(1.12μm)未満、40μin(1.016μm)未満、35μin(0.89μm)未満、及び/又は32μin(0.8128μm)未満の二乗平均粗さ(Sq)を有する場所を有し得る。物品は、約20μin(0.508μm)~約42μin(1.0668μm)、約25μin(0.635μm)~約40μin(1.016μm)、約28μin(0.7112μm)~約38μin(0.9652μm)、及び/又は約30μin(0.762μm)~約36μin(0.9144μm)の二乗平均粗さ(Sq)を有し得る。二乗平均粗さ(Sq)は、以下に記載されるように、二乗平均粗さ(Sq)測定の方法によって測定され得る。
【0078】
物品は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール修飾PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸のコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、又は、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、プロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、液晶ポリマー(LCP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、のうちの1つのポリオレフィン及び、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される熱可塑性材料を含有してもよい。熱可塑性材料は、PET、HDPE、LDPE、PP、PVC、PETG、PEN、PS、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。熱可塑性材料は、PET、PP、HDPE、LDPE、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一実施例では、熱可塑性材料は、PETであってもよい。
【0079】
リサイクルされた熱可塑性材料、例えば、ポストコンシューマーリサイクル(「post-consumer recycled、PCR」)材料、ポストインダストリーリサイクル(「post-industrial recycled、PIR」)材料及び粉砕再生材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PCRPET)、高密度ポリエチレン(PCRHDPE)、低密度ポリエチレン(PCRLDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PIRPET)、高密度ポリエチレン(PIRHDPE)、粉砕再生ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン(PIRLDPE)などを使用することも可能である。
【0080】
再生可能資源由来のモノマー又はオリゴマーと、再生不能(例えば、石油)資源由来のモノマーとの組み合わせを用いて、本明細書に記載の熱可塑性材料を形成してもよい。例えば、熱可塑性材料は、全体的にバイオ由来のモノマー若しくはオリゴマーから作製されたポリマーを含み得るか、バイオ由来のモノマー若しくはオリゴマーから部分的に作製された及び石油由来のモノマー若しくはオリゴマーから部分的に作製されたポリマーを含み得るか、又は酵素的抽出による手法に由来してもよい。
【0081】
コア層及びスキン層は、同じ熱可塑性材料を含んでも、異なる熱可塑性材料を含んでもよい。スキン層及びコア層は、同じ種類の熱可塑性材料(例えばPET)に基づくことができ、これにより、それらの化学的適合性及びより堅牢な壁に起因して、境界面における層のより良好な相互浸透を可能にすることができる。「同じ種類の樹脂に基づく」とは、スキン層とコア層が、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%、及び/又は少なくとも95%の同じタイプの樹脂を含有し得ることを意味する。「同じ種類」の樹脂とは、同じ化学物質クラスの樹脂を意図しており、つまりPETは、単一の化学物質クラスと見なされる。例えば、分子量の異なる2つの異なるPET樹脂は、同じ種類であると見なされる。しかし、1つのPET樹脂及び1つのPP樹脂は同じ種類とは見なされない。異なるポリエステルも同じ種類とは見なされない。
【0082】
スキン層とコア層は、同一グレードのPET、異種グレードのPET、又はバージンPET/再生PET(rPET)などの類似の樹脂を含み得る。潜在的な費用の削減及び持続可能性の理由により、rPETの使用が望ましい。スキン層とコア層はまた、PET/環状オレフィンコポリマー、PET/PEN、又はPET/LCPなど、物品内で交互に並び得る異なる樹脂を含み得る。樹脂ペアは、外見、機械的、並びにガス及び/又は蒸気バリアなどの最適な特性を有するように選択される。
【0083】
物品は、1つ又は複数の領域内に少なくとも3つの層を備え得る。3つの層によって形成される領域は、物品の重量の約60%超、約80%超、より好ましくは90%超、及び/又は95%超を構成し得る。3つの層(本明細書では2つのスキン層及びコアとして見なされる)によって形成される領域は、物品の実質的な全長及び/又は物品の全長を含み得る。
【0084】
物品は、様々な機能性を備えた1つ以上の副層を含むことができる。例えば、物品は、外側の熱可塑性層と内側の熱可塑性層との間に、バリア材料の副層又はリサイクル材料の副層を有することができる。このような層状容器は、熱可塑性樹脂製造分野で用いられる一般的な技術に従って、複数層のプリフォームから製造することができる。バリア材料副層及びリサイクル材料副層は、コア層及び/又は追加のC層において使用され得る。一例では、物品壁は、スキン層を含む内側表面を含んでもよく、このスキン層に隣接してコアが存在してもよく、このコアに隣接してC層が存在してもよく、このC層に隣接して別のコアが存在してもよく、またこのコアに隣接して、外側表面を含むスキン層が存在してもよい。
【0085】
物品は、層の必要な特性が維持される限り、その層のいずれかにおいて、通常は物品の約0.0001重量%~約9重量%、約0.001%~約5重量%、及び/又は約0.01重量%~約1重量%の量で添加剤を含むことができる。添加剤の非限定的例としては、充填剤、硬化剤、帯電防止剤、潤滑剤、UV安定剤、酸化防止剤、粘着防止剤、触媒安定剤、核形成剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
コア及び/又はスキン層は、不透明化顔料を含有し得る。不透明化顔料としては、乳白剤、不透明吸収顔料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。物品の外側表面を含むスキン層は、効果顔料の効果を低下させることを回避するために、不透明顔料を含まなくてもよく、あるいは実質的に含まなくてもよい。
【0087】
乳白剤の非限定的な例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、粘土、鉱物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。乳白剤は、熱可塑性材料(例えば、ポリ(メチルメタクリラート)を含むことができるPET、シリコーン、液晶ポリマー(LCP)、ポリメチルペンテン(PMP)、空気、ガスなど)とは適切に異なる屈折率を有する任意のドメイン/粒子であってもよい。更に、乳白剤は、下の層に透過される光の大部分をブロックする限り、光の散乱により白く見え、又は光の吸収により黒く見え、並びに層の間の陰影に見えることができる。黒色の不透明化顔料の非限定的な例としては、カーボンブラック、及びPaliogen(登録商標)Black L 0086(BASF社)などの有機黒色顔料が挙げられる。
【0088】
不透明吸収顔料は、それらがその中に存在する材料に色及び不透明度を提供する粒子を含むことができる。不透明吸収顔料は、無機又は有機粒子状材料であってもよい。全ての吸収顔料は、それらの平均粒径が十分に大きい場合、又はそれらが高い吸光係数を有する場合、不透明であり得る。吸収顔料の粒径は、典型的には、15nmより大きく、あるいは100nmより大きく、あるいは500nmより大きく、あるいは1マイクロメートルより大きい。吸収顔料は、有機顔料及び/又は無機顔料であってもよい。有機吸収顔料の非限定的な例としては、アゾ及びジアゾレーキ、ハンザ、ベンズイミダゾロン、ジアリリド、ピラゾロン、黄色及び赤色などのアゾ及びジアゾ顔料、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジオキサジン、アントラキノン、イソインドリン、チオインジゴ、ジアリール又はキノフタロン顔料、アニリンブラックなどの多環式顔料、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。無機顔料の非限定的な例としては、チタンイエロー、酸化鉄、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、鉛イエロー、カドミウムイエロー及びカドミウムレッド、カーボンブラック顔料、混合金属酸化物、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。有機顔料及び無機顔料は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0089】
