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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】遊技台
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
A63F5/04 613Z
A63F5/04 511A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022115396
(22)【出願日】2022-07-20
(65)【公開番号】P2024013360
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】597044139
【氏名又は名称】株式会社大都技研
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 二郎
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-266086(JP,A)
【文献】特開2004-076944(JP,A)
【文献】実開昭58-051774(JP,U)
【文献】特開2004-275606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04,7/02,9/00
G07F 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
前記リールを回転駆動する駆動手段と、
を備えた遊技台であって、
前記駆動手段は、動力を発生する動力発生手段と、該動力発生手段の動力を伝達する動力伝達手段と、を少なくとも備え、
前記動力伝達手段は、前記動力発生手段によって駆動される駆動ギアと、該駆動ギアに駆動されて前記リールを回転駆動する一または複数の従動ギアと、少なくとも前記リールを回転可能に支持するリール回転軸と、を少なくとも備え、
前記駆動ギアおよび前記従動ギアの少なくとも一方には、潤滑油が塗布され、
前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なカバー部材を備
前記駆動手段を取り付け可能な第二の取付手段を備え、
前記第二の取付手段の第一の側に、前記動力発生手段が配置され、
前記第二の取付手段における前記第一の側とは反対側の第二の側に、前記駆動ギアおよび前記従動ギアが配置され、
前記カバー部材は、前記第二の取付手段の前記第二の側において、前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容するとともに、該第二の取付手段との間にシール材を挟んだ状態で該第二の取付手段に固定される、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
複数のリールと、
前記リールを回転駆動する駆動手段と、
を備えた遊技台であって、
前記駆動手段は、動力を発生する動力発生手段と、該動力発生手段の動力を伝達する動力伝達手段と、を少なくとも備え、
前記動力伝達手段は、前記動力発生手段によって駆動される駆動ギアと、該駆動ギアに駆動されて前記リールを回転駆動する一または複数の従動ギアと、少なくとも前記リールを回転可能に支持するリール回転軸と、を少なくとも備え、
前記駆動ギアおよび前記従動ギアの少なくとも一方には、潤滑油が塗布され、
前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なカバー部材を備え、
前記リール回転軸に配設される軸受を備え、
前記軸受は、金属製の外輪および内輪と、該外輪および内輪の間に配設される樹脂製の部材を少なくとも備え、
前記一または複数の従動ギアのうちの一つは、前記軸受を介して前記リール回転軸に取り付けられる、
ことを特徴とする遊技台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)、封入式遊技機あるいはメダルレススロットマシンに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台の一つとして、例えば、スロットマシンやリール(ドラム)を用いたぱちんこ機等が知られている。このような遊技台には、遊技の進行に応じてリールを用いたリール演出を実行するものがあり(例えば、特許文献1参照)、このようなリール演出においては、演出効果を高めるために、リールを高速回転する演出が想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-73461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遊技台では、リールを回転駆動する動力発生手段としてステッピングモータを使用することが主流であるが、より出力の高いDCモータを用いることでリールを高速回転させることが可能となる。
【0005】
しかしながら、従来よりもリールを高速回転させることにより、リールの駆動機構(ギア等)を滑らかに動作させるために塗布した潤滑油が飛散してしまうといった新たな問題が発生するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、リールの高速回転に伴う問題を解消することが可能な駆動機構を備える遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遊技台は、複数のリールと、前記リールを回転駆動する駆動手段と、を備えた遊技台であって、前記駆動手段は、動力を発生する動力発生手段と、該動力発生手段の動力を伝達する動力伝達手段と、を少なくとも備え、前記動力伝達手段は、前記動力発生手段によって駆動される駆動ギアと、該駆動ギアに駆動されて前記リールを回転駆動する一または複数の従動ギアと、前記リールを回転可能に支持するリール回転軸と、を少なくとも備え、前記駆動ギアおよび前記従動ギアの少なくとも一方には、潤滑油が塗布され、前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なカバー部材を備前記駆動手段を取り付け可能な第二の取付手段を備え、前記第二の取付手段の第一の側に、前記動力発生手段が配置され、前記第二の取付手段における前記第一の側とは反対側の第二の側に、前記駆動ギアおよび前記従動ギアが配置され、前記カバー部材は、前記第二の取付手段の前記第二の側において、前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容するとともに、該第二の取付手段との間にシール材を挟んだ状態で該第二の取付手段に固定される、ことを特徴とする遊技台である。
また、本発明に係る遊技台は、複数のリールと、前記リールを回転駆動する駆動手段と、を備えた遊技台であって、前記駆動手段は、動力を発生する動力発生手段と、該動力発生手段の動力を伝達する動力伝達手段と、を少なくとも備え、前記動力伝達手段は、前記動力発生手段によって駆動される駆動ギアと、該駆動ギアに駆動されて前記リールを回転駆動する一または複数の従動ギアと、前記リールを回転可能に支持するリール回転軸と、を少なくとも備え、前記駆動ギアおよび前記従動ギアの少なくとも一方には、潤滑油が塗布され、前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なカバー部材を備え、前記リール回転軸に配設される軸受を備え、前記軸受は、金属製の外輪および内輪と、該外輪および内輪の間に配設される樹脂製の部材を少なくとも備え、前記一または複数の従動ギアのうちの一つは、前記軸受を介して前記リール回転軸に取り付けられる、ことを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る遊技台によれば、リールの高速回転に伴う問題を解消可能な駆動機構を備える遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
図2】スロットマシン100の入賞ラインの一例を示す図である。
図3】制御部の回路ブロック図を示したものである。
図4】各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
図5】入賞役の種類、条件装置の名称,各入賞役に対応する図柄組合せ,払出数,備考を示す図である。
図6】(a)左リール装置601を取り出した状態のリールユニット600を正面側から見た外観斜視図である。(b)左リール装置601を取り出した状態のリールユニット600を背面側から見た外観斜視図である。
図7】リール装置601を構成する部材を分解して正面側から見た分解斜視図である。
図8】リール装置601を構成する部材を分解して背面側から見た分解斜視図である。
図9】(a)リール枠左684を正面側から見た外観斜視図である。(b)リール枠左684を背面側から見た外観斜視図である。
図10】(a)被検知部686の正面図である。(b)被検知部686の側面図である。(c)被検知部686を正面側から見た外観斜視図である。(d)被検知部686を背面側から見た外観斜視図である。
図11】(a)被検知部686の遮光片694aと、左リール110のリール帯680との関係を示した図である。(b)変形例に係る被検知部686´の遮光片694a´と、左リール110のリール帯680´との関係を示した図である。
図12】(a)バックライトモジュール630の正面図である。(b)バックライトモジュール630の側面図である。(c)バックライトモジュール630を構成する部材を分解して正面側から見た外観斜視図である。
図13】(a)リール駆動部610の正面図である。(b)リール駆動部610の側面図である。(c)リール駆動部610を正面側から見た外観斜視図である。(d)リール駆動部610を背面側から見た外観斜視図である。
図14】リール駆動部610を構成する部材を分解して正面側から見た分解斜視図である。
図15】リール装動部610を構成する部材を分解して背面側から見た分解斜視図である。
図16】(a)リールモータユニット614とギアユニット616を取付板612に取り付けた状態を示す正面図である。(b)リールモータユニット614とギアユニット616を取付板612に取り付けた状態をギアユニット616側から見た外観斜視図である。
図17】(a)ギアユニットカバー618を取り除いた状態のリール駆動部610の側面図である。(b)ギアユニットカバー618,リール帯680、バックライトモジュール630を取り除いた状態のリール装置601の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<実施形態1>>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態1に係る遊技台(スロットマシン)について説明する。
【0011】
<全体構成>
まず、図1を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0012】
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。
【0013】
本体101の中央部には、3個のリール(左リール110、中リール111、右リール112)が収容されたリールユニット600(図6参照)が配設されている。詳細は後述するが、各々のリール110~112は、複数種類の図柄(図4参照)が等間隔で印刷されたリール帯680(図7図8参照)を備えている。
【0014】
リール110~112のリール帯680に施された図柄は、遊技者から見ると、各リール110~112の手前に設けられた図柄表示窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110~112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。つまり、各リール110~112は、複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。
【0015】
