(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法
(51)【国際特許分類】
G07D 11/24 20190101AFI20240313BHJP
【FI】
G07D11/24
(21)【出願番号】P 2020074712
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】陳 楊
(72)【発明者】
【氏名】土井 一宏
(72)【発明者】
【氏名】小林 慧
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-012127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00 - 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、
紙葉類を搬送するために装置内に設けられた搬送路と、
装置外から紙葉類を受けて前記搬送路へ送り出す入金部と、
前記搬送路を搬送される紙葉類の識別情報を取得するための識別部と、
前記搬送路を搬送される紙葉類を受けて収納すると共に、収納した紙葉類を前記搬送路へ繰り出す収納繰出部と、
前記収納繰出部から繰り出された紙葉類を装置外へ排出するための排出部と、
前記収納繰出部に収納されている紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、
前記収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部を、前記収納繰出部から繰り出して前記識別部を経て前記排出部まで搬送すると共に、各紙葉類の識別情報を前記記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無を判定する在高確認処理を実行する制御部と
を備え
、
前記排出部は、前記搬送路から受けた紙葉類を回収容器に収納する回収部である
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記回収容器は、前記紙葉類処理装置に対して着脱可能であることを特徴とする請求項
1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記在高確認処理の確認対象とする所定枚数の紙葉類を前記回収容器に収納できない場合、前記制御部は、前記在高確認処理を実行せず、前記在高確認処理の実行が必要であることを報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項
2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記収納繰出部から確認対象の紙葉類の繰り出しを終える前に前記収納繰出部に新たに紙葉類が収納された場合、前記制御部は、新たに収納された紙葉類が前記収納繰出部から繰り出されるのを待って、前記収納繰出部から繰り出された確認対象の紙葉類の識別情報を取得することを特徴とする請求項
1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、
紙葉類を搬送するために装置内に設けられた搬送路と、
装置外から紙葉類を受けて前記搬送路へ送り出す入金部と、
前記搬送路を搬送される紙葉類の識別情報を取得するための識別部と、
前記搬送路を搬送される紙葉類を受けて収納すると共に、収納した紙葉類を前記搬送路へ繰り出す収納繰出部と、
前記収納繰出部から繰り出された紙葉類を装置外へ排出するための排出部と、
前記収納繰出部に収納されている紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、
前記収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部を、前記収納繰出部から繰り出して前記識別部を経て前記排出部まで搬送すると共に、各紙葉類の識別情報を前記記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無を判定する在高確認処理を実行する制御部と
を備え、
前記排出部は、出金処理時に、前記搬送路から受けた紙葉類を出金する出金部であり、
前記収納繰出部から確認対象の紙葉類の繰り出しを終える前に前記収納繰出部に新たに紙葉類が収納された場合、前記制御部は、新たに収納された紙葉類が前記収納繰出部から繰り出されるのを待って、前記収納繰出部から繰り出された確認対象の紙葉類の識別情報を取得することを特徴
とする紙葉類処理装置。
【請求項6】
各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、
紙葉類を搬送するために装置内に設けられた搬送路と、
装置外から紙葉類を受けて前記搬送路へ送り出す入金部と、
前記搬送路を搬送される紙葉類の識別情報を取得するための識別部と、
前記搬送路を搬送される紙葉類を受けて収納すると共に、収納した紙葉類を前記搬送路へ繰り出す収納繰出部と、
前記収納繰出部から繰り出された紙葉類を装置外へ排出するための排出部と、
前記収納繰出部に収納されている紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、
前記収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部を、前記収納繰出部から繰り出して前記識別部を経て前記排出部まで搬送すると共に、各紙葉類の識別情報を前記記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無を判定する在高確認処理を実行する制御部と
を備え、
前記排出部は、出金処理時に、前記搬送路から受けた紙葉類を出金する出金部であり、
確認対象の紙葉類が収納されている第1収納繰出部と、確認対象外の紙葉類が収納されている第2収納繰出部とがある場合、前記制御部は、前記第2収納繰出部の紙葉類より前記第1収納繰出部の紙葉類を優先して出金処理を実行することを特徴
とする紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出された所定枚数の紙葉類の識別情報が、前記紙葉類に対応して前記記憶部に記憶されている所定枚数分の識別情報の中に含まれている場合に、前記収納繰出部の在高に異常はないと判定することを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類の識別情報の一部の桁と、前記記憶部に記憶されていた識別情報の対応する桁とを比較して両者の一致を判定することを特徴とする請求項
6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類の識別情報が、前記記憶部に記憶されていた識別情報と一致しないと判定した場合、前記収納繰出部の紙葉類全てを調べる必要があることを報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の紙葉類処理装置。
【請求項10】
前記在高確認処理に係る情報を報知するための表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、
前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、
確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、
前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、
紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、
前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程と
を含
み、
前記排出部は、装置外に回収される紙葉類を回収容器に収納する回収部である
ことを特徴とする紙葉類処理方法。
【請求項12】
各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、
前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、
確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、
前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、
紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、
前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程と
を含み、
前記排出部は、出金処理時に出金する紙葉類を装置外へ排出する出金部であり、
前記収納繰出部から前記確認対象の紙葉類の繰り出しを終える前に前記収納繰出部に新たに紙葉類が収納された場合、新たに収納された紙葉類が前記収納繰出部から繰り出されるのを待って、前記収納繰出部から繰り出された前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される
ことを特徴とする紙葉類処理方法。
【請求項13】