本発明の別の態様は、上述のような物品を作製するためにブロー成形され得る中空プリフォームに関する。中空プリフォームは壁を含み得るが、その壁は、内部表面と外部表面とを有し、プリフォームの壁は、少なくとも1つの領域において3つの層によって、すなわち、壁領域の内部表面と壁領域の外部表面とを含む2つのプリフォームスキン層と、それら2つのプリフォームスキン層の間に位置するプリフォームコア層と、によって形成される。これら3つの層は共に、その領域においてプリフォームの壁全体を構成する。
【0090】
プリフォームは、2つ以上のストリームの平行な共射出によって作製されてもよく、その場合、1つ以上のストリームはスキン層を作り出し、残りのストリームはコア層を作り出し、スキン層は、効果顔料及び熱可塑性材料を含み、コア層は、リサイクルされた熱可塑性材料及び顔料を含んでもよい。
【0091】
熱いポリマー溶融物の2つの均一なストリームは、金型キャビティに入る前にインジェクタノズル(複数可)で合流し、これにより複数のストリームの結合流が開始する。インジェクタは、図4A図4Cに示される配置を含むいくつかの異なる方法で配置されることができる。
【0092】
図4Aのインジェクタノズルの配置は、同心のノズルB及びAから生じる溶融熱可塑性成分の2つの同心ストリームをもたらすことができる。外側ノズルAは、スキン層を最終的に形成する熱可塑性組成物及び効果顔料を含むことができるストリームIを分注することができる。内側ノズルBは、図2の拡大概略断面図に示されるように、最終的にコアを形成するリサイクルされた熱可塑性材料と顔料との溶融結合体を含み得るストリームIIに対応する。
【0093】
異なるノズル配置は、ストリームI及びIIの異なる流れパターンをもたらし得る。図4B及び図4Cは、中心がずれている(非同心又は偏向した)インジェクタノズルA及びBを示す。外側ノズルAは、ストリームIを分注することができ、内側ノズルBは、ストリームIIを分注することができる。図4Bでは、インジェクタノズルAの配置は、物品の外側表面を含むボトルの外側表面を構成するより厚いスキン層を可能にすることができる。図3Cでは、インジェクタノズルAの配置は、ボトルの外側表面を含むより薄いスキン層及び物品の内側表面を含むより厚いスキン層を可能にすることができる。このストリームパターンを得るために、いくつかの方法を利用することができる。非同心ノズルを有するプロセスは、中心ノズルを中心からずらして位置付けることを必要とし、一方、バルブピンプレートを有するプロセスは、輪郭を調整してオフセット優先流を生成する。図4Bの偏向位置は、より多くのAの材料がプリフォームの外側に流れることを可能にすることができ、これにより、物品の視覚的効果、特にデボス加工された要素の外観の改善をもたらすことができる。
【0094】
当業者には明らかであるように、ブロー成形された後のプリフォームは、スキン層とコア層とを有する本発明による物品を形成し、プリフォームの層は物品の対応する層を形成する。すなわち、プリフォームのスキン層は物品のスキン層を形成し、プリフォームのコア層は物品のコア層を形成する。
【0095】
ブロー成形に好適なプリフォームは、以下の工程、すなわち、
a)プリフォームを作製するための共射出成形用金型を提供する工程と、
b)本質的に同時に(平行な共射出)溶融樹脂の2つ以上のストリームを共射出する工程であって、それによって上述のような完全なプリフォームを形成し、1つ以上のストリームが、効果顔料を有するプリフォームスキン層と、不透明なプリフォームコア層と、を作製し、任意選択的に、1つ以上のC層を形成する追加のストリームが加えられ得る、工程と、によって形成され得る。
【0096】
この方法で得られたプリフォームは、IBM又はISBMによってその後にブロー成形されてよく、具体的には、ISBMに従って物品が作製され得る。ISBMプロセスを使用して作製された物品(及び射出成形で作製されたそれぞれのプリフォーム)は、ゲートマーク、すなわち射出が行われる「ゲート」を示す小さな隆起ドットの存在について、異なるプロセス、例えば押出ブロー成形を使用して作製された類似物品と区別することができる。通常、容器及びボトルの場合、「ゲートマーク」は物品の下部にある。
【0097】
試験方法
物品が容器又はボトルである場合、臨界垂直荷重、不透明度、及びゴニオ分光光度測定は全て、物品から取り外されたパネル壁サンプルに対して実施されたものであった。記載のない限り、パネル壁サンプルの外部表面を試験する。長さ100mm及び幅約50mmの寸法を有するサンプルを、肩部/ネック及び基部領域から少なくとも50mm離れた物品壁の主要部分から、切り取る。
【0098】
物品がこの大きさのサンプルを取り出すことができない場合、スケール1:2の幅:長さを有するより短いサンプルを、以下により詳細に説明するように使用することができる。容器及びボトルの場合、サンプルは、肩部/ネック又は基部領域から少なくとも50mm離れたボトルのラベルパネルから取り出すことが好ましい。切断は、適切なカミソリの刃又は万能ナイフで行われ、より大きな領域が除去された後、新しいシングルエッジのカミソリの刃で更に適切なサイズに切断される。
【0099】
サンプルは、可能であれば平坦であるべきであるか、少なくとも、試験が行われる領域でサンプルを平坦に維持するフレームを使用することによって平坦にする必要がある。臨界垂直荷重、二乗平均平方根粗さ(Sq)、全視感透過率、及びゴニオ分光光度を決定するために、サンプルが平坦であることが重要である。
【0100】
平均正常配向及び局所配向指数:
本明細書に記載の方法は、材料の層内に配置された効果構造の正常な配向を測定する方法、並びに特定のサンプルの定義された領域及びLOIにおける効果構造の平均正常配向を説明する。方法をより良好に理解するのを助けるために、簡単な概要をここに記載し、次いで具体的な実施例を開示する。
【0101】
物品の任意の部分の効果構造又はLOIの任意の群の平均正常配向を決定する前に、測定される物品の特定の領域、及び分析される測定領域内の効果構造を識別することが重要である。したがって、ボトル180の壁150から壁サンプル上の場所を見つけるために、20/20の視力(又は眼鏡、コンタクトレンズ、又は手術による矯正により同等)を有する人間が、図15に示されるボトル180などの物品100を視覚的に検査する。選択された場所は、ボトル180のネック103、第1の肩部101、第2の肩部102又は基部106と完全に重ならないように、及び可能であれば、ボトル180の外側表面133内のそのような部分又は他の凹凸と全く重ならないように位置特定されるべきである。サンプル部分500は、略矩形の形状であるべきである。サンプル部分500は、ボトル180が変形又は損傷せず、それにより分析されるべき特定のサンプルサイズ(図16に示されるサンプル505など)を更に切り取ることができるように、注意深く取り外されるべきである。
【0102】
サンプル505を得たら、内部の効果構造300の形状を特徴付けるのに十分な解像度で、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography、CT)システム(必要に応じて顕微鏡を備える)で走査する。CTのX線エネルギー及びコントラストモードは、物品100の壁150(例えば、プラスチック又はポリマー材料)を構成する材料からの信号に対する効果構造300による信号を最適化するように設定される。CTデータは、「ノイズ」又は「アーチファクト」を含み得、サンプル505は、等方性粒子(例えば、従来の顔料及び/又は再加熱添加剤)に基づいて二次色素沈着又は添加剤を含有して、効果構造300の識別を可能にし得るので、効果構造300の一般的な形状パラメータを特徴付けることが第一に重要である。効果構造300の形状パラメータは、CTデータから得ることができるが、パラメータは、製造業者の仕様又は他の撮像システム及び方法によって補足されてもよく、又はそれらから取得してもよい。
【0103】
効果構造300の形状パラメータが分かった後、サンプル505内の効果構造300の配向を決定することができる。配向情報は、サンプル505のCTスキャンから取得することができる。CTスキャンは、効果構造300の形状を特徴付けるために使用されるCTスキャンと同じであってもよく、又は効果構造300の配向を決定するためにのみ使用される別個のスキャンであってもよい。サンプル505から始まり、視覚効果360の境界515及び視覚効果360を含まないサンプル505の部分を横切って延在する測定領域510が識別される。サンプルのCTスキャンデータは、強度閾値を使用して、効果構造300の候補と見なされる3Dボクセルブロブ(blob)にセグメント化される。次いで、以前に決定された形状パラメータを使用してボクセルブロブをリファインして、効果構造360を表すボクセルブロブを、ノイズ、アーチファクトなどによって引き起こされたボクセルブロブから分離する。効果構造通常ベクトルESNV(effect structure normal vector)(図17に示す)を効果構造360ごとに計算し、視覚効果360の境界515に垂直な(又はサンプル内の境界515の中心における境界の接線に垂直な)平面内において、物品100の外側表面133の外側表面法線ベクトルOSNV(outer surface normal vector)と比較する。ESNVとOSNVとの間の角度が鈍角である場合、ESNVの方向を逆にして、測定角度を鋭角にする必要がある。物品の表面点におけるOSNVは、ESNVで効果構造300と交差するまで、効果構造300に向かって延長されるべきである。ESNVとOSNVとの間の鋭角をその時点で記録する。