なお、このような表示装置としては、リール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールを本体101の中央部に配置しているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0016】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役1または特別役2)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中(特別役1・2遊技状態中)であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0017】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0018】
演出ボタン156は、遊技者が操作可能な操作手段である。本実施形態では、遊技者による押下操作が可能なボタンで構成しており、各種演出に使用される。このような演出に用いられる操作手段は、ボタンに限定されず、例えば、レバーやタッチパネル等で構成してもよいし、操作手段を複数備えていてもよい。
【0019】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
【0020】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器であり、押順演出を行うための指示モニタとしても利用される。本例では、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0021】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0022】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応付けられている。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0023】
以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作といい、最初の停止操作を第1停止操作(以下、「1停」や「第1停止」ともいう。)、次の停止操作を第2停止操作(以下、「2停」や「第2停止」ともいう。)、最後の停止操作を第3停止操作(以下、「3停」や「第3停止」ともいう。)という。
【0024】
また、これらの停止操作に対応して停止されるリールを、順に第1停止リール、第2停止リール、第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110乃至112を全て停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を、操作順序(または、押順)という。
【0025】
ストップボタン137~139の操作順序(押順)は、左ストップボタン137を「左またはR」、中ストップボタン138を「中またはC」、右ストップボタン139を「右またはR」で表した場合、(1)左→中→右の操作順序(左中右またはLCR),(2)左→右→中の操作順序(左右中またはLRC),(3)中→左→右の操作順序(中左右またはCLR),(4)中→右→左の操作順序(中右左またはCRL),(5)右→左→中の操作順序(右左中またはRLC),(6)右→中→左の操作順序(右中左またはRCL)の6種類である。
【0026】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0027】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0028】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0029】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0030】
また、本体101の内部には、回転操作により、オンとオフに切り替え可能な設定キーや、押下操作により、設定変更を行うための操作(設定値変更操作)や、設定確認を行うための操作が可能な設定スイッチが設けられている。設定キーは、設定値(本例では設定1~設定6)の設定変更や設定確認を開始するための操作手段であり、設定スイッチは、複数の設定値のうちの一の設定値を設定可能な設定手段の一つである。
【0031】
<入賞ライン>
次に、図2を用いて、入賞ラインについて説明する。図2は、スロットマシン100の入賞ラインの一例を示す図である。
【0032】
図1を用いて説明したように、リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110~112の手前に設けられた図柄表示窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。
【0033】
具体的には、左リール110の上段(図に示す1の位置;図柄位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置;図柄位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置;図柄位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄という。
【0034】
また、中リール111の上段(図に示す4の位置;図柄位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置;図柄位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置;図柄位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄という。
【0035】
また、右リール112の上段(図に示す7の位置;図柄位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置;図柄位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置;図柄位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄という。
【0036】
本実施形態では、入賞ラインとして、左リール中段図柄(図柄位置2)、中リール中段図柄(図柄位置5)および右リール中段図柄(図柄位置8)で構成される中段入賞ラインL1(以下、単に「入賞ラインL1」という場合がある。)のみが設けられている。
【0037】
ここで、入賞ラインとは、図柄表示窓113を介して視認可能となる図柄の停止位置に設定されるラインであり、図5を用いて説明する入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否か(揃ったか否か)が判定されるラインのことである。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。
【0038】
本実施形態のスロットマシン100は3枚賭け専用機であり、メダルの投入枚数が3枚未満のときは、どの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに入賞ラインL1が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。
【0039】
以下、図柄表示窓113のうち、入賞ラインL1上の図柄位置2、5、8を「入賞位置」、それ以外の図柄位置、つまり図柄位置1、3、4、6、7、9を「非入賞位置」と称する場合がある。すなわち、入賞位置とは、入賞ライン上にあり、かつ入賞役に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止する位置をいう。
【0040】
なお、入賞ラインの数については1ラインに限定されるものではない。例えば、入賞ラインL1に加えて、左リール上段図柄、中リール上段図柄および右リール上段図柄で構成される上段入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段入賞ラインの計3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、メダルの賭数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0041】
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0042】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0043】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
【0044】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0045】
主制御部300は、水晶発振器315aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路316(この回路には2つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0046】
乱数値生成回路316は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路316における乱数値の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数値として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数値の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数値として導出する。二つ目の方法は、0~65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数値として導出する。乱数値生成回路316では、各種センサ318からセンサ回路320に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路316は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数値の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
【0047】
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、後述するリール装置601~603のフォトセンサ642等)の状態を監視している。
【0048】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0049】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0050】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0051】
詳細は後述するが、リール装置601~603のフォトセンサ642は、各リール装置601~603の所定位置に設置されており、リール110~112に設けた被検知部686の遮光片694a(図10(a)等参照)が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、このフォトセンサ642の検出結果に基づいてリール110~112上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が図柄表示窓113の所定の図柄位置に停止表示されるようにリール110乃至112のブレーキ制御や停止制御等を行う。
【0052】
主制御部300は、リール110~112を回転させるモータ614a(図15等参照)を駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0053】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0054】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0055】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0056】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0057】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0058】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0059】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0060】
