(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】導光部材の固定構造
(51)【国際特許分類】
F21V 17/00 20060101AFI20240313BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20240313BHJP
F21S 43/27 20180101ALI20240313BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240313BHJP
F21S 45/10 20180101ALI20240313BHJP
F21W 103/50 20180101ALN20240313BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240313BHJP
【FI】
F21V17/00 400
F21V8/00 360
F21S43/27
F21S43/14
F21S45/10
F21V17/00 200
F21W103:50
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020006125
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横井 智
(72)【発明者】
【氏名】川口 健一
(72)【発明者】
【氏名】高田 康生
(72)【発明者】
【氏名】中山 達也
(72)【発明者】
【氏名】木下 清隆
(72)【発明者】
【氏名】竹内 淳
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0165547(US,A1)
【文献】特開2009-216573(JP,A)
【文献】特開2014-136529(JP,A)
【文献】特開2008-162295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
F21V 8/00
F21S 43/27
F21S 43/14
F21S 45/10
F21W 103/50
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された光を所定の位置に導く導光部材と、
前記導光部材を保持する保持体と、
前記導光部材に固定される固定部材と、を備え、
前記保持体は、前記導光部材を挿通させる挿通孔を有し、
前記導光部材は、
前記挿通孔よりも大きな外形を有するフランジと、
前記フランジに接続されており、前記挿通孔に挿通された軸部と、を有し、
前記固定部材は、前記軸部のうち前記挿通孔から突出した部位に固定されており、前記挿通孔よりも大きな外形を有し、
前記保持体は、前記挿通孔の少なくとも一部を規定し、かつ、前記軸部の外周面に密着するとともに前記外周面を押圧した状態で当該軸部を保持する保持部を有し、
前記保持体は、
低剛性部と、
前記低剛性部よりも高い剛性を有しており、前記低剛性部を支持する高剛性部と、を有し、
前記保持部は、前記低剛性部の一部で構成されている、導光部材の固定構造。
【請求項2】
前記低剛性部は、前記フランジを受けるフランジ受け部を有する、請求項1に記載の導光部材の固定構造。
【請求項3】
前記保持体は、前記挿通孔の一部を規定し、かつ、前記軸部の軸方向に前記保持部に隣接する隣接部をさらに有し、
前記隣接部は、当該隣接部と前記軸部の外周面との間に空間を規定している、請求項1又は2に記載の導光部材の固定構造。
【請求項4】
前記高剛性部は、前記固定部材を受ける固定部材受け部を有する、請求項1から3のいずれかに記載の導光部材の固定構造。
【請求項5】
前記導光部材は、前記固定部材を係止する係止部を有し、
前記固定部材は、前記係止部に係合する被係止部を有する、請求項1から4のいずれかに記載の導光部材の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、導光部材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導光部材を備える照明装置が知られている。例えば、特開2011-51500号公報には、LEDランプと、レンズと、ケースと、ガーニッシュと、を備える照明装置が開示されている。ケースには係合つめが備えられ、レンズには係合孔が備えられており、係合つめが係合孔に係合することにより、レンズがケースに固定されている。また、レンズには係合つめが立設されており、この係合つめがガーニッシュに形成されたつめ受け部に係合することにより、レンズがガーニッシュに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される照明装置では、係合つめと係合孔との係合によってレンズを固定する構造であるため、振動等に起因してレンズがケース等から脱落する懸念がある。
