(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】おもちゃの水風船
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20240313BHJP
【FI】
A63H33/00 D
A63H33/00 A
A63H33/00 301Z
(21)【出願番号】P 2024002699
(22)【出願日】2024-01-11
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】202320769008.9
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524015201
【氏名又は名称】東莞市悦影橡▲ジアオ▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Yueying Rubber Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 1101,Building 6,Jin Long You Yi Cheng,No. 81,Jinfeng Road,Fenggang Town,Dongguan City,Guangdong Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊 ▲斌▼
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-509467(JP,A)
【文献】米国特許第04212460(US,A)
【文献】米国特許第5975983(US,A)
【文献】特開2008-099907(JP,A)
【文献】登録実用新案第3007122(JP,U)
【文献】[水遊び]何度も使える新感覚の水風船「スプラッシュボール」が日本上陸!,DENGEKI ONLINE 電撃オンライン[online],2022年08月12日,インターネット:<URL:https://dengekionline.com/articles/144922/>,[2024年2月14日検索]
【文献】売り切れ続出中!今話題の「割れない水風船」で遊んでみたらエコでラクチンで楽しい!この夏の超おすすめ,おやこのくふう,2022年08月14日,インターネット:<URL:https://oyako-kufu.com/articles/1913>,[2024年2月14日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
おもちゃの水風船であって、
貯水チャンバーを包囲形成可能な少なくとも2つのシェルを含み、各前記シェルは取り付けフレーム、磁性部材及びウォーターポケットを含み、前記取り付けフレームはその厚さ方向に対向して設けられる第1面及び第2面を含み、前記取り付けフレームに収容溝が設けられ、前記収容溝の溝口は前記第1面に位置し、前記磁性部材は前記収容溝内に装着され、前記ウォーターポケットは前記第1面に接続され、前記第1面上で前記収容溝の溝口を覆って前記磁性部材を前記取り付けフレーム内に封止し、
各前記シェルが貯水チャンバーを包囲形成する時、隣接するシェルの取り付けフレームの対応する位置の磁性部材が互いに引き寄せられて隣接する前記取り付けフレームの第2面を互いに当接させることを特徴とするおもちゃの水風船。
【請求項2】
前記取り付けフレーム及び前記ウォーターポケットはいずれもフレキシブル材料からなることを特徴とする請求項1に記載のおもちゃの水風船。
【請求項3】
前記取り付けフレームに隙間溝がさらに設けられ、前記隙間溝は前記磁性部材の周辺に設けられ、前記隙間溝の溝口は前記第1面に位置し、前記収容溝と隙間溝との間には前記磁性部材を囲むエプロンが形成され、前記ウォーターポケットには前記隙間溝内に嵌入される嵌入部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のおもちゃの水風船。
【請求項4】
前記隙間溝は前記磁性部材の端部に近い位置に設けられ、前記隙間溝の両端は前記磁性部材の端部方向に平行な方向から前記磁性部材の側面方向に切り替わって延在していることを特徴とする請求項3に記載のおもちゃの水風船。
【請求項5】
