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特許7453856グリズリ装置及びグリズリ装置を備えるリクレーマ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】グリズリ装置及びグリズリ装置を備えるリクレーマ
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20240313BHJP
   B07C 5/06 20060101ALI20240313BHJP
   B07B 1/00 20060101ALI20240313BHJP
   B07B 1/46 20060101ALI20240313BHJP
   B07B 1/12 20060101ALI20240313BHJP
   B65G 47/88 20060101ALN20240313BHJP
【FI】
B65G63/00 C
B07C5/06
B07B1/00 A
B07B1/46 K
B07B1/12 Z
B07B1/46 Z
B65G47/88 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020095593
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021187635
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:令和2年2月5日 公開場所:周南バルクターミナル株式会社(山口県周南市晴海町8番) 公開者 川崎重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 克明
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-106314(JP,A)
【文献】特開平09-047723(JP,A)
【文献】実開平04-109935(JP,U)
【文献】特開2014-043618(JP,A)
【文献】実開平04-030083(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 63/00
B65G 47/88
B07C 5/06
B07B 1/00
B07B 1/46
B07B 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バラ物を篩い分けるグリズリと、
前記グリズリをバラ物が投入される投入口で前記バラ物を篩い分ける使用位置と、前記投入口を開放する待機位置とに移動させる移動装置と
を備え、
前記グリズリの移動方向が水平方向に対して傾斜している、グリズリ装置。
【請求項2】
前記移動装置が、前記グリズリの移動方向に延びるレールと、前記レールに沿って移動可能なスライダとを備え、
前記スライダに前記グリズリが取付けられている、請求項1に記載のグリズリ装置。
【請求項3】
前記グリズリが水平方向に対して傾斜して延在している、請求項1又は2に記載のグリズリ装置。
【請求項4】
前記移動装置が、ドラムを備えるウインチと、前記ドラムに巻き取られるロープとを備え、
前記ドラムに前記ロープを巻き取り繰り出すことで前記グリズリが前記使用位置と前記待機位置とに位置変更可能な、請求項1から3のいずれかに記載のグリズリ装置。
【請求項5】
投入口を備え前記投入口に投入されたバラ物を案内するシュートと、バラ物を篩い分け可能なグリズリ装置とを備え、
前記グリズリ装置が、バラ物を篩い分けるグリズリと、前記グリズリを前記投入口でバラ物を篩い分ける使用位置と、前記投入口を開放する待機位置とに移動させる移動装置とを備え、
前記グリズリの移動方向が水平方向に対して傾斜している、リクレーマ。
【請求項6】
バラ物を前記投入口に投入するバケットと、前記バケットが取付けられ回転するホイルとを備えるバケットホイル装置を更に備え、
前記使用位置にある前記グリズリが、前記バケットが前記投入口に投入するバラ物を篩い分ける、請求項5に記載のリクレーマ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリズリ装置及びグリズリ装置を備えるリクレーマに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭、鉱石、土砂等のバラ物の篩い分けに、グリズリが用いられる。このグリズリによって、用途に適した大きさのバラ物が選別される。このグリズリは、バラ物の投入口に設置される。このグリズリは、投入口に取付けられ、投入されるバラ物を常時篩い分ける。この様なグリズリの一例が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-2349公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グリズリは、種々の性状のバラ物の篩い分けに用いられる。バラ物は、その性状によっては、グリズリに付着し付着物を形成する。この付着物は、グリズリの長期の使用によって成長する。この付着物が成長したグリズリは、付着物の除去が必要である。この付着物の除去作業は、設備稼働率を低下させる。
