IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

特許7453872バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法
<>
  • 特許-バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法 図1
  • 特許-バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法 図2
  • 特許-バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法 図3
  • 特許-バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法 図4
  • 特許-バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法 図5
  • 特許-バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-12
(45)【発行日】2024-03-21
(54)【発明の名称】バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20240313BHJP
   B09B 3/70 20220101ALI20240313BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20240313BHJP
   B09B 3/45 20220101ALI20240313BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20240313BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20240313BHJP
   B09B 101/85 20220101ALN20240313BHJP
【FI】
B09B3/60 ZAB
B09B3/70
B09B3/40
B09B3/45
C12M1/00 H
C12N1/00 S
B09B101:85
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020128125
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2022025351
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 祐二
(72)【発明者】
【氏名】小川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】池 卓
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 展行
(72)【発明者】
【氏名】野間 彰
(72)【発明者】
【氏名】沖野 進
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144002(JP,A)
【文献】特開2009-183153(JP,A)
【文献】特開2018-167165(JP,A)
【文献】特開2019-207099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B1/00-5/00
C12M1/00
C12N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースを含む廃棄物を加水分解する加水分解装置と、
前記加水分解装置で加水分解された廃棄物である処理物中のセルロースをセルラーゼで分解して、前記処理物を発酵させることでバイオガスを生成するバイオガス生成装置と
前記バイオガス生成装置に供給される前記セルラーゼを貯留又は生産する供給源と
を備えるバイオガス製造システム。
【請求項2】
前記加水分解装置において150~210℃の温度で前記廃棄物が加水分解される、請求項1に記載のバイオガス製造システム。
【請求項3】
前記加水分解装置は、
前記廃棄物を加水分解する第1加水分解装置と、
前記第1加水分解装置で加水分解された前記廃棄物である処理物の少なくとも一部を加水分解する第2加水分解装置と
を含む、請求項1または2に記載のバイオガス製造システム。
【請求項4】
前記バイオガス生成装置は、
前記処理物中のセルロースを前記セルラーゼで分解する分解槽と、
前記分解槽で分解処理された処理物である分解処理物を発酵させることで前記バイオガスを生成する発酵槽と
を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のバイオガス製造システム。
【請求項5】
前記バイオガス生成装置は発酵槽を含み、
前記発酵槽において、前記処理物中のセルロースが前記セルラーゼで分解されて発酵されることで前記バイオガスが生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のバイオガス製造システム。
【請求項6】
前記バイオガス生成装置への前記セルラーゼの供給量を調整する供給量調整装置と、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記加水分解装置に供給される前記廃棄物の性状又は前記バイオガス生成装置内の前記処理物の性状に基づいて前記セルラーゼの供給量を決定し、決定した前記供給量で前記セルラーゼを前記バイオガス生成装置へ供給するように前記供給量調整装置を作動させる、請求項1~5のいずれか一項に記載のバイオガス製造システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記廃棄物の性状に関する情報と、前記廃棄物の性状との関係を機械学習により作成し、