【0005】
本開示の目的は、導光部材の保持体からの脱落を抑制することが可能な導光部材の固定構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示に従った導光部材の固定構造は、光源から出射された光を所定の位置に導く導光部材と、前記導光部材を保持する保持体と、前記導光部材に固定される固定部材と、を備え、前記保持体は、前記導光部材を挿通させる挿通孔を有し、前記導光部材は、前記挿通孔よりも大きな外形を有するフランジと、前記フランジに接続されており、前記挿通孔に挿通された軸部と、を有し、前記固定部材は、前記軸部のうち前記挿通孔から突出した部位に固定されており、前記挿通孔よりも大きな外形を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、導光部材の保持体からの脱落を抑制することが可能な導光部材の固定構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態のライセンスランプとライセンスプレートとの配置関係を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図1に示されるライセンスランプの斜視図である。
【
図3】
図2に示されるライセンスランプの正面図である。
【
図4】
図3に示されるIV-IV線での断面図である。
【
図7】
図6において実線VIIで示される範囲の拡大図である。
【
図9】
図8とは異なる角度におけるレンズの斜視図である。
【
図12】
図10に示されるXII-XII線での断面図である。
【
図13】出射光の進路の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態のライセンスランプとライセンスプレートとの配置関係を概略的に示す断面図である。
図2は、
図1に示されるライセンスランプの斜視図である。
図3は、
図2に示されるライセンスランプの正面図である。
図4は、
図3に示されるIV-IV線での断面図である。
図5は、
図3に示されるV-V線での断面図である。
【0011】
本実施形態のライセンスランプ1は、ライセンスプレート20を照光する装置である。
図1に示されるように、ライセンスプレート20は、車両の例えばバックドア10に取り付けられている。ライセンスプレート20は、その長手方向が車両の幅方向(
図1における紙面奥行き方向)と平行となる姿勢でバックドア10に取り付けられている。ライセンスランプ1は、バックドア10のうちライセンスプレート20が取り付けられている部位の上部に固定されている。
【0012】
ライセンスランプ1は、2つの光源100と、2つのレンズ200と、保持体300と、2つの固定部材400と、2つのスイッチ500と、を備えている。
【0013】
光源100は、ライセンスプレート20を照光するためのものである。本実施形態では、光源100として、発光ダイオード(LED)が用いられている。各光源100は、基板150(
図1を参照)に実装されている。
【0014】
図1に示されるように、基板150は、各光源100から出射された出射光が光源100の下方に位置するライセンスプレート20に向かう姿勢で保持体300内に配置されている。
【0015】
レンズ200は、光源100から出射された出射光L1(
図13を参照)を拡散させる部材である。レンズ200は、出射光L1を、主として出射光L1の光軸L0と直交する方向(ライセンスプレート20の長手方向)における外向きに拡散させる。本実施形態のレンズ200は、特に、出射光L1の光軸L0と比較的小さな角度をなす光(光軸L0の近傍における高輝度の光)を光軸L0と直交する方向における外向きに拡散させる機能を有している。レンズ200は、出射光L1を所定の方向に導く導光部材として機能する。レンズ200は、アクリル等からなる。レンズ200は、拡散部210と、フランジ220と、係止部230と、を有している。
【0016】
拡散部210は、出射光L1を拡散させる部位である。拡散部210は、軸状に形成されている。拡散部210は、入射面211と、出射面212と、を有している。