前記取り付けフレームは制限フランジをさらに含み、前記制限フランジは前記収容溝の溝口に設けられ、前記収容溝の溝底と対向することを特徴とする請求項3に記載のおもちゃの水風船。
【請求項6】
前記収容溝の長さ方向において、前記制限フランジは前記収容溝の溝口の中部位置に設けられることで、前記磁性部材の中部位置が制限フランジに覆われ、磁性部材の両端が前記溝口から露出することを特徴とする請求項5に記載のおもちゃの水風船。
【請求項7】
前記隙間溝は、前記エプロンの一方側に位置する第1溝壁、及び前記第1溝壁と対向する第2溝壁を含み、前記取り付けフレームに接続リブがさらに設けられ、前記接続リブは前記第1溝壁と前記第2溝壁を接続することを特徴とする請求項3に記載のおもちゃの水風船。
【請求項8】
前記磁性部材の四隅位置に前記隙間溝が設けられ、前記隙間溝は「L」字型であることを特徴とする請求項3に記載のおもちゃの水風船。
【請求項9】
前記取り付けフレームの内輪の前記第2面に近い位置には反り部が設けられ、前記反り部は前記取り付けフレームの中心に接近し且つ前記第1面から離れる方向に延在し、前記反り部と前記第2面の位置する平面との夾角が5°以上であり、隣接する前記取り付けフレームの前記第2面が互いに当接すると、隣接する前記取り付けフレームの対応する反り部が圧迫されて密接することを特徴とする請求項1に記載のおもちゃの水風船。
【請求項10】
発光モジュールをさらに含み、前記発光モジュールは前記シェルの内側に設けられ、前記発光モジュールは発光ダイオードと、コントローラと、振動センサと、及び前記発光ダイオード、コントローラ及び振動センサに電力を供給するためのバッテリとを含み、前記コントローラは、振動が振動センサにより検出された場合、前記発光ダイオードを制御して動作させることを特徴とする請求項1に記載のおもちゃの水風船。
【請求項11】
前記磁性部材のエッジに面取りが設けられることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のおもちゃの水風船。
【請求項12】
前記磁性部材と前記収容溝との間に接着層が設けられることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のおもちゃの水風船。
【請求項13】
前記ウォーターポケットが前記第1面に接続されると、前記第1面に被覆層を形成し、前記被覆層の厚さが0.3mm以上であり、前記収容溝の底部から前記第2面までの厚さが0.3mm以上であり、前記取り付けフレームの厚さが2mm以上であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のおもちゃの水風船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水遊び用おもちゃの分野に関し、特におもちゃの水風船に関する。
【背景技術】
【0002】
水合戦は、夏の暑さ対策の活動として、インタラクション及び娯楽性が高いため、非常に人気がある。
【0003】
水合戦は、通常、水風船、すなわち、水を入れた風船をプレイヤーに投げつけると、風船が割れ、当てられたプレイヤーが水に濡れる。しかし、風船は再利用できず、環境に配慮していないため、研究開発者は再利用可能なおもちゃの水風船を開発し、このおもちゃの水風船は2つのシェルを含み、シェルは取り付けフレーム、取り付けフレームに装着される磁性部材及びウォーターポケットを含み、2つの取り付けフレームが磁性部材により一体に組み合わせられると、2つのシェルは共同で1つの貯水用のチャンバーを形成し、おもちゃの水風船をプレイヤーに投げつけると、2つのシェルは力を受けて分離し、当てられたプレイヤーは水に濡れる。
【0004】
