(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
G06F1/16 312L
G06F1/16 312F
G06F1/16 312M
(21)【出願番号】P 2023191921
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲塚▼崎 遥
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-117987(JP,A)
【文献】特開2005-165637(JP,A)
【文献】特開2005-78600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16-1/18
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に入力デバイスが設けられ、前記第1面の逆側の第2面にロアケースが設けられた本体ユニットと、
第3面に当該第3面の周縁部まで拡張された表示部が設けられ、前記第3面の逆側の第4面にバックカバーが設けられた表示ユニットと、
前記本体ユニットの縁部と前記表示ユニットの縁部とを接続し、前記第1面と前記第3面とが対面する閉状態姿勢と前記第1面と前記第3面とが離間する開状態姿勢を取り得るヒンジ部と、
を備え、
前記本体ユニットと前記表示ユニットとは前記閉状態姿勢において、前記ヒンジ部が設けられた縁部とは逆側の手前側縁部から前記縁部に向かい順に、第1領域、第2領域、第3領域に区分され、
前記第1領域において、前記本体ユニットは、内部にバッテリ収納部を有するとともに、前記第2面は、前記本体ユニットが設置される設置面と平行となる第1扁平面として形成され、前記第4面は、前記手前側縁部に向かい前記表示ユニットの厚みが減少するような第1傾斜面として形成され、
前記第2領域において、前記第2面は、前記第1扁平面に接続されるとともに前記第1傾斜面と平行で前記縁部に向かい前記設置面から離間する第2傾斜面として形成され、前記第4面は、前記第1傾斜面と接続されるとともに前記第1傾斜面の傾斜状態を維持する第3傾斜面として形成され、
前記第3領域において、前記表示ユニットは、前記表示部の制御基板を前記表示部の前記第4面側に積層する状態で収納し、前記第2面は、前記第2傾斜面に接続されるとともに前記設置面と平行な第2扁平面として形成され、前記第4面は、前記第3傾斜面に接続されるとともに前記設置面と平行な第3扁平面として形成されている、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2扁平面には、前記本体ユニットの冷却を行うための空気を吸入する吸気口が設けられている、請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置の一つの形態として、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ、いわゆる、ノートパソコンが知られている。ノートパソコンは、例えば、情報処理部等が収容された本体ユニットと、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示ユニットとがヒンジで接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなノートパソコンにおいて、表示ユニット側の外形サイズに対する表示エリア(液晶エリア)の割合を示す画面占有率を向上させて、表示エリアを拡大することにより商品価値を向上させようとする試みが行われている。例えば、従来16:9であったアスペクト比を16:10にすることで、外形サイズは従来のままで、表示エリアを拡大して表示品質の向上を製品の特長の一つとする場合がある。この場合、外形サイズいっぱいまで表示エリアとして利用すると、表示部を制御するための制御基板は、例えば表示部の裏面側(バックカバー側)に積層配置されることになり、表示ユニットの厚みが増加してしまう場合がある。ノートパソコンには、様々な規格が設定され、装置の厚みに関する規格も設定されている。そのため、画面占有率を向上させつつ、厚みの規格を満たした製品であることを特長の一つとして謳うためには、装置の薄型化を行う必要があるという問題があった。
【0005】
