(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ゴルフ制御システム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20240313BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20240313BHJP
【FI】
A63B69/36 Z
A63B69/36 541W
A63B69/00 A
(21)【出願番号】P 2023107385
(22)【出願日】2023-06-29
【審査請求日】2023-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523249375
【氏名又は名称】株式会社1st
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】和栗 博
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-173096(JP,A)
【文献】特開2016-073764(JP,A)
【文献】特開2021-146193(JP,A)
【文献】特開平04-241885(JP,A)
【文献】特表2013-516211(JP,A)
【文献】特表2017-534374(JP,A)
【文献】特表2012-519570(JP,A)
【文献】特開2023-020965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00 - 69/40
A63B 67/02
A63B 71/00 - 71/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがゴルフボールをゴルフクラブにより打撃したインパクトを計測する計測装置と、前記ゴルフクラブのスイング軌道を撮像する撮像装置と、仮想ゴルフコースを表示させるスクリーンと、前記計測装置の計測結果及び前記撮像装置の撮像画像を表示可能な表示装置と、前記計測装置の計測結果に基づき、前記プレイヤのスイングに関する評価を行う評価部と、を備えたインドアゴルフ場のゴルフ制御システムであって、
室内のうち前記プレイヤが視認可能な領域にプロジェクションマッピングを実行する投影制御部と、
前記プロジェクションマッピングのコンテンツを記憶する記憶部と、
ゴルフスポーツにおいて同伴競技者間で慣習的に発声し合うパターン化された音声を判別又は出力する音声制御部と、を備え、
前記コンテンツは、前記音声に関連付けられた動画
と、当該動画に関連付けられた効果音とを含んでおり、
前記投影制御部は、前記音声制御部によって前記プレイヤ又は前記プレイヤの同伴者の発声から判別された前記音声、及び、前記音声制御部から出力された前記音声のうち少なくとも一方に基づいて前記記憶部から前記コンテンツを選択して当該コンテンツによる前記プロジェクションマッピングを実行するゴルフ制御システム。
【請求項2】
前記音声には、前記評価部の評価結果に関連付けられた音声が含まれている請求項1に記載のゴルフ制御システム。
【請求項3】
前記動画には、風景及び人物が含まれている請求項1又は2に記載のゴルフ制御システム。
【請求項4】
前記投影制御部は、前記スクリーンに隣接した側面及び天井面の少なくとも一方に対して前記プロジェクションマッピングを実行する請求項1又は2に記載のゴルフ制御システム。
【請求項5】
前記コンテンツは、ブロックチェーン上で流通可能な非代替性トークンを含んでいる請求項1又は2に記載のゴルフ制御システム。
【請求項6】
前記表示装置に前記コンテンツの種別を選択可能に表示させる表示制御部を更に備えた請求項1又は2に記載のゴルフ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドアゴルフ場のゴルフ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤがゴルフボールをゴルフクラブにより打撃したインパクトを計測する計測装置と、ゴルフクラブのスイング軌道を撮像する撮像装置と、仮想ゴルフコースを表示させるスクリーンと、計測装置の計測結果及び撮像装置の撮像画像を表示可能な表示装置と、を室内に配置したインドアゴルフ場が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のゴルフ制御システムは、撮像装置の撮像画像をサーバに記憶させ、ユーザがリスト上にあるスイングモーションに関する静止画像を選択すると、この静止画像にリンクされたスイングモーション映像の提供を行う技術である。