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特許7453774通信装置、情報処理装置、制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】通信装置、情報処理装置、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/24 20090101AFI20240313BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240313BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240313BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W72/0453
H04W84/12
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2019208239
(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公開番号】P2021082926
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猪膝 裕彦
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1917706(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0071233(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0048823(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する第1の無線フレームを通信の相手装置から受信する受信手段を有し、
前記相手装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す第1の能力情報が前記第1の無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
IEEE802.11規格シリーズに準拠する第2の無線フレームを前記相手装置へ送信する送信手段をさらに有し、
前記通信装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す第2の能力情報が前記第2の無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の無線フレームに含まれる前記第1の能力情報に基づいて、前記第2の無線フレームに含める前記第2の能力情報を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1の能力情報は、前記相手装置が、周波数リソースの割り当てが対応する識別子と共に事前に通知され、データフレームの送信の際に対応する識別子によって周波数リソースの割り当てが指定される方式をサポートしているか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第2の能力情報は、前記通信装置が、周波数リソースの割り当てが対応する識別子と共に事前に通知され、データフレームの送信の際に対応する識別子によって周波数リソースの割り当てが指定される方式をサポートしているか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1の能力情報と前記第2の能力情報とに基づいて、前記相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用する周波数リソースの割り当て方式を決定する決定手段をさらに有することを特徴とする請求項2又は3に記載の通信装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記通信装置と前記相手装置とが共に使用することができる周波数リソースの割り当て方式を、前記相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用する周波数リソースの割り当て方式として決定することを特徴とする請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記決定手段は、並行して通信を行う前記相手装置の数にさらに基づいて、当該相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用する周波数リソースの割り当て方式を決定することを特徴とする請求項又はに記載の通信装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記相手装置との間で送受信されるデータを使用するアプリケーションの通信特性に基づいて、当該相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用する周波数リソースの割り当て方式を決定することを特徴とする請求項又はに記載の通信装置。
【請求項10】
robe Requestフレーム、Association Requestフレーム、Reassociation Requestフレームのいずれかにおける前記MACフレームにおいて、当該フレームを送信した前記相手装置の前記第1の能力情報が示される、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
ssociation Responseフレームにおける前記MACフレームにおいて、当該フレームを送信した前記通信装置の前記第2の能力情報が示される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の通信装置。
【請求項12】
