(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置及びこれを備えるろ過集塵機
(51)【国際特許分類】
B01D 46/02 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
B01D46/02 Z
(21)【出願番号】P 2022563431
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(86)【国際出願番号】 KR2020007336
(87)【国際公開番号】W WO2021235587
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0060803
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522408234
【氏名又は名称】ピエムテクソリューション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PMTECHSOLUTION INC.
【住所又は居所原語表記】Eidong 70-16, Woram-ro, Eumbong-myeon Asan-si Chungcheongnam-do 31416 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コ デドン
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-196839(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1998316(KR,B1)
【文献】米国特許第03480330(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0312676(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D46/00-46/90
B01D39/00-39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンルームの下部にオーバーラップされる密閉されたハウジングを形成し、外部から前記ハウジングに空気が流入できるように前記ハウジングの一側に形成される流入口と、
前記流入する空気によってバッグフィルターが損傷することを防止できるように、バッグフィルターのハウジングの内部部分を取り囲むように形成される保護壁と、
前記ハウジングの底面を構成し、ろ過集塵機の内部空間に下降気流を形成させる気流噴射面と、
前記下降気流が分散されながら前記ろ過集塵機の内部空間のバッグフィルターにぶつかることを防止できるように、前記バッグフィルターの周囲にエアカーテンを形成させるフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールとを含むことを特徴とするろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項2】
前記気流噴射面は、前記バッグフィルターの直径より大きい直径の貫通ホールを備えており、前記バッグフィルターは、前記各貫通ホールの中心に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項3】
前記フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、
前記貫通ホールにオーバーラップされるように前記気流噴射面の下面に形成されることを特徴とする、請求項2に記載のろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項4】
前記フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、
上下に延長された円筒状をなす第1円筒部材と、
前記第1円筒部材より大きい円周を有し、前記第1円筒部材を取り囲むように配置される第2円筒部材と、
前記第1円筒部材と第2円筒部材とを連結し、一定角度の間隔で離隔して配置され、上下に延長された板状をなす複数の渦流防止部材とを含むことを特徴とする、請求項3に記載のろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項5】
前記第1円筒部材は、
前記保護壁が前記気流噴射面の下部に延長される形状をなすように形成されることを特徴とする、請求項4に記載のろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項6】
前記第2円筒部材は、
前記貫通ホールの境界で前記気流噴射面の下部に向かって延長されるように形成されることを特徴とする、請求項5に記載のろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項7】
前記第1円筒部材の高さは、前記第2円筒部材の高さより大きく形成されることを特徴とする、請求項6に記載のろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置。