これにより、多くの人にゴルフに関する多様なコンテンツを提供し、ユーザの興味を誘発させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のゴルフ制御システムは、単にスイングモーション映像等をサーバに記憶して公開する技術にすぎないため、プレイヤの満足感を得るには更なる改善の余地がある。特にインドアゴルフ場は、室内ならではの良さもあるが、閉鎖空間であるため、現実空間のアウトドアゴルフ場に比べて、プレイヤの臨場感や没入感を高める上で改善の余地がある。
【0006】
そこで、簡便な構成で臨場感や没入感を高めることが可能なインドアゴルフ場のゴルフ制御システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゴルフ制御システムの特徴構成は、プレイヤがゴルフボールをゴルフクラブにより打撃したインパクトを計測する計測装置と、前記ゴルフクラブのスイング軌道を撮像する撮像装置と、仮想ゴルフコースを表示させるスクリーンと、前記計測装置の計測結果及び前記撮像装置の撮像画像を表示可能な表示装置と、前記計測装置の計測結果に基づき、前記プレイヤのスイングに関する評価を行う評価部と、を備えたインドアゴルフ場のゴルフ制御システムであって、室内のうち前記プレイヤが視認可能な領域にプロジェクションマッピングを実行する投影制御部と、前記プロジェクションマッピングのコンテンツを記憶する記憶部と、ゴルフスポーツにおいて同伴競技者間で慣習的に発声し合うパターン化された音声を判別又は出力する音声制御部と、を備え、前記コンテンツは、前記音声に関連付けられた動画と、当該動画に関連付けられた効果音とを含んでおり、前記投影制御部は、前記音声制御部によって前記プレイヤ又は前記プレイヤの同伴者の発声から判別された前記音声、及び、前記音声制御部から出力された前記音声のうち少なくとも一方に基づいて前記記憶部から前記コンテンツを選択して当該コンテンツによる前記プロジェクションマッピングを実行する点にある。
【0008】
本構成では、仮想ゴルフコースを表示させるスクリーンとは別に、室内のうち、プレイヤが視認可能な領域にプロジェクションマッピングを実行する投影制御部を備えているため、通常のインドアゴルフ場に比べて多様なコンテンツを表示させることができる。また、プロジェクションマッピングは、既存のインドアゴルフ場にプロジェクタを追加するだけで良いため、簡便である。
【0009】
また、本構成における記憶部に記憶されたプロジェクションマッピングのコンテンツは、ゴルフというスポーツの慣習的な特徴である、基本的には4人(2人以上)でプレイをし、同伴競技者間でパターン化された声を掛け合うことが多い、という点を踏まえ、これら「パターン化された音声」に関連付けられた動画を含んでいる。このため、例えば、「ナイスショット」、「グッドショット」、「グレートショット」、「エクセレントショット」、「フォアー」、「ナイスバーディー」、「ナイスパー」のような、「パターン化された音声」を、同伴競技者が発声することをトリガーとして、音声制御部がパターン化された音声を認識して判別するか出力することにより、当該音声に関連付けられた動画がインドアゴルフ場内のプロジェクションマッピング表示面に、例えば動画に関連付けられた効果音と共にプレイヤに提供される。この機能により、プレイヤは、臨場感や没入感を得ることが可能となり、インドアゴルフに対する興奮度が上昇する。また、同伴競技者は、プレイヤの興奮度を上昇させることを目的として、敢えて(どのようなショット内容であったとしても)、「パターン化された音声」を発声することにより、仲間内での楽しさや興奮度を増すことができる。
【0010】
このように、簡便な構成で臨場感や没入感を高めることが可能なインドアゴルフ場のゴルフ制御システムとなっている。
【0011】
他の特徴構成は、前記音声には、前記評価部の評価結果に関連付けられた音声が含まれている点にある。
【0012】
