(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電評価試験器
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240312BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240312BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240312BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240312BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240312BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60L53/12
B60M7/00 X
B60L5/00 B
(21)【出願番号】P 2023006579
(22)【出願日】2023-01-19
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000219004
【氏名又は名称】島田理化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087000
【氏名又は名称】上島 淳一
(72)【発明者】
【氏名】藤山 浩
(72)【発明者】
【氏名】石間 勉
(72)【発明者】
【氏名】田内 良男
(72)【発明者】
【氏名】永月 巧
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/83223(WO,A1)
【文献】特開2013-240130(JP,A)
【文献】特開2020-162310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/12
H02J 7/00
B60L 53/12
B60M 7/00
B60L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車へのワイヤレス給電の評価試験に用いるワイヤレス給電評価試験器であって、
ワイヤレス給電インバータと接続可能な送電コイルと、
前記ワイヤレス給電インバータと通信可能なワイヤレス通信コンバータと、
前記ワイヤレス給電インバータから前記送電コイルを介して送電された電力を受電する受電コイルと、
前記受電コイルと接続された整流器と、
前記ワイヤレス通信コンバータならびに前記整流器に接続されるとともに、プラグイン給電専用車の給電コンセントに挿脱自在な給電プラグと
を有することを特徴とするワイヤレス給電評価試験器。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレス給電評価試験器において、
前記給電プラグを複数備える
ことを特徴とするワイヤレス給電評価試験器。
【請求項3】
請求項2に記載のワイヤレス給電評価試験器において、
前記複数の給電プラグは、少なくともその一部がそれぞれ規格が異なる
ことを特徴とするワイヤレス給電評価試験器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス給電評価試験器に関する。さらに詳細には、本発明は、ワイヤレス給電方式により電気自動車へ給電するに際して、当該ワイヤレス給電の評価試験に用いて好適なワイヤレス給電評価試験器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気自動車(EV:Electric Vehicle)における給電方式として、プラグインによる有線給電方式(本明細書ならびに本特許請求の範囲においては、「プラグインによる有線給電方式」を「プラグイン給電方式」と称する。)と磁界共振方式(磁気結合方式)などを利用した無線による給電方式(本明細書ならびに本特許請求の範囲においては、「磁界共振方式(磁気結合方式)などを利用した無線による給電方式」を「ワイヤレス給電方式」と称する。)とが知られている。
【0003】
一般に、電気自動車を製造するに際して、プラグイン給電方式を採用する場合にはプラグイン給電の専用車(プラグイン給電専用車:プラグイン給電EV)として設計されており、一方、ワイヤレス給電方式を採用する場合にはワイヤレス給電の専用車(ワイヤレス給電専用車:ワイヤレス給電EV)として設計されている。
【0004】
ここで、
図1には、従来のプラグイン給電方式の説明図が示されている。このプラグイン給電方式に用いる電気自動車は、給電コンセントを備えたプラグイン給電専用車として構成されている。
【0005】
図1において、符号10はプラグイン給電専用車のための給電設備であるプラグイン給電器であり、符号20はプラグイン給電専用車である。
【0006】
プラグイン給電器10は、プラグイン給電専用車20に設けられた給電コンセント22に挿脱される給電プラグ12を備えている。
【0007】
また、プラグイン給電専用車20は、上記した給電コンセント22と、給電コンセント22と接続されているバッテリ24と、バッテリ24と接続されているインバータ26と、インバータ26と接続されていてプラグイン給電専用車20の駆動源となるモータ28と、給電コンセント22に接続されている有線通信器29とを有して構成されている。
