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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】セルロースの前処理
(51)【国際特許分類】
   C08B 1/00 20060101AFI20240313BHJP
   C08B 16/00 20060101ALI20240313BHJP
   C08B 15/06 20060101ALI20240313BHJP
   C08L 1/00 20060101ALI20240313BHJP
   D21H 11/20 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
C08B1/00
C08B16/00
C08B15/06
C08L1/00
D21H11/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022513638
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 FI2020050560
(87)【国際公開番号】W WO2021038136
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】20195717
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】519383902
【氏名又は名称】インフィニティッド ファイバー カンパニー オイ
【氏名又は名称原語表記】INFINITED FIBER COMPANY OY
【住所又は居所原語表記】Ruukinkuja 2 Espoo Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ハルリン,アリ
(72)【発明者】
【氏名】マラニン,エルッキ
(72)【発明者】
【氏名】マケラ,ヤニ
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/202354(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/051882(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/170908(WO,A1)
【文献】特表2017-536447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形分を有する混合物を提供するステップであって、混合物は、組成物の少なくとも50重量%の初期固形分を有し、初期固形分は組成物の90重量%以下であり、混合物が、セルロースと7.0を超えるpH値を有する水とを含むステップと、
混合物に尿素を添加するステップと、
混合物を20~100℃の範囲の温度で機械的に加工してセルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けるステップであって、機械的な加工は、連続的な機械的混合装置におけるせん断混合を含むステップとを含む、セルロースを前処理する方法。
【請求項2】
混合物が、組成物の少なくとも65重量%の初期固形分を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
セルロースは、化学パルプ、機械パルプ、熱機械パルプ、化学熱機械パルプ、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
セルロースは、乾燥溶解パルプであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
セルロースは、紙、板紙、綿、コットンリンター、麦わら、稲わら、トウモロコシ茎葉、麻、ケナフ、バガス、竹、亜麻、ジュートおよびこれらの混合物からなる群より選択される再生セルロースから得られることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
セルロースは、未使用綿、未使用コットンリンター、未使用麦わら、未使用稲わら、未使用トウモロコシ茎葉、未使用麻、未使用ケナフ、未使用バガス、未使用竹、未使用亜麻、未使用ジュートおよびこれらの混合物からなる群から選択される未使用セルロース源から得られることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
混合物は、機械的混合装置に連続的に供給されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
機械的混合装置は、自己洗浄能力を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
機械的混合装置は、ナイフミル、ハンマーミル、ボールミル、ディスク型ミル、ペレットプレス装置および押出機からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