【請求項8】
ボディーと、
前記ボディーの内部に上下に延長されるように設置される複数のフィルターバッグと、
前記ボディーの上端部に装着されるハウジングの形態をなし、前記ハウジングに流入する空気が下降気流を生成することによって粉塵が再飛散することを防止し、前記複数のフィルターバッグの周囲にエアカーテンを形成し、前記複数のフィルターバッグが前記下降気流によって損傷することを防止する粉塵再飛散防止装置とを含
み、
前記粉塵再飛散防止装置は、
一定の高さを有する第1区画と、
前記第1区画の一端に連結され、前記第1区画との間で段差を有するように前記第1区画の高さより大きい高さを有するように形成される第2区画とを含むことを特徴とするろ過集塵機。
【請求項9】
前記粉塵再飛散防止装置は、
前記ハウジングの下面に形成され、前記複数のフィルターバッグを取り囲み、上下に延長された円筒状をなす第1円筒部材と、
前記第1円筒部材より大きい円周を有し、前記第1円筒部材を取り囲むように配置される第2円筒部材と、
前記第1円筒部材と第2円筒部材とを連結し、一定角度の間隔で離隔して配置され、上下に延長された板状をなす複数の渦流防止部材とを含むことを特徴とする、請求項
8に記載のろ過集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置及びこれを備えるろ過集塵機に関し、より詳細には、ろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置においてフィルターバッグの周囲にエアカーテンを生成させ、粉塵再飛散防止装置で生成された下降気流が分散されることによってフィルターバッグを損傷させることを防止できるようにするフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置及びこれを備えるろ過集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
各種産業施設では、排出される粉塵などの粒子状汚染物質を捕集するためにろ過集塵装置を使用している。
【0003】
このようなろ過集塵装置にはバッグフィルター(bag filter)が設置され、これによって微細埃粒子などを高効率でろ過させることができる。フィルターを使用する場合、粒子捕捉率を高め、集塵効率を高めることができるという長所があるが、フィルターの表面に埃層が過度に形成されると圧力損失が発生するので、周期的な脱塵が必要である。
【0004】
しかし、既存のろ過集塵装置においては、脱塵工程を通じてフィルターの表面の埃層を除去するときや、下部の流入口を介して空気が流入するときに粉塵が再飛散し、装置の集塵効率を低下させるという問題が存在していた。
【0005】
より具体的には、従来のろ過集塵装置の構造によると、粉塵を含む空気は、装置の下部の流入口を介して流入し、フィルターを経て上部の流出口に抜け出るようになる。このような構造では、空気の流入時、装置の下部に積もった粉塵が再飛散するおそれがあり、脱塵工程で抜け出た粉塵も装置の下部に沈まずに再飛散し、フィルターの効率を低下させ得る。
【0006】
このような問題を解決しようとする試みの一つとして、従来技術では、オフライン(off-line)脱塵方法を導入している。
【0007】
オフライン脱塵方法は、脱塵操作時にバッグフィルターろ過集塵装置の稼動を中止させる方法であって、上向き気流がないので脱塵効率が非常に高いが、産業体の特性上、脱塵時ごとに前記装置の稼動を中止できない現実のため、初期にバッグフィルターろ過集塵装置を設置するとき、脱塵のために余裕分の装置をさらに設置し、追加された余裕分だけ前記装置を停止させてから脱塵を実施することによって全体の稼動量を一定に維持させる。しかし、この場合、前記装置の追加設置により、バッグフィルターろ過集塵装置の全体の設置費用が約30%以上さらにかかるという問題がある。
【0008】
大韓民国登録特許第10-0764753号の「遠心ろ過型バッグフィルター集塵機」(以下、「特許文献2」という)では、バッグフィルタールームで発生した埃をサイクロンルームに移動させ、粉塵を除去する方法を開示している。
【0009】
より具体的には、特許文献2では、サイクロンで一次粉塵が除去された空気は、円滑に上側のバッグフィルターに移動し、バッグフィルターのフィルターバッグから払い落とされた粉塵は、サイクロンに円滑に下降されるようにし、ベンチュリの上側のバッグフィルタールームに粉塵及び異物が堆積されることを防止する構造を開示する。しかし、特許文献2の構造によると、集塵設備の中心部に別途のベンチュリを装着しなければならないので設備の費用が増加し、流入する空気の流れを塞ぐことによって装置の効率が低下し得る。
【0010】
大韓民国登録特許第10-1168680号の「集塵機の粉塵飛散防止装置」(以下、「特許文献3」という)では、集塵機の集塵状態をリアルタイムで確認可能にし、集塵のエラーによる埃の飛散を防止する構造を開示している。このために、特許文献3では、集塵機に吸入される吸入空気の圧力によって昇降される昇降体を設置し、昇降体の昇降作動と連動して昇降される表示体を備えることによって、作業者が表示体の昇降を確認し、集塵機の集塵状態をリアルタイムで確認する。