【0008】
なお、こうしたプラグイン給電器10ならびにプラグイン給電専用車20は従来より公知の技術であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0009】
プラグイン給電専用車20においては、給電コンセント22にプラグイン給電器10の給電プラグ12を装着することにより、プラグイン給電器10からプラグイン給電専用車20のバッテリ24への給電と、有線通信器29から有線通信することができる。
【0010】
一方、
図2には、従来のワイヤレス給電方式の説明図が示されている。このワイヤレス給電方式に用いる電気自動車は、ワイヤレス通信コンバータなどを備えたワイヤレス給電専用車として構成されている。
【0011】
図2において、符号30はワイヤレス給電専用車のための給電設備であるワイヤレス給電インバータであり、符号40はワイヤレス給電専用車である。
【0012】
ワイヤレス給電インバータ30は、駐車場などの路面に設置された送電コイル32と接続されているとともに、ワイヤレス給電専用車40に設けられたワイヤレス通信コンバータ42とワイヤレス通信可能に構成されている。
【0013】
また、ワイヤレス給電専用車40は、上記したワイヤレス通信コンバータ42と、ワイヤレス給電インバータ30から送電コイル32を介して送電された電力を受電する受電コイル44と、受電コイル44と接続された整流器46と、整流器46と接続されたバッテリ48と、バッテリ48と接続されたインバータ50と、インバータ50と接続されていてワイヤレス給電専用車40の駆動源となるモータ52とを有して構成されている。また、上記したワイヤレス通信コンバータ42は、バッテリ48と接続されている。
【0014】
なお、こうしたワイヤレス給電インバータ30ならびにワイヤレス給電専用車40は従来より公知の技術であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0015】
ワイヤレス給電専用車40においては、ワイヤレス給電インバータ30から送電コイル32を介して送電された電力を受電コイル44が受電することにより、ワイヤレス給電インバータ30からワイヤレス給電専用車40のバッテリ48へ給電することができる。
【0016】
上記において説明したように、電気自動車としては、プラグイン給電方式に対応したプラグイン給電専用車とワイヤレス給電方式に対応したワイヤレス給電専用車とが存在している。
【0017】
従来、ワイヤレス給電性能の評価試験を行う際に、プラグイン給電専用車のみしか用意できない場合には、プラグイン給電専用車をワイヤレス給電仕様に改造し、当該改造した電気自動車を用いてワイヤレス給電性能の評価試験を行わざるを得なかった。
【0018】
こうした場合には、プラグイン給電専用車をワイヤレス給電仕様に改造するための改造期間や費用が膨大にかかってしまうという問題点があった。
【0019】
また、プラグイン給電専用車をワイヤレス給電仕様に改造した電気自動車では、ワイヤレス給電性能の評価試験の評価結果に応じた回路の変更も容易ではなく、追加の試験期間や費用も膨大にかかってしまうというさらなる問題点もあった。
【0020】
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記したような従来の技術における種々の問題点などに鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、既存のプラグイン給電専用車をそのまま利用して、簡単にワイヤレス給電の評価試験を行うことができるようにしたワイヤレス給電評価試験器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために、本発明によるワイヤレス給電評価試験器は、送電コイルと受電コイルとを有するとともに、受電コイルにより受電した電力をプラグイン給電専用車に給電するための給電プラグを有するようにしたものである。
【0023】
従って、本発明によるワイヤレス給電評価試験器によれば、ワイヤレス給電インバータから送電コイルへ送電される電力を受電コイルで受電して、受電コイルにより受電した電力を給電プラグを介してプラグイン給電専用車に給電することができるようになる。
【0024】
即ち、本発明によるワイヤレス給電評価試験器は、電気自動車へのワイヤレス給電の評価試験に用いるワイヤレス給電評価試験器であって、ワイヤレス給電インバータと接続可能な送電コイルと、上記ワイヤレス給電インバータと通信可能なワイヤレス通信コンバータと、上記ワイヤレス給電インバータから上記送電コイルを介して送電された電力を受電する受電コイルと、上記受電コイルと接続された整流器と、上記ワイヤレス通信コンバータならびに上記整流器に接続されるとともに、プラグイン給電専用車の給電コンセントに挿脱自在な給電プラグとを有するようにしたものである。
【0025】
また、本発明によるワイヤレス給電評価試験器は、上記した本発明によるワイヤレス給電評価試験器において、上記給電プラグを複数備えるようにしたものである。
【0026】
