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特許7453504患者情報表示制御プログラム、患者情報表示制御方法および情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】患者情報表示制御プログラム、患者情報表示制御方法および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20240313BHJP
【FI】
G16H10/60
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019232958
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021101299
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 燈
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-107883(JP,A)
【文献】特開2008-243089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
情報の一覧表示の対象となる患者を検索する検索条件を受け付け、
複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータとアクセス制限に関する情報とが登録された患者データベースに基づいて、前記複数の患者の中から前記検索条件を満たす第1の患者を抽出し、
前記第1の患者のうち前記患者データベースに基づくアクセス制限が設定された第2の患者が前記検索条件を満たす場合であっても、前記第1の患者のうち前記第2の患者を除く他の患者のそれぞれについて、前記複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示し、特定された前記第2の患者の人数を示す人数表示部を前記一覧表とともに表示し、
前記人数表示部に対する選択入力を受け付けると、前記患者データベースに基づき、前記第2の患者のそれぞれについて、前記複数の項目のうち限定された項目に対応するデータを一覧表示する、
処理を実行させる患者情報表示制御プログラム。
【請求項2】
コンピュータが、
情報の一覧表示の対象となる患者を検索する検索条件を受け付け、
複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータとアクセス制限に関する情報とが登録された患者データベースに基づいて、前記複数の患者の中から前記検索条件を満たす第1の患者を抽出し、
前記第1の患者のうち前記患者データベースに基づくアクセス制限が設定された第2の患者が前記検索条件を満たす場合であっても、前記第1の患者のうち前記第2の患者を除く他の患者のそれぞれについて、前記複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示し、特定された前記第2の患者の人数を示す人数表示部を前記一覧表とともに表示し、
前記人数表示部に対する選択入力を受け付けると、前記患者データベースに基づき、前記第2の患者のそれぞれについて、前記複数の項目のうち限定された項目に対応するデータを一覧表示する、
患者情報表示制御方法。
【請求項3】
複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータとアクセス制限に関する情報とが登録された患者データベースを記憶する記憶部と、
情報の一覧表示の対象となる患者を検索する検索条件を受け付け、前記患者データベースに基づいて、前記複数の患者の中から前記検索条件を満たす第1の患者を抽出し、前記第1の患者のうち前記患者データベースに基づくアクセス制限が設定された第2の患者が前記検索条件を満たす場合であっても、前記第1の患者のうち前記第2の患者を除く他の患者のそれぞれについて、前記複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示し、特定された前記第2の患者の人数を示す人数表示部を前記一覧表とともに表示し、前記人数表示部に対する選択入力を受け付けると、前記患者データベースに基づき、前記第2の患者のそれぞれについて、前記複数の項目のうち限定された項目に対応するデータを一覧表示する処理部と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者情報表示制御プログラム、患者情報表示制御方法および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理技術の進歩に伴い、医療分野においてもデータベースの活用が進んでいる。例えば、患者それぞれに関する各種の情報をデータベースに保存し、医師などの医療従事者が検索条件を指定して患者や患者に関する情報を検索できる技術の導入が進んでいる。
【0003】
医療分野でのデータベースの活用に関しては、例えば、ユーザのPHR(Personal Health Record)データに基づいて推定される健康リスクをユーザやその主治医に提供するヘルスケアクラウドが提案されている。
【0004】
また、情報表示に関しては、例えば、ユーザに対してコミュニティ一覧画面を提供する際、そのユーザのメンバタイプに応じて、非公開制のコミュニティの表示/非表示を制御するようにしたコミュニティサーバが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-97895号公報
【文献】特開2002-342232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子カルテシステムなどの患者データベースでは、特定の患者にアクセス制限(閲覧制限)を設定できるものがある。このようなアクセス制限は、一般的に、患者を指定してその患者に関する情報を閲覧する際に、あらかじめ設定された特定のユーザのみがその患者の情報を閲覧できるように制限をかけるものである。
【0007】
しかし、このようなアクセス制限が、検索条件に合致する患者の情報を一覧表示する際に適用されない場合には、アクセス制限が設定された患者に関する情報も表示されてしまい、その患者のプライバシー保護に関して問題が生じ得る。
【0008】