各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、
前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、
確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、
前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、
紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、
前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程と
を含み、
前記排出部は、出金処理時に出金する紙葉類を装置外へ排出する出金部であり、
前記確認対象の紙葉類が収納されている第1収納繰出部と、確認対象外の紙葉類が収納されている第2収納繰出部とがある場合、前記第2収納繰出部の紙葉類より前記第1収納繰出部の紙葉類を優先して出金処理が実行される
ことを特徴とする紙葉類処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙葉類を処理する紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類を処理する様々な種類の紙葉類処理装置が利用されている。例えば、特許文献1には、紙幣を処理する紙幣処理装置が開示されている。紙幣処理装置は、入金処理時に紙幣を識別して記番号を読み取った後、装置内の複数の収納部に金種別に収納する。出金処理時には、収納部の紙幣が繰り出されて装置外へ排出される。紙幣処理装置は、各収納部の在高情報を管理している。在高情報には、収納部に収納されている紙幣の金種及び枚数と各紙幣の記番号とが含まれる。紙幣の記番号は収納部内の収納順序と対応付けられており、収納部から繰り出される紙幣の記番号を特定できるようになっている。
【0003】
紙幣処理装置は、精査処理を行うための精査処理カセットを有する。精査処理とは、収納部の在高の異常の有無を確認するための処理である。精査処理を行って、収納部に実際に収納されている紙幣の枚数及び金額が、在高情報で情報を管理されている紙幣の枚数及び金額と一致しなかった場合、この収納部の在高に異常があると判定されて、原因の調査が行われることになる。
【0004】
精査処理時、紙幣処理装置は、収納部に収納されている全ての紙幣を1枚ずつ繰り出して記番号を読み取り、該記番号が在高情報の記番号と一致することを確認する。確認を終えた紙幣は一時的に精査カセットに収納される。精査処理が終了すると、紙幣処理装置は、精査カセットから全ての紙幣を1枚ずつ繰り出して元の収納部に戻す。これにより、収納部に収納されている全ての紙幣が在高情報と一致する状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、精査処理時に収納部から全ての紙葉類を繰り出して一時的に別の場所に収納し、処理終了後には紙葉類を元の収納部へ戻す必要がある。紙葉類を元の収納部に戻し終えるまで、紙葉類処理装置は、他の紙葉類処理を行うことができない。このため紙葉類処理装置を長時間利用できなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術による課題に鑑みてなされたもので、収納部の在高の異常の有無を短時間で確認することができる紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、紙葉類を搬送するために装置内に設けられた搬送路と、装置外から紙葉類を受けて前記搬送路へ送り出す入金部と、前記搬送路を搬送される紙葉類の識別情報を取得するための識別部と、前記搬送路を搬送される紙葉類を受けて収納すると共に、収納した紙葉類を前記搬送路へ繰り出す収納繰出部と、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類を装置外へ排出するための排出部と、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、前記収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部を、前記収納繰出部から繰り出して前記識別部を経て前記排出部まで搬送すると共に、各紙葉類の識別情報を前記記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無を判定する在高確認処理を実行する制御部とを備え、前記排出部は、前記搬送路から受けた紙葉類を回収容器に収納する回収部であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記回収容器は、前記紙葉類処理装置に対して着脱可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記在高確認処理の確認対象とする所定枚数の紙葉類を前記回収容器に収納できない場合、前記制御部は、前記在高確認処理を実行せず、前記在高確認処理の実行が必要であることを報知する報知処理を実行することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記収納繰出部から確認対象の紙葉類の繰り出しを始める前に前記収納繰出部に新たに紙葉類が収納された場合、前記制御部は、新たに収納された紙葉類が前記収納繰出部から繰り出されるのを待って、前記収納繰出部から繰り出された確認対象の紙葉類の識別情報を取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、紙葉類を搬送するために装置内に設けられた搬送路と、
装置外から紙葉類を受けて前記搬送路へ送り出す入金部と、前記搬送路を搬送される紙葉類の識別情報を取得するための識別部と、前記搬送路を搬送される紙葉類を受けて収納すると共に、収納した紙葉類を前記搬送路へ繰り出す収納繰出部と、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類を装置外へ排出するための排出部と、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、前記収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部を、前記収納繰出部から繰り出して前記識別部を経て前記排出部まで搬送すると共に、各紙葉類の識別情報を前記記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無を判定する在高確認処理を実行する制御部とを備え、前記排出部は、出金処理時に、前記搬送路から受けた紙葉類を出金する出金部であり、前記収納繰出部から確認対象の紙葉類の繰り出しを終える前に前記収納繰出部に新たに紙葉類が収納された場合、前記制御部は、新たに収納された紙葉類が前記収納繰出部から繰り出されるのを待って、前記収納繰出部から繰り出された確認対象の紙葉類の識別情報を取得することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置であって、紙葉類を搬送するために装置内に設けられた搬送路と、装置外から紙葉類を受けて前記搬送路へ送り出す入金部と、前記搬送路を搬送される紙葉類の識別情報を取得するための識別部と、前記搬送路を搬送される紙葉類を受けて収納すると共に、収納した紙葉類を前記搬送路へ繰り出す収納繰出部と、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類を装置外へ排出するための排出部と、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の識別情報を記憶する記憶部と、前記収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部を、前記収納繰出部から繰り出して前記識別部を経て前記排出部まで搬送すると共に、各紙葉類の識別情報を前記記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無を判定する在高確認処理を実行する制御部とを備え、前記排出部は、出金処理時に、前記搬送路から受けた紙葉類を出金する出金部であり、確認対象の紙葉類が収納されている第1収納繰出部と、確認対象外の紙葉類が収納されている第2収納繰出部とがある場合、前記制御部は、前記第2収納繰出部の紙葉類より前記第1収納繰出部の紙葉類を優先して出金処理を実行することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出された所定枚数の紙葉類の識別情報が、前記紙葉類に対応して前記記憶部に記憶されている所定枚数分の識別情報の中に含まれている場合に、前記収納繰出部の在高に異常はないと判定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類の識別情報の一部の桁と、前記記憶部に記憶されていた識別情報の対応する桁とを比較して両者の一致を判定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出された紙葉類の識別情報が、前記記憶部に記憶されていた識別情報と一致しないと判定した場合、前記収納繰出部の紙葉類全てを調べる必要があることを報知する報知処理を実行することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程とを含み、前記排出部は、装置外に回収される紙葉類を回収容器に収納する回収部であることを特徴とする。
