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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】パイプ継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/06 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
F16L21/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020007207
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021113597
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】高野 哲郎
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-317961(JP,A)
【文献】特開昭63-120984(JP,A)
【文献】特開2000-234684(JP,A)
【文献】特開2008-095765(JP,A)
【文献】特開2006-247154(JP,A)
【文献】特開2006-110594(JP,A)
【文献】特開2003-269667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間して対向する金属製のパイプ端部どうしを覆うようにそれぞれの前記パイプ端部に外嵌される金属製の筒状のスリーブと、このスリーブの内周面とそれぞれの前記パイプ端部の外周面との間に介在する弾性体からなる環状のシール材と、前記スリーブおよびそれぞれのシール材に外周側から締付け力を付与する締付け部とを備えたパイプ継手において、
前記締付け部が、前記パイプ端部の一方に外嵌されている一方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの円弧状のハーフ体を有するとともに、これらハーフ体の周方向一端部どうしは連結されていて、周方向他端部のそれぞれを連通するボルトとこのボルトに螺合するナットとを有し、このボルトの締め具合によって一方の前記シール材および前記スリーブに対する前記締付け力の大きさが調整され、かつ、前記パイプ端部の他方に外嵌されている他方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの円弧状のハーフ体を有するとともに、これらハーフ体の周方向一端部どうしは連結されていて、周方向他端部のそれぞれを連通するボルトとこのボルトに螺合するナットとを有し、このボルトの締め具合によって他方の前記シール材および前記スリーブに対する前記締付け力の大きさが調整される構造であり、
前記締付け力が付与された際の前記パイプ継手の弾性変形量を増大させる弾性率低減手段を有し、それぞれの前記シール材のシール機能によって前記パイプ端部どうしを気密または水密に連結させる予め設定された前記締付け力の適正範囲を確保する前記弾性変形量の許容範囲が、前記弾性低減手段がない場合に比して大きくなっていて、
それぞれの前記パイプ端部どうしが気密または水密に連結されている状態で、一方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの前記ハーフ体と、他方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの前記ハーフ体とのそれぞれでは、2つの前記ハーフ体により形成されている環状体の内径が縮小可能になっていることを特徴とするパイプ継手。
【請求項2】
それぞれの前記ボルトには皿バネが外挿されていて、この皿バネを介してぞれぞれの前記ナットが対応する前記ボルトに螺合していて、前記弾性率低減手段として、前記締め付け力によって弾性変形するそれぞれの前記皿バネが使用されている請求項1に記載のパイプ継手。
【請求項3】
前記弾性率低減手段として、それぞれの前記ハーフ体に周方向に間隔をあけてそのハーフ体の幅方向に延在する複数の切れ目部と、それぞれの前記ハーフ体に周方向に間隔をあけてそのハーフ体の幅方向全長に渡って延在する複数の薄肉部と、の少なくとも一方が形成されている請求項1または2に記載のパイプ継手。
【請求項4】
前記弾性率低減手段として、弾性変形域の弾性率が50GPa以上100GPa以下の金属材質で形成されたそれぞれの前記ボルトが使用されている請求項1~3のいずれかに記載のパイプ継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ継手に関し、さらに詳しくは、対向するパイプ端部どうし間に外嵌めされて、パイプ端部どうしを気密または水密に連結する適切な締付け力をより長期間安定して維持できるパイプ継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パイプ端部どうしを連結するパイプ継手には様々な種類がある(例えば、特許文献1参照)。パイプ端部どうしを気密または水密に連結する場合は例えば、対向するパイプ端部どうしを覆うようにスリーブを外嵌し、このスリーブの内周面とそれぞれにパイプ端部の外周面との間にシール材を介在させた状態でスリーブおよびシール材を締付ける構造が採用される。この締付け力が過大であると、シール材に過度の負担が生じて損傷するリスクが増大する。一方、この締付け力が過小であると、十分な気密性や水密性を確保し難くなる。そこで、適切な締付け力が設定される。