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0061】
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には、入力インタフェースを介して、シャッタ163の位置を検知可能なシャッタセンサ428と、演出ボタン156の押下操作を検知可能な演出ボタンセンサ430と、を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428と演出ボタンセンサ430の状態を監視している。
【0062】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157(以下、「液晶表示装置157」ともいう。)の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0063】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0064】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0065】
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0066】
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、図4は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0067】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、9種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0~19の20コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0~19は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号0のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号1のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号0のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
【0068】
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、図5は、入賞役の種類、条件装置の名称,各入賞役に対応する図柄組合せ,払出数,備考を示す図である。
【0069】
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1~3、小役1~小役5)等がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができ、図5においては、一部の入賞役の図示を省略している。
【0070】
<入賞役の種類/特別役>
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役(再遊技が付与される役)である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。
【0071】
また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが入賞ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役への入賞が含まれる。
【0072】
特別役1および特別役2は、内部当選により遊技状態が特別役1・2内部当選状態(RT3)に移行し、入賞により遊技状態が特別役1・2遊技状態(RT4)に移行する入賞役である。なお、特別役1・2遊技状態(RT4)において規定枚数(例えば200枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態は再遊技低確率状態(RT1)に移行する。なお、各遊技状態(RT1~RT4)については後述する。
【0073】
特別役1(BB)に対応する図柄組合せは、「セブン1図柄-セブン1図柄-セブン1図柄」または「セブン2図柄-セブン2図柄-セブン2図柄」であり、特別役2(RB)に対応する図柄組合せは、「BAR図柄-BAR図柄-BAR図柄」である。
【0074】
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2に内部当選した遊技においては、その特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組合せが、揃って入賞しやすい状態になる。
【0075】
<入賞役の種類/再遊技役>
再遊技役1~3は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。対応する図柄組合せは、図5に示す通りである。なお、再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技役に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(メダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数が再設定)されるものであってもよいし、再遊技役に入賞した遊技で投入されたメダルを、そのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
【0076】
<入賞役の種類/小役>
小役1~小役5は、入賞により所定数のメダルが払い出される(払出枚数がある)入賞役である。
【0077】
小役1(スイカ)は、入賞により、「スイカ図柄-スイカ図柄-スイカ図柄」の図柄組合せが入賞ラインL1に停止表示され、5枚のメダルが払い出される入賞役である。
【0078】
小役2(チェリー)は、入賞により、「チェリー図柄-ANY-ANY」の図柄組合せが入賞ラインL1に停止表示され、2枚のメダルが払い出される入賞役である。なお、「チェリー図柄-ANY-ANY」の図柄組合せは、左リール110の図柄が「チェリー図柄」であればよく、中リール111と右リール112の図柄は、どの図柄でもよいことを示している。
【0079】
以降では、これらの小役1(スイカ)と小役2(チェリー)を、総称して「レア役」という場合があるが、レア役は、これらの入賞役に限定されるものではなく、いずれか一方の入賞役であってもよいし、他の入賞役を加えてもよい。
【0080】
小役3(押順ベル)は、小役3a~小役3fの6種類の入賞役で構成される。本例では、抽選により、所定の確率(本例では約1/6。全設定共通)で、小役3a~小役3fのいずれかの入賞役に内部当選し、ストップボタン137~139による停止操作の操作順序(押順)が、内部当選した入賞役に対応する正解押順と一致した場合に入賞し、12枚のメダルが払い出される。
【0081】
小役4(共通ベル)は、ストップボタン137~139による停止操作の操作順序(押順)や操作タイミングに関わらず、「ベル図柄-ベル図柄-ベル図柄」の図柄組合せが入賞ラインL1上に停止表示され、12枚のメダルが払い出される入賞役である。
【0082】
小役5(1枚役)は、ストップボタン137~139による停止操作の操作順序(押順)や操作タイミングに関わらず、「リプレイ図柄-リプレイ図柄-ブランク1図柄」の図柄組合せが入賞ラインL1上に停止表示され、1枚のメダルが払い出される入賞役である。
【0083】
<RT系の遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100におけるRT系の遊技状態の種類および変遷について説明する。
【0084】
<再遊技低確率状態(RT1)>
再遊技低確率状態(RT1)は、スロットマシン100の電源投入直後等に最初に設定されるデフォルトのRT系の遊技状態(以下、「通常遊技状態」ともいう。)であって、遊技者にとって他の遊技状態よりも相対的に不利な遊技状態である。
【0085】
本例では、この再遊技低確率状態(RT1)において、再遊技役2(昇格リプレイ1)または再遊技役3(昇格リプレイ2)に入賞した場合に、後述する再遊技高確率状態(RT2)に移行する。また、この再遊技低確率状態(RT1)において、特別役1あるいは特別役2に内部当選した場合に、後述する特別役1・2内部当選状態(RT3)に移行する。
【0086】
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態は、再遊技の内部当選確率が再遊技低確率状態(RT1)よりも高い遊技状態である。
【0087】
本例では、この再遊技高確率状態(RT2)において、特別役1あるいは特別役2に内部当選した場合に、後述する特別役1・2内部当選状態(RT3)に移行する。
【0088】
<特別役1・2内部当選状態(RT3)>
特別役1・2内部当選状態(RT3)は、特別役1あるいは特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。
【0089】
本例では、この特別役1・2内部当選状態(RT3)において、特別役1または特別役2に入賞した場合に、後述する特別遊技状態(RT4)に移行する。
【0090】
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態(RT4)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。本例では、特別遊技状態(RT4)において、規定枚数(例えば200枚)が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行する。
【0091】
なお、本例では、特別遊技状態(RT4)の終了条件は、特に限定されず、例えば、所定役に内部当選した場合や、所定回数(例えば、8回)の入賞があった場合や、所定回数(例えば、6回)の遊技が行われた場合であってもよい。
【0092】
<AT系の遊技状態の遷移>
次に、AT系の遊技状態について説明する。
【0093】
AT系の遊技状態は、低ナビ状態と高ナビ状態に大別される。低ナビ状態とは、操作ナビが実行される確率が低い状態であり、通常モード,非有利区間,または、通常区間ともいう。高ナビ状態とは、低ナビ状態よりも操作ナビが実行される確率が高い状態であり、ATモード,有利区間ともいう。
【0094】
ここで、操作ナビとは、メダル獲得や有利な遊技状態を維持するために、ストップボタン137~139の停止操作態様(例えば、正解操作順序や停止操作のタイミング)を報知する演出をいい、例えば、押順役(例えば、小役3(押順ベルLCR))の正解操作順序を報知する演出(例えば、「左→中→右」の文字を表示する演出)等が該当する。
【0095】
操作ナビの操作内容に従った停止操作を行った場合、遊技者に有利な結果がもたらされるので、高ナビ状態は、低ナビ状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。ここで、有利とは、具体的には、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合、いわゆる払出率(出玉率)が有利なことをいう。
【0096】
なお、本例では、低ナビ状態を、操作ナビの実行確率が低い状態、高ナビ状態を、低ナビ状態よりも操作ナビの実行確率が高い状態としたが、低ナビ状態を、操作ナビを実行しない状態、高ナビ状態を、操作ナビを実行する状態としてもよい。
【0097】
AT系の各遊技状態は、細分化されて管理されており、これを演出状態と呼ぶ。詳しくは、低ナビ状態の演出状態は、通常遊技状態、高ナビ状態の演出状態は、ノーマル状態、確定告知状態、ジャッジ状態、引き戻し状態、AT1状態、AT2状態、ED(エンディング)状態を備えている。なお、AT1状態、AT2状態、およびED状態が、原則として出玉の増える状態である。