前記制御装置は、前記廃棄物の性状に関する情報を取得し、前記関係に基づいて、前記廃棄物の性状を推定する、請求項6に記載のバイオガス製造システム。
【請求項8】
前記加水分解装置に供給される前記廃棄物を撮影する撮影装置を備え、
前記制御装置は、前記撮影装置によって撮影された前記廃棄物の画像に基づいて前記廃棄物の性状を推定する、請求項6に記載のバイオガス製造システム。
【請求項9】
前記バイオガス生成装置内の粒子のサイズに関する情報を検出する検出装置を備え、
前記制御装置は、前記検出装置による検出値に基づいて前記バイオガス生成装置内の前記処理物の性状を推定する、請求項6に記載のバイオガス製造システム。
【請求項10】
セルロースを含む廃棄物を加水分解するステップと、
セルラーゼを貯留又は生産するステップと、
前記加水分解するステップで加水分解された廃棄物である処理物に、貯留されている又は生産された前記セルラーゼを供給するステップと、
前記処理物中のセルロースを前記セルラーゼで分解して、前記処理物を発酵させることでバイオガスを生成するステップと
を備えるバイオガス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオガス製造システム及びバイオガス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、生分解廃棄物を処理することによりメタンを製造するシステムが記載されている。このシステムでは、廃棄物に含まれる病原体を殺すために70~140℃のお湯を廃棄物と混合し、脱水した後に、牛の胃からの流体であるルーメン液によって生物学的処理をすることでメタンガスが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2013-505130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載のシステムにおいて、生物学的処理の前に行われる前処理は、あくまでも廃棄物に含まれる病原体を殺すために行われるものであり、この温度条件では、紙ごみ等に含まれるセルロースを加水分解できないため、紙ごみを多く含む都市ごみを原料とした場合には、メタンガスの生成量が低下してしまう。また、生物学的処理はルーメン液を使用して行われるが、ルーメン液に含まれる酵素は、セルロースを分解するセルラーゼの複合体であるセルロソームであり、セルロソームはセルラーゼよりも大きいことから、セルロース中の非晶領域に入り込めないため、セルロースを分解・発酵する能力がセルラーゼよりも劣る。このため、セルロースを多く含む原料を使用した場合、メタンガスの生成量が低下してしまう。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、セルロースを含む廃棄物からのバイオガスの生成を促進できるバイオガス製造システム及びバイオガス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るバイオガス製造システムは、セルロースを含む廃棄物を加水分解する加水分解装置と、前記加水分解装置で加水分解された廃棄物である処理物中のセルロースをセルラーゼで分解して、前記処理物を発酵させることでバイオガスを生成するバイオガス生成装置と、前記バイオガス生成装置に供給される前記セルラーゼを貯留又は生産する供給源とを備える。
【0007】
また、本開示に係るバイオガス製造方法は、セルロースを含む廃棄物を加水分解するステップと、セルラーゼを貯留又は生産するステップと、前記加水分解するステップで加水分解された廃棄物である処理物に、貯留されている又は生産された前記セルラーゼを供給するステップと、前記処理物中のセルロースを前記セルラーゼで分解して、前記処理物を発酵させることでバイオガスを生成するステップとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のバイオガス製造システム及びバイオガス製造方法によれば、セルラーゼによってセルロースを分解することにより、セルロースをバイオガスへの発酵に適した状態にできるので、セルロースを含む廃棄物からのバイオガスの生成を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態1に係るバイオガス製造システムの構成図である。
図2】本開示の実施形態2に係るバイオガス製造システムの構成図である。
図3】本開示の実施形態3に係るバイオガス製造システムの構成図である。
図4】本開示の実施形態4に係るバイオガス製造システムの構成図である。
図5】本開示の実施形態5に係るバイオガス製造システムの構成図である。
図6】本開示の実施形態6に係るバイオガス製造システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態によるバイオガス製造システム及びバイオガス製造方法について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
(実施形態1)
<本開示の実施形態1に係るバイオガス製造システムの構成>
図1に示されるように、本開示の実施形態1に係るバイオガス製造システム1は、例えば都市ごみのような廃棄物を水又は蒸気共存下で加水分解する加水分解装置2と、加水分解装置2で加水分解された廃棄物である処理物中のセルロースをセルラーゼで分解して、処理物を発酵させることでメタン等を含むバイオガスを生成するバイオガス生成装置3とを備えている。
【0012】
加水分解装置2は、例えば、廃棄物を収集した車両又はプラント等から廃棄物をそのまま受け入れて蒸気によって廃棄物をバッチ式に加水分解するものであり、具体的には、廃棄物が投入される投入口11及び処理物が排出される排出口12を含む筐体10を備えるバッチ式の加水分解装置である。投入口11及び排出口12にはそれぞれ開閉弁18,19が設けられ、開閉弁18,19をそれぞれ閉じることにより、筐体10を密閉できる。加水分解装置2における廃棄物の加水分解は、蒸気が廃棄物に接触して廃棄物を加熱する湿式の加水分解であってもよいし、蒸気が廃棄物には接触しないで間接的に廃棄物を加熱する乾式の加水分解であってもよい。乾式の加水分解の場合には、筐体10内の廃棄物中の水分が蒸発して水蒸気となり、その水蒸気によって筐体10内の廃棄物が均一に加熱される。また、加水分解のためには水分が必要であるが、水蒸気によって水分が廃棄物の表面に付着することで水分が供給される。