また、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程とを含み、前記排出部は、出金処理時に出金する紙葉類を装置外へ排出する出金部であり、前記収納繰出部から前記確認対象の紙葉類の繰り出しを終える前に前記収納繰出部に新たに紙葉類が収納された場合、新たに収納された紙葉類が前記収納繰出部から繰り出されるのを待って、前記収納繰出部から繰り出された前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得されることを特徴とする。
また、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程とを含み、前記排出部は、出金処理時に出金する紙葉類を装置外へ排出する出金部であり、前記確認対象の紙葉類が収納されている第1収納繰出部と、確認対象外の紙葉類が収納されている第2収納繰出部とがある場合、前記第2収納繰出部の紙葉類より前記第1収納繰出部の紙葉類を優先して出金処理が実行されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、各紙葉類を特定可能な識別情報が付された紙葉類を処理する紙葉類処理装置で、該装置が備える収納繰出部の在高を確認する必要が生じたときに行われる紙葉類処理方法であって、前記収納繰出部に収納されている紙葉類の一部が確認対象に設定される工程と、確認対象の紙葉類が前記収納繰出部から繰り出される工程と、前記確認対象の紙葉類の識別情報が取得される工程と、紙葉類を装置外へ排出するための排出部が、前記確認対象の紙葉類を受ける工程と、前記確認対象の紙葉類それぞれの識別情報を、記憶部に記憶されている識別情報と比較することにより前記収納繰出部の在高の異常の有無が判定される工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、紙葉類処理装置の収納繰出部の在高を確認する必要が生じた際に収納繰出部に収納されている紙葉類のうち、一部の紙葉類が確認対象に設定される。確認対象の紙葉類は、収納繰出部から繰り出されて調べられた後、元の収納繰出部には戻されず、紙葉類を装置外へ排出するための排出部へ送られる。これにより、収納繰出部の在高の異常の有無を短時間で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る紙幣処理装置の概要を説明するための模式図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る紙幣処理装置の内部構成概略を示す断面模式図である。
【
図3】
図3は、紙幣処理装置の機能構成概略を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、紙幣処理装置が実行する入金処理を説明するための模式図である。
【
図5】
図5は、紙幣処理装置が実行する出金処理を説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、紙幣処理装置が実行する回収処理を説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、在高確認処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法の実施の形態について説明する。まず、紙葉類処理装置の概要について説明する。
図1は、紙葉類処理装置の概要を説明するための模式図である。
【0024】
紙葉類処理装置1は、紙葉類5を処理する装置である。紙葉類5には、各紙葉類5を一意に特定するための識別情報が付されている。識別情報に基づいて、同じ種類の紙葉類5それぞれを区別できるようになっている。例えば、数字を含む文字と、記号との少なくともいずれか一方を利用して形成された番号が、識別情報として利用される。識別情報は、例えば、紙葉類5の表面に印刷されている。また、例えば、識別情報は、紙葉類5に設けられた小型の情報記憶用の素子に記録されている。
【0025】
紙葉類処理装置1は、収納繰出部3及び排出部4を備える。また、紙葉類処理装置1は、装置外から紙葉類5を受けて処理するための処理部2を備える。処理部2は、搬送路、識別部、制御部を含む。搬送路は、紙葉類5を搬送するために装置内に設けられ、紙葉類5を搬送するためのローラ及びベルトを含む搬送機構(コンベア)を備える。識別部は、イメージセンサ、磁気センサ等の複数のセンサを含み、これらのセンサを利用して搬送路を搬送される紙葉類5の識別情報を取得することができる。制御部は、各構成を制御する機能を有し、識別部から得たデータに基づいて紙葉類5の種類の識別及び枚数の計数を行うことができる。処理部2で処理された紙葉類5は、収納繰出部3又は排出部4へ送られる。なお、
図1には最小限の装置構成を示しているが、紙葉類処理装置1が備える収納繰出部3の数及び排出部4の数は特に限定されない。また、以下に記載する紙葉類処理装置1は、制御部、制御回路又は内部コンピュータと読み替えることができる。
【0026】
収納繰出部3は、処理部2から受けた紙葉類5を収納することができる。収納繰出部3は、収納中の紙葉類5を繰り出すことができる。収納繰出部3から繰り出された紙葉類5は、処理部2へ送られて、処理部2で処理された後、排出部4へ送られる。
【0027】
排出部4は、処理部2から受けた紙葉類5を紙葉類処理装置1の装置外へ排出することができる。例えば、排出部4は、装置外へ開放された開口を有する。排出部4が処理部2から受けた紙葉類5は、開口から抜き取られることにより装置外へ排出される。このような排出部4の構成は、従来知られている紙葉類処理装置の出金部に相当する。排出部4は出金部と呼ばれることがある。
【0028】
紙葉類処理装置1は、収納繰出部3に収納されている複数枚の紙葉類5それぞれの識別情報を、図示しない記憶部で管理している。具体的には、収納繰出部3に収納中の各紙葉類5の識別情報が、収納繰出部3から繰り出される各紙葉類5の識別情報を特定できるように、記憶部に保存されている。例えば、記憶部が保存する情報には、収納繰出部3に紙葉類5が収納された順番が含まれる。
【0029】
記憶部には、収納繰出部3の在高情報が保存されている。在高情報は、例えば、収納繰出部3に収納されている紙葉類5の枚数を含む。収納繰出部3が複数ある場合には、在高情報に、各収納繰出部3に収納される紙葉類5の種類がさらに含まれるようにしてもよい。収納繰出部3から繰り出された紙葉類5が処理部2で処理されて排出部4から排出された場合、紙葉類処理装置1は、記憶部の在高情報を更新する。例えば、在高情報にある、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の枚数から、排出部4から排出された紙葉類5の枚数が減じられる。
【0030】
紙葉類処理装置1は、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の枚数が、記憶部に保存されている在高情報と一致することを確認する必要が生ずると、在高確認処理を実行する必要があると判定する。例えば、収納繰出部3から1枚の紙葉類5を繰り出す際に意図せず2枚以上の紙葉類5が繰り出された場合に、紙葉類処理装置1は、収納繰出部3に収納されている紙葉類5の情報が記憶部に保存されている紙葉類5の情報と一致することを確認する必要が生じたと判定する。在高確認処理では、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の枚数が、記憶部に保存されている在高情報にある枚数と一致するか否かを判定する処理が行われる。
【0031】
紙葉類処理装置1は、在高確認処理で得られた判定結果を出力することができる。例えば、紙葉類処理装置1は、図示しない紙葉類処理装置1の表示部に判定結果を表示することができる。また、例えば、紙葉類処理装置1は、ネットワークを介して紙葉類処理装置1と通信接続された外部装置へ、判定結果を送信するための通信部を備えている。紙葉類処理装置1又は判定結果を受信した外部装置が、在高確認処理の判定結果を報知する。これにより、記憶部の情報に誤りがあった場合には、その原因を調査して情報を修正することが可能となる。
【0032】
在高確認処理を開始した紙葉類処理装置1は、確認対象の紙葉類5を特定する(
図1ステップA1)。具体的には、紙葉類処理装置1は、在高確認処理の実行が必要であると判定した時点で収納繰出部3に収納されている紙葉類5のうち、一部の紙葉類5を確認対象に設定すると共に、記憶部に保存されている識別情報を参照して、確認対象に設定した紙葉類5それぞれの識別情報を特定する。確認対象の紙葉類5を設定するための情報は、予め記憶部に保存されている。例えば、収納繰出部3から最初に繰り出される紙葉類5から順に、5枚の紙葉類5を確認対象に設定するという情報が記憶部に保存されている。
【0033】
紙葉類処理装置1は、収納繰出部3から確認対象の紙葉類5を繰り出して各紙葉類5の識別情報を処理部2で読み取り、読み取った識別情報が、記憶部に保存されていた識別情報と一致するか否かを調べる(ステップA2)。