【0098】
本実施形態では、低ナビ状態の通常遊技状態において或る条件が成立した場合(例えば、ハズレ以外の入賞役に入賞した場合)に、高ナビ状態のノーマル状態に移行する。その後は、例えば、確定告知状態→AT1状態→ジャッジ状態の順番で移行し、このジャッジ状態から、引戻し状態を経由して通常遊技状態またはAT2状態に移行するルートや、ジャッジ状態から、直接、AT2状態に移行するルート等がある。
【0099】
AT状態(AT1状態、AT2状態)とは、所定回数(例えば、1セット30ゲーム)のAT遊技が可能な状態であり、低ナビ状態の通常遊技状態や高ナビ状態のノーマル状態等よりも、遊技者にとって有利な状態である。
【0100】
このAT遊技では、AT遊技の開始遊技で、AT遊技を継続するか否かのセット継続抽選(例えば、当選確率1/4の抽選)が実行され、このセット継続抽選に当選すると、さらに所定回数(本例では、1セット30ゲーム)のATゲームが付与され、AT状態が延長される。また、AT状態において通常遊技状態への移行条件が成立した場合(本例では、AT状態における全ての遊技を消化した場合)に、次回の遊技から通常遊技状態に移行する。
【0101】
また、高ナビ状態の残りゲームが所定のゲーム数(例えば、20ゲーム)以下になると、ED状態に移行し、このED状態では、高ナビ状態の終了を示唆するED(エンディング)演出が実行される。なお、ED状態への移行条件は、高ナビ状態の残りゲームが所定のゲーム数(例えば、20ゲーム)以下になることに限らず、例えば、所定のゲーム数が20ゲーム以上でも以下でも良いし、「獲得枚数+獲得予定差枚数>2000」であることでも良い。
【0102】
<リールユニット>
次に、図6を用いて、リールユニット600について詳細に説明する。
【0103】
図6(a)は、左リール装置601を取り出した状態のリールユニット600を正面側から見た外観斜視図であり、同図(b)は、左リール装置601を取り出した状態のリールユニット600を背面側から見た外観斜視図である。
【0104】
リールユニット600は、左リール110を備える左リール装置601(以下、単に「リール装置601」ともいう。)と、中リール111を備える中リール装置602(以下、単に「リール装置602」ともいう。)と、右リール112を備える右リール装置603(以下、単に「リール装置603」ともいう。)と、これらの3個のリール装置601~603を内部に収容可能なリールフレーム604と、このリールフレーム604の上方に配設されたリール基板ユニット606を有して構成される。
【0105】
本発明の特徴であるリール装置601~603の説明に先立って、最初に、リールフレーム604とリール基板ユニット606について説明する。
【0106】
<リールユニット/リールフレーム>
リールフレーム604は、リール装置601~603を収容可能な内部空間を有する箱状の部材であり、正面側にはリール110~112が視認可能な開口部が形成されている。本例のリールフレーム604は、プラスチックで形成されるが、リールフレーム604の材質は、特に限定されず、金属、木材等であってもよい。
【0107】
リールフレーム604の上方には、後述するリール基板ユニット606が配設され、リールフレーム604の背面および側面には、複数種類の放熱孔604a~604cが形成されている。放熱孔604a~604cは、いずれも、リール装置601~603やリール基板ユニット606等が発する熱をリールフレーム604の外部に放出するための貫通孔である。
【0108】
具体的には、本例では、リールフレーム604の背面上部(リール基板ユニット606の下方)に、横長楕円形状の放熱孔604aが所定の間隔を空けて3個形成され、リールフレーム604の背面(リール装置601~603の背面方向)に、楕円形状の放熱孔604bが所定の間隔を空けて6個形成され、リールフレーム604の幅方向両端(リール装置601,603の側面方向)に、スリット状の放熱孔604cが所定の間隔を空けて、各側面に4個ずつ形成されている。なお、これらの放熱孔604a~604cの配置場所,形状,個数等は、本例に限定されないことは言うまでもない。
【0109】
また、リールフレーム604の開口部には、リール装置601~603のリール側板650を固定するためのリール固定部604dが、3個のリール装置601~603に対応して、上縁と下縁にそれぞれ3カ所ずつ、合計6カ所形成されている。リール装置601~603をリールフレーム604の内側空間に収容した状態で、当該リール装置601~603のリール側板650をリール固定部604dにネジ651a(図6において一部のみ図示)でネジ止めすることで、リール装置601~603をリールフレーム604に固定することが可能である。
【0110】
<リールユニット/リール基板ユニット>
リールフレーム604の上方に配設されたリール基板ユニット606は、中継基板606aと、この中継基板606aに電気的に接続される中継端子板606bと、これらの中継基板606aおよび中継端子板606bの一部を覆うようにして配設されるリール基板カバー606cと、を有して構成される。
【0111】
中継基板606aは、リール装置601~603を制御するための電子部品が実装される基板である。また、中継端子板606bは、中継基板606aと、主制御部300の駆動回路322(図3参照)等の電子部品を電気的に接続するためのハーネス等が装着可能な端子(コネクタ)を備えた基板である。これらの基板は、リール基板カバー606cによって保護されている。
【0112】
<リール装置>
次に、図7図17を用いて、本発明の特徴点であるリール装置601~603について詳細に説明する。
【0113】
なお、本例のスロットマシン100の左リール装置601,中リール装置602,および右リール装置603の構造は同一であるため、以降、左リール装置601(リール装置601)についてのみ説明するが、以降に説明するリールの駆動機構を、左リール110,中リール111,および右リール112のうちの一部のリールのみに適用してもよいし、これに加えて(または、代えて)、左リール110,中リール111,右リール112以外の補助リール等に適用してもよい。
【0114】
図7は、リール装置601を構成する部材を分解して正面側から見た分解斜視図であり、図8は、リール装置601を構成する部材を分解して背面側から見た分解斜視図である。
【0115】
リール装置601は、リール110と、このリール110を回転駆動するリール駆動部610と、リール110の図柄を背面から照明するためのバックライトモジュール630と、リール110の回転位置を検知するためのリール検知部640と、これらのリール駆動部610,バックライトモジュール630等の部材を取り付けるためのリール側板650と、リール110のリール枠左684に配設されるベアリング部660と、リール110のリール枠左684とリール駆動部610との間に縮設されるコイルバネ670と、を有して構成される。
【0116】
<リール装置/リール>
次に、リール装置601のリール110について説明する。
【0117】
リール110は、複数種類の図柄が等間隔で印刷されたリール帯680と、このリール帯680の両側面を支持するリール枠右682およびリール枠左684と、リール枠左684に固定される被検知部686と、を有して構成される。
【0118】
<リール装置/リール/リール帯>
リール110のリール帯680は、矩形の帯状部材の長手方向の端部同士を接着して構成される平板リング状の部材である。本例のリール帯680は、透明無色のプラスチックで形成されるが、リール帯680の材質は、特に限定されず、紙、木材、金属、ゴム等であってもよいし、有色の部材であってもよい。
【0119】
リール帯680の外面には、図4を用いて説明した複数種類の図柄が等間隔で所定コマ数(本例では、番号0~19の20コマ)だけ印刷される。なお、リール帯680に印刷する図柄のコマ数は、本例に限定されず、20コマ未満であってもよいし、21コマ以上であってもよい。
【0120】
<リール装置/リール/リール枠右>
リール110のリール枠右682は、リール帯680の一方の側面(正面視右側の側面)を支持するリング状の部材であり、リール帯680の正面視右側の側面に接着剤等で固定される。
【0121】
本例のリール枠右682は、リール帯680と同様に、透明無色のプラスチックで形成されるが、リール枠右682の材質は、特に限定されず、紙、木材、金属、ゴム等であってもよいし、有色の部材であってもよい。
【0122】
<リール装置/リール/リール枠左>
リール110のリール枠左684は、リール帯680においてリール枠右682が配置される側面と反対側の側面(正面視左側の側面)を支持するとともに、リール駆動部610によって回転駆動されるリング状の部材であり、リール帯680の正面視左側の側面に接着材等で固定される。
【0123】
本例のリール枠左684は、リール帯680と同様に、無色透明のプラスチックで形成されるが、リール枠左684の材質は、特に限定されず、紙、木材、金属、ゴム等であってもよいし、有色の部材であってもよい。
【0124】
図9(a)は、リール枠左684を正面側から見た外観斜視図であり、同図(b)は、リール枠左684を背面側から見た外観斜視図である。
【0125】
リール枠左684は、細長のリング形状の枠部684aと、この枠部684aからリール枠左684の中央に向かって延びる6本の棒状のフレーム684bと、この6本のフレーム684bによって支持される円筒形状のフランジ684cと、を有して構成される。
【0126】
フランジ684cは、6本のフレーム684bを基端として正面側(リール駆動部610が配置される方向)に突出する円筒形状の部材である。図9(a)に示すフランジ684cの外周部684c1には、後述する被検知部686の開口部690aが嵌合可能であるとともに、図9(b)に示すように、3本のフレーム684bには、被検知部686の爪部690bが係止可能な爪孔部684b1が形成されている。
【0127】
このような構造により、被検知部686の開口部690aをフランジ684cの外周部684c1に嵌合するとともに、被検知部686の爪部690bをフランジ684cの爪孔部684b1に係止することで、被検知部686をリール枠左684の正面側に固定することが可能となっている。
【0128】
また、図9(b)に示すフランジ684cの内側空間684c2には、後述するベアリング662が収容可能であるとともに、この内側空間684c2に形成された挿通孔684c3には、後述するリール駆動部610のリールシャフト616eが挿通可能である。
【0129】
このような構造により、フランジ684cの内側空間684c2にベアリング662を収容した後、リール駆動部610のリールシャフト616eの一端を、フランジ684cの挿通孔684c3を通して、フランジ684cの正面側からベアリング662に挿通することで、リール駆動部610のリールシャフト616eによってリール枠左684を回転可能に支持することが可能となっている。
【0130】
また、図9(a)に示すように、フランジ684cの正面側には、後述する出力ギア616cの動力出力部616c2が嵌合可能な凹部形状からなる動力入力部684c4が所定の間隔を空けて3つ形成されている。
【0131】
このような構造により、出力ギア616cの動力出力部616c2をフランジ684cの動力入力部684c4に嵌合することで、出力ギア616cの動力をリール枠左684に伝達し、リール駆動部610によってリール枠左684を回転駆動することが可能となっている。
【0132】
<リール装置/リール/被検知部>
次に、図7図8図10を用いて、リール110の被検知部686について説明する。
【0133】
図10(a)は、被検知部686の正面図であり、同図(b)は、被検知部686の側面図である。また、同図(c)は、被検知部686を正面側から見た外観斜視図であり、同図(d)は、被検知部686を背面側から見た外観斜視図である。
【0134】
リール110の被検知部686は、図10(b)に示すように、円形の開口部を有する薄肉のリング形状のベース部688と、このベース部688の開口部を基端としてベース部688の厚み方向に一体的に延出形成された薄肉の円筒形状のリール固定部690によって構成される。
