(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】ロール製造方法
(51)【国際特許分類】
F16C 13/00 20060101AFI20240313BHJP
C23C 16/27 20060101ALI20240313BHJP
C08B 15/08 20060101ALN20240313BHJP
【FI】
F16C13/00 A
C23C16/27
F16C13/00 Z
C08B15/08
(21)【出願番号】P 2019144438
(22)【出願日】2019-08-06
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】312008833
【氏名又は名称】町田 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】町田 成康
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-173830(JP,A)
【文献】特開2015-030829(JP,A)
【文献】特開2016-094540(JP,A)
【文献】特開平02-095661(JP,A)
【文献】特開2017-173678(JP,A)
【文献】特開2005-155660(JP,A)
【文献】特開2011-179580(JP,A)
【文献】特開2007-130996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 13/00
C23C 16/27
C08B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール
の製造方法において、
セルロースを含む材料がロール状に成形されたロール母材
を成形する工程と、
前記ロール母材の外側に、当該ロール母材よりも硬度の高い硬質管
を焼嵌めにより設け
る工程と、
前記硬質管の外側にDLC膜を設ける工程を含む、
ことを特徴とするロール
製造方法。
【請求項2】
請求項
1記載のロール
製造方法において、
硬質管とDLC膜の
間にミキシング層
を設け
る工程を含む、
ことを特徴とするロール
製造方法。
【請求項3】
請求項1
又は請求項
2記載のロール
製造方法において、
セルロースがナノセルロースである、
ことを特徴とするロール
製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載のロール
製造方法において、
セルロースが、セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、バクテリアナノセルロースのいずれかである、
ことを特徴とするロール
製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載のロール
製造方法において、
硬質管の外側にゴム層が設けられた、
ことを特徴とするロール
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境負荷低減を目的としたロールの製造方法(ロール製造方法)に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット等のモバイル端末やウェアラブル端末には各種の機能を有するフィルムやガラス板(以下「機能性素材」という)が用いられている。これらの機能性素材を製造するための装置には、搬送用ロールやグラビアロール、ニップロールなど様々なロールが用いられている。これらのロールはアルミやSUS304、STKM13a等の金属で構成されているほかに、ロールの剛性(強度)を高めるために、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)も使用されている。
【0003】
従来、ロールの一種として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を材料とするカーボンロール(特許文献1)が知られている。カーボンロールは、軽量、高強度、高剛性、低熱膨張等の特性を有し、様々な場面で利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーボンロールには前述のような優れた特性がある一方、技術的にもコスト的にもリサイクルが難しいという難点がある。このため、カーボンロールの材料であるCFRPは埋め立て処分されることがあるが、CFRP自体は自然分解しないため、環境への影響が懸念される。
【0006】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、CFRPに代わる材料を用いたロールであって、CFRPに比べて環境負荷が小さいロールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロール製造方法は、セルロースを含む材料がロール状に成形されたロール母材を成形する工程と、ロール母材の外側に、ロール母材よりも硬度の高い硬質管を焼嵌めにより設ける工程と、硬質管の外側にDLC膜を設ける工程を含む方法である。セルロースにはナノセルロース、例えば、セルロースナノファイバー(CNF)やセルロースナノクリスタル(CNC)、バクテリアナノセルロース等を用いることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のロール製造方法で製造されたロールは、自然分解するセルロースを含む材料で構成されているため、環境への影響が小さく、環境保全及び環境改善に資する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】(a)は本