1つの側面では、本発明は、患者の検索結果を表示する際に特定の患者のプライバシーを保護可能な患者情報表示制御プログラム、患者情報表示制御方法および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの案では、コンピュータに、情報の一覧表示の対象となる患者を検索する検索条件を受け付け、複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータとアクセス制限に関する情報とが登録された患者データベースに基づいて、複数の患者の中から検索条件を満たす第1の患者を抽出し、第1の患者のうち患者データベースに基づくアクセス制限が設定された第2の患者が検索条件を満たす場合であっても、第1の患者のうち第2の患者を除く他の患者のそれぞれについて、複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示する、処理を実行させる患者情報表示制御プログラムが提供される。
【0010】
また、1つの案では、上記の患者情報表示制御プログラムにしたがった処理と同様の処理をコンピュータが実行する患者情報表示制御方法が提供される。
さらに、1つの案では、上記の患者データベースを記憶する記憶部と、この患者データベースを用いて、上記の患者情報表示制御プログラムにしたがった処理と同様の処理を実行する処理部とを有する情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、患者の検索結果を表示する際に特定の患者のプライバシーを保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの構成例および処理例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】サーバの処理機能の構成例を示すブロック図である。
図5】患者データベースのデータ構成例を示す図である。
図6】検索結果表示画面の表示例を示す第1の図である。
図7】患者グループ設定画面の表示例を示す図である。
図8】検索結果一覧表の表示例を示す第1の図である。
図9】検索結果一覧表の表示例を示す第2の図である。
図10】検索結果表示画面の表示例を示す第2の図である。
図11】制限患者表示画面の表示例を示す図である。
図12】検索結果の表示処理手順を示すフローチャートの例である。
図13】患者分類処理の手順を示すフローチャートの例である。
図14】制限患者一覧表示処理の手順を示すフローチャートの例である。
図15】患者情報表示処理の手順を示すフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システムの構成例および処理例を示す図である。図1に示す情報処理システムは、記憶部1と処理部2を有する。記憶部1と処理部2は、例えば、同一の情報処理装置内に含まれる。この場合、例えば、記憶部1は、ある情報処理装置に搭載された記憶装置として実現され、処理部2は、その情報処理装置に搭載されたプロセッサとして実現される。また、記憶部1と処理部2は、それぞれ個別の装置として存在してもよい。
【0014】
記憶部1は、患者データベース1aを記憶する。患者データベース1aには、複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータが登録されている。また、患者データベース1aには、複数の患者のそれぞれについて、アクセス制限に関する情報も登録されている。アクセス制限は、患者データベース1aの情報を閲覧するユーザに対する閲覧の制限である。アクセス制限に関する情報としては、例えば、アクセス制限の有無を示す情報、アクセスを制限するユーザの条件を示す情報などがある。
【0015】
処理部2は、患者データベース1aから、検索条件を満たす患者の情報を検索して、検索された患者の情報を図示しない表示装置に一覧表示することが可能になっている。この検索および一覧表示の処理は、次のように実行される。
【0016】
処理部2は、情報の一覧表示の対象となる患者を検索するための検索条件を受け付ける。検索条件としては、例えば、患者データベース1aにおける1以上の項目に関する条件が適用される。処理部2は、患者データベース1aに基づき、この患者データベース1aに登録された患者の中から、検索条件を満たす患者を抽出する。図1の例では、このような患者として患者P1~P5が抽出されたとする。
【0017】
次に、処理部2は、検索された患者についてのデータを一覧表示した一覧表2aを表示する。ここで、検索された患者P1~P5のうち、患者P3,P5については、患者データベース1aに基づくアクセス制限が設定されていたとする。この場合、処理部2は、患者P3,P5が検索条件を満たす場合であっても、患者P3,P5についてのデータを一覧表2aに表示しない。すなわち、処理部2は、患者P1~P5のうち、患者P3,P5を除く他の患者P1,P2,P4のそれぞれについて、複数の項目それぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表2aを表示する。図1に例示した一覧表2aでは、患者P1,P2,P4のそれぞれについて、項目A1~A3に対応するデータが一覧表示されている。
【0018】
このような処理によれば、アクセス制限が設定された患者が検索された場合に、その患者に関する複数の項目についてのデータを一覧表2aに表示しないようにして、その患者のプライバシーを保護することができる。したがって、第1の実施の形態によれば、患者の検索結果を表示する際に特定の患者のプライバシーを保護できる。
【0019】
〔第2の実施の形態〕
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示す情報処理システムは、サーバ100および端末装置200,200a,200b,・・・を含む。サーバ100と端末装置200,200a,200b,・・・とは、ネットワーク300を介して接続されている。ネットワーク300は、例えば、LAN(Local Area Network)でもよいし、WAN(Wide Area Network)やインターネットなどの広域ネットワークでもよい。なお、サーバ100は、図1に示した記憶部1および処理部2を備える情報処理装置の一例である。
【0020】
サーバ100は、複数の患者情報が登録された患者データベースを記憶する。患者情報には、患者に関する複数項目の情報が登録される。例えば、患者の氏名や性別などの属性情報、患者の診察や入院の日程やそれらの内容、患者の検査結果や診断結果などの情報が、患者情報に登録される。また、サーバ100は、端末装置200,200a,200b,・・・からの検索要求に応じて、患者データベースから検索条件に合致する患者を検索し、検索された患者に関する患者情報を要求元の端末装置に一覧表示させる。
【0021】