通信装置であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを送信する送信手段を有し、
前記無線フレームを送信した前記通信装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す能力情報が前記無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする通信装置。
【請求項13】
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを生成する生成手段を有し、
前記無線フレームを送信する装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す能力情報が前記無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
通信装置によって実行される制御方法であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを通信の相手装置から受信する受信工程を含み、
前記相手装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す能力情報が前記無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする制御方法。
【請求項15】
通信装置によって実行される制御方法であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを通信の相手装置へ送信する送信工程を含み、
前記通信装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す能力情報が前記無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする制御方法。
【請求項16】
通信装置であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する第1の無線フレームを通信の相手装置から受信するための受信手段を有し、
前記受信手段によって受信される前記第1の無線フレームは、前記相手装置の第1のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、前記相手装置の前記第1のリソースユニット割り当て方式とは異なる第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、を少なくとも含んだ第1の能力情報を含むことを特徴とする通信装置。
【請求項17】
IEEE802.11規格シリーズに準拠する第2の無線フレームを前記相手装置へ送信するための送信手段を有し、
前記送信手段によって送信される前記第2の無線フレームは、前記通信装置の前記第1のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、前記通信装置の前記第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、を少なくとも含んだ第2の能力情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項18】
前記第1の無線フレームに含まれる前記第1の能力情報に基づいて、前記第2の無線フレームに含める前記第2の能力情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項19】
前記第1の能力情報に含まれる前記第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報は、前記相手装置が、リソースユニットの割り当てが対応する識別子と共に事前に通知され、データフレームの送信の際に対応する識別子によってリソースユニットの割り当てが指定される方式をサポートしているか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項20】
前記第2の能力情報に含まれる前記第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報は、前記通信装置が、リソースユニットの割り当てが対応する識別子と共に事前に通知され、データフレームの送信の際に対応する識別子によってリソースユニットの割り当てが指定される方式をサポートしているか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項1又は18に記載の通信装置。
【請求項21】
前記第1の能力情報と前記第2の能力情報とに基づいて、前記相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用するリソースユニットの割り当て方式を決定する決定手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は18に記載の通信装置。
【請求項22】
前記決定手段は、前記通信装置と前記相手装置とが共に使用することができるリソースユニットの割り当て方式を、前記相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用するリソースユニットの割り当て方式として決定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項23】
前記決定手段は、並行して通信を行う前記相手装置の数にさらに基づいて、当該相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用するリソースユニットの割り当て方式を決定することを特徴とする請求項2又は2に記載の通信装置。
【請求項24】
前記決定手段は、前記相手装置との間で送受信されるデータを使用するアプリケーションの通信特性に基づいて、当該相手装置との間でのデータフレームの送受信で使用するリソースユニットの割り当て方式を決定することを特徴とする請求項2又は2に記載の通信装置。