また、本発明によるワイヤレス給電評価試験器は、上記した本発明によるワイヤレス給電評価試験器において、上記複数の給電プラグは、少なくともその一部がそれぞれ規格が異なるようにしたものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、以上説明したように構成されているので、既存のプラグイン給電専用車をそのまま利用して、簡単にワイヤレス給電の評価試験を行うことが可能になるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、従来のプラグイン給電方式の説明図である。
【
図2】
図2は、従来のワイヤレス給電方式の説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器の構成を示す説明図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すワイヤレス給電評価試験器を用いてワイヤレス給電性能の評価試験を行う手法を示す説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器の構成を示す説明図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すワイヤレス給電評価試験器を用いてワイヤレス給電性能の評価試験を行う手法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるワイヤレス給電評価試験器の実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
【0030】
なお、以下の説明においては、同一または相当する構成については、適宜にそれぞれ同一の符号を用いて示すこととして、それらの詳細な説明については適宜に省略する。
【0031】
(I) 本発明の第1の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器についての説明
ここで、
図3には、本発明の第1の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器の構成を示す説明図があらわされている。
【0032】
また、
図4には、
図3に示すワイヤレス給電評価試験器を用いてワイヤレス給電性能の評価試験を行う手法を示す説明図があらわされている。
【0033】
図3に示すように、本発明の第1の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器100は、筐体H内に、ワイヤレス給電インバータ30と接続可能な送電コイル102(上記した送電コイル32と同様な作用を行う構成を備える。)と、ワイヤレス給電インバータ30と通信可能なワイヤレス通信コンバータ104(上記したワイヤレス通信コンバータ42と同様な作用を行う構成を備える。)と、ワイヤレス給電インバータ30から送電コイル102を介して送電された電力を受電する受電コイル106(上記した受電コイル44と同様な作用を行う構成を備える。)と、受電コイル106と接続された整流器108(上記した整流器46と同様な作用を行う構成を備える。)とが配設されている。
【0034】
ワイヤレス給電評価試験器100は、さらに、筐体H内に位置する一方の端部110aをワイヤレス通信コンバータ104ならびに整流器108に接続されるとともに筐体Hの外部へ延設されたケーブル110と、ケーブル110における筐体Hの外部の他方の端部110bと接続された出力端である給電プラグ112(上記した給電プラグ12と同様な作用を行う構成を備える。)とを有して構成されている。
【0035】
この給電プラグ112は、プラグイン給電専用車20の給電コンセント22に対して挿脱自在に構成されている。
【0036】
プラグイン給電専用車20の給電コンセント22に給電プラグ112が装着されると、受電コイル106により受電した電力が給電コンセント22を介してバッテリ24へ給電されるとともに、プラグイン給電専用車20の有線通信器29とワイヤレス通信コンバータ104とが接続され、有線通信器29の有線通信信号がワイヤレス通信コンバータ104においてワイヤレス仕様に変換される。
【0037】
こうしたワイヤレス給電評価試験器100においては、ケーブル100を介して、ワイヤレス通信コンバータ104ならびに整流器108と給電プラグ112とが接続されている。
【0038】
給電プラグ112と接続されたワイヤレス通信コンバータ104は、上記したように給電プラグ112を介して送信された有線通信器29の有線通信信号をワイヤレス仕様に変換する。
【0039】
また、このワイヤレス通信コンバータ104は、プラグイン給電専用車20とワイヤレス給電インバータ30との間で必要な各種の制御通信を行う。
【0040】
以上の構成において、
図4を参照しながら、既存のプラグイン給電専用車(プラグイン給電EV)20をそのまま利用して、ワイヤレス給電評価試験器100によりワイヤレス給電の評価試験を行う手法について説明する。
【0041】
ワイヤレス給電評価試験器100によりワイヤレス給電の評価試験を行うに際しては、送電コイル102をワイヤレス給電インバータ30と接続するとともに、給電プラグ112をプラグイン給電専用車20の給電コンセント22に装着する。
【0042】
これにより、ワイヤレス給電評価試験器100においては、ワイヤレス給電インバータ30に接続された送電コイル102を介して送電された電力を受電コイル106が受電する。
【0043】