端末装置200,200a,200b,・・・は、ユーザが使用するクライアントコンピュータである。端末装置200,200a,200b,・・・を使用するユーザとしては、医師や看護師、検査技師、医療事務担当者などの医療機関に勤務する者が考えられる。この場合、サーバ100の患者データベースには、例えば、この医療機関にかかっている患者に関する情報が記憶される。
【0022】
このように、図2に示す情報処理システムは、患者データベースに登録された患者情報をユーザが閲覧することを可能とするシステムである。この情報処理システムは、例えば、電子カルテシステムの一部として実現される。
【0023】
図3は、サーバのハードウェア構成例を示す図である。サーバ100は、例えば、図3に示すようなコンピュータとして実現される。
サーバ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。なお、プロセッサ101は、図1に示した処理部2の一例である。
【0024】
プロセッサ101には、バス108を介して、RAM102(Random Access Memory)と複数の周辺機器が接続されている。
RAM102は、サーバ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0025】
バス108に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィックインタフェース(I/F)104、入力インタフェース(I/F)105、読み取り装置106および通信インタフェース(I/F)107がある。
【0026】
HDD103は、サーバ100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。なお、HDD103またはRAM102は、図1に示した記憶部1の一例である。
【0027】
グラフィックインタフェース104には、ディスプレイ104aが接続されている。グラフィックインタフェース104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像をディスプレイ104aに表示させる。ディスプレイとしては、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)などがある。
【0028】
入力インタフェース105には、入力デバイス105aが接続されている。入力インタフェース105は、入力デバイス105aから出力される信号をプロセッサ101に送信する。入力デバイス105aとしては、キーボードやポインティングデバイスなどがある。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0029】
読み取り装置106には、可搬型記録媒体106aが脱着される。読み取り装置106は、可搬型記録媒体106aに記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体106aとしては、光ディスク、半導体メモリなどがある。
【0030】
通信インタフェース107は、ネットワーク300を介して端末装置200,200a,200b,・・・などの他の装置との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、サーバ100の処理機能を実現することができる。なお、端末装置200,200a,200b,・・・も図3に示すようなコンピュータとして実現することができる。
【0031】
図4は、サーバの処理機能の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、サーバ100は、記憶部110、検索処理部120および表示制御部130を有する。記憶部110は、例えば、RAM102またはHDD103に確保された記憶領域として実装される。検索処理部120および表示制御部130の処理は、例えば、プロセッサ101が所定のプログラムを実行することで実現される。
【0032】
記憶部110は、患者データベース111、閲覧者データベース112および検索管理データベース113を記憶する。
患者データベース111には、前述のように、複数の患者のそれぞれについての患者情報が登録されている。また、患者データベース111には、各患者情報に対するアクセス制限に関する情報も登録されている。
【0033】
閲覧者データベース112には、患者情報を閲覧するユーザ(閲覧者)についての情報が登録されている。閲覧者データベース112には、ユーザごとに、例えば、ユーザの識別番号、氏名、役職などが登録されている。なお、ユーザ(閲覧者)とは、端末装置200,200a,200b,・・・を利用して患者データベース111の情報を閲覧するユーザであり、例えば医師や看護師などである。
【0034】
検索管理データベース113には、検索条件にしたがって患者データベース111から検索された各患者についての情報を一覧表示する検索結果表示画面を表示するための情報が登録されている。検索管理データベース113は、患者グループごとのレコードを含んでいる。
【0035】
患者グループとは、患者グループに対応付けて設定された検索条件にしたがって患者データベース111から検索される患者のグループである。サーバ100における検索処理では、患者グループ名が選択されることで、その患者グループ名に対応付けられた検索条件にしたがって患者データベース111から患者が検索され、検索された患者についての情報を示す検索結果表示画面が表示される。
【0036】
患者グループごとのレコードには、患者グループの識別情報や、患者グループに対応する検索条件が登録されている。また、これらのレコードには、検索結果表示画面の各種表示欄にどのような情報を表示させるかを示す定義情報が登録されている。例えば、検索結果表示画面に後述する付帯項目および通常項目が表示される場合、付帯項目および通常項目のそれぞれに、患者データベース111の項目のうちのどの項目の情報を表示させるかを示す定義情報が登録される。
【0037】
検索処理部120は、端末装置からの検索要求を表示制御部130を介して受け付け、患者データベース111から検索条件に合致する患者を検索する。検索処理部120は、検索された各患者についての情報を患者データベース111から読み出して表示制御部130に受け渡し、検索結果表示画面の表示を依頼する。
【0038】
表示制御部130は、端末装置200,200a,200b,・・・から検索要求を受信し、検索処理部120に対して検索要求に応じた検索の実行を依頼する。そして、表示制御部130は、検索された各患者についての情報を検索処理部120から受け取り、それらの情報が一覧表示された検索結果表示画面を検索管理データベース113に基づいて生成して、検索要求元の端末装置の表示装置に表示させる。
