(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】液体媒体又は気体媒体用のパイプを接続するためのプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/088 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
F16L37/088
(21)【出願番号】P 2022572614
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 AT2021060181
(87)【国際公開番号】W WO2021237261
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-01-24
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514248880
【氏名又は名称】ヘン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルト ハルトマン
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3913271(EP,A1)
【文献】国際公開第2019/036233(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202012102296(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0149670(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1966161(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0284583(US,A1)
【文献】特開平10-047573(JP,A)
【文献】特表平11-510888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/00 - 37/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体媒体又は気体媒体用のパイプを接続するためのプラグコネクタ(2)であって、
少なくとも1つの第1ケーシング部(8)を有し、相手側プラグコネクタ(3)の一部を受容するための受容空間(13)を形成する、コネクタ本体(5)であって、前記第1ケーシング部(8)には少なくとも2つの貫通開口部(14)が形成されている、コネクタ本体(5)と、
プラグコネクタ(2)を相手側プラグコネクタ(3)に対して固定するために設けられたロック要素(6)であって、前記コネクタ本体(5)内の前記貫通開口部(14)は前記ロック要素(6)を受容する、ロック要素(6)と、
を備えたプラグコネクタ(2)において、
表示面(29)を有する表示要素(18)が形成され、該表示要素(18)は第1部分領域(22)と第2部分領域(23)とを有し、前記第1部分領域(22)と前記第2部分領域(23)はばね部分(24)によって互いに弾力性を有して連結され、前記第1部分領域(22)は前記ロック要素(6)と固く接続されていて、前記表示面(29)は前記第2部分領域(23)に形成され、
前記表示要素(18)は、前記ロック要素(6)のロック位置で、同時に前記相手側プラグコネクタ(3)が正しく位置決めされると、前記第2部分領域(23)が前記第1部分領域(22)に対して変形して、前記表示面(29)は表示位置へ押されるように形成されていることを特徴とする、プラグコネクタ(2)。
【請求項2】
前記ロック要素(6)は、前記ロック位置で、前記相手側プラグコネクタ(3)の固定溝(15)内に突入係合し、前記表示要素(18)の前記第2部分領域(23)は、前記固定溝(15)の外側領域(32)に当接するように形成され、前記表示面(29)は、前記ロック要素(6)のすべての係止領域(16)が前記相手側プラグコネクタ(3)の前記固定溝(15)内に突入係合するとき、前記表示位置へ押されることを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項3】
当接突起(28)が前記表示要素(18)の前記第2部分領域(23)に形成され、前記当接突起(28)は前記固定溝(15)の外側領域(32)に当接することを特徴とする、請求項2に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項4】
前記表示要素(18)の表示要素幅(34)は、前記当接突起(28)の領域で前記固定溝(15)の溝幅(33)より大きいこと、又は前記表示要素(18)は前記当接突起(28)の領域で前記固定溝(15)に対してずれて配置されていることを特徴とする、請求項3記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項5】