【0017】
入射面211は、出射光L1をレンズ200内へ入射させる面である。入射面211は、光源100と対向する位置に形成されている。入射面211は、出射光L1を当該出射光の光軸L0に対して当該光軸L0と直交する方向(
図11における左右方向)における外向きに屈折させる。具体的に、
図4及び
図11に示されるように、入射面211は、出射面212に向けて(光源100から離間する向きに)凸となるように湾曲する形状を有している。
【0018】
入射面211は、端部入射部211aを有している。端部入射部211aは、入射面211と出射面212とを結ぶ方向と直交する直交方向(
図10における左右方向)における両端に形成されている。
図8及び
図10に示されるように、端部入射部211aは、前記直交方向における内側に向かって凸となるように湾曲する形状を有している。
【0019】
出射面212は、入射面211から入射した入射光L2(
図13を参照)をレンズ200から出射させる面である。出射面212は、拡散部210のうち入射面211と反対側の表面で構成されている。出射面212は、入射光L2を当該入射光L2の中心線に対して当該中心線と直交する方向における外向きに屈折させる。具体的に、
図4及び
図11に示されるように、出射面212は、入射面211から離間する向きに凸となるように湾曲する形状を有している。出射面212の曲率は、入射面211の曲率よりも小さい。出射面212は、主面を含んでいる。主面に対する入射光L2の入射角は、臨界角(本実施形態では、約42度)に設定されている。
【0020】
フランジ220は、拡散部210のうち入射面211から出射面212に向かう向き(
図11における下向き)における先端部(
図11における下端部)から外向きに張り出す形状を有している。以下、入射面211から出射面212に向かう向きを「光進行方向」と表記する。
図8及び
図10に示されるように、フランジ220は、拡散部210の周方向に連続的につながる環状に形成されている。フランジ220は、内側環状部220a、押圧部220b、外側環状部220cを有する。
【0021】
内側環状部220aは、フランジ220のうち光進行方向(
図11における下向き)と反対向方向の表面(
図11における上面)に形成されている。内側環状部220aは、拡散部210の外周面から外向きに張り出すとともに、拡散部210を包囲する形状を有している。内側環状部220aは、平坦に形成されている。
【0022】
押圧部220bは、内側環状部220aの外縁部から外向きに張り出すとともに、内側環状部220aを包囲する形状を有している。
図11及び
図12に示されるように、押圧部220bは、内側環状部220aから離間するにしたがって光進行方向に向かうように傾斜する形状を有している。
【0023】
外側環状部220cは、押圧部220bの外縁部から外向きに張り出すとともに、押圧部220bを包囲する形状を有している。外側環状部220cは、平坦に形成されている。
【0024】
係止部230は、拡散部210の外周面に設けられている。係止部230は、固定部材400を係止する部位である。本実施形態では、係止部230は、拡散部210の外周面に形成された凹部で構成されている。
【0025】
保持体300は、光源100とレンズ200とを保持する部材である。保持体300は、出射光L1が入射面211に入射し、かつ、出射面212から出射された照射光L3によりライセンスプレート20が照光されるように光源100とレンズ200とを保持している。
【0026】
保持体300は、拡散部210を挿通させる挿通孔300hを有している。保持体300は、拡散部210を挿通孔300h内に挿通させた状態でレンズ200を保持している。つまり、拡散部210は、挿通孔300hに挿通される軸部を構成している。フランジ220は、挿通孔300hよりも大きな外形を有している。保持体300及びレンズ200により、収容空間が規定されている。この収容空間に、光源100、基板150、スイッチ500等が配置されている。
【0027】
保持体300は、低剛性部310と、高剛性部320と、を有している。
【0028】
低剛性部310は、例えば、熱可塑性エラストマーからなる。低剛性部310は、フランジ受け部312と、保持部314と、隣接部316と、操作部318と、を有している。
【0029】
フランジ受け部312は、フランジ220を受ける部位である。
図7に示されるように、フランジ受け部312は、内側受け部312aと、環状リブ312bと、外側受け部312cと、を有している。