【0011】
すなわち、特許文献3は、上昇気流による粉塵の再飛散を防止できる根本的な解決策を提示するものではなく、再飛散が発生したときに事後処理を行う方法を提示しているものに過ぎない。
【0012】
大韓民国公開特許特2003-0089791号の「再飛散及び再付着防止バッグフィルターろ過集塵装置」(以下、「特許文献4」という)では、バッグフィルターに捕集された粉塵が脱塵されるとき、脱塵された粉塵の塊が再飛散した後でバッグフィルターに再付着することを防止し、バッグフィルターでの粉塵負荷を減少させる構造を開示する。
【0013】
具体的には、特許文献4では、既存のバッグフィルターろ過集塵装置において、バッグフィルターの下側に設置され、脱塵された粉塵を集める漏斗状の粉塵捕集板と、前記捕集板に集められた粉塵が粉塵貯蔵槽に移動するように粉塵捕集板と粉塵貯蔵槽とを連結させる排出管の構造を開示している。しかし、特許文献4では、脱塵された粉塵を外部に排出させ、再飛散する粉塵の量を減少させるだけで、再飛散を防止するための根本的な解法は提示していない。
【0014】
これらの問題を解決するために、大韓民国登録特許第10-1998316号(以下、「特許文献1」という)では、クリーンルームの下部に下降気流を生成させる密閉された隔室を形成し、粉塵の再飛散を防止する根本的な解法を提示している。
【0015】
しかし、特許文献1の技術では、下降気流によって粉塵が再飛散することを防止できるが、集塵設備の内部における複雑な空気の流れによって下降気流が分散される可能性があり、このように分散された下降気流がフィルターバッグにぶつかり、フィルターバッグの寿命を短縮させ得るという問題が提起された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたものであって、フィルターバッグの周囲にエアカーテンを形成し、粉塵再飛散防止装置の下降気流が分散されながらフィルターバッグに直接ぶつかることを防止できるフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置及びこれを備えるろ過集塵機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記のような課題を解決するために、本発明は、クリーンルームの下部にオーバーラップされる密閉されたハウジングを形成し、外部から前記ハウジングに空気が流入できるように前記ハウジングの一側に形成される流入口と、前記流入する空気によってバッグフィルターが損傷することを防止できるように、バッグフィルターのハウジングの内部部分を取り囲むように形成される保護壁と、前記ハウジングの底面を構成し、ろ過集塵機の内部空間に下降気流を形成させる気流噴射面と、前記下降気流が分散されながら前記ろ過集塵機の内部空間のバッグフィルターにぶつかることを防止できるように、前記バッグフィルターの周囲にエアカーテンを形成させるフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールとを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置を開示する。
【0018】
本発明の一実施例によると、前記気流噴射面は、前記バッグフィルターの直径より大きい直径の貫通ホールを備えており、前記バッグフィルターは、前記各貫通ホールの中心に配置される。
【0019】
本発明の一実施例によると、前記フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、前記貫通ホールにオーバーラップされるように前記気流噴射面の下面に形成される。
【0020】
本発明の一実施例によると、前記フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、上下に延長された円筒状をなす第1円筒部材と、前記第1円筒部材より大きい円周を有し、前記第1円筒部材を取り囲むように配置される第2円筒部材と、前記第1円筒部材と第2円筒部材とを連結し、一定角度の間隔で離隔して配置され、上下に延長された板状をなす複数の渦流防止部材とを含む。
【0021】
本発明の一実施例によると、前記第1円筒部材は、前記保護壁が前記気流噴射面の下部に延長される形状をなす。
【0022】
本発明の一実施例によると、前記第2円筒部材は、前記貫通ホールの境界で前記気流噴射面の下部に向かって延長されるように形成される。
【0023】
本発明の一実施例によると、前記第1円筒部材の高さは、前記第2円筒部材の高さより大きく形成される。
【0024】
また、本発明は、ボディーと、前記ボディーの内部に上下に延長されるように設置される複数のフィルターバッグと、前記ボディーの上端部に装着されるハウジングの形態をなし、前記ハウジングに流入する空気が下降気流を生成することによって粉塵が再飛散することを防止し、前記複数のフィルターバッグの周囲にエアカーテンを形成し、前記複数のフィルターバッグが前記下降気流によって損傷することを防止する粉塵再飛散防止装置を含むろ過集塵機を開示する。
【0025】