磁性部材を取り付けフレームに取り付けるために、従来技術では、取り付けフレームに取り付け溝を設け、磁性部材を取り付け溝内に組み立て、その結果、水合戦時に磁性部材が力を受けて取り付け溝の溝口から非常に脱落しやすく、おもちゃの水風船が故障し、ユーザーの使用感が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例が解決しようとする技術的課題は、おもちゃの水風船を提供することであり、従来技術におけるおもちゃの水風船の使用時に磁性部材が取り付け溝の溝口から非常に脱落しやすく、おもちゃの水風船が故障するという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例に係るおもちゃの水風船は、貯水チャンバーを包囲形成可能な少なくとも2つのシェルを含み、各前記シェルは取り付けフレーム、磁性部材及びウォーターポケットを含み、前記取り付けフレームはその厚さ方向に対向して設けられる第1面及び第2面を含み、前記取り付けフレームに収容溝が設けられ、前記収容溝の溝口は前記第1面に位置し、前記磁性部材は前記収容溝内に装着され、前記ウォーターポケットは前記第1面に接続され、前記第1面上で前記収容溝の溝口を覆って前記磁性部材を前記取り付けフレーム内に封止し、各前記シェルが貯水チャンバーを包囲形成する時、隣接するシェルの取り付けフレームの対応する位置の磁性部材が互いに引き寄せられて隣接する前記取り付けフレームの第2面を互いに当接させる。
【0007】
さらに、前記取り付けフレーム及び前記ウォーターポケットはいずれもフレキシブル材料からなる。
【0008】
さらに、前記取り付けフレームに隙間溝がさらに設けられ、前記隙間溝は前記磁性部材の周辺に設けられ、前記隙間溝の溝口は前記第1面に位置し、前記収容溝と隙間溝との間には前記磁性部材を囲むエプロンが形成され、前記ウォーターポケットには前記隙間溝内に嵌入される嵌入部が設けられる。
【0009】
さらに、前記隙間溝は前記磁性部材の端部に近い位置に設けられ、前記隙間溝の両端は前記磁性部材の端部方向に平行な方向から前記磁性部材の側面方向に切り替わって延在している。
【0010】
さらに、前記取り付けフレームは制限フランジをさらに含み、前記制限フランジは前記収容溝の溝口に設けられ、前記収容溝の溝底と対向する。
【0011】
さらに、前記収容溝の長さ方向において、前記制限フランジは前記収容溝の溝口の中部位置に設けられることで、前記磁性部材の中部位置が制限フランジに覆われ、磁性部材の両端が前記溝口から露出する。
【0012】
さらに、前記隙間溝は、前記エプロンの一方側に位置する第1溝壁、及び前記第1溝壁と対向する第2溝壁を含み、前記取り付けフレームに接続リブがさらに設けられ、前記接続リブは前記第1溝壁と前記第2溝壁を接続する。
【0013】
さらに、前記磁性部材の四隅位置に前記隙間溝が設けられ、前記隙間溝は「L」字型である。
【0014】
さらに、前記取り付けフレームの内輪の前記第2面に近い位置には反り部が設けられ、前記反り部は前記取り付けフレームの中心に接近し且つ前記第1面から離れる方向に延在し、前記反り部と前記第2面の位置する平面との夾角が5°以上であり、隣接する前記取り付けフレームの前記第2面が互いに当接すると、隣接する前記取り付けフレームの対応する反り部が圧迫されて密接する。
【0015】
さらに、発光モジュールをさらに含み、前記発光モジュールは前記シェルの内側に設けられ、前記発光モジュールは発光ダイオードと、コントローラと、振動センサと、及び前記発光ダイオード、コントローラ及び振動センサに電力を供給するためのバッテリとを含み、前記コントローラは、振動が振動センサにより検出された場合、前記発光ダイオードを制御して動作させる。
【0016】
さらに、前記磁性部材のエッジに面取りが設けられる。
【0017】
さらに、前記磁性部材と前記収容溝との間に接着層が設けられる。
【0018】
さらに、前記ウォーターポケットが前記第1面に接続されると、前記第1面に被覆層を形成し、前記被覆層の厚さが0.3mm以上であり、前記収容溝の底部から前記第2面までの厚さが0.3mm以上であり、前記取り付けフレームの厚さが2mm以上である。
【発明の効果】
【0019】
従来技術に比べて、本発明の実施例に係るおもちゃの水風船の有益な効果は以下の通りである。本発明の実施例に係るおもちゃの水風船は、貯水チャンバーを包囲形成可能な少なくとも2つのシェルを含み、各シェルは、取り付けフレーム、取り付けフレームに装着される磁性部材及びウォーターポケットを含み、取り付けフレームはその厚さ方向において対向して設けられる第1面及び第2面を含み、各シェルが1つの貯水チャンバーを包囲して形成する時、隣接するシェルの磁性部材は互いに引き寄せられ、隣接するシェルの第2面は互いに当接し、具体的には、取り付けフレームに収容溝が設けられ、収容溝の第1溝口は第1面に位置し、磁性部材は収容溝内に装着され、ウォーターポケットは第1面に接続され、第1面上で収容溝の溝口を覆って磁性部材を取り付けフレーム内に封止し、従って、本実施例に係るおもちゃの水風船は、使用時、従来技術のように磁性部材が力を受けて取り付け溝から簡単に脱落することがなく、磁性部材が濡れて錆びることもなく、このことから分かるように、本実施例に係るおもちゃの水風船は簡単に故障することがなく、寿命が長い。
