(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20240312BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F16K27/02
F16K27/00 C
(21)【出願番号】P 2022567518
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2021112369
(87)【国際公開番号】W WO2022033565
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】202010820482.0
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021704259.1
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】邸 志強
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103512289(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111219518(CN,A)
【文献】実公昭58-038221(JP,Y2)
【文献】実開昭64-027512(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/02
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子膨張弁であって、
底部に接続管(12)が設けられ、前記接続管(12)は水平管セグメントを含む弁体(10)であって、前記水平管セグメントは前記弁体(10)の側壁から突出しており、前記水平管セグメントの延在方向は、前記弁体(10)の軸線方向に対して垂直である弁体(10)と、
ケース(21)、カバー(23)、及び前記ケース(21)の下端に位置する係止部(22)を含み、前記ケース(21)は内部に取り付けチャンバを有し、前記カバー(23)は前記取り付けチャンバの頂部に被せて設けられ、前記弁体(10)は前記取り付けチャンバ内に取り付けられ、前記弁体(10)の頂部は前記カバー(23)の内壁に当接し、前記係止部(22)と前記ケース(21)とは一体成形され、前記係止部(22)は前記水平管セグメントを係止するために用いられる保護ケース(20)と、
を含
み、
前記弁体(10)は、弁胴(111)、及び前記弁胴(111)の底部に位置する弁座(112)を含み、前記接続管(12)は前記弁座(112)に接続され、前記弁座の周方向には少なくとも1つの環状凹溝(30)が設けられ、
前記電子膨張弁は、少なくとも1つの封止リング(40)を更に含み、
前記封止リング(40)は前記環状凹溝(30)に嵌合され、
前記取り付けチャンバの底部の側壁には複数のカム(50)が設けられ、複数の前記カム(50)は前記取り付けチャンバの周方向に沿って離間して設けられ、複数の前記カム(50)の前記ケース(21)の底部に近い一端の端面は共に位置決め面を形成し、前記ケース(21)の下端は前記取り付けチャンバの下端を形成し、前記位置決め面と前記取り付けチャンバの下端との間には収容室が形成され、前記封止リング(40)は、前記収容室内に取り付けられ、且つ前記位置決め面に当接される、電子膨張弁。
【請求項2】
前記係止部(22)は、内部にクランプキャビティ(222)及びリリーフキャビティ(221)が設けられた係止ブロックを含み、前記水平管セグメントは前記クランプキャビティ(222)に差し込まれ、前記リリーフキャビティ(221)は、前記クランプキャビティ(222)の前記ケース(21)に近い一端に位置し、且つ前記クランプキャビティ(222)に連通する、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記クランプキャビティ(222)は、前記係止ブロックの前記ケース(21)から離れた一端の端面に開口が形成される、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記クランプキャビティ(222)の両側の側壁には凹状円弧面(223)が設けられ、前記凹状円弧面(223)は前記接続管(12)の側壁に適合している、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記凹状円弧面(223)には複数のリブ構造が設けられ、前記リブ構造は前記接続管(12)と平行であり、複数の前記リブ構造は前記クランプキャビティ(222)の周方向に沿って離間して設けられる、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
電子膨張弁であって、
弁体(10)、保護ケース(20)及び接続管(12)を含み、
前記保護ケース(20)はケース(21)を含み、前記ケース(21)は内部に取り付けチャンバを有し、