機械的混合装置は、ペレットプレス装置であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
機械的混合装置は、逆回転二軸押出機、共回転二軸押出機、多軸押出機、ラム押出機、遊星押出機、連続バンバリー混合機、連続ジグマ混合機、円錐押出機およびそれらの組み合わせからなる群から選択される押出機であることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
機械的加工は、セルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けることを含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
混合物は、セルロースの少なくとも一部がミクロフィブリル化されるまで機械的に加工されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
水のpH値が、7.2以上である請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
液体のpHは、10.0以上であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
機械的加工は、20~80℃の範囲の温度で実施されることを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
混合装置は冷却されることを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
混合物は、押出機を1回以上通過することを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
尿素を含む混合物を、120~135℃の範囲の第1の温度に加熱し、さらに133~155℃の範囲の第2の温度に加熱してセルロースカルバメートを形成することを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
セルロースカルバメートを回収し、回収されたセルロースカルバメートを、155℃以下の温度で、洗浄および乾燥することを特徴とする、請求項19に記載された方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースを前処理する方法に関する。特に、該方法は、セルロースカルバメートの形成に使用するためのセルロースを前処理することに関し、言い換えれば、本発明は、セルロースカルバメートの調製におけるセルロースを前処理する方法の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースは、約10%w/wの濃度の水酸化ナトリウム水溶液に一部可溶である。NaOH/HOに可溶なセルロースの量は、重合度、および結晶性の様式に依存する。Isogaiは、いくつかの原料からセルロースの溶解性を調べたが、5%よりも高い濃度のセルロース溶液を調製することには成功しなかった。灰汁液にセルロースを完全に溶解させる方法は、米国特許第5410034号明細書に開示されている。セルロースがアルカリ性水溶液に溶解するためには、室温よりかなり低い温度で冷却する必要がある。Soubeらは、セルロース/NaOH/HOの3元系統の相図を完成させた。セルロースの両親媒性特性を考慮すると、NaOH/HO中のセルロースが実際には完全には溶解せず、凝集体を形成することが示されたのは驚くべきことではない。
【0003】
セルロースを水性アルカリに溶解させる手順は、凍結融解法に基づく。セルロースを添加する前に溶媒を水の凝固点以下に予冷し、ポリマーが完全に溶解するまで冷やしたままにしておく。溶解パルプから得られるセルロースカルバメートは、凍結融解の必要がなく、NaOH水溶液などのアルカリ溶液に容易に溶解する。しかし、綿は、細胞壁が複数のフィブリル層を持つ構造であるため、溶解が難しく、容易に溶解することができない。
【0004】
工業的規模でのポリマー溶液の凍結および解凍は、経済的にもエネルギー的にも非現実的である。凍結および解凍の両方は、エネルギーおよび時間を消費し、プロセスの全体的な効率および持続可能性を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題の少なくともいくつかを克服し、セルロースおよび液体を機械的加工に供してセルロース細胞壁のフィブリル構造を開き、それによってセルロースフィブリルの溶媒および化学剤へのアクセス性を高める工程を含むセルロースを前処理する方法を提供することである。フィブリルへのアクセス性が向上することで、次に、その後のセルロース誘導体の生産効率および収率が向上し、セルロース誘導体は、たとえば、繊維、フィルム、発泡体、コーティング剤などの製品の溶解および調製に有用である。
【0006】