こうして受電コイル106が受電した電力は、整流器108ならびに給電プラグ112を介してプラグイン給電専用車20の給電コンセント22へ出力され、これによりプラグイン給電専用車20のバッテリ24への給電を行うことが可能となって、ワイヤレス給電の評価試験を行うことができることになる。
【0044】
以上において説明したように、ワイヤレス給電評価試験器100を用いることにより、ワイヤレス給電の評価試験に際して、従来のプラグイン給電専用車20を何らの改造を行うことなく利用することができる。
【0045】
しかも、給電プラグ112が装着可能な規格を備えた給電コンセント22を有するプラグイン給電専用車20であれば、どのようなプラグイン給電専用車20でもワイヤレス給電評価試験器100と接続することができ、また、ワイヤレス給電の評価試験を終了する際には給電コンセント22から給電プラグ112を取り外せばよいので、プラグイン給電専用車20に対するワイヤレス給電評価試験器100自体の取り外しも容易である。
【0046】
また、ワイヤレス給電評価試験器100によれば、従来のプラグイン給電専用車20に搭載されている既存の充電システム(給電コンセント22、バッテリ24、インバータ26、モータ28などである。)をそのまま利用することができる。
【0047】
なお、ワイヤレス給電評価試験器100の電源(図示せず)の駆動や給電状態の監視などについては、例えば、携帯通信端末を用いた通信により制御したり監視したりするようにしてもよい。
【0048】
従って、上記したようにワイヤレス給電評価試験器100によれば、既存のプラグイン給電専用車20を何らの改造も行うことなくそのまま利用して、簡単にワイヤレス給電の評価試験を行うことができるようになる。
【0049】
(II) 本発明の第2の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器についての説明
ここで、
図5には、本発明の第2の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器の構成を示す説明図があらわされている。
【0050】
また、
図6には、
図5に示すワイヤレス給電評価試験器を用いてワイヤレス給電性能の評価試験を行う手法を示す説明図があらわされている。
【0051】
本発明の第2の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器200は、上記した本発明の第1の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器100が1個の給電プラグ112を備えているのに対して、異なる規格の複数(本発明の第2の実施の形態においては3個である。)の給電プラグ202A、202B、202Cを備えている点において、上記した本発明の第1の実施の形態によるワイヤレス給電評価試験器100と異なっている。
【0052】
ワイヤレス給電評価試験器200においては、ワイヤレス給電評価試験器100と同様に、ケーブル204A、204B、204Cをそれぞれ介して、ワイヤレス通信コンバータ104ならびに整流器108と給電プラグ202A、202B、202Cとがそれぞれ接続されている。
【0053】
具体的には、ワイヤレス給電評価試験器200は、筐体H内に位置する一方の端部204Aaをワイヤレス通信コンバータ104ならびに整流器108に接続されるとともに筐体Hの外部へ延設されたケーブル204Aを備え、ケーブル204Aにおける筐体Hの外部の他方の端部204Abに給電プラグ202Aが接続されている。
【0054】
また、ワイヤレス給電評価試験器200は、筐体H内に位置する一方の端部204Baをワイヤレス通信コンバータ104ならびに整流器108に接続されるとともに筐体Hの外部へ延設されたケーブル204Bを備え、ケーブル204Bにおける筐体Hの外部の他方の端部204Bbに給電プラグ202Bが接続されている。
【0055】
さらに、ワイヤレス給電評価試験器200は、筐体H内に位置する一方の端部204Caをワイヤレス通信コンバータ104ならびに整流器108に接続されるとともに筐体Hの外部へ延設されたケーブル204Cを備え、ケーブル204Cにおける筐体Hの外部の他方の端部204Cbに給電プラグ202Cが接続されている。
【0056】
従って、このワイヤレス給電評価試験器200によれば、それぞれの規格に応じた給電プラグ202A、202B、202Cとワイヤレス給電インバータ30からの通信信号を使用して、既存のプラグイン給電専用車20に接続することが可能である。
【0057】
具体的には、例えば、給電プラグ202Aは規格Aに対応し、給電プラグ202Bは規格Bに対応し、給電プラグ202Cは規格Cに対応するものとする。
【0058】
また、既存のプラグイン給電専用車については、プラグイン給電専用車20Aは規格Aに対応し、プラグイン給電専用車20Bは規格Bに対応し、プラグイン給電専用車20Cは規格Cに対応するものとする。
【0059】
こうした場合において、
図6に示すように、プラグイン給電専用車20Aを用いたワイヤレス給電の評価試験に際しては、ワイヤレス給電評価試験器200の給電プラグ202Aを、プラグイン給電専用車20Aの給電ソケット22Aに装着して用いるようにすればよい。
【0060】
同様に、