本構成によれば、「ナイスショット」、「グッドショット」、「グレートショット」、「エクセレントショット」、「フォアー」、「ナイスバーディー」、「ナイスパー」のような、「パターン化された音声」が、評価部の評価結果に関連付けられた音声として含まれている。したがって、プレイヤが単独でプレイする際においても、ゴルフ制御システムは、評価部の評価を通じて機械的に発生された音声を判別し、その音声に関連付けられた動画をプロジェクションマッピングとして表示することができる。
【0013】
他の特徴構成は、前記動画には、風景及び人物が含まれている点にある。また、動画には、効果音等を表す映像及び関連する効果音等が含まれていてもよい。効果音を表す映像や効果音の一例として、パーやバーディーを取得したときの数秒間流れるアニメーション動画及び拍手等の効果音が挙げられる。
【0014】
本構成のように音声に関連付けられた動画に風景及び人物が含まれていると、あたかも仲間と一緒にアウトドアゴルフを楽しんでいる錯覚を覚え、インドアゴルフ場に不足しがちな臨場感や没入感を更に高めることができる。
【0015】
他の特徴構成は、前記投影制御部は、前記スクリーンに隣接した側面及び天井面の少なくとも一方に対して前記プロジェクションマッピングを実行する点にある。
【0016】
本構成のようにスクリーンに隣接した側面及び天井面の少なくとも一方に対してプロジェクションマッピングを実行すれば、新たに映像投影用のスクリーンを設ける必要がなく、安価に臨場感や没入感を高めることが可能となる。インドアゴルフ場においては、通常、前方スクリーンの側面や天井面等に、プレイヤがミスショットした場合にボールが飛んで壁面(又は天井面)を壊すことを防止するために衝撃吸収機能を備えたマットを設置する傾向があり、この左右のマット面へプロジェクションマッピングを投影することもできる。
【0017】
他の特徴構成は、前記コンテンツは、ブロックチェーン上で流通可能な非代替性トークンを含んでいる点にある。
【0018】
本構成のようにコンテンツにブロックチェーン上で流通可能な非代替性トークンを含ませれば、コンテンツの所有権を簡単に売買することが可能となり、例えばプロゴルファーが動画作成者として活動することにより、ゴルフ文化を浸透させることができる。
【0019】
他の特徴構成は、前記表示装置に前記コンテンツの種別を選択可能に表示させる表示制御部を更に備えた点にある。
【0020】
本構成のようにコンテンツの種別を選択可能に表示させれば、プレイヤの趣向に応じたコンテンツを選択することにより、インドアゴルフを堪能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】インドアゴルフ場のレイアウトを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係るゴルフ制御システムの実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0023】
図1に示されるように、インドアゴルフ場10は、前面壁12、側面13、及び天井面14により形成される所定大きさの空間を持つ室内ブース11に設置されている。インドアゴルフ場10は、計測装置15と、撮像装置16と、スクリーン17と、表示装置18と、評価部34(
図2参照)と、を備えている。
【0024】
計測装置15は、プレイヤがゴルフボールをゴルフクラブにより打撃したインパクトを計測するものである。計測装置15は、例えば赤外線センサーを有して構成されてもよく、その他のいかなる形態のものでもよい。撮像装置16は、ゴルフクラブのスイング軌道を撮像するものであり、各種のカメラユニットを有して構成される。スクリーン17は、仮想ゴルフコースを表示させるためのものであり、前面壁12等に配置される。表示装置18は、計測装置15の計測結果及び撮像装置16の撮像画像を表示する液晶モニター等である。
【0025】
本実施形態のインドアゴルフ場10は、天井面14に設置された複数のプロジェクタ19を有しており、複数のプロジェクタ19を用いることでスクリーン17に仮想ゴルフコースを表示することができる。
【0026】
スクリーン17は、第1スクリーン21、第2スクリーン22、及び第3スクリーン23を有する。第1スクリーン21は、前面壁12に配置されている。第2スクリーン22は前面壁12の右側に隣接して設けられる側面13であり、第3スクリーン23は前面壁12の左側に隣接して設けられる側面13である。
【0027】