【0034】
例えば、紙葉類処理装置1は、記憶部に記憶された条件に基づいて、在高確認処理の実行が必要になった時点で収納繰出部3に収納されていた紙葉類5のうち、収納繰出部3から最初に繰り出される紙葉類5から順に、5枚の紙葉類5を確認対象に設定する。紙葉類処理装置1は、これら5枚の紙葉類5を収納繰出部3から繰り出して、各紙葉類5の識別情報を処理部2の識別部で読み取り、これら5枚に対応して記憶部に保存されている5つの識別情報と比較する。識別情報の比較については、処理部2で読み取った紙葉類5の識別情報の全ての桁と、この紙葉類5に対応して記憶部に保存されていた識別情報の全ての桁とを比較するようにしてもよいし、識別情報の一部の桁と、記憶部の識別情報の対応する桁とを比較するようにしてもよい。
【0035】
収納繰出部3に収納されていた紙葉類5から読み取った5つの識別情報が、記憶部に保存されていた5つの識別情報と一致した場合、紙葉類処理装置1は、収納繰出部3に収納中の全ての紙葉類5の識別情報が、記憶部に保存されている識別情報と一致すると判定する。すなわち、紙葉類処理装置1は、在高情報に誤りはなく、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の枚数は、記憶部に保存されている在高情報と一致すると判定する。
【0036】
在高確認処理の確認対象とされた紙葉類5は、処理部2で識別情報を読み取られた後、排出部4へ送られる(ステップA3)。在高確認処理の終了後、排出部4へ送られた紙葉類5は、装置内を移動して排出部4から処理部2及び収納繰出部3へ戻ることはなく、装置外へ排出される。このため、在高確認処理終了後に記憶部に保存されている情報が更新されると、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の情報には、排出部4へ送られた紙葉類5、すなわち在高確認処理の確認対象となった紙葉類5の情報は含まれない状態となる。具体的には、紙葉類処理装置1は、記憶部に保存されている在高情報にある紙葉類5の枚数から、収納繰出部3から繰り出された紙葉類5の枚数である5枚を減ずる。また、紙葉類処理装置1は、記憶部に保存されている紙葉類5の識別情報から、収納繰出部3から繰り出された5枚の紙葉類5の識別情報を削除する。
【0037】
一方、収納繰出部3に収納されていた紙葉類5から読み取った5つの識別情報が、記憶部に保存されていた5つの識別情報と一致しなかった場合、紙葉類処理装置1は、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の情報が、記憶部に保存されている情報と一致せず、記憶部の情報に誤りがあると判定する。この場合、紙葉類処理装置1は、例えば、上述したステップA1~A3の処理を複数回実行して、判定結果を確定することができる。
【0038】
具体的には、紙葉類処理装置1は、確認対象の紙葉類5から読み取った識別情報が、記憶部に保存されていた識別情報と一致するまで、予め記憶部に保存された設定回数を上限回数として、上述したステップA1~A3の処理を繰り返す。上限回数は例えば3回である。上限回数に達するまでに、収納繰出部3から繰り出された確認対象の紙葉類5の識別情報が記憶部の識別情報と一致した場合、紙葉類処理装置1は、在高情報に誤りはないと判定して処理を終了する。一方、上限回数の在高確認処理を実行しても、収納繰出部3から繰り出された紙葉類5の識別情報が、記憶部の識別情報と一致しなかった場合、紙葉類処理装置1は、記憶部の在高情報に誤りがあるとする判定結果を確定する。
【0039】
在高情報に誤りがあった場合、紙葉類処理装置1は、収納繰出部3の在高情報を正常な状態に戻すための処理が必要と判定する。紙葉類処理装置1は、収納繰出部3に収納された紙葉類全てを調べる必要があることを報知する報知処理を実行する。
【0040】
このように、紙葉類処理装置1は、在高確認処理の実行時に収納繰出部3から一部の紙葉類5を繰り出して調べ、調べた紙葉類5を収納繰出部3へ戻さず排出部4を経て装置外へ排出する点に1つの特徴を有する。紙葉類処理装置1は、在高確認処理の実行時、従来装置のように収納繰出部3から繰り出して調べた紙葉類5を元の収納繰出部3へ戻す処理を行わない。このため、紙葉類処理装置1は、従来に比べて短時間で在高確認処理を終えることができる。また、紙葉類処理装置1は、在高確認処理時に紙葉類5を一時的に収納すると共に、元の収納繰出部3へ戻すためにこの紙葉類5を繰り出す構成部を備える必要がない。
【0041】
紙葉類処理装置1が、在高情報を確認する必要が生じた時点で収納繰出部3に収納されていた所定枚数の紙葉類5を確認対象に設定した後、これらの紙葉類5の識別情報を読み取る前に、収納繰出部3に新たに別の紙葉類5が収納される場合がある。この場合、紙葉類処理装置1は、新たに収納された紙葉類5が収納繰出部3から繰り出されて排出部4に排出された後に、確認対象に設定した紙葉類5を調べる。
【0042】
紙葉類処理装置1が、第1収納繰出部及び第2収納繰出部を含む複数の収納繰出部3を備え、第1収納繰出部で在高確認処理の実行が必要な状況下で、収納繰出部3の紙葉類5を繰り出して処理部2による処理を行う場合がある。この場合、紙葉類処理装置1は、第2収納繰出部の紙葉類5よりも第1収納繰出部の紙葉類5を優先して、処理部2による処理を実行する。例えば、処理部2が、収納繰出部3の紙葉類5を、出金部である排出部4から排出する出金処理を行う場合、確認対象外の紙葉類5を収納している第2収納繰出部より確認対象の紙葉類5を収納している第1収納繰出部が優先され、第1収納繰出部の紙葉類5が出金される。処理部2が、出金処理中に第1収納繰出部から繰り出された、確認対象の紙葉類5から識別情報を読み取ることにより、上述したように在高確認処理が行われることになる。
【0043】
排出部4は、入金される紙葉類5を受け付ける入金部と、出金される紙葉類5を集積する出金部とを兼ねる構成となっていてもよい。このような排出部4の構成は従来知られている自動取引装置の取引口の構成に相当する。
【0044】
排出部4は、処理部2から受けた紙葉類5を、装置外に回収される紙葉類5として収納する回収部であってもよい。また、排出部4は、装置外に回収される紙葉類5を収納するための回収容器に、処理部2から受けた紙葉類5を収納する回収部であってもよい。例えば、回収部は、紙葉類処理装置1から引き出し可能に構成されており、回収容器は、回収部に対して着脱可能になっている。紙葉類5を収納した回収容器が紙葉類処理装置1から取り外されることにより、紙葉類5は回収容器ごと装置外へ排出される。このような排出部4の構成は、回収袋、回収カセット等の回収容器に紙葉類5を収納する、従来知られている紙葉類処理装置の回収部に相当する。以下、排出部4が回収部である場合の紙葉類処理装置1の動作を説明する。なお、上述した紙葉類処理装置1の構成及び動作と重複する説明は省略する。
【0045】
排出部4が回収部である場合、記憶部には、収納繰出部3の在高情報と、回収部の在高情報とが保存される。回収部の在高情報は、回収部に収納されている紙葉類5の枚数を含む。収納繰出部3で在高確認処理の実行が必要になると、紙葉類処理装置1は、上述したステップA1~A3の処理を実行し、実行後に、記憶部に保存されている収納繰出部3の在高情報及び回収部の在高情報を更新する。具体的には、紙葉類処理装置1は、収納繰出部3の在高情報にある、収納繰出部3に収納中の紙葉類5の枚数から、収納繰出部3から繰り出された紙葉類5の枚数を減ずると共に、減じた枚数を、回収部の在高情報にある、回収部に収納中の紙葉類5の枚数に加算する。また、紙葉類処理装置1は、記憶部に保存されている識別情報から、在高確認処理中に収納繰出部3から繰り出された紙葉類5の識別情報を削除する。
【0046】
回収部に収納されている紙葉類5の枚数が、回収部に収納可能な紙葉類5の枚数を示す収納上限枚数に達している場合、又は収納上限枚数に近い枚数である場合、紙葉類処理装置1は、ステップA1で確認対象に設定する紙葉類5を回収部に収納できるか否かを判定する。判定条件は予め記憶部に保存されている。在高確認処理を実行できないと判定した場合、紙葉類処理装置1は、収納繰出部3の在高確認処理が必要である旨の情報を記憶部に保存する。また、紙葉類処理装置1は、在高確認処理が必要な状態であることを報知する報知処理を実行する。報知処理は、例えば、紙葉類処理装置1の表示部に在高確認処理が必要である旨を示す情報を表示することによって行われる。このとき、収納繰出部3が複数ある場合には、さらに、どの収納繰出部3の在高確認処理が必要であるかを示す情報を表示するようにしてもよい。
【0047】
紙葉類処理装置1が処理する紙葉類5には、紙幣及び小切手が含まれるが、各紙葉類5を特定可能な識別情報が紙葉類5に付されていれば、紙葉類処理装置1が処理対象とする紙葉類5の種類は特に限定されない。以下、紙葉類処理装置1が、紙幣を処理対象とする紙幣処理装置である場合を例に具体的に説明する。
【0048】
図2は、本実施形態に係る紙幣処理装置(紙葉類処理装置)1の内部構成概略を示す断面模式図である。
図3は、紙幣処理装置1の機能構成概略を示すブロック図である。紙幣処理装置1は、例えば、硬貨処理装置と共に店舗のチェックアウトカウンターに設置される。紙幣処理装置1は、店舗で行われる客との取引時に、客が物品を購入するために代金として支払う紙幣の入金処理と、客に釣銭として返す紙幣の出金処理とを行う。
