IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 澁谷工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-包装装置 図1
  • 特許-包装装置 図2
  • 特許-包装装置 図3
  • 特許-包装装置 図4
  • 特許-包装装置 図5
  • 特許-包装装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/40 20060101AFI20240313BHJP
   B65B 5/06 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
B65B35/40
B65B5/06
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019236152
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104823
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】村浜 政貴
(72)【発明者】
【氏名】山道 哲雄
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-299708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/40
B65B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルーピングされた物品を搬送する物品搬送コンベヤと、
前記物品搬送コンベヤに並行して配置され、グルーピングされた物品を包装する包装材を搬送する包装材搬送コンベヤと、
前記包装材搬送コンベヤと同期して前進するとともに、前記物品搬送コンベヤの搬送方向と直交する方向に移動して、前記物品搬送コンベヤ上のグルーピングされた物品に当接部を押し当てて前記包装材搬送コンベヤ上の包装材の上に物品を移載するプッシャと、
前記プッシャの移動経路中に配置され、前記当接部の長さを調整する変更手段とを備え、
前記当接部が、前記搬送方向に沿って延在するベースと前記ベースに対して前記搬送方向にスライド可能なスライダとを備え、前記プッシャが前記ベースに対する前記スライダの位置決めを行うロック手段を備え、前記変更手段が前記ロック手段のロックを解除する解除手段を備え、前記変更手段により、前記ベースに対する前記スライダの位置が変更されることにより、前記当接部の長さが調整される
ことを特徴とする包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送コンベヤ上を搬送される物品をプッシャで押し出して並走する搬送コンベヤに移載する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品コンベヤに同期して循環移動されるとともに、コンベヤ幅方向に往復動可能とされた多数のプッシャにより、製品コンベヤ上をグルーピングされた状態で搬送される製品群を、それぞれ並設されるシートコンベヤ上のシートの上に移載する包装装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-70245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、プッシャを用いて製品群を移動する場合、製品の大きさに応じてプッシャの幅を変更する必要がある。従来、各プッシャの幅は手動で調整されるため、型替え作業には時間と手間が掛かり、コストを上昇させる。
【0005】