【0003】
金属製のパイプどうしなどを連結するパイプ継手には相応の強度が必要になるため、パイプ継手の剛性は高くなる。そして、パイプ継手は、対向するパイプ端部どうしの間に配置されて、適切な締付け力が付与されて取り付けられる。取り付けられたパイプ継手のシール材が膨張すると締付け力が上昇し、シール材が収縮すると締付け力が低下する。そのため、経時的に締付け力が変動し、適切な締付け力をより長期間安定して維持するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-195481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、対向するパイプ端部どうし間に外嵌めされて、パイプ端部どうしを気密または水密に連結する適切な締付け力をより長期間安定して維持できるパイプ継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明のパイプ継手は、離間して対向する金属製のパイプ端部どうしを覆うようにそれぞれの前記パイプ端部に外嵌される金属製の筒状のスリーブと、このスリーブの内周面とそれぞれの前記パイプ端部の外周面との間に介在する弾性体からなる環状のシール材と、前記スリーブおよびそれぞれのシール材に外周側から締付け力を付与する締付け部とを備えたパイプ継手において、前記締付け部が、前記パイプ端部の一方に外嵌されている一方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの円弧状のハーフ体を有するとともに、これらハーフ体の周方向一端部どうしは連結されていて、周方向他端部のそれぞれを連通するボルトとこのボルトに螺合するナットとを有し、このボルトの締め具合によって一方の前記シール材および前記スリーブに対する前記締付け力の大きさが調整され、かつ、前記パイプ端部の他方に外嵌されている他方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの円弧状のハーフ体を有するとともに、これらハーフ体の周方向一端部どうしは連結されていて、周方向他端部のそれぞれを連通するボルトとこのボルトに螺合するナットとを有し、このボルトの締め具合によって他方の前記シール材および前記スリーブに対する前記締付け力の大きさが調整される構造であり、前記締付け力が付与された際の前記パイプ継手の弾性変形量を増大させる弾性率低減手段を有し、それぞれの前記シール材のシール機能によって前記パイプ端部どうしを気密または水密に連結させる予め設定された前記締付け力の適正範囲を確保する前記弾性変形量の許容範囲が、前記弾性低減手段がない場合に比して大きくなっていて、それぞれの前記パイプ端部どうしが気密または水密に連結されている状態で、一方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの前記ハーフ体と、他方の前記シール材および前記スリーブを覆うように環状を形成した状態で取り付けられている2つの前記ハーフ体とのそれぞれでは、2つの前記ハーフ体により形成されている環状体の内径が縮小可能になっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記締付け力が付与された際の前記パイプ継手の弾性変形量を増大させる弾性率低減手段を有することで、予め設定された前記締付け力の適正範囲を確保する前記弾性変形量の許容範囲が増大する。これに伴い、弾性率低減手段がない場合に比して、それぞれのパイプ端部に対してパイプ継手が多少緩んでもパイプ端部どうしを水密または気密に長期間安定して維持するには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のパイプ継手を正面視で例示する説明図である。
図2図1のパイプ継手をパイプ長手方向に沿って切断した縦断面図である。
図3図1のパイプ継手を側面視で例示する説明図である。
図4図2のA-A断面図である。
図5図2の一部拡大図である。
図6】パイプ継手に付与される締付け力と、締付け力に起因するパイプ継手の弾性変形量との関係を模式的に例示するグラフ図である。
図7】パイプ継手の別の実施形態を例示する側面図である。
図8】パイプ継手のさらに別の実施形態を例示する側面図である。