前記弁体(10)は、弁胴(111)、及び前記弁胴(111)の底部に位置する弁座(112)を含み、前記接続管(12)は前記弁座(112)に接続され、前記弁座の周方向には少なくとも1つの環状凹溝(30)が設けられ
、
前記電子膨張弁
は、少なくとも1つの封止リング(40)を更に含み、
前記封止リング(40)は前記環状凹溝(30)に嵌合され
、
前記取り付けチャンバの底部の側壁には複数のカム(50)が設けられ、複数の前記カム(50)は前記取り付けチャンバの周方向に沿って離間して設けられ、複数の前記カム(50)の前記ケース(21)の底部に近い一端の端面は共に位置決め面を形成し、前記ケース(21)の下端は前記取り付けチャンバの下端を形成し、前記位置決め面と前記取り付けチャンバの下端との間には収容室が形成され、前記封止リング(40)は、前記収容室内に取り付けられ、且つ前記位置決め面に当接される、電子膨張弁。
【請求項7】
前記弁胴(111)は、前記弁座に溶接接続されて、溶接ビードを形成し、前記封止リング(40)は前記溶接ビードの下方に位置する、請求項
1又は6に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記開口は下から上に向かって徐々に小さくなる、請求項3に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記カバー(23)は前記ケース(21)と一体的に射出成形される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月14日に中国国家知識産権局に提交された、出願番号が202010820482.0であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張しており、2020年8月14日に中国国家知識産権局に提交された、出願番号が202021704259.1であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張している。
【0002】
本出願は電子膨張弁装置の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展に伴い、トランス、インダクタ等の装置は現代社会でより広く適用されるようになっている。トランス、インダクタ等のような装置では、電子膨張弁が重要な役割を果たしており、弁体とコイルとの接続を容易にするために、通常、コイルのハウジングに外側に突き出た固定板を設け、固定板により位置決め片をコイルのハウジングに固定し、最後に、位置決め片により弁体とコイルとの軸方向における位置決め及び周方向における位置決めを実現する。上記の方法を用いて弁体とコイルとを接続する構造は比較的複雑であり、固定板と位置決め片、及び位置決め片とコイルのハウジングとは、かしめ又は溶接によって接続する必要があり、その生産プロセスは比較的複雑であるため、電子膨張弁の生産過程における生産効率が低くなり、生産コストが増加する。
【発明の概要】
【0004】
本出願の主な目的は、従来技術において、位置決め片を用いて位置決め及び固定を行うことによる、加工コストが高く生産効率が低い問題を解決する電子膨張弁を提供することにある。
【0005】
上記の目的を実現するために、本出願は、底部に接続管が設けられ、接続管は水平管セグメントを含み、水平管セグメントは弁体の側壁から突出しており、水平管セグメントの延在方向は、弁体の軸線方向に対して垂直である弁体と、ケース、カバー、及びケースの下端に位置する係止部を含み、ケースは内部に取り付けチャンバを有し、カバーは取り付けチャンバの頂部に被せて設けられ、弁体は取り付けチャンバ内に取り付けられ、弁体の頂部はカバーの内壁に当接し、係止部とケースとは一体成形され、係止部は水平管セグメントを係止するために用いられる保護ケースと、を含む電子膨張弁を提供している。
【0006】
更に、係止部は、内部にクランプキャビティ及びリリーフキャビティが設けられた係止ブロックを含み、水平管セグメントはクランプキャビティに差し込まれ、リリーフキャビティは、クランプキャビティのケースに近い一端に位置し、且つクランプキャビティに連通する。
【0007】
更に、クランプキャビティは、係止ブロックのケースから離れた一端の端面に開口が形成される。
【0008】
更に、クランプキャビティの両側の側壁には凹状円弧面が設けられ、凹状円弧面は接続管の側壁に適合している。
【0009】
更に、凹状円弧面には複数のリブ構造が設けられ、リブ構造は接続管と平行であり、複数のリブ構造はクランプキャビティの周方向に沿って離間して設けられる。
【0010】
更に、弁体は、弁胴、及び弁胴の底部に位置する弁座を含み、接続管は弁座に接続され、弁座の周方向には少なくとも1つの環状凹溝が設けられ、電子膨張弁は少なくとも1つの封止リングを更に含み、封止リングは環状凹溝に嵌合される。
【0011】
更に、弁胴は、弁座に溶接接続されて、溶接ビードを形成し、封止リングは溶接ビードの下方に位置する。
【0012】
更に、開口は下から上に向かって徐々に小さくなる。
【0013】
更に、カバーはケースと一体的に射出成形される。