【0005】
一方で、バラ物の性状によっては、グリズリによる篩い分けが不要なものもある。この様なバラ物では、グリズリを取り外すことで、バラ物の付着を低減できる。しかしながら、グリズリは投入口に取付けられており、又、一般にグリズリは重量物であることが多く、その取付け取り外しは容易でない。
【0006】
本発明は、グリズリの使用と不使用とを容易に切替可能なグリズリ装置と、このグリズリ装置を備えるリクレーマとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るグリズリ装置は、
バラ物を篩い分けるグリズリと、
前記グリズリをバラ物が投入される投入口で前記バラ物を篩い分ける使用位置と、前記投入口を開放する待機位置とに移動させる移動装置とを備える。
【0008】
本発明に係るリクレーマは、投入口を備え前記投入口に投入されたバラ物を案内するシュートと、前述の本発明に係るグリズリ装置とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るグリズリ装置は、グリズリを、バラ物を篩い分ける使用位置と、投入口を開放する待機位置とに移動させる移動装置を備える。このグリズリ装置は、グリズリの使用とその不使用とを容易に切替可能である。このグリズリ装置を備えるリクレーマは、同様に、グリズリの使用とその不使用とを容易に切替可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るグリズリ装置を備えるリクレーマが示された概念図である。
図2図2は、図1のグリズリ装置がリクレーマの他の一部と共に示された説明図である。
図3図3は、図2の矢印IIIの向きに見たグリズリ装置が示された説明図である。
図4図4は、図3の線分IV-IVに沿った断面図である。
図5図5(A)は図3の線分VA-VAに沿った断面図であり、図5(B)はグリズリが待機位置にあるグリズリ装置における、図3の線分VA-VAに沿った断面図である。
図6図6は、グリズリが待機位置にある、図1のグリズリ装置が示された平面図である。
図7図7は、図6の矢印VIIの向きに見た部分拡大図である。
図8図8は、図6のグリズリ装置がリクレーマの他の一部と共に示された説明図である。
図9図9は、図1のグリズリ装置の一部の使用状態が示された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0012】
図1には、本発明に係るグリズリ装置1を備えるリクレーマ2が示されている。このリクレーマ2は、ヤードに山積みされたバラ物を払出す機能を備える。ここでは、説明の便宜上、図1の左右方向右向きを前後方向前向きとし、図1の紙面に垂直な方向を左右方向として、説明がされる。
【0013】
リクレーマ2は、走行機体3と、左右方向に回動可能な旋回台4と、旋回台4に立設する旋回塔5と、操縦者の操縦席を備える操縦キャビン6と、上下方向に回動可能なブーム7と、バラ物を掻き取るバケットホイル装置8と、ブーム7の先端部から旋回台4へバラ物を搬送するブームコンベヤ9と、バラ物をブームコンベヤ9に案内するシュート10とを備える。
【0014】
旋回台4は、走行機体3に支持され、図1の回転中心S1を回転軸にして回動可能である。ブーム7は、旋回塔5に支持されている。ブーム7は、その基端部を回動中心にして回動可能である。このブーム7の先端部にバケットホイル装置8が設置されている。ブームコンベヤ9が、旋回台4とブーム7とに跨って設置されている。
【0015】
バケットホイル装置8は、円形のホイル11と、ホイル11の外周に取り付けられた複数のバケット12とを備える。図2に示される様に、バケットホイル装置8は、更に、ホイル11を回転させる駆動機13と、フレーム8Aとを備える。図示されないが、フレーム8Aは、ブーム7に取付けられている。ホイル11及び駆動機13は、フレーム8Aに支持されている。ホイル11は、フレーム8Aに対して、回転中心S2を回転軸にして回転可能である。このホイル11が回転することで、バケット12はホイル11の周方向に移動し得る。このバケットホイル装置8では、図2に示される様に、バケット12がシュート10の上方を通って移動する様に、ホイル11の回転軸は水平方向に対して傾斜している。
【0016】