前記表示要素(18)の前記第1部分領域(22)は、前記ロック要素(6)の第1長手方向端部(20)に受容されることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項6】
90°要素(21)が前記ロック要素(6)の第1長手方向端部(20)に形成され、前記表示要素(18)の前記第1部分領域(22)は、前記90°要素(21)を受容する受容孔(26)を有し、前記表示要素(18)の前記第1部分領域(22)は、前記ロック要素(6)の第1脚部(19)を受容する受容溝(27)を有することを特徴とする、請求項5に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項7】
前記表示要素(18)は、該表示要素(18)の前記表示位置で視認でき、かつ前記表示要素(18)の休止位置で少なくとも部分的に隠れている符号面(30)を有し、該符号面(30)がデータマトリクス符号などの機械可読符号(31)を有することを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項8】
前記ばね部分(24)はテーパ部(25)を有することを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項9】
前記表示要素(18)は一体的な射出成型部品として形成されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載のプラグコネクタ(2)。
【請求項10】
液体媒体又は気体媒体用のパイプを接続するためのプラグコネクタ(2)と相手側プラグコネクタ(3)との間にプラグ接続を構成する方法であって、
コネクタ本体(5)を有するプラグコネクタ(2)を用意するステップであって、前記コネクタ本体(5)は、相手側プラグコネクタ(3)の一部を受容するための受容空間(13)を形成する、少なくとも1つの第1ケーシング部(8)を有し、少なくとも2つの貫通開口部(14)が前記第1ケーシング部(8)に形成され、ロック要素(6)が前記プラグコネクタ(2)を前記相手側プラグコネクタ(3)に対して固定するために設けられ、前記コネクタ本体(5)の前記第1ケーシング部(8)内の前記貫通開口部(14)は前記ロック要素(6)を受容する、ステップと、
前記相手側プラグコネクタ(3)を用意するステップと、
前記相手側プラグコネクタを前記プラグコネクタ(2)の前記受容空間(13)に差し込むステップと、
前記ロック要素(6)を用いて前記相手側プラグコネクタを前記プラグコネクタ(2)の前記受容空間(13)に固定するステップと、を有する方法において、
表示面(29)を有する表示要素(18)が形成され、該表示要素(18)は第1部分領域(22)と第2部分領域(23)とを有し、前記第1部分領域(22)と前記第2部分領域(23)はばね部分(24)によって互いに弾力性を有して連結され、前記第1部分領域(22)は前記ロック要素(6)と固く接続され、前記表示面(29)は前記第2部分領域(23)に形成され、
前記表示要素(18)は、前記ロック要素(6)のロック位置で係止されるとき、前記表示要素(18)の前記第2部分領域(23)は前記表示要素(18)の前記第1部分領域(22)に対して変形して、前記表示面(29)は表示位置へ押される、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体媒体又は気体媒体用のパイプを接続するためのプラグコネクタと、このプラグコネクタと相手側プラグコネクタとの間にプラグ接続を構成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2、及び特許文献3から、様々なプラグコネクタが知られている。これらの文書から知られるプラグコネクタは、プラグコネクタが互いに正しく接合されているかどうかを明確に確認することができないという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/144902号
【文献】国際公開第2018/102213号
【文献】欧州特許出願公開第3179148号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、先行技術の短所を克服し、正しい接続の管理可能性を向上させるプラグコネクタ及びプラグコネクタと相手側プラグコネクタとの間にプラグ接続を構成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は特許請求の範囲に記載された装置及び方法によって解決される。
【0006】