【0020】
以下、図面及び実施例を参照して本発明の具体的な実施形態をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係るおもちゃの水風船の斜視構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係るおもちゃの水風船のシェル分離時の斜視構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る取り付けフレーム及び接続構造の斜視構造模式図である。
【
図4】
図3におけるA位置の部分拡大模式図である。
【
図5】本発明の実施例に係る磁性部材の斜視構造模式図である。
【
図6】
図2に示すおもちゃの水風船の取り付けフレーム及び接続構造を省略した後の模式図である。
【
図7】本発明の別の実施例に係るおもちゃの水風船のシェル分離時の斜視構造模式図である。
【
図8】本発明の実施例に係る取り付けフレーム及び接続構造の平面構造模式図である。
【
図9】
図8におけるB位置の部分拡大模式図である。
【
図10】本発明の別の実施例に係る取り付けフレームの部分構造模式図である。
【
図11】本発明の別の実施例に係る取り付けフレームの部分構造模式図である。
【
図12】本発明の実施例に係る取り付けフレーム及び接続構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例の特徴を組み合わせることができる。以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0023】
本発明の実施例は、おもちゃの水風船1000を提供し、
図1~
図5に示すように、おもちゃの水風船1000は貯水チャンバーを包囲形成可能な少なくとも2つのシェル100を含む。各シェル100は取り付けフレーム110、磁性部材120及びウォーターポケット130を含む。取り付けフレーム110はその厚さ方向(
図3におけるX方向)に対向して設けられる第1面111及び第2面112を含み、収容溝113の溝口は第1面111に位置し、磁性部材120は収容溝113内に装着され、ウォーターポケット130は第1面111に接続され、第1面111上で収容溝113の溝口を覆って磁性部材120を取り付けフレーム110内に封止する。
【0024】
本実施例における各シェル100は、1つの貯水チャンバーを包囲して形成することができ、この時、隣接するシェル100の磁性部材120は互いに引き寄せられることで、隣接するシェル100の第2面112を互いに当接させ、それによって貯水チャンバーの水がこぼれることを回避する。本実施例のおもちゃの水風船1000をプレイヤーに投げると、おもちゃの水風船1000が外力の衝撃を受けて貯水チャンバー内の水を溢し、その結果、おもちゃの水風船1000に当てられたプレイヤーが水に濡れる。勿論、プレイヤーに投げることはゲーム用水風船の基準の遊び方に過ぎず、プレイヤーに投げることを除き、単におもちゃの水風船1000を地面、壁又はほかの場所に投げつけてもよく、本実施例はここで限定しないことを理解できる。
【0025】
具体的には、本実施例では、磁性部材120を取り付けるための収容溝113は第1面111に設けられ、また、ウォーターポケット130は第1面111に接続されるため、ウォーターポケット130は取り付けフレーム110と嵌合して磁性部材120を封止することができる。それによって、おもちゃの水風船1000は、使用時、従来技術のように磁性部材120が力を受けて収容溝113から簡単に脱落することがないだけでなく、磁性部材120が濡れることも回避できる。なお、磁性部材120が濡れると錆びやすく、その結果、おもちゃの水風船1000は継続使用に適さない。本実施例を実施することで、おもちゃの水風船1000が簡単に故障することがなく、このことから分かるように、おもちゃの水風船1000の寿命を効果的に延ばすことができる。