【0104】
この正方形領域内のESNVとOSNVとの間の鋭角を平均化することで、分析された場所の効果構造の平均正常配向を得る。
【0105】
破損領域での臨界垂直荷重(N)及びスクラッチ深度
ボトルから取り出したときにサンプルが容易に層間剥離した場合、サンプルには「臨界垂直荷重」に関して0Nのスコアが与えられる。無傷のままであるサンプルについては、スクラッチ試験手順(ASTM D7027-13/ISO 19252:08)に従って、Surface Machine Systems社のScratch 5を使用して、直径1mmの球形チップ、初期荷重:1N、最終荷重:125N、スクラッチ速度:10mm/s、及びスクラッチ長さ100mmを使用してスクラッチ誘発損傷を受ける。100mmより小さいサンプルについては、初期荷重及び最終荷重を同じに維持しながら、スクラッチ長さを減少させることができる。これにより、臨界垂直荷重の推定値が提供される。この推定値を使用して、追加のサンプルをより狭い荷重範囲で実行し、臨界垂直荷重をより正確に決定できる。
【0106】
スクラッチ誘発損傷は、ボトルの内側表面及び外側表面に相当する、サンプルの両面で実施される。サンプルは、サンプルの下側に、3M社によるScotch(登録商標)Permanent Mounting Tape(合計厚さが約62ミル又は1.6mmである、アクリル系接着剤を有するポリウレタン両面高密度フォームテープ、UPC#021200013393)などのフォームベースの両面テープを使用することによって、サンプルステージに固定されることが重要である。スクラッチ試験の前に、全てのサンプルを圧縮空気で洗浄する。
破損点は、スクラッチ試験の完了後に、目に見える層間剥離の開始が発生するスクラッチの長さにわたる距離として視覚的に決定される。層間剥離は、当業者により裸眼又は実体顕微鏡の助けを借りて視認可能な空隙を層間に導入する。これは、サンプル(上記のボトルから切り取ったものとして定義)の各面当たり最低3つのスクラッチに基づいて検証され、標準偏差は10%以下である。この方法の結果として、臨界垂直荷重が低い側が報告される。破損領域でのスクラッチ深度は、ASTM D7027に従って、層間剥離の開始が発生するポイントにおけるスクラッチ位置全体で測定される。臨界垂直荷重(N)は、破損点と判断された位置で記録された垂直荷重として定義される。レーザー走査型共焦点顕微鏡(KEYENCE VK-9700K)及びVK-X200アナライザーソフトウェアを使用して、破損点、スクラッチ幅、及びスクラッチ深度を含むスクラッチ誘発損傷を分析する。
【0107】
光沢20°法
光沢20°は、ASTM D D2457-13に従って20°でマイクロ-トリ-グロス(BYK-Gardner GmbH)などの光沢計で測定される。各ポイントを3回測定し、平均を計算して光沢20°を決定する。全ての光沢測定は、「ベースブラック」と呼ばれる黒い背景で行われた。ベースブラックは、X-Riteグレースケールバランスカード(45as45 L21.077 0.15-0.29)の黒色領域である。マイクロトリグロス計によって与えられる測定値は、「光沢単位」を表す単位「GU」を有する。
【0108】
マイクロトリグロスを用いた光沢20°の最小測定面積は、10×10mmである。
【0109】
ゴニオ分光光度法
ΔEは、以下の等式によって数学的に表される。
ΔE=[(L -L +(a -a +(b -b 1/2
「X」は、第1の測定点(例えば、Color45as45)を表し、「Y」は第2の測定点(例えば、Color45as-15)を表す。
【0110】
、a、b、C、及びh°の反射カラー特性を、ASTM E 308、ASTM E 1164、ASTM E 2194、及びISO 7724に従ってX-Rite IncorporatedによるMA-T12又はMA98などの多角分光光度計を使用して測定する。サンプルを、「ベースホワイト」と呼ばれる白色背景上に配置する。「ベースホワイト」は、X-Riteグレースケールバランスカード(45as45 L96.2-0.8 3.16)の白色領域である。
【0111】
サンプルを、CIE標準イルミナントD65/10°照明で測定する。本明細書で使用される測定命名システムは、提供される第1の角度が、表面法線から規定される照明角度であり、第2の角度はアスペキュラー検出角度である位置を書き込まれる。これは図3に更に記載されている。ある領域が外部パネル壁上で測定され、3回測定され、平均読み取り値が記録される。
【0112】
カラーがCIELAB(L)で表現されるとき、Lは明度を定義し、aは赤色/緑色値((+a=赤、-a=緑)、bは黄色/青色値((+b=黄色、-B=青色)、Cは彩度を定義し、h°は、色相角を定義する。彩度はカラーの鮮やかさ又は鈍さを表すものであり、+はより明るく、-はより鈍い。彩度は飽和度としても知られている。明度は明度/暗度の値の差であり、+は「より明るく」、-は「より暗い」。Lは、L=0で最も暗い黒色を表し、L=100で最も明るい白色を表す。色相は、赤色、緑色などとして識別可能となり、その主波長に依存し、強度又は明度に依存しない、色の属性である。ΔLは次の6つの角度、Color45as-15、Color45as15、Color45as25、Color45as45、Color45as75、及びColor45as110についての最大Lと最小のLとの差である。
【0113】
ヘイズ及び反射方法:ヘイズ異方性、ピーク鏡面反射率(GU)、及び反射柔軟性(鏡面プロファイルの3/5の高さにおけるFW)
本明細書に報告されるヘイズは、反射ヘイズとも呼ばれ、ASTM E430に従って、Rhopoint IQ(20°/60°/85°光沢計、DOI Meter、Haze Meter、Goniophotometer、Rhopoint Instruments Limited)などのヘイズ計/変角光度計を用いて測定される。
反射ヘイズ=100×(17°~19°(サンプル)からのΣ画素+21°~23°(サンプル)からのΣ画素)/鏡面光沢(標準)
【0114】
ヘイズ異方性は、ボトルの高さと平行に配向されたときのボトルサンプルについて測定されたヘイズ(すなわち、反射ヘイズ)と、90°だけサンプルを回転させた際に測定されたヘイズとの比率である。
【0115】
ピーク鏡面反射率は、0.028°の間隔で正反射角から+/-7.25°をカバーするダイオードアレイを用いて20°で測定される。反射柔軟性は、鏡面プロファイルピークのピーク高さの3/5での全幅(full width、FW)として鏡面プロファイル(光沢単位の正反射角から+/-5.6°)から測定される。
【0116】
局所壁厚
特定の位置での壁厚は、直径1/8インチのターゲットボールを使用するOlympus Magna-Mike(登録商標)8600を使用して測定した。各位置で3回の測定を行い、局所壁厚を決定するために平均を計算した。
【0117】
平均局所壁厚は、物品又はパネルの長さ全体にわたって上記のように局所壁厚を決定し、次いで平均を計算することにより決定した。肩部付近及び基部付近の厚さは、平均局所壁厚から除外される。
【0118】
全視感透過率
D65照明を使用するCi7800(X-Rite)などの卓上球分光光度計を使用して、全視感透過率が測定される。全視感透過率は、ASTM D1003に従って測定される。%不透明度は、100-%全光線透過率から計算され得る。ある領域が外部パネル壁上で測定され、3回測定され、平均読み取り値が記録される。
【0119】
二乗平均粗さ(Sq)測定の方法
二乗平均粗さ(Sq)は、VK-X200Kコントローラ及びVK-X210測定ユニットを含む、KEYENCE CORPORATION OF AMERICAから入手可能なKeyence VK-X200シリーズ顕微鏡などの3Dレーザー走査型共焦点顕微鏡を使用して測定される。計器製造業者のソフトウェア、VK Viewerバージョン2.4.1.0がデータ収集に使用され、製造業者のソフトウェア、Multifile Analyzerバージョン1.1.14.62及びVK Analyzerバージョン3.4.0.1がデータ解析に使用される。製造業者の画像スティッチングソフトウェア、VK Image Stitchingバージョン2.1.0.0が使用される。製造業者の解析ソフトウェアは、ISO 25178に準拠している。使用される光源は、408nmの波長を有し、約0.95mWの出力を有する半導体レーザーである。
【0120】
解析されるサンプルは、適切な解析のために顕微鏡に適合し得るサイズで解析される領域を含む物品片を切断することによって得られる。サンプルが平坦ではないが、柔軟性を有する場合、そのサンプルはテープ又は他の手段によって顕微鏡ステージ上に保持されてもよい。サンプルの形状、柔軟性又は他の特性が原因で、サンプルが平坦化されていないときに測定値がより正確になる場合、以下に説明されるように補正が求められ得る。
【0121】
サンプルからの測定データは、0.95の開口数を有する50X Nikon CF IC Epi Plan DI Interferometry Objectiveなど、非接触形状測定に好適な50X対物レンズを使用して得られる。データは、取得ソフトウェア「Expert Mode」を使用して取得され、以下のパラメータが次のように設定される:1)Height Scan Rangeはサンプルの高さ範囲を包含するように設定される(これは、それぞれの表面トポグラフィによって、サンプルごとに異なり得る)、2)Z-direction Step Sizeは、0.10マイクロメートルに設定される、3)Real Peak Detectionモードは、「On」に設定される、4)レーザー強度及び検出器ゲインは、機器制御ソフトウェアのオートゲイン機能を使用して各サンプルに対して最適化される。3×3枚の画像のアレイが収集され、各サンプルに対して一緒にステッチされて、790×575um(幅x高さ)の視野をもたらし、横方向の解像度は、0.56um/画素であった。