本発明によれば、液体媒体又は気体媒体用のパイプを接続するためのプラグコネクタが形成される。このプラグコネクタは、
コネクタ本体であって、少なくとも1つの第1ケーシング部を有し、相手側プラグコネクタの一部を受容するための受容空間を有し、少なくとも2つの貫通開口部が第1ケーシング部に形成されている、コネクタ本体と、
一つのロック要素であって、プラグコネクタを相手側プラグコネクタに対して固定するために設けられ、コネクタ本体内の貫通開口部はロック要素を受容する、ロック要素と、を備える。更に、表示面を有する表示要素が形成され、この表示要素は第1部分領域と第2部分領域を有し、第1部分領域と第2部分領域はばね部分によって互いに弾力性を有して連結され、第1部分領域はロック要素と固く接続されていて、表示面は第2部分領域に形成されており、表示要素は、ロック要素のロック位置で、同時に相手側プラグコネクタが正しく位置決めされると、第2部分領域が第1部分領域に対して変形して、表示面が表示位置へ押されるように形成されている。
【0007】
本発明によるプラグコネクタは、本発明による表示要素の形成により、プラグコネクタが相手側プラグコネクタに正しく挿入されているかどうか、及びロック要素が正しくロックされているかどうかを明確に認識できるという利点を備えている。
【0008】
更に、ロック要素がロック位置で相手側プラグコネクタの固定溝内に突入係合し、表示要素の第2部分領域は、固定溝の外側領域に当接するように形成されていて、ロック要素のすべての係止領域が相手側プラグコネクタの固定溝内に突入係合したときに表示面が表示位置へ押されると好都合であろう。これは、ロック要素が正しくロックされていることを簡単で確実に表示できるという利点を伴う。
【0009】
更に、表示要素の第2部分領域には、固定溝の外側領域に当接する当接突起が形成されているようにすることができる。このような当接突起によって、表示要素の第2部分を確実にその表示位置へ押されることができる。
【0010】
更に、表示要素の表示要素幅は当接突起の領域で固定溝の溝幅より大きい、又は表示要素は当接突起の領域で固定溝の方向にずらして配置されているようにすることができる。この方策により、表示要素の第2部分領域が固定溝に挿入されないようにすることができ、これにより表示要素の第2部分領域が表示位置に正しく移動することを達成できる。
【0011】
更に、表示要素の第1部分領域が、ロック要素の第1長手方向端部に受容されている構成形態も有利である。この方策により、表示要素をロック要素に簡単に受容することが達成される。
【0012】
発展形態によれば、ロック要素の第1長手方向端部に90°要素が形成されており、表示要素の第1部分領域は、90°要素を受容する受容孔を有し、且つ、表示要素の第1部分領域は、ロック要素の第1脚部を受容する受容溝を有することが可能である。この方策により、表示要素をロック要素に簡単に受容することが達成される。
【0013】
更に、表示要素が、表示要素の表示位置で視認でき、表示要素の休止位置では少なくとも部分的に隠れている符号面を有し、この符号面がデータマトリクス符号(data matrix code)などの機械可読符号(machine-readable code)を有すると好都合であろう。この方策により、機械オペレータによる正しい位置決めの視覚的確認を行うことができるだけでなく、機械可読確認も行うことができ、又は情報を相応に保存できることが達成される。
【0014】
更にまた、機械可読確認の情報を保存して、後続の製造工程を許可したり禁止したりするために利用することも考えられる。こうすることで、オペレータのミスを可能な限り排除することができる。
【0015】
表示面は同時に符号面として用いることができる。それゆえ機械可読符号を直接表示面に配置することができる。
【0016】
特に、表示面が少なくとも一部の領域で緑色など相応の表記色で形成されている、及び/又は「OK」などの文字が表示面に配置されていると有利であろう。この方策により、専門知識のない又は訓練を受けていない人でも、ロック要素が正しくロックされていること、又は相手側プラグコネクタとプラグコネクタが正しく接合されていることを視覚的に認識できることが達成される。
【0017】
更に、ばね部分がテーパ部を有するようにすることができる。ばね部分にテーパ部を形成することにより、表示要素が正確にテーパ部の領域で弾力性を有して形成されており、したがって第1部分領域は第2部分領域に対して弾力的に曲げることができるという利点がもたらされる。ばね部分を形成することにより、第2部分領域へ力を加え終わると、第1部分領域と第2部分領域の互いに相対的な向きを回復することができる。
【0018】
更に、表示要素が一体的な射出成形品として形成されているようにすることもできる。このことは、表示要素を容易に十分高い精度で工業的に量産できるという利点をもたらす。
【0019】