第1スクリーン21は、1つのスクリーン要素部材、または、複数のスクリーン要素部材が並んで配置されて構成される。なお、第1スクリーン21が透過型であって複数のスクリーン要素素材であった場合には、プレイヤが打ったゴルフボールは複数のスクリーン要素部材の間を通過するように構成される。
【0028】
第1スクリーン21は、1つのスクリーン要素部材の背面側に緩衝部材を有しており、ゴルフボールが緩衝部材に緩衝されて床面Fに落下するように構成されている。また、床面Fに落下したゴルフボールは、室内ブース11の床面Fに内蔵されたボール移送装置(図示せず)により打席70に帰還し、再び供給されるように構成してもよい。
【0029】
図1に示されるインドアゴルフ場10では、3つのプロジェクタ19として第1プロジェクタ19a、第2プロジェクタ19b、及び第3プロジェクタ19cが備えれている。
第1プロジェクタ19aは、天井面14の左右方向の中央に配置されて第1スクリーン21に映像を投影する。第2プロジェクタ19bは、第1プロジェクタ19aの左側に配置されて第2スクリーン22に映像を投影する。第3プロジェクタ19cは第1プロジェクタ19aの右側に配置されて第3スクリーン23に映像を投影する。3つのプロジェクタ19a,19b,19cは、いずれもゴルフ制御システム30によって作動させることができる。
【0030】
第1スクリーン21には、第1プロジェクタ19aによってゴルフコース及びその背景、及び、ゴルフボールの移動映像などの仮想ゴルフシミュレーション映像が投影される。
第2スクリーン22及び/又は第3スクリーン23には、同伴ゴルファーの仮想映像等を含むコンテンツ40が投影される。なお、第2スクリーン22及び第3スクリーン23に、第1スクリーン21に投影されたゴルフコースに対応した映像が投影されてもよい。
【0031】
図2に示されるように、ゴルフ制御システム30は、通信部31、記憶部32、動画管理部33、及び制御部35を備える。ゴルフ制御システム30は、インドアゴルフ場10に備えられた評価部34から評価結果を得ることができる。ゴルフ制御システム30は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。ゴルフ制御システム30は、例えば計測装置15(
図1参照)の筐体内に併設されて構成される。なお、評価部34は、ゴルフ制御システム30に内蔵されていてもよい。
【0032】
通信部31は、インターネット50(無線及び有線のいずれも含む)などのネットワークを介して不図示のサーバとの間でデータを送受信する。記憶部32は、仮想ゴルフコースに関する各種情報データや、プロジェクションマッピングのコンテンツ40等を記憶する。コンテンツ40は、後述の評価部34の評価結果に関連付けられた音声と、当該音声に関連付けられた動画とを含んでいる。なお、コンテンツ40は、音声に関連付けられた動画と、動画に関連付けられた効果音等とを含んでいてもよい。
【0033】
コンテンツ40に含まれる音声とは、例えば仮想の同伴ゴルファーの掛け声等の「パターン化された音声」であり、例えば「ナイスショット」、「グッドショット」、「エクセレント」、「ナイスアウト」、「ナイスリカバリ」、「ナイスオン」、「ナイスパット」、「フォアー」、「ナイスバーディー」、「ナイスパー」等である。また、音声に関連付けられた動画とは、例えば仮想の同伴ゴルファー(例えば複数人)が掛け声を出す様子等である。なお、上記の掛け声はあくまで一例であって他の掛け声であってもよい。
【0034】
動画管理部33は、プロジェクションマッピング用の動画であるコンテンツ40を管理する。動画管理部33は、後述のブロックチェーンネットワーク51で流通したコンテンツ40の購入や販売を管理する。評価部34は、計測装置15の計測結果に基づき、プレイヤのスイングに関する評価を行う。制御部35は、音声制御部36、投影制御部37、及び表示制御部38を有する。音声制御部36は、パターン化された音声を判別又は出力する。投影制御部37は、コンテンツ40を投影するために、第2プロジェクタ19b及び/又は第3プロジェクタ19cの作動を制御する。表示制御部38は、後述するコンテンツ選択画面を表示装置18に表示させる制御を実行する。
【0035】
図1に示されるように、インドアゴルフ場10では、床面Fにゴルフスイング用の打席70が設けられている。打席70は、上面に人工芝等を有するゴルフマットによって構成されており、左右中央部分にゴルフボールの載置スペース71を有する。インドアゴルフ場10のプレイヤは、打席70に入り、載置スペース71に置かれたゴルフボールをゴルフクラブで打つ。打たれたゴルフボールは、第1スクリーン21に向かって飛んで行き、第1スクリーン21を透過するか、又は第1スクリーン21の衝撃吸収効果により第1スクリーン21の近くに床面Fに留まる。