従って、本発明が解決する課題の一例は、画面占有率を向上させつつ、厚みの規格に適合できるように薄型化が可能な構造の情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1面に入力デバイスが設けられ、前記第1面の逆側の第2面にロアケースが設けられた本体ユニットと、第3面に当該第3面の周縁部まで拡張された表示部が設けられ、前記第3面の逆側の第4面にバックカバーが設けられた表示ユニットと、前記本体ユニットの縁部と前記表示ユニットの縁部とを接続し、前記第1面と前記第3面とが対面する閉状態姿勢と前記第1面と前記第3面とが離間する開状態姿勢を取り得るヒンジ部と、を備え、前記本体ユニットと前記表示ユニットとは前記閉状態姿勢において、前記ヒンジ部が設けられた縁部とは逆側の手前側縁部から前記縁部に向かい順に、第1領域、第2領域、第3領域に区分され、前記第1領域において、前記本体ユニットは、内部にバッテリ収納部を有するとともに、前記第2面は、前記本体ユニットが設置される設置面と平行となる第1扁平面として形成され、前記第4面は、前記手前側縁部に向かい前記表示ユニットの厚みが減少するような第1傾斜面として形成され、前記第2領域において、前記第2面は、前記第1扁平面に接続されるとともに前記第1傾斜面と平行で前記縁部に向かい前記設置面から離間する第2傾斜面として形成され、前記第4面は、前記第1傾斜面と接続されるとともに前記第1傾斜面の傾斜状態を維持する第3傾斜面として形成され、前記第3領域において、前記表示ユニットは、前記表示部の制御基板を前記表示部の前記第4面側に積層する状態で収納し、前記第2面は、前記第2傾斜面に接続されるとともに前記設置面と平行な第2扁平面として形成され、前記第4面は、前記第3傾斜面に接続されるとともに前記設置面と平行な第3扁平面として形成されている。
【0007】
また、前記第2扁平面には、例えば、前記本体ユニットの冷却を行うための空気を吸入する吸気口が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記態様によれば、画面占有率を向上させつつ、本体ユニットおよび表示ユニットの外形面同士の関係を調整することで、厚みの規格に適合するように薄型化が可能な構造の情報処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる情報処理装置の本体ユニットと表示ユニットとが閉状態姿勢となっているときに、表示ユニット側(バックカバー側)から見た外観を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる情報処理装置の本体ユニットと表示ユニットとが閉状態姿勢となっているときに、本体ユニット側(ロアケース側)から見た外観を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す情報処理装置をA-A線に沿って切った場合の断面であり、本体ユニットおよび表示ユニットに対して分割された領域と、設置面に対する領域ごとの外形面の状態を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、
図3を簡略化して表した例示的かつ模式的なイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0011】
図1は、実施形態にかかる情報処理装置10の本体ユニット12と表示ユニット14とが閉状態姿勢となっているときに、表示ユニット14側(バックカバー14a側)から見た外観を示す例示的かつ模式的な斜視図である。また、
図2は、情報処理装置10の本体ユニット12と表示ユニット14とが閉状態姿勢となっているときに、本体ユニット12側(ロアケース12a側)から見た外観を示す例示的かつ模式的な斜視図である。また、
図3は、
図1に示す情報処理装置10をA-A線に沿って切った場合の断面であり、本体ユニット12および表示ユニット14に対して分割された領域と、設置面G(
図3参照)に対する領域ごとの外形面の状態を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【0012】
なお、本実施形態において、便宜上、図中矢印X1-X2方向を情報処理装置10の幅方向(長手方向)、図中矢印Y1-Y2方向を情報処理装置10の奥行き方向(短手方向)、図中矢印Z1-Z1方向を情報処理装置10の厚み方向として説明する。
【0013】
情報処理装置10は、例えば、広く普及している携帯型パーソナルコンピュータ(いわゆるノートパソコン)である。情報処理装置10は、本体ユニット12と表示ユニット14とが、ヒンジ部16を介して開閉可能に接続されている。
【0014】
ヒンジ部16は、利用者が情報処理装置10を使用するために本体ユニット12に正対した場合に、本体ユニット12の手前側(矢印Y1側)で幅方向(長手方向)である矢印X1-X2方向に延びる手前側縁部18に対して奥側(矢印Y2側)で幅方向である矢印X1-X2方向)に延びる奥側縁部20(単に縁部ともういう)の一部に設けられている。ヒンジ部16は、奥側縁部20の幅方向の例えば左右端部近傍の2箇所に配置され、表示ユニット14の下端額縁部の一部を回動可能に支持している。情報処理装置10の使用時には、本体ユニット12に対して表示ユニット14を開動作することにより、本体ユニット12の上面に配置された入力デバイス22(例えば、キーボードやタッチパッド等)と、表示ユニット14の表示部24とを離反させ、互いに露出させて使用可能状態(開状態姿勢)にすることができる。また、情報処理装置10の非使用時や携帯時等には、本体ユニット12に対して表示ユニット14を閉動作することにより、入力デバイス22を表示部24で覆い、互いに保護するとともに、情報処理装置10をコンパクト化し、収納や携帯をし易い状態(閉状態姿勢)にすることができる。なお、本体ユニット12と表示ユニット14とは、ヒンジ部16を介して電気的に接続されている。