本発明は、プッシャを用いて製品群を隣接する搬送コンベヤへ移載する包装装置において、プッシャの幅調整を自動で行えるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である包装装置は、グルーピングされた物品を搬送する物品搬送コンベヤと、前記物品搬送コンベヤに並行して配置され、グルーピングされた物品を包装する包装材を搬送する包装材搬送コンベヤと、前記包装材搬送コンベヤと同期して前進するとともに、前記物品搬送コンベヤの搬送方向と直交する方向に移動して、前記物品搬送コンベヤ上のグルーピングされた物品に当接部を押し当てて前記包装材搬送コンベヤ上の包装材の上に物品を移載するプッシャと、前記プッシャの移動経路中に配置され、前記当接部の長さを調整する変更手段とを備え、前記当接部が、前記搬送方向に沿って延在するベースと前記ベースに対して前記搬送方向にスライド可能なスライダとを備え、前記プッシャが前記ベースに対する前記スライダの位置決めを行うロック手段を備え、前記変更手段が前記ロック手段のロックを解除する解除手段を備え、前記変更手段により、前記ベースに対する前記スライダの位置が変更されることにより、前記当接部の長さが調整されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プッシャを用いて製品群を隣接する搬送コンベヤへ移載する包装装置において、プッシャの幅調整を自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態である包装装置の一部の構成を示す平面図である。
図2】移載装置を中心とする図1の側面図である。
図3】プッシャをコンベヤ幅方向に容器群に当接する側から見た正面図である。
図4図3(b)の状態のプッシャを上から見た部分断面図である。
図5】プッシャ幅変更装置を図3と同じ方向から見た側面図である。
図6】プッシャ幅変更装置に並設されるロック解除装置を図5の左側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である包装装置の一部の構成を概略的に示す平面図であり、図2は、後述する移載装置を中心とする図1の側面図である。
【0011】
本実施形態の包装装置10は、容器(物品)Cを搬送する物品搬送コンベヤ12と、容器Cを包装するシート(包装材)Sを搬送する包装材搬送コンベヤ14とを備える。包装材搬送コンベヤ14は、物品搬送コンベヤ12に隣接して平行に配置され、物品搬送コンベヤ12に対して同期駆動される。
【0012】
容器Cは、多列(図1では6列)で物品搬送コンベヤ12に供給され、所定の数(図1では6列×4行の合計24個)ずつグルーピングされる。包装材搬送コンベヤ14は、物品搬送コンベヤ12上でグルーピングされた各容器群(物品群)Gに対応してシートSを搬送する。物品搬送コンベヤ12の包装材搬送コンベヤ14とは反対側には、物品搬送コンベヤ12の側辺に沿って物品搬送コンベヤ12上を搬送される各容器群Gを、包装材搬送コンベヤ14上を搬送されるシートSの上に移載する移載装置16が配置される。
【0013】
移載装置16は、物品搬送コンベヤ12上を搬送される容器群Gの各々に対応する多数のプッシャ18を備える。各プッシャ18は、包装材搬送コンベヤ14と同期して前進し、物品搬送コンベヤ12の搬送方向と直交する方向(コンベヤ幅方向)に往復移動可能に保持される。プッシャ18は、搬送方向に沿って延在する部材として構成され、後述するように容器群Gの搬送方向長さ(容器Cの大きさや容器群Gの行数)に合わせて搬送方向の長さは調整可能である。
【0014】
各プッシャ18は、物品搬送コンベヤ12に沿って配置される移載装置16の無端機構16A(図2参照)から包装材搬送コンベヤ14に向けてコンベヤ幅方向に延出するロッド18Aの先端に取り付けられる。各プッシャ18は、ロッド18Aがコンベヤ幅方向に進退することにより、物品搬送コンベヤ12上および包装材搬送コンベヤ14上をコンベヤ幅方向に往復移動される。なお、無端機構16Aには、例えばチェーンコンベヤが用いられる。
【0015】
物品搬送コンベヤ12に供給される容器Cの各列は、所定間隔を隔てて配置されており、物品搬送コンベヤ12の上流側において、容器群Gの各列は所定間隔を隔てて配置されている。包装材搬送コンベヤ14に向けてプッシャ18が押し出されると、物品搬送コンベヤ12上を搬送される容器群Gは、移載装置16側の列の容器Cから順に包装材搬送コンベヤ14に向けて押し遣られ、容器群Gの全ての列(6列)が密接した状態で、包装材搬送コンベヤ14上のシートS上へと移載される。
【0016】