願におけるロールの他例を示す正面図、(b)は(a)のIIb部拡大図。
【
図3】(a)は本
願におけるロールの他例を示す正面図、(b)は(a)のIIIb部拡大図。
【
図4】(a)は本
願におけるロールの他例を示す正面図、(b)は(a)のIVb部拡大図。
【
図5】(a)(b)は本
願におけるロールを他の軸部材に装備した場合の一例を示すもの。
【
図6】ロールの製造工程の一例を示すフローチャート。
【
図7】DLC膜の形成に用いる装置の一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
本願におけるロールの実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本願におけるロールは、機能性素材などの製造装置部品である搬送用ロールやグラビアロール、ニップロールといった各種工業用ロールとして用いることができるが、ここでは、ロールがグラビアロールの場合を一例として説明する。
【0011】
一例として
図1に示すロールは、セルロースを含む材料で構成されたロール(以下「セルロースロール」という)1である。ここで、セルロースにはいわゆるナノセルロースも含まれる。また、ナノセルロースには、木材などを原料とするセルロースナノファイバー(CNF)やセルロースナノクリスタル(CNC)のほか、酢酸菌などの微細な菌が作るバクテリアナノセルロースが含まれる。なお、CNCはセルロースナノウィスカー(CNW)とも称される。また、前記ナノセルロースには、電解紡糸法(エレクトロスピニング法)で溶解したセルロースから製造されるものが含まれる。また、前記ナノセルロースはゲル状のものであってもペレット状のものであってもよい。
【0012】
ここでは、セルロースとしてCNFを用いる場合を一例として説明する。
【0013】
この実施形態のセルロースロール1は、CNFと熱硬化性樹脂(バインダー)が混練された材料(繊維状、又はシート状に成形された状態)をロール状に巻きつけて硬化させたものである。セルロースロール1は、押出し成形(射出成形)によって成型することもできる。
【0014】
セルロースロールの材料となるCNFには、長さ150nm、幅3nm程度のものを用いることができる。CNFはこれより大きくても小さくてもよい。
【0015】
CNFと混練する樹脂には、例えば、熱硬化性樹脂、より具体的には、エポキシ樹脂やポリプロピレン樹脂などを用いることができる。CNFは樹脂中に1wt%以上含有することが望まれる。ただし、この含有量は一例であり、これ以外であってもよい。なお、樹脂の材質においてはポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリスチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPE)などを用いることができ、材質に特に規定はない。
【0016】
図1に示すように、この実施形態のセルロースロール1はロール本体がセルロース製のパイプ状であり、ベアリング2を介して軸材3の外側に装備して使用される。この場合、ベアリング(軸受)2はセルロースロール1の両端側に埋設された金属性のフランジ12などを介して設けるのが好ましい。セルロースロール1は無垢材であってもよい。セルロースロール1の外径や内径、長さ等は用途に応じて適宜設計することができる。なお、ロールの構造はロール径や目的によって変えることができる。
【0017】
セルロースロール1はそれ自体をロールとして使用することもできるが、耐摩耗性向上を目的に
図2(a)(b)に示すように、ロールのロール母材として使用することもできる。
【0018】
図2(a)(b)は、セルロースロール1をロール母材としたロールの一例を示すものである。セルロースロール1の外側には、セルロースロール1よりも硬度の高い硬質管4が設けられている。硬質管4には、例えば、SUS製やアルミニウム製のスリーブを用いることができる。この実施形態では、硬質管4としてSUS管(SUS304)を用いている。金属製スリーブの他にはポリ塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(PP)などの樹脂を用いることも可能である。なお、前記金属製スリーブ及び樹脂スリーブの厚さは特に規定はなく、0.1mm以上であることが望ましく5mm以上の厚肉であっても問題はない。
【0019】
この実施形態では、セルロースロール1と硬質管4を図示しない接着剤で接着して両者の密着度を高めている。硬質管4は焼嵌めによってセルロースロール1の外側に装着することもできる。具体的には、セルロースロール1の外側に熱膨張させた硬質管4を被せたのち、その硬質管4を冷却して収縮させることで、硬質管4をセルロースロール1に密着させることができる。焼嵌めのほか、エポキシ接着剤などの接着剤やピンなどを用いて締結することも可能である。