【0039】
図5は、患者データベースのデータ構成例を示す図である。図5に示すように、患者データベース111は、患者ごとのレコード111aを含む。各患者のレコード111aには、基本情報、入院情報、手術情報、診察情報、文書関連情報、検査情報およびアクセス制限情報が登録される。
【0040】
基本情報は、患者の識別番号、患者名、患者の年齢や性別など、患者に関する基本的な情報を含む。入院情報は、入院日、退院日、入院先の病棟や病室、診療科、担当医など、入院に関する情報を含む。手術情報は、手術の日時、手術の種別を示す術式、執刀医、補助者など、手術に関する情報を含む。診察情報は、診察予約日時、診察日時、診療科、担当医など、診察に関する情報を含む。
【0041】
文書関連情報は、入院診療計画書、栄養管理計画書、手術の説明書や同意書などの各種の文書に関する情報を含む。例えば、文書関連情報には、それらの文書の作成状況を示す情報や、それらの文書のデータ位置を示すリンク情報などが含まれる。検査情報は、患者に対する検査結果を示す情報を含む。検査情報には、検査の項目ごとに検査結果のデータが登録される。
【0042】
アクセス制限情報は、患者の情報に対するアクセス制限(閲覧制限)に関する情報を含む。具体的には、アクセス制限情報には、制限種別、患者種別、閲覧者条件およびパスワードが登録される。
【0043】
制限種別は、患者の情報にアクセス制限が設定されているか否かを示す。本実施の形態において、アクセス制限とは、患者に関する少なくとも一部の情報についての閲覧を制限することを意味する。本実施の形態では例として、患者のレコード111aに含まれる、閲覧の対象となる情報(すなわち、アクセス制限情報以外の情報)のうち、基本情報以外の情報がアクセス制限の対象になるものとする。
【0044】
患者種別は、アクセス制限に関する患者の種別を示す。この種別は、アクセスを制限する理由に応じてアクセス制限の強度を設定できるようにするためのものであり、本実施の形態では、通常の患者を示す「通常」と、より強いアクセス制限が必要な特別な患者を示す「VIP(Very Important Person)」とがある。
【0045】
閲覧者条件は、アクセス制限が設定されている場合に、閲覧(アクセス)を許可するユーザの条件を示す。閲覧者条件としては、例えば、ユーザの役職、ユーザを特定する識別番号などが設定される。
【0046】
パスワードは、閲覧者条件に合致するユーザが患者を指定してその患者の情報を閲覧しようとする際に、ユーザに対して入力を求めるパスワードを示す。すなわち、パスワードは、アクセス制限が設定されている場合にのみ設定され得る。アクセス制限が設定されており、かつパスワードが設定されている場合、ユーザは閲覧の際にパスワードが必要となる。一方、アクセス制限が設定されているが、パスワードが設定されていない場合、ユーザはパスワードを入力せずに閲覧できる。
【0047】
次に、検索結果表示画面について説明する。
図6は、検索結果表示画面の表示例を示す第1の図である。図6に示す検索結果表示画面400は、患者グループを選択するための選択領域410と、検索結果一覧表420と、検索件数表示部460とを含む。ただし、後述するように、図6は、検索された患者のすべてについて、検索結果表示画面400を閲覧するユーザがアクセス権(閲覧権)を有している場合の表示例を示している。
【0048】
選択領域410には、それぞれ患者グループを選択するための選択ボタン411~413が表示される。選択ボタン411~413に対する選択操作が行われることで、選択された選択ボタンに対応する患者がその選択ボタンに対応する患者グループとして患者データベース111から検索される。そして、検索された患者に関する情報が検索結果一覧表420に一覧表示される。
【0049】
図6の例では、「入院」「予約」「手術」という名称の患者グループが設定されており、選択ボタン411,412,413がそれぞれ「入院」「予約」「手術」の患者グループに対応付けられている。例えば、選択ボタン411に対する選択操作が行われると、患者グループ「入院」に対応する検索条件が検索管理データベース113から取得され、取得された検索条件に合致する患者が患者データベース111から検索される。そして、検索された患者に関する情報が検索結果一覧表420に表示される。
【0050】
検索結果一覧表420は、項目名が表示される項目表示領域430と、検索された各患者に対応するレコード441a~441eを含む。レコード441a~441eのそれぞれには、検索された患者に関する情報が基本的に行方向(横方向)に配列して表示される。なお、図6では例として患者5人分のレコードが表示されているが、例えば、画面の上下方向のスクロールによって、検索された他の患者のレコードが表示されるようにしてもよい。
【0051】
各患者のレコード441a~441eには、基本情報欄451、付帯情報欄452a,452bおよび通常情報欄が、行方向に配列される(すなわち、同一の行に配置される)。図6では例として、6個の通常情報についての通常情報欄453a~453fが配列されている。
【0052】
基本情報欄451には、患者の識別番号や氏名など、患者の基本的な情報(基本情報)が表示される。これらの情報は、患者データベース111に基本情報として登録された情報から抽出される。
【0053】
付帯情報欄452a,452bのそれぞれには、検索管理データベース113に定義された付帯項目のデータ(付帯情報)が表示される。付帯情報欄452a,452bのそれぞれには、複数の付帯項目のデータを表示可能になっており、その場合には各付帯項目のデータが列方向(縦方向)に配列して表示される。
【0054】
項目表示領域430においては、付帯情報欄452aに対応する位置に付帯項目名表示部431が表示され、付帯情報欄452bに対応する位置に付帯項目名表示部432が表示される。付帯項目名表示部431には、付帯情報欄452aに表示されるデータの項目名が表示される。付帯情報欄452aに複数の項目のデータが列方向に配列される場合、付帯項目名表示部431にも、それらの項目の項目名が列方向に配列して表示される。同様に、付帯項目名表示部432には、付帯情報欄452bに表示されるデータの項目名が表示される。付帯情報欄452bに複数の項目のデータが列方向に配列される場合、付帯項目名表示部432にも、それらの項目の項目名が列方向に配列して表示される。
【0055】