本発明は、独立請求項の特徴によって定義される。いくつかの特定の実施形態は、従属請求項において定義される。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、固形分を有する混合物を提供するステップであって、混合物がセルロースと液体とを含む、ステップと、混合物を機械的に加工してセルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けるステップとを含む、セルロースを前処理する方法が提供される。機械的加工は、連続的な機械的混合装置におけるせん断混合を含む。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、セルロースカルバメートの調製においてセルロースを前処理するための方法の使用が提供される。本方法で提供される混合物は、セルロースと、液体と、を含み、混合物は、さらに尿素を含む。
【0009】
本発明によって、相当な利点が得られる。本発明は、セルロースおよび液体を機械的加工に供してセルロース細胞壁のフィブリル構造を開け、それによってセルロースフィブリルの溶媒および化学剤へのアクセス性を高める工程を含むセルロースを前処理する方法を提供する。フィブリルへのアクセス性が向上することで、次に、その後のセルロース誘導体の生産効率および収率が向上し、セルロース誘導体は、たとえば、繊維、フィルム、発泡体、コーティング剤などの製品の溶解および調製に有用である。細胞壁が破壊され、溶媒または他の化学物質の拡散の妨げが減少する。セルロース材料を均質に置換するためには、高いアクセス性が不可欠な条件となる。セルロースの構造は、機械的な活性化によって影響を受け得る。
【0010】
次に、添付図面および詳細な説明を参照して、実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】乾燥条件下で粉砕されたセルロースフィブリルを示す電子顕微鏡写真である。
図2】高コンシステンシー条件下で粉砕されたセルロースフィブリルを示す電子顕微鏡写真である。
図3】低コンシステンシー条件で粉砕されたセルロースフィブリルを示す電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
本明細書において、「押出機」という用語は、1)せん断混合、2)連続運転、およb3)正置換、を提供する任意の連続コンパウンダを意味する。押出機には、高濃度パルプを扱うことができるものが含まれる。
【0013】
「高濃度パルプ」とは、5重量%よりも大きいセルロースの固形分と液体とを有するものであり、典型的には20重量%を超える液体と液体とを有するものである。
【0014】
「超高コンシステンシーパルプ」とは、20重量%よりも大きいセルロースの固形分と、液体とを有するパルプであり、パルプは自由水を放出しない。
【0015】
本発明の実施形態によって、セルロースおよび液体を機械的加工に供する前処理において、セルロースの溶媒および他の化学物質へのアクセス性を高めることができることが、驚くべきことに見出された。綿、コットンリンター、麻、フレックス、リネンおよび他の茎および種子繊維のような複数のフィブリル層を有する要求が厳しいパルプの場合を含めて、前処理工程、すなわち溶解の前に凍結融解を完全に排除することができることが、驚くべきことに見出された。
【0016】
図1は、粉砕された乾燥パルプを示す。明らかに見られるように、セルロースは角化されており、乾式粉砕工程ではフィブリルは全く、またはごくわずかしかアクセスできなくなる。
【0017】
図2は、高コンシステンシーパルプが粉砕された例、すなわち、固形分は高いが完全な乾燥パルプではないパルプを示す。フィブリルは、粉砕された繊維において十分に分離され、アクセス可能である。
【0018】
図3は、低コンシステンシーパルプの例を示す。フィブリルは、粉砕された乾燥パルプのものよりもよく分離されているが、粉砕された高コンシステンシーパルプほどには分離されておらず、またアクセスしやすいものではない。
【0019】
詳細説明
セルロースは、本発明の実施形態に従う方法によって前処理することができる。実施形態によれば、セルロースを前処理する方法は、固形分を有する混合物を提供するステップであって、混合物がセルロースと液体とを含む、ステップと、混合物を機械的に加工してセルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けるステップと、を含む。機械的加工は、連続的な機械的混合装置におけるせん断混合を含む。
【0020】
一実施形態では、混合物は、混合物の少なくとも50重量%の初期固形分を有し、好ましくは、初期固形分は、混合物の50重量%以上、たとえば混合物の51重量%、混合物の52重量%、またはたとえば混合物の55重量%、好適には混合物の少なくとも65重量%、特に混合物の75重量%まで、最も好ましくは混合物の71重量%または72重量%または73重量%または74重量%などの混合物の50%超である。低コンシステンシーパルプと比較して、これらのような超高コンシステンシーパルプの機械加工は、繊維細胞壁のラメラの転位を改善し、混合物またはパルプ中の分子レベルでの尿素のような化学物質の吸収を改善する。初期固形分が少なくとも50重量%の混合物は、セルロースの効率的な取扱いを保証し、すなわち、セルロース壁に十分なせん断力が作用し、細胞壁を効果的に破壊し、セルロース繊維の溶媒および化学薬品へのアクセス性を向上させる。初期固形分が少なくとも50%未満、たとえば約50重量%未満であると、セルロースの取り扱い効率が悪くなる。セルロースの最良の取り扱いは、初期固形分が混合物の少なくとも50重量%であるときに生じ、好ましくは、初期固形分が混合物の50重量%以上、たとえば、混合物の51重量%、混合物の52重量%又は例えば混合物の55重量%、好適には混合物の少なくとも65重量%、特に混合物の75重量%まで、最も好ましくは混合物の71重量%または72重量%または73重量%または74重量%などの混合物の50重量%超である。