【0020】
図示は省略しているが、硬質管4の表面にはセルや彫刻などの凹凸を形成することもできる。硬質管4の表面に凹凸を設けることで、グラビアロールとして用いることができる。
【0021】
図2(a)(b)のような硬質管4を備えたロールでは、硬質管4の外周に
図3(a)(b)に示すようなDLC膜5を設けることもできる。
図3(a)(b)に示すロールのDLC膜5は、厚さ0.5~50μm程度、硬さ800~6000HV程度としてある。DLC膜5は膜厚1μm以上、好ましくは6μm以上とする。
【0022】
DLC膜5の形成には、ソースガスにCH4(メタン)やC7H8(トルエン)、C2H2(アセチレン)、C6H6(ベンゼン)などの炭化水素系のガスを用いることができる。DLC膜5の構造に特に指定はないが、内部応力の緩和にSi(ケイ素)やO2(酸素)、B(ホウ素)、N2(窒素)、Cr(クロム)、Ti(チタン)などの第三元素を含有してもよい。
【0023】
図3(a)(b)に示すロールは、硬質管4の表面に直接DLC膜5を形成するものであるが、両者の密着性を向上させるため、硬質管4とDLC膜5の間にHCrめっき層とは異なる中間層(以下「ミキシング層」という)を設けることもできる。
【0024】
ミキシング層は、SiやCr、Tiを主とするもの、窒素と化合物化したもの、又は、C(炭素)やH(水素)を一緒に含有したもの等とすることができる。ミキシング層は必要に応じて設ければよく、不要な場合は省略することができる。
【0025】
図2(a)(b)のような硬質管4を備えたロールでは、DLC膜5に変えて、硬質管4の外周に
図4(a)(b)に示すようなめっき層6を設けることもできる。具体的には、HCrめっき層やNiめっき層を硬質管4の外側に設けることができる。めっき層6は従来の方法で形成することができる。なお、硬質管4がアルミニウムの場合は、Niめっきを施してからHCrめっきをするのが望ましい。
【0026】
(その他の実施形態)
図2の例では、セルロースロール1の外周に硬質管4を設ける場合を一例としているが、硬質管4に代えてめっき層6を設けることもできる。この場合、めっき層6の外側にDLC膜5を設けることもできる。また、セルロースロール1の外周に硬質管4やめっき層6を設ける代わりに、DLC膜5を設けることもできる。
【0027】
前記実施形態で示す各ロールの最外周(一番外側)には、洗浄用や脱水用のスポンジ(スポンジ層)を設けることができる。スポンジ層は、ロールの長手方向全長に設けることも部分的に設けることもできる。スポンジ層の材質に特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリビニルアルコール(PVA)といったウレタン系のスポンジに代表される各種材質のものを用いることができる。
【0028】
前記実施形態で示す各ロールのセルロースロール1は、フランジ12に取り付けられたベアリング2を介して軸材に装備される場合を一例としているが、各ロールのセルロースロール1は、
図5(a)(b)のように、長手方向両端のそれぞれに埋設された軸部材13の外側に装備することもできる。
【0029】
前記実施形態で示す各ロールの最外周(一番外側)には、搬送用やニップ用、テンションカット用のゴム材(ゴム層)を設けることができる。ゴム層は、ロールの長手方向全長に設けることも部分的に設けることもできる。ゴム層の材質に特に制限はなく、例えば、EPDM(EPT)やウレタン、バイトン、シリコーン、フッ素系ゴムに代表される各種材質のものを用いることができる。
【0030】
次に、前記ロールの製造方法の一例について説明する。ここでは、セルロースロール1の外側に硬質管4が設けられ、その硬質管4の表面にDLC膜5が形成されたロールを製造する場合を一例とする。
【0031】
図6に示すように、前記ロールは、母材製作工程S1、硬質管装着工程S2、クリーニング工程S3、ミキシング層形成工程S4及び成膜工程S5を経て製造することができる。クリーニング工程S3及びミキシング層形成工程S4は必要な場合のみ実施すればよく、不要な場合には省略することができる。
【0032】
前記各工程のうち、クリーニング工程S3、ミキシング層形成工程S4及び成膜工程S5は、
図7に示す装置を用いて実施することができる。
図7において、7は真空チャンバー、8はRF高周波電源、9はRF電極、10は高電圧パルス電源、11はガス注入口である。RF高周波電源8に代えてICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)電源を用いることもできる。ICP電源を用いることでRF高周波電源8よりもプラズマ密度が高くなり、RF高周波電源8を用いる場合よりも短時間でDLC膜5を厚くすることができる。
【0033】
前記母材製作工程S1では、CNFと熱硬化性樹脂が混練された材料をロール状に巻きつけて硬化させ、セルロースロール1を製作する。セルロースロール1は、押出し成形(射出成形)によって成型することもできる。
【0034】