更に、本発明によれば、液体媒体又は気体媒体用のパイプを接続するためのプラグコネクタと相手側プラグコネクタとの間にプラグ接続を構成する方法が提供される。この方法は、
コネクタ本体を有するプラグコネクタを用意するステップであって、少なくとも1つの第1ケーシング部を有し、コネクタ本体は相手側プラグコネクタの一部を受容するための受容空間を形成し、この第1ケーシング部には少なくとも2つの貫通開口部が形成され、ロック要素はプラグコネクタを相手側プラグコネクタに対して固定するために設けられ、コネクタ本体の第1ケーシング部内の貫通開口部はロック要素を受容する、ステップと、
相手側プラグコネクタを用意するステップと、
相手側プラグコネクタをプラグコネクタの受容空間内に差し込むステップと、
相手側プラグコネクタをプラグコネクタの受容空間内にロック要素を用いて固定するステップと、を有する。
更に、表示面を有する表示要素が形成されていて、表示要素は第1部分領域と第2部分領域を有し、第1部分領域と第2部分領域はばね部分によって互いに弾力性を有して連結され、第1部分領域はロック要素と固く接続され、表示面は第2部分領域に形成されており、ロック要素がロック位置で係止すると、表示要素の第2部分領域が表示要素の第1部分領域に対して変形されて、表示面が表示位置へ押される。
【0020】
本発明による方法は、プラグコネクタが相手側プラグコネクタに正しく挿入されているかどうか、及びロック要素が正しくロックされているかどうかを明確に認識することができるという利点を有している。
【0021】
本発明をより良く理解するために、以下の図を参照してより詳細に説明する。
【0022】
図は、それぞれ簡略化された模式的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、プラグコネクタと、そこから距離をおいて配置された相手側プラグコネクタとを有するプラグアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図2は相手側プラグコネクタがプラグコネクタに受容された状態のプラグアセンブリの斜視図である。
【
図3】
図3はロック要素と表示要素の斜視図である。
【
図4】
図4は相手側プラグコネクタがないプラグアセンブリの断面図である。
【
図5】
図5は相手側プラグコネクタが差し込まれたプラグアセンブリの断面図である。
【
図6】
図6は相手側プラグコネクタがないプラグアセンブリの側面図である。
【
図7】
図7は相手側プラグコネクタが差し込まれたプラグアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ部材には同じ参照符号又は同じ部品名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号又は同じ部品名称を有する同じ部材に準用できる。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明されている表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用される。
【0025】
図1は、プラグコネクタを有するプラグアセンブリの斜視図である。更に、
図1にはプラグコネクタに接続可能な相手側プラグコネクタが模式的に示されている。
図1による図では、相手側プラグコネクタ3はプラグコネクタ2に差し込まれていない。プラグアセンブリ1と相手側プラグコネクタ3との協働は、オーストリア特許第509196(B1)号明細書に十分説明されている。
【0026】
更に、プラグコネクタ2を連結することができる管4が模式的に示されている。管4は、例えばプラスチック管のような剛性要素であることができる。別の実施形態では、管4はゴム材料でできた弾力性を有するパイプであることができる。
【0027】
プラグコネクタ2は、特にプラスチック材料から射出成形品として形成されたコネクタ本体5を含んでいる。
【0028】
図1から分かるように、想定されるのは、管4はコネクタ本体5に一体的に成形されているようにすることができる。
【0029】
プラグアセンブリ1は、好ましくは自動車、特に乗用車やトラックのように内燃機関を有する道路走行可能な自動車に使用される。
【0030】
もちろん、プラグアセンブリ1がそれ以外の用途、特に内燃機関における別の用途で使用されることも考えられる。これは例えば、プラグアセンブリ1を定置型構造機器、船舶用エンジン、航空機用エンジン、建設機械などに使用することであってよい。
【0031】
特に、プラグアセンブリ1は、内燃機関に新鮮な空気を供給するための様々な構成要素を接続するために使用することができる。例えば対応する相手側プラグコネクタ3を付けたプラグコネクタ2を、ターボチャージャの吸気領域で2つの部品を接続するために設けることができる。更に、プラグアセンブリ1を、特に内燃機関で冷却水用ホースなどの通水部品に使用することも考えられる。