通常情報欄453a~453fのそれぞれには、検索管理データベース113に定義された通常項目のデータ(通常情報)が表示される。通常情報欄453a~453fのそれぞれには、1種類の通常項目のデータのみが表示される。したがって、各患者のレコード441a~441eにおいては、通常項目のデータはすべて行方向に配列される。
【0056】
項目表示領域430においては、通常情報欄453a~453fに対応する位置にそれぞれ通常項目名表示部433a~433fが表示される。通常項目名表示部433a~433fには、それぞれ通常情報欄453a~453fに表示されるデータの項目名が表示される。また、項目表示領域430においては、通常項目名を項目内容の種類ごとに分類できるようになっている。例えば図6では、通常項目名表示部433a,433bの項目名が分類名表示部434aに表示される分類名によって分類され、通常項目名表示部433c,433dの項目名が分類名表示部434bに表示される分類名によって分類されている。なお、通常項目として表示される項目名や、各項目の分類に関する情報は、検索管理データベース113に設定される。
【0057】
検索件数表示部460には、検索条件に合致する検索結果の件数(患者数)が表示される。図6の例では、30件の検索結果を得られたことが検索件数表示部460に表示されている。
【0058】
ここで、患者グループの選択に応じた検索処理について説明する。前述のように、患者グループのそれぞれに対して、患者を検索するための検索条件が設定される。検索条件は、次の図7に示すような患者グループ設定画面を用いて設定される。
【0059】
図7は、患者グループ設定画面の表示例を示す図である。図7に示すように、患者グループ設定画面500は、患者グループを選択するための選択領域510と、検索条件が設定される検索条件設定領域520を含む。
【0060】
選択領域510には、「入院」「予約」「手術」のタブが表示されている。「入院」タブが選択されることで、検索条件設定領域520において患者グループ「入院」についての検索条件を設定可能になる。「予約」タブが選択されることで、検索条件設定領域520において患者グループ「予約」についての検索条件を設定可能になる。「手術」タブが選択されることで、検索条件設定領域520において患者グループ「手術」についての検索条件を設定可能になる。
【0061】
図7の例では「入院」タブが選択されており、このとき検索条件設定領域520には、患者グループ「入院」についての検索条件を設定するための設定領域521~525が表示されている。
【0062】
設定領域521では、検索区分として「入院日」「退院日」「入院中」のいずれかを選択可能になっており、設定領域522では、検索期間を設定可能になっている。検索区分として「入院日」が選択されている場合、入院日が検索期間に含まれている患者が検索の対象となる。検索区分として「退院日」が選択されている場合、退院日が検索期間に含まれている患者が検索の対象となる。検索区分として「入院中」が選択されている場合、検索期間において入院している患者が検索の対象となる。
【0063】
設定領域523では、診療科が選択的に設定可能になっている。設定領域524では、患者が入院している病棟を示す情報が選択的に設定可能になっている。設定領域525では、患者の担当医が選択的に設定可能になっている。
【0064】
以上の図7の例では、設定領域521,522、設定領域523、設定領域524、設定領域525でそれぞれ指定される検索条件をすべて満たす患者が、患者グループ「入院」に属する患者として患者データベース111から検索されるようになる。また、図7の例のように、患者グループ「入院」が選択された場合、患者の入院に関する情報が検索条件として設定される。
【0065】
また、図示しないが、患者グループ「予約」が選択された場合、患者の診察予約に関する情報が検索条件として設定される。例えば、予約日の期間や、診察が行われる診療科、診察を担当する担当医、診察内容の種別、診察時の検査内容などが、検索条件として設定される。さらに、また、図示しないが、患者グループ「手術」が選択された場合、患者の手術に関する情報が検索条件として設定される。例えば、手術日の期間、手術内容の種別を示す術式、手術を担当する執刀医や助手などが、検索条件として設定される。
【0066】
図8は、検索結果一覧表の表示例を示す第1の図である。図8では例として、患者グループ「入院」が選択された場合の表示例を示す。
まず、図8を用いて、各レコードの基本情報欄451に表示される項目について説明する。前述のように、基本情報欄451には、患者の基本的な情報(基本情報)が表示される。図8の例では、基本情報欄451には、患者の識別番号、患者のカナ氏名(氏名をカナで表記したもの)、患者の漢字氏名(氏名を漢字で表記したもの)、患者の年齢の各項目のデータが、列方向に配列して表示されている。
【0067】
次に、付帯項目名表示部431,432および付帯情報欄452a,452bについて説明する。付帯項目名表示部431には、列方向に対して最大で4つの項目名を表示可能になっている。これらの項目名は、付帯情報欄452aに表示される付帯項目を示している。同様に、付帯項目名表示部432には、列方向に対して最大で4つの項目名を表示可能になっている。これらの項目名は、付帯情報欄452bに表示される付帯項目を示している。
【0068】
前述のように、付帯情報欄452a,452bのそれぞれに対しては、患者グループごとに個別に設定された付帯項目のデータを表示できるようになっている。図8では、患者グループ「入院」に対して設定された付帯項目の項目名が、付帯項目名表示部431,432に表示されている。
【0069】
付帯項目名表示部431においては、付帯項目の項目名として「入院日」「退院日」「病棟/病室」「診療科」が、列方向に対して上から順に配列して表示されている。したがって、患者グループ「入院」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452aには、「入院日」「退院日」「病棟/病室」「診療科」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0070】
また、付帯項目名表示部432においては、付帯項目の項目名として「転科区分」「主担当医」「担当医」が、列方向に対して上から順に表示されている。したがって、患者グループ「入院」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452bには、「転科区分」「主担当医」「担当医」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0071】