【0026】
ただし、シェル100は
図1のように2つ設けられてもよいし、
図7のように3つ設けられてもよいし、4つ、5つ設けられてもよく、本実施例はここで限定しない。
【0027】
図1を参照すると、具体的な実施例では、取り付けフレーム110及びウォーターポケット130はいずれもフレキシブル材料からなる。
【0028】
第1に、本実施例を実施することで、おもちゃの水風船1000によるプレイヤーの痛みや負傷を回避し、安全上のリスクを排除する。
【0029】
第2に、本実施例のウォーターポケット130は変形によっておもちゃの水風船1000の体積を変更することができ、収納空間を節約するという技術的効果を達成し、ユーザーが簡単に収納できる。
【0030】
第3に、本実施例を実施することで、取り付けフレーム110とウォーターポケット130が衝突を受けた場合の損傷の確率を低下させることができ、おもちゃの水風船1000の寿命の向上に有利である。
【0031】
図1を参照すると、具体的な実施例では、取り付けフレーム110及びウォーターポケット130はシリカゲル又はゴムからなる。
【0032】
おもちゃの水風船1000の構造強度を向上させ、おもちゃの水風船1000の故障をさらに回避するために、本発明は、以下の2種の実施例を参考として提供する。
【0033】
図3~
図5、及び
図9を参照すると、実施例1では、取り付けフレーム110に隙間溝114がさらに設けられ、隙間溝114は磁性部材120の周辺に設けられ、隙間溝114の溝口は第1面111に位置し、収容溝113と隙間溝114との間には磁性部材120を囲むエプロン115が形成され、ウォーターポケット130には隙間溝114内に嵌入される嵌入部131が設けられる。
【0034】
具体的には、ユーザーがおもちゃの水風船1000を使用する時、ウォーターポケット130を引っ張ることは避けられず、隣接するシェル100の磁性部材120が互いに引き寄せられると、磁性部材120が隣接するシェル100の分離を制限するように付勢するため、ウォーターポケット130を引っ張る時、ウォーターポケット130の磁性部材120と隣接する位置の受ける力が大きく、取り付けフレーム110との接続関係から離脱しやすい。この技術的問題を解決するために、本実施例のウォーターポケット130の一部は収容溝113の溝壁とエプロン115との間の隙間溝114内に嵌入され、このようにして、ウォーターポケット130の受ける力が大きい位置と取り付けフレーム110との接続関係がより緊密になる。このことから分かるように、本実施例を実施することで、引っ張りによって簡単に壊れることがないようにおもちゃの水風船1000の構造強度を向上させる。
【0035】
本実施例のおもちゃの水風船1000を製造する時、取り付けフレーム110を製造する金型には磁性部材120を装着する1つの溝を設けて、その後、取り付けフレーム110を製造するための材料を金型に押し付けて磁性部材120を装着した取り付けフレーム110を製造し、最後に、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工する。具体的には、この溝の輪郭を磁性部材120よりも大きくするだけで、製造された取り付けフレーム110に上記隙間溝114及びエプロン115が形成される。
【0036】
具体的には、エプロン115の形状は、円形、楕円形、方形などの様々な形状であってもよいため、本実施例はここで限定しない。
【0037】
図11を参照すると、実施例2では、磁性部材120の輪郭を収容溝113の輪郭よりも小さくすることで、磁性部材120と収容溝113の溝壁との間に隙間(
図11におけるZ位置)が存在し、ウォーターポケット130の一部は隙間内に嵌入される。
【0038】
具体的には、ユーザーがおもちゃの水風船1000を使用する時、ウォーターポケット130を引っ張ることは避けられない。隣接するシェル100の磁性部材120が互いに引き寄せられると、磁性部材120が隣接するシェル100の分離を制限するように付勢するため、ウォーターポケット130を引っ張る時、ウォーターポケット130の磁性部材120と隣接する位置の受ける力が大きく、取り付けフレーム110との接続関係から離脱しやすい。この技術的問題を解決するために、本実施例のウォーターポケット130の一部は磁性部材120と収容溝113の溝壁との間の隙間内に嵌入され、このようにして、ウォーターポケット130の受ける力が大きい位置と取り付けフレーム110との接続関係がより緊密になる。このことから分かるように、本実施例を実施することで、引っ張りによって簡単に壊れることがないようにおもちゃの水風船1000の構造強度を向上させる。