【0021】
さらなる実施形態において、固形分は混合物の90重量%以下、好ましくは、固形分は混合物の75重量%以下である。固形分が混合物の90重量%以下である、好ましくは混合物の75重量%以下である高コンシステンシーパルプを維持することによって、遊離水酸基を失うことに起因する失活による角化または再結晶化が起こらないので、細胞壁構造は化学物質を吸収するために閉鎖されない。
【0022】
上述した実施形態で説明した限界の間では、セルロース表面からフィブリルを引き裂くことなくせん断力がセルロースに作用できるように、また繊維細胞壁上のフィブリルの溶剤や化学薬品へのアクセス性が向上するように空間が十分にあり、最適である。上述した限界の固形分を有する混合物は、綿に最適である。なぜなら、このような固形分では、6層フィブリル構造がずぶぬれにならないからである。綿がずぶぬれになると、フィブリル構造がロックされ、セルロース系繊維のアクセス性を高めるためにフィブリル構造をこじ開けることがより一層困難になる。
【0023】
セルロースは、様々な供給源からのものであってもよく、様々なパルプの形態であってもよい。一実施形態では、セルロースは、化学パルプ、機械パルプ、熱機械パルプ、化学熱機械パルプ、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0024】
さらなる実施形態において、化学パルプは、オルガノソルブパルプ、ソーダパルプ、溶解パルプ、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、熱水抽出パルプ、およびそれらの混合物からなる群から選択される。実施形態では、紙グレードパルプが使用される。さらなる実施形態では、溶解グレードパルプが使用される。脱墨パルプなどのリサイクルパルプも、実施形態において有用である。特定の実施形態では、セルロースは、乾燥溶解パルプである。
【0025】
本発明の例示的な態様によれば、セルロース、たとえば綿を前処理する方法であって、固形分を有する混合物を提供するステップであって、混合物がセルロースと液体とを含む、ステップと、混合物を機械的に加工してセルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けるステップとを含む、方法が提供される。機械的加工は、連続的な機械的混合装置におけるせん断混合を含む。
【0026】
実施形態では、セルロースは、紙、板紙、綿、コットンリンター、麦わら、稲わら、トウモロコシ茎葉、麻、ケナフ、バガス、竹、亜麻、ジュートおよびそれらの混合物からなる群より選択される再生セルロースから得られる。本発明の方法の実施形態は、綿、コットンリンター、麻、フレックス、リネンおよび他の茎および種子繊維のような複数のフィブリル層を有するこのような要求の厳しいパルプの前処理に特に有効である。
【0027】
同様に、セルロースの未使用供給源も同様に好適である。したがって、実施形態において、セルロースは、未使用綿、未使用コットンリンター、未使用麦わら、未使用稲わら、未使用トウモロコシ茎葉、未使用麻、未使用ケナフ、未使用バガス、未使用竹、未使用亜麻、未使用ジュートおよびそれらの混合物から得られる。
【0028】
上述したように、実施形態は、セルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けるために混合物を機械的に加工することを含む。一実施形態では、混合物は、機械的混合装置内に連続的に供給される。機械的混合装置に材料を連続的に供給することによって、セルロースフィブリルへのアクセス性が向上するプロセスにおいて、エネルギー消費および時間が最適化されることが保証される。
【0029】
一実施形態では、機械的混合装置は、自己洗浄能力を有する。これは、混合装置を通してセルロースを連続的に通過させること、および装置の目詰まりのない動作を可能にし、これらは両方とも工業的用途において特に有用な属性である。
【0030】
本発明の実施形態では、様々な混合装置を採用することができる。実施形態では、機械的混合装置は、ナイフミル、ハンマーミル、ボールミル、ディスク型ミル、ペレットプレスおよび押出機からなる群から選択される。
【0031】
好ましい実施形態では、機械的装置はペレットプレス、たとえばKahlプレスである。本明細書に記載されるようなセルロース系材料の機械的混合に適した他のペレットプレスは、本発明の実施形態における使用に同様に適している。