一方、前述のように、通常情報欄のそれぞれに対しても、患者グループごとに個別に設定された通常項目のデータを表示できるようになっている。図8では、患者グループ「入院」に対して設定された通常項目の項目名が、通常項目名表示部433a~433dに表示されている。通常項目名表示部433a,433b,433c,433dには、通常項目の項目名としてそれぞれ「入院診療計画書」「栄養管理計画書」「予約」「説明書・同意書」が表示されている。したがって、各レコードの通常情報欄453a,453b,453c,453dには、それぞれ「入院診療計画書」「栄養管理計画書」「予約」「説明書・同意書」の各項目に対応するデータが表示される。
【0072】
なお、図8の例では、分類名表示部434aに示すように、「入院診療計画書」「栄養管理計画書」の各項目が「入院文書」という分類名で分類されている。また、分類名表示部434bに示すように、「予約」「説明書・同意書」の各項目が「手術予定」という分類名で分類されている。
【0073】
図9は、検索結果一覧表の表示例を示す第2の図である。図9では例として、患者グループ「手術」が選択された場合の表示例を示す。
図9の例では、付帯項目名表示部431においては、付帯項目の項目名として「手術日」「術式」が、列方向に対して上から順に配列して表示されている。したがって、患者グループ「手術」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452aには、「手術日」「術式」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0074】
また、付帯項目名表示部432においては、付帯項目の項目名として「執刀医」「担当医」「助手」が、列方向に対して上から順に配列して表示されている。したがって、患者グループ「手術」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452bには、「執刀医」「担当医」「助手」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0075】
一方、図9の例では、通常項目名表示部433a,433b,433c,433dには、通常項目の項目名としてそれぞれ「(手術に関する)説明書」「(手術に関する)同意書」「入院日」「退院日」が表示されている。したがって、各レコードの通常情報欄453a,453b,453c,453dには、それぞれ「説明書」「同意書」「入院日」「退院日」の各項目に対応するデータが表示される。
【0076】
なお、図9の例では、分類名表示部434aに示すように、「説明書」「同意書」の各項目が「手術文書」という分類名で分類されている。また、分類名表示部434bに示すように、「入院日」「退院日」の各項目が「入院予定」という分類名で分類されている。
【0077】
ところで、図5に示したように、患者データベース111内の患者ごとの患者情報にはアクセス制限を設定できるようになっている。このアクセス制限は、ユーザが患者を指定してその患者に関する詳細な情報を閲覧する際に、あらかじめ設定された特定のユーザのみがその患者の情報を閲覧できるように制限をかけるものである。
【0078】
一方、図6図8図9に例示したように、検索結果表示画面400の検索結果一覧表420には、検索された患者についての複数項目の情報が表示される。このため、アクセス制限が設定された患者が検索された場合に、検索結果一覧表420に表示する患者としてそのような患者を含めてしまうと、その患者に関する情報が検索結果一覧表420に表示されてしまう。このような事態は、患者のプライバシーの観点から望ましくない。
【0079】
そこで、本実施の形態のサーバ100は、アクセス制限が設定された患者が検索された際に、その患者について設定された閲覧者条件をユーザが満たさず、ユーザにアクセス権がない場合には、その患者の情報を検索結果一覧表420に表示しないようにする。その代わり、サーバ100は、アクセス制限のために検索結果一覧表420に表示されなかった患者の人数を、検索結果一覧表420とともに検索結果表示画面400に表示する。
【0080】
図10は、検索結果表示画面の表示例を示す第2の図である。図10に示す検索結果表示画面400は、図6の場合と同様に、選択領域410、検索結果一覧表420および検索件数表示部460を含む。さらに、図10に示す検索結果表示画面400では、選択領域410と検索結果一覧表420との間の領域に、人数表示部470が表示されている。
【0081】
サーバ100の検索処理部120は、患者の検索を行った後、検索された患者を、検索結果一覧表420に表示可能な「表示患者」と、検索結果一覧表420への表示を制限する(表示を許可しない)「制限患者」とに分類する。基本的に、検索された患者のうち、設定された閲覧者条件を、検索結果表示画面400を閲覧するユーザが満たさない患者については、制限患者に分類される。これに加えて、本実施の形態では、患者種別(図5参照)が「VIP」に設定された患者については、ユーザが閲覧者条件を満たしていても制限患者に分類される。これにより、「VIP」の患者については患者情報の表示に関してより厳しい制限を与えることができる。
【0082】
図10に示す検索結果表示画面400は、検索された患者の中に制限患者が含まれる場合の表示例を示している。この場合、検索結果一覧表420には、検索された患者のうち、表示患者についての情報のみが表示され、制限患者についての情報は表示されない。これにより、制限患者のプライバシーを保護できる。
【0083】
一方、人数表示部470には、制限患者の人数が表示される。これにより、ユーザは、検索された患者の中に、検索結果一覧表420に表示されていない患者が存在することや、その人数を認識できる。したがって、制限患者のプライバシーに配慮しながら、検索結果を閲覧するユーザの利便性を向上させることができる。特に、図10の例のように、検索結果一覧表420に近接する位置に人数表示部470を配置することで、ユーザは制限患者の存在やその人数を認識しやすくなる。
【0084】
また、図10の例では、制限患者の人数に加えてアクセス不可の人数が表示されている。アクセス不可の人数とは、制限患者のうち、設定された閲覧者条件をユーザが満たしていない患者の人数を示す。これにより、検索された患者や制限患者の中に、閲覧者条件をユーザが満たしていない患者が何人含まれているかをユーザが確認できる。また、制限患者の人数とアクセス不可の人数との差分は「VIP」の患者の人数を示すので、ユーザは、検索された患者や制限患者の中に「VIP」の患者が何人含まれているかを認識できる。
【0085】