【0039】
本実施例のおもちゃの水風船1000を製造する時、まず、1つの収容溝113付きの取り付けフレーム110を加工し、次に磁性部材120を溝内に置き、最後に、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工する。
【0040】
図4を参照すると、具体的な実施例では、エプロン115は磁性部材120を囲んで設けられ、即ち、エプロン115は磁性部材120の外周面を包み、このようにして、磁性部材120に対する取り付けフレーム110の拘束を強化し、磁性部材120と取り付けフレーム110との接続をより緊密にするだけでなく、加工にも有利である。
【0041】
具体的には、磁性部材120が金型の溝に装着されている場合、磁性部材120は溝内を移動できず、後で取り付けフレーム110を製造するための材料を金型に押し付けると、磁性部材120は力を受けて溝から離脱する可能性があり、その結果、不良品を製造してしまい、最悪の場合は金型の損傷にも至ることがある。エプロン115が磁性部材120を囲んで設けられることは、磁性部材120が溝内を移動可能であることを意味し、磁性部材120は力を受けると溝内を移動し、溝から簡単に離脱せず、それによって歩留まりを向上させるだけでなく、金型を損傷することもない。
【0042】
図9を参照すると、一実施例では、隙間溝114は磁性部材120の端部に近い位置に設けられ、隙間溝114の両端は磁性部材120の端部方向に平行な方向から磁性部材120の側面方向に切り替わって延在している。このようにして、嵌入部131と取り付けフレーム110との接続関係はより緊密になる。引っ張りによって簡単に壊れることがないようにおもちゃの水風船1000の構造強度をさらに向上させることができる。
【0043】
図4を参照すると、具体的な実施例では、取り付けフレーム110は制限フランジ116をさらに含み、制限フランジ116は収容溝113の溝口に設けられ、収容溝113の溝底と対向する。
【0044】
具体的には、制限フランジ116はエプロン115と嵌合してもよく、それによって磁性部材120を収容溝内に強固に制限する。
【0045】
図4を参照すると、磁性部材120に対する制限フランジ116の制限効果を向上させるために、具体的な実施例では、収容溝113の長さ方向において、制限フランジ116は収容溝113の溝口の中部位置に覆って設けられることで、磁性部材120の中部位置が制限フランジ116に覆われ、磁性部材120の両端が溝口から露出する。
【0046】
図9を参照すると、具体的な実施例では、隙間溝114は、エプロン115の一方側に位置する第1溝壁1141、及び第1溝壁1141と対向する第2溝壁1142を含み、取り付けフレーム110に接続リブ117がさらに設けられ、接続リブ117は第1溝壁1141と第2溝壁1142を接続する。
【0047】
具体的には、ユーザーがおもちゃの水風船1000を使用する時、ウォーターポケット130を引っ張ることは避けられず、隣接するシェル100の磁性部材120が互いに引き寄せられると、磁性部材120が隣接するシェル100の分離を制限するように付勢するため、ウォーターポケット130を引っ張る時、取り付けフレーム110の磁性部材120付近にある部位は大きな力を受け、その結果、該部位は大きく変形し、損傷しやすい。この技術的問題を解決するために、本実施例の取り付けフレーム110に接続リブ117が設けられ、接続リブ117は隙間溝114の第1溝壁1141と第2溝壁1142を接続し、接続リブ117はユーザーがウォーターポケット130を引っ張る時、反作用力を加えることができ、それによって取り付けフレーム110の磁性部材120付近にある部位の変形程度を低減させる。このことから分かるように、本実施例を実施することでおもちゃの水風船1000の構造強度を向上させることができ、おもちゃの水風船1000の耐久性が向上する。
【0048】