【請求項25】
通信装置であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを送信するための送信手段を有し、
前記送信手段によって送信される無線フレームは、前記通信装置の第1のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、前記通信装置の前記第1のリソースユニット割り当て方式とは異なる第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報を少なくとも含むことを特徴とする通信装置。
【請求項26】
通信装置によって実行される制御方法であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する第1の無線フレームを通信の相手装置から受信するための受信工程を有し、
前記受信工程によって受信される前記第1の無線フレームは、前記相手装置の第1のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、前記相手装置の前記第1のリソースユニット割り当て方式とは異なる第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、を少なくとも含んだ第1の能力情報を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項27】
通信装置によって実行される制御方法であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを送信するための送信工程を有し、
前記送信工程によって送信される無線フレームは、前記通信装置の第1のリソースユニット割り当て方式の能力情報と、前記通信装置の前記第1のリソースユニット割り当て方式とは異なる第2のリソースユニット割り当て方式の能力情報を少なくとも含むことを特徴とする制御方法。
【請求項28】
情報処理装置によって実行される制御方法であって、
IEEE802.11規格シリーズに準拠する無線フレームを生成する生成工程を含み、
前記無線フレームを送信する装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す能力情報が前記無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示されることを特徴とする制御方法。
【請求項29】
コンピュータに、請求項26に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項30】
コンピュータに、請求項27に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項31】
コンピュータに、請求項28に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信における周波数リソース割当のための情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信されるデータ量の増加に伴い、無線LAN(Local Area Network)等の通信技術の開発が進められている。無線LANの主要な通信規格として、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格シリーズが知られている。IEEE802.11規格シリーズには、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax等の規格が含まれる。例えば、最新規格のIEEE802.11axでは、OFDMA(直交周波数多元接続)を用いて、最大9.6ギガビット毎秒(Gbps)という高いピークスループットに加え、混雑状況下での通信速度を向上させる技術が規格化されている(特許文献1参照)。IEEE802.11ax規格では、OFDMA通信時に、AP(アクセスポイント)が、各STA(ステーション)に割り当てる周波数リソースを示すAllocation情報を、各STAに送信する。Allocation情報は、例えば、上りリンクではTrigger frameと呼ばれるフレームに含まれ、下りリンクではデータフレームのPHY(物理レイヤ)ヘッダに含まれうる。
【0003】
一方、さらなるスループット向上のために、IEEE802.11axの後継規格として、IEEE802.11beと呼ばれる規格策定のためのTask Groupが発足している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018/050133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IEEE802.11be規格では、帯域幅を320MHzまで拡張し、MIMO(Multi-Input Multi-Output)のストリーム数を16まで拡張することが検討されている。このような拡張によれば、一度に通信を行うSTAの数が増加することが想定され、そのような状況に対応するための効率的な周波数リソースの割り当て手法が採用される必要がある。しかしながら、このような手法が採用される場合であっても、その手法をサポートしていないAPやSTAが存在する可能性があり、その場合に新手法を使用することにより効率が劣化してしまうことが想定される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、周波数リソースの割り当てのための複数の手法を効率的に使用可能とする技術を提供する。
【0007】
