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特許7453773コンピュータプログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240313BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240313BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q30/0207
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019205748
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021077293
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】518436733
【氏名又は名称】大野 邦久
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 邦久
(72)【発明者】
【氏名】森 翔也
(72)【発明者】
【氏名】火ノ口 史野
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-003769(JP,A)
【文献】特開2009-169555(JP,A)
【文献】特開2003-296431(JP,A)
【文献】特開2011-164706(JP,A)
【文献】特開2009-140185(JP,A)
【文献】特開2002-049725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のごみについて、ごみに付加された識別コード及び前記ごみを排出したユーザのユーザ識別情報を前記ユーザのユーザ端末装置から取得し、
前記識別コードはごみの分別種類を含み、
前記識別コードに対応する、前記ごみが前記識別コードに含まれる分別種類に応じて正しく分別排出されたか否かの判定結果を取得し、
取得した前記識別コード、前記ユーザ識別情報及び前記判定結果を対応付けて記憶装置に記憶し、
記憶した複数の前記識別コードに対して抽選を行い、
前記抽選に当選し、且つ前記判定結果が前記分別種類に応じて正しく分別排出されたことを示す判定結果である識別コードに対応する前記ユーザに特典を付与する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記記憶装置に記憶された前記識別コードから特典の付与対象となる識別コードを抽出し、
抽出した前記特典の付与対象となる識別コードに対して抽選を行い、
前記抽選に当選した識別コードに対応する前記ユーザに前記特典を付与する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記識別コードに対応する、前記ごみの回収日時又は回収場所を示す回収情報を取得した場合、前記特典を付与する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1又は請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記識別コードは、ごみの分別種類を含み、
前記識別コードに対応する、前記ごみが前記分別種類に応じて正しく分別排出されなかったことを示す判定結果を取得した場合、前記特典の付与を取り消す
処理をコンピュータに実行させるための請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
ユーザ端末装置から、ごみ袋に印刷されたまたはごみに貼り付けられた識別コード及びユーザ識別情報を取得し、
ごみの回収過程で用いられる読み取り装置から識別コードを取得し、
前記読み取り装置により取得した識別コードと前記ユーザ端末装置から取得した識別コードとが一致した場合に、該識別コードに対応して取得したユーザ識別情報に対応する前記ユーザに前記特典を付与する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記識別コードに対応する前記ごみの回収日時又は回収場所を示す回収情報を前記記憶装置に記憶し、
記憶した前記回収情報の履歴を前記ごみの分別種類毎に分類して出力する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記記憶装置に記憶された前記ユーザ識別情報に対応付けた前記特典の付与の履歴に基づき、前記特典の付与の履歴を出力する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
複数のユーザから、前記ごみの排出又は回収に関する情報を取得し、
取得した前記ごみの排出又は回収に関する情報を前記記憶装置に記憶し、
前記記憶装置に記憶された前記ごみの排出又は回収に関する情報に基づき、前記ユーザに対するごみの排出に関するアドバイスを出力する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記識別コードが付加された資源ごみに対する処理方法の候補を出力する
処理をコンピュータに実行させるための請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
複数のごみについて、ごみに付加された識別コード及び前記ごみを排出したユーザのユーザ識別情報を前記ユーザのユーザ端末装置から取得し、
前記識別コードはごみの分別種類を含み、
前記識別コードに対応する、前記ごみが前記識別コードに含まれる分別種類に応じて正しく分別排出されたか否かの判定結果を取得し、
取得した前記識別コード、前記ユーザ識別情報及び前記判定結果を対応付けて記憶装置に記憶し、
記憶した複数の前記識別コードに対して抽選を行い、