【0036】
プレイヤが打ったゴルフボールの動きは撮像装置16に含まれるカメラによって撮像される。計測装置15は、プレイヤがゴルフボールをゴルフクラブにより打撃したインパクト(打撃速度や打撃角度等)を計測する。計測装置15の計測結果等に基づくゴルフボールのシミュレーション映像は、仮想のゴルフコース画像に組み込まれて第1プロジェクタ19aから第1スクリーン21に投影される。これにより、プレイヤは第1スクリーン21に表示される仮想ゴルフ場を利用したシミュレーションゴルフを進行できる。
【0037】
第2スクリーン22(側面13)には、プレイヤのショットに応じた、同伴ゴルファー等の動画がコンテンツ40としてプロジェクションマッピングによって映し出される。また、コンテンツ40である同伴ゴルファー等の映像に対応した音声が発せられる。音声は、例えば計測装置15近辺に配置されるスピーカから発生される。スピーカの位置は、計測装置15近辺に限定されず、適宜変更可能である。コンテンツ40が仮想の同伴ゴルファーを含む動画であれば、音声として、例えば「ナイスショット」「グッドショット」「エクセレント」「ナイスアウト」「ナイスオン」「ナイスパット」「フォアー」等の掛け声が発せられる。例えば、
図1に示されるように、コンテンツ40である同伴ゴルファーを含む動画に、上記音声に合わせて「Nice shot!」等の文字も表示してもよい。
【0038】
コンテンツ40は、仮想の同伴ゴルファーの動画等に限定されず、プロゴルファー等によるレッスン動画等であってもよい。コンテンツ40がレッスン動画の場合には、レッスン動画に対応した音声がスピーカから発せられる。
図1に示される例では、第3スクリーン23(左の側面13)には、同伴ゴルファー等の映像は表示されていないが、第2スクリーン22(側面13)に代えて、第3スクリーン23(側面13)に同伴ゴルファー等の映像がプロジェクションマッピングによって映し出されてもよい。また、天井面14に同伴ゴルファー等の映像がプロジェクションマッピングによって映し出されてもよい。
【0039】
図2に示されるように、上述のコンテンツ40は、ブロックチェーン上で流通可能な非代替性トークン(NFT)を含んでいる。したがって、コンテンツ40は、ユーザ端末60等から提供可能であって、ブロックチェーンネットワーク51によって流通可能である。ユーザ端末60は、PCであってもタブレットやスマートフォンであってもよく、特に限定されない。具体的には、ブロックチェーンネットワーク51は、インターネット50上に存在しており、ブロックチェーンを共有する複数のノード(不図示)を備えて構成されている。ブロックチェーンネットワーク51に含まれる各ノードは、例えば取引管理サーバ(不図示)から送信された情報や、非代替性トークン(NFT)の取引履歴等の各種情報を、ブロックチェーンに格納することで、非代替性トークン(NFT)を利用したコンテンツ40の流通が可能となっている。
【0040】
図3にゴルフ制御システム30の実行フローを示す。
図4に表示装置18に表示されるコンテンツ選択画面の一例を示す。なお、以下に示すフローは、制御部35(音声制御部36、投影制御部37、又は表示制御部38)により実行される。
【0041】
音声制御部36は、パターン化された音声を判別又は出力する。ここで、記憶部32に記憶されたプロジェクションマッピングのコンテンツ40は、ゴルフというスポーツの慣習的な特徴である、基本的には4人(2人以上)でプレイをし、同伴競技者間でパターン化された声を掛け合うことが多い、という点を踏まえ、これら「パターン化された音声」に関連付けられた動画を含ませることができる。このため、例えば、「ナイスショット」、「グッドショット」、「グレートショット」、「エクセレントショット」、「フォアー」、「ナイスバーディー」、「ナイスパー」のような、「パターン化された音声」が、プレイヤ又は同伴競技者が発生することをトリガーとして、音声制御部36によってパターン化された音声が出力され、当該音声に関連付けられた動画がインドアゴルフ場10内のプロジェクションマッピング表示面(側面13及び天井面14の少なくとも一方)に、動画に関連付けられた効果音と共にプレイヤに提供される。