【0030】
内側受け部312aは、内側環状部220aを受ける。内側受け部312aは、挿通孔300hを包囲する環状に形成されている。内側受け部312aは、平坦に形成されている。
【0031】
環状リブ312bは、内側受け部312aの外縁部から起立するとともに、内側受け部312aを包囲する形状を有している。すなわち、環状リブ312bは、挿通孔300hの全周を囲みかつフランジ220に向かって突出する形状を有している。
【0032】
外側受け部312cは、環状リブ312bの外縁部から外向きに張り出すとともに、環状リブ312bを包囲する形状を有している。外側受け部312cは、平坦に形成されている。
図13に示されるように、外側受け部312cと環状リブ312bの頂部との距離は、内側受け部312aと環状リブ312bの頂部との距離よりも大きい。すなわち、外側受け部312cは、光進行方向と反対方向に内側受け部312aよりも窪んだ位置に形成されている。このため、外側受け部312cと外側環状部220cとの間には、環状リブ312bの傾倒を許容する空間が形成されている。
【0033】
保持部314は、挿通孔300hの一部を規定している。保持部314は、拡散部210の外周面に密着した状態で当該拡散部210を保持している。換言すれば、拡散部210は、保持部314内に圧入されている。これにより、保持部314及び拡散部210間はシールされている。保持部314は、押圧部220bが環状リブ312bを押圧した状態(環状リブ312bが押圧部220bに密着した状態)が維持されるように拡散部210の外周面に密着した状態で拡散部210を保持している。すなわち、レンズ200及び保持体300間は、2箇所でシールされている。
【0034】
隣接部316は、挿通孔300hの残部を規定している。隣接部316は、拡散部210の軸方向に保持部314に隣接する位置に形成されている。隣接部316は、当該隣接部316と拡散部210の外周面との間に空間を規定している。この空間は、拡散部210が保持部314内に圧入された際における当該保持部314の余肉を受け入れる。光進行方向における隣接部316の先端部は、内側受け部312aの内側の端部とつながっている。
【0035】
なお、隣接部316は、省略されてもよい。この場合、保持部314が挿通孔300hを規定する部位の全てを構成する。
【0036】
操作部318は、スイッチ500を操作するための部位である。
図1に示されるように、操作部318は、保持部314に隣接する位置に形成されている。
【0037】
スイッチ500は、操作部318の押圧を検知可能な位置に配置されている。スイッチ500は、バックドア10を開けるためのものである。
図1に示されるように、スイッチ500は、基板550に実装されている。基板550は、前記収容空間に配置されている。
【0038】
高剛性部320は、低剛性部310よりも高い剛性を有している。高剛性部320は、例えば、ポリプロピレンからなる。
図4及び
図5に示されるように、高剛性部320は、低剛性部310の一部をその内側から支持している。換言すれば、高剛性部320の表面は、低剛性部310によって被覆されている。高剛性部320は、二色成形等によって、低剛性部310と一体的に形成されている。高剛性部320は、低剛性部310のうち保持部314及び操作部318以外の部位を支持している。
【0039】
固定部材400は、軸部を構成する拡散部210のうち挿通孔300hから突出した部位に固定される部材である。固定部材400は、樹脂等からなる。固定部材400は、拡散部210を包囲する環状に形成されている。
図4、
図5及び
図13に示されるように、固定部材400は、係止部230と係合する被係止部430を有している。本実施形態では、被係止部430は、係止部230
に嵌合する突起で構成されている。
【0040】
図4、
図5及び
図13に示されるように、固定部材400の外縁部は、高剛性部320に接している。すなわち、高剛性部320は、固定部材400を受ける固定部材受け部322を有している。
【0041】
以上に説明したように、本実施形態のライセンスランプ1のレンズ200は、出射光L1を入射面211において光軸L0と直交する方向における外向きに屈折させ、かつ、入射光L2を出射面212において入射光L2の中心線に対して当該中心線と直交する方向における外向きに屈折させるため、光源100から出射された出射光L1が広範囲に拡散する。よって、ライセンスプレート20の広範囲が照光される。