本発明の一態様による通信装置は、IEEE802.11規格シリーズに準拠する第1の無線フレームを通信の相手装置から受信する受信手段を有し、前記相手装置がサポートしている周波数リソースの割り当て方式を示す第1の能力情報が前記第1の無線フレームのMAC(媒体アクセス制御)フレームにおいて示される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、周波数リソースの割り当てのための複数の手法を効率的に使用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】通信装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】通信装置の機能構成例を示す図である。
図4】STA接続時のAPの処理の流れの例を示す図である。
図5】下りリンク通信時のAPの処理の流れの例を示す図である。
図6】上りリンク通信時のAPの処理の流れの例を示す図である。
図7】SA方式使用時の下りリンク通信の通信の流れの例を示す図である。
図8】SA方式使用時の上りリンク通信の通信の流れの例を示す図である。
図9】Allocation方式に関する能力情報の例を示す図である。
図10】能力情報に格納される情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
(ネットワーク構成)
図1に、本実施形態の無線通信ネットワークの構成例を示す。本無線通信ネットワークは、1台のアクセスポイント(AP)と3台のステーション(STA)とを含んで構成される。ここで、AP102とSTA103~STA105は、IEEE802.11be規格に準拠しており、IEEE802.11be規格以前に策定された規格に準拠した無線通信を実行可能に構成される。以下では、特定の装置を指さない場合等において、参照番号を付さずに、アクセスポイントを「AP」と呼び、ステーション(端末)を「STA」と呼ぶ場合がある。なお、図1では、一例として1台のAPと3台のSTAとを含んだ無線通信ネットワークを示しているが、これらの通信装置の台数は、図示されるより多くても少なくてもよい。一例において、STA同士の通信が行われる場合、APが存在しなくてもよい。図1では、AP102が形成するネットワークの通信可能範囲が円101によって示されている。なお、この通信可能範囲は、より広い範囲をカバーしてもよいし、より狭い範囲のみをカバーしてもよい。
【0012】
従来のIEEE802.11ax規格では、データフレーム送信の度にAllocation情報を通知する方式である、Dynamic Allocation(以下では「DA」と呼ぶ場合がある。)方式が採用されている。これに対し、IEEE802.11be規格では、収容可能なユーザ数が増えることが想定されるため、DA方式のようにデータフレーム送信のたびにAllocation情報を通知する場合、オーバーヘッドが増大しうる。すなわち、多数のSTAに対してそれぞれ使用する周波数リソースを指定するため、その周波数リソースの割り当てを示す情報の長さが長くなってしまう。この結果、データフレームの送受信に使用可能な時間リソースが減り、スループットが低下してしまいうる。そこで、IEEE802.11be規格では、複数のSTAに対して、OFDMAの周波数リソースを割り当てる手法として、Static Allocation(以下では「SA」と呼ぶ場合がある。)方式を適用することが検討されている。SA方式では、OFDMAのAllocation情報と対応する識別子とを、データフレームの送信前に予めSTAへ通知し、データフレームの送信時にその識別子だけを指定する。この方式では、周波数リソースの割り当てを動的に変えることができなくなるが、Allocation情報のオーバーヘッドを削減することができる。SA方式とDA方式は、ネットワーク内のSTAの数などの状況に応じて使い分けることが想定される。
【0013】
一方で、SA方式をサポートしていないSTAも存在することが想定される。この場合に、SA方式での周波数リソースの割り当てを行うと、SA方式をサポートしていないSTAは、データフレームの送信時に指定される識別子を解釈することができず、通信を行うことができない。このため、APは、各STAがSA方式をサポートしているか否かを認識することが重要となる。このため、本実施形態では、各STAがSA方式をサポートしているか否かを示す情報を、STAが送信する無線信号内のMAC(媒体アクセス制御)フレームの情報要素(IE)として含めるようにする。これにより、APは、各STAがSA方式に対応しているか否かを明確に認識し、周波数リソースの割り当て方式を適切に選択して実行することができるようになる。なお、本実施形態では、SA方式のサポートの有無をMACフレームにおいて通知するようにする場合について説明するが、他の無線リソース(時間・周波数・空間等のリソース)の割り当て方法についてのサポートの有無を示す情報が通知されてもよい。また、本実施形態では、MACフレームに情報を含める場合について説明するが、PHY(物理レイヤ)ヘッダ等によって情報が通知されてもよい。また、APが、各STAがSA方式に対応しているか否かを特定して、周波数リソースの割り当てを行うと説明したが、STAも、同様の周波数リソースの割り当て機能を有してもよい。例えば、STAは、STA間通信において他のSTAがSA方式に対応しているかを判定し、その判定結果に基づいて、SA方式とDA方式とのいずれを使用するかを決定してもよい。
【0014】
(装置の構成)
図2は、通信装置(AP及びSTA)のハードウェア構成例を示す。通信装置は、そのハードウェア構成の一例として、記憶部201、制御部202、機能部203、入力部204、出力部205、通信部206、及びアンテナ207を有する。
【0015】
記憶部201は、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)の両方、または、いずれか一方により構成され、後述する各種動作を行うためのプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。なお、記憶部201として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0016】