【0015】
図1~
図3は、表示ユニット14がヒンジ部16を支点として本体ユニット12に対して回動して閉じた状態である閉状態姿勢を示している。なお、開状態姿勢の図示は省略する。
【0016】
図3に示されるように、情報処理装置10の本体ユニット12は、入力デバイス22を備える第1面S1と、第1面S1の逆側でロアケース12aが設けられた第2面S2を備える。本体ユニット12の内部には、情報処理ユニット26として、例えば、中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、マザーボード(M/B)、ドーターボードのような種々の回路基板、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)のような記録装置、電源ユニット、通信ユニット、冷却ファン等が配置されている。また、情報処理装置10を使用する際に設置面Gに置いた場合の手前側、すなわち図中矢印Y1側(手前側縁部18側)には、情報処理ユニット26や表示ユニット14に電力を供給するバッテリ28を収納するバッテリ収容部28Aが設けられている。なお、情報処理ユニット26の構成やバッテリ28構成の構成、ヒンジ部16の構成は、周知の構造が適用可能であり、詳細な説明は省略する。
【0017】
表示ユニット14は、表示部24を備える第3面S3と、第3面S3の逆側でバックカバー14aが設けられた第4面S4を備える。表示部24は、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等で構成される。表示部24は、第3面S3において、表示ユニット14の周縁部まで拡張されている。すなわち、表示部24は、表示ユニット14の外形を規定する額縁いっぱいまで表示領域としている。その結果、従来の例えばアスペクト比16:9の表示ユニットの外形サイズを拡大することなく、例えばアスペクト比16:10の表示部24を実現している。また、表示部24の周囲に存在する額縁の薄型化が実現され、よりシンプルなデザインが実現され、商品価値の向上に寄与している。表示部24の基本構成や薄型化された額縁の構成は、周知の構成が利用可能であり、詳細な説明は省略する。
【0018】
また、表示ユニット14は、表示部24の表示制御を行う制御基板30を備える。情報処理装置10において、矢印Z1-Z2方向の距離(厚み)を薄くするため、表示ユニット14の制御基板30は、通常、表示部24の外側(表示部24の周辺部)に配置される場合が多い。しかしながら、上述したように表示部24(表示エリア)の拡張のため、表示ユニット14の周縁部まで表示部24を拡張した構成とする場合、制御基板30の配置スペースを表示部24の外側に確保することが困難になる場合がある。そのため、例えば、
図1、
図3に示されるように、表示部24の裏面側(バックカバー14a側)に積層する状態で収納する構造が採用される場合がある。この場合、表示ユニット14の厚み(矢印Z1-Z2方向の距離)は、バックカバー14aの厚み、表示部24(液晶構造体)の厚み、制御基板30の厚み等が加算され、薄型化に反する構造になってしまう。積層構造とした制御基板30による厚みの増加分を、本体ユニット12側の薄型化で吸収することができればよいが、情報処理装置10の長時間駆動が求められる状況において、バッテリ28の薄型化は容易ではない。したがって、バッテリ28の搭載スペースを確保する必要のある本体ユニット12側の薄型化もまた容易ではない。
【0019】
そこで、本実施形態の情報処理装置10は、容易に薄型化ができない領域があることを考慮しつつ、本体ユニット12や表示ユニット14を奥行方向(矢印Y1-Y2方向)に分割して外形形状を変更することで、情報処理装置10全体としての薄型化を実現している。
【0020】
図1~
図3に加え、
図4を用いて、情報処理装置10の薄型化のための形状を説明する。なお、
図4は、
図3を簡略化して表した例示的かつ模式的なイメージ図である。
【0021】
図3、
図4に示されるように、本実施形態の情報処理装置10(本体ユニット12と表示ユニット14)は、閉状態姿勢において、ヒンジ部16が設けられた奥側縁部20(縁部)とは逆側の手前側縁部18から奥側縁部20に向かい順に、第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3に区分(分割)されている。