【0014】
更に、取り付けチャンバの底部の側壁には複数のカムが設けられ、複数のカムは取り付けチャンバの周方向に沿って離間して設けられ、複数のカムのケースの底部に近い一端の端面は共に位置決め面を形成し、位置決め面と取り付けチャンバの下端との間には収容室が形成され、封止リングは、収容室内に取り付けられ、且つ位置決め面に当接される。
【0015】
本出願の技術態様を適用すると、本出願の電子膨張弁は、ケースに一体成形された係止部により弁体の底部を係止すると同時に、弁体の頂部でカバーの底部を支えることができるため、弁体とカバーとの係合によって保護ケース及び保護ケース上のコイル等の他の装置に対する耐荷重を実現し、係止部が荷重を支える必要がなく、弁体とコイルとの軸方向における位置決め及び周方向における位置決めを実現するため、ケースと係止部との一体的な射出成形は、生産効率を効率的に向上させ、生産コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する明細書の図面は本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0017】
【
図1】本出願の電子膨張弁の実施例の構成図を模式的に示す。
【
図2】本出願の電子膨張弁の実施例の断面図を模式的に示す。
【
図3】本出願の電子膨張弁の実施例の別の角度の構成図を模式的に示す。
【
図4】本出願の弁体の実施例の構成図を模式的に示す。
【
図5】本出願の弁座の実施例の構成図を模式的に示す。
【0018】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁体、111 弁胴、112 弁座、12 接続管、20 保護ケース、21 ケース、22 係止部、221 リリーフキャビティ、222 クランプキャビティ、223 凹状円弧面、23 カバー、30 環状凹溝、40 封止リング、50 カム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
なお矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して、実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0020】
背景技術に記載されたように、科学技術の発展に伴い、トランス、インダクタ等の装置は現代社会でより広く適用されるようになっている。トランス、インダクタ等のような装置では、電子膨張弁が重要な役割を果たしており、弁体とコイルとの接続を容易にするために、通常、コイルのハウジングに外側に突き出た固定板を設け、固定板により位置決め片をコイルのハウジングに固定し、最後に、位置決め片により弁体とコイルとの軸方向における位置決め及び周方向における位置決めを実現する。上記の方法を用いて弁体とコイルとを接続する構造は比較的複雑であり、固定板と位置決め片、及び位置決め片とコイルのハウジングとは、かしめ又は溶接によって接続する必要があり、その生産プロセスは比較的複雑であるため、電子膨張弁の生産過程における生産効率が低くなり、生産コストが増加する。
【0021】
上記の問題を解決するために、
図1から
図5に示すように、本出願の実施例は、底部に接続管12が設けられ、接続管12は水平管セグメントを含み、水平管セグメントは弁体10の側壁から突出しており、水平管セグメントの延在方向は、弁体10の軸線方向に対して垂直である弁体10と、ケース21、カバー23、及びケース21の下端に位置する係止部22を含み、ケース21は内部に取り付けチャンバを有し、カバー23は取り付けチャンバの頂部に被せて設けられ、弁体10は取り付けチャンバ内に取り付けられ、弁体10の頂部はカバー23の内壁に当接し、係止部22とケース21とは一体成形され、係止部22は水平管セグメントを係止するために用いられる保護ケース20と、を含む電子膨張弁を提供している。ここで、保護ケース20は電子膨張弁のコイルを包み、本出願の電子膨張弁は、ケース21に一体成形された係止部22により弁体10の底部の接続管12を係止すると同時に、弁体の頂部でカバーの底部を支えることができるため、弁体とカバーとの係合によって保護ケース及び保護ケース上のコイル等の他の装置に対する耐荷重を実現し、係止部が荷重を支える必要がなく、弁体10とコイルとの軸方向における位置決め及び周方向における位置決めを実現し、弁体10を保護ケース及びコイルに固定接続させる。製品は、使用する際に垂直に取り付けられるため、下向きの重力の作用を受けるが、コイル及び保護ケースは、弁体に支えられるため脱落することはない。保護ケース及びコイルを持ち上げる場合も、係止部22の接続管12に対する係止を克服しないと取り外すことができない場合、その係止の作用力は大きすぎる必要がなく、保護ケース及びコイルが脱落しないことを満たすことができればよい。
【0022】
具体的には、接続管12は垂直管セグメントを更に含み、垂直管セグメントは水平管セグメントの末端に接続され、垂直管セグメントの軸線は弁体の軸線と平行であり、本実施例のケース21と係止部22とは一体的に射出成形される。