【0042】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0043】
例えば、環状リブ312b及びフランジ220によって保持体300内への水の浸入を抑制する止水構造は、ライセンスランプ1以外にも適用可能である。つまり、上記の止水構造において、保持体300に保持される被保持部材は、導光部材としての機能を有するレンズ200に限られない。
【0044】
また、フランジ220及び固定部材400によって保持体300を挟持することにより、導光部材としての機能を有するレンズ200を保持体300に固定する固定構造は、ライセンスランプ1以外にも適用可能である。つまり、上記の固定構造において、保持体300に保持される導光部材は、レンズ200に限られない。
【0045】
以上に説明した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例である。
【0046】
一態様に係るレンズは、光源から出射された出射光を拡散させるレンズであって、前記光源と対向する部位に形成されており、前記出射光を前記レンズ内へ入射させる入射面と、前記入射面から入射した入射光を前記レンズから出射させる出射面と、を備え、前記入射面は、前記出射光を当該出射光の光軸に対して当該光軸と直交する方向における外向きに屈折させ、前記出射面は、前記入射光を当該入射光の中心線に対して当該中心線と直交する方向における外向きに屈折させる。
【0047】
このレンズでは、出射光が入射面において光軸と直交する方向における外向きに屈折し、かつ、入射光が出射面において入射光の中心線に対して当該中心線と直交する方向における外向きに屈折するため、光源から出射された出射光が広範囲に拡散する。
【0048】
また、前記入射面は、前記出射面に向けて凸となるように湾曲する形状を有し、前記出射面は、前記入射面から離間する向きに凸となるように湾曲する形状を有することが好ましい。
【0049】
このようにすれば、上記の効果が有効に達成される。
【0050】
この場合において、前記入射面の曲率は、前記出射面の曲率よりも大きいことが好ましい。
【0051】
また、前記出射面は、主面を含み、前記主面に対する前記入射光の入射角は、臨界角に設定されていることが好ましい。
【0052】
このようにすれば、入射光が出射面から出射する際により広範囲に拡散する。
【0053】
また、前記入射面は、前記入射面と前記出射面とを結ぶ方向と直交する直交方向における両端に形成された端部入射部を有し、前記端部入射部は、前記直交方向における内側に向かって凸となるように湾曲する形状を有することが好ましい。
【0054】
このようにすれば、出射面から出射した照射光が車両の前後方向へ有効に拡散する。このため、車両の前後方向におけるライセンスプレートの照光範囲が広くなる。
【0055】
また、一態様に係るライセンスランプは、車両に取り付けられたライセンスプレートを照光するライセンスランプであって、前記ライセンスプレートを照光するための光源と、前記レンズと、前記光源と前記レンズとを保持する保持体と、を備え、前記保持体は、前記光源から出射された前記出射光が前記レンズの前記入射面に入射し、かつ、前記出射面から出射された照射光により前記ライセンスプレートが照光されるように前記光源と前記レンズとを保持する。
【0056】
また、前記ライセンスランプにおいて、前記保持体内に固定されており、前記車両のバックドアを開くためのスイッチをさらに備えることが好ましい。
【0057】
また、一態様に係る導光部材の固定構造は、光源から出射された光を所定の位置に導く導光部材と、前記導光部材を保持する保持体と、前記導光部材に固定される固定部材と、を備え、前記保持体は、前記導光部材を挿通させる挿通孔を有し、前記導光部材は、前記挿通孔よりも大きな外形を有するフランジと、前記フランジに接続されており、前記挿通孔に挿通された軸部と、を有し、前記固定部材は、前記軸部のうち前記挿通孔から突出した部位に固定されており、前記挿通孔よりも大きな外形を有する。
【0058】
この導光部材の固定構造では、導光部材が挿通孔よりも大きな外形を有するフランジを有し、かつ、挿通孔よりも大きな外形を有する固定部材が導光部材の軸部のうち挿通孔から突出した部位に固定されているため、換言すれば、挿通孔よりも大きな外形を有するフランジ及び固定部材によって保持体が挟まれているため、導光部材の保持体からの脱落が抑制される。
【0059】
また、前記保持体は、前記挿通孔の少なくとも一部を規定し、かつ、前記軸部の外周面に密着した状態で当該軸部を保持する保持部を有することが好ましい。