制御部202は、例えば、CPUやMPU等の1つ以上のプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等により構成される。ここで、CPUはCentral Processing Unitの、MPUは、Micro Processing Unitの頭字語である。制御部202は、記憶部201に記憶されたプログラムを実行することにより装置全体を制御する。なお、制御部202は、記憶部201に記憶されたプログラムとOS(Operating System)との協働により装置全体を制御するようにしてもよい。
【0017】
また、制御部202は、機能部203を制御して、撮像や印刷、投影等の所定の処理を実行する。機能部203は、装置が所定の処理を実行するためのハードウェアである。例えば、通信装置がカメラである場合、機能部203は撮像部であり、撮像処理を行う。また、例えば、通信装置がプリンタである場合、機能部203は印刷部であり、印刷処理を行う。また、例えば、通信装置がプロジェクタである場合、機能部203は投影部であり、投影処理を行う。機能部203が処理するデータは、記憶部201に記憶されているデータであってもよいし、後述する通信部206を介して他のAPやSTAと通信したデータであってもよい。
【0018】
入力部204は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部205は、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部205による出力とは、例えば、画面上への表示や、スピーカによる音声出力、振動出力等の少なくとも1つを含む。なお、タッチパネルのように入力部204と出力部205の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。
【0019】
通信部206は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信の制御や、IP通信の制御を行う。通信部206は、いわゆる無線チップであり、それ自体が1つ以上のプロセッサやメモリを含んでいてもよい。本実施形態では、通信部206は、少なくともIEEE802.11be規格に準拠した処理を実行することができる。また、通信部206はアンテナ207を制御して、無線通信のための無線信号の送受信を行う。通信装置は、通信部206を介して、画像データや文書データ、映像データ等のコンテンツを他の通信装置と通信する。アンテナ207は、例えば、サブGHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯、及び6GHz帯の少なくともいずれかを送受信可能なアンテナである。なお、アンテナ207によって対応可能な周波数帯(及びその組み合わせ)については特に限定されない。アンテナ207は、1本のアンテナであってもよいし、MIMO(Multi-Input and Multi-Output)送受信を行うための2本以上のアンテナのセットであってもよい。例えば、アンテナ207は、IEEE802.11be規格の16空間ストリームでのMIMO通信に対応するために、16本のアンテナ素子を含んで構成されうる。
【0020】
図3に、通信装置(AP及びSTA)の機能構成例を示す。通信装置は、その機能構成例として、能力情報生成部301、方式決定部302、接続処理部303、MACフレーム生成部304、及びデータ送受信部305を含んで構成される。能力情報生成部301は、通信装置がサポートしているAllocation方式の情報を含んだ能力情報を生成する。この能力情報には、通信装置のDA方式やSA方式の使用可否を示す情報が含まれる。方式決定部302は、通信相手装置がサポートしているAllocation方式の情報に基づいて、相手先とのOFDMAの通信に用いるAllocation方式を決定する。接続処理部303は、APによって管理されているネットワークへSTAが接続するための処理を行う。STAの接続処理部303は、Association RequestフレームをAPへ送信し、APの接続処理部303は、その応答としてAssociation ResponseフレームをSTAへ送信する。MACフレーム生成部304は、必要に応じて能力情報生成部301によって生成されたAllocation方式の能力情報を含んだMACフレームを生成する。MACフレームに含まれるAllocation方式の能力情報の詳細については後述する。なお、本実施形態では、MACヘッダ部分に、Allocation方式の能力情報が含まれるものとするが、例えばペイロード部分にこの能力情報が含まれてもよい。その後、生成されたMACフレームに、PHYヘッダの付加等が行われて、無線フレームが生成される。生成される無線フレームは、例えば、Beacon、Probe Request/Response、Association Request/Response、Reassociation Request/Response等のフレームである。データ送受信部305は、方式決定部302が決定したAllocation方式に従って、OFDMA通信によるデータフレームの送信と受信との少なくともいずれかを行う。
【0021】
(処理の流れ)
続いて、本実施形態に係る通信装置によって実行される処理の流れの例について説明する。以下では、APが、各STAからAllocation方式の能力情報を含んだMACフレームを受信して、その後にデータフレームの送受信を行うまでの処理の流れについて説明する。なお、ここでは、APが以下の処理を実行するものとするが、以下の処理はSTAによって実行されてもよい。以下の処理は、例えば、APの制御部202が、記憶部201に記憶されているプログラムを実行して、通信部206を制御することによって実行される。ただしこれに限られず、他の構成によって以下の処理が実行されてもよい。
【0022】