前記抽選に当選し、且つ前記判定結果が前記分別種類に応じて正しく分別排出されたことを示す判定結果である識別コードに対応する前記ユーザに特典を付与する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項11】
ごみに付加された識別コード及び前記ごみを排出したユーザのユーザ識別情報を前記ユーザのユーザ端末装置から取得し、
前記識別コードに対応する、前記ごみの回収日時又は回収場所を含む回収情報を取得し、
取得した前記識別コード、前記ユーザ識別情報及び前記回収情報を対応付けて記憶装置に記憶し、
記憶した前記識別コードに基づき、前記ユーザに特典を付与し、
記憶した前記識別コード及び前記回収情報に基づき、前記ユーザにおけるごみの回収履歴に応じたごみの排出に関するアドバイスを出力する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、コンピュータプログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可燃物や不燃物などの一般廃棄物は、一般に行政上の区画に従って、自治体等が運営する収集センターの廃棄物収集車によって収集され、規定の廃棄物焼却施設などの廃棄物処理場において処理される。自治体等においては、廃棄物情報を収集・管理して、収集された廃棄物情報に基づいた効率的な廃棄物の収集、処分を行うための計画がなされている。例えば、特許文献1では、粗大ごみ廃棄作業管理者が、粗大ごみ廃棄の開始から終了までを一括して管理することができる識別タグを用いた粗大ごみ回収システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-67850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、識別タグにより管理されるごみの情報はごみの管理者の利便性を向上させるものであり、ごみを排出するユーザにとっては利用価値が低く、ユーザに負担の増大を感じさせることが懸念される。
【0005】
本開示の目的は、ごみ情報の利用に対するユーザの動機付けを向上させるコンピュータプログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様におけるコンピュータプログラムは、ごみに付加された識別コード及び前記ごみを排出したユーザのユーザ識別情報を取得し、取得した前記識別コード及び前記ユーザ識別情報を対応付けて記憶装置に記憶し、記憶した前記識別コードに基づき、前記ユーザに特典を付与する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ごみ情報の利用に対するユーザの動機付けを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1における情報処理システムの概要図である。
図2】情報処理システムを構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】排出情報DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図4】特典情報DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図5】情報処理システムが実行する排出情報の収集処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6】情報処理システムが実行する特典付与の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】抽選結果画面の一例を示す図である。
図8】実施形態2における情報処理システムの概要図である。
図9】情報処理システムを構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。
図10】回収情報DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図11】情報処理システムが実行する回収情報の収集処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】情報処理システムが実行する特典付与の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】情報処理システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】ユーザ端末装置の表示部に表示される画面例を示す図である。
図15】実施形態3の情報処理システムで実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】受付画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1における情報処理システム100の概要図である。情報処理システム100は、情報処理装置1及び複数のユーザ端末装置2を含む。複数のユーザ端末装置2は夫々、情報処理装置1との間でインターネット等のネットワークNを介して通信接続し、情報を送受信することが可能である。
【0011】
情報処理システム100では、ごみ袋41に付けられた識別コード5を用いてごみの排出に関する情報を収集し、収集した情報に基づきユーザへ特典の付与等、ごみ情報に基づくごみ情報サービスに関する情報が提供される。
【0012】
ごみ情報サービスの各ユーザは、ごみの排出時において、ごみ袋41の識別情報を含む識別コード5の印刷されたごみ袋41を使用する。ユーザは、収容するごみの分別種類及び容量等に応じて異なるごみ袋41を用いてごみを排出する。ごみ袋41は、店舗にて販売され、又は自治体等により配布されユーザに使用される。
【0013】