【0060】
このようにすれば、軸部及び保持部間が有効にシールされる。
【0061】
この場合において、前記保持体は、前記フランジを受けるフランジ受け部を有する低剛性部と、前記低剛性部よりも高い剛性を有しており、前記低剛性部を支持する高剛性部と、を有し、前記保持部は、前記低剛性部の一部で構成されていることが好ましい。
【0062】
この態様では、例えば導光部材に対して外力が作用した場合に高剛性部が低剛性部を支持するため、保持体全体の変形が抑制され、しかも、保持部が低剛性部の一部で構成されているため、軸部及び保持部間の密着状態が有効に確保される。
【0063】
また、前記保持体は、前記挿通孔の一部を規定し、かつ、前記軸部の前記軸方向に前記保持部に隣接する隣接部をさらに有し、前記隣接部は、当該隣接部と前記軸部の外周面との間に空間を規定していることが好ましい。
【0064】
この態様では、挿通孔に軸部が挿入された際に低剛性部のうち保持部を構成する部位が空間に移動するため、導光部材の挿通孔への挿入抵抗が低減される。
【0065】
また、前記高剛性部は、前記固定部材を受ける固定部材受け部を有することが好ましい。
【0066】
このようにすれば、導光部材の軸部が挿通孔から抜ける方向の外力が導光部材に作用した際、固定部材が高剛性部の固定部材受け部によって受けられるため、保持部ないしその近傍の部位の変形が抑制される。よって、軸部及び保持部間のシールがより確実に維持される。
【0067】
また、前記軸部は、前記固定部材を係止する係止部を有し、前記固定部材は、前記係止部に係合する被係止部を有することが好ましい。
【0068】
また、一態様に係る止水構造は、被保持部材と、前記被保持部材を保持する保持体と、を備え、前記保持体は、前記被保持部材を挿通させる挿通孔を有し、前記被保持部材は、前記挿通孔よりも大きな外形を有するフランジと、前記フランジに接続されており、前記挿通孔に挿通された軸部と、を有し、前記保持体は、前記フランジを受けるフランジ受け部を有し、前記フランジ受け部は、前記挿通孔の全周を囲みかつ前記フランジに向かって突出する形状を有する環状リブを有する。
【0069】
この止水構造では、環状リブが挿通孔の全周でフランジに接触するため、フランジとフランジ受け部との間から挿通孔内へ水が浸入することが抑制される。
【0070】
また、前記フランジは、前記環状リブを前記挿通孔から離間する方向に押圧する押圧部を有することが好ましい。
【0071】
この態様では、押圧部によって環状リブが当該環状リブの径方向における外向きに押圧されるため、環状リブは、外向きに傾倒した状態で押圧部に密着する。この状態でフランジ及びフランジ受け部間に水が浸入した場合、環状リブには、当該環状リブが押圧部に押付けられる向きの力が作用する。よって、フランジ及びフランジ受け部間のシール性が高まる。
【0072】
また、前記フランジ受け部は、前記環状リブの内側に形成された内側受け部と、前記環状リブの外側に形成された外側受け部と、を有し、前記外側受け部と前記環状リブの頂部との距離は、前記内側受け部と前記環状リブの前記頂部との距離よりも大きいことが好ましい。
【0073】
このようにすれば、押圧部が環状リブを押圧したときに環状リブが外向きに傾倒しやすくなる。
【0074】
また、前記保持体は、前記押圧部が前記環状リブを押圧した状態が維持されるように前記軸部の外周面に密着した状態で当該軸部を保持する保持部を有することが好ましい。
【0075】
この態様では、フランジ及びフランジ受け部間に加え、挿通孔及び軸部間もシールされる。
【0076】
また、前記被保持部材は、車両に取り付けられたライセンスプレートを照光するための光源から出射された出射光を拡散させるレンズであり、前記保持体は、前記被保持部材を保持した状態で前記車両に固定可能であることが好ましい。
【符号の説明】
【0077】
1 ライセンスランプ、10 バックドア、20 ライセンスプレート、100 光源、150 基板、200 レンズ(導光部材、被保持部材)、210 拡散部(軸部)、211 入射面、211a 端部入射部、212 出射面、230 係止部、300 保持体、300h 挿通孔、310 低剛性部、312 フランジ受け部、312a 内側受け部、312b 環状リブ、312c 外側受け部、314 保持部、316 隣接部、318 操作部、320 高剛性部、322 固定部材受け部、400 固定部材、430 被係止部、500 スイッチ、550 基板、L0 光軸、L1 出射光、L2 入射光、L3 照射光。