【0049】
紙幣処理装置1は、入金部10、出金部20、識別部30、搬送部40、回収部50、複数の収納部60(60a、60b)及びリジェクト部70を有する。入金部10は、入金処理時に、入金される紙幣を受ける。出金部20は、出金処理時に、出金される紙幣を集積する。
【0050】
図2の収納部60が
図1の収納繰出部3に対応し、識別部30が
図1の処理部2に対応する。出金部20と回収部50のそれぞれが
図1の排出部4に対応する。出金部20を利用する在高確認処理と、回収部50を利用する在高確認処理とを説明するため、これら両方を備える紙幣処理装置1の例を示しているが、紙幣処理装置1が出金部20と回収部50のいずれか一方のみを備える態様であってもよい。
【0051】
識別部30は、イメージセンサ、超音波センサ、磁気センサ等の各種センサを備えている。識別部30は、各センサを利用して、入金される紙幣及び出金される紙幣の種類を識別するための識別データの取得と、紙幣の記番号を読み取るための画像データの取得とを行う。識別データには、例えば、金種、真偽及び正損を識別するためのデータが含まれる。識別部30は、取得した識別データ及び画像データを、
図2に示す制御部100へ送信する。記番号は、各紙幣を特定可能な識別情報である。
【0052】
紙幣処理装置1の装置内には、入金部10、出金部20、識別部30、回収部50、収納部60及びリジェクト部70を接続する搬送路が設けられている。搬送部40は、この搬送路に沿って紙幣を搬送するためのローラ及びベルトを含む搬送機構(コンベア)と、搬送路の分岐部で紙幣の搬送方向を変更するための分岐機構とを備えている。
【0053】
回収部50は、入金部10及び出金部20のある装置前面側(
図2右側)に引き出し可能に設けられている。回収部50は、紙幣を回収するための回収容器51を着脱できるように構成されている。例えば、回収袋又は回収カセットが、回収容器51として利用される。店員が、回収部50を装置外へ引き出して回収容器51を装着し、回収部50を装置内へ戻すと、回収部50が搬送路と接続される。回収部50は、搬送路を搬送されてきた紙幣を受けて回収容器51へ収納する。回収部50は、搬送路への紙幣の繰り出しは行わず、装置外へ回収される紙幣の回収容器51への収納のみを行う。すなわち、回収部50は、着脱可能に設けられた回収容器51に紙幣を繰出不能に収納する。回収容器51に紙幣が収納された後、店員は、回収部50を装置外へ引き出し、紙幣が収納された回収容器51を回収部50から取り外すことにより、紙幣を回収容器51ごと装置外へ回収することができる。
【0054】
収納部60はテープ式の収納繰出部である。2つの収納部60a、60bに、4つのドラム81(81a、81b)、82(82a、82b)が含まれている。収納部60aは2つのドラム81a、82aを利用して紙幣の収納及び繰り出しを行う。収納部60bは2つのドラム81b、82bを利用して紙幣の収納及び繰り出しを行う。具体的には、テープの一端が外周面に固定されたドラム81、82が回転して、搬送路を搬送されてきた紙幣がテープと共にドラム81、82の外周面に巻き取られて収納される。紙幣を繰り出す際にはドラム81、82が収納時と逆方向に回転し、外周面に巻き取られていた紙幣が搬送路へ繰り出される。店舗の店員は、収納部60に収納する紙幣の種類を設定することができる。例えば、店員は、各ドラム81a、81b、82a、82bに収納する紙幣の金種を設定することにより、2つの収納部60a、60bに4種類の金種の紙幣を金種別に収納することができる。
【0055】
リジェクト部70は、リジェクト紙幣を収納して装置内に保管する。例えば、紙幣が偽の紙幣と識別された場合、この紙幣は、後で調べるために、リジェクト紙幣としてリジェクト部70に保管される。
【0056】
図3に示すように、紙幣処理装置1は、
図2に示す構成の他に、制御部100、操作部110及び記憶部120を有する。操作部110は、各種情報を紙幣処理装置1に入力するための入力部として機能すると共に、各種情報を表示する表示部として機能する。店員は、操作部110を操作して、紙幣処理の実行、紙幣処理に関する設定の更新、紙幣処理に関する情報の確認を行うことができる。
【0057】
例えば、操作部及び表示部を備える操作端末が紙幣処理装置1と通信可能に接続され、操作部110として利用される。また、例えば、紙幣処理装置1がタッチパネル式の液晶表示部を備え、これが操作部110として利用される。
【0058】
紙幣処理装置1がチェックアウトカウンターで精算処理に利用される場合、例えば、操作部及び表示部を備えるキャッシュレジスタを、紙幣処理装置1と通信可能に接続して、操作部110として利用することができる。また、例えば、POS(Point of Sales)を構成する、操作部及び表示部を備えるPOS端末を、紙幣処理装置1と通信可能に接続して、操作部110として利用することができる。
【0059】
記憶部120は、不揮発性の記憶装置である。記憶部120は、回収部50及び収納部60の在高情報の保存に利用される。在高情報には、回収部50に回収された紙幣、すなわち回収容器51に収納された紙幣の金種、金種別枚数及び記番号を示す情報が含まれる。
【0060】
在高情報には、収納部60aの2つのドラム81a、82aそれぞれに収納されている紙幣の金種、金種別枚数及び記番号を示す情報が含まれる。また、在高情報には、収納部60bの2つのドラム81b、82bそれぞれに収納されている紙幣の金種、金種別枚数及び記番号を示す情報が含まれる。紙幣の記番号は、ドラム81、82に収納された順序(収納順序)と関連付けて管理されている。これにより、制御部100は、在高情報に基づいて、収納部60から繰り出される各紙幣の金種及び記番号を特定できるようになっている。すなわち、制御部100は、収納部60a、60bの4つのドラム81a、81b、82a、82bそれぞれから次に繰り出される紙幣の金種及び記番号を特定することができる。
【0061】
記憶部120は、この他、制御部100の動作に必要な情報の保存に利用される。制御部100が、操作部110で行われた操作に基づいて記憶部120の情報を利用しながら
図2及び
図3に示す各部を制御することにより、本実施形態に記載する紙幣処理装置1の機能及び動作が実現されている。
【0062】
紙幣処理装置1は、様々な紙幣処理を実行することができる。
図4は、紙幣処理装置1が実行する入金処理を説明するための模式図である。店員は、操作部110を操作して入金処理を開始する。入金処理は、装置外から紙幣を受け入れて装置内に収納する処理である。
【0063】
店員は、入金する複数枚の紙幣を入金部10に載置することができる。入金部10は、制御部100によって制御され、載置された紙幣を1枚ずつ装置内の搬送路へ繰り出す。搬送部40は、制御部100によって制御され、
図4に矢印で示すように搬送路に沿って紙幣を搬送する。
【0064】
識別部30は、搬送路に沿って搬送される紙幣から識別データ及び画像データを取得する。制御部100は、識別部30から識別データ及び画像データを受信する。制御部100は、識別データに基づいて紙幣の種類を識別し、紙幣を入金可能であるか否かを判定する。制御部100は、画像データのOCR(Optical Character Recognition)処理を行って紙幣の記番号を読み取る。
【0065】
制御部100が入金可能と判定した紙幣は、識別結果に基づいて、紙幣の種類に対応する収納部60まで搬送される。収納部60は、搬送されてきた紙幣を収納する。具体的には、紙幣は、識別結果に対応する4つのドラム81a、81b、82a、82bのいずれかに巻き取られて収納される。制御部100は、収納部60に収納された紙幣の識別結果及び記番号に基づいて、記憶部120に保存されている収納部60の在高情報を更新する。
【0066】
図4には示していないが、制御部100が入金できないと判定したリジェクト紙幣は、出金部20まで搬送される。出金部20は、搬送されてきた紙幣を集積する。ただし、偽の紙幣を装置内に保管する設定情報が予め記憶部120に保存されている場合、制御部100が偽の紙幣と識別したリジェクト紙幣は、リジェクト部70まで搬送される。リジェクト部70は、搬送されてきたリジェクト紙幣を収納して装置内に保管する。リジェクト部70に収納されたリジェクト紙幣は、後に店員によって装置外へ回収されることになる。
【0067】
店員は、操作部110を操作して出金処理を行うことができる。
図5は、紙幣処理装置1が実行する出金処理を説明するための模式図である。店員は、操作部110を操作して、出金内容を示す情報を入力する。入力された情報は、操作部110から制御部100に送信される。収納部60は、制御部100によって制御され、出金される紙幣を1枚ずつ搬送路へ繰り出す。具体的には、出金される各紙幣が、4つのドラム81a、81b、82a、82bのいずれかから1枚ずつ順に搬送路へ繰り出される。搬送部40は、制御部100によって制御され、
図5に矢印で示すように紙幣を搬送する。
【0068】
識別部30は、搬送路に沿って搬送される紙幣から識別データ及び画像データを取得する。制御部100は、識別部30から識別データ及び画像データを受信する。制御部100は、識別データに基づいて紙幣の種類を識別する。制御部100は、画像データのOCR処理を行って紙幣の記番号を読み取る。
【0069】