【0032】
図1から更に分かるように、プラグコネクタ2と相手側プラグコネクタ3を互いに固定するためにロック要素6が設けられている。
【0033】
ロック要素6は、簡単に作動及び解除できるように構成されているので、プラグコネクタ2と相手側プラグコネクタ3は必要に応じて切り離し、又は相互に接続することができる。
【0034】
図2は、プラグアセンブリ1の別の斜視図を示しており、
図2による表示では相手側プラグコネクタが3はプラグコネクタ2に差し込まれている。
【0035】
図2から分かるように、ロック要素6は、プラグコネクタ2と相手側プラグコネクタ3が互いに固定される係止位置にもたらすことができる。
【0036】
更に、ロック要素6は解除位置にもたらすことができ、相手側プラグコネクタ3をプラグコネクタ2に挿入したりプラグコネクタ2から抜き出したりすることができる。特にロック要素6は、ばね要素の形態で形成されているようにすることができる。
【0037】
図1から分かるように、相手側プラグコネクタはプラグコネクタ2の長手方向軸線7に沿ってプラグコネクタ2内に差し込み可能である。
【0038】
図1から分かるように、コネクタ本体5にはプラグコネクタ2の中心長手方向軸線7をスリーブ状に包囲する第1ケーシング部8が形成されている。換言すれば、第1ケーシング部8は回転対称の中空円柱であることができる。
【0039】
第1ケーシング部8はケーシング内面9とケーシング外面10を有する。
【0040】
プラグコネクタ2は第1ケーシング部8の領域に受容空間13を有する。受容空間13は、第1ケーシング部8によって囲まれていて、相手側プラグコネクタ3の一部を受容する。
【0041】
コネクタ本体5は、周方向に互いに間隔をあけて配置された、第1ケーシング部8を貫通する複数の貫通開口部14を有する。ロック要素6が挿入されて係止した状態となるロック要素6の係止位置で、ロック要素6はそれぞれの貫通開口部14を通って受容空間13内に突入する。このときロック要素6は相手側プラグコネクタ3の固定溝15と協働する。特にロック要素6の係止位置でロック要素6は貫通開口部14を貫通して相手側プラグコネクタ3の固定溝15内に突入する。
【0042】
更に、ロック要素6は、コネクタ本体5に挿入して係止位置と解除位置の間で動かすことができるように、把持領域17を有するようにすることができる。
【0043】
ロック要素6が係止位置にあるときは、係止領域16は受容空間13内に突出し、相手側プラグコネクタ3はプラグコネクタ2に対して軸方向に固定される。特にこの場合、ロック要素6の係止領域16が貫通開口部14を貫通して相手側プラグコネクタ3の固定溝内に突入するようにされている。ロック要素6が解除位置にあるときは、係止領域16は受容空間13内に突出せず、相手側プラグコネクタ3はプラグコネクタ2に対して軸方向に移動可能である。
【0044】
図3は、ロック要素6と、ロック要素6に固定されてロック要素6が正しくロックされているかどうかを知らせる表示要素18の斜視図を示す。
【0045】
図3から分かるように、ロック要素6は第1脚部19を有し、第1脚部19の長手方向端部に90°要素21が配置されているようにすることができる。
【0046】
図3から更に分かるように、表示要素18は第1部分領域22と第2部分領域23を有し、第1部分領域22と第2部分領域23との間にばね部分24が形成されるようにすることができる。
【0047】
特に、ばね部分24は断面図で見るとテーパ部25を有している。
【0048】
ばね部分24により第1部分領域22と第2部分領域23は、互いに移動し又は傾くことができる。第1部分領域22と第2部分領域23が互いに可動であることにより、ロック要素6が正しくロックされていることを表示することが達成される。
【0049】
図3から更に分かるように、表示要素18の第1部分領域22は、ロック要素6の90°要素21を受容する受容孔26を有するようにすることができる。特に、表示要素18をロック要素6に連結できるようにするために、ロック要素6の90°要素21を受容孔26に挿入することができる。
【0050】
図3から更に分かるように、表示要素18の第1部分領域22は、ロック要素6の第1脚部を受容する受容溝27を有するようにすることができる。特に第1脚部の90°要素21に直接隣接する部分が受容溝27に受容される。受容孔26と受容溝27により、表示要素18の第1部分領域22がロック要素6の第1脚部19と相対回動不能に連結することを達成できる。
【0051】
更に、表示要素18の第2部分領域23に、表示要素18を作動させる当接突起28が形成されているようにすることができる。
【0052】
図3から分かるように、表示要素18に表示面29が形成されており、
図3には表示面29の裏側が示されている。
図2では表示面29の表側が見える。