前記硬質管装着工程S2では、製作したセルロースロール1の外周に硬質管4を被せる。具体的には、セルロースロール1の外径よりも内径が小さな硬質管4を加熱して膨張させ、セルロースロール1の外側に被せる。その後、被せた硬質管4を自然冷却或いは強制冷却させることによってセルロースロール1の外周に密着させる。セルロースロール1と硬質管4の間には接着剤(図示しない)を介在させることもできる。
【0035】
なお、硬質管4の表面に凹凸を設ける場合、凹凸は硬質管4をセルロースロール1の外周に被せる前に形成することも、硬質管4をセルロースロール1の外周に被せたあとに形成することもできる。
【0036】
前記クリーニング工程S3では、硬質管4を被せたセルロースロール1を真空チャンバー7のRF電極9内にセットし、真空チャンバー7内を真空状態にする。この状態で、硬質管4の表面の洗浄及び付着力向上を目的として、硬質管4の表面をアルゴン、水素イオンによりエッチング処理してクリーニングする。エッチング処理は従来と同様の方法で行うことができる。クリーニングは、例えば次の条件で行うことができる。
使用ガス :Ar、H2
負パルス電圧:-1~-15kV
RF出力 :50~1500W
【0037】
前記ミキシング層形成工程S4では、セルロースロール1の外側に被せた硬質管4の表面にHCrめっきを目的としないミキシング層(図示しない)を形成する。具体的には、硬質管4を被せたセルロースロール1を真空チャンバー7のRF電極9内にセットし、真空チャンバー7内を真空状態にする。ガス注入口11から原料ガス(例えば、C、Si)を真空チャンバー7内に注入し、Cラジカルを生成して硬質管4の表面にミキシング層を形成してDLCの付着力(密着性)を高める。
【0038】
なお、原料ガスとしてSiイオンを注入すると、Siがプライマーの役割を担うことができる。また、原料ガスとして、N2、Ar(アルゴン)、CH4、C2H2、CF4(四フッ化炭素)、C、H、B等の混合ガスを注入することもできる。ミキシング層の形成は、例えば次の条件で行うことができる。
使用ガス :HMDSOやHMDSやTMS(Si系ガス)、CH4、C2H2
負パルス電圧:-1~-15kV
RF出力 :50~1500W
【0039】
前記成膜工程S5では、セルロースロール1の外側の硬質管4の表面(ミキシング層を成形した場合はその表面。以下同じ。)にDLC膜5を形成する。具体的には、硬質管4を被せたセルロースロール1がセットされた真空チャンバー7内を常温(望ましくは20℃~50℃程度)且つ真空状態にする。
【0040】
この状態で、RF高周波電源8により高周波電圧を印加して、硬質管4の周辺(具体的には、真空チャンバー7内のRF電極9の周辺)にプラズマを発生させ、高電圧パルス電源10によりセルロースロール1に負の高電圧パルスを印加する。
【0041】
その後、ガス注入口11から原料ガス(例えば、C、O2)を真空チャンバー7内に注入して、その原料ガスを真空チャンバー7内で反応させ、硬質管4の表面にDLCを堆積させることによって、硬質管4の表面にDLC膜5を形成する。DLC膜5は膜厚1μm以上、好ましくは6μm以上とする。この製造方法では、DLC膜5を常温環境下で成膜するため、硬質管4が熱膨張しにくく、長時間かけて成膜してもセルロースロール1や硬質管4が変形しにくい。このため、長時間かけることで膜厚6μm以上のDLC膜5を成膜することができる。
【0042】
DLC膜5については特に指定はなく、構成される主元素である炭素や水素の他にケイ素や窒素などの第三元素を有してもよい。また、DLC膜5は酸素を含む親水性DLC膜であってもよい。DLC膜5の形成は、例えば次の条件で行うことができる。
使用ガス :CH4、C2H2
負パルス電圧:-1~-15kV
RF出力 :50~1500W
【0043】
DLC膜5は2回以上に分けて形成することもできる。この場合、前記条件で1回目の成膜を行った後、例えば、次の条件で2回目の成膜を行うことができる。
使用ガス :C7H8、C2H2
負パルス電圧:-1~-15kV
RF出力 :50~1500W
【0044】
なお、DLC膜5の形成後、特に研磨などの工程を行わずに製品となる。
【0045】
本願におけるロールは、DLC膜5の形成後でも硬質管4の表面の凹凸形状は成膜前とほとんど変化せず、面積比にして10%以下である。
【0046】
なお、
図6に示す製造工程は一例であり、本
願におけるロールはこれ以外の方法で製造することもできる。例えば、セルロースロール1自体をロールとして使用する場合には、
図6に示す製造工程のうち、硬質管装着工程S2以降の工程は省略することができる。
【0047】
同様に、硬質管4の外側にDLC膜5もめっき層6も設けない場合には、
図6に示す製造工程のうち、クリーニング工程S3以降の工程は省略することができる。また、硬質管4の外側にDLC膜5に代えてめっき層6を設ける場合には、成膜工程S5の代わりにめっき工程(図示しない)を実施する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本願におけるロールは、フィルムやガラス板等の機能性素材の製造に用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 セルロースロール
2 ベアリング(軸受)
3 軸材
4 硬質管
5 DLC膜
6 めっき層
7 真空チャンバー
8 RF高周波電源
9 RF電極
10 高電圧パルス電源
11 ガス注入口
12 フランジ
13 軸部材