ブームコンベヤ9は、コンベヤフレーム9A、複数のローラ9B及びコンベヤベルト9Cを備える。図2には、コンベヤベルト9Cの長手方向に直交する断面が示されている。複数のローラ9Bは、コンベヤフレーム9Aに支持されている。複数のローラ9Bは、それぞれ回転可能である。図示されないが、複数のローラ9Bは、コンベヤベルト9Cの長手方向に並べられている。コンベヤベルト9Cは、これらのローラ9Bに架け渡されている。
【0017】
シュート10は、案内壁10Aで囲まれた投入口10Bを備える。図示されないが、シュート10は、ブーム7に取付けられている。なお、シュート10は、バケットホイル装置8のフレーム8Aに取付けられてもよく、コンベヤフレーム9Aに取付けられてもよい。このシュート10は、投入口10Bから投入されたバラ物をブームコンベヤ9に案内する。なお、この投入口10Bは、バラ物の受け入れ口であればよく、案内壁10Aに囲まれたものに限られない。
【0018】
グリズリ装置1は、グリズリフレーム14と、バラ物を篩い分けるグリズリ15と、グリズリ15で取り除かれる粗大物を案内する補助シュート16とを備える。グリズリ15及び補助シュート16は、グリズリフレーム14に支持されている。グリズリフレーム14は、ブーム7に支持されている。なお、グリズリフレーム14は、シュート10と共に、バケットホイル装置8のフレーム8A、コンベヤフレーム9A又はシュート10に取付けられてもよい。
【0019】
この図2では、グリズリ15は、シュート10の投入口10Bを覆う使用位置に位置している。グリズリ15は、水平方向に対して傾斜して延在する。補助シュート16は、グリズリ15が延在する方向の下方に位置する。補助シュート16は、グリズリ15と同様に水平方向に対して傾斜して延在する。
【0020】
図3に示される様に、グリズリ15は、複数のグリズリバー15Aと複数のグリズリバー15Aを連結する連結バー15Bとを備える。複数のグリズリバー15Aは、その長手方向を平行にして並べられている。それぞれのグリズリバー15Aは、所定幅の間隔を形成して並べられている。この所定幅の間隔が、グリズリ15の篩目を形成している。
【0021】
このグリズリ装置1は、更にストッパ17及び移動装置18を備える。移動装置18は、一対のレール19と、レール19に対して移動可能な複数のスライダ20と、ウインチ21と、ロープとしてのワイヤーロープ22と、ワイヤーロープ22を案内する複数のシーブ23とを備える。
【0022】
ストッパ17は、ストッパ本体24とストッパ本体24を支持する複数のサポート25とを備える。図示されないが、複数のサポート25は、グリズリフレーム14に取付けられている。ストッパ本体24は、複数のサポート25に支持されている。グリズリ15は、ストッパ本体24に当接することで、その使用位置に位置決めされている。
【0023】
それぞれのレール19は、図示されないが、グリズリフレーム14に支持されている。レール19は、シュート10の投入口10Bの縁に沿って延びている。それぞれのスライダ20は、レール19に支持されている。スライダ20は、レール19に案内されてレール19に沿って移動可能である。複数のスライダ20がグリズリ15に取付けられている。このスライダ20によって、グリズリ15は、レール19に沿って移動可能である。
【0024】
このグリズリ装置1では、スライダ20がレール19を摺動して移動可能にされているが、このスライダ20は例示であってこれに限られない。例えば、スライダ20が車輪を備え、スライダ20が、レール19に案内されて、車輪によって移動可能されてもよい。
【0025】
ウインチ21は、回転可能なドラム26と、ドラム26を回転させるハンドル27とを備える。ワイヤーロープ22は、ドラム26に巻かれている。ワイヤーロープ22は、ドラム26の回転によって、ドラム26に巻取り可能であり、繰り出し可能である。ドラム26から繰り出されたワイヤーロープ22は、グリズリ15に連結されている。ワイヤーロープ22は、複数のシーブ23に架け渡されている。ワイヤーロープ22は、グリズリ15とドラム26との間でシーブ23に案内されて巻取り繰り出しされ得る。
【0026】
図4には、図3の線分IV-IVに沿った断面が示されている。この移動装置18では、グリズリフレーム14に、レール19が固定されている。スライダ20は、レール19に係合する溝20Aを備える。この溝20Aにレール19が係合することで、スライダ20は、レール19に沿って移動可能に支持されている。更に、この溝20Aで係合することで、グリズリ15はスライダ20と共に、レール19から着脱可能にされている。
【0027】
なお、ストッパ17のサポート25とレール19とは、グリズリフレーム14に固定されていたが、シュート10の投入口10Bの周囲に固定されればよく、バケットホイル装置8のフレーム8Aに取付けられてもよく、コンベヤフレーム9Aに取付けられてもよい。また、ストッパ17はグリズリ15を使用位置に位置決め可能であればよく、代替構造であってもよい。
【0028】