包装材搬送コンベヤ14の物品搬送コンベヤ12とは反対側には、例えば容器転倒防止装置20が包装材搬送コンベヤ14の側辺に沿って配置される。容器反転防止装置20は、移載装置16の各プッシャ18と協働する複数のレシーバ22を備える。レシーバ22は、物品搬送コンベヤ12とは反対側の側辺に沿って配置される無端機構から包装材搬送コンベヤ14に向けてコンベヤ幅方向に延出するロッド22Aの先端に取り付けられる。各レシーバ22は、ロッド22Aがコンベヤ幅方向に進退することにより、包装材搬送コンベヤ14上をコンベヤ幅方向に往復移動される。
【0017】
レシーバ22は、例えばプッシャ18と略同様に構成され、その搬送方向長さは、容器群Gの搬送方向の長さ(容器Cの大きさ)に調整される。レシーバ22は、包装材搬送コンベヤ14と同期して前進され、容器群Gが移載されていない包装材搬送コンベヤ14のシートS上を物品搬送コンベヤ12側の所定位置にまで押し出される。
【0018】
プッシャ18により物品搬送コンベヤ12上の容器群Gが包装材搬送コンベヤ14上のシートS上に押し出され、上記所定位置に配置されたレシーバ22に物品搬送コンベヤ12から押し出された容器群Gの先頭の列が当接すると、レシーバ22は、プッシャ18と同じ速度で後退する。これにより、物品群Gは、プッシャ18とレシーバ22に挟まれた状態でシートS上を移動され、その転倒が防止される。
【0019】
物品群GがシートS上の目標位置にまで移動されると、プッシャ18は包装材搬送コンベヤ14とは反対側の物品搬送コンベヤ12の側辺近くまで後退され、移載装置16の無端機構16Aの復路(下側の軌道)に沿って上流側へと戻される。これに並行して、レシーバ22はシートS上から後退され、包装材搬送コンベヤ14の無端機構の復路(下側の軌道)に沿って上流側へと戻される。
【0020】
図2に示されるように、移載装置16の無端機構16Aの復路には、後述するプッシャ幅変更装置(変更手段)24が配置される。プッシャ幅変更装置24では、取り扱う容器Cの幅寸法や容器群Gの行数に合わせてプッシャ18の搬送方向長さが調整可能であり、包装作業開始前に取り扱う容器Cや行数に合わせて、プッシャ18を適正な長さ変更する。
【0021】
図3は、プッシャ18をコンベヤ幅方向に容器群Gに当接する側から見た正面図であり、図3(a)には長さが最も短くされた状態が示され、図3(b)には長さが最も長くされた状態が示される。また、図4は、後述するロック機構が設けられた位置における図3(b)の状態のプッシャ18を上から見た部分断面図である。
【0022】
プッシャ18は、横長板状のベース26と、ベース26に対して長手方向(コンベヤ搬送方向)にスライド可能な横長板状のスライダ28とを備える。プッシャ18の高さ方向中央部には長手方向に沿って形成された凹部26Aが設けられ、スライダ28は凹部26Aにスライド可能にに嵌合する。これにより、ベース26とスライダ28の図3における表面高さは同一とされ、容器群Gに当接する1つの当接面(当接部)を構成する。
【0023】
また、本実施形態では、ベース26の溝部26A内に、長手方向に沿ってスロット26Bが設けられる。スロット26Bには、例えばスライダ28の一方の端部に長手方向に沿って所定間隔で取り付けられた2本のビス28Aが挿嵌される。これにより、スライダ28は、ベース26の凹部26A内に保持されるとともに長手方向に沿ってスライド可能とされる。
【0024】
図3におけるスライダ28の裏面下方には、下辺に沿って鋸歯状部28Bが設けられ、ロック用係合部材30とともにベース26に対するスライダ28の位置を固定するロック機構(ロック手段)として機能する。鋸歯状部28Bには、縦方向に沿った多数の溝が切られており、ロック用係合部材30は、鋸歯状部28Bの各溝に係合可能な尖頭部30Aを有するロッド状部材として構成される。
【0025】
ロック用係合部材30の尖頭部30Aとは反対側の端部には、ロック用係合部材30よりも太い基端部30Bが設けられる。基端部30Bの端面にはロック用係合部材30の軸方向に沿った孔が設けられ、支持ロッド32が摺動自在に嵌挿される。支持ロッド32の基端部側にはロッド本体よりも太い基端部32Aが設けられる。基端部32Aは、ブラケット32B等の部材を介してプッシャ18のロッド18Aに取り付けられ固定される。ロック用係合部材30の基端部30Bと支持ロッド32の基端部32Aの間には、支持ロッド32の周囲を取り囲むようにコイルバネ等の付勢部材(不図示)が配置され、ロック用係合部材30は、支持ロッド32に対して鋸歯状部28Bに向けて付勢される。
【0026】