【0013】
バイオガス生成装置3は、処理物中のセルロースをセルラーゼで分解する分解槽4と、分解槽4で分解処理された処理物である分解処理物を発酵させることでバイオガスを生成する発酵槽5とを備えている。分解槽4は、セルラーゼの供給源6と連通している。セルラーゼの供給源6は、セルラーゼを水溶液の形態で貯留するタンクであってもよいし、セルラーゼ生産微生物からセルラーゼを生産するセルラーゼ生産装置であってもよい。尚、廃棄物が都市ごみの場合には、紙ごみが多く含まれるため、処理物中のセルロースの多くは、紙ごみに由来するものである。
【0014】
この実施形態1で使用されるセルラーゼは、至適pHが4.0~6.0の範囲のものが好ましく、約5であるものがさらに好ましい。このようなセルラーゼとして、例えば、三菱ケミカルフーズ株式会社から市販されるスクラーゼ(商標)Cを使用することができる。スクラーゼ(商標)Cには、セルラーゼの他にキシラナーゼやペクチナーゼ等が含まれ、セルラーゼによるセルロースの分解と共に植物組織の分解等への相乗効果が期待できる。
【0015】
<本開示の実施形態1に係るバイオガス製造システムの動作>
次に、本開示の実施形態1に係るバイオガス製造システム1の動作について説明する。加水分解装置2の投入口11を介して筐体10に受け入れられた廃棄物は蒸気によって加熱される。これにより、廃棄物において加水分解反応が起こる。本出願人の検討によれば、加水分解装置2における加水分解の温度とバイオガス生成装置3におけるバイオガスの生成効率とは相関があり、加水分解装置2における加水分解の温度は150~210℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは150~200℃の範囲、最も好ましくは150~180℃である。この加水分解では、廃棄物中のセルロースが必ずしも低分子化されるわけではないが、後段の分解層でセルラーゼが入り込みやすい非晶領域がセルロース中に形成されていると考えられる。
【0016】
加水分解装置2の処理物は分解槽4に供給される。分解槽4には、セルラーゼの供給源6からセルラーゼが供給される。分解槽4内のpHは、セルラーゼの至適pHとなるように、4.0~6.0の範囲に調整されることが好ましく、5近辺に調整されることがさらに好ましい。この条件で、セルロースがセルラーゼによって分解、すなわち低分子化される。
【0017】
分解槽4の分解処理物は発酵槽5に供給される。発酵槽5では、加水分解装置2での加水分解や分解槽4での分解により生じた低分子化合物、すなわち糖類や有機酸等が微生物や細菌等の生物作用によって発酵し、メタン等のバイオガスが生成する。
【0018】
このように、セルラーゼによってセルロースを分解することにより、セルロースをバイオガスへの発酵に適した状態にできるので、セルロースを含む廃棄物からのバイオガスの生成を促進することができる。
【0019】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係るバイオガス製造システムについて説明する。実施形態2に係るバイオガス製造システムは、実施形態1に対して、バイオガス生成装置3の構成を変更したものである。尚、実施形態2において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0020】
<本開示の実施形態2に係るバイオガス製造システムの構成>
図2に示されるように、本開示の実施形態2に係るバイオガス製造システム1において、バイオガス生成装置3はセルラーゼの供給源6と連通する発酵槽5のみを含み、実施形態1とは分解槽4(図1参照)を含まない点で異なる。また、実施形態2では、発酵槽5内においてセルラーゼによるセルロースの低分子化と糖類や有機酸等の微生物や細菌等による生物作用とが一緒に行われるため、発酵槽5内の環境下で機能し得るセルラーゼを用いる必要がある。発酵槽5内のpHは弱アルカリ性(pHが約8)であるため、セルラーゼの至適pHは、7~10が好ましくは、約8がさらに好ましい。このようなセルラーゼとして、洗濯洗剤等に使用されるアルカリセルラーゼが既に公知であり、例えば特開平06-339370号公報にはその生産方法が開示されている。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0021】
<本開示の実施形態2に係るバイオガス製造システムの動作>
次に、本開示の実施形態2に係るバイオガス製造システム1の動作について説明する。廃棄物が加水分解装置2において加水分解される動作までは実施形態1と同じである。加水分解装置2の処理物は発酵槽5に供給される。発酵槽5には、セルラーゼの供給源6からセルラーゼが供給される。発酵槽5内のpHは、セルラーゼの至適pHとなるように、7~10の範囲に調整されることが好ましく、8近辺に調整されることがさらに好ましい。この条件で、セルロースがセルラーゼによって分解されるとともに、加水分解装置2での加水分解や発酵槽5でのセルラーゼによる分解により生じた低分子化合物、すなわち糖類や有機酸等が微生物や細菌等の生物作用によって発酵し、メタン等のバイオガスが生成する。
【0022】
実施形態2においても、実施形態1と同様に、セルロースを含む廃棄物からのバイオガスの生成を促進することができる。また、実施形態2では、バイオガス生成装置3は発酵槽5のみを含むので、実施形態1に比べてバイオガス製造システム1の構成を簡素化することができる。