図4に、APとSTAとの間でデータ通信が行われる前にAPによって実行される処理の流れの例を示す。本処理では、APは、STAから能力情報を取得し、SA方式とDA方式とのいずれを使用するかを決定し、SA方式を使用する場合に、周波数リソースの割り当てを示す割り当て情報と、その割り当て情報の識別情報とをSTAに通知する。まず、APは、通信の相手装置となる1つ以上のSTAがサポートしているAllocation方式の能力情報を、これらのSTAのそれぞれから取得する(S401)。ここで、APは、例えば、STAがAPへ接続前に送信するProbe Requestフレームや、接続時に送信するAssociation Requestフレームにより、このSTAについてのAllocation方式の能力情報を取得しうる。
【0023】
APは、S401において取得したSTAのAllocation方式の能力情報に基づいて、そのSTAとの通信において使用するAllocation方式を決定する(S402)。
【0024】
APは、例えば、STAがDA方式のみを使用することができる場合には、DA方式を使用すると決定する。一方、APは、STAがSA方式のみを使用することができる場合には、SA方式を使用すると決定しうる。すなわち、APは、STAが使用可能な方式を使用すると決定しうる。なお、APは、自装置が使用できない方式が存在する場合、自装置とSTAとが共に使用可能な方式を使用すると決定する。このとき、APは、自装置が使用可能な方式とSTAが使用可能な方式とに共通の方式が存在しない場合、そのSTAとは通信を行わないようにしうる。この場合、APは、例えば、STAからのAssociation RequestやReassociation Requestを受け付けず、接続を確立させないようにしてもよい。また、APは、自装置が使用可能な方式とSTAが使用可能な方式とに共通の方式が存在しない場合、OFDMAによる通信でなく、IEEE802.11be以前の規格で採用されていたCSMA/CA方式の通信を行うようにしうる。
【0025】
また、APは、STAがDA方式とSA方式との両方を使用可能な場合に、そのSTAとの間で送受信されるデータを使用するアプリケーションの通信特性等の情報に基づいて、Allocation方式を決定してもよい。例えば、STAがセンサデータ等の定期的に一定量のデータを送信する通信装置である場合は、使用する帯域幅とタイミングが固定的になることが想定されるため、APは、SA方式を選択しうる。また、STAのアプリケーションによって使用される周波数帯域(帯域幅)が時間に応じて変動する場合には、APは、DA方式を選択してもよい。なお、このような特性に関する情報は、IEEE802.11規格で規定されている管理フレームによって、STAからAPへ通知されうる。また、APは、並行して通信を行う通信相手のSTAの数が所定数以上となる場合に、SA方式を選択して、Allocation情報のオーバーヘッドを低減するようにしてもよい。なお、APは、各STAに対して、それぞれ異なるAllocation方式を使用すると決定してもよい。例えば、センサデータを送信する多数のSTAに対して、これらのSTAに一斉にデータを送信させるためにSA方式を使用し、様々なアプリケーションを並行して実行可能なスマートフォンなどのSTAに対しては、DA方式を使用するようにしてもよい。また、あるタイミングにおいて、一部のSTAに対してSA方式を使用し、他のSTAに対してDA方式を使用してもよい。この場合、SA方式を使用するSTAに対しては、事前に定められた周波数リソースが割り当てられ、DA方式を使用するSTAに対しては、SA方式で割り当てられていない周波数リソースが割り当てられうる。これらは一例に過ぎず、STAごとに柔軟なAllocation方式の設定が行われうる。
【0026】
その後、APは、S402において決定したAllocation方式がSA方式であるか否かをチェックする(S403)。APは、SA方式を選択した場合(S403でYES)は、STAへの周波数リソース割り当てを示すAllocation情報と、そのAllocation情報を識別するAllocation IDとを含む管理フレーム1をSTAへ送信する(S404)。そして、STAは、この管理フレーム1を受信すると、Allocation情報とAllocation IDとを関連付けて、記憶部201に記憶する。一方、APは、SA方式を選択しなかった場合(S403でNO)は、管理フレーム1の送信を行わずに図4の処理を終了する。
【0027】
図5に、下りリンク(DL)-OFDMA通信時のAPの処理の流れの例を示す。なお、下りリンクは、APからSTAへ無線フレームが送信される方向の無線リンクであり、図5は、APからSTAへデータフレームが送信される場合の処理を示している。
【0028】
図5の処理では、APは、まず、使用するAllocation方式がSA方式かどうかをチェックする(S501)。APは、そのSTAに対してSA方式を使用しない場合(S501でNO)、すなわち、DA方式を用いる場合、IEEE802.11ax規格と同様に、Allocation情報を通信相手のSTAへのデータフレームのPHYヘッダに格納する(S502)。そして、APは、そのデータフレームをSTAへ送信する(S504)。この場合、STAは、PHYヘッダを確認することにより、自装置に割り当てられた周波数リソースを特定し、その周波数リソースでデータフレームを受信することができる。一方、APは、通信相手のSTAに対してSA方式を使用する場合(S501でYES)、図4のS404においてSTAに通知したAllocation IDをそのSTA宛てのデータフレームに格納する(S503)。そして、APは、そのデータフレームをSTAへ送信する(S504)。なお、Allocation IDは、PHYヘッダに格納されてもよいし、MACフレームに含められてもよい。この場合、STAは、Allocation情報とAllocation IDとを関連付けて記憶しているため、指定されたAllocaton IDに対応するAllocation情報に基づいて、周波数リソースの割り当てを特定することができる。そして、STAは、この割り当てられた周波数リソースにおいて、自装置宛てのデータを受信することができる。