識別コード5は、例えばバーコード又は二次元コード等である。識別コード5は、識別コード5が印刷された紙媒体又はシール用紙等の印刷媒体42をごみ袋41に貼り付けることによりごみ袋41に付加されていてもよい。また、大型ゴミのようにごみ袋41を使用せず排出されるごみにおいては、識別コード5は、識別コード5が印刷された印刷媒体42をごみに貼り付けることにより、ごみに付加されてもよい。識別コード5は、該識別コード5が付されたごみ袋41又は印刷媒体42等を識別するごみIDを含んで生成されている。なお、識別コード5は、ごみIDを含むICタグであってもよい。識別コード5は、ごみの排出時において各ユーザ端末装置2により取得され、情報処理装置1へ送信される。
【0014】
情報処理装置1は、例えばサーバコンピュータである。情報処理装置1は、ユーザ端末装置2からごみの排出に関するごみ情報を収集し、収集したごみ情報に基づくごみ情報サービスに関する情報を提供する。実施形態1において、情報処理装置1は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよいし、1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータ(インスタンス)の内の1つであってもよい。
【0015】
ユーザ端末装置2は夫々、識別コード5の読み取り機能及び通信機能を有する汎用の情報端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末等である。ユーザは、ユーザ端末装置2を用いて自身が排出するごみに対するごみ情報を情報処理装置1へ送信し、送信したごみ情報に基づき情報処理装置1から提供される情報を受信することができる。なお、情報処理システム100のユーザは、例えば個人ユーザであってもよく、企業、病院、飲食店又は作業所等の法人ユーザであってもよい。
【0016】
このような情報処理システム100の構成及び詳細な処理内容について以下に説明する。
【0017】
図2は、情報処理システム100を構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。ユーザ端末装置2は上述したように、スマートフォンを用いる。ユーザ端末装置2は、制御部20、記憶部21、通信部22、表示部23、操作部24、読取部25及び位置情報取得部26を備える。
【0018】
制御部20は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)等を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、プロセッサ、メモリ、記憶部21及び通信部22を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部20は、記憶部21に記憶されている端末プログラム2Pに基づく情報処理を実行する。
【0019】
記憶部21は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21は、端末プログラム2Pを記憶しているほか、制御部20が参照する他のプログラム及びデータを記憶する。例えば、端末プログラム2Pはごみに関する情報の登録、参照のためのアプリプログラムである。端末プログラム2Pは、記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様でもよい。記憶部21は、図示しない読出装置によって記録媒体から読み出された端末プログラム2Pを記憶する。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから端末プログラム2Pをダウンロードし、記憶部21に記憶させてもよい。
【0020】
通信部22は、ネットワークNを介して情報処理装置1との間の情報の送受信を実現する無線通信モジュールである。通信部22は、ネットワークカードを用いて有線によりネットワークNを介した通信を行なってもよい。
【0021】
表示部23は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部24は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス等を用いる。操作部24は、図示しないスピーカ及びマイクロフォン等を用い、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
【0022】
読取部25は、識別コード5を読み取るリーダである。読取部25は、例えばバーコードリーダ、カメラ及び無線タグリーダ等である。読取部25は読み取った識別コード5を制御部20へ通知する。
【0023】
位置情報取得部26は、例えばGPS(Global Positioning System)に基づく信号を受信するアンテナを含んでユーザ端末装置2の位置を測定する。位置情報取得部26は、ネットワークNに含まれる複数のアクセスポイント、基地局との通信により位置を特定してもよい。位置情報取得部26は、測定した位置を示す位置情報(例えば緯度経度)を制御部20へ出力する。
【0024】
情報処理装置1は上述したように、サーバコンピュータを用いる。情報処理装置1は、制御部10、記憶部11及び通信部12を備える。
【0025】
制御部10は、一又は複数のCPU又はGPU等を用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用いて各構成部を制御して処理を実行する。制御部10は、記憶部11に記憶されているプログラム1Pに基づく情報処理を実行する。
【0026】
通信部12は、通信に関する処理を行うための通信モジュールである。制御部10は通信部12により、ネットワークNを介した通信が可能である。
【0027】
記憶部(記憶装置)11は、不揮発性記憶媒体を用いることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、ハードディスク、若しくはSSD(Solid State Drive )が挙げられる。記憶部11は、ごみ情報を管理し、ごみ情報に基づく情報の提供に係る処理を実行するためのプログラム1Pを記憶するほか、制御部10が参照する他のプログラム及びデータを記憶する。プログラム1Pは、記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様でもよい。記憶部11は、図示しない読出装置によって記録媒体から読み出されたプログラム1Pを記憶する。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラム1Pをダウンロードし、記憶部11に記憶させてもよい。