【0122】
解析前に、データは、製造業者のMultifile Analyzerソフトウェアを使用して、以下の補正に供される:1)3×3ピクセルアレイの中心ピクセルがそのアレイの中央値で置き換えられる3×3中央値平滑化、2)弱い高さカットを使用したノイズ除去(解析ソフトウェアの内蔵アルゴリズムに従う)、及び3)波形除去(0.5mmカットオフ)を使用した形状補正。セットエリア方法を使用し、プリフォーム除去に使用されたのと同じエリアを選択して、基準平面を指定する。異物、サンプル採取プロセスのアーチファクト、又は任意の他の明らかな異常を含む領域は、解析から除外されるべきであり、代替的なサンプルが、正確に測定され得ない任意のサンプルに代わって使用されるべきである。結果として得られた値が、サンプルの測定された部分についての二乗平均粗さ(Sq)である。
【0123】
層厚さ及びプレートレットの寸法
マイクロCTスキャンの方法
試験されるボトルのサンプルは、少なくとも約1mm×1mm×4mmの寸法を有するサンプルを、連続ボクセルを有する単一のデータセットとして走査することができるマイクロCT X線走査機器を使用して撮像される。マイクロCT走査によって収集されたデータセットにおいて、少なくとも1.8μmの等方性空間分解能が必要である。好適な機器の一例は、次の設定、すなわち、72μAで55kVpのエネルギーレベル、3600回の投影、10mmの視野、1000msの積分時間、10回の平均化、及び1.8μmのボクセルサイズで操作される、SCANCO Systemsモデルμ50マイクロCTスキャナ(Scanco Medical AG,Bruttisellen,Switzerland)である。より高度な解像度のために、好適な機器としては、PCO.edge 5.5 sCMOSカメラ(PCO,Kelheim,Germany)に結合された40倍対物レンズを備えた高品質顕微鏡(Optique Peter(Lentilly,France))、20μm厚のLuAG:Ceシンチレータースクリーン、及び結果として得られる約0.163μmの等方性ボクセルサイズを装備した、Paul Scherrer Institute(PSI)(Switzerland)のSwiss Light Source(SLS)のTOMCATビームラインにおけるX線断層顕微鏡の能力が挙げられる。ビームエネルギーは、250msの曝露時間で15keVに設定され、各走査に対して約1501の投影が取得される。
【0124】
解析される試験サンプルは、プラスチックの矩形片を壁から、好ましくはラベルパネル領域からExactoナイフで切断し、次いで、亀裂の発生を回避するように注意深く、細い歯のExacto鋸を使用して約1~5mmの幅にサンプルを更にトリミングすることによって調製される。サンプルは、プラスチックの円筒状走査管内の装着用発泡材料などの材料と共に、あるいは、両面粘着テープ及び/又は透明なマニキュアラッカーを使用して真鍮ピン(直径3.15mm)にサンプルを固定することによって、垂直に配置される。機器の画像取得設定は、空気及び周囲の装着用発泡体からサンプル構造が明確かつ再現可能に識別されるよう、画像強度コントラストが十分に敏感となるように選択される。このコントラスト識別又は必要とされる空間解像度を達成できない画像取得設定は、この方法には不適切である。そのキャリパーを有する各サンプルの同様の体積がデータセットに含まれるように、プラスチックサンプルのスキャンが捕捉される。
【0125】
3Dレンダリングを生成するためにデータセットの再構成を実施するためのソフトウェアが、走査機器製造業者によって供給される。後続の画像処理工程及び定量画像解析に好適なソフトウェアとしては、Avizo Fire 9.2(Visualization Sciences Group/FEI Company(Burlington,Massachusetts,U.S.A.)、及び対応するMATLAB(登録商標)Image Processing Toolbox(The Mathworks Inc.)を伴ったMATLAB(登録商標)バージョン9.1などのプログラムが挙げられる。極端な外れ値を除外して、結果として得られる8ビットデータセットが最大ダイナミックレンジ及び最小数の飽和ボクセルを実現可能に維持するように注意を払いながら、16ビットのグレーレベル強度深度で収集されたマイクロCTデータを8ビットのグレーレベル強度深度に変換する。
【0126】
グローバル軸システムのYZ平面と平行であるようにサンプル表面を整列させることは、材料を正確に整列させるマイクロCT用の固定具を使用すること、又は、Avizoなどのソフトウェアを使用して、表面を視覚的に整列させ、内挿を使用してデータセットを再サンプリングすることを含む方法のうちの1つによって達成される。
【0127】
層厚さは、効果顔料層が顔料の95%を含有すると定義される場合に、画像解析と共にマイクロCTによって測定される。この解析は、約1.5mmx1.5mmの材料の正方形区分を含む処理済みのマイクロCTデータセット上で実施される。データセットは、YZ方向における境界間にわたる。これは、最小Y境界、最大Y境界、最小Z境界、及び最大Z境界と完全に交差する。領域の小さい非材料バッファが、最小X境界と最大X境界との間に存在する。この領域は、空気又はパッキング材料からなる。
【0128】
層厚さの方法
材料閾値は、対象の全てのサンプルに対してOtsuの方法を実行し、結果を平均化することによって決定される。材料閾値は、ノイズ及びパッキング材料を最小限に抑えながらボトル材料を識別するべきである。材料閾値は、整列され、トリミングされたデータセットに適用される。X軸に平行なボクセル値のラインは、材料データセットのY、Z値ごとに取得される。典型的なラインは、ボトルである大きな連続した材料のバンドからなる。また、サンプルを定位置に保持するために使用されるパッキング材料により、あるいはノイズにより、より小さい材料のバンドも存在し得る。材料の最大バンドの開始及び終了ボクセルの位置が、各ラインについて記録される。これらの位置が互いに平均化され、材料の縁部が与えられる。材料の縁部は、空気からポリマーへの密度の急激な変化によって生じるマイクロCTの回折アーチファクトを被り得る。これらのフリンジ効果は、エッジボクセル値を顔料として誤分類されるほど高くし得る。この効果を排除するために、平均開始位置及び終了位置によって決定される材料境界は、10ボクセルだけ内向きに移動される。
【0129】
材料境界が確立された状態で、各サンプルは、顔料の閾値を決定するために、Ostuの方法によって再度処理される。全てのサンプルの閾値の平均は、顔料を材料からセグメント化するために使用される。各データセットは、顔料データセットを生成するために、顔料閾値で閾値化される。材料境界の外側の顔料ボクセルがゼロに設定されて、任意のノイズ及びフリンジ効果が除去される。
【0130】
全てのYZスライス上の顔料ボクセルの数が材料内で計算される。スライス総数が総計へと合計される。これらの合計から、境界YZスライスは、顔料材料の95%を包囲するものとして定義される。材料境界から95%の顔料境界までの距離が層厚さとして報告される。
【0131】
プレートレット寸法の方法
この解析は、ボトル材料の正方形区分を含む再構成されたボクセルデータセット上で実施される。顔料プレートレットをボトル材料から類別する閾値が決定される。プレートレットは、MATLAB(登録商標)において利用可能なbwconncomp機能などの接続されたコンポーネント機能を使用して、サンプル中で数え上げられ得る。プレートレットは、ボトル生成プロセスによって歪み又は損傷を受け得る。プレートレットの体積が、正確に測定するには小さすぎるか、ホールを含むか、あるいは歪を受けている(以下に記載されるように非平面的である)場合、これは無視される。個々のプレートレットが、以下に記載されるように厚さ及び幅に関して測定される。
【0132】
まず、プレートレットのXYZボクセル位置が、MATLAB(登録商標)のpca機能を用いた主成分分析のために送られて、プレートレットの配向が決定される。この情報により、プレートレットは、XY平面上でプレートレットがほぼ水平に横たわるように再配向され得る。プレートレットボクセルをXY平面に投影することにより、プレートレットのシルエットが形成される。これは、投影における最大円を発見するために使用され得るが、その最大円は次いで、プレートレットをディスク形状に切断するために使用され得るトリミングテンプレートを画定する。ディスクの上部から生成されたユークリッド距離マップ(MATLAB(登録商標)のbwdist関数)が使用され、ディスクの底部までの平均厚さが測定される。この距離測定は、プレートレットの配向とは無関係である。プレートレットが平坦である(歪みなし)場合、XY平面までの最小Z距離は、あらゆるXY位置に対してもほぼ一定であるはずであり、また最小Z値から最大Z値までで測定されたプレートレットの平均高さは、先に判明した平均厚さの15%以内であるはずである。平坦でないプレートレットは無視される。
【0133】