【0032】
特定の実施形態では、機械的混合装置は押出機である。好適な実施形態では、機械的混合装置は、2つ以上の押出機を含む。2つ以上の押出機が直列に運転される実施形態では、セルロースは、第1の押出機からさらなる押出機へと通過することができる。セルロースは、セルロースの少なくとも一部がミクロフィブリル化されるまで、さらなる押出機内を通過する。
【0033】
一実施形態では、押出機は、逆回転二軸押出機、共回転二軸押出機、多軸押出機、ラム押出機、遊星押出機、連続バンバリー混合機、連続ジグマ混合機、円錐押出機およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
さらなる実施形態では、機械的混合装置はディスク型ミルである。
【0035】
上述したように、機械的混合装置の目的は、セルロースをフィブリル化することである。したがって、一実施形態では、機械的加工は、セルロースの細胞壁のフィブリル構造を開けることを含む。
【0036】
ある程度のフィブリル化を達成することが望ましい。フィブリル化が進むと、反応化学物質に対するフィブリルのアクセス性が向上する。実施形態において、混合物は、セルロースの少なくとも一部がミクロフィブリル化されるまで、好ましくはセルロースの少なくとも40重量%がミクロフィブリル化されるまで、特にセルロースの少なくとも60重量%がミクロフィブリル化されるまで、好適にはセルロースの少なくとも75重量%がミクロフィブリル化されるまで、典型的にはセルロースの少なくとも95重量%がミクロフィブリル化されるまで、機械的に加工される。
【0037】
実施形態において、湿式セルロース媒体は、アルカリ性またはわずかにアルカリ性のpHを有する。アルカリ性またはわずかにアルカリ性のpHは、セルロースをフィブリル化するのに有益である。上述したように、また図示のように、高コンシステンシーパルプが最も容易にフィブリル化され、角化を受けないことは明らかである。したがって、混合装置に供給する前に、または混合装置に別々に供給する前に、またはセルロースと同時に混合装置に供給する前に、のいずれかで、少なくともいくつかの液体をセルロースと混合することが必要である。実施形態において、液体は、7.0を超える、好ましくは7.2以上、典型的には7.3または7.4、好適には7.5以上のpH値を有する水を含み、任意に、添加された水酸化物イオンを含む。一実施形態において、液体のpHは10.0以上であり、好ましくはpHは10.5以上であり、任意にpHは7.0~14.0の範囲である。
【0038】
さらなる実施形態では、アルカリ性またはわずかにアルカリ性の液体は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤、ノニルフェノールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤、臭化セチルトメチルアンモニウム(CTAB)などの陽イオン性界面活性剤およびアルベガルA(AMS)またはアルキルアミンポリグリコールエーテルなどの両性活性剤からなる群から選択された界面活性物質などの、界面活性物質をさらに含む。界面活性剤は、セルロース媒体から既に除去された不純物の逆沈降を防止するのに役立ち、一般に表面張力を低下させ、したがって、特にアルカリ条件下で反応物とセルロース媒体との接触を良好にすることによって、反応性を高めるのに役立つ。
【0039】
機械的加工は、セルロースの含水率を制御するために、ある温度で実施される。加工されたセルロースの望ましい最終的な固形分は、混合物の85重量%を超える。機械的加工は、所望の固形分が達成されるまで繰り返すことができる。最終的な固形分は、組成物の95重量%以下であってもよい。このような場合、角化が発生する。
【0040】
したがって、実施形態において、機械的加工は、0~100℃、好ましくは10~80℃、好適には20~70℃、特に30℃または40℃または50℃または60℃の範囲の温度で実施される。
【0041】
せん断速度もまた、得られる前処理セルロースの望ましい特性に寄与し得る。実施形態では、機械的加工は、≧80s-1、好ましくは≧90s-1、特に≧100s-1の速度で実施される。いくつかの実施形態では、せん断速度は著しく高くてもよく、たとえば300~500s-1、さらには1000s-1と高くてもよい。たとえば、ミクロフィブリル化およびナノセルロースの製造において、著しく高いせん断速度が採用される。
【0042】
混合装置内の温度には、上述したように好ましい範囲が存在する。この温度は、冷却装置によって制御することができる。一実施形態では、混合装置は冷却され、好ましくは循環水で冷却され、混合装置内の温度を最高温度100℃以下に維持する。前処理段階だけに関連する実施形態では、最高温度は特に重要である。機械的に加工されたセルロースの温度が100℃を超えると、角化が発生する。
【0043】
先に述べたように、ある程度のフィブリル化は、混合物を押出機に1回以上通過させることによって達成することができる。したがって、実施形態では、混合物は押出機を1回以上通過する。
【0044】