【0028】
記憶部11は更に、ごみ情報DB(Data Base :データベース)111を記憶する。ごみ情報DB111には、識別コード5に対応付けられたごみに関する各種の情報が記録又は管理されている。ごみ情報DB111は、排出情報DB112及び特典情報DB113を含む。ごみ情報DB111は、情報処理装置1に接続された外部の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0029】
図3は、排出情報DB112に記憶される情報の内容例を示す図である。情報処理装置1は、識別コード5に対応付けられたごみの排出に関する情報をユーザ端末装置2から取得し、排出情報DB112に記憶する。排出情報DB112は、ごみ情報を識別するごみIDに対応付けてごみの排出情報を記憶している。ごみIDは、識別コード5に含まれている。排出情報は、ユーザID、読取日時、読取場所等を含んでよい。ユーザIDは、識別コード5が付加されたごみを排出したユーザを識別する情報である。読取日時及び読取場所は、ユーザ端末装置2により識別コード5が読み取られた日時及び場所である。
【0030】
図4は、特典情報DB113に記憶される情報の内容例を示す図である。情報処理装置1は、各ごみ情報に基づき導出した特典情報を特典情報DB113に記憶する。特典情報DB113は、ごみ情報を識別するごみIDに対応付けて特典情報を記憶している。
【0031】
特典情報は、例えば抽選日及び抽選結果を含んでよい。本実施形態では、特典の付与は抽選処理に基づき行われる。抽選日は、抽選が行われた日である。抽選結果は、当選又は落選等の抽選の結果である。抽選結果は、当選に係る当選商品の内容を含んでよい。なお図3及び図4は一例であって、排出情報DB112及び特典情報DB113の記憶内容は限定されるものではない。
【0032】
図5は、情報処理システム100が実行する排出情報の収集処理手順の一例を示すフローチャートである。ユーザ端末装置2にて端末プログラム2Pの実行が選択されると、ユーザ端末装置2の制御部20及び情報処理装置1の制御部10が以下の処理を実行する。
【0033】
ユーザ端末装置2の制御部20は、ユーザIDを取得する(ステップS11)。ユーザIDは、例えば、端末プログラム2Pの選択を受け付け制御部20が表示したログイン画面にて、ログインIDの入力を受け付けることにより取得される。ログインを受け付け、制御部20は、識別コード5の読み取りを促す画面情報を表示部13へ出力させ、識別コード5を取得する(ステップS12)。
【0034】
識別コード5が二次元バーコードである場合、ステップS12において制御部20はカメラである読取部25を用い、二次元バーコードに含まれる識別コード5を取得する。識別コード5には、ごみIDが含まれている。
【0035】
ついで制御部20は、識別コード5の読取日時及び読取場所を取得する(ステップS13)。具体的には、制御部20は、通信部22によりネットワークNから読取日時を取得し、位置情報取得部26により読取場所を示す位置情報を取得する。制御部20は、通信部22により例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格による近距離無線通信を用いて位置情報を取得してもよい。制御部20は、読取日時の取得に代えて、ユーザの入力操作を受け付け、例えばユーザがごみを排出する排出予定日時等を取得してもよい。なお、読取日時及び読取場所の取得は必須ではない。
【0036】
制御部20は、取得した識別コード5と、ユーザID、読取日時及び読取場所等を含む排出情報とを情報処理装置1へ送信する(ステップS14)。
【0037】
情報処理装置1の制御部10は、取得した識別コード5及び排出情報を受信する(ステップS15)。制御部10は、識別コード5からごみIDを抽出する。制御部10は、ごみIDに対応付けて、ユーザID、読取日時及び読取場所等の排出情報を排出情報DB112に記憶し(ステップS16)、一連の処理を終了する。
【0038】
上述のように取得した複数の識別コード5に基づき、情報処理装置1はユーザへ特典の付与を行う。特典は、例えば抽選処理の当選結果に基づき行われる。図6は、情報処理システム100が実行する特典付与の処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部10は、例えば月一回等、所定のタイミングにおいて以下の処理を開始する。
【0039】
情報処理装置1の制御部10は、ごみ情報DB111を参照し、抽選対象となるごみIDを抽出する(ステップS21)。制御部10は、例えばごみ情報DB111に記憶される読取日時に基づき、所定の抽選期間内の読取日時に対応するごみIDを抽出する。制御部10は、抽選対象のごみIDに対して抽選処理を実行し(ステップS22)、当選のゴミID及び当選商品を決定する。
【0040】
当選したゴミIDに対応するユーザには、例えば食品、ごみ袋、日用品等の商品が付与される。商品は、ポイント、仮想通過等であってもよい。この場合においては、ブロックチェーン技術を用いてポイント又は仮想通過等が発行されるとよい。特典は、自治体に納付する税金の減免等により付与されてもよい。
【0041】
制御部10は、各ユーザIDに対応付けられたごみIDの抽選結果を取得し、取得した抽選結果を含む抽選結果画面情報を生成する。制御部10は、生成した抽選結果を含む抽選結果画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(ステップS23)。
【0042】