投影されたシルエットは、MATLAB(登録商標)のregionprops関数で利用可能な楕円をフィッティングするための標準的なイメージング法を使用して、その主軸幅及びその短軸幅にわたって測定され得る。これは、プレートレットの最大幅及びプレートレットの最小幅の測定値である。
【0134】
タイ層厚さ(境界層厚さ):
固有の添加剤、着色剤、又は樹脂が、層のうちの少なくとも1つの中に配置され、それによって、方法A又は方法Bのいずれかが、その固有の添加剤、着色剤、又は樹脂の組成が最大濃度と最小濃度との間で変化する境界面に垂直な距離にわたって、組成物をマッピングすることが可能となる。
方法A:樹脂(例えば、PET/ナイロン)又は着色剤/添加剤による、固有の元素組成を有する隣接層に対するエネルギー分散X線分光分析(EDS)マッピング法。
【0135】
ボトルサンプル(ボトルサンプルの調製について以下に記載する)が、EDSによって適切にマッピングされ得る元素組成(例えば、炭素又は酸素を含めず、原子番号3を超える元素)を有する、2重量%以上の着色剤及び/又は添加剤を含有する場合、方法Aが使用され得る。これらの着色剤/添加剤は、分子種又は微粒子であり得る。それらが形態において粒子状である場合、5μm×5μm×200nmの体積内に約10以上の粒子が存在するように、十分に分散されるべきである。一般に、粒子は最大寸法において500nm未満であるべきである。
【0136】
サンプルの調製:
肩部/ネックから少なくとも50mm離れたボトルラベル壁又は約3cm×3cmと測定される基部領域の片を、加熱した刃を使用して抽出する。加熱されたブレードは、早期の層間剥離を誘発し得る大きな力を加えることなく、ボトルの切開を可能にする。これは、パネル壁材を切断するのではなく、溶融することによって達成される。片の溶融した縁部をはさみで除去した後、約3cm×3cm片を、新しい鋭利な一重かみそり刃を使用して、約1cm×0.5cmのいくつかの片に更に区分する。境界面を横切る汚れを防止するために、境界面に垂直ではなく、片の長さに沿って層/境界面に平行に切断力を加える。
【0137】
次いで、約1cm×0.5cmの片を横向きに手で研磨し、ボトル壁及び層状構造の断面を表示する研磨面を生成する。初期研磨は、潤滑剤/冷却剤として蒸留水を使用しながら、グリットサイズ(400、600、800、及び1200)を段階的に小さくしてSiC紙を使用することからなる。次いで、蒸留水を潤滑剤として使用しながら、0.3μmのAl研磨媒体を使用して1200グリットの研磨表面を更に研磨する。次いで、研磨されたサンプルを、洗剤+蒸留水の溶液中で1分間超音波洗浄し、続いて新しい蒸留水中で更に3回の追加の超音波洗浄を行い、サンプルから洗剤をすすぎ落とす。最終的な超音波洗浄は、エタノール中で2分間実施される。研磨及び洗浄されたサンプルは、縁部側を上にして両面カーボンテープを有するSEMスタブ上に載置し、次いで、Leica EM ACE600(Leica Microsystems)などのカーボン蒸発器によって堆積された約1020nmのカーボンでコーティングされる。
【0138】
SEMによる隣接境界面の識別:
A/C層又はC/B層の間の隣接境界面の識別は、デュアルビームFIBにおけるインターフェースを見つけることを可能にするために必要である。隣接境界面を識別するために、SEM撮像及びEDSマッピングが、EDAX Octane Elect 30mm SDD(EDAX Inc.)などのシリコンドリフトEDS検出器(SDD)を備えたFEI(Thermo Scientific(登録商標)Apreo SEMなどの最新の電界放出SEMによって実施される。約500~1000xの倍率で予備EDSマップを断面の全体にわたって収集して、各層に存在する固有の要素を識別することによって層状構造の存在を確認する。X線信号を生成するために、対象元素の最も理想的な電子シェルをイオン化するように、加速電圧を適切に設定する。USP<1181>(USP29-NF24)は、EDS信号を収集するために最良の動作条件を選択するための有用な基準を提供している。
【0139】
EDSマップを、層間の境界面のおおよその位置を示すために使用し、その後、プラチナ基準マーカを、ガス注入システム(GIS)を使用して電子ビーム堆積を介して堆積させ、境界面の位置をマーキングする。別のEDSマップを、Pt基準マーカを用いて収集して、境界面に対するそれらの位置を確認する。
【0140】
デュアルビームFIBサンプル調製:
適度に高い解像度で境界面をマッピングするためには、薄い箔のサンプル(100~200nm厚)が必要とされる。ラメラを、FEI(Thermo Scientific(登録商標))Helios600などの最新のデュアルビームFIBを使用して調製する。境界面を、プラチナ基準マークの助けを借りてFIB内に配置する。次に、保護用の白金キャップを、約30μm×2μm×2μmと測定される、FIB内の境界面における対象エリアに堆積させる。これは、ラメラサンプルになる材料を、イオンビームによる不必要な損傷から保護するために行われる。30μmの寸法は、約15μmが境界面の片側を覆い、15μmがもう一方の側を覆うように、境界面に対して垂直に配向される。次いで、プラチナキャップの両側から材料を除去し、キャップされた領域をラメラとして残し、界面が10μm方向に平行に配向されている幅約30μm×厚さ2μm×深さ10μmの大きさにする。次いで、Omniprobeナノマニピュレーション装置(Oxford Instruments)の助けを借りてラメラを抽出し、銅のOmniprobeグリッドに取り付ける。次いで、30kVのガリウムイオンを使用して、十分に薄く(約500~200nm)なるまで、ラメラサンプルを薄化する。次いで、新たに薄化したラメラサンプルを5kVのガリウムイオンで洗浄して、30kVの薄化プロセスによって生じた過剰な損傷を除去する。
【0141】
STEMデータ収集:
Apex(商標)(EDAX Inc.)などの収集及び解析ソフトウェアと共に、EDAX Apollo XLT2 30 mm2 SDD検出器(EDAX Inc.)などの最新のシリコンドリフトEDS検出器(SDD)を装備したFEI Tecnai TF-20(Thermo Scientific(登録商標))などの最新の電界放出TEMを使用して、走査透過型電子顕微鏡(STEM)エネルギー分散X線分光分析(EDS)データを収集する。上述のように生成された箔内の境界面領域は、2つのポリマー層中の元素成分の存在及び位置を表示するために、EDSによってマッピングされる。EDSマップのサイズは約20×10μmであり、境界面は20μm方向(「Y」方向)に対して垂直であり、10μm方向(「X」方向)に対して平行である。「Y」方向と「X」方向は、互いに垂直又はほぼ垂直である。
【0142】
マップは、200~300kVの加速電圧と、100pA~1nAのビーム電流を使用して収集されて、毎秒少なくとも3,000カウントのSDDカウント速度を達成する。マップ解像度は、ピクセル当たり約200μsの滞留時間で少なくとも256×160ピクセルである。約200フレームを、約30分の総マップ時間にわたって収集する。対象の元素を選択し、定量的マッピングを可能にするために、P/B-ZAF基本パラメータ解析などの標準的でない自動ZAF解析法を選択する。
【0143】
データ処理:
EDSマップデータは、各要素に対応する固有の色を用いて、色分けされた画像として表示され得る。色の強度は、元素種の濃度でスケーリングされる。EDSマップデータは、各要素のX線カウントをそれらが「Y」方向(境界面に平行)に発生したときに合計することによって、正規化された原子%のラインプロファイルを表示するように処理され、また、合計された強度は「X」方向(境界面に対して垂直)に境界面を横切る距離の関数としてプロットされる。少なくとも1つの要素に対する最大正規化原子%と最小正規化原子%との間の距離(両方とも約2~4マイクロメートルにわたって約ゼロの傾きを有する)は、境界層の厚さとして定義される。
【0144】
方法B:樹脂(例えば、PET/COC)又は着色剤/添加剤による特有のスペクトル特性を有する隣接層に対する共焦点ラマン分光マッピング法。
2D化学マップ又はラインスキャンが、連続レーザービーム、電動式x-yサンプル走査ステージ、ビデオCCDカメラ、LED白色光源、488nm~785nmのダイオードポンプ式レーザー励起法、及び50倍~100倍(Zeiss EC Epiplan-Neofluar,NA=0.8以上)の顕微鏡対物レンズを装備した共焦点ラマン顕微鏡(Witec A300R Confocal Raman分光計)を使用して、層境界面の全体にわたって収集される。
【0145】
サンプルは、方法A-サンプル調製のセクションに記載されているのと同様の方法で調製されるが、サンプルはコーティングされていない。
【0146】
サンプルを、縁部側を上にしてガラス顕微鏡スライド上に載置する。層境界面付近の対象エリアを、白色光源を使用してビデオCCDカメラの助けを借りて位置特定する。レーザービームを表面にあるいはその下に集束させ、各ステップにおける積分時間を1秒未満にして、1μm以下のステップでX-Y方向に層境界面の全体にわたって走査することによって、対象エリアから、スペクトル取得を介した2D化学マップを獲得する。積分時間は、検出器の飽和を防止するように調整されるべきである。ピーク強度、積分面積、ピーク幅、及び/又は蛍光などの各ポリマー層に固有のスペクトル特徴を使用して、WItec(商標)Project Five(バージョン5.0)ソフトウェアなどの好適なソフトウェアを使用して、ラマン画像を生成する。データセット内の各ピクセルにおけるフルラマンスペクトルデータを、宇宙線及び画像生成前に補正されたベースラインに対して補正する。ポリマー層間の混合を決定するために、化学マップを生成するために使用したスペクトル特徴を、対象のポリマー層を覆うエリア内の少なくとも10マイクロメートルを含む境界面にわたって引かれた線に沿ってたどる断面解析。定義されたスペクトル特徴を、距離に対してマイクロメートル単位でプロットする。層間混合距離(すなわちタイ層)は、スペクトル特徴の最大値と最小値との間の距離として定義される。