図5(A)には、図3の線分VA-VAに沿った断面が示されている。グリズリ15のグリズリバー15Aの先端部には、溝15Cが形成されている。このグリズリ15の使用位置では、溝15Cにストッパ本体24が係合している。溝15Cの底とストッパ本体24とが当接して、グリズリ15は使用位置に位置決めされている。また、溝15Cとストッパ本体24との係合により、グリズリバー15Aは、上下方向の移動が規制されている。
【0029】
図5(B)では、グリズリ15がストッパ本体24から離れた位置にある。このグリズリ15がストッパ本体24から離れることで、シュート10の投入口10Bが開放される。なお、ここでいう投入口10Bの開放は、バラ物を、グリズリ15を介さずに投入口10Bに投入可能であればよく、グリズリ15が投入口10Bの全体を開放する場合に限られない。
【0030】
図6では、グリズリ15は、投入口10Bを開放する待機位置にある。グリズリ15は、連結バー15Bが一対のレール19の端に当接して位置決めされている。なお、このグリズリ装置1では、一対のレール19がストッパとして機能するが、このストッパは別体で設けてもよい。図5(B)に示された様に、待機位置にあるグリズリ15は、ストッパ本体24から離れている。
【0031】
図7には、図6の矢印VIIの向きに見た部分拡大図が示されている。この図7に示される様に、移動装置18は、更に、ストッパ28を備えている。このストッパ28が、スライダ20に当接している。この移動装置18では、待機位置にあるグリズリ15は、連結バー15Bとレール19との当接と、ストッパ28とスライダ20との当接との両方の当接によって、位置決めされているが、いずれか一方のみの当接で位置決めされてもよい。なお、ここでは、ストッパ28は、レース19に取り付けられたが、レール19に対して位置固定されればよく、グリズリフレーム14に取り付けられてもよい。
【0032】
図8には、図6の待機位置にあるグリズリ15が示されている。グリズリ15は、図2及び図3の使用位置に対して、斜め下方に位置している。図6に示される様に、スライダ20は、グリズリ15と共に、使用位置に対して斜め下方に位置している。ワイヤーロープ22は、グリズリ15が斜め下方に位置する分だけ、ドラム26から繰り出されている。
【0033】
ここで、図1から図8を参照しつつ、リクレーマ2の使用方法が説明される。
【0034】
グリズリ15を使用するリクレーマ2では、図3に示される様に、ワイヤーロープ22は、ウインチ21に巻き取られている。グリズリ15は、ストッパ17のストッパ本体24に当接している。図1に示される旋回台4が左右方向に回動し、ブーム7が上下方向に回動し、バケットホイル装置8が、山積みされたバラ物の掻き取り位置に移動させられる。ホイル11が回転し、バケット12がバラ物を掻き取る。
【0035】
バケット12は掻き取ったバラ物を、図2に示されるシュート10の投入口10Bに投入する。投入口10Bを覆うグリズリ15によって、バラ物は篩い分けられる。グリズリ15で粗大物が取り除かれたバラ物は、シュート10によってコンベヤベルト9Cに案内される。コンベヤベルト9Cに案内されたバラ物は、ブームコンベヤ9によって、旋回台4に向かって運び出される。
【0036】
グリズリ15を使用しないリクレーマ2では、図6及び図8に示される様に、ワイヤーロープ22は、ウインチ21から繰り出されている。図3の使用位置に対して、グリズリ15は、自重でレール19に沿って斜め下方に移動している。グリズリ15は、シュート10の投入口10Bを開放している。図1に示される旋回台4が左右方向に回動し、ブーム7が上下方向に回動し、バケットホイル装置8が、山積みされたバラ物の掻き取り位置に移動させられる。ホイル11が回転し、バケット12がバラ物を掻き取る。
【0037】
バケット12は掻き取ったバラ物を、シュート10の投入口10Bに投入する。バラ物は、グリズリ15を介さずに、シュート10によってコンベヤベルト9Cに案内される。コンベヤベルト9Cに案内されたバラ物は、ブームコンベヤ9によって、旋回台4に向かって運び出される。
【0038】
このリクレーマ2では、グリズリ装置1が、グリズリ15を、バラ物を篩い分ける使用位置と、投入口10Bを開放する待機位置とに移動させる移動装置18を備える。これにより、グリズリ装置1は、グリズリ15の使用と不使用とを容易に切替可能である。
【0039】
移動装置18は、グリズリ15の移動方向に延びるレール19と、レール19に沿って移動可能なスライダ20とを備える。このスライダ20にグリズリ15が取付けられている。この移動装置18は、投入口10Bの周辺に、レール19を固定することで、グリズリ15を移動しうる。この移動装置18は簡素な構成であるので、設置スペースが小さい。この移動装置18は、既存の設備にも、容易に後付けできる。
【0040】