ユーザ端末装置2の制御部20は、抽選結果を含む抽選結果画面情報を受信する(ステップS24)。制御部20は、受信した抽選結果画面情報に基づき、表示部23に抽選結果画面を表示し(ステップS25)、一連の処理を終了する。
【0043】
図7は、抽選結果画面231の一例を示す図である。抽選結果画面231には、ユーザID毎に抽出された、抽選対象期間のごみIDに対応する読取日時及び抽選結果が表示される。例えば、情報処理装置1は、ユーザが選択した表示対象の読取期間を受け付け、排出情報DB112を参照して、受け付けた読取期間及びユーザIDを含むゴミIDを抽出する。制御部10は、特典情報DB113を参照して、抽出したゴミIDに対応する抽選結果を取得し、取得した情報をユーザ端末装置2へ送信する。ユーザ端末装置2は、受信した抽選結果の履歴を、読取日時の順に一覧で表示部23に表示する。ユーザは、ユーザ端末装置2により、抽選結果を正確に認識することができる。
【0044】
上記のステップS22において、情報処理装置1の制御部10は、ごみID毎の特典の付与率、すなわち抽選の当選率を変化させてもよい。例えば、排出されたごみが資源ごみ、大型ごみ等のリサイクル可能なごみである場合には、情報処理装置1は該ごみに付された識別コード5に含まれるごみIDの当選率が高くなるよう抽選条件を設定するとよい。なお、リサイクル可能なごみか否かの情報は、例えば識別コード5に対応付けて情報処理装置1が取得するとよい。
【0045】
上記では、特典の付与は抽選処理による当選結果に応じて実行される例を説明したが、特典の付与方法はこれに限定されない。例えば、取得された全ての識別コード5に対して何らかの特典(例えばポイント、仮想通過等)が付与されてもよい。また、特典の付与は、所定期間毎に実行されるものに限定されず、識別コード5の取得毎に実行されるものであってよい。
【0046】
本実施形態によれば、識別コード5を用いたごみ情報に対して特典が付与されることにより、ごみ情報の利用に対するユーザのモチベーションを向上させることができる。
【0047】
(実施形態2)
実施形態2では、業者端末装置を用いて、ごみの回収に関する回収情報が取得される。図8は、実施形態2における情報処理システム200の概要図である。以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については実施形態1と同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。情報処理システム200は、情報処理装置1及び複数のユーザ端末装置2に加え、複数の業者端末装置3を含む。複数の業者端末装置3は夫々、情報処理装置1との間でインターネット等のネットワークNを介して通信接続し、情報を送受信することが可能である。
【0048】
業者端末装置3は夫々、例えばごみの回収業者又は処分業者等により管理される。業者端末装置3は、ごみ袋41に付加された識別コード5の読み取り機能及び通信機能を有する汎用の情報端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末等である。回収業者は、識別コード5と、ごみの回収日時、回収場所及び回収したごみの分別の正否等の回収情報を業者端末装置3を用いて取得し、取得した回収情報を情報処理装置1へ送信する。
【0049】
図9は、情報処理システム200を構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。業者端末装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、操作部34、読取部35及び位置情報取得部36を備える。記憶部31は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、制御部30が参照するプログラム及びデータを記憶する。読取部35は、識別コード5を読み取る読み取り装置として機能する。業者端末装置3のハードウェア構成はユーザ端末装置2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0050】
実施形態2では、情報処理装置1の記憶部11に記憶されるごみ情報DB111には、業者端末装置3から取得した回収情報を記憶する回収情報DB114がさらに含まれる。
【0051】
図10は、回収情報DB114に記憶される情報の内容例を示す図である。回収情報DB114は、識別コード5に対応付けて回収情報を記憶している。また実施形態2では、ごみ袋41又は印刷媒体42等に印刷された識別コード5は、ごみIDに加えて、ごみ袋41又は印刷媒体42等に指定されるごみの分別種類及び容量の情報を含んでいる。分別種類とは、識別コード5が付加されたごみ袋41に収容すべきごみの種類であり、例えば可燃ごみ、不燃ごみ、びん・缶・PET、大型ごみ等を含んでよい。容量とは、例えばごみ袋41の収容可能容量を含んでよい。
【0052】
回収情報は、回収日時、回収場所及び判定結果等を含んでよい。回収日時及び回収場所は、業者端末装置3により識別コード5が読み取られた日時及び場所である。判定結果は、ごみ袋41に収容されているごみが、該ごみ袋41に付された識別コード5の分別種類に従い分別されたか否かを判定した結果である。例えば、可燃ごみ用のごみ袋41に、可燃ごみのみが収容されていた場合には、判定結果はOKが記憶される。一方、可燃ごみ用のごみ袋41に、びん等の可燃ごみ以外のごみが含まれていた場合には、判定結果はNGが記憶される。
【0053】
図11は、情報処理システム200が実行する回収情報の収集処理手順の一例を示すフローチャートである。例えば業者端末装置3にてプログラムの実行が選択されると、情報処理システム200の各装置は以下の処理を実行する。
【0054】
回収業者は、ごみの回収時に、回収対象の各ごみ袋41に付された識別コード5を読み取る。業者端末装置3の制御部30は、読取部35により識別コード5を取得し(ステップS31)、識別コード5に含まれるごみID、分別種類及び容量を取得する。さらに制御部30は、通信部32及び位置情報取得部36等により、識別コード5の回収日時及び回収場所を取得する(ステップS32)。