【0022】
第1領域E1は、情報処理装置10において、本体ユニット12でバッテリ28が収容されるバッテリ収容部28Aを含む部分に対応する領域で、手前側縁部18に対応する区画線L1と、バッテリ収容部28Aの矢印Y2方向において奥側端部より少し奥側の位置を示す区画線L2と、で規定される領域である。第1領域E1は、本体ユニット12側では、バッテリ28の存在により、薄型化が容易に実施し難い領域といえる。
【0023】
また、第3領域E3は、情報処理装置10において、表示ユニット14のバックカバー14a側で表示部24の裏面側に積層された制御基板30を含む部分に対応する領域で、制御基板30の矢印Y1方向において手前側の端部より少し手前側の位置を示す区画線L3と、奥側縁部20に対応する区画線L4と、で規定される領域である。第3領域E3は、表示ユニット14側では、積層配置された制御基板30の存在により、薄型化が容易に実施し難い領域といえる。
【0024】
そして、第2領域E2は、第1領域E1と第3領域E3とで挟まれた領域であり、区画線L2と区画線L3とで規定される領域である。
【0025】
なお、情報処理装置10において、装置厚を規定する場合、本体ユニット12側の第2面S2と表示ユニット14側の第4面S4との距離によって規定される。その場合、情報処理装置10の高さ方向(矢印Z1-Z2方向)の最大値が、情報処理装置10全体としての装置厚として採用される。
【0026】
以下、第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3において、情報処理装置10の装置厚を規定する場合の基準となる、本体ユニット12側の第2面S2と表示ユニット14側の第4面S4の態様について説明する。
【0027】
まず、第1領域E1において、本体ユニット12は、前述したように内部にバッテリ収容部28Aを有する。そして、本体ユニット12の第2面S2は、本体ユニット12が設置される設置面Gと平行となる第1扁平面M1として形成されている。一方、表示ユニット14の第4面S4は、手前側縁部18に向かい表示ユニット14の厚みが減少するような第1傾斜面N1として形成されている。この場合、情報処理装置10の装置厚は、第1領域E1の手前側縁部18の位置(区画線L1の位置)で最も薄く装置厚t1aである。また、第1領域E1の矢印Y2側の端部の位置(区画線L2の位置)で最も厚く装置厚t1bとなる。したがって、第1領域E1における情報処理装置10の装置厚は、装置厚t1(=t1b)となる。なお、この場合、本体ユニット12側の厚みは、バッテリ28を収容可能な厚みであり、表示ユニット14側の手前側縁部18の厚みは、制御基板30が存在しない表示部24を収容可能な厚みである。
【0028】
続いて、第2領域E2において、本体ユニット12の第2面S2は、第1扁平面M1に接続されるとともに、表示ユニット14の第4面S4側の第1傾斜面N1と平行で奥側縁部20に向かい設置面Gから離間する第2傾斜面N2として形成されている。一方、表示ユニット14の第4面S4は、第1傾斜面N1と接続されるとともに当該第1傾斜面N1の傾斜状態を維持する第3傾斜面N3として形成されている。すなわち、第1傾斜面N1と第3傾斜面N3は、傾斜状態が同じ連続した面である。この場合、第2傾斜面N2と第1傾斜面N1とは平行であり、さらに第3傾斜面N3は第1傾斜面N1の傾斜状態を維持しているので、第2傾斜面N2と第3傾斜面N3とは平行になる。また、第2傾斜面N2は第1扁平面M1と連続し、第3傾斜面N3は第1傾斜面N1と連続しているので、情報処理装置10の装置厚は、平行な第2傾斜面N2と第3傾斜面N3と間の距離となり、第2領域E2の全域において均一な装置厚t2となる。すなわち、第1領域E1と第2領域E2において、装置厚t1=装置厚t2となる。
【0029】
続いて、第3領域E3において、表示ユニット14は、前述したように表示部24の制御基板30を表示部24の第4面S4側に積層する状態で収納している。そして、表示ユニット14の第2面S2は、第2領域E2の本体ユニット12の第2傾斜面N2に接続されるとともに設置面Gと平行な第2扁平面M2として形成されている。一方、表示ユニット14の第4面S4は、第2領域E2の第3傾斜面N3に接続されるとともに設置面Gと平行な第3扁平面M3として形成されている。つまり、第2扁平面M2と第3扁平面M3は平行である。この場合、第2扁平面M2は第2傾斜面N2の奥側端部と連続し、第3扁平面M3は第3傾斜面N3の奥側端部と連続しているので、第3領域E3における情報処理装置10の装置厚は、平行な第2扁平面M2と第3扁平面M3と間の距離となり、第3領域E3の全域において均一な装置厚t3となる。すなわち、第2領域E2と第3領域E3において、装置厚t2=装置厚t3となる。
【0030】