【0053】
図2から更に分かるように、表示要素18の表示面29は、同時に符号31が配置された符号面30として働くようにすることができる。
【0054】
表示面29は、ロック要素6が正しくロックされていることを知らせるために、緑色などの表記色を有していてもよい。代替的又は追加的に、表示面29に文字列を配置し、又は表示面29に文字列を相応に散在させて、同様にロック要素6が正しくロックされたことを知らせることも考えられる。
【0055】
図2による表示では、表示要素18は、相手側プラグコネクタ3が正しく差し込まれていることを知らせる表示位置にある。
【0056】
図1による表示では、表示要素18、相手側プラグコネクタ3がプラグコネクタ2に全く差し込まれていないか、又は正しく差し込まれていないことを知らせる休止位置にある。
【0057】
表示要素18の機能性又は表示要素18の休止位置から表示位置への移行を、
図4~
図7に基づいて詳しく説明する。
【0058】
図4は、表示要素18が休止位置にあるプラグコネクタの断面図を示している。
【0059】
図5は、相手側プラグコネクタが差し込まれたプラグコネクタ2の断面図を示しており、表示要素18は表示位置にある。
【0060】
図6は、プラグコネクタの側面図を示し、表示要素18は休止位置にある。
【0061】
図7は、相手側プラグコネクタが差し込まれたプラグコネクタ2の側面図を示しており、表示要素18は表示位置にある。
【0062】
図4と
図6から分かるように、相手側プラグコネクタ3がまだプラグコネクタ2に差し込まれていないときは、表示要素は休止位置にある。
【0063】
組み立て中において、相手側プラグコネクタ3はプラグコネクタ2に差し込まれる。プラグコネクタ2内で相手側プラグコネクタ3を軸方向に固定するために、ロック要素6を固定溝に挿入する。ロック要素6を固定溝15に正しく挿入すると、表示要素18の一部、特に当接突起28は相手側プラグコネクタ3の外側領域32に当接し、それによって表示要素18の第2部分領域23は、表示要素18の第1部分領域22に対して外側に押され、その結果として表示要素18の表示面29は表示位置へ押される。表示要素18の表示位置で表示面29は外から視認でき、それによりロック要素6が正しく係止したことが知らせる。
【0064】
この機能性を達成するために、表示要素18の表示要素幅34は当接突起28の領域で固定溝15の溝幅33より大きくすることができる。それにより表示要素18が表示位置へ押される。
【0065】
これと代替的に、この機能性は、表示要素18が当接突起28の領域で固定溝15の方向にずらして配置されていることによっても達成できる。
【0066】
以上の実施例は可能な実施形態を示すものであり、この箇所で注記しておくと、本発明は特に図示された本発明の実施形態に制限されるものではなく、むしろ個々の実施形態を互いに種々組み合わせることも可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
【0067】
保護の範囲は請求項によって規定されている。しかしながら請求項を解釈するために詳細な説明と図面が援用される。図示及び説明された種々の実施例に基づく個々の特徴又は特徴の組み合せは、それ自体で独自の発明的解決策をなすことができる。これらの独自の発明的解決策の基礎にある課題は、詳細な説明から読み取ることができる。
【0068】
本発明の説明において値の範囲に関するすべての指示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1~10という指示には、下限1を起点として上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7又は3.2~8.1又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0069】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、要素は一部縮尺通りではなく及び/又は拡大して及び/又は縮小して表現されている。
【符号の説明】
【0070】
1 プラグアセンブリ
2 プラグコネクタ
3 相手側プラグコネクタ
4 管
5 コネクタ本体
6 ロック要素
7 プラグコネクタの長手方向軸線
8 第1ケーシング部
9 ケーシング内面
10 ケーシング外面
11 プラグコネクタの密閉受容部
12 環状空間
13 受容空間
14 貫通開口部
15 固定溝
16 係止領域
17 把持領域
18 表示要素
19 第1脚部
20 ロック要素の第1長手方向端部
21 90°要素
22 第1部分領域
23 第2部分領域
24 ばね部分
25 テーパ部
26 受容孔
27 受容溝
28 当接突起
29 表示面
30 符号面
31 符号
32 外側領域
33 溝幅
34 表示要素幅