【0135】
本例の被検知部686は、黒色のプラスチックで形成されるが、被検知部686の材質は、特に限定されず、金属等であってもよいし、無色の部材であってもよい。
【0136】
ベース部688は、図10(a)に示すように、正面視が半円形状の小径部692と、この小径部692よりもやや外径が大きく、正面視が半円形状の大径部694によって構成される。大径部694は、径方向外側に突出する遮光片694aを備えており、この遮光片694aが、後述するリール検知部640のフォトセンサ642によって検出されるように構成されている。
【0137】
また、大径部694には、3つの開口部694bが形成され、大径部694の一部が肉抜きされている。このような構成により、被検知部686では、外径の異なる小径部692と大径部694との重量バランスが調整されており、被検知部686がリール枠左684とともに回転する際に揺動することで、被検知部686の検知精度が低下したり、リール110~112の回転バランスが乱れたりしないように構成している。
【0138】
また、被検知部686においては、図10(a),(c)に示すように、ベース部688からリール固定部690に亘って、補強用の三角形状のリブ696が複数、形成されており、被検知部686がリール枠左684とともに回転する際に振動することで、被検知部686の検知精度が低下したり、リール110~112の回転バランスが乱れたりしないように構成している。
【0139】
リール固定部690は、円形の開口部690aと、この開口部690aを基端として一体的に延出形成された3つの爪部690bを備えている。上述の通り、被検知部686の開口部690aを、リール枠左684のフランジ684cの外周部684c1に嵌合し、被検知部686の爪部690bを、リール枠左684のフランジ684cの爪孔部684b1に係止することで、被検知部686をリール枠左684の正面側に固定することが可能となっている。
【0140】
図11(a)は、被検知部686の遮光片694aと、左リール110のリール帯680との関係を示した図である。
【0141】
上述の通り、本例のリール帯680の外面には、図4を用いて説明した複数種類の図柄が等間隔で所定コマ数(本例では、番号0~19の20コマ)だけ印刷されている。
【0142】
このような20コマのリール帯680を採用した場合、被検知部686は、遮光片694aの基端部694a1の位置が、リール帯680の番号0に配置された図柄の上端から、当該図柄の縦方向の長さの約1/3(1/3コマ分)だけ下方の位置(符号Aで示す位置)に一致するように、リール枠左684に固定される。
【0143】
一方、遮光片694aの終端部694a2は、リール帯680の番号10に配置された図柄の上端から、当該図柄の1/3コマ分だけ下方の位置(符号Bで示す位置)に一致するように、基端部694a1を基準として、約180度(=360度×(10コマ/20コマ))の方向に形成される。
【0144】
本例によれば、遮光片694aの基端部694a1,終端部694a2の位置を、それぞれ、リール帯680の番号0,10に配置された図柄に一致させているため、遮光片を複数設けた場合に比べて、遮光片694aを検知するリール検知部640のフォトセンサ642の信号の変化を少なくすることができ、例えば、リール110~112の正転・逆転を繰り返し実行するリール演出を行う場合等において、フォトセンサ642の信号を検出する制御部の制御負担を軽減することができる。
【0145】
なお、遮光片694aの基端部694a1,終端部694a2の位置を、図柄の約1/3コマ分だけ下方の位置に一致させているのは、本例に係るスロットマシン100においては、停止目標の図柄の上端でリール110~112の停止処理を開始した場合に、停止目標の図柄に対してリール110~112が約1/3コマ分だけ遅れて停止するためである。したがって、遮光片694aの基端部694a1,終端部694a2の位置と、リール帯680の図柄の位置は、特に限定されるものではなく、リール110~112の回転速度や停止に要する時間等に基づいて適宜決定すればよい。
【0146】
また、本例では、遮光片694aの基端部694a1,終端部694a2の位置を、それぞれ、リール帯680の番号0,10に配置された図柄に一致させているが、本発明はこれに限定されず、それぞれを他の図柄位置に配置された図柄に一致させてもよい。
【0147】
図11(b)は、変形例に係る被検知部686´の遮光片694a´と、左リール110のリール帯680´との関係を示した図である。
【0148】
本例のリール帯680´の外面には、複数種類の図柄が等間隔で所定コマ数(本例では、番号0~20の21コマ)だけ印刷されている。
【0149】
このような21コマのリール帯680´を採用した場合、被検知部686´は、遮光片694a´の基端部694a1´の位置が、リール帯680´の番号0に配置された図柄の上端から、当該図柄の縦方向の長さの約1/3(1/3コマ分)だけ下方の位置(符号Cで示す位置)に一致するように、リール枠左684に固定される。
【0150】
一方、遮光片694a´の終端部694a2´は、リール帯680´の番号10に配置された図柄の上端から、当該図柄の1/3コマ分だけ下方の位置(符号Dで示す位置)に一致するように、基端部694a1´を基準として、約171度(=360度×(10コマ/21コマ))の方向に形成される。
【0151】
すなわち、本例の被検知部686´では、図11(a)を用いて説明した、20コマのリール帯680を採用した場合に比べ、遮光片694a´の長手方向の長さが短いことに加えて、終端部694a2´の角度が基端部694a1´とは異なり、垂直よりもやや基端部694a1´側に傾斜した角度になっている。
【0152】
なお、本例では、遮光片694a´の基端部694a1´,終端部694a2´の位置を、それぞれ、リール帯680の番号0,10に配置された図柄に一致させているが、本発明はこれに限定されず、それぞれを他の図柄位置に配置された図柄に一致させてもよい。
【0153】
したがって、例えば、遮光片694a´の基端部694a1´,終端部694a2´の位置を、それぞれ、リール帯680の番号0,11に配置された図柄に一致させる場合には、遮光片694a´の終端部694a2´は、リール帯680´の番号11に配置された図柄の上端から、当該図柄の1/3コマ分だけ下方の位置に一致するように、基端部694a1´を基準として、約189度(=360度×(11コマ/21コマ))の方向に形成すればよい。
【0154】
<リール装置/バックライトモジュール>
次に、図7図8図12を用いて、リール装置601のバックライトモジュール630について説明する。
【0155】
図12(a)は、バックライトモジュール630の正面図であり、同図(b)は、バックライトモジュール630の側面図であり、同図(c)は、バックライトモジュール630を構成する部材を分解して正面側から見た外観斜視図である。
【0156】
リール装置601のバックライトモジュール630は、図柄表示窓113に表示される個々の図柄をリール帯680の内側から照明するための部品であり、本例では、リフレクタ632と、このリフレクタ632の背面に着脱可能に取り付けられる照明基板634と、リフレクタ632の側面に配設される化粧板636によって構成されている。
【0157】
本例のバックライトモジュール630は、白色のプラスチックで形成されるが、バックライトモジュール630の材質は、特に限定されず、金属等であってもよいし、他の色の部材であってもよい。
【0158】
リフレクタ632には、正面側から背面側に通じる開口部632a~632cが縦方向に3つ並んで形成されている。また、照明基板634には、この開口部632a~632cに対応する位置に、LED634aが6つずつ配置されている。
【0159】
左リール装置601が備えるリフレクタ632の開口部632a~632cおよびLED634aは、左リール装置601に取り付けられた状態で、図柄表示窓113に停止表示する図柄位置(図2を用いて説明した図柄位置1~3の位置)に対応する位置に配置される。
【0160】
中リール装置602が備えるリフレクタ632の開口部632a~632cおよびLED634aは、中リール装置602に取り付けられた状態で、図柄表示窓113に停止表示する図柄位置(図2を用いて説明した図柄位置4~6の位置)に対応する位置に配置される。
【0161】
右リール装置603が備えるリフレクタ632の開口部632a~632cおよびLED634aは、右リール装置603に取り付けられた状態で、図柄表示窓113に停止表示する図柄位置(図2を用いて説明した図柄位置7~9の位置)に対応する位置に配置される。
【0162】
本例では、開口部632a~632cに対応する位置に、LED634aを6つずつ配置することにより、或る開口部から出射される光が、他の開口部から出射される光と干渉しないように構成されている。これにより、図柄表示窓113の複数の図柄位置のそれぞれに対して、光を均一に照射することができる。
【0163】
例えば、全てのLED634aを点灯させることにより、遊技者に視認可能な図柄を背後から全て照らすことができる。また、LED634aの一部を点灯させることにより、遊技者に視認可能な図柄のうち、一部の図柄を背後から照らすことができる。なお、開口部やLEDの数や位置については、本例に限定されるものではない。
【0164】
また、本例では、リフレクタ632において、上方の開口部632aの下面と、中央の開口部632bの上面および下面と、下方の開口部632cの上面に、所定の間隔ごとに複数のスリット(溝)632d~632gを設けている。これにより、LED634aから出射される光を前方に位置する図柄に均一に照射することができ、図柄の視認性を高めることができる。
【0165】
また、上方の開口部632aの下面に設けているスリット632dと、中央の開口部632bの上面に設けているスリット632e、および、中央の開口部632bの下面に設けているスリット632fと、下方の開口部632cの上面に設けているスリット632gは、それぞれのスリットが形成された部位とスリットが形成されていない部位が上下方向において互い違いになるように(スリットの位置が開口部の仕切りの上下で一致しないように)配置している。このような構造により、隣接する開口部からスリットを介して出射される光同士が干渉しないように構成されている。
【0166】
<リール装置/リール検知部>
次に、図7図8を用いて、リール装置601のリール検知部640について説明する。
【0167】
リール装置601のリール検知部640は、フォトセンサ642と、このフォトセンサ642を所定位置に固定するためのセンサーブラケット644と、を有して構成される。
【0168】
リール検知部640のフォトセンサ642は、上述の被検知部686の遮光片694aを検知するための部材であり、本例では、発光素子と受光素子が対向して配置された透過型フォトセンサ(フォトインタラプタ)を採用している。なお、フォトセンサ642は、フォトインタラプタに限定されるものではなく、他の種類のセンサを適用してもよい。
【0169】
リール検知部640のセンサーブラケット644の一端部は、ネジ651bによってリール側板650に固定・支持される。一方、センサーブラケット644の他端部には、フォトセンサ642が上向きに取り付けられ、このフォトセンサ642の発光素子と受光素子の間を、フォトセンサ642の上方に配置される被検知部686の遮光片694aが通過するように構成される。すなわち、本例では、フォトセンサ642は、時計の6時の位置に上向きに取り付けられる。なお、フォトセンサ642の向きや位置は、本例に限定されないことは言うまでもない。
【0170】
主制御部300は、このフォトセンサ642が出力する信号に基づいてリール110~112上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が図柄表示窓113の所定の図柄位置に停止表示されるようにリール110乃至112のブレーキ制御や停止制御等を行う。
【0171】
<リール装置/リール側板>
次に、図7図8を用いて、リール装置601のリール側板650について説明する。
【0172】