紙幣は、識別部30から出金部20まで搬送される。出金部20は、搬送されてきた紙幣を集積する。店員は、出金された紙幣を出金部20から装置外へ取り出すことができる。制御部100は、出金された紙幣の識別結果及び記番号に基づいて、記憶部120に保存されている収納部60の在高情報を更新する。
【0070】
店員は、操作部110を操作して回収処理を行うことができる。回収処理は、紙幣処理装置1から装置外へ回収する紙幣を、回収部50の回収容器51に収納する処理である。店員は、操作部110を操作して回収処理を実行し、回収対象の紙幣が回収容器51に収納された後、回収容器51を回収部50から取り外して装置外へ回収する。
【0071】
図6は、紙幣処理装置1が実行する回収処理を説明するための模式図である。回収処理時には、収納部60から搬送路に繰り出された紙幣が識別部30を経て回収部50へ搬送される。収納部60から識別部30へ至る搬送経路と、識別部30から回収部50へ至る搬送経路とが一部で重なるため、
図6では、これらの搬送経路を
図6(a)と
図6(b)とに分けて示している。
【0072】
回収処理が開始されると、収納部60にある回収対象の紙幣が1枚ずつ順に搬送路に繰り出されて、
図6(a)に矢印で示すように識別部30まで搬送される。識別部30が紙幣から識別データ及び画像データを取得した後、
図6(b)に示すように、紙幣は回収部50まで搬送される。回収部50は、搬送されてきた紙幣を回収容器51に収納する。
【0073】
制御部100は、識別部30から識別データ及び画像データを受信して、識別データに基づいて紙幣の種類を識別すると共に、画像データのOCR処理を行って紙幣の記番号を読み取る。制御部100は、回収容器51に収納された紙幣の識別結果及び記番号に基づいて、記憶部120に保存されている回収部50の在高情報、すなわち回収容器51の在高情報を更新する。
【0074】
紙幣処理装置1は、収納部60の在高を確認する在高確認処理を実行する必要があるか否かを判定する。在高確認処理は、収納部60に収納されている紙幣の枚数及び金額が、記憶部120の在高情報で情報を管理している紙幣の枚数及び金額と一致することを確認するための処理である。収納部60に実際に収納されている紙幣の情報と、在高情報で管理されている紙幣の情報とが一致する場合に、収納部60の在高に異常はない、すなわち収納部60の在高情報に誤りはないと判定されることになる。紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行する際、従来のように収納部60の紙幣を調べて一旦別の場所に収納した後に再び元の収納部60に戻すのではなく、収納部60の紙幣を回収又は出金しながら調べる点に1つの特徴を有する。
【0075】
例えば、収納部の1つのドラムの在高を確認する際には、このドラムの紙幣が調べられる。また、例えば、1つの収納部の在高を確認する際には、この収納部の全てのドラムそれぞれの紙幣が調べられる。紙幣を調べる処理は、収納部毎に同様に行われ、ドラム毎に同様に行われる。以下、説明を簡単にするため、収納部60の1つのドラム81の紙幣を調べる場合を例に、ドラム81を収納部60と記載して説明を続ける。
【0076】
図7は、在高確認処理を説明するためのフローチャートである。紙幣処理装置1は、収納部60の在高の確認が必要になった時点でこの収納部60に収納されている紙幣のうち、所定枚数の紙幣を確認対象に設定する。紙幣処理装置1は、確認対象に設定した紙幣を収納部60から繰り出して調べることにより、収納部60の在高の異常の有無を判定する。確認対象とする紙幣の枚数は、店員が設定により変更することができる。確認対象紙幣の枚数は1枚でもよいし複数枚でもよく特に限定されないが、以下、5枚の紙幣を確認対象とする場合を例に説明を続ける。
【0077】
紙幣処理装置1は、収納部60の紙幣を確認する必要があるか否かを監視している(ステップS1;No)。例えば、収納部60で紙幣の収納及び繰り出しを行っている間に紙幣の詰まりが生じて店員がこの詰まりを解消する作業を行った場合、紙幣処理装置1は収納部60の在高を確認する必要があると判定する(ステップS1;Yes)。
【0078】
紙幣処理装置1は、収納部60の在高を確認する必要が生ずると、この収納部60から最初に繰り出される紙幣から順に5枚目に繰り出される紙幣まで、合計5枚の紙幣を、確認対象に設定する(ステップS2)。
【0079】
紙幣処理装置1は、在高を確認する必要が生じたことを店員に報知するための報知処理を実行する(ステップS3)。報知処理は、例えば、紙幣処理装置1で在高を確認する必要が生じたことを示す情報と、確認対象の収納部60を示す情報とを操作部110の画面に表示することによって行われる。紙幣処理装置1が店舗のチェックアウトカウンターでキャッシュレジスタと接続して利用されている場合、キャッシュレジスタの表示部を利用して報知処理が行われる。
【0080】
紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行可能であるか否かを判定する(ステップS4)。紙幣処理装置1は、収納部60から確認対象の紙幣を繰り出して調べた後、この紙幣を回収部50の回収容器51に回収するか又は出金部20から出金する。紙幣を回収しながら調べるか、出金しながら調べるかは、店員が設定により変更できるようになっている。
【0081】
紙幣を回収しながら在高を確認するよう設定されている場合、紙幣処理装置1は、5枚の紙幣を調べ終えた後、これら5枚の紙幣を回収容器51に収納できるか否かを判定する。5枚の紙幣を回収容器51に収納できない場合、紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行できないと判定する(ステップS4;No)。例えば、400枚の紙幣を収納可能な回収容器51に396枚以上の紙幣が収納され、確認対象の5枚の紙幣全てを回収容器51に収納できない場合、紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行できないと判定する。
【0082】
紙幣を出金しながら在高を確認するよう設定されている場合、紙幣処理装置1は、収納部60から5枚の紙幣を出金できるか否か、すなわち5枚の紙幣を収納部60から繰り出せるか否かを判定する。収納部60から5枚の紙幣を繰り出すことができない場合、紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行できないと判定する(ステップS4;No)。
【0083】
例えば、収納部60に収納されている紙幣枚数が、予め設定された閾値枚数以下となる場合に、紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行できないと判定する(ステップS4;No)。紙幣処理装置1では、収納部60への紙幣の補充が必要となる閾値枚数がニアエンプティ枚数として設定されている。ニアエンプティ枚数は、収納部60に収納されている金種別に設定することができる。例えば、ニアエンプティ枚数が20枚と設定され、収納部60から確認対象の5枚の紙幣を繰り出すと収納部60の紙幣が20枚以下になる場合、紙幣処理装置1は、在高確認処理を実行できないと判定する。
【0084】
在高確認処理を実行できない場合(ステップS4;No)、紙幣処理装置1は、店員にこれを報知して(ステップS15)、処理を終了する。報知処理は、例えば、在高確認処理を実行不能であることを示す情報と、在高確認処理を実行できない理由を示す情報とを操作部110の画面に表示することによって行われる。
【0085】
在高確認処理を実行可能である場合(ステップS4;Yes)、紙幣処理装置1は、収納部60から繰り出して調べた紙幣を、回収部50に回収する設定と、出金部20から出金する設定との、いずれの設定となっているかを判定する(ステップS5)。
【0086】
紙幣を回収しながら調べる設定となっている場合(ステップS5;Yes)、紙幣処理装置1は、
図6で説明したように収納部60から紙幣を1枚ずつ繰り出して記番号を読み取り(ステップS6)、回収部50に搬送して回収容器51に収納する(ステップS7)。
【0087】
紙幣処理装置1は、確認対象の5枚の紙幣を1枚ずつ収納部60から繰り出して、各紙幣の記番号を読み取る。1枚目の紙幣を回収容器51に収納した紙幣処理装置1は、残り4枚の紙幣を調べる必要があるため(ステップS8;No)、ステップS6及びS7の処理を繰り返す。ステップS6及びS7の処理を実行している間、操作部110の画面上には、在高確認処理を実行中であることを示す情報が表示される。
【0088】
紙幣処理装置1が、収納部60から繰り出された紙幣の記番号を読み取ることができなかった場合、この紙幣は回収容器51に収納されるが、確認対象の紙幣から除外される。紙幣処理装置1は、ステップS1で収納部60の在高を確認する必要が生じた際に収納部60に収納されていた5枚の紙幣から記番号を取得できるまで、ステップS5及びS6の処理を繰り返す。
【0089】
例えば、紙幣処理装置1が、収納部60から繰り出した1枚目の紙幣の記番号を読み取ることができず、続いて繰り出した5枚の紙幣の記番号を読み取ることができた場合、収納部60から合計6枚の紙幣を繰り出して紙幣5枚分の記番号を得たことになる。
【0090】
在高確認処理時に収納部60から繰り出される紙幣の上限枚数を設定することも可能となっている。例えば、繰出上限枚数が10枚に設定されている場合、紙幣処理装置1は、ステップS5及びS6の処理を繰り返して、紙幣5枚の記番号を取得できないまま繰出枚数が10枚に到達すると、在高確認処理を中止してこれを店員に報知するようになっている。