また、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工すると、取り付けフレーム110は変形する可能性がある。例示的に、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工する時、原材料は隙間溝114に入ると、第1溝壁1141と第2溝壁1142に方向が反対の作用力を加え、作用力が大きすぎると、この作用力により第1溝壁1141と第2溝壁1142との距離が変化し、取り付けフレーム110の変形を引き起こし、変形が大きすぎると、不良品となり、本実施例の接続リブ117は、第1溝壁1141と第2溝壁1142との拘束を強化でき、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工することによる取り付けフレーム110の過度な変形を回避し、歩留まりを向上させる。
【0049】
具体的な実施例では、接続リブ117はさらに隙間溝114の溝底1143に接続され、このようにして、接続リブ117が力を受けた場合、変形がより小さく、おもちゃの水風船1000の構造強度をさらに向上させることができ、おもちゃの水風船1000の耐久性が向上する。
【0050】
図10を参照すると、具体的な実施例では、磁性部材120の四隅位置に隙間溝114が設けられ、隙間溝114は「L」字型である。このようにして、取り付けフレーム110は複数の接続リブ117を含み、複数の接続リブ117はそれぞれ磁性部材120の異なる方向に位置し、このようにして、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工することによる取り付けフレーム110の過度な変形をさらに回避し、歩留まりを向上させる。
【0051】
図7~
図8を参照すると、一実施例では、おもちゃの水風船1000は1つの接続構造200をさらに含み、各シェル100は接続構造200に接続される。
【0052】
具体的には、各シェル100間に接続関係がなく、バラバラであると、各シェル100を組み立てて1つのおもちゃの水風船1000を形成するのが非常に煩雑で手間がかかり、また、ゲーム中にシェル100の一部を紛失しやすいことを想像できるだろう。接続構造200は各シェル100を接続することで、おもちゃの水風船1000の組立時間を短縮させる。
【0053】
図1~
図3を参照すると、具体的な実施例では、接続構造200はフレキシブル材料からなり、接続構造200は取り付けフレーム110と一体成形される。
【0054】
具体的には、フレキシブル材料からなる接続構造200はおもちゃの水風船1000によるプレイヤーの痛みや負傷を回避でき、接続構造200は取り付けフレーム110と一体成形されることで、組立工程を簡略化することができる。
【0055】
図1~
図3を参照すると、
図1~
図3における接続構造200及び取り付けフレーム110はいずれもシリカゲルからなり、具体的には、原材料を対応する金型内に押し付けて一体成形してなる。該おもちゃの水風船1000は、非常に使いやすく、一方のシェル100を他方のシェル100に向かって動かすだけで、貯水チャンバーを包囲して形成することができる。
【0056】
勿論、接続構造200は、図示されるおもちゃの水風船1000のように、取り付けフレーム110から独立した1つの部品であってもよいことを理解できる。
【0057】
図4及び
図9を参照すると、一実施例では、取り付けフレーム110の内輪の第2面112に近い位置には反り部118が設けられ、反り部118は取り付けフレーム110の中心に接近し且つ第1面111から離れる方向に延在し、反り部118と第2面112の位置する平面との夾角が5°以上であり、隣接する取り付けフレーム110の第2面112が互いに当接すると、隣接する取り付けフレーム110の対応する反り部118が圧迫されて密接する。
【0058】
具体的には、反り部118が取り付けフレーム110の中心に接近し且つ第1面111から離れる方向に延在するため、各シェル100の第2面112が互いに当接する前に、各シェル100の反り部118が互いに接触し、各シェル100の第2面112が互いに当接すると、各シェル100の反り部118が圧迫されて弾性変形し、従って、反り部118が設けられることで、貯水チャンバーの水こぼれをより良く抑制し、おもちゃの水風船1000の水漏れを回避する。
【0059】