【0023】
係止部22の係止機能を実現するために、本実施例における係止部22は、内部にクランプキャビティ222及びリリーフキャビティ221が設けられた係止ブロックを含み、水平管セグメントはクランプキャビティ222に差し込まれ、リリーフキャビティ221は、クランプキャビティ222のケース21に近い一端に位置し、且つクランプキャビティ222に連通する。クランプキャビティ222が水平管セグメントを収容してクランプすることによって、接続管12に対する固定を実現し、係止ブロックの弾性を向上させるために、本実施例の係止ブロックは内部にリリーフキャビティ221を更に有し、リリーフキャビティ221を設けることによって、係止ブロックのクランプキャビティ222の両側のクランプ部分により大きな変形空間を持たせて、弾性が十分となり、確実性が高く、寿命がより長くなる。
【0024】
接続管12を容易に係止するために、本実施例におけるクランプキャビティ222は、係止ブロックのケース21から離れた一端の端面に開口が形成され、開口を設けることによって、クランプキャビティ222の弾性変形空間を更に増加させて、接続管12を更に容易に係止することができる。
【0025】
ここで、接続管12は円筒形であるため、接続管12がクランプキャビティ222から滑り落ちるのを防止するために、本実施例におけるクランプキャビティ222の両側の側壁には凹状円弧面223が設けられ、凹状円弧面223は接続管12の側壁に適合しており、2つの凹状円弧面223によって接続管12対する位置決めを実現し、且つ固定を行うように、2つの凹状円弧面223の軸線はいずれも接続管12の軸線と重なっている。
【0026】
接続管12がクランプキャビティ222から滑り落ちるのを更に防止するために、本実施例における凹状円弧面223には複数のリブ構造が設けられ、リブ構造は接続管12と平行であり、複数のリブ構造はクランプキャビティ222の周方向に沿って離間して設けられる。複数のカム50構造を設けることによって、凹状円弧面223と接続管12の外壁との摩擦力を増やして、接続管12が滑り落ちるのを効率的に防止する。
【0027】
外部の不純物、水等が保護ケース20内に入って、弁体10及びコイルを腐食するのを防止するために、本実施例における弁体10は、弁胴111、及び弁胴111の底部に位置する弁座112を含み、接続管12は弁座112に接続され、弁座112の周方向には少なくとも1つの環状凹溝30が設けられ、電子膨張弁は少なくとも1つの封止リング40を更に含み、封止リング40は環状凹溝30に嵌合される。
【0028】
具体的には、本実施例における弁胴111は、弁座112に溶接接続されて、溶接ビードを形成し、封止リング40は溶接ビードの下方に位置するため、弁胴111と弁座112との溶接によって不純物が弁体10の内部に入るのを防止し、同時に、封止リング40は溶接ビードの下方に位置するため、封止リング40の封止効果を十分に利用して、弁胴111と弁座112、及び弁体10と保護ケース20とを効率的に封止する。
【0029】
係止部22により弁体10の頂部を位置決めするのではなく、カバー23により位置決めすることは、係止部22が損傷することを防止し、保護ケースに対する支持を確保し、且つ作業者による取り付け及び位置決めを容易にし、カバー23とケース21とは取り外し可能に接続されてもよく、取り外し可能な接続を用いると、封止リング40を追加する必要があり、本実施例におけるカバー23とケース21とは一体的に射出成形されて、封止性能を確保することが好ましい。
【0030】
接続管を容易に係止するために、本実施例における開口は下から上に向かって徐々に小さくなり、開口の両側にはガイド傾斜面が形成され、取り付ける際に、水平管セグメントは開口から入って、最終的に凹状円弧面に係止される。
【0031】
本実施例における取り付けチャンバの底部の側壁には複数のカム50が設けられ、複数のカム50は取り付けチャンバの周方向に沿って離間して設けられ、複数のカム50のケース21の底部に近い一端の端面は共に位置決め面を形成し、位置決め面と取り付けチャンバの下端との間には収容室が形成され、封止リング40は、収容室内に取り付けられ、且つ位置決め面に当接される。複数のカム50を設けることによって、Oリングを位置決めすることができる一方、射出プロセスの要件を満たすこともできる。弁体10及び封止リング40を容易に取り付けるために、取り付けチャンバとケース21の底部とが交差する位置には面取りが設けられることが好ましい。
【0032】
本出願の電子膨張弁は、組み立てが便利であり、生産効率を効率的に向上させ、生産コストを削減することができる。コイルのハウジングに保護ケース20を設けることによって、コイルの本来の金属ハウジングが錆びたり腐食したりするのを防止することができるため、膨張弁の使用寿命を効率的に延長させることができ、同時に、プラスチックケースはノイズを抑制する役割も果たすことができるため、電子膨張弁が作動する際のノイズを効率的に低減させることができる。
【0033】