図6に示すように、プラグイン給電専用車20Bを用いたワイヤレス給電の評価試験に際しては、ワイヤレス給電評価試験器200の給電プラグ202Bを、プラグイン給電専用車20Bの給電ソケット22Bに装着して用いるようにすればよい。
【0061】
さらに、
図6に示すように、プラグイン給電専用車20Cを用いたワイヤレス給電の評価試験に際しては、ワイヤレス給電評価試験器200の給電プラグ202Cを、プラグイン給電専用車20Cの給電ソケット22Cに装着して用いるようにすればよい。
【0062】
このように、それぞれの規格の給電プラグ202A、202B、202Cを選択して用いることにより、それぞれの規格のプラグイン給電専用車20A、20B、20Cを改造することなく利用することができる。
【0063】
また、ワイヤレス給電評価試験器200によれば、ワイヤレス給電評価試験器100と同様に、従来のプラグイン給電専用車20A、20B、20Cに搭載されている既存の充電システム(給電コンセント22、バッテリ24、インバータ26、28などである。)をそのまま利用することができる。
【0064】
(III) その他の実施の形態について
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができるものである。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換えあるいは変更などを適宜に行うことができる。
【0065】
例えば、上記した実施の形態は、以下の(III-1)乃至(III-6)に説明するように変形してもよい。
【0066】
(III-1) 上記した各実施の形態においては、プラグイン給電専用車に関する詳細な説明は省略したが、プラグイン給電専用車にはプラグインハイブリッド車も含まれることは勿論である。
【0067】
(III-2) 上記した各実施の形態においては、筐体H内に送電コイル102とワイヤレス通信コンバータ104と受電コイル16と整流器108とが配設されている場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。即ち、送電コイル102とワイヤレス通信コンバータ104と受電コイル16と整流器108とは必ずしも筐体H内に配設される必要なく、設計条件や使用条件などに応じて適宜の場所に配置されていてもよい。
【0068】
(III-4) 上記した第2の実施の形態においては、異なる規格の複数の給電プラグとして、3個の給電プラグを備える場合について説明したが、給電プラグの数は3個に限られるものではないことは勿論である。給電プラグの数は、2個でもよいし、あるいは4個以上でもよい。
【0069】
(III-5) 上記した第2の実施の形態においては、複数の給電プラグがそれぞれ異なる規格を備えるものである場合について説明したが、複数の給電プラグが全て同一の規格であってもよいし、あるいは、複数の給電プラグの一部がそれぞれ同一の規格であってもよいことは勿論である。換言すれば、複数の給電プラグは、少なくともその一部がそれぞれ規格が異なるようにしてもよい。
【0070】
(III-6) 上記した実施の形態ならびに上記した(III-1)乃至(III-5)に示す各実施の形態や変形例などは、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、ワイヤレス給電方式により電気自動車へ給電するに際して、当該ワイヤレス給電の評価試験に用いると極めて有用である。
【符号の説明】
【0072】
10 プラグイン給電器
12 給電プラグ
20 プラグイン給電専用車
20A プラグイン給電専用車
20B プラグイン給電専用車
20C プラグイン給電専用車
22 給電コンセント
22A 給電コンセント
22B 給電コンセント
22C 給電コンセント
24 バッテリ
26 インバータ
28 モータ
29 有線通信器
30 ワイヤレス給電インバータ
32 送電コイル
40 ワイヤレス給電専用車
42 ワイヤレス通信コンバータ
44 受電コイル
46 整流器
48 バッテリ
50 インバータ
52 モータ
100 ワイヤレス給電評価試験器
102 送電コイル
104 ワイヤレス通信コンバータ
106 受電コイル
108 整流器
110 ケーブル
110a ケーブルの一方の端部
110b ケーブルの他方の端部
112 給電プラグ
200 ワイヤレス給電評価試験器
202A 給電プラグ
202B 給電プラグ
202C 給電プラグ
204A ケーブル
204Aa ケーブルの一方の端部
204Ab ケーブルの他方の端部
204B ケーブル
204Ba ケーブルの一方の端部
204Bb ケーブルの他方の端部
204C ケーブル
204Ca ケーブルの一方の端部
204Cb ケーブルの他方の端部
H 筐体
【要約】
【課題】既存のプラグイン給電専用車をそのまま利用して、簡単にワイヤレス給電の評価試験を行うことができるようにする。
【解決手段】電気自動車へのワイヤレス給電の評価試験に用いるワイヤレス給電評価試験器であって、ワイヤレス給電インバータと接続可能な送電コイルと、ワイヤレス給電インバータと通信可能なワイヤレス通信コンバータと、ワイヤレス給電インバータから送電コイルを介して送電された電力を受電する受電コイルと、受電コイルと接続された整流器と、ワイヤレス通信コンバータならびに整流器に接続されるとともに、プラグイン給電専用車の給電コンセントに挿脱自在な給電プラグとを有する。
【選択図】
図3