一実施例では、おもちゃの水風船は発光モジュールをさらに含み、発光モジュールはシェルの内側に設けられ、発光モジュールは発光ダイオードと、コントローラと、振動センサと、発光ダイオード、コントローラ及び振動センサに電力を供給するためのバッテリとを含み、コントローラは、振動が振動センサにより検出された場合、発光ダイオードを制御して動作させる。
【0060】
具体的には、おもちゃの水風船が人体や物体にぶつかると振動センサをトリガーし、振動センサはコントローラにフィードバックし、コントローラは振動センサからのフィードバック情報を受信すると発光ダイオードを制御して動作させる。本実施例を実施することで、おもちゃの水風船の美観性を高めることができ、特に夕方、夜間には、発光可能なおもちゃの水風船は非常に美しく見える。
【0061】
図5を参照すると、一実施例では、磁性部材120のエッジに面取り121が設けられる。
【0062】
具体的には、ユーザーがおもちゃの水風船1000を使用する時、ウォーターポケット130を引っ張ることは避けられず、各シェル100の磁性部材120が互いに引き寄せられるため、ユーザーがウォーターポケット130を引っ張ると、磁性部材120は取り付けフレーム110に反作用力を加えることで、収容溝113の溝底1143を変形させ、磁性部材120のエッジが比較的鋭い場合、収容溝113の溝底1143が磁性部材120によって非常に傷付きやすく、おもちゃの水風船1000の故障を引き起こす。従って、本実施例では磁性部材120のエッジに面取り121が設けられることで、磁性部材120が収容溝113の溝底1143を傷付けることを回避する。
【0063】
また、磁性部材120のエッジに面取り121が設けられることで、制限フランジ116とエプロン115との接続位置をより太くすることもでき、
図12及び
図13を参照すると、
図13におけるD位置はE位置よりも太く、このようにして、制限フランジ116は構造強度が比較的大きく、損傷し難い。
【0064】
一実施例では、磁性部材120と収容溝113との間に接着層が設けられる。このようにして、ウォーターポケット130を取り付けフレーム110に加工する時に磁性部材120のずれを回避できる。
【0065】
一実施例では、ウォーターポケット130が第1面111に接続されると、第1面111に被覆層を形成し、被覆層の厚さが0.3mm以上であり、収容溝113の底部から第2面112までの厚さが0.3mm以上であり、取り付けフレーム110の厚さが2mm以上であり、このようにして、シェル100の構造強度が高くなり、おもちゃの水風船1000の耐久性が向上する。
【0066】
以上の実施例は本発明の技術的解決手段を限定するのではなく説明するためのものに過ぎず、当業者であれば、上記実施例に記載の技術的解決手段を変更したりその技術的特徴を同等置換したりすることができ、これらのすべての変更や置換は本発明の添付する特許請求の範囲の保護範囲に属することを理解すべきである。
【符号の説明】
【0067】
1000 おもちゃの水風船
100 シェル
110 取り付けフレーム
111 第1面
112 第2面
113 収容溝
114 隙間溝
1141 第1溝壁
1142 第2溝壁
1143 溝底
115 エプロン
116 制限フランジ
117 接続リブ
118 反り部
120 磁性部材
121 面取り
130 ウォーターポケット
131 嵌入部
200 接続構造
【要約】 (修正有)
【解決手段】おもちゃの水風船は、貯水チャンバーを包囲形成可能な少なくとも2つのシェルを含み、各シェルは、取り付けフレーム、取り付けフレームに装着される磁性部材及びウォーターポケットを含み、取り付けフレームはその厚さ方向において対向して設けられる第1面及び第2面を含み、各シェルが1つの貯水チャンバーを包囲して形成する時、隣接するシェルの磁性部材は互いに引き寄せられ、隣接するシェルの第2面は互いに当接し、取り付けフレームに収容溝が設けられ、収容溝の第1溝口は第1面に位置し、磁性部材は収容溝内に装着され、ウォーターポケットは第1面に接続され、第1面上で収容溝の溝口を覆って磁性部材を取り付けフレーム内に封止する。
【効果】磁性部材が力を受けて取り付け溝から簡単に脱落することがなく、磁性部材が濡れて錆びることもないため、本発明のおもちゃの水風船は簡単に故障することがなく、寿命が長い。
【選択図】
図4