リール装置601のリール側板(第一の取付手段)650は、板状部材からなるベース部650aと、このベース部650aの上端を基端としてベース部650aの一方の面に向けて一体的に突出形成されたリールフレーム上部固定部650bと、ベース部650aの下端を基端としてベース部650aの一方の面に向けて一体的に突出形成されたリールフレーム下部固定部650cで構成される。
【0173】
本例のリール側板650は、金属で形成されるが、リール側板650の材質は、特に限定されず、プラスチック、木材等であってもよい。
【0174】
リール側板650のベース部650aには、バックライトモジュール630が固定可能なネジ孔650a1が1つ形成されており、バックライトモジュール630は、このネジ孔650a1に1本のネジ651aでネジ止めされ、ベース部650aの内面に固定される。
【0175】
また、ベース部650aには、リール検知部640のセンサーブラケット644が固定可能なネジ孔650a2が1つ形成されており、センサーブラケット644は、このネジ孔650a2に1本のネジ651bでネジ止めされ、ベース部650aの内面に固定される。
【0176】
また、ベース部650aには、リール駆動部610の取付板(第二の取付手段)612が固定可能なネジ孔650a3が上方に1つ、下方に2つ形成されており、リール駆動部610は、このネジ孔650a3に3本のネジ651cでネジ止めされ、ベース部650aの内面に固定される。
【0177】
また、ベース部650aには、ギアユニット616のリールシャフト616eが挿通されて当該リールシャフト616eを回転可能に支持するリールシャフト貫通孔650a4(図8参照)と、リール駆動部610等が発する熱をリール側板650の外部に放出するための放熱孔650a5と、補強用の溝650a6等が形成されている。
【0178】
リール側板650のリールフレーム上部固定部650bとリールフレーム下部固定部650cには、ネジ孔を備えた突出片650b1,650c1がそれぞれ形成されており、図6に示すように、リール側板650は、この突出片650b1,650c1を介して、リールフレーム604のリール固定部604dにネジ651d(図6において一部のみ図示)でネジ止めされる。
【0179】
<リール装置/ベアリング部>
次に、図7図8を用いて、リール装置601のベアリング部660について説明する。
【0180】
ベアリング部660は、ベアリング662と、ワッシャー664と、ネジ666によって構成される。
【0181】
リール装置601のベアリング662は、中央に円形の開口部を有するリング形状の部材であって、後述するリール駆動部610のリールシャフト616eの一端を支持する軸受である。
【0182】
本例のベアリング662は、ボールやころ等の転動体を備えず、全体が樹脂製の軸受で構成されるが、ベアリング662の構造や材質は、特に限定されず、少なくとも一部が金属製の軸受であってもよいし、ボールベアリング、ころ軸受等の他の種類の軸受を適用してもよい。なお、本実施例において、樹脂製のベアリングを採用しているのは、DCモータの駆動によって高速回転しているリール110~112を停止させるときに、金属製のベアリングやボールベアリングを採用するよりも、フランジ684cの内部空間684c2とリールシャフト616eとの摩擦を大きくしてリール110~112を停止させやすくするためである。
【0183】
上述の通り、リール枠左684のフランジ684cの内側空間684c2(図8図9(b)参照)に、ワッシャー664とネジ666によってベアリング662を固定した後、リール駆動部610のリールシャフト616eの一端を、フランジ684cの挿通孔684c3(図9(a),(b)参照)を通して、ベアリング662の開口部に挿通することで、リール駆動部610のリールシャフト616eによってリール枠左684を回転可能に支持することが可能となっている。
【0184】
本例によれば、リール演出等においてリール110~112を高速回転させた場合であっても、ベアリング662によって、リール110~112を支持するリールシャフト616eの振動等を抑止することで、リール110~112を安定的に高速回転させることができる。また、樹脂製のベアリング662は摩擦係数が高いため、リール110~112の停止時においてリールシャフト616eの回転速度を円滑かつ迅速に低下させることができ、リール110~112をスムーズに停止させることで、リール110~112による演出効果を高めることができる。
【0185】
<リール装置/コイルバネ>
次に、図7図8を用いて、リール装置601のコイルバネ670について説明する。
【0186】
リール装置601のコイルバネ670は、リール110のリール枠左684と、リール駆動部610の出力ギア616c(図8図14(a)参照)との間に縮設される。このような構造により、リール枠左684は、リール駆動部610の出力ギア616cから離反する方向に付勢される。
【0187】
本例のコイルバネ670は、金属で形成されるが、コイルバネ670の材質は、特に限定されず、ゴム等であってもよい。また、リール枠左684とリール駆動部610を離反する方向に付勢する付勢手段は、コイルバネに限定されず、他の種類の付勢手段を適用してもよい。
【0188】
<リール駆動部/全体構成>
次に、図13を用いて、リール装置601のリール駆動部610の全体構成について説明する。
【0189】
図13(a)は、リール駆動部610の正面図であり、同図(b)は、リール駆動部610の側面図である。また、同図(c)は、リール駆動部610を正面側から見た外観斜視図であり、同図(d)は、リール駆動部610を背面側から見た外観斜視図である。
【0190】
リール駆動部610(駆動手段)は、主として、板状部材からなる取付板(第二の取付手段)612と、この取付板612の一方の側(第一の側。以下、「リールモータユニット614側」という場合がある)に取り付けられるリールモータユニット614と、取付板612の他方の側(第二の側。以下、「ギアユニット616側」という場合がある)に取り付けられるギアユニット616と、このギアユニット616の一部を覆うように配設されるギアユニットカバー618によって構成される。
【0191】
<リール駆動部/構成部材>
次に、図14図15を用いて、リール駆動部610を構成する部材について詳細に説明する。
【0192】
図14は、リール駆動部610を構成する部材を分解して正面側から見た分解斜視図であり、図15は、リール駆動部610を構成する部材を分解して背面側から見た分解斜視図である。
【0193】
<リール駆動部/取付板>
リール駆動部610の取付板(第二の取付手段)612は、板状部材からなるベース部612aと、このベース部612aの上端を基端としてベース部612aの一方の側(第一の側)に向けて一体的に突出形成された側面視がL字形状の上部固定板612bと、ベース部612aの下端を基端としてベース部612aの一方の側(第一の側)に向けて一体的に突出形成された側面視がL字形状の下部固定板612cで構成される。
【0194】
本例の取付板612は、金属で形成されるが、取付板612の材質は、特に限定されず、プラスチック、木材等であってもよい。
【0195】
図13(b)の側面図に示すように、取付板612の上部固定板612bと下部固定板612cの高さは、リールモータユニット614のモータ614aの厚みよりも高くなるように設計されており、取付板612の一方の側(第一の側)は、リールモータユニット614モータ614aを内部に収容可能な収容空間として機能している。
【0196】
具体的には、取付板612のベース部612aのリールモータユニット614側(第一の側)には、図15に示すように、リールモータユニット614が取り付け可能なネジ孔612a1が2つ形成されており、リールモータユニット614は、このネジ孔612a1に2本のネジ651eでネジ止めされ、リールモータユニット614側(第一の側)において、上部固定板612bと下部固定板612cで形成される内側空間内に固定される。
【0197】
ベース部612aには、リールモータユニット614の駆動ギア614bが挿通可能な貫通孔612a2が形成されており、リールモータユニット614のモータ614aは、駆動ギア614bが貫通孔612a2を通してギアユニット616側(第二の側)に突出した状態で、取付板612のリールモータユニット614側(第一の側)に固定される。
【0198】
また、ベース部612aには、図14に示すように、後述するギアユニットカバー618が固定可能なネジ孔612a3が4つ形成され、ギアユニットカバー618は、このネジ孔612a3に4本のネジ651fでネジ止めされ、ベース部612aのギアユニット616側(第二の側)に固定される。
【0199】
また、ベース部612aには、ギアユニット616のアイドルギア大616aおよびアイドルギア小616bを回転可能に支持する回転軸612a4が配設されているとともに、リールシャフト616eが挿通可能なリールシャフト貫通孔612a5が形成されている。
【0200】
さらに、ベース部612aには、リールシャフト616eのリール押さえ616fが固定可能なネジ孔612a6が2つ形成されており、リール押さえ616fは、このネジ孔612a6に2本のネジ651gでネジ止めされ、リールシャフト616eは、リールシャフト貫通孔612a5に挿通された状態で、リール押さえ616fを介してベース部612aに固定される。
【0201】
<リール駆動部/リールモータユニット>
次に、図14図15を用いて、リール駆動部610のリールモータユニット614について説明する。
【0202】
リールモータユニット614は、主として、ケースに収容されたモータ(動力発生手段)614aと、このモータ614aの回転軸に取り付けられ、モータ614aによって駆動される駆動ギア(動力伝達手段)614bで構成される。
【0203】
モータ614aは、リール110~112を回転駆動する動力を発生する動力発生手段(駆動源)となる装置であり、ケースには制御IC等の電子部品が内蔵されている。本例のモータ614aは、ブラシレスDCモータによって構成されるが、モータ614aの種類は特に限定されず、DCモータ、ステッピングモータ等であってもよい。
【0204】
駆動ギア614bは、モータ(動力発生手段)614aの動力を伝達する動力伝達手段となる部材であり、本例では、モータ614aの動力を、後述するアイドルギア大616a)に伝達する。
【0205】
本例の駆動ギア614bは、平歯車によって構成されるが、ギアの種類は特に限定されず、ベベルギヤやヘリカルギア等であってもよい。また、本例では、駆動ギア614bの回転を滑らかにするために、駆動ギア614bに潤滑油を塗布している。なお、リール110~112の高速回転に支障が無ければ、駆動ギア614bに潤滑油を塗布しなくてもよい。
【0206】
リールモータユニット614は、駆動ギア614bを取付板612の貫通孔612a2を介して、リールモータユニット614側(第一の側)からギアユニット616側(第二の側)に挿通した状態で、モータ614aのケースの底部が、取付板612のリールモータユニット614側(第一の側)のネジ孔612a1にネジ止めされるとともに、取付板612のリールモータユニット614側(第一の側)の上面に熱溶着される。
【0207】
本例によれば、モータ614aを取付板612のリールモータユニット614側(第一の側)に固定するとともに、モータ614aのケースを取付板612に熱溶着するため、リール110~112を高速に回転させた場合であっても、取付板612のギアユニット616(第二の側)に配置される各種ギア(本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)に塗布された潤滑油が、リールモータユニット614側(第一の側)に飛散したり、モータ614aのケース内の電子部品に飛散したりすることがなく、モータ614aが誤作動したり劣化したりするような事態を未然に防止することができる。
【0208】
<リール駆動部/ギアユニット>
次に、図14図17を用いて、リール駆動部610のギアユニット616について説明する。
【0209】
図16(a)は、リールモータユニット614とギアユニット616を取付板612に取り付けた状態を示す正面図であり、同図(b)は、リールモータユニット614とギアユニット616を取付板612に取り付けた状態をギアユニット616側から見た外観斜視図である。
【0210】