このグリズリ装置1では、レール19が水平方向に対して傾斜して延びている。これにより、グリズリ15は自重で斜め下方に移動可能にされている。この観点から、グリズリ15は、水平方向に対して傾斜する方向に移動することが好ましい。なお、このグリズリ装置1は、グリズリ15が移動可能であればよく、グリズリ15が水平方向に移動してもよい。
【0041】
移動装置18は、ドラム26を備えるウインチ21と、ドラム26に巻き取られるワイヤーロープ22とを備える。ドラム26にワイヤーロープ22を巻き取り繰り出すことでグリズリ15が使用位置と待機位置とに位置変更可能にされている。このグリズリ装置1は、ウインチ21を備えることで、重いグリズリ15であっても容易に移動し得る。
【0042】
更に、このウインチ21は、自重で斜め下方に移動したグリズリ15を斜め上方に容易に移動し得る。なお、この移動装置18は、グリズリ15を移動可能であればよく、グリズリ15を移動させる駆動装置はウインチ21に限られない。
【0043】
また、このウインチ21は、手動のハンドル27を備えるが、電動や他の動力が用いられてもよい。電動や他の動力を用いることで、グリズリ装置1は、グリズリ15を遠隔操作し得る。遠隔操作が可能なグリズリ装置1は、グリズリ15の周辺まで作業者が移動する必要がない。遠隔操作が可能なグリズリ装置1は、リクレーマ2の様な大型の搬送装置に、適している。
【0044】
このリクレーマ2は、バラ物を投入口10Bに投入するバケット12と、バケット12が取付けられ回転するホイル11とを備えるバケットホイル装置8を備える。このリクレーマ2では、使用位置にあるグリズリ15は、バケット12が投入口10Bに投入するバラ物を篩い分けする。このグリズリ15は、ホイル11に接近した位置に容易に設置され得る。
【0045】
このバケットホイル装置8では、ホイル11の回転軸が水平方向に対して傾斜している。このホイル11は、下方から上方に向かって、投入口10Bに近づく向きに傾斜している。このバケットホイル装置8は、特に、上方のスペースの制約が大きい。このグリズリ15は、このバケットホイル装置8に特に適している。
【0046】
設置スペースが小さく簡素な構成である移動装置18は、このリクレーマ2に適している。更に、ウインチ21はワイヤーロープ22でグリズリ15を移動させるので、設置スペースが制限されるリクレーマ2に特に適している。
【0047】
このグリズリ15の使用位置では、溝15Cにストッパ本体24が係合している。溝15Cの底とストッパ本体24とが当接して、グリズリ15は使用位置に位置決めされている。この溝15Cとストッパ本体24との係合により、グリズリ15は、バラ物の重みによる上下の移動が規制されている。このグリズリ15は、移動可能で有りながら、重いバラ物をも容易に篩い分けられる。
【0048】
このグリズリ装置1では、レール19にスライダ20を係合させることで、グリズリ15が取り付けられている。このグリズリ15は、容易に着脱可能である。このグリズリ装置1では、グリズリ15を取り外して付着物の除去することが容易にできる。また、予備のグリズリ15に付け替えるができるので、設備稼働率の低下が抑制され得る。また、バラ物の性状によって、篩目の異なる他のグリズリへの交換も容易し得る。
【0049】
また、図示されないが、リクレーマ2は、投入口10Bを撮影可能なカメラを備えてもよい。カメラによって、グリズリ15が使用位置と待機位置とに適切に位置すること、グリズリ15の付着物の状況、その他の異常等が、遠隔で確認され得る。また、同様の観点から、リクレーマ2は、グリズリ15が使用位置と待機位置とに位置することを検出するセンサを備えてもよい。
【0050】
図示されないが、グリズリ装置1は、重量を検知するロードセルを備えてもよい。例えば、このロードセルによって、グリズリ15の付着物の状況を検知し得る。具体的には、このロードセルによって重量を測定し、グリズリ15の付着物が過大になったことを検知し得る。
【0051】
図9に示されるように、このグリズリ装置1は、ボックス29を備えている。このボックス29は、補助シュート16の下方に設けられている。このボックス29に、グリズリ15によって除去された粗大物が回収される。図示されないが、グリズリ装置1は、回収された粗大物の重量を検知する粗大物ロードセルを更に備えてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1・・・グリズリ装置
2・・・リクレーマ
8・・・バケットホイル装置
9・・・ブームコンベヤ(コンベヤ)
10・・・シュート
10B・・・投入口
11・・・ホイル
12・・・バケット
15・・・グリズリ
18・・・移動装置
19・・・レール
20・・・スライダ
21・・・ウインチ
22・・・ワイヤーロープ(ロープ)
26・・・ドラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9