【実施例
【0147】
図5Aは、ISBMを介して作製された三層ボトルの写真である。ボトルは、緑色の機械的にリサイクルされたPCRペレット(Evergreen(登録商標)Plastics(Ohio,USA)から入手可能)から作製されたコア層を有し、スキン層は、未使用のPET(DAK Americas(登録商標)、Indiana,USA)及び未使用のPETと本質的に同じ特性を有する化学的にリサイクルされたPET(C181、Indorama Ventures(登録商標)(Bangkok,Thailand)から入手可能)から作製される。ボトルはISBMを介して作製された。図1のボトル112と同様に、このボトルは、沼の水の緑色であり、消費者にとって魅力的ではない。
【0148】
図5Bは、ISBMを介して作製された三層ボトルの写真である。図5Aのボトルと同様に、図5Bのボトルは、Evergreen(登録商標)Plastics(Ohio,USA)から入手可能な緑色の機械的にリサイクルされたPCRペレットから作製されたコアを有する。リサイクルされた PCR(C181、Indorama Ventures(登録商標)(Bangkok,Thailand)から入手可能)に加えて、コアはまた、不透明な黒色顔料を5%含有する。スキン層は、未使用のPET、化学的にリサイクルされたPET、及び4%の効果顔料(Firemist(登録商標)Colormotion Blue Topaz 9G680D特殊効果顔料、BASFから入手可能)を含有する。図5Bは、図5Aと同じプラスチックを含有するが、コア中の顔料及びスキン層中の効果顔料は、非常に上質な美的外観を有するボトルを作り出す。
【0149】
図5Cは、ISBMを介して作製された三層ボトルの写真である。図5Bのボトルと同様に、図5Cのボトルは、PET及びカーボンブラック顔料を含有するコアと、PET及び4%の効果顔料(Firemist(登録商標)Colormotion Blue Topaz 9G680D特殊効果顔料、BASFから入手可能)を含有するスキン層とを有する。図5Bのボトルとは異なり、図5Cのボトルは、機械的にリサイクルされたPETで作製されたコアの代わりに、コア及びスキン層中に未使用のPETを使用して作製されている。しかしながら、図5B及び図5Cのボトルの両方は、ゴニオクロマチクな高い光学応答を有する。
【0150】
図2BのリサイクルPETコアを有する三層ボトルと、図2Cの未使用コアを有する三層ボトルとを比較するために、角度依存性の色を測定した。表1は、図5Bのボトル及び図5Cのボトルの視野角の関数としてのa及びbの変化を示す。表1に示すように、a及びbは共に視野角の関数として変化する。a及びbは、リサイクルPETコアを有するボトル(図5B)及び未使用PETコアを有するボトル(図5C)の全ての視野角にわたってほぼ同じである。違いは視認者にとって視覚的に知覚可能ではない。
【0151】
【表1】
【0152】
表2は、図5Bの機械的にリサイクルされたPETコアを有する三層ボトル及び図5Cの未使用のPETコアを有する三層ボトルの視野角の関数としてのC及びLの変化を示す。表2は、C及びLの両方が視野角の関数として変化することを示す。6つの視野角の各々にわたるCはほぼ同じであり、これは、正常な視力を有する人が見たときに、リサイクルPETコアを有するボトル及び未使用のPETを有するボトルが同じ強い色彩効果を有するように見えることを示している。Lは、両方のボトルで角度Color45as-15において最大である。リサイクルコアを有するボトル(図5B)の6つの視野角にわたる最大ΔLは、70.6であり、未使用コアを有するボトル(図5C)については、ΔLは71.6である。これは、両方のボトルの視野角にわたって明度が著しく変化し、違いは視認者にとって視覚的に知覚可能ではないことを示している。
【0153】
【表2】
【0154】
表3は、リサイクルPETコアを有する三層ボトル(図5B)及び未使用PETコアを有する三層ボトルのColor45as-15対Color45as45のカラーフロップの大きさ(ΔE)を示す。表3は、両方のボトルに関して有意なカラーフロップが存在し、差が視認者にとって視覚的に知覚可能ではないことを裏付ける。
【0155】
【表3】
【0156】
以下の表に記載されている実施例1~10は、機械的にリサイクルされたPET(mPET)、化学的にリサイクルされたPET(arPET)、未使用のPET、及びこれらの組み合わせ、並びに、1種以上の顔料及び/又は染料などの添加剤を含有する熱可塑性樹脂から形成されたブロー成形ボトルである。arPETは、未使用のPETと同様の視覚的及び構造的特性を有するため、未使用のようなPETである。mPETはかなり頑強な機械的特性を有し得るが、mPETは一般に発色及び視覚影響が良くないことから、視覚特性は一般に未使用のPETとは異なる。本発明者らは、以下の実施例に例示されるように、ボトルがコア及び/又はスキン層に顔料又は染料も有する多層ボトルである場合に、固有の又は上質な視覚的効果を有するボトルは、mPETの有意な部分を含有する熱可塑性樹脂から形成され得ることを見出した。
【0157】
以下の実施例は、低グレード材料を用いた高レベルの光学特性を示す。ブロー成形ボトルもまた、L、ヘイズ、及び光沢20°による視覚的外観について試験した。ヘイズ及び光沢20°を測定するための方法は本明細書に記載されている。
【0158】
以下の表4~表13について、以下の式:
ΔE=[(L -L +(a -a +(b -b 1/2
によってΔE値を数学的に表し、各実施例のΔEを、各表の最初の実施例と比較する(例えば、実施例1対2、及び実施例1対3など)。
【0159】
CIE LABスケールは、使用するカラースケールである。測定は、Hunter Color反射率計又はX-Rite Ci64球形分光光度計などの分光光度計を用いて行われる。システムの完全な技術的説明は、R.S.Hunteの論文である「photoelectric color difference Meter」(Journal of the Optical Society of America,Vol.48,pp.985-95,1958.)に見出すことができる。ハンター尺度による色の測定のために特に設計された装置が、米国特許第3,003,388号(Hunterら、1961年10月10日発行)に記載されている。一般に、ハンター色「L」スケール値は光反射率測定の単位であり、より明るい色で着色された材料はより多くの光を反射するので、値が高いほど色は明るくなる。具体的には、Hunter Colorシステムでは、「L」スケールは100の等しい単位区分を含む。絶対的な黒色がスケールの最低値(L=0)であり、絶対的な白色がスケールの最高値(L=100)である。したがって、本発明による物品のハンターカラー値を測定する際、「L」スケール値が低いほど、材料は暗くなる。本明細書における物品は、本明細書で定義されるLハンター値が満たされることを条件として、任意の色であってよい。このシステムに従って色を規定する場合、Lは明るさを表し(0=黒色、100=白色)、a及びbはそれぞれ独立して2つの色軸を表し、aは赤色/緑色軸(+a=赤色、-a=緑色)を表し、bは黄色/青色軸(+b=黄色、-b=青色)を表す。サンプルの後ろに同様の色を維持するために白色のバックグラウンドを使用した(X-Rite Grey Scale Balance Cardの白色部分(45as45におけるL 96.2-0.83.16)又はBYK(a member of Altana)によって製造されたByko-Chart Opacity 2A又は同様のOpacity Chartの白色部分)。
【0160】
【表4】
【0161】
【表5】
【0162】
実施例1及び2は両方とも、熱可塑性樹脂の大部分がPCRプラスチックから作製されている多層ブロー成形ボトルは、特に顔料がスキン層及び/又はコア層に組み込まれたときに、高品質の光学特性を有し得ることを示す。
【0163】
実施例2では、ボトル内の全ての熱可塑性樹脂は、mPET PCRである。Indorama Ventures(登録商標)製のmPET PCRは、スキン層に使用された食品グレードのmPETである。mPET PCRは、発色が良くなく、未使用のPET又はarPEと顕著に異なる。しかしながら、Indorama Ventures(登録商標)mPETの色は、一般に、コアに使用されたEvergreen Plastics(登録商標)製の緑色/混合ベールのmPETよりも一貫している。スキン層及びコアに多層構造を使用し、かつ顔料を加えることにより、本発明者らは、mPETがプリフォームに加工され、次いで酸化によりボトルになったときに通常生じる黄変及び曇りを克服することができた。表5は、実施例1と実施例2との間で光学特性が類似しており、店舗棚において消費者が小さな違いに気づく可能性が低いことを示す。
【0164】