さらなる実施形態は、さらなる方法ステップに関するものである。セルロースの機械的加工はフィブリル化を引き起こすので、フィブリル化されていないセルロースと比較して、セルロース繊維/フィブリルの試薬へのアクセス性が向上する。一実施形態では、方法は、混合物に尿素を添加するステップをさらに含む。さらなる実施形態では、11~22重量%の尿素の混合物が加えられ、0.4~1.1重量%の過酸化物(H)の混合物がセルロースの重合度を調整するために添加される。すべての溶液が完全に吸収され、質量が均一な組成になるまで、材料を加工する。次に、機械的に処理された材料が混合され、133~155℃の範囲の温度で2~4時間の範囲の期間加熱される別個の段階で、機械的に処理された材料を反応させる。
【0045】
さらなる実施形態では、混合物を機械的に加工し、直接または間接的に120~135℃の範囲内の温度、典型的には133℃まで急速に加熱し、さらに第2の温度まで加熱される。典型的には、加熱は、133~140℃の範囲の温度、典型的には135℃に達するまで継続される。機械的加工および加熱によって、尿素とセルロースとが反応し、セルロースカルバメートを形成する。
【0046】
セルロースカルバメートは、本発明の実施形態によって、比較的短時間で高収率で形成することができる。たとえば、実施形態では、上記のような機械的加工によって、30分~5時間、好ましくは1~4時間、好適には2時間または3時間の期間で、セルロースの40重量%~95重量%の範囲のミクロフィブリル化セルロースが提供される。上記のように加熱しながら尿素を添加し、上記のように機械的加工を行うことによって、1~6時間、好ましくは2~5時間、好適には3時間または4時間の期間で、セルロース出発材料からセルロースカルバメートが形成される。
【0047】
本方法の実施形態によって提供されるセルロースカルバメートは、保存するために、または他の用途で直接使用するために回収することができる。本方法の実施形態によって提供されるセルロースカルバメートは乾燥されている。さらなる実施形態では、セルロースカルバメートは、水で洗浄され、次いで乾燥機で乾燥される。155℃を超える温度での乾燥は、セルロースカルバメート生成物に有害である可能性がある。したがって、好ましくは、乾燥は、133℃以下の温度で行われる。実際のカルバメート化段階で使用される温度は、通常、乾燥段階において超えない。
【0048】
実施例
実施例1
消費後の綿の廃材を、糸片と繊維とまで梳くことによって開繊した。この綿材料は、他の繊維材料を10%未満含んでいた。セルロースのDPは、600~1000kDaの間で変化した。この材料に、尿素を溶解した水(220g/kg)を加えて、窒素含有率を1.7%にした。過酸化水素(0.75%)を加えて、モル質量を360kDaのDP(280cPの粘度に相当)に制御した。各材料の化学的負荷は同じであったが、機械的処理前の固形分レベルは各実験で異なっていた(57%(湿式)、72%(最適)、77%(乾式))。材料は機械的に処理され、固形分が91~93%になるまでノズルで複数回圧縮された。湿式,最適,乾式の試料は,所望の固形分に達するまで,それぞれ9回、2回、1回のノズル通過を必要とした.製品は、133℃~155℃の範囲の温度で3時間加熱して乾燥させた。
【0049】
カルバメートは、250lのドライスミキサー反応器または600lのレイディゲミキサー反応器を用いて製造された。最初に、パルプ/綿を約85%の乾物まで真空乾燥させた。過酸化水素を水性尿素と混合し、その混合物をパルプに添加した。化学物質添加後、柔軟な圧縮を容易にするために、目標乾物含量は65~70%であった。圧縮はKahl装置で2回行った。ペレット化(圧縮)されたパルプは、蒸気が開始された混合反応器に戻された。温度が115℃に達した時点でカルバメート化反応時間の計算を開始し、140~150℃まで温度を上昇させた。総反応時間は4時間であった。カルバメート化後、溶解性を向上させるために、パルプをグラインダーで2回粉砕した。
【0050】
各製品から紡績用ドープを作製し、繊維を紡糸した。
【表1】
【0051】
表1から、本発明による実施形態によって、約70~75%の範囲の最適なコンシステンシーを有する最適な試料を機械的に加工することによって、セルロース細胞壁を開け、セルロースをフィブリル化して、化学試薬のアクセス性を向上することが分かる。機械的に前処理された繊維は、たとえば、尿素とのカルバメート、スピンドープの提供、および良好な強度を有する微細繊維の紡糸など、様々なプロセスでの使用に適している。
【0052】
実施例2