ベース26には、尖頭部30Aに対応する位置に孔26Cが設けられ、付勢された係合部30の尖頭部30Aは、孔26Cを通してスライダ28の鋸歯状部28Bの溝の1つに係合する。尖頭部30Aが鋸歯状部28Bの溝に係合すると、スライダ28のベース26に対する位置が固定される。
【0027】
図5は、プッシャ幅変更装置24を図3と同じ方向から見た側面図である。図6は、プッシャ幅変更装置24に並設されるロック解除装置を図5の左側から見た側面図である。
【0028】
本実施形態において、ベース26に対するスライダ28の位置の変更(調整)は、ロック解除装置34により、ロック用係合部材30と鋸歯状部28Bの係合を解除した後に行われる。プッシャ幅変更装置24は、スライダ28を把持し、凹部26A(スロット26B)に沿ってコンベヤ搬送方向に移動する把持機構36を備える。
【0029】
把持機構36は、スライダ28を表裏から挟持可能な一対のクランプ36Aを備える。把持機構36は、エアシリンダ38等の昇降機構により昇降自在であり、エアシリンダ38は、搬送方向移動装置40のスライダ40Aによって保持される。スライダ40Aは、コンベヤ搬送方向に沿って延在するガイド40Bに沿ってコンベヤ搬送方向に往復動可能であり、その動きはサーボモータ40Cによって制御される。
【0030】
なお、図5には、スライダ28を図3(b)の状態にまで移動したときの把持機構36、エアシリンダ38、スライダ40Aの位置が実線で描かれ、図3(a)の状態にまで移動したときの把持機構36、エアシリンダ38、スライダ40Aの位置が破線で描かれる。
【0031】
ロック解除装置34は、ロック用係合部材30の基端部30Bに係合可能なロック解除用係合部材34Aと、ロック解除用係合部材34Aを昇降するエアシリンダ34Bなどの昇降機構と、エアシリンダ34Bをコンベヤ幅方向に進退させ、固定部に固定されるエアシリンダ34Cなどの進退機構を備える。ロック解除装置34は、ロック用係合部材30の基端部30Bに、ロック解除用係合部材34Aを係合させ、支持ロッド32の基端部32Aからの付勢力に抗して、ロック用係合部材30をスライダ28から離間する方向に移動し、鋸歯状部28Bと尖頭部30Aの係合を解除する。なお、ロック解除用係合部材34Aは、例えば上方に向けて二股に分かれた形状を呈し、上昇することでロック用係合部材30を二股の間に配置することが可能である。
【0032】
次に、プッシャ幅変更装置24およびロック解除装置34を用いたプッシャ18の長手方向(コンベヤ搬送方向)長さの変更作業について説明する。
【0033】
容器包装作業中において、プッシャ幅変更装置24のクランプ36Aおよびロック解除装置34のロック解除用係合部材34Aは、それぞれ退避位置に配置される。プッシャ幅変更装置24の退避位置は、クランプ36Aが移動するプッシャ18と干渉しない位置であり、ロック解除装置34の退避位置は、ロック解除用係合部材34Aがプッシャ18と一体的に移動するロック用係合部材30と干渉しない位置である。
【0034】
すなわち、退避位置では、プッシャ幅変更装置24のクランプ36Aは、エアシリンダ38により下降され、その上端がスライダ28よりも下方に位置し、ロック解除装置34のロック解除用係合部材34Aは、エアシリンダ34Bにより下降され、その上端がロック用係合部材30よりも下方に位置する。
【0035】
包装装置10で取り扱われる容器Cの幅寸法や容器群Gの行数が変更された場合など、プッシャ18の搬送方向長さの変更が必要な場合には、包装装置10の運転を開始する前に移載装置16を駆動し、各プッシャ18がプッシャ幅変更装置24において停止するようにプッシャ18を間欠的に移動する。プッシャ幅変更装置24では、停止されたプッシャ18に対して変更作業を行う。
【0036】
変更作業では、まず、ロック解除装置34により、ロック用係合部材30の鋸歯状部28Bへの係合が解除される。すなわち、退避位置にあるロック解除用係合部材34Aが、昇降用のエアシリンダ34Bにより上昇され、ロック用係合部材30が、例えばロック解除用係合部材34Aの二股に分かれた上端部の間に配置される(図6の状態)。その後、進退用のエアシリンダ34Cにより、ロック解除用係合部材34Aがスライダ28から離れる方向に後退され、ロック解除用係合部材34Aがロック用係合部材30の基端部30Bに係合して、ロック用係合部材30が付勢力に抗して支持ロッド32に沿って後退し、尖頭部30Aと鋸歯状部28Bの係合が解除される。