【0055】
制御部30は、識別コード5を取得し、例えば該識別コード5のごみID及び分別種類、並びに分別の判定結果の入力を受け付ける情報を含む入力画面情報を表示部33に表示する。回収業者は、識別コード5を読み取ったごみ袋41に収容されたごみが、ごみ袋41の指定する分別種類に従い分別されているか否かを判定し、入力画面を用いて判定結果を入力する。例えば、分別種類として可燃ごみが含まれる識別コード5の付された可燃ごみ用のごみ袋41に不燃ごみが収容されている場合には、判定結果はNGが入力される。分別種類に応じた分別が正しく行われている場合には判定結果はOKが入力される。制御部30は、操作部34により判定結果を取得する(ステップS33)。制御部30は、取得した識別コード5と、回収日時、回収場所及び判定結果等を含む回収情報とを情報処理装置1へ送信する(ステップS34)。
【0056】
情報処理装置1の制御部10は、識別コード5及び回収情報を受信する(ステップS35)。制御部10は、ごみID、分別種類及び容量を含む識別コード5に、回収日時、回収場所及び判定結果を含む回収情報を対応付けて回収情報DB114に記憶し(ステップS36)、一連の処理を終了する。
【0057】
上記のステップS31において、識別コード5の取得は、業者端末装置3の読取部35によるものに限定されない。例えば、識別コード5は、ごみ収集車に取り付けられた業者端末装置3と通信可能な読取機等により取得され、業者端末装置3へ送信されてもよい。識別コード5は、ごみ集積場等に設けられた業者端末装置3と通信可能な読取機等により取得され、業者端末装置3へ送信されてもよい。この場合においては、例えばユーザのごみ排出時に、識別コード5を読取機等に読み取らせることより識別コード5が取得されてよい。また、識別コード5は、情報処理装置1と通信可能な読取機等により取得され、業者端末装置3を介さず情報処理装置1へ直接送信されてもよい。なお、識別コード5の取得は、ごみの回収時に限定されず、例えばごみの処分時に行われてもよい。
【0058】
上述のように収集した回収情報に基づき、情報処理装置1はユーザへ特典の付与を行う。図12は、情報処理システム200が実行する特典付与の処理手順の一例を示すフローチャートである。実施形態1の図6と共通する処理については同一のステップ番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0059】
情報処理装置1の制御部10は、ごみ情報DB111を参照し、抽選対象となるごみIDを抽出する(ステップS21)。制御部10は、例えば排出情報DB112に記憶されるごみ情報の読取日時に基づき、所定の抽選期間内の読取日時を含むごみIDを抽出する。
【0060】
制御部10は、ユーザ端末装置2で取得された識別コード5に含まれるごみIDと業者端末装置3で取得された識別コード5に含まれるごみIDとが一致するか否かを判定する(ステップS41)。具体的には、制御部10はごみ情報DB111を参照し、排出情報DB112から抽出した抽選対象の各ゴミIDと回収情報DB114に記録されたごみIDとが一致する否かを判定する。抽選対象のごみIDが回収情報DB114に記録されておらずごみIDが一致すると判定されない場合(ステップS41:NO)、制御部10は該ごみIDを抽選対象から除外する(ステップS44)。
【0061】
一方、抽選対象のゴミIDが回収情報DB114に記録されておりごみIDが一致すると判定された場合(ステップS41:YES)、制御部10は、該ゴミIDに対応する回収情報が取得済みが否かを判定する(ステップS42)。抽選対象となるゴミIDと一致した回収情報DB114のゴミIDに対応する回収情報(例えば回収日時又は回収場所等)が記録済みでないことにより、回収情報が取得済みであると判定されない場合(ステップS42:NO)、制御部10は該ごみIDを抽選対象から除外する(ステップS44)。
【0062】
一方、抽選対象となるゴミIDに対応する回収情報が記録済みであることにより、回収情報が取得済みであると判定された場合(ステップS42:YES)、ついで制御部10は、ごみの分別排出が正しく行われたか否かを判定する(ステップS43)。
【0063】
判定対象となるゴミIDに対応する判定結果に正しく分別排出されなかったことを示す情報(例えばNG)が記録されていることにより、分別排出が正しく行われたと判定されない場合(ステップS43:NO)、制御部10は該ごみIDを抽選対象から除外する(ステップS44)。一方、判定対象となるゴミIDに対応する判定結果に正しく分別排出されたことを示す情報(例えばYES)が記録されていることにより、分別排出が正しく行われたと判定された場合(ステップS43:YES)、制御部10は、処理をステップS22へ進める。なおステップS42及びステップS43の処理は必須ではない。
【0064】
制御部10は、抽選対象外と判定されたゴミIDを除いた抽選対象のゴミIDに対して抽選処理を実行し(ステップS22)、当選のゴミID及び当選商品を決定する。制御部10は、ついでステップS23からステップS25の処理を実行し一連の処理を終了する。
【0065】
なお、抽選対象外と判定された識別コード5に対する特典の付与の除外方法は限定されるものではない。例えば、制御部10は、抽選対象となる全ての識別コード5に対して抽選処理を実行し、当選が決定した後に特典の付与対象であるか否かを判定してもよい。制御部10は、当選と決定した識別コード5が回収情報の未取得又はごみが正しく分別排出されなかったことを示す情報が取得されたこと等により、特典の付与対象外であると判定された場合には、識別コード5への特典の付与を取り消す処理を実行する。上記によれば、回収情報及び判定結果に応じて特典の付与が実行されるため、ごみの回収実態に即した特典の付与を行うことができる。
【0066】