【0029】
図6に、上りリンク(UL)-OFDMA通信時に、APによって実行される処理の流れを示す。なお、上りリンクは、STAからAPへ無線フレームが送信される方向の無線リンクであり、図6は、STAからAPへデータフレームが送信される場合の処理を示している。なお、図6の処理は、複数のSTAに対して並行して行われうる。ただし、SA方式が使用されるSTAのグループを事前に設定しておき、そのSTAのグループのみが通信を行うタイミングにおいては、図6の処理がグループに対して1度だけ実行されてもよい。この場合、管理フレーム1によって送信されるAllocation情報によって、複数のSTAに対する周波数リソースの割り当てが行われ、これらのSTAに対して、共通のAllocation IDが通知される。そして、そのAllocation IDを含んだ後述の管理フレーム2がそれらのSTAに同報送信されることによって、1回の管理フレームの送信を契機として、複数のSTAに並行して通信を行わせることができる。
【0030】
図6の処理では、APは、まず、通信相手のSTAについて、使用するAllocation方式がSA方式であるかどうかをチェックする(S601)。そして、APは、そのSTAに対してSA方式を使用しない場合(S601でNO)、すなわち、DA方式を用いる場合、IEEE802.11ax規格と同様にAllocation情報を含んだTriggerフレームをSTAに送信する(S602)。STAは、IEEE802.11ax規格と同様に、TriggerフレームのAllocation情報に従って、割り当てられた周波数リソースを特定し、その周波数リソースを用いて無線フレームを送信する。一方、APは、通信相手のSTAに対してSA方式を使用する場合(S601でYES)、図4のS404においてSTAに通知したAllocation IDを指定する管理フレーム2をSTAに送信する(S603)。この場合、STAは、Allocation情報とAllocation IDとを関連付けて記憶しているため、指定されたAllocaton IDに対応するAllocation情報に基づいて、周波数リソースの割り当てを特定することができる。そして、STAは、この割り当てられた周波数リソースを用いて、無線フレームを送信する。APは、STAに割り当てられた周波数リソースにおいて無線フレームが到来するのを待ち受け、そのSTAからの無線フレームを受信する(S604)。
【0031】
続いて、下りリンクにおいて、SA方式が使用される際の通信の流れの例について、図7を用いて説明する。まず、STAがAPのネットワーク情報を取得するためのスキャン処理が実行される(S701~S703)。スキャン処理では、APが、ネットワーク情報を含むBeaconフレームを送出し、APの周囲に存在するSTAはそのビーコンフレームを検出及び受信する(S701)。また、STAは、APのネットワーク情報を問い合わせるProbe Requestフレームを送信し(S702)、APからその応答であるProbe Resoponseフレームを受信する(S703)。なお、STAは、S701においてAPによって送信されたBeaconフレームを受信することによって、受動的にAPのネットワーク情報を取得するだけであってもよく、S702~S703の処理を実行しなくてもよい。また、STAは、Beaconフレームによらず、S702において能動的にProbe Requestフレームを送信して、APからProbe Responseフレームを受信することにより、APのネットワーク情報を取得してもよい。APは、BeaconフレームやProbe Responseフレームに、自装置がサポートしているAllocation方式を示す能力情報を含めることができる。また、STAは、Probe Requestフレームに、自装置がサポートしているAllocation方式を示す能力情報を含めることができる。これらの処理によって、STAとAPは、相互にAllocation方式の能力情報を交換することができる。
【0032】
その後、STAがネットワーク接続のためにAssociation Requestフレームを送信し(S704)、APがSTAの接続結果を示すAssociation Responseフレームを送信する(S705)。なお、STAは、Association Requestフレームに自装置のAllocation方式の能力情報を含めてもよく、APは、Association Responseフレームに自装置のAllocation方式の能力情報を含めてもよい。また、STAは、スキャン処理で取得したAPのAllocation方式の能力情報に基づいて、Association Requestフレームに含めるAllocation方式の能力情報を決定してもよい。例えば、STAは、自装置がSA方式とDA方式を使用可能であっても、APがDA方式のみを使用可能な場合は、自装置がDA方式のみを使用可能であることを示す能力情報をAssociation Requestフレームに含めてもよい。また、同様にして、APは、スキャン処理やAssociation Requestフレームによって取得したSTAの能力情報に基づいて、Association Responseフレームに含めるAllocation方式の能力情報を決定してもよい。
【0033】
ここで、APは、STAとの通信において、SA方式によって周波数リソースの割り当てを行うことを決定したものとする。この場合、APは、DL-OFDMAのAllocation情報と、そのAllocation情報を識別するAllocation IDとを含んだ管理フレーム1をSTAへ送信する(S706)。そして、STAは、このAllocation情報と、Allocation IDとを関連付けて記憶しておく。そして、APは、データフレームを送信する際に(S707)、その送信の際の周波数リソース割り当てに対応するAllocation IDを、そのデータフレームのPHY headerに含めて、STAへ送信する。