ギアユニット616は、主として、リールモータユニット614の駆動ギア614bと噛み合うアイドルギア大(従動ギア)616aと、このアイドルギア大616aと段付きギアを構成するアイドルギア小(従動ギア)616bと、このアイドルギア小616bと噛み合う出力ギア(従動ギア)616cと、ベアリング616dを介して出力ギア616cに嵌合されるリールシャフト616eと、このリールシャフト616eを取付板612に固定するリール押さえ616fと、ガスケット616gによって構成される。
【0211】
<リール駆動部/ギアユニット/アイドルギア大、アイドルギア>
ギアユニット616のアイドルギア大616aと、このアイドルギア大614aよりも小径のアイドルギア小616bは、共通の回転軸612a4を介して同軸上に配設されており、2段の段付きギアを構成している。
【0212】
アイドルギア大616aおよびアイドルギア小616bは、モータ(動力発生手段)614aの動力を伝達する動力伝達手段となる部材であり、本例では、駆動ギア614bを介して伝達されるモータ(動力発生手段)614aの動力を、所定の減速比で出力ギア616cに伝達する。
【0213】
本例によれば、アイドルギア大616aとアイドルギア小616bで構成される2段の段付きギアを採用しているため、リール駆動部610の省スペース化を図ることができる上に、両者の減速比を大きくすることで、リール110~112の回転速度を高めたり、両者の減速比を小さくすることで、リール110~112の回転速度を低くしたり等、リール110~112の回転速度を容易に調整することが可能となる。
【0214】
本例のアイドルギア大616aおよびアイドルギア小616bは、平歯車によって構成されるが、ギアの種類は特に限定されず、ベベルギヤやヘリカルギア等であってもよい。また、本例では、アイドルギア大616aおよびアイドルギア小616bの回転を滑らかにするために、アイドルギア大616aおよびアイドルギア小616bに潤滑油を塗布している。なお、リール110~112の高速回転に支障が無ければ、アイドルギア大616aおよび/またはアイドルギア小616bに潤滑油を塗布しなくてもよい。
【0215】
<リール駆動部/ギアユニット/出力ギア>
ギアユニット616の出力ギア616cは、図16に示すように、アイドルギア小614cと?み合う外歯616c1と、リール枠左684のフランジ684cの動力入力部684c4(図9(a)参照)と嵌合可能な凸部形状からなる動力出力部616c2を備える。
【0216】
本例の出力ギア616cは、平歯車によって構成されるが、ギアの種類は特に限定されず、ベベルギヤやヘリカルギア等であってもよい。また、本例では、出力ギア616cの回転を滑らかにするために、出力ギア616cに潤滑油を塗布している。なお、リール110~112の高速回転に支障が無ければ、出力ギア616cに潤滑油を塗布しなくてもよい。
【0217】
本例によれば、出力ギア616cは、アイドルギア小614cと?み合う外歯616c1を備えるため、アイドルギア小614cと外歯616c1の減速比を大きくすることで、リール110~112の回転速度を高めたり、両者の減速比を小さくすることで、リール110~112の回転速度を低くしたり等、リール110~112の回転速度を容易に調整することが可能となる。
【0218】
なお、本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616cの4つのギアを用いて、モータ614aの動力をリール110~112に伝達するように構成したが、ギアの数や減速比は、特に限定されず、ギアの数や減速比を変更することで、リール110~112の回転速度を適宜、変更してもよい。
【0219】
したがって、例えば、駆動ギア614b,出力ギア616cの2つのギアのみでリール110~112を回転駆動するように構成してもよいし、モータ614aの駆動軸をリール110~112に直結してリール110~112を回転駆動してもよい。
【0220】
<リール駆動部/ギアユニット/ベアリング>
ギアユニット616のベアリング616dは、中央に円形の開口部を有するリング形状の軸受であって、リールシャフト616eを支持する軸受である。
【0221】
本例のベアリング616dは、図14に拡大して示すように、金属製の平板リング形状からなる外輪616d1および内輪616d2と、これらの外輪616d1および内輪616d2の間に配設される樹脂製のドーナツ形状からなる円環部616d3によって構成される。
【0222】
本例によれば、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、ベアリング616dによって、出力ギア616cを滑らかに回転させることができ、出力ギア616cによって回転駆動されるリール110~112を安定的に高速回転させることができる。また、外輪616d1および内輪616d2の間に樹脂製の部材からなる円環部616d3を配設することで、金属製の軸受に比べて、リール110~112の停止時において出力ギア616cの回転速度を円滑かつ迅速に低下させることができ、リール110~112をスムーズに停止させることで、リールによる演出効果を高めることができる。
【0223】
なお、ベアリング616dの材質は、特に限定されず、外輪616d1または内輪616d2を樹脂で構成してもよいし、円環部616d3を金属で構成してもよいし、これらの外輪616d1および内輪616d2や円環部616d3の一部または全てを、セラミック,ステンレス,ガラス等で構成してもよい。また、ベアリングの種類も、特に限定されず、ボールベアリングやころ軸受等の他の種類の軸受を適用してもよい。
【0224】
<リール駆動部/ギアユニット/リールシャフト、リール押さえ>
図17(a)は、ギアユニットカバー618を取り除いた状態のリール駆動部610の側面図であり、同図(b)は、ギアユニットカバー618,リール帯680、バックライトモジュール630を取り除いた状態のリール装置601の側面図である。
【0225】
リールシャフト(リール回転軸)616eは、棒状の部材からなり、ベアリング616d,ギアユニット616の出力ギア616c,被検知部686,リール枠左684等の部材を介してリール110~112を回転可能に支持する回転軸である。
【0226】
リール押さえ616fは、リールシャフト616eを取付板612に固定するための部材であり、リールシャフト616eは、リール押さえ616fを介して、取付板612のベース部612aに固定される。
【0227】
リールシャフト616eのギアユニット616側(図17(a),(b)における紙面左側)の端部は、ギアユニット616の出力ギア616cにベアリング616dを介して嵌合され、この出力ギア616cと、出力ギア616cに係止される被検知部686を介して、リール枠左684を回転可能に支持する。
【0228】
一方、リールシャフト616eのリールモータユニット614側(図17(a),(b)における紙面右側)の端部は、リール枠右682の開口部を通り、リール側板650のリールシャフト貫通孔650a4(図8図17(b)参照)に嵌合されることで、リールシャフト616eは、取付板612とリール側板650の両方によって支持される。
【0229】
本例によれば、リールシャフト616eは、取付板612とリール側板650の両方によって支持されるため、リールシャフト616eを少なくとも2点で支持することができ、リール演出等においてリール110~112を高速回転させた場合であっても、リール110~112を支持するリールシャフト616eの振動等を抑止することで、リール110~112を安定的に高速回転させることができる。
【0230】
<リール駆動部/ギアユニット/ガスケット>
ギアユニット616のガスケット616gは、ギアユニット616が備える各種ギア(本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)に塗布した潤滑油が外部に漏れるのを防ぐためのシール材である。
【0231】
ガスケット(シール材)616gは、ギアユニットカバー618と取付板612の間の隙間を塞ぐために、ギアユニットカバー618と取付板612の間に挟み込まれた状態で配置され、ギアユニットカバー618によって取付板612側に押圧された状態で固定される。
【0232】
本例のガスケット616gは、可撓性部材(ゴムパッキン)で構成されるが、ガスケット616gの材質は、特に限定されず、金属やテープ等の他の材質からなるシール材を適用してもよい。
【0233】
<リール駆動部/ギアユニットカバー>
次に、図14図15を用いて、ギアユニットカバー618について説明する。
【0234】
リール駆動部610のギアユニットカバー(カバー部材)618は、板状の取付部618aと、この取付部618aを基端として上方に一体的に延出形成された箱状のカバー体618bによって構成される。
【0235】
本例のギアユニットカバー618は、黒色のプラスチックで形成されるが、ギアユニットカバー618の材質は、特に限定されず、木材、金属、ゴム等であってもよいし、無色の部材であってもよい。
【0236】
ギアユニットカバー618の取付部618aには、ネジ孔618a1が4つ形成されており、ギアユニットカバー618は、この4つのネジ孔618a1を介して、取付板612のネジ孔612a3(図14参照)に4本のネジ651fでネジ止めされる。
【0237】
ギアユニットカバー618のカバー体618bは、ギアユニット616が備える各種ギア(本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)を少なくとも内部に収容可能な内側空間618b1と、出力ギア616cのフランジ684cが挿通可能な出力ギア挿通孔618b2を備える。
【0238】
ギアユニットカバー618は、カバー体618bの内側空間618b1に、ギアユニット616の各種ギア(本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)を収容し、出力ギア挿通孔618b2から出力ギア616cのフランジ684cを外部に露出し、かつ、取付部618aによって取付板612との間にガスケット616gを挟み込んだ状態で、取付板612のギアユニット616側(第二の側)の上面に固定される。
【0239】
従来の遊技台では、リールを用いた演出においてリールを高速に回転させることが無かったため、リールを駆動する各種ギアに潤滑油を塗布する必要性が無かったが、近年では、演出効果を高めるために、リールを高速回転する演出が望まれており、従来よりもリールを高速回転させることにより、各種ギアを滑らかに動作させるための潤滑油が飛散してしまうといった新たな問題が発生するおそれがある。
【0240】
この点、本例によれば、ギアユニット616の各種ギア(駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)を収容可能なギアユニットカバー618を備えるため、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、各種ギアに塗布された潤滑油が、周辺の部材や電子部品等に飛散することを未然に防止することができる。
【0241】
なお、本例では、各種ギア(本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)の減速比(ギアの径,歯数,数等)が適宜、変更できるように、カバー体618bの内側空間618b1の体積を、各種ギア(本例では、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,出力ギア616c)の収容に最低限必要な体積よりも大きめに設計している。
【0242】
<リール駆動部の動作>
次に、主に図16(a)を用いて、リール駆動部610の動作について説明する。
【0243】
リール駆動部610のモータ614aが第一の方向(例えば、正方向、時計回り)に回転すると、モータ614aによって駆動される駆動ギア(動力伝達手段)614bが、図16(a)において符号Xで示す方向(反時計回り)に回転する。
【0244】
駆動ギア614bが回転すると、この駆動ギア614bと噛み合い、駆動ギア614bによって駆動されるアイドルギア大(従動ギア)616aと、このアイドルギア大616aと段付きギアを構成し、駆動ギア614bによって駆動されるアイドルギア小(従動ギア)616bが、駆動ギア614bの回転方向とは反対の方向、すなわち、図16(a)において符号Yで示す方向(時計回り)に回転する。