図9】パイプ継手のさらに別の実施形態を例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のパイプ継手を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1図4に例示するパイプ継手1の実施形態は、金属製のパイプ10の対向するパイプ端部11どうしを連結する。このパイプ継手1は、それぞれのパイプ端部11を覆うようにそれぞれのパイプ端部11に外嵌される筒状のスリーブ2と、スリーブ2の内周面とそれぞれのパイプ端部11の外周面との間に介在する環状のシール材3と、スリーブ2およびシール材3に外周側から締付け力を付与する締付け部(後述するハーフ体5やボルト7など)とを備えている。さらに、パイプ継手1は弾性率低減手段9を有している。図中の一点鎖線CLは、パイプ10、スリーブ2、シール材3の軸心位置を示している。
【0011】
スリーブ2は、筒軸方向端部が拡径した形状の筒状体であり、炭素鋼などの金属で形成されている。スリーブ2の最小内径はパイプ10の外径よりもやや大きく設定されている。スリーブ2の筒軸方向端部のそれぞれの拡径した部分にシール材3が配置されている。
【0012】
それぞれのシール材3は、対向するパイプ端部11に外嵌されている。シール材3は加硫ゴムや樹脂などで形成された弾性体である。図5に例示するように、この実施形態ではシール材3の断面が略台形状になっていて、スリーブ2は断面視で台形状の一方斜面に密着している。シール材3の形状は、特に限定にされず様々な形状を採用することができる。
【0013】
それぞれのパイプ端部11には、環状のリテーナ4が外嵌されている。リテーナ4は、パイプ端部11に外嵌されているスリーブ2の筒軸方向端部のそれぞれに対向して配置されている。それぞれのリテーナ4は断面視で対応するシール材3の他方斜面および外周面に密着している。リテーナ4は省略することもでき、或いは、スリーブ2にそれぞれのリテーナ4を一体化させた仕様にすることもできる。
【0014】
スリーブ2の筒軸方向両端部には、2つの円弧状のハーフ体5が環状を形成した状態で取り付けられている。2つのハーフ体5は、周方向一端部どうしがリンク6によって連結されている。また、それぞれのハーフ体5の周方向他端部にはボルト穴5aが形成されている。それぞれのボルト穴5aにはボルト7が連通していて、ボルト7にはナット8が螺合されている。また、ボルト7には皿バネ9aが外挿されていて、皿バネ9aを介在させてナット8がボルト7に螺合されている。このボルト7によってそれぞれのハーフ体5の周方向他端部どうしが連結されて、2つのハーフ体5が環状に形成されている。
【0015】
ハーフ体5は、スリーブ2の筒軸方向端部、シール材3およびリテーナ4を覆うように設置されていて、その内周面がスリーブ2の外周面およびリテーナ4の外周面に当接している。ボルト7を締めることで2つのハーフ体5により形成された環状体の内径が小さくなる。これに伴って、スリーブ2およびリテーナ4はハーフ体5によって外周側から押圧されて、シール材3により密着する。その結果、シール材3も外周側から押圧されてパイプ端部11の外周面により密着する。この実施形態では、シール材3は実質的に全方向から押圧された状態になる。
【0016】
即ち、リテーナ4、ハーフ体5、リンク6、ボルト7およびナット8の組み立て体が、スリーブ2およびシール材3に対して外周側から締付け力Fを付与する締付け部として機能している。この締付け力Fによってスリーブ2およびシール材3は、対向するパイプ端部11に一体化するように取り付けられる。ボルト7の締め具合によって締付け力Fの大きさを調整することができる。
【0017】
皿バネ9aは、締付け部により付与される締付け力Fによって弾性変形する。図6に例示するように、締付け力Fが付与された時のパイプ継手1の弾性変形量Lと締付け力Fとには相関関係がある。弾性変形量Lとしては例えば、ボルト7の伸びの変化量、2つのハーフ体5により形成されている環状体の内径の変化量などを用いることができる。図6中の実線はパイプ継手1に皿バネ9aが存在する場合の弾性変形量Lと締付け力Fとの相関関係、破線は皿バネ9aが存在しない場合の両者の相関関係を示している。
【0018】
図6に例示するように、皿バネ9aは、締付け力Fが付与された際のパイプ継手1の弾性変形量Lを増大させる弾性率低減手段9として機能している。パイプ継手1には締付け力Fの適正範囲FS(適切な締付け力)が予め設定されている。
【0019】
締付け部によってスリーブ2およびシール材3に適切な締付け力Fが付与されることで、スリーブ2およびシール材3は、対向するパイプ端部11に取り付けられる。そして、シール材3のシール機能によって、パイプ端部11どうしは気密または水密に連結される。これにより、パイプ10を流れる流体M(例えば作動油)は外部に漏出することがない。
【0020】
締付け力Fの適正範囲FSを確保できる弾性変形量Lの許容範囲LA(LA1、LA2)は、破線に比して実線の方が大きくなっている。即ち、パイプ継手1は皿バネ9aを有することで、予め設定された適正範囲FSを確保できる弾性変形量Lの許容範囲LA1の幅が、皿バネ9aがない場合の許容範囲LA2に比して大きくなっている(LA1>LA2)。