【0042】
図3に示されるように、ステップ#11では、プロジェクトマッピング(PM)の実行をするか否かが確認される。ステップ#11においてプロジェクトマッピング(PM)の実行が選択されると(Yes)、ステップ#12において表示装置18にコンテンツ選択画面(
図4参照)が表示される。
【0043】
図4に示す例では、コンテンツ選択画面は、第1画面18A、第2画面18B、及び第3画面18Cによって構成されている。第1画面18Aでは、「自然一体型」「個人レッスン型」の2つの選択メニューが表示される。ここで、「自然一体型」とは、同伴者とアウトドアゴルフを行うプレースタイルを模して同伴プレイヤを表示するものである。一方、「個人レッスン型」とは、ラウンドレッスンを行うプレースタイルを模してレッスンプレイヤを表示するものである。
【0044】
第1画面18Aにおいて「自然一体型」が選択されると、第2画面18Bが表示されて、同伴プレイヤの年代種別「ヤング」「ミドル」「シニア」や、同伴プレイヤの性別構成(「男性グループ」「女性グループ」「混合グループ」)等の選択が可能となる。一方、第1画面18Aにおいて「個人レッスン型」が選択されると、第3画面18Cが表示されて、レッスンプレイヤの種別(「アマチュアゴルファー」又は「プロゴルファー」)や、性別(「男性」又は「女性」)等の選択が可能となる。これらのコンテンツ選択画面(18A,18B,18C)は一例であって適宜変更してもよい。
【0045】
ステップ#15において、
図4のコンテンツ選択画面(18A,18B,18C)等を利用してコンテンツ40が選択されると(Yes)、ステップ#16において、評価部34によるプレイヤのスイング評価が可能になる。したがって、プレイヤは、ここからコンテンツ40を利用したシミュレーションゴルフを開始できる。
【0046】
プレイヤがゴルフスイングを行うことで、ステップ#16において上述のスイング評価が実行され、ステップ#17において、評価部34の評価結果に関連付けられた音声に基づいて動画(コンテンツ40)が記憶部32から読み出される。このステップ#17において、プレイヤ及び同伴競技者のいずれかが「パターン化された音声」を発声し、音声制御部36が当該音声を認識して判別するか、「パターン化された音声」を別途出力することにより、当該音声に関連付けられた動画(コンテンツ40)が記憶部32から読み出される形態でもよい。この場合、プレイヤと同伴競技者とが一緒にインドアゴルフを楽しむ利用形態である。続いて、ステップ#18において記憶部32にから呼び出された動画(コンテンツ40)に基づくプロジェクトマッピング(PM)が実行される。ステップ#18では、加えてスピーカから動画に対応した「パターン化された音声」や効果音(拍手等)が発せられる。
【0047】
続いて、ステップ#19では、制御部35がプロジェクトマッピング(PM)を継続するか否かを判定する。この判定は、表示装置18を用いたプレイヤによるプレイ継続操作により判定してもよいし、プロジェクトマッピング(PM)のみの継続操作により判定してもよい。ステップ#19においてプロジェクトマッピング(PM)を継続する場合(Yes)、ステップ#16の前に戻ってステップ#16からステップ#18までの処理が継続される。一方、ステップ#19において、プロジェクトマッピング(PM)の継続しない場合(No)、インドアゴルフを終了する。
【0048】
なお、ステップ#11においてプロジェクトマッピング(PM)の実行を選択しないと(No)、ステップ#13において、通常のインドアゴルフの実行となる。その後、ステップ#14において、プレイヤが「継続」を選択すると(Yes)、ステップ#13に戻って「通常のインドアゴルフ」が継続される。一方、ステップ#14において、プレイヤが「継続」を選択しない場合(No)、インドアゴルフを終了する。
【0049】
このように、ゴルフ制御システム30は、仮想ゴルフコースを表示させる前面壁12の第1スクリーン21とは別に、室内のうちプレイヤが視認可能な領域(側面13の第2スクリーン22及び/又は第3スクリーン23)や天井面14にプロジェクションマッピングを実行する投影制御部37を備えているため、通常のインドアゴルフ場に比べて多様なコンテンツ40を表示させることができる。また、プロジェクションマッピングは、既存のインドアゴルフ場10にプロジェクタ19b,19cを追加するだけで良いため、簡便である。