実施例1及び3のボトルは、全体的に同じ濃度の樹脂及び添加剤を有している。しかしながら、実施例1の多層ボトル(図6Aを参照されたい)は、暗赤色のように見え、実施例3の単層ボトル(図6Cを参照されたい)は、単層にわたって懸濁した黒色顔料に主に起因して非常に暗い、ほぼ黒色のように見える。実施例1及び2は、実施例3の非常に低い彩度に対して高い彩度(C)を有する。図6Aのボトルにブロー成形することができるプリフォームが、横方向に切断されて、図6Bに示されている。図6Bでは、プリフォームの壁は、2つの赤色スキン層及び黒色コアの3つの異なる層を有している。図6Cのボトルにブロー成形することができるプリフォームが、横方向に切断されて、図6Dに示されている。図6Dでは、プリフォームの壁は1つの層を有し、この層は黒色に見える。PCR熱可塑性材料の緑色/混合ベールから、単層ボトルにおいて色が異なる可塑性ボトルを製造することが困難であり、したがって、実施例1のように多層ボトルが好ましい場合がある。
【0165】
実施例1及び2は、実施例3と比較して、わずかに少ない光沢20°を有した。これは、実施例3と比較して、赤色光輝性顔料の濃度が実施例1及び2のスキン層においてより高いためである。赤色光輝性顔料は比較的大きな粒径であり、大きな粒子が表面近く又は表面に位置することにより、表面粗さを導入することができる。表面粗さの導入は、反射ヘイズを増加させる一方で、光沢を低下させる。したがって、実施例1及び2の光沢20°値は、他の実施例(例えば、実施例4~5、7、及び9~12)の光沢20°値と比較してより低い。図6Aに示すように、ボトルは、魅力的で上質な外観を有する。しかしながら、最も高い光沢を望む場合には、大きな粒径を有する顔料をスキン層に含むことは望ましくない場合がある。
【0166】
【表6】
【0167】
【表7】
【0168】
実施例2と同様に、実施例4の多層ボトル内の全ての熱可塑性樹脂は、mPET PCRである。スキン層及びコアに多層構造を使用し、かつ顔料を加えることにより、本発明者らは、実施例5と比較して、実施例4において同様の光学特性を達成することができた(図7を参照されたい)。実施例4と実施例5との間の色属性(L、a、b)は同様であるため、ΔEは低い。実施例4及び実施例5の両方の光沢及びヘイズは消費者に許容されるが、実施例5の光沢はわずかに高く、ヘイズはわずかに低い。これは、純粋に審美的な観点から消費者にとって好ましい可能性がある。しかしながら、店舗棚では、消費者は、ボトルはどちらも人目を引く上質な外観を有することを見出すであろう。
【0169】
実施例5及び6のボトルは、全体的に同じ濃度の樹脂及び添加剤を有している。しかしながら、実施例5の多層ボトル(図6Eを参照されたい)は、深い赤色を有する光沢のあるボトルのように見え、実施例3の多層ボトル(図6Gを参照されたい)は、実施例5と比較して、よりくすんだ赤色を有する実質的に光沢の少ないボトルのように見える。実施例6のΔEは実施例5よりも大きい。図6Eのボトルにブロー成形することができるプリフォームが、横方向に切断されて、図6Fに示されている。図6Fでは、プリフォームの壁は、2つの赤色スキン層及び緑色コアの3つの異なる層を有している。図6Gのボトルにブロー成形することができるプリフォームが、横方向に切断されて、図6Hに示されている。図6Hでは、プリフォームの壁は1つの層を有し、この層は、いくつかの曇った部分を有する赤色のように見える。図6Hのプリフォームの曇りは、単層内の真珠光沢顔料及び緑色/混合ベールのPCRに由来する。PCR熱可塑性材料の緑色/混合ベールから、単層ボトルで深く光沢があり上質な外観を有する熱可塑性ボトルを製造することが困難であり得、したがって、実施例5のように多層ボトルが好ましい場合がある。
【0170】
【表8】
【0171】
【表9】
【0172】
実施例7は、47.5%のPCR含有量を有する多層ボトルである。実施例7では、スキン層及びコアの両方が、arPET PCRを有した。実施例8は、不透明及び赤色の現在市販されている単層PETボトルである。実施例7及び実施例8は両方共に、良好な光学特性を有する。実施例7は、PCRが47.5%であっても、高彩度(C)によって示されるように、高光沢及び鮮明な色を含む優れた光学特性を有することが見出された。
【0173】
【表10】
【0174】
【表11】
【0175】
実施例9及び10のボトルは、全体的に同じ濃度の樹脂及び添加剤を有している。しかしながら、実施例9の多層ボトル(図6Iを参照されたい)は、深暗の鮮紅色を有する光沢ボトルのように見え、実施例10の多層ボトル(図6Kを参照されたい)は、実施例5と比較して、黒褐色又はほぼ黒に見える、よりくすんだ、より暗い赤色を有する光沢の少ないボトルのように見える。実施例9の彩度(C)は、実施例10と比較してはるかに高い。図6Iのボトルにブロー成形することができるプリフォームが、横方向に切断されて、図6Jに示されている。図6Jでは、プリフォームの壁は、2つの赤色スキン層及び暗色のコアの3つの異なる層を有している。図6Kのボトルにブロー成形することができるプリフォームが、横方向に切断されて、図6Lに示されている。図6Lでは、プリフォームの壁は1つの層を有し、この層は黒褐色又は黒色のように見える。PCR熱可塑性材料の緑色/混合ベールから、単層ボトルにおいて色が異なる熱可塑性ボトルを製造することは困難であり得、したがって、実施例9のように多層ボトルが好ましい場合がある。
【0176】
【表12】
【0177】
【表13】
【0178】
実施例11及び12は、優れた視覚特性を有する、大量のPCRプラスチックを有する多層ブロー成形ボトルであり、実施例11はPCRを100%も含んでいる。実施例11及び12は、スキン層及びコアに多層構造を使用し、かつ顔料を加えることにより、本発明者らは、mPETがプリフォームに加工され、次いで酸化によりボトルになったときに通常生じる黄変及び曇りを克服することができたことを示している。表13は、実施例11と実施例12との間で光学特性が類似しており、店舗棚において消費者が小さな違いに気づく可能性が低いことを示す。
【0179】
組み合わせ
A.ブロー成形多層物品であって、
a.内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、層は、
i.第1のスキン層及び第2のスキン層であって、第1の熱可塑性材料、及び
効果顔料及び/又はポロゲンを含み、
第1のスキン層が、領域内の壁の外側表面を含み、第2のスキン層が、領域内の壁の内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、
ii.第1のスキン層と第2のスキン層との間に挟まれたコアであって、第2の熱可塑性材料と、200ppm超の不純物とを含む、約90%~約99%のリサイクルされた熱可塑性材料と、
顔料及び/又は染料と、を含む、コアと、を含み、
物品が、30%超のリサイクルされた熱可塑性材料を含む、ブロー成形多層物品。
B.ブロー成形多層物品であって、
a.内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、層は、
i.第1のスキン層及び第2のスキン層であって、熱可塑性材料、及び
効果顔料及び/又はポロゲンを含み、
第1のスキン層が、領域内の壁の外側表面を含み、第2のスキン層が、領域内の壁の内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、
ii.第1のスキン層と第2のスキン層との間に挟まれた不透明なコアであって、第2の熱可塑性材料と、80以下のL値のL値と、を含む、約90%~約99%のリサイクルされた熱可塑性材料と、顔料及び/又は染料と、を含む、不透明なコアと、を含み、
第1のスキン層及びコアが、第1のスキン層とコアとの間の境界面においてわずかに相互貫入している、ブロー成形多層物品。
C.物品のアレイであって、各物品が、
a.内側表面と外側表面とを含む壁によって画定される中空本体を備え、壁は、少なくとも1つの領域において、3つ以上の層によって形成されており、層は、
i.第1のスキン層及び第2のスキン層であって、熱可塑性材料、及び効果顔料及び/又はポロゲンを含み、
第1のスキン層が、領域内の壁の外側表面を含み、第2のスキン層が、領域内の壁の内側表面を含む、第1のスキン層及び第2のスキン層と、
ii.第1のスキン層と第2のスキン層との間に挟まれたコアであって、第2の熱可塑性材料を含む機械的にリサイクルされた熱可塑性材料と、
顔料及び/又は染料と、を含む、コアと、を含み、
各物品が、本明細書に記載のゴニオ分光光度法により測定したときに、アレイにわたって6単位未満だけ変化する、45°の照明を使用したΔE-15°対45°、ΔL、及び平均C、ΔE-15°対45°、ΔLを含む、物品のアレイ。
D.リサイクルされた熱可塑性材料が、機械的にリサイクルされた熱可塑性材料を含む、パラグラフA~Cに記載のブロー成形多層物品。
E.第1の熱可塑性材料及び/又は第2の熱可塑性材料が、ポリエチレンテレフタレートを含む、パラグラフA~Dに記載のブロー成形多層物品。
F.スキン層が、粒子を含む効果顔料を含み、粒子は、表面が外側表面に平行であるように配向されている、パラグラフA~Eに記載のブロー成形多層物品。
G.コア及び/又は物品が不透明である、パラグラフA~Fに記載のブロー成形多層物品。
H.コアが、コアの約0.1重量%~約6重量%、好ましくは約0.3重量%~約4重量%、好ましくは約0.5重量%~約2重量%の顔料及び/又は染料を含む、パラグラフA~Gに記載のブロー成形多層物品。
I.リサイクルされた熱可塑性材料が、熱可塑性材料の約0.01重量%~約2重量%、好ましくは約0.05重量%~約1重量%、好ましくは約0.1重量%~約0.75重量%の不純物を含む、パラグラフA~Hに記載のブロー成形多層物品。