また、情報処理システム200では、回収情報DB114に記憶したごみ情報に基づく各種の情報がユーザへ提供される。図13は、情報処理システム200が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0067】
ユーザ端末装置2の制御部20は、例えば端末プログラム2Pにより表示部23に表示されたアプリ画面を通して、ごみの排出情報に関する画面情報の要求を情報処理装置1へ送信する(ステップS51)。
【0068】
情報処理装置1の制御部10は、画面情報の要求を受信する(ステップS52)。制御部10は、回収情報DB114に記憶した回収情報を参照し、ごみの排出情報に関する情報を含む画面情報を生成する(ステップS53)。画面情報には、例えばユーザのごみの排出履歴、回収履歴、回収履歴に応じたアドバイス等が含まれる。制御部10は、生成した画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(ステップS54)。
【0069】
ユーザ端末装置2の制御部20は、画面情報を受信する(ステップS55)。制御部20は、受信した画面情報に基づき、表示部23に画面を表示し(ステップS56)、一連の処理を終了する。
【0070】
図14は、ユーザ端末装置2の表示部23に表示される画面例を示す図である。図14は、回収情報に基づく回収履歴画面232の一例を示す図である。回収履歴画面232には、対象となる表示期間中に回収されたごみの履歴情報、すなわち、対象となる表示期間が回収日時に含まれるごみIDに係る情報が表示される。ユーザ端末装置2の制御部20は、操作部24を通じて表示期間の選択操作を受け付け、受け付けた表示期間を情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1の制御部10は、ごみIDに対応付けられた回収日時に選択された表示期間を含むごみIDを抽出する。制御部10は、抽出したごみIDのごみ情報を含む回収履歴情報を表示する画面情報を生成し、生成した画面情報をユーザ端末装置2へ送信する。回収履歴情報は、例えば各ごみIDに対応付けられて記録された読取日時、回収日時、分別種類、判定結果、抽選結果等を一覧で表示する表により示される。また、履歴情報は、表示期間中に取得されたごみIDを分別種類毎に分類して抽出し、例えばグラフ等を用いて表示してもよい。図14の例では、回収履歴画面232には、表示期間中のごみの総排出量が分別種類毎にグラフ化されて示される。
【0071】
さらに回収履歴画面232には、履歴内容に応じたアドバイスが表示されてよい。制御部10は、回収履歴の変化に応じて、アドバイスを記憶したテーブル(図示せず)を参照し、抽出した回収履歴情報に応じたアドバイスをユーザ端末装置2の表示部23を介して出力する。アドバイスは、イラスト又は音声等を用いて表示されてもよい。例えば、ごみの総排出量が前期間より減少した場合には、ユーザに対してごみの減量を評価するアドバイスが表示される。ごみの分別情報にNGが多く記録された場合には、分別方法の確認を促すアドバイスが表示される。
【0072】
このように、ユーザは、回収履歴画面232により自身のごみの履歴を正確に認識することができる。また、回収情報は、ごみのトレーサビリティ確保のための情報としての機能を有する。例えば、排出したごみが産業廃棄物等である場合には、ごみの排出企業は、回収履歴画面232を通して排出したごみの回収又は処分内容を認識することができる。回収情報を用いて、ユーザは、排出したごみに対するトレーサビリティを確保することができる。
【0073】
ユーザ端末装置2に表示される画面には、回収履歴情報以外にも種々のごみの排出に関するアドバイスが含まれる。情報処理装置1は、ごみ情報DB111に収集された大量のごみ情報に基づき、ごみの排出に関するアドバイスをユーザ端末装置2へ出力する。例えば、情報処理装置1は、ごみ情報DB111に記録した複数のユーザのごみ情報に基づき、ユーザの世帯構成に応じた引っ越し時の排出ごみの総排出量、ごみ袋の枚数、有料回収ごみの料金等の情報を推定した不図示のテーブルを記憶している。情報処理装置1は、テーブルを参照し、ユーザ端末装置2から受け付けた要求に応じたアドバイス情報を導出し、ユーザ端末装置2の表示部23を介して出力する。ユーザは、ユーザ端末装置2で受信したアドバイス情報に基づきごみの排出を計画することができる。
【0074】
更に、情報処理システム200は、回収情報又は排出情報に基づく見守り機能を有する情報を提供するものであってもよい。例えば、回収情報又は排出情報は、回収情報又は排出情報に対応するユーザに関連付けられたユーザの家族、自治体等に送信され、ユーザの見守り情報として活用されてもよい。また、所定期間において新たなごみの回収情報又は排出情報等が取得されない場合には、情報処理装置1からユーザの家族、自治体等へ警告情報が送信されてもよい。
【0075】
本実施形態によれば、業者端末装置3を用いて回収情報が取得される。ごみ情報を用いてユーザにより多くの情報を提供することが可能となり、ユーザのごみ情報の利用を促進させることができる。
【0076】
(実施形態3)
実施形態3では、情報処理システム300は、識別コード5を用いて資源ごみ等に対する処分方法の選択を受け付ける。以下では、実施形態3について、実施形態1及び実施形態2と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については実施形態1及び実施形態2と同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0077】
図15は、実施形態3の情報処理システム300で実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、例えば、情報処理装置1によりユーザ端末装置2から処分方法の表示対象となる分別種類を有する識別コード5が受信され開始される。
【0078】