本発明の一実施例によると、前記粉塵再飛散防止装置は、一定の高さを有する第1区画と、前記第1区画の一端に連結され、前記第1区画との間で段差を有するように前記第1区画の高さより大きい高さを有するように形成される第2区画とを含む。
【0026】
本発明の一実施例によると、前記粉塵再飛散防止装置は、前記ハウジングの下面に形成され、前記複数のフィルターバッグを取り囲み、上下に延長された円筒状をなす第1円筒部材と、前記第1円筒部材より大きい円周を有し、前記第1円筒部材を取り囲むように配置される第2円筒部材と、前記第1円筒部材と第2円筒部材とを連結し、一定角度の間隔で離隔して配置され、上下に延長された板状をなす複数の渦流防止部材とを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明に適用されるフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、フィルターバッグの周囲に直進性を強化した下降気流を噴射することによってエアカーテンを生成させることができる。
【0028】
また、フィルターバッグの方向に分散された下降気流は、フィルターバッグに近接しながらエアカーテンに煽られ、気流の方向が下側方向に変わるようになり、エアカーテンに損傷を加えなくなる。
【0029】
併せて、本発明によると、円筒状のカーテン生成胴体の内部に一定角度の間隔で配置される渦流防止羽根を備えることによって、エアカーテンで渦流が発生することを防止し、下降気流の直進性を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例に係るフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置が適用されたろ過集塵機の概念図である。
【
図2】
図1に示したフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含む粉塵再飛散防止装置の拡大概念図である。
【
図3】
図2のIV-IV線から見た粉塵再飛散防止装置の平断面図である。
【
図4】
図3のA領域を下側から見た拡大概念図である。
【
図5】
図4に示したフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを下側から斜めに見上げた概念図である。
【
図6】フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含む2段粉塵再飛散防止装置の概念図である。
【
図7】
図5に示した2段粉塵再飛散防止装置が適用されたろ過集塵機の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係るろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置に適用されるフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、多様な形態の変形した実施例を有することができる。
【0032】
本明細書では、このうちいくつかの実施例に対して図面を参照して具体的に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0033】
以下、本明細書では、互いに異なる実施例であっても、同一・類似の構成に対しては同一・類似の参照番号を付し、それについては最初の説明を参照すればよい。本明細書で使用された単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0034】
また、以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」又は「部」は、明細書作成の便宜のために使用される用語に過ぎず、それ自体で互いに区別される意味又は役割を有することはない。
【0035】
図1は、本発明の一実施例に係るフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含むろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置が適用されたろ過集塵機の概念図である。
【0036】
大規模の集塵設備の内部には、大量の粉塵を一度に処理しなければならないので多数のフィルターが配置され、このような集塵設備の効率的な運用のために、複数個のフィルターを束ねてなる各フィルター束が互いに隣り合うように配置され得る。以下、本明細書では、説明の便宜のために、複数のフィルターが一定の単位で束ねられたものを「フィルター束」と呼ぶ。
【0037】
本発明の一実施例に係るろ過集塵機100は、ボディー101の内部に配置される複数のフィルター束を含む。例えば、
図1に示したように、第1フィルター束130と第2フィルター束140とが互いに隣り合うように配置され得る。
【0038】
ボディー101の上面には、第1フィルター束130を覆う第1蓋111と、第2フィルター束140を覆う第2蓋112とが配置され得る。ユーザーは、フィルター束に対する交替、修理、掃除などの作業をしようとするとき、全てのフィルター束の稼動を中断する必要なく、各フィルター束の蓋を開けた後、フィルター束単位で作業を行うことができる。