【0245】
アイドルギア小616bが回転すると、このアイドルギア小616bと噛み合い、アイドルギア小616bによって駆動される出力ギア(従動ギア)616cが、アイドルギア小616bの回転方向とは反対の方向、すなわち、図16(a)において符号Zで示す方向(反時計回り)に回転する。
【0246】
出力ギア616cが回転すると、出力ギア616cの動力出力部616c2と、リール枠左684のフランジ684cの動力入力部684c4を介して、出力ギア616cの動力がリール枠左684に伝達される。これにより、リール枠左684が、出力ギア616cと同じ方向、すなわち、図16(a)において符号Zで示す方向(反時計回り)に回転する。
【0247】
リール枠左684が回転すると、このリール枠左684に固定された被検知部686、リール帯680、リール枠右682が一体で回転することで、リール110~112が、正方向(正面視で上方から下方)、すなわち、図4に示す回転方向に回転する。
【0248】
一方、リール駆動部610のモータ614aが第二の方向(例えば、逆方向、反時計回り)に回転すると、駆動ギア614b,アイドルギア大616a,アイドルギア小616b,および出力ギア616cが、図16(a)において符号X,Y,Zで示す回転方向とは反対の方向に回転することで、リール110~112が逆方向(正面視で下方から上方)、すなわち、図4に示す回転方向とは反対の方向に回転する。
【0249】
よって、遊技中においては、スタートレバー135の押下を契機として、モータ614aを第一の方向(例えば、正方向、時計回り)に回転させることで、リール110~112を正方向に回転させることができることに加えて、モータ614aの回転方向を切り替えることで、リール110~112を正方向および逆方向に回転させることができ、リール110~112を用いた演出(リール演出)を行うことができる。
【0250】
本例では、リール110~112は、樹脂製のベアリング662を介してリールシャフト616eに取り付けられているため、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、リールを支持するリールシャフト616eの振動等を抑止することで、リールを安定的に高速回転させることができる。また、樹脂製のベアリングは摩擦係数が高いため、リールの停止時においてリールシャフト616eの回転速度を円滑かつ迅速に低下させることができ、リールをスムーズに停止させることで、リールによる演出効果を高めることができる。
【0251】
また、本例では、出力ギア616cは、ベアリング616dを介してリールシャフト616eに取り付けられているため、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、出力ギア616cを滑らかに回転させることができ、出力ギア616cによって回転駆動されるリールを安定的に高速回転させることができる。また、出力ギア616cの外輪および内輪の間に樹脂製の部材を配設することで、金属製の軸受に比べて、リールの停止時において出力ギア616cの回転速度を円滑かつ迅速に低下させることができ、リールをスムーズに停止させることで、リールによる演出効果を高めることができる。
【0252】
<本願発明まとめ>
以上説明したように、本実施形態に係る遊技台(例えば、図1に示すスロットマシン100)は、複数のリール(例えば、図1に示すリール110~112、補助リール等)と、前記リール(例えば、図1に示すリール110~112のうちの少なくとも一つのリール、補助リール等)を回転駆動する駆動手段(例えば、図13図15に示すリール駆動部610)と、備えた遊技台であって、前記駆動手段は、動力を発生する動力発生手段(例えば、図14図15に示すモータ614a)と、該動力発生手段の動力を伝達する動力伝達手段と、を少なくとも備え、前記動力伝達手段は、前記動力発生手段によって駆動される駆動ギア(例えば、図14図15に示す駆動ギア614b)と、該駆動ギアに駆動されて前記リールを回転駆動する一または複数の従動ギア(例えば、図14図15に示すアイドルギア大614a、アイドルギア小614b、出力ギア616c)と、少なくとも前記リールを回転可能に支持するリール回転軸(例えば、図14図15に示すリールシャフト616e)と、を少なくとも備え、前記駆動ギアおよび前記従動ギアの少なくとも一方には、潤滑油が塗布され、前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なカバー部材(例えば、図14図15に示すギアユニットカバー618)を備える、ことを特徴とする遊技台である。
【0253】
従来の遊技台では、リールを用いた演出においてリールを高速に回転させることが無かったため、リールを駆動する各種ギアに潤滑油を塗布する必要性が無かったが、近年では、演出効果を高めるために、リールを高速回転する演出が望まれており、従来よりもリールを高速回転させることにより、各種ギアを滑らかに動作させるための潤滑油が飛散してしまうといった新たな問題が発生するおそれがある。
【0254】
この点、本実施形態に係る遊技台によれば、潤滑油が塗布された駆動ギアまたは従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なカバー部材を備えるため、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、駆動ギアおよび従動ギアに塗布された潤滑油が、周辺の部材や電子部品等に飛散することを未然に防止することができる。
【0255】
また、前記駆動手段を取り付け可能な第二の取付手段(例えば、図13図15に示す取付板612)を備え、前記第二の取付手段の第一の側(例えば、図13(d)に示すリールモータユニット614側)に、前記動力発生手段が配置され、前記第二の取付手段における前記第一の側とは反対側の第二の側(例えば、図13(c)に示すギアユニット616側)に、前記駆動ギアおよび前記従動ギアが配置され、前記カバー部材は、前記第二の取付手段の前記第二の側において、前記潤滑油が塗布された前記駆動ギアまたは前記従動ギアの少なくとも一方を内部に収容するとともに、該第二の取付手段との間にシール材(例えば、図14図15に示すガスケット616g)を挟んだ状態で該第二の取付手段に固定されるものであってもよい。
【0256】
このような構成とすれば、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、第二の側に配置される駆動ギアおよび従動ギアに塗布された潤滑油が、動力発生手段が配置される第一の側に飛散したり、動力発生手段が備える電子部品等に飛散したりすることがなく、動力発生手段が誤作動したり劣化したりするような事態を未然に防止することができる。
【0257】
また、前記第二の取付手段を取り付け可能な第一の取付手段(例えば、図7図8図17(b)に示すリール側板650)を備え、前記リール回転軸は、前記第一の取付手段および前記第二の取付手段によって支持されるものであってもよい。
【0258】
このような構成とすれば、リール回転軸を2つの取付手段によって少なくとも2点で支持することができ、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、リールを支持するリール回転軸の振動等を抑止することで、リールを安定的に高速回転させることができる。
【0259】
また、前記リール回転軸に配設される第一の軸受(例えば、図7図8に示すベアリング662)を備え、前記第一の軸受は、樹脂製のベアリングであり、前記リールは、前記第一の軸受を介して前記リール回転軸に取り付けられるものであってもよい。
【0260】
このような構成とすれば、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、リールを支持するリール回転軸の振動等を抑止することで、リールを安定的に高速回転させることができる。また、樹脂製のベアリングは摩擦係数が高いため、リールの停止時においてリール回転軸の回転速度を円滑かつ迅速に低下させることができ、リールをスムーズに停止させることで、リールによる演出効果を高めることができる。
【0261】
また、前記リール回転軸に配設される第二の軸受(例えば、図14図15に示すベアリング616d)を備え、前記第二の軸受は、金属製の外輪および内輪と、該外輪および内輪の間に配設される樹脂製の部材を少なくとも備え、前記一または複数の従動ギアのうちの一つ(例えば、図14図15に示す出力ギア616c)は、前記第二の軸受を介して前記リール回転軸に取り付けられるものであってもよい。
【0262】
このような構成とすれば、リール演出等においてリールを高速回転させた場合であっても、従動ギアを滑らかに回転させることができ、従動ギアによって回転駆動されるリールを安定的に高速回転させることができる。また、外輪および内輪の間に樹脂製の部材を配設することで、金属製の軸受に比べて、リールの停止時において従動ギアの回転速度を円滑かつ迅速に低下させることができ、リールをスムーズに停止させることで、リールによる演出効果を高めることができる。
【0263】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、実施形態に係るスロットマシン100の構成に限定されず、例えば、動力発生手段はモータに限定されず、動力を発生するものであってリールを回転駆動することが可能なものであればよい。また、潤滑油は、駆動ギアまたは従動ギアの少なくとも一方に塗布しているものであればよい。また、カバー部材は、潤滑油が塗布された駆動ギアまたは従動ギアの少なくとも一方を内部に収容可能なものであればよく、潤滑油が塗布されていない駆動ギアまたは従動ギアや、潤滑油が塗布されていない駆動ギアまたは従動ギアの一部が、カバー部材から露出していてもよい。
【0264】
また、本発明に係る遊技台は、封入式遊技機に適用することもできる。ここで、「封入式遊技機」は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用するものである。また、主制御部、第1副制御部、および第2副制御部をワンチップで構成してもよいし、主制御部と第1副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、主制御部と第1副制御部で双方向の通信を可能とする一方で、第1副制御部から第2副制御部への通信は一方向の通信としてもよい。
【0265】
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施例に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0266】
本発明に係る遊技台は、本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)、回胴遊技機(スロットマシン)、封入式遊技機あるいはメダルレススロットマシンに代表される遊技台に適用することができる。
【符号の説明】
【0267】
100 スロットマシン
110~112 リール
113 図柄表示窓
130~132 ベットボタン
135 スタートレバー
137~139 ストップボタン
156 演出ボタン
157 演出画像表示装置(液晶表示装置)
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
600 リールユニット
601 左リール装置
602 中リール装置
603 右リール装置
604 リールフレーム
610 リール駆動部
612 取付板
614 リールモータユニット
614a モータ
614b 駆動ギア
616 ギアユニット
616a アイドルギア大
616b アイドルギア小
616c 出力ギア
616d ベアリング
616e リールシャフト
618 ギアユニットカバー
630 バックライトモジュール
632 リフレクタ
634 照明基板
640 リール検知部
642 フォトセンサ
644 センサーブラケット
650 リール側板
660 ベアリング部
670 コイルバネ
680 リール帯
682 リール枠右
684 リール枠左
686 被検知部
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