したがって、第1領域E1の装置厚t1=第2領域E2の装置厚t2=第3領域E3の装置厚t3となる。つまり、制御基板30の積層の有無に関わりなく規定される第1領域E1における装置厚t1と同じ厚みで、制御基板30が積層されて表示ユニット14の厚みが厚くなっている第3領域E3の装置厚t3を実現することができる。すなわち、本体ユニット12の第3領域E3において、バッテリ28等が存在しない、比較的薄型化が容易な領域で、第2領域E2の第2傾斜面N2を用いて、第2面S2を設置面Gから離間させて、本体ユニット12の薄型化を行い、表示ユニット14側で制御基板30の積層により増加した厚み分を吸収している。その結果、制御基板30を表示部24の裏側に積層することで生じる厚みの増加で、情報処理装置10が、目標とする厚み規格から外れることを回避することできる。つまり、表示ユニット14の画面占有率を向上させつつ、厚みの規格に適合するように薄型化が可能な構造の情報処理装置10を提供することができる。
【0031】
なお、本体ユニット12の第2面S2の形状を上述したような形状にする場合、
図4のイメージ図に示されるように、第3領域E3が第1領域E1より設置面Gから離れることになる。つまり、奥行方向で段差が生じ、設置面Gに設置した場合、情報処理装置10は奥行方向に傾く。情報処理装置10は、設置時の滑り止めや設置安定性を向上するために、
図2、
図3に示すように本体ユニット12の第2面S2に足部32を例えば四隅近傍に備える場合がある。したがって、手前側縁部18側の矢印X1-X2方向に配置された2個の足部32と、奥側縁部20側の矢印X1-X2方向に配置された2個の足部32との高さ(矢印Z1-Z2方向の高さ)を調整することにより、設置面Gに対して本体ユニット12を水平状態にすることができる。足部32は、例えば、ゴム等の樹脂材で形成することができる。なお、情報処理装置10の規格に定められた装置厚には、足部32(足部32の高さ)は含まれないため、足部32の高さによる情報処理装置10の設置姿勢の調整は、適宜行うことができる。
【0032】
ところで、本実施形態の情報処理装置10の本体ユニット12の第2面S2側は、第2領域E2の第2傾斜面N2によって、第2領域E2の第2面S2および第3領域の第2面S2が設置面Gから離間している。つまり、本体ユニット12の第2面S2の全体が扁平面となっている場合に比べ、本体ユニット12と設置面Gとの間に隙間が増大している。本実施形態の情報処理装置10は、この隙間に対応する位置、例えば、本体ユニット12の第2面S2の第2領域E2の第2傾斜面N2と第3領域E3の第2扁平面M2の少なくとも一方に、本体ユニット12に内蔵された冷却ファンが外気を吸い込むための吸気口34を備えている。第2傾斜面N2により増大した隙間に対応する部分に吸気口34を設けることにより、本体ユニット12の第2面S2の全体が扁平面となっている場合に比べ、本体ユニット12に内蔵された冷却ファンの運転負荷を軽減することができるとともに、吸気効率を向上させることができる。冷却ファンの運転負荷の軽減は、バッテリ28の電力消費の軽減に寄与できる。また、吸気効率の向上は、情報処理装置10の内部冷却性能の向上に寄与できる。その結果、情報処理装置10のパフォーマンスの向上に寄与することができる。
【0033】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
10…情報処理装置、12…本体ユニット、12a…ロアケース、14…表示ユニット、14a…バックカバー、16…ヒンジ部、18…手前側縁部、20…奥側縁部(縁部)、22…入力デバイス、24…表示部、26…情報処理ユニット、28…バッテリ、28A…バッテリ収容部、30…制御基板、32…足部、34…吸気口、E1…第1領域、E2…第2領域、E3…第3領域、M1…第1扁平面、M2…第2扁平面、M3…第3扁平面、N1…第1傾斜面、N2…第2傾斜面、N3…第3傾斜面、S1…第1面、S2…第2面、S3…第3面、S4…第4面。
【要約】
【課題】画面占有率を向上させつつ、厚みの規格に適合するように薄型化が可能な構造の情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、本体ユニットと表示ユニットとを備え、本体ユニットは第1面とその逆側の第2面を備え、表示ユニットは第3面とその逆側の第4面を備える。本体ユニットと表示ユニットとは閉状態姿勢において、手前側縁部から順に、第1領域、第2領域、第3領域に区分される。第1領域において、本体ユニットの第2面は第1扁平面として形成され、表示ユニットの第4面は第1傾斜面として形成される。第2領域において、本体ユニットの第2面は第2傾斜面として形成され、表示ユニットの第4面は第3傾斜面として形成される。第3領域において、本体ユニットの第2面は第2扁平面として形成され、表示ユニットの第4面は第3扁平面として形成される。
【選択図】
図4