セルロースカルバメート製造工程のセルロースパルプ原料は、再生綿繊維製品廃棄物(CED粘度330±30ml/g、改訂ISO5351)を用いて調製した。パルプ調製工程は、フィンランド特許出願FI20205250に記載されているように実施した。セルロースカルバメートは、600lのレーディゲまたは2000lのレーディゲミキサー反応器を用いて製造された。再生綿繊維製品廃棄物から調製したパルプを、真空条件下で空気乾燥セルロース材料6g/kgの水酸化ナトリウム投与量の存在下で、混合物の乾物含量を約85%まで脱水させた。アルカリ処理物の液のpH値は、脱水物10gを水100gに静置して測定した。pH値は10.5であった。過酸化水素(乾燥セルロースパルプに対して0.3±0.1%H投与量)と尿素水溶液(乾燥セルロースパルプに対して18.5%尿素投与量)を混合し、混合液をパルプに添加した。尿素水溶液と過酸化水素とを添加した後、得られたセルロース-化学物質-液体混合物の乾物含量は72±2%であり、柔軟な機械的前処理を容易に行うことができた。機械的前処理は、Kahl装置を用いて連続機械的混合装置でせん断混合をさらすことにより、その後6回(6)行われた。機械的に前処理したパルプは、蒸気が開始されたミキサー反応器に戻した。温度が133℃に達した時点でカーバメート反応時間の計算を開始し、実際のカーバメート反応のために135±2℃まで温度を上昇させた。目標初期温度である133℃に到達してからの総反応時間は180分であった。ペレット状にカルバメート化した後、セルロースカルバメートの任意の後処理加工または直接最終用途に供するため、セルロースカルバメートペレットを粉砕した。粉砕、洗浄および乾燥したセルロースカルバメートで測定したセルロースの重合度は248±20ml/g(CED粘度として、ISO5351)であった。洗浄された炉乾燥セルロースカルバメート中の全窒素含有量(SFS 5505:1988、改訂)によって測定したセルロースカルバメートの置換度は、同様のプロセスを用いて調製したがパルプ脱水段階で水酸化ナトリウムが存在しない製品と比較して、本実施例に示すアルカリ(乾燥パルプの6g/kg NaOH)を添加して機械的に前処理したパルプの場合に30~40%高かった。
【0053】
上述したプロセスを用いて調製したセルロースカルバメート粉末の直接最終用途の例。カルバメート化工程で得られたセルロースカルバメートをさらに溶解し、湿式紡糸工程によるセルロースカーバメート繊維の製造に用いた。粉砕した風乾セルロースカルバメート粉末をスラリー化し、亜鉛酸ナトリウム(オキサン亜鉛)溶液に、目標とするセルロースカルバメート含量6.5±0.2%(n=10)、水酸化ナトリウム含量6.5±0.2%(n=10)になるように溶解させた。続いて、溶解工程で得られたセルロースカルバメートドープを、2段目の濾過工程で20μm濾材を用いた2段バックフラッシュ濾過工程を用いて濾過した。濾過し脱気したセルロースカルバメートドープの湿式紡糸は、たとえば硫酸ナトリウムおよび遊離硫酸を含むセルロースカルバメート工程に最適化したスピンバスを用いて実施された。印加されるゴデット延伸応力は、熱浴延伸条件下で86±8%(n=56)であった。紡績から得られたフィラメントトウを、切断長40mmのステープル繊維に切断した。目標フィラメントタイターは1.3dtexであった。このステープル繊維から測定した破断時の繊維引張強度は、16.4±1.5%(n=56)の破断伸びで、23±1cN/tex(n=56)であった(SFS-EN ISO5079)。
【0054】
実施例3
ハンマーミルを用いたパルプの機械的処理
セルロースカルバメート製造工程のセルロースパルプ原料は、再生綿繊維製品廃棄物(CED粘度330±30ml/g、改訂ISO5351)を用いて調製した。パルプ調製工程は、フィンランド特許出願FI20205250に記載されているように実施した。再生綿繊維製品廃棄物から調製したパルプを、真空条件下で混合物の約85%の乾物含量まで脱水した。過酸化水素(乾燥セルロースパルプの0.3±0.1%H投与量)を尿素の水溶液(乾燥セルロースパルプの18.5%尿素投与量)と混合し、この混合物をパルプに添加した。尿素水溶液と過酸化水素を添加した後、得られたセルロース-化学物質-液体混合物の乾物含量は72±2%であり、柔軟な機械的前処理を容易に行うことができた。脱水および追加の水と薬液の混合は、600lのレーディゲ混合反応器で実施した。化学物質を混合し、固形分を最適化したパルプは、その後の機械的処理試験のために2つの別々のバッチに分けられた。1)ハンマーミル(孔径3mmの篩板を有するKamas型ハンマーミル)を用いて、連続な機械的混合装置でせん断混合を行うことによって、機械的前処理を続いて3回(3)行った。2)機械的前処理は、Kahl装置(ペレットプレス)を用いて連続的な機械的混合装置でせん断混合を行うことによって、続いて6回行った。機械的前処理を施したパルプは、別途、ステンレス製クッキングパンに1cm程度の薄い層として散布した。このクッキングパンを換気循環式オーブンに入れ、140℃で180分間加熱した。得られたセルロースカルバメートは、孔径0.5mmの篩を用いて、ラボスケールのハンマーグラインディングミルを用いて粉砕した。種類のセルロースカルバメート試料の品質特性の特性評価は、以下の手順に基づいて行った。カルバメート化工程から得られたセルロースカルバメートは、対応するセルロースカルバメートドープ(セルロースカルバメート溶液)の調製のために、粉砕粉末を亜鉛酸ナトリウム(オキサン亜鉛)溶液にスラリー化して溶解し、目標セルロースカーバメート含有率6.5±0.2%、水酸化ナトリウム含量6.5±0.2%となるようにさらに溶解した。
【表2】
【0055】