情報処理装置1の制御部10は、取得した識別コード5に含まれる分別方法に応じた処分方法を取得する(ステップS61)。制御部10は、分別種類に関連付けて候補となる複数の処分方法を記録した不図示のテーブルを記憶している。処分方法は、排出したごみに対して指定する該ごみの処分方法である。例えば、ごみの種類が資源ごみである場合、処分方法はリサイクル、完全破壊、寄付等を含んでよい。制御部10は、取得した処分方法を含む処分方法の受付画面情報を生成し、生成した処分方法の受付画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(ステップS62)。
【0079】
ユーザ端末装置2の制御部20は、処分方法の受付画面情報を受信し(ステップS63)、処分方法の受付画面を表示部23に表示する(ステップS64)。図16は、受付画面233の一例を示す図である。受付画面233には、取得した識別コード5の分別種類に応じた複数の処分方法の候補を示すテキストデータ235と、各処分方法に対応付けた選択入力を受け付ける複数のチェックボックス234とが含まれ、選択した処分方法の登録ボタン236が更に含まれる。図16の例では、処分方法の候補として、「リサイクル」「完全破壊」「寄付」が表示される。「寄付」に対応付けたチェックボックス234の選択入力を受け付けた場合、制御部20は、更に寄付先の候補を表示し寄付先の選択入力を受け付ける。ユーザは、希望の処分方法、処分内容等を選択し登録ボタン236を押下する。
【0080】
受付画面233の登録ボタン236が選択された場合、制御部20は処分方法の選択を受け付け(ステップS65)、受け付けた処分方法を識別コード5に対応付けて情報処理装置1へ送信する(ステップS66)。
【0081】
情報処理装置1の制御部10は、処分方法を受信する(ステップS67)。制御部10は、処分業者の管理する外部サーバ等へ取得した処分方法を出力し(ステップS68)、一連の処理を終了する。処分業者は、取得した処分方法に従い識別コード5の付されたごみの処分を行う。なお、上記の処分方法の受付処理は、例えばユーザがごみの排出時に識別コード5を取得した場合に行われてもよい。また、ステップS61において、情報処理装置1は、識別コード5の付加されたごみを回収した回収業者から、ごみの状態に応じた選択可能な処分方法の候補を取得してもよい。
【0082】
本実施形態によれば、ユーザは、識別コード5を利用して簡易な方法でごみの処分方法を指定することができるため、ごみ情報の活用度を高め、ごみ情報の利用に対するユーザの動機付けを向上させることができる。
【0083】
本実施形態において、情報処理システム100が医療関係機関等で利用される場合には、ごみの分別種類は、例えば一般廃棄物及び産業廃棄物等を含んでよい。産業廃棄物は、さらに感染症のリスクに応じて複数段階に分類されてもよい。情報処理装置1は、取得した識別コード5に基づきポイントを付与する。ポイントは、例えばごみを排出した医療関係機関等のクリーン度合いを判定する指標の一つとして利用されてもよい。この場合おいて、ユーザIDに加えてグループIDを用いて、医療関係機関等の全体におけるごみ情報が取得されてもよい。例えば、情報処理装置1は、医療関係者個人に対して付与されるユーザIDと、該医療関係者の所属する医療関係機関に対して付与されるグループIDとを関連付けて記憶している。医療関係機関のごみ排出時において、情報処理装置1は、識別コード5に対応付けてユーザID及びグループIDを取得する。情報処理装置1は、各ユーザIDに対して付与した個人ポイントに加えて、各ユーザIDに関連付けたグループIDに対して各個人ポイントを合計したグループポイントを記録する。情報処理装置1は、記録したグループポイントに基づき、医療関係機関全体に対して、特典の付与を行ってもよい。特典は、例えばごみを排出した医療関係機関等のクリーン度合いを判定する指標、ポイント等として出力されてもよい。
【0084】
また、識別コード5は、回収業者の業務管理の情報としても利用が可能である。例えば、情報処理装置1は、上述の感染症のリスク等を示すごみの分別種類を含む識別コード5の回収情報を取得する。情報処理装置1は、該識別コード5が付加されたごみの回収業者を、回収情報に関連付けて記憶する。情報処理装置1は、識別コード5に含まれる感染症のリスク等に応じて、ごみの回収作業に対する難易度、難易度に応じた報酬の増加額等を決定してもよい。
【0085】
上記の各実施形態では、ごみの排出に関連して情報処理システムが利用される例を説明したが、本情報処理システムの利用はごみの排出に関連した場合に限定されるものではない。例えば、情報処理システム100は、工場、作業所等における作業時においても利用が可能である。工場、作業所等で行われる梱包、ピッキング作業に用いる作業用袋等に識別コード5を付加し、作業に応じて収集される識別コード5に基づき作業担当者へ特典が付与されてもよい。この場合において、効率の高い作業、正確な作業等が行われた場合には、作業担当者への特典の付与率が向上されてもよい。
【0086】
情報処理システム100は、買物時に使用される買物袋等においても利用が可能である。例えば、識別コード5は、買物時に使用される買物袋等に収容する商品の種類等に応じた情報を含んで生成され、買物袋等に付加される。情報処理装置1は、買物袋等に付加された識別コード5を取得し、取得した識別コード5に基づき利用者へ特典を付与してもよい。また、買物時に、販売された商品から排出されるごみの分別種類に応じた識別コード5を付加したごみ袋41を配布することでユーザへの動機付けを向上させ、ごみ情報の利用意欲を高めてもよい。
【0087】
なお、上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末装置
3 業者端末装置
5 識別コード
10,20,30 制御部
11,21,31 記憶部
23,33 表示部
25,35 読取部
1P プログラム
2P 端末プログラム
111 ごみ情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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