【0021】
このようにパイプ継手1は、同じ大きさの締付け力Fが付与された際の弾性変形量Lを増大させる弾性率低減手段9を有することで、予め設定された締付け力Fの適正範囲FSを確保できる弾性変形量Lの許容範囲LAの幅が増大する。これに伴い、弾性率低減手段9がない場合に比して、それぞれのパイプ端部11に対してパイプ継手1が多少緩んでも、パイプ端部11どうしを水密または気密に長期間安定して維持するには有利になる。皿バネ9aの仕様(弾性率)は、締付け力Fと弾性変形量Lとの相関関係を測定するテスト等を実施して適切な仕様に決定する。
【0022】
また、弾性変形量Lの許容範囲LAが狭い場合は、締付け力Fを適正範囲FSにするために、より高精度でボルト7の締付け具合を調節する必要がある。パイプ継手1の使用現場の環境によっては、ボルト7の締付け具合を精密に調整することが困難な場合がある。また、ボルト7の締付け具合を精密に調整すること自体が手間を要する作業になる。ところが、このパイプ継手1によれば、弾性率低減手段9がない場合に比して、ボルト7の締付け具合を精密に調整しなくても、締付け力Fを適正範囲FSにすることが容易になるので、この観点からも優れている。
【0023】
図7に例示するパイプ継手1の実施形態では、弾性率低減手段9として、ハーフ体5に周方向に間隔をあけて形成された複数の切れ目部9b(9b1、9b2)が形成されている。詳述すると、ハーフ体5の幅方向中央部に両端に開口しない切れ目部9b1が周方向に間隔をあけて配置されている。また、周方向に隣り合う切れ目部9b1の間には、ハーフ体5の幅方向端に開口する切れ目部9b2が配置されている。
【0024】
切れ目部9bが存在することで、存在しない場合に比して、パイプ継手1に同じ大きさの締付け力Fが付与された時にパイプ継手1の弾性変形量Lが大きくなる。切れ目部9bの仕様(大きさ、数、形状、配置)は、締付け力Fと弾性変形量Lとの相関関係を測定するテスト等を実施して適切な仕様に決定する。
【0025】
この切れ目部9bに代えて図8に例示する実施形態のように、薄肉部9cが形成されている仕様のパイプ継手1にすることもできる。この実施形態では、ハーフ体5の周方向に間隔をあけて複数位置に、ハーフ体5の幅方向全長に渡って延在する薄肉部9cが形成されている。薄肉部9cとは周辺よりも肉厚を小さくした部位であり、例えば周辺部位の50%~80%の肉厚である。薄肉部9cが存在することで、存在しない場合に比して、パイプ継手1に同じ大きさの締付け力Fが付与された時にパイプ継手1の弾性変形量Lが大きくなる。例えばハーフ体5に切れ目部9bと薄肉部9cを混在させることもできる。
【0026】
図9に例示するパイプ継手1の実施形態では、弾性率低減手段9として、少なくとも一部がゴムメタル(登録商標)により形成された締付け部が使用されている。即ち、ボルト7がゴムメタルによって形成されたボルト9dになっている。ゴムメタルは、体心立方構造をもつベータ型チタン合金であり、弾性変形域での弾性率は70GPa程度、降伏強度は1000GPa程度である。
【0027】
一般的な炭素鋼の弾性率は200GPa程度なので、ゴムメタル製のボルト9dを使用することで、炭素鋼製のボルト7を使用する場合に比して、パイプ継手1に同じ大きさの締付け力Fが付与された時にパイプ継手1の弾性変形量Lが大きくなる。ゴムメタルに限らず、ゴムメタルに類する特性を有する材質を用いることができる。パイプ継手1の弾性変形量Lを大きくするために、ボルト9dは例えば弾性率が100GPa以下の材質で形成する。一方で、ボルト9dを本来の締付け具として機能させるためには相応の強度が必要になるため、例えば弾性率が50GPa以上の材質で形成する。即ち、弾性率低減手段9として機能させるボルト9dは、弾性率が50GPa以上100GPa以下の材質で形成する。
【0028】
ハーフ体5、リンク6などの締付け部の構成部品の少なくともいずれか1種類をゴムメタルまたはゴムメタルに類する材質で形成した仕様にすることもできる。ゴムメタル製のボルト9dの仕様(弾性率)は、締付け力Fと弾性変形量Lとの相関関係を測定するテスト等を実施して適切な仕様に決定する。
【0029】
上述したそれぞれの弾性率低減手段9は単独で使用するだけでなく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
【符号の説明】
【0030】
1 パイプ継手
2 スリーブ
3 シール材
4 リテーナ(締付け部)
5 ハーフ体(締付け部)
5a ボルト穴
6 リンク(締付け部)
7 ボルト(締付け部)
8 ナット(締付け部)
9 弾性率低減手段
9a 皿バネ
9b(9b1、9b2) 切れ目部
9c 薄肉部
9d ゴムメタル製のボルト
10 パイプ
11 パイプ端部
M 流体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9