【0039】
図1を参照すると、ボディー101の上端部には、ろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置200が設置され得る。
【0040】
粉塵再飛散防止装置200は、ボディー101の上端部でフィルターを取り囲むように配置される。
【0041】
図示したように、粉塵再飛散防止装置200は、一側面に空気が流入するフードを備える。粉塵再飛散防止装置200の下部には、下降気流噴射面、下降気流集中突起及びフィルターバッグ保護エアカーテンなどが形成され得る。
【0042】
図2は、
図1に示したフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含む粉塵再飛散防止装置の拡大概念図で、
図3は、
図2のIV-IV線から見た粉塵再飛散防止装置の平断面図である。
【0043】
フード210を介して流入した空気は、フィルターを取り囲んでいるバッグフィルター保護壁221に沿って装置の内部に移動する。空気の流入時に空気の圧力が強いので、バッグフィルター保護壁221を通じてフィルターが損傷することを防止することができる。
【0044】
また、本発明の他の一実施例によると、
図3に示したように、フード210がバッグフィルターと対面しないように配置され得る。より具体的には、フードを介して流入した空気は、各フィルター束の境界に沿って進行しながら各フィルター束に分けられて入り込むようになる。流入する空気がバッグフィルターに直接触れないので、バッグフィルターに加えられる力が小さくなり、空気が多くのフィルター束に分けられて入り込むことによって、圧力を分散させる効果を期待することができる。
【0045】
また、曲面をなすバッグフィルター保護壁221にぶつかった空気は、一部が曲面に沿って後側の保護壁221側に移動し、一部が反射されながら両横の保護壁221側に移動するようになる。
【0046】
このように流入した空気は、四方に分かれながら各フィルターの周囲に沿って流れるようになる。
【0047】
粉塵再飛散防止装置200の下部には気流噴射面231が形成される。気流噴射面231の中心部には気流噴射ホールが形成される。
【0048】
気流噴射ホールは、隣り合う二つのフィルターから同一の距離を有するように形成される。
【0049】
本発明の一実施例によると、気流噴射面231は、フィルターから遠ざかるほど下部に向かって下降するように傾斜し、傾斜した噴射面231の最下端部に噴射ホールが形成され得る。
【0050】
また、本発明の他の一実施例によると、噴射面231の端部(噴射ホールの境界)には、上部に向かって突出した突起が形成され得る。空気が噴射ホールに噴射される前に突起を越えなければならないので、大きいサイズの粉塵は、下降気流を形成する前に予めろ過され得る。
【0051】
図示したように、各フィルター束の境界には下降気流集中突起241が形成され得る。
【0052】
上記で説明したように、大規模の集塵設備では、複数のフィルター束が独立的に運用され得る。このように複数のフィルター束が独立的に運用される場合、一つのフィルター束の粉塵が飛散しながら他のフィルター束に流れ込み得るが、本実施例によると、フィルター束の境界で強い下降気流を生成し、一つのフィルター束から飛散した粉塵が他のフィルター束に流れ込むことを防止することができる。
【0053】
下降気流集中突起241は、噴射面231の端部(噴射ホールの境界)で下部に向かって突出した突起の形態からなり得る。下降気流集中突起241は、気流が下降しながらフィルターにぶつかり、フィルターが損傷することを防止する。
【0054】
本発明の他の実施例によると、前記下降気流集中突起241の内面には、一定間隔で離隔して配置される突起が形成され得る。突起は、下端部が開放されたV字状又はU字状をなすように配置され得る。これを通じて、フィルター束の境界において一定間隔でさらに強い下降気流を生成する区域を生成可能になる。
【0055】
上記のように、本発明では、気流噴射面を通じて下降気流が生成されるが、ろ過集塵機の内部状態によって下降気流が分散され、バッグフィルターに衝撃を加えることが発生する。
【0056】
バッグフィルターに分散下降気流が衝撃を加えることを防止できるように、本発明の粉塵再飛散防止装置にはバッグフィルター保護エアカーテン生成モジュールが形成され得る。
【0057】
バッグフィルター保護エアカーテン生成モジュールは、バッグフィルターの周囲に直進性の強いエアカーテンを形成し、分散下降気流がバッグフィルターに衝撃を加えることを防止する。
【0058】
バッグフィルター保護エアカーテン生成モジュールの構造に対しては、以下で
図4及び
図5を参照して詳細に説明する。
【0059】
図4は、
図3のA領域を下側から見た拡大概念図で、
図5は、
図4に示したフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを下側から斜めに見上げた概念図である。
【0060】
図4及び
図5を参照すると、気流噴射面は、各バッグフィルターの直径より大きい直径の貫通ホールを備える。また、各バッグフィルターは、前記各貫通ホールの中心に配置され、各バッグフィルターの周囲に沿ってホールが形成されるようにする。