なお、検索された患者の中に制限患者が含まれない場合には、図6の例のように検索結果表示画面400には人数表示部470が表示されない。ただし、他の例として、検索結果表示画面400には人数表示部470が常時表示されるようにし、検索された患者の中に制限患者が含まれない場合には、人数表示部470に人数が0人であることが表示されてもよい。
【0086】
図11は、制限患者表示画面の表示例を示す図である。図10に示した人数表示部470に対する選択操作(例えばクリック操作)が行われると、図11に示す制限患者表示画面600が表示される。制限患者表示画面600は、人数表示部601と制限患者一覧表602とを含む。
【0087】
人数表示部601には、制限患者の人数が表示される。制限患者一覧表602には、制限患者のそれぞれについて、あらかじめ決められた特定の項目の情報が一覧表示される。本実施の形態では例として、制限患者一覧表602には、患者情報の項目のうち基本情報(図5参照)に含まれる項目の情報が表示される。すなわち、制限患者一覧表602には、制限患者の情報のうち、基本情報以外の詳細な情報は表示されない。
【0088】
このように、ユーザは、検索結果表示画面400の人数表示部470に対する選択操作を行うことで、制限患者表示画面600を表示させて、各制限患者についての限定された一部の情報を閲覧することができる。制限患者表示画面600には各制限患者についての限定的な情報のみ表示するようにしたことで、制限患者についての詳細な情報を不必要に開示しないようにすることができ、プライバシーに配慮した情報開示を行うことができる。
【0089】
次に、サーバ100の処理についてフローチャートを用いて説明する。
図12は、検索結果の表示処理手順を示すフローチャートの例である。
[ステップS11]表示制御部130は、端末装置において、検索結果表示画面400に対して患者グループを選択する操作が行われたかを判定する。選択ボタン411~413のいずれかに対する選択操作が行われた場合に、患者グループの選択操作が行われたと判定されて、処理がステップS12に進められる。
【0090】
[ステップS12]表示制御部130は、選択された患者グループを検索処理部120に通知する。検索処理部120は、通知された患者グループに対して設定された検索条件を、検索管理データベース113から取得する。検索処理部120は、取得した検索条件を用いて患者データベース111を検索し、検索条件に合致する患者を抽出する。
【0091】
[ステップS13]検索処理部120は、ステップS12で抽出された各患者を、アクセス制限に関する情報に基づいて表示患者と制限患者とに分類する患者分類処理を実行する。この処理の詳細については、後の図13において説明する。
【0092】
[ステップS14]検索処理部120は、ステップS13の処理により制限患者に分類された患者が存在するかを判定する。検索処理部120は、制限患者が存在する場合、処理をステップS15に進め、制限患者が存在しない場合、処理をステップS16に進める。
【0093】
[ステップS15]検索処理部120は、表示患者に関する情報と制限患者の人数とを表示制御部130に通知して、人数表示部470を含む検索結果表示画面400を表示するように表示制御部130に依頼する。表示制御部130は、この依頼に応じて、検索結果表示画面400の画像データを生成する。このとき、検索結果一覧表420には、検索された患者のうち、表示患者だけに関する情報が一覧表示され、人数表示部470には制限患者の人数が表示される。検索処理部120は、生成された画像データを端末装置に送信して、検索結果表示画面400を表示させる。
【0094】
[ステップS16]検索処理部120は、表示患者に関する情報を表示制御部130に通知して、人数表示部470を含まない検索結果表示画面400を表示するように表示制御部130に依頼する。表示制御部130は、この依頼に応じて、検索結果表示画面400の画像データを生成する。このとき、検索結果一覧表420には、検索された患者に関する情報が一覧表示され、人数表示部470は表示されない。検索処理部120は、生成された画像データを端末装置に送信して、検索結果表示画面400を表示させる。
【0095】
図13は、患者分類処理の手順を示すフローチャートの例である。この図13の処理は、図12のステップS13の処理に対応する。
[ステップS21]検索処理部120は、図12のステップS12で検索された患者を1人選択する。検索処理部120は、患者データベース111のレコードのうち、選択された患者のレコードを参照しながら、ステップS22以降の処理を実行する。
【0096】
[ステップS22]検索処理部120は、選択された患者のレコードに登録された制限種別に基づいて、選択された患者に対してアクセス制限が設定されているかを判定する。検索処理部120は、アクセス制限が設定されている場合、処理をステップS23に進め、アクセス制限が設定されていない場合、処理をステップS25に進める。
【0097】
[ステップS23]検索処理部120は、選択された患者のレコードに登録された患者種別に基づいて、選択された患者が「VIP」であるかを判定する。検索処理部120は、患者が「VIP」である場合、処理をステップS26に進め、患者が「VIP」でない場合(「通常」の場合)、処理をステップS24に進める。
【0098】
[ステップS24]検索処理部120は、選択された患者のレコードから閲覧者条件を読み込む。また、検索処理部120は、閲覧者データベース112からユーザ(閲覧者)の情報を読み込む。検索処理部120は、これらの情報に基づいて、ユーザが閲覧者条件に合致するかを判定する。検索処理部120は、ユーザが閲覧者条件に合致する場合、処理をステップS25に進め、ユーザが閲覧者条件に合致しない場合、処理をステップS26に進める。
【0099】
[ステップS25]検索処理部120は、選択された患者を表示患者に分類する。
[ステップS26]検索処理部120は、選択された患者を制限患者に分類する。
[ステップS27]検索処理部120は、図12のステップS12で検索された患者をすべて選択済みかについて判定する。検索処理部120は、未選択の患者が存在する場合、処理をステップS21に進めて、未選択の患者の中から患者を1人選択する。一方、検索処理部120は、検索された患者をすべて選択済みの場合、処理を図12のステップS14に進める。
【0100】
以上の図13の処理によれば、検索された患者のうち、患者種別が「通常」の患者については、ユーザが閲覧者条件に合致する場合に表示患者に分類される(ステップS24:Yes)。この場合、ユーザがその患者の情報を閲覧する際にパスワードが必要か否かに関係なく、患者は表示患者に分類され、その患者の情報が検索結果一覧表420に表示される。