【0034】
次に、上りリンクにおいて、SA方式が使用される際の通信の流れの例について、図7を用いて説明する。図8において、S801~S805の処理は、図7のS701~S705と同様であるため、説明を省略する。ここで、APは、STAとの通信において、SA方式によって周波数リソースの割り当てを行うことを決定したものとする。この場合、APは、UL-OFDMAのAllocation情報と、そのAllocation情報を識別するAllocation IDとを含んだ管理フレーム1をSTAへ送信する(S806)。STAは、このAllocation情報と、Allocation IDとを関連付けて記憶しておく。そして、APは、STAに対して、UL-OFDMAのデータフレームの送信を開始させるために、Allocation IDを含む管理フレーム2をSTAへ送信する(S807)。STAは、このAllocation IDにより、対応するAllocation情報を特定し、そのAllocation情報に基づいて指定される周波数リソースにおいて、データフレームをAPへ送信する(S808)。
【0035】
なお、上りリンク及び下りリンクで、DA方式が用いられる場合は、IEEE802.11axに規定されている手法で通信が行われるが、ここでは説明を省略する。なお、上りリンクと下りリンクとで同じAllocation方式が用いられてもよいし、相互に異なるAllocation方式が用いられてもよい。例えば、多数のセンサによって環境検出の結果がAPに定期的に送信される場合、上りリンクの通信頻度は高いことが想定される。一方で、これらのセンサに対してデータを送信する頻度は少ないことも想定される。このため、上りリンクではSA方式が使用され、下りリンクではDA方式が使用されるようにしてもよい。
【0036】
(Allocation方式の能力情報の構成)
続いて、図9を用いて、Allocation方式の能力情報(Allocation capability element)の構成例について説明する。Allocation capability elementは、IEEE802.11規格において規定される他のInfomation Elementと同様の構成を有する。すなわち、この能力情報は、Element IDフィールド901、Lengthフィールド902及び能力情報固有の情報フィールド903が含まれたフォーマットを有する。この能力情報は、Beacon、Probe Request/Response、Association Request/Response、Reassociation Request/Response等のフレームのMACフレームに付加される。
【0037】
Element IDフィールド901には、この能力情報を識別するための識別情報が格納される。Lengthフィールド902には、この能力情報の全体の長さを示す値が格納される。情報フィールド903には、ここでは、Allocation方式の使用可否を示すCapability(Allocation Capability)の情報が格納される。情報フィールド903に格納される情報の例を図10に示す。図10は、2ビットの情報によって、Allocation Capabilityが示される場合の例を示している。1ビット目(ビット0)は、DA方式の使用可否を示している。このビットの値が「0」の場合、その送信元の装置がDA方式を使用できないことが示され、ビットの値が「1」の場合は、その装置がDA方式を使用できることが示される。同様に、2ビット目(ビット1)は、SA方式の使用可否を示している。このビットの値が「0」の場合、その送信元の装置がSA方式を使用できないことが示され、ビットの値が「1」の場合は、その装置がSA方式を使用できることが示される。
【0038】
なお、上述の構成は一例であり、フィールドの名前や、ビットの位置・サイズはこの例に限定されず、同様の情報が異なるフィールド名や異なる順序やサイズで格納されてもよい。例えば、図10では、2ビットのフィールドにより、2つのAllocation方式(DA方式及びSA方式)の使用可否が示されたが、これに限られない。例えば、このフィールドのビット数が例えば3ビット以上であってもよく、それにより、他のAllocation方式についての使用可否が示されてもよい。また、DA方式とSA方式はAllocation方式の一例に過ぎず、他の方式が、これらに代えて採用されてもよい。
【0039】
以上のようにして、本実施形態では、通信装置が、自装置がサポートしている(使用可能な)周波数リソースの割り当て方式の情報を、MACフレーム構造を用いて相手装置に対して通知することができる。これにより、各通信装置の通信のために使用すべき周波数リソースの割り当てを、その通信装置がサポートしている方式に基づいて、柔軟に実行することが可能となる。なお、上述の例では、Allocation方式の使用可否を示す能力情報をMACフレームによって送信する例について説明したが、PHYプリアンブルなど、無線フレーム内の他の部分に含めてもよい。なお、通信装置であるAP102やSTA103~105の他、上記のMACフレームを生成する情報処理装置(例えば、無線チップ)により、本発明を実施することも可能である。
【0040】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0041】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0042】
201:記憶部、202:制御部、206:通信部、207:アンテナ、301:能力情報生成部、302:方式決定部、303:接続処理部、304:MACフレーム生成部、305:データ送受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10