【0061】
フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、各バッグフィルターが挿入される各貫通ホールとオーバーラップされるように配置される。
【0062】
図示したように、フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、第1円筒部材222、第2円筒部材261及び渦流防止部材271を含むことができる。
【0063】
第1円筒部材222は、上下に延長された円筒状をなす。第1円筒部材222は、保護壁221と同じ直径を有するように形成されてもよく、保護壁221と異なる直径を有するように形成されてもよい。
【0064】
第1円筒部材222が保護壁221と同一の直径を有する場合、第1円筒部材222は、保護壁221と分離された別途の部材でなくてもよい。すなわち、保護壁221は、気流噴射面の下側に延長され、第1円筒部材222としての役割をすることもできる。
【0065】
第2円筒部材261は、第1円筒部材222より大きい円周を有し、前記第1円筒部材222を取り囲むように配置される。
【0066】
第2円筒部材261は、上下垂直方向に延長されることが好ましいが、必要によっては、第1円筒部材222と平行をなすことなく、一側に傾斜するように形成されてもよい。例えば、第2円筒部材261は、バッグフィルターの外側方向に傾斜し、エアカーテンが中心側から外側に広がるように作ることができる。
【0067】
複数の渦流防止部材271は、第1円筒部材222と第2円筒部材261とを連結するように配置される。渦流防止部材271は、互いに一定角度の間隔で離隔して配置され、上下に延長された板状をなす。図示したように、一つのモジュールには、互いに90度の間隔で離隔した4個の渦流防止部材271が存在するが、必要によって、離隔した角度や渦流防止部材271の個数が変更され得る。
【0068】
図3に示したように、ろ過集塵機の内部に流入した空気が各フィルター束に分配される過程で、各フィルター束に進入する空気は斜め方向に進行することができ、斜め方向に進行する空気が保護壁221に沿って回り、バッグフィルターの周辺で渦流が生成され得る。
【0069】
渦流防止部材271は、貫通ホールを介して空気が下降するとき、保護壁221に沿って回りながら生成される渦流を防止することができる。
【0070】
また、本発明の他の一実施例によると、第1円筒部材222の高さが第2円筒部材261の高さより大きく形成され得る。すなわち、バッグフィルターに近い部分で直進性を強化させるために、バッグフィルターに隣接したガイド面になる第1円筒部材222をさらに長く作ることができる。
【0071】
図6は、フィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールを含む2段粉塵再飛散防止装置の概念図で、
図7は、
図5に示した2段粉塵再飛散防止装置が適用されたろ過集塵機の概念図である。
【0072】
図6及び
図7を参照すると、粉塵再飛散防止装置は、互いに段差を有する2個の区画に形成され得る。
【0073】
例えば、図示したように、粉塵再飛散防止装置は、一定の高さを有する第1区画と、前記第1区画の一端に連結され、前記第1区画との間で段差を有するように前記第1区画の高さより大きい高さを有するように形成される第2区画とを含むことができる。
【0074】
より具体的には、第3フィルター束130'は、第1フィルター束130より長く形成され、第1フィルター束130と第3フィルター束130'との間には段差面151が形成される。同様に、第4フィルター束140'は、第2フィルター束140より長く形成され、第2フィルター束140と第4フィルター束140'との間には段差面151が形成される。
【0075】
高さが狭い区画では空気の流れが速くなるので、ろ過集塵機の規模が大きくなる場合、粉塵再飛散防止装置の区画を分けることによって効率性を高めることができる。
【0076】
すなわち、フードに近い領域では空気の流れを減少させ、フードから遠い領域では空気の流れを上昇させ、ろ過集塵機の脱塵効率を向上させることが可能である。
【0077】
上記で説明した各実施例によると、フィルターバッグの周囲に直進性を強化した下降気流を噴射することによってエアカーテンを生成させることができ、フィルターバッグの方向に分散された下降気流は、フィルターバッグに近接しながらエアカーテンに煽られ、気流の方向が下側方向に変わるので、エアカーテンに損傷を加えなくなり、円筒状のカーテン生成胴体の内部に一定角度の間隔で配置される渦流防止羽根を備えることによって、エアカーテンで渦流が発生することを防止し、下降気流の直進性を強化できるようになるなど、従来技術に比べて改善された効果を期待することができる。
【0078】
以上で説明したろ過集塵機の粉塵再飛散防止装置に適用されるフィルターバッグ保護エアカーテン生成モジュールは、上記で説明した各実施例の構成及び方法に限定されるものではなく、前記各実施例は、多様に変形できるように各実施例の全部又は一部が選択的に組み合わされて構成されてもよい。