【0101】
換言すると、検索された患者のうち、患者種別が「通常」の患者については、ユーザが閲覧者条件に合致しない場合のみ制限患者に分類される(ステップS24:No)。一方、検索された患者のうち、患者種別が「VIP」の患者については、ユーザが閲覧者条件に合致する場合であっても制限患者に分類される(ステップS23:Yes)。
【0102】
このように、「VIP」の患者については「通常」の患者より厳しいアクセス制限がかけられる。これにより、患者種別に応じてアクセス制限レベルを変えることができる。逆に、患者種別が「通常」の患者については、ユーザが検索結果一覧表420を通じて患者情報の内容をある程度閲覧できるようになる。これにより、アクセス制限レベルを一律にして、アクセス制限が設定されたすべての患者についての情報を検索結果一覧表420に表示しない場合と比較して、患者情報を閲覧するユーザ側の利便性を高めることができる。
【0103】
図14は、制限患者一覧表示処理の手順を示すフローチャートの例である。この図14の処理は、人数表示部470を含む検索結果表示画面400が表示された状態において開始され得る。
【0104】
[ステップS31]表示制御部130は、端末装置において、検索結果表示画面400の人数表示部470に対する選択操作が行われたことを検知すると、その旨を検索処理部120に通知する。
【0105】
[ステップS32]検索処理部120は、患者データベース111から、制限患者の基本情報を取得する。制限患者が複数存在する場合、各制限患者についての基本情報が取得される。
【0106】
[ステップS33]検索処理部120は、各制限患者の基本情報を表示制御部130に通知して、制限患者表示画面600の表示を依頼する。表示制御部130は、制限患者ごとに基本情報の内容を一覧表示した制限患者表示画面600の画像データを生成する。表示制御部130は、生成された画像データを端末装置に送信して、制限患者表示画面600を表示させる。
【0107】
図15は、患者情報表示処理の手順を示すフローチャートの例である。
[ステップS41]表示制御部130は、患者を指定する操作を受け付ける。例えば、検索結果表示画面400の検索結果一覧表420や、制限患者表示画面600の制限患者一覧表602において、1人の患者の患者IDや氏名の欄に対する選択操作が行われることで、患者が指定される。表示制御部130は、指定された患者を示す情報を検索処理部120に通知する。検索処理部120は、患者データベース111のレコードのうち、指定された患者のレコードを参照しながら、ステップS42以降の処理を実行する。
【0108】
[ステップS42]検索処理部120は、指定された患者のレコードに登録された制限種別に基づいて、指定された患者に対してアクセス制限が設定されているかを判定する。検索処理部120は、アクセス制限が設定されている場合、処理をステップS43に進め、アクセス制限が設定されていない場合、処理をステップS46に進める。
【0109】
[ステップS43]検索処理部120は、指定された患者のレコードから閲覧者条件を読み込む。また、検索処理部120は、閲覧者データベース112からユーザ(閲覧者)の情報を読み込む。検索処理部120は、これらの情報に基づいて、ユーザが閲覧者条件に合致するかを判定する。検索処理部120は、ユーザが閲覧者条件に合致する場合、処理をステップS44に進め、ユーザが閲覧者条件に合致しない場合、処理をステップS47に進める。
【0110】
[ステップS44]検索処理部120は、指定された患者のレコードにパスワードが設定されているかを判定する。検索処理部120は、パスワードが設定されている場合、処理をステップS45に進め、パスワードが設定されていない場合、処理をステップS47に進める。
【0111】
[ステップS45]検索処理部120は、パスワードの入力を要求するように表示制御部130に依頼する。表示制御部130は、端末装置にパスワード入力画面を表示させ、パスワードが入力されると、その値を検索処理部120に通知する。検索処理部120は、入力されたパスワードが、指定された患者のレコードに設定されているパスワードと一致した場合に、処理をステップS46に進める。一方、図示しないが、パスワードが一致しない場合には処理がステップS47に進められる。
【0112】
[ステップS46]検索処理部120は、指定された患者の情報を表示制御部130に通知して、患者情報表示画面の表示を依頼する。表示制御部130は、指定された患者の情報を一覧表示した患者情報表示画面の画像データを生成する。表示制御部130は、生成された画像データを端末装置に送信して、患者情報表示画面を表示される。
【0113】
[ステップS47]検索処理部120は、指定された患者の情報の閲覧が許可されていないと判定し、その旨をユーザに通知するように表示制御部130に依頼する。表示制御部130は、指定された患者の情報をユーザが閲覧することが許可されていないことを示す画面を端末装置に表示させる。
【0114】
以上の図15の処理では、患者種別に関係なく、ユーザが閲覧者条件に合致していれば患者情報は表示され、合致していなければ患者情報は表示されない。また、パスワードが設定されている場合には、パスワードの照合に成功すれば患者情報は表示される。一方、図13に示したように、検索結果の一覧表示の際には、患者種別に応じて患者情報の表示可否の条件が異なる。すなわち、本実施の形態の例では、患者種別が「VIP」の患者については、「通常」の患者とは異なり、患者を指定した患者情報の表示時より検索結果の一覧表示時の方が厳しいアクセス制限がかけられることになる。
【0115】
なお、上記の各実施の形態に示した装置(例えば、処理部2を備える情報処理装置または処理部2を実現する情報処理装置、サーバ100、端末装置200,200a,200b,・・・)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:BD、登録商標)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0116】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CDなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0117】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0118】
1 記憶部
1a 患者データベース
2 処理部
2a 一覧表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15