以上の説明から、本出願の上記の実施例は以下のような技術効果を達成していることが分かる。
【0034】
本出願の電子膨張弁は、ケースに一体成形された係止部により弁体の底部を係止すると同時に、弁体の頂部でカバーの底部を支えることができるため、弁体とカバーとの係合によって保護ケース及び保護ケース上のコイル等の他の装置に対する耐荷重を実現し、係止部が荷重を支える必要がなく、弁体とコイルとの軸方向における位置決め及び周方向における位置決めを実現するため、ケースと係止部との一体的な射出成形は、生産効率を効率的に向上させ、生産コストを削減することができる。
【0035】
上記の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、本出願に更なる説明を提供することを意図していることを指摘しておくべきである。特に指定されない限り、本文で使用される全ての技術及び科学用語は、本出願の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。
【0036】
ここで用いられる用語は具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈上明確な指摘がなされていない限り、単数形式は複数形式を含むことも意図し、更に本明細書において、「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されるべきである。
【0037】
説明すべきことは、本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順番又は前後の順番を説明するために用いられる必要はない。このように用いられる用語は、必要に応じて、ここで説明する本出願の実施形態を例えばここで図示又は説明した順番以外の順番で実施できるように、取り換えることができることは理解されるべきである。
【0038】
更に、「含む」及び「有する」という用語、並びにこれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品、又は装置は、明確に列挙されたそれらのステップ又はユニットに限定されず、明確に列挙されていない、若しくは、これらの過程、方法、製品、又は装置に固有の他のステップ又はユニットも含むことができる。
【0039】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上の」等のような空間相対用語を用いて、図面に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図面に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解されるべきである。
【0040】
例えば、図面中のデバイスの上下が逆さまになると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置する)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0041】
上記の詳細な説明では、本文の一部を形成する図面を参照している。図面では、文脈上別途の指摘がなされていない限り、同様の符号は典型的に同様の部件を特定する。詳細な明細書、図面及び特許請求の範囲で説明された図示されている実施形態は限定することを意味するものではない。本文に提示された主題の精神又は範囲を逸脱しない限り、他の実施形態が用いられてもよく、また、他の変更がなされてもよい。本開示の態様は、本文で一般的に説明され、及び図面に示されているように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分割、及び設計されてもよく、これらは全て本文で明確に考慮されていることは容易に理解されるであろう。
【0042】
本出願で説明された特定の実施形態に基づく本開示は、限定されるものではなく、様々な態様の図示として意図されている。当業者には明らかなように、本開示の精神及び範囲を逸脱しない限り多くの修正及び変更が可能である。本開示の範囲内で機能的に同等の方法及び装置は、本文に列挙されたものに加えて、前述の明細書から当業者にとっては明らかであろう。このような修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内にあることを意図している。本開示は、添付の請求項の項目及びこのような請求項に権利付与される等価物の全ての範囲によってのみ限定される。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成、又は生物学的システムに限定されるものではなく、当然、変更することができることは理解されるであろう。また、本文で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されるであろう。
【0043】
上述したものは本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。