表2から、Kahl装置を使用することによる本発明による実施形態による機械的に加工すると、ハンマーミル装置を使用して調製した試料と比較して、洗浄および乾燥したセルロースカルバメート試料の全窒素含量および水不溶性画分の含量によって測定した置換度がわずかに高くなったことが分かる。KW値およびKR指数(KRは粘度補正したKW値に相当する)は、セルロースカルバメート溶液の濾過性を示し、値が低いほど、調製した試料溶液中に認められるフィルター目詰まりサイズ(>10μm)の未反応粒子の量が少ない。したがって、ハンマーミルを用いた機械的前処理は、濾過性分析に基づくより良質なセルロースカルバメートドープが得られた。
【0056】
開示された本発明の実施形態は、本明細書に開示された特定の構造、工程ステップ、または材料に限定されず、関連する技術分野における当業者によって認識されるようなその均等物に拡張されることが理解されるであろう。また、本明細書で採用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0057】
本明細書を通じて、一実施形態または実施形態への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所での「一実施形態において」または「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。また、たとえば、約、実質的になどの用語を用いて数値に言及する場合、正確な数値も開示される。
【0058】
本明細書で使用されるように、複数のアイテム、構造要素、構成要素、および/または材料は、便宜上、共通のリストで示されてもよい。しかしながら、これらのリストは、あたかもリストの各部材が別個かつ唯一の部材として個別に識別されるかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストの個々の部材は、反対の指示なしに共通のグループにおけるそれらの提示にのみ基づいて、同じリストの任意の他の部材の事実上の均等物として解釈されるべきではない。また、本発明の様々な実施形態および実施例は、その様々な構成要素の代替案と共に本明細書で言及されることがある。そのような実施形態、実施例、および代替案は、互いの事実上の均等物として解釈されるのではなく、本発明の別個かつ自律的な表現として考慮されると理解されたい。
【0059】
さらに、記載された特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、長さ、幅、形状などの例のような多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、関連する技術分野の当業者であれば、本発明は、1つ以上の特定の詳細がなくても、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施することができることを認識するであろう。他の例では、周知の構造、材料、または操作は、本発明の態様を不明瞭にするのを避けるために、詳細に示されないか、または説明されない。
【0060】
前述の実施例は、1つ以上の特定の用途における本発明の原理を例示するものであるが、当業者には、発明能力を発揮することなく、また本発明の原理および概念から逸脱することなく、実施の形態、用途および詳細における多数の変更を行うことができることは明らかであろう。したがって、以下に示す請求項による場合を除き、本発明を限定することは意図していない。
【0061】
動詞「含む(comprise)」および「含む(include)」は、本明細書では、同じく引用されていない特徴の存在を排除も要求もしない開放的な限定として使用される。従属請求項に記載された特徴は、特に明示されない限り、相互に自由に組み合わせ可能である。さらに、本明細書を通じて「a」または「an」、すなわち単数形の使用は、複数を除外するものではないことを理解されたい。
【産業の利用可能性】
【0062】
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、繊維産業で使用するためのセルロースの管理およびリサイクル、ならびにより広い産業で使用するための未使用セルロースの調製において産業上の応用を見出す。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 米国特許第5410034号明細書
[非特許文献]
[非特許文献1] Isogai, A. and Atalla, R.H. (1998). Dissolution of Cellulose in Aqueous NaOH Solutions. Cellulose, 5(4): 309-319.
[非特許文献2] Sobue, H., Kiessig, H. and Hess, K. (1939). The System: Cellulose-Sodium Hydroxide-Water in Relation to the Temperature. Zeitschrift fuer Physikalishe Chemie, B43: 309.
図1
図2a
図2b
図2c
図3