【0091】
報知を受けた店員は、操作部110を操作して、取得した4つ以下の記番号で在高確認処理を続けるか、収納部60から紙幣をさらに繰り出して紙幣5枚分の記番号を取得してから在高確認処理を続けるかを選択できるようになっている。取得した記番号のみで在高確認処理を続けることが選択された場合、紙幣処理装置1は、取得済みの記番号を利用して以下の処理を継続する。収納部60からさらに紙幣を繰り出すことが選択された場合、紙幣処理装置1はステップS6及びS7の処理を繰り返して紙幣5枚分の記番号を取得する。以下、紙幣5枚分の記番号を取得したものとして説明を続ける。
【0092】
確認対象の紙幣5枚の記番号が得られると(ステップS8;Yes)、紙幣処理装置1は、得られた5つの記番号に基づいて、収納部60の在高に問題がないか判定する(ステップS13)。
【0093】
ステップS1で収納部60の在高を確認する必要が生じた際に紙幣処理装置1で紙幣処理を実行中でなかった場合、ステップS6以降の処理はすぐに開始される。一方、紙幣処理装置1で入金処理又は出金処理を実行中であった場合、紙幣処理装置1は、実行中の処理を終えてからステップS6以降の処理を開始する。この場合も、紙幣処理装置1は、収納部60の紙幣を確認する必要が生じた際に収納部60に収納されていた紙幣を対象に、ステップS6及びS7の処理を実行する。例えば、入金処理の実行中であったために、ステップS2で確認対象の紙幣を設定した後に収納部60に新たに紙幣が収納された場合、紙幣処理装置1は、新たに収納された紙幣を繰り出して回収部50で回収容器51に収納した後、上述したように確認対象紙幣の記番号を取得する。
【0094】
紙幣を出金しながら調べる設定となっている場合(ステップS5;No)、紙幣処理装置1は、出金処理が実行されるまで待機する(ステップS9;No)。出金処理が実行されると(ステップS9;Yes)、紙幣処理装置1は、
図5で説明したように収納部60から1枚ずつ紙幣を繰り出して記番号を読み取り(ステップS10)、出金部20に搬送して出金する(ステップS11)。
【0095】
紙幣処理装置1は、出金処理中に、ステップS2で確認対象に設定された5枚の紙幣の記番号を取得する。1枚目の紙幣を出金した紙幣処理装置1は、残り4枚の紙幣を調べる必要があるため(ステップS12;No)、ステップS9に戻って、ステップS10及びS11の処理を繰り返す。ステップS10及びS11の処理を実行している間、操作部110の画面上には、在高確認処理を実行中であることを示す情報が表示される。
【0096】
紙幣処理装置1が、収納部60から繰り出された紙幣の記番号を読み取ることができなかった場合、この紙幣は出金部20から出金されるが、確認対象の紙幣から除外される。紙幣処理装置1は、紙幣を回収しながら調べる場合と同様に、ステップS1で収納部60の在高を確認する必要が生じた際に収納部60に収納されていた5枚の紙幣から記番号を取得できるまで、ステップS10及びS11の処理を繰り返す。例えば、紙幣5枚分の記番号を得るために6枚以上の紙幣が出金される場合がある。
【0097】
1回の出金処理中に、確認対象の紙幣5枚全てが出金されなかった場合、紙幣処理装置1は、ステップS9の待機状態(ステップS9;No)に戻り、その後に行われる出金処理でステップS10及びS11を実行して、残りの紙幣の記番号を取得する。
【0098】
在高を確認する必要が生じた際に収納部60に収納されていた5枚の紙幣の記番号を取得できるまで、1回又は複数回の出金処理中に、ステップS10及びS111の処理が繰り返し行われることになる。確認対象の紙幣5枚の記番号が得られると(ステップS12;Yes)、紙幣処理装置1は、得られた5つの記番号に基づいて、収納部60の在高に問題がないか判定する(ステップS13)。
【0099】
確認対象の紙幣5枚の記番号を取得できるまでの間、紙幣処理装置1は、在高確認処理の対象である収納部60を優先的に利用して出金処理を実行する。すなわち、紙幣処理装置1は、確認対象の紙幣5枚の記番号をなるべく早く得られるように、確認対象の紙幣が収納されているドラム81、82を優先して出金処理を行う。
【0100】
例えば、収納部60aのドラム81aに5ユーロ紙幣、ドラム82aに10ユーロ紙幣が収納され、収納部60bのドラム81bに20ユーロ紙幣、ドラム82bに50ユーロ紙幣が収納されているとする。5ユーロ紙幣を収納する収納部60aのドラム81aで紙幣詰まりが生じ、これを解消する作業が行われたためにドラム81aの紙幣を調べる必要が生じたものとする。
【0101】
この状態で、例えば客との取引時に25ユーロの釣銭を出金することになった場合、紙幣処理装置1は、通常であれば10ユーロ紙幣2枚及び5ユーロ紙幣1枚を出金するところ、5ユーロ紙幣5枚を出金する。すなわち、紙幣処理装置1は、通常は紙幣の出金枚数を最小にする金種の組み合わせで釣銭を出金するが、在高確認処理の実行中は、確認対象の5ユーロ紙幣を優先して出金する。この結果、紙幣処理装置1は、1回の出金処理を行って、確認対象に設定された5ユーロ紙幣5枚の記番号を取得することができる。
【0102】
また、例えば、客との取引時に10ユーロの釣銭を出金することになった場合、紙幣処理装置1は、通常であれば10ユーロ紙幣1枚を出金するところ、5ユーロ紙幣2枚を出金して、確認対象に設定された5ユーロ紙幣5枚のうち2枚の記番号を読み取る。その後、例えば、別の客との取引で15ユーロの釣銭を出金することになった場合、紙幣処理装置1は、通常であれば10ユーロ紙幣1枚及び5ユーロ紙幣1枚を出金するところ、5ユーロ紙幣3枚を出金して、確認対象に設定された5ユーロ紙幣5枚のうち、収納部60に残っていた5ユーロ紙幣3枚の記番号を読み取る。この結果、紙幣処理装置1は、2回の出金処理を行って、確認対象に設定された5ユーロ紙幣5枚の記番号を取得することができる。
【0103】
収納部60の在高を確認する必要が生じた際に紙幣処理装置1で紙幣処理を実行中でない場合はステップS9以降の処理がすぐに開始されるが、紙幣処理を実行中である場合は、実行中の処理を終えてからステップS9以降の処理が開始される。
【0104】
紙幣処理装置1は、在高を確認する必要が生じた時点で収納部60に収納されていた紙幣を確認対象に設定して、所定枚数の紙幣の記番号を読み取る。収納部60に新たに別の紙幣が収納された場合、紙幣処理装置1は、新たに収納された紙幣が出金されるのを待って、確認対象に設定した紙幣を調べる。
【0105】
例えば、収納部60の在高を確認する必要が生じて確認対象の5枚の紙幣が設定された後、これら5枚の確認対象紙幣が出金される前に入金処理が行われて収納部60に新たに3枚の紙幣が収納されたとする。この場合、紙幣処理装置1は、新たに収納された3枚の紙幣が出金されるのを待って、その後に出金される確認対象紙幣5枚の記番号を取得する。この間、紙幣処理装置1は、上述したように、新たに紙幣が収納された収納部60、すなわち確認対象の紙幣が収納された収納部60を優先して出金処理を行う。
【0106】
こうして、紙幣を回収又は出金しながら5枚の紙幣の記番号を取得した紙幣処理装置1は(ステップS8;Yes、ステップS12;Yes)、紙幣から読み取った記番号が、記憶部120の在高情報に記録されている記番号と一致するか否かを判定する(ステップS13)。
【0107】
記憶部120では、収納部60に収納されている紙幣の記番号が、収納部60から繰り出される紙幣の順序と関連付けて管理されている。紙幣処理装置1は、記憶部120を参照して、記番号を読み取った5枚の紙幣に対応して在高情報に記録されている5つの記番号を特定する。
【0108】
紙幣処理装置1は、収納部60から繰り出して読み取った5枚の紙幣の記番号と、在高情報に、これらの紙幣と対応して記録されていた5枚の紙幣の記番号とを比較する。紙幣処理装置1は、紙幣から読み取った5つの記番号が、在高情報に記録されていた5つの記番号と一致した場合に、収納部60に収納されている全ての紙幣の情報が、記憶部120の在高情報に記録されている情報と一致すると判定する。すなわち、紙幣処理装置1は、記憶部120に保存されている収納部60の在高情報に誤りはないと判定する。
【0109】
記番号を比較する際、紙幣処理装置1は、記番号の順序を問わずに一致の判定を行う。具体的には、在高情報に繰出順に記録されていた5枚の紙幣の記番号の順序と、実際に収納部60から繰り出された5枚の紙幣の記番号の順序とが異なる場合も、在高情報の5つの記番号と紙幣から読み取った5つの記番号とが1対1で対応していれば、紙幣処理装置1は、両者は一致すると判定する。
【0110】
収納部60から繰り出された5枚の紙幣の記番号が、在高情報に記録されていた5つの記番号と一致した場合、紙幣処理装置1は、収納部60の在高に異常はない判定する(ステップS13;Yes)。紙幣処理装置1は、得られた結果を店員に報知して(ステップS15)、処理を終了する。報知処理は、例えば、収納部60の在高に異常がないことを示す情報を操作部110の画面に表示することによって行われる。
【0111】