【0037】
また、ロック解除装置34の運転に並行して、プッシャ幅変更装置24も駆動される。プッシャ幅変更装置24では、まず、退避位置にあり、クランプ36Aが開かれた状態にある把持機構36を、昇降用のエアシリンダ38により、クランプ36Aでスライダ28を挟持できる高さにまで上昇させる。次に、把持機構36を駆動して、クランプ36Aでスライダ28の所定の位置(例えば先端部)を挟持する。
【0038】
その後、搬送方向移動装置40のサーボモータ40Cを駆動し、スライダ40Aをガイド40Bに沿って移動し、クランプ36Aの位置を、変更後に設定されるプッシャ18の長さに対応する位置へと移動し、これによりスライダ28のベース26に対する位置をプッシャ18の設定長さに適合される。なお、搬送方向移動装置40のサーボモータ40Cの駆動前に、ロック用係合部材30と鋸歯状部28Bの係合は、ロック解除装置34により解除され、このロック解除状態は、プッシャ幅変更装置24によりスライダ28の位置が変更されるまで維持される。
【0039】
プッシャ幅変更装置24によりスライダ28の位置が変更されると、ロック解除装置34は、進退用のエアシリンダ34Cによりロック解除用係合部材34Aをスライダ28に向けて前進させる。これにより、スライダ28側に向けて付勢されるロック用係合部材30の尖頭部30Aは、ベース26の孔26Cを通してスライダ28の鋸歯状部28Bの対応する溝に係合され、ベース26に対するスライダ28の位置が固定される。ロック解除装置34は、昇降用のエアシリンダ34Bを駆動して、ロック解除用係合部材34Aを退避位置にまで下降させる。
【0040】
ベース26とスライダ28がロックされると、把持機構36において、クランプ36Aが開かれスライダ28が解放される。そして、昇降用のエアシリンダ38の駆動により、クランプ36Aが退避位置にまで下降される。以上の作業は、間欠移動される各プッシャ18に対して実施され、全てのプッシャ18の長さが変更されると、包装装置10の運転が開始される。
【0041】
なお、変更作業開始時に、クランプ36Aのコンベヤ搬送方向の位置が、スライダ28を把持する位置からずれている場合には、クランプ36Aによりスライダ28を挟持する前に、搬送方向移動装置40によりクランプ36Aを適正な位置にまで移動する。
【0042】
本実施形態では、レシーバ22を備える容器反転防止装置20に対しても、プッシャ幅変更装置24やロック解除装置34と同様の構成が採用される。すなわち、プッシャ18の変更作業に並行して、レシーバ22に対しても同様の変更作業が行われ、レシーバ22の長さが自動調整される。
【0043】
以上のように、本実施形態の包装装置によれば、プッシャを用いて製品群を隣接する搬送コンベヤへ移載する包装装置において、プッシャの幅(長手方向長さ)調整を自動で行うことができる。これにより、手動による型替え作業を行う必要がなく、時間と手間を大幅に低減でき、コストを抑えることができる。
【0044】
なお、本実施形態では、ロック機構に鋸歯状の溝とロック用係合部材の係合を利用したが、ベースに対するスライダの位置を固定できればこれに限定されるものではなく、例えば、スライダに設けた複数の孔にロック用係合部材を係合させるインデックスタイプのロック機構であってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、ベースとスライダを用いた長さ変更機構を、プッシャおよびレシーバに適用したが、同構成を一方のみに適用する構成であってもよい。また、本実施形態では、サーボモータ40Cでクランプを搬送方向に移動させて、プッシャ幅を変更させる方式を採用しているが、プッシャにラックアンドピニオン構造を搭載した方式や、ネジ軸ナット構造等を採用しても良い。
【符号の説明】
【0046】
10 包装装置
12 物品搬送コンベヤ
14 包装材搬送コンベヤ
16 移載装置
18 プッシャ
20 容器転倒防止装置
22 レシーバ
24 プッシャ幅変更装置(変更手段)
26 ベース
28 スライダ
28B 鋸歯状部
30 ロック用係合部材
C 容器(物品)
G 容器群(物品群)
図1
図2
図3
図4
図5
図6