【0050】
さらに、記憶部32に記憶されたプロジェクションマッピングのコンテンツ40は、評価部34の評価結果に関連付けられた音声と、この音声に関連付けられた動画とを含んでいる。このため、例えば、「ナイスショット」、「グッドショット」、「グレートショット」、「エクセレントショット」、「フォアー」のように、ゴルフショットに関連する音声と、この音声に関連付けられた動画とがプロジェクションマッピングでプレイヤに提供することができる。その結果、プレイヤは、まるでアウトドアゴルフ場でゴルフをしている錯覚を覚え、臨場感や没入感を得ることが可能となり、インドアゴルフに対する興奮度が上昇する。
【0051】
また、本実施形態のように、側面13に投影される音声と関連付けられた動画に風景及び人物が含まれていると、あたかも仲間と一緒にアウトドアゴルフを楽しんでいる錯覚を覚え、インドアゴルフ場10に不足しがちな臨場感や没入感を更に高めることができる。
【0052】
また、本実施形態のように前面壁12(第1スクリーン21)に隣接した側面13,13に対してプロジェクションマッピングを実行すれば、側面13,13に新たに映像投影用のスクリーンを別途設ける必要がなく、安価に臨場感や没入感を高めることが可能となる。
【0053】
[その他の実施形態]
(1)第2プロジェクタ19b又は第3プロジェクタ19cによって側面13に投影されるプロジェクトマッピングの動画は、風景を含まずに人物のみであってもよい。また、風景に動物や雲等の周辺環境が移動する形態を含ませてもよい。この動画には、効果音等を表す映像及び関連する効果音等が含まれていてもよい。効果音を表す映像や効果音の一例として、パーやバーディーを取得したときの数秒間流れるアニメーション動画及び拍手等の効果音が挙げられる。
【0054】
(2)上記の実施形態では、室内ブース11にプロジェクタ19を3つ設ける例を示したが、プロジェクタ19は、前面壁12に映像を投影する第1プロジェクタ19aと、左右の側面13,13に何れかに映像を投影する第2プロジェクタ19bとの2つでもよい。
また、第2プロジェクタ19bは、左右の側面13,13の一方又は他方や天井面14にプロジェクションマッピングの映像を投影できるように投影レンズの向きが変更可能に構成されていてもよい。
【0055】
(3)上記の実施形態では、前面壁12を中央にして、前面壁12の右側に隣接して設けられる側面13を第2スクリーン22とし、前面壁12の左側に隣接して設けられる側面13を第3スクリーン23とする例を示した。これに代えて、左右の側面13,13に対し、第1スクリーン21と同様のスクリーンを配置してもよい。
【0056】
(4)上述した実施形態では、ブロックチェーンネットワーク51で流通したコンテンツ40として説明したが、ブロックチェーンネットワーク51で流通しないコンテンツ40であってもよい。
【0057】
(5)上述した実施形態では、表示装置18にコンテンツ40の種別を選択可能に表示させたが、コンテンツ40の種別を選択することなく所定のコンテンツ40を表示させてもよく、この場合、人工知能等を用いてプレイヤの趣向を判定してコンテンツ40を決定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、インドアゴルフ場のゴルフ制御システムに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 :インドアゴルフ場
12 :前面壁
13 :側面
14 :天井面
15 :計測装置
16 :撮像装置
17 :スクリーン
18 :表示装置
19 :プロジェクタ
21 :第1スクリーン
22 :第2スクリーン
23 :第3スクリーン
30 :ゴルフ制御システム
32 :記憶部
34 :評価部
36 :音声制御部
37 :投影制御部
38 :表示制御部
40 :コンテンツ
51 :ブロックチェーンネットワーク
【要約】
【課題】簡便な構成で臨場感や没入感を高めることが可能なインドアゴルフ場のゴルフ制御システムを提供する。
【解決手段】インドアゴルフ場10のゴルフ制御システム30であって、室内のうちプレイヤが視認可能な領域にプロジェクションマッピングを実行する投影制御部と、プロジェクションマッピングのコンテンツ40を記憶する記憶部と、パターン化された音声を判別又は出力する音声制御部と、を備え、コンテンツ40は、音声に関連付けられた動画を含んでいる。
【選択図】
図1