一方、収納部60から繰り出された5枚の紙幣の記番号が、在高情報に記録されていた5つの記番号と一致しなかった場合、紙幣処理装置1は、収納部60の在高に異常があると判定する(ステップS13;No)。この場合、紙幣処理装置1は、収納部60の紙幣全てを確認する処理の実行を予約した後(ステップS14)、得られた結果を店員に報知して(ステップS15)、処理を終了する。報知処理は、例えば、収納部60の在高に異常があるため収納部60の紙幣全てを調査する必要があることを示す情報を操作部110の画面に表示することによって行われる。
【0112】
在高確認処理時に収納部60から繰り出された紙幣は、回収容器51に収納されるか又は出金部20から出金される。紙幣が回収容器51に収納された場合、回収容器51に収納された紙幣の情報に基づいて、収納部60の在高情報と、回収容器51の在高情報とが更新される。紙幣が出金部20から出金された場合、出金された紙幣の情報に基づいて、収納部60の在高情報が更新される。
【0113】
在高確認処理で在高の異常を確認した場合、紙幣処理装置1は、ステップS14で予約された収納部60の全紙幣を調査する処理を、在高確認処理の終了後すぐに実行するか、後で実行するかを、店員に選択させる画面を操作部110に表示する。店員が、操作部110を操作して、予約した処理をすぐに実行することを選択した場合、紙幣処理装置1は、収納部60の紙幣全てを調査する処理を開始する。
【0114】
一方、店員が、操作部110を操作して、予約した処理を後で実行することを選択した場合、紙幣処理装置1は、通常の紙幣処理を実行可能な状態へ戻る。紙幣処理装置1は、入金処理及び出金処理を含む紙幣処理を実行しながら、所定のタイミングで、収納部60の全紙幣を調査する必要があることを店員に報知する。例えば、紙幣処理が実行されない時間が所定時間続いた場合に、紙幣処理装置1は、収納部60の全紙幣を調査する必要があることを店員に報知する。また、例えば、店舗の営業が終わり、店員が操作部110で紙幣処理装置1から紙幣を装置外へ回収するための所定操作を行うと、これを認識した紙幣処理装置1は、収納部60の全紙幣を調査する必要があることを店員に報知する。操作部110の表示を確認した店員が、調査開始を指示する所定操作を行うと、紙幣処理装置1は、収納部60の紙幣全てを調査する処理を開始する。
【0115】
収納部60の紙幣全てを調査する処理では、まず収納部60の紙幣全てが出金部20に排出される。その後、店員が、出金部20に排出された紙幣を入金部10から入金すると、紙幣処理装置1は、
図4で説明したように紙幣を識別計数して記番号を読み取り、対応する収納部60に収納すると共に、記憶部120に保存されている収納部60の在高情報を更新する。これにより、収納部60の紙幣の情報と、在高情報に記録された紙幣の情報とが一致する状態とすることができる。
【0116】
このように、紙幣処理装置1は、収納部60から紙幣を繰り出して回収部50に回収しながら在高確認処理を行うことができる。また、紙幣処理装置1は、収納部60から紙幣を繰り出して出金部20に出金しながら在高確認処理を行うことができる。これにより、収納部60から繰り出された紙幣を一時的に収納する構成部を有さない紙幣処理装置1においても、収納部60の在高の異常の有無を確認することができる。また、収納部60から繰り出した紙幣を収納部60へ戻す処理が不要であるため、従来に比べて短時間で在高確認処理を終了することができる。
【0117】
本実施形態に示した紙幣処理装置1の構成は例示であって、紙幣処理装置1の構成は特に限定されない。紙幣処理装置1が、1つの収納部60に2つのドラム81、82を有する構成に限定されず、例えば、1つの収納部60に1つのドラムを有する構成でもよい。また、例えば、収納部60が、ドラムを有さず、紙幣を集積して収納するスタック式の収納部であってもよい。紙幣処理装置1が、収納部60の他に、紙幣の収納及び繰り出しを実行可能な収納繰出部を有する構成であってもよい。紙幣処理装置1が
図2と異なる構成を有する場合でも、紙幣処理装置1は、上述したように、収納部60に収納されている一部の紙幣を繰り出して在高確認処理を実行することができる。
【0118】
本実施形態では、紙幣処理装置1が複数種類の処理を実行する態様を示したが、紙幣処理装置1が全ての処理を実行する態様に限定されず、紙幣処理装置1が、上述した一部の処理のみを実行する態様であってもよい。例えば、紙幣処理装置1が、入金処理と出金処理のいずれか一方のみを行う態様であってもよい。また、例えば、紙幣処理装置1が、
図7に示すステップS14の処理を行わない態様であってもよい。
【0119】
本実施形態では、収納部60から繰り出した紙幣を、回収部50に回収しながら在高確認処理を行うか、出金部20に出金しながら在高確認処理を行うかを、設定により変更可能な例を示したが、在高確認処理の実施態様がこれに限定されるものではない。例えば、
図2に示す紙幣処理装置1が、回収部50を利用する在高確認処理のみを行う態様であってもよいし、出金部20を利用する在高確認処理のみを行う態様であってもよい。
また、例えば、回収部50を有さない紙幣処理装置1が出金部20を利用する在高確認処理を行う態様であってもよいし、出金部20を有さない紙幣処理装置1が回収部50利用する在高確認処理を行う態様であってもよい。
【0120】
また、回収部50を利用する在高確認処理と、出金部20を利用する在高確認処理とを行う場合も、いずれの方法で行うかを店員が予め設定する態様に限定されず、在高確認処理が必要となったときに店員がいずれの方法で在高確認処理を行うかを選択する態様であってもよい。また、紙幣処理装置1が在高確認処理を自動選択する態様であってもよい。例えば、紙幣処理装置1が、通常は回収部50を利用する在高確認処理を行い、回収容器51の紙幣が満杯に近付いて確認対象紙幣を収納できなくなった場合に、出金部20を利用する在高確認処理に自動的に切り替える態様であってもよい。
【0121】
本実施形態では、収納部60から繰り出して調べる確認対象紙幣の枚数を5枚とする例を説明したが、確認対象紙幣の枚数は特に限定されない。例えば、確認対象紙幣の枚数が4枚以下に設定されてもよいし6枚以上に設定されてもよい。また、回収部50を利用する在高確認処理と、出金部20を利用する在高確認処理とで、確認対象紙幣の枚数が異なる態様であってもよい。
【0122】
また、回収部50を利用して在高確認処理を行う場合に、回収容器51に収納可能な紙幣枚数に応じて、確認対象紙幣の枚数が変更される態様であってもよい。具体的には、例えば、通常は5枚の紙幣を対象に在高確認処理を行うが、回収容器51に収納可能な紙幣枚数が減少して、予め設定された閾値枚数以下になった場合には、2枚の紙幣を対象に在高確認処理を行うようにしてもよい。
【0123】
同様に、出金部20を利用して在高確認処理を行う場合に、収納部60に収納中の紙幣枚数に応じて、確認対象紙幣の枚数が変更される態様であってもよい。具体的には、例えば、通常は5枚の紙幣を対象に在高確認処理を行うが、収納部60に収納中の紙幣枚数が減少して、予め設定された閾値枚数以下になった場合には、2枚の紙幣を対象に在高確認処理を行うようにしてもよい。
【0124】
本実施形態では、収納部60から繰り出された紙幣の記番号が、記憶部120の在高情報に保存されている記番号と一致するか否かを判定する例を示したが、記番号が一致すると判定する判定基準は、設定により変更することができる。具体的には、比較する2つの記番号が全ての桁で一致する場合に両者が一致すると判定する設定の他、一部の桁で一致する場合に両者が一致すると判定する設定とすることもできる。
【0125】
本実施形態では、収納部60aのドラム81aのような1つの収納繰出部で収納中の紙幣を調べる必要が生じた場合に、この収納繰出部を対象に在高確認処理を実行する例を示したが、在高確認処理の実施態様がこれに限定されるものではない。例えば、ドラム81aで紙幣を確認する必要が生じた場合に、このドラム81aを含む収納部60aを対象として、ドラム81aとドラム82aのそれぞれにおいて在高確認処理を実行する態様であってもよい。また、1つのドラムで紙幣を確認する必要が生じた場合に、全ての収納部60を対象に、全てのドラム81a、81b、82a、82bで在高確認処理を実行する態様であってもよい。
【0126】
上述したように、紙幣処理装置1は、収納部60の紙幣を調べる必要が生じた場合に、収納部60に収納されている紙幣の一部だけを繰り出して在高確認処理を実行し、記憶部120に保存されている在高情報に誤りがないことを確認する。紙幣処理装置1は、収納部60から繰り出して調べた紙幣を収納部60へは戻さずに回収部50に回収して回収容器51に収納することができる。紙幣処理装置1は、収納部60から繰り出して調べた紙幣を出金部20に出金することもできる。収納部60から繰り出した紙幣を調べた後、一時的に別の場所に収納して元の収納部60へ戻す必要がないため、紙幣処理装置1は従来に比べて短時間のうちに在高確認処理を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上のように、本発明に係る紙葉類処理装置及び紙幣処理方法は、収納部の在高の異常の有無を短時間で確認するために有用である。
【符号の説明】
【0128】
1 紙葉類処理装置(紙幣処理装置)
2 処理部
3 収納繰出部
4 排出部
10 入金部
20 出金部
30 識別部
40 搬送部
50 回収部
51 回収容器
60(60a、60b) 収納部
70 リジェクト部
81(81a、81b)、82(82a、82b) ドラム
100 制御部
110 操作部
120 記憶部