J.リサイクルされた熱可塑性材料が、200ppm超、好ましくは500ppm超、より好ましくは1000ppm超の不純物を含む、パラグラフA~Iに記載のブロー成形多層物品。
K.リサイクルされた熱可塑性材料が、99.99%未満、99.9%未満、99%未満、98.75%未満、及び/又は98.5%未満の熱可塑性材料を含有している、パラグラフA~Jに記載のブロー成形多層物品。
L.スキン層が、スキン層の約0.1重量%~約6重量%、好ましくは約0.3重量%~約4重量%、より好ましくは約0.5重量%~約2重量%の効果顔料及び/又はポロゲンを含む、パラグラフA~Kに記載のブロー成形多層物品。
M.スキン層が、スキン層の約94重量%~約99.9重量%、好ましくは約96重量%~約99.7重量%、より好ましくは約約98重量%~約99.5重量%の、未使用の熱可塑性材料、リサイクルされた熱可塑性材料、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される熱可塑性材料を含む、パラグラフA~Lに記載のブロー成形多層物品。
N.物品が、物品の30重量%超、35重量%超、40重量%超、45重量%超、50重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、%、90重量%超、95重量%超のリサイクルされた熱可塑性材料を含む、パラグラフA~Mに記載のブロー成形多層物品。
O.本明細書に記載の20°光沢法に従って測定したときに、物品の外側表面の面積の少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%が、65GU以上、好ましくは68GU以上、好ましくは70GU以上、好ましくは71GU以上、好ましくは73GU以上、好ましくは75GU以上、好ましくは80GU以上、好ましくは85GU以上、好ましくは90GU以上、好ましくは95GU以上の20°光沢度を含む、パラグラフA~Nに記載のブロー成形多層物品。
P.物品の外側表面上のある場所が、本明細書に記載のヘイズ及び反射法に従って測定したときに、≦30、好ましくは≦20、好ましくは≦15、好ましくは≦10、好ましくは≦5、好ましくは≦3、及び好ましくは≦2のヘイズを含む、パラグラフA~Oに記載のブロー成形多層物品。
Q.物品の外側表面上のある場所が、本明細書に記載のヘイズ及び反射法に従って測定したときに、<1、好ましくは≦0.9、好ましくは≦0.8、好ましくは≦0.7、より好ましくは≦0.6のヘイズ異方性を含む、パラグラフA~Pに記載のブロー成形多層物品。
R.本明細書に記載のタイ層厚さの方法に従って測定したときに、約500nm~約125μm、好ましくは約1μm~約100μm、好ましくは約3μm~約75μm、好ましくは約6μm~約60μm、好ましくは約10μm~約50μmの厚さを有する、第1のスキン層とコアとの間の界面層が存在する、パラグラフA~Qに記載のブロー成形多層物品。
S.物品が、本明細書に記載の臨界垂直荷重試験法に従って測定したときに、30N超、好ましくは50N以上、より好ましくは60N以上、最も好ましくは90N以上の臨界垂直荷重を有した、パラグラフA~Rに記載のブロー成形多層物品。
T.コア層が、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って測定したときに、80以下、好ましくは70以下、好ましくは60以下、好ましくは50以下、好ましくは40以下、好ましくは30以下、好ましくは20以下、好ましくは10以下、あるいは5以下のLを有する、パラグラフA~Sに記載のブロー成形多層物品。
U.本明細書に記載のゴニオ分光光度法により測定したときに、約0~約80、好ましくは約0~約75、好ましくは約0~約65、好ましくは約0~約55、好ましくは約0~約50、好ましくは約0~約45、及び/又は約0~約40のL、パラグラフA~Tに記載のブロー成形多層物品。
V.多層物品の45°の照明を使用したΔE-15°対45°、ΔL、及び平均Cが、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って測定したときに、コアが未使用の熱可塑性材料を含むことを除いて同様の材料を含む多層構造として、約6単位以内、好ましくは約5単位以内、好ましくは約4単位以内、好ましくは約3単位以内、好ましくは約2単位以内、及び好ましくは約1単位以内である、パラグラフA~Uに記載のブロー成形多層物品。
W.物品が、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って測定したときに、20超、好ましくは30超、好ましくは40超、好ましくは50超、好ましくは60超、好ましくは75超、好ましくは80超、好ましくは85超、好ましくは90超、好ましくは95超、好ましくは100超、及び好ましくは105超の45°の照明を使用したΔE-15°対45°を含む、パラグラフA~Uに記載のブロー成形多層物品。
X.物品が、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って測定したときに、約25~約150、約35~約145、約45~約140、約50~約135、約55~約130、約60~約130、約75~約130、約90~約125、約95~約130、約100~約125、及び/又は約105~約120の45°の照明を使用したΔE-15°対45°を含む、パラグラフA~Uに記載のブロー成形多層物品。
Y.物品がボトルである、パラグラフA~Xに記載の物品。
Z.第1の熱可塑性材料及び/又は第2の熱可塑性物質が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール修飾PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸のコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、パラグラフA~Yに記載の物品。
AA.第1の熱可塑性材料及び/又は第2の熱可塑性物質が、PET、PP、HDPE、LDPE、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、パラグラフA~Zに記載の物品。
BB.コアが、粒子を含む不透明顔料を含む顔料を含み、顔料の粒径が、15nm超、好ましくは100nm超、好ましくは500nm超、及び好ましくは1マイクロメートル超である、パラグラフA~AAに記載の物品。
CC.物品の外側表面が、本明細書に記載の二乗平均粗さ(Sq)測定方法に従って測定したときに、50μin(1.27μm)未満、45μin(1.12μm)未満、40μin(1.016μm)未満、35μin(0.89μm)未満、及び/又は32μin(0.8128μm)未満の二乗平均粗さ(Sq)を有する場所を含む、パラグラフA~BBに記載の物品。
DD.外側表面が、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って、好ましくは20超、好ましくは30超、40超、好ましくは50超、好ましくは60超、好ましくは75超、好ましくは80超、好ましくは85超、好ましくは90超、好ましくは95超、好ましくは100超、及び好ましくは105超の、45°の照明を使用した多層構造に対するΔE-15°対45°を含む、パラグラフA~CCに記載の物品。
EE.外側表面が、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って測定したときに、約25~約150、好ましくは約35~約145、好ましくは約45~約140、好ましくは約50~約135、好ましくは約55~約130、好ましくは約60~約130、好ましくは約75~約130、好ましくは約90~約125、好ましくは約95~約130、好ましくは約100~約125、及び好ましくは約105~約120の、45°の照明を使用した多層構造に対するΔE-15°対45°を含む、パラグラフA~DDに記載の物品。
FF.第1のスキン層が、本明細書に記載の層厚さの方法に従って測定したときに、第2のスキン層よりも10%、好ましくは20%超、好ましくは25%超、好ましくは30%超、好ましくは40%超、及び好ましくは50%超厚い、パラグラフA~EEに記載の物品。
GG.平均パネル壁厚が、本明細書に記載の層厚さの方法に従って測定したときに、約30%~約80%のコア、好ましくは約35%~約75%のコア、好ましくは約40%~約70%のコア、好ましくは約45%~約65%のコア、好ましくは約50%~約60%のコアを含む、パラグラフA~FFに記載の物品。
HH.各物品の45°の照明を使用したΔE-15°対45°、ΔL、及び平均Cが、本明細書に記載のゴニオ分光光度法に従って測定したときに、アレイ全体にわたって5単位未満、好ましくは4単位未満、好ましくは3単位未満、好ましくは2単位未満、及び好ましくは1単位未満だけ変化する、パラグラフCに記載のアレイ。
II.各物品の45°の照明を使用したΔE-15°対45°、ΔL、及び平均Cが、アレイ全体にわたって5単位未満、好ましくは10%未満、好ましくは7%未満、好ましくは5%未満、好ましくは3%未満、好ましくは2%未満、及び好ましくは1%未満だけ変化する、パラグラフCに記載のアレイ。
【0180】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0181】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0182】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L