【0023】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係るバイオガス製造システムについて説明する。実施形態3に係るバイオガス製造システムは、実施形態1又は2に対して、加水分解装置2の構成を変更したものである。以下では、実施形態1に対して加水分解装置2の構成を変更した形態で実施形態3を説明するが、実施形態2に対して加水分解装置2の構成を変更して実施形態3を構成してもよい。尚、実施形態3において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0024】
<本開示の実施形態3に係るバイオガス製造システムの構成>
図3に示されるように、本開示の実施形態3に係るバイオガス製造システム1において、加水分解装置2は、直列に接続された第1加水分解装置2a及び第2加水分解装置2bを備えている。第1加水分解装置2aと第2加水分解装置2bとの間には固液分離装置30を設けることができ、第1加水分解装置2aの処理物を固液分離した固体のみを第2加水分解装置2bに移送するようにしてもよい。また、第2加水分解装置2bと分解槽4との間には、任意のメッシュサイズを有するスクリーンのような分離装置31を設けることができる。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0025】
<本開示の実施形態3に係るバイオガス製造システムの動作>
次に、本開示の実施形態3に係るバイオガス製造システム1の動作について説明する。第1加水分解装置2aで廃棄物は蒸気によって加熱されて加水分解される。第1加水分解装置2aの処理物は第2加水分解装置2bに移送され、蒸気によって加熱されて加水分解される。固液分離装置30及び分離装置31がバイオガス製造システム1に設けられる場合、第1加水分解装置2aの処理物を固液分離した固体のみが第2加水分解装置2bに移送され、固液分離装置30で固液分離された液体と、第2加水分解装置2bの処理物から分離装置31で粒径の大きい成分が除去された成分とが分解槽4に供給される。バイオガス生成装置3における動作は実施形態1と同じである。
【0026】
タンパク質などの窒素化合物を含む廃棄物を150℃以上の高温で水熱処理すると、メイラード反応によりメラノイジンが生成するおそれがある。メラノイジンのような窒素含有抗酸化物質は、バイオガス生成装置3に流入すると、発酵を阻害する。これに対し、実施形態3では、第1加水分解装置2aにおいてメイラード反応を抑制できる温度(例えば130℃)で加水分解することにより、第1加水分解装置2aでのメラノイジンの生成を抑制することができる。また、第1加水分解装置2aの処理物を固液分離装置30によって固液分離すれば、メラノイジンの生成の原因となるタンパク質などの窒素化合物を可溶化またはスラリー化して、処理物を固液分離した液体又はスラリーとして分離することができ、処理物を固液分離した固体のみを第2加水分解装置2bで加水分解するようにすれば、固体中の窒素化合物の量を低減できるので、第2加水分解装置2bにおける加水分解の温度を第1加水分解装置2aおける加水分解の温度より高く(例えば150℃以上)しても、第2加水分解装置2bにおける加水分解でのメラノイジンの生成を抑えることができる。その結果、バイオガス生成装置3において発酵が阻害されるおそれを低減することができる。
【0027】
また、上述したように、分離装置31では、第2加水分解装置2bの処理物中の粒径の大きい成分が除去される。このような粒径の大きい成分は、第1加水分解装置2a及び第2加水分解装置2bにおける加水分解によっても比較的大きな粒径を有する成分であり、プラスチックごみに由来するものや金属のように、バイオガス生成装置3で低分子化及び発酵され得ないもの(反応不適物)である。実施形態3では、このような反応不適物を除去した処理物をバイオガス生成装置3に供給するので、バイオガス生成装置3へ供給される反応不適物の量を減らすことができる。その結果、バイオガス生成装置3において低分子化及び発酵が阻害されるおそれを低減し、バイオガスの生成を効率よく行うことができる。
【0028】
(実施形態4)
次に、実施形態4に係るバイオガス製造システムについて説明する。実施形態4に係るバイオガス製造システムは、実施形態1~3のいずれかに対して、バイオガス生成装置3へのセルラーゼの供給量を調整する供給量調整装置を付加したものである。以下では、実施形態1に対して供給量調整装置を付加した形態で実施形態4を説明するが、実施形態2又は3に対して供給量調整装置を付加して実施形態4を構成してもよい。尚、実施形態4において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0029】
<本開示の実施形態4に係るバイオガス製造システムの構成>
図4に示されるように、本開示の実施形態4に係るバイオガス製造システム1は、セルラーゼの供給源6から分解槽4へのセルラーゼの供給量を調整する供給量調整装置であるポンプ40と、ポンプ40の動作を制御する制御装置41とを備えている。尚、供給量調整装置はポンプの形態に限定するものではなく、セルラーゼの供給量を調整可能なものであれば任意の装置を使用してもよい。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0030】
<本開示の実施形態4に係るバイオガス製造システムの動作>
次に、本開示の実施形態4に係るバイオガス製造システム1の動作について説明する。実施形態4において、加水分解装置2で廃棄物を処理し、その処理物を分解槽4で分解した後に発酵槽5における生物作用によってバイオガスが生成される動作は実施形態1と同じである。実施形態4では、分解槽4へのセルラーゼの供給量を調整する点が実施形態1と異なる。以下では、分解槽4へのセルラーゼの供給量を調整する動作について説明する。
【0031】
制御装置41は、加水分解装置2に供給される廃棄物の性状を取得し、廃棄物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を決定し、決定した供給量でセルラーゼを分解槽4へ供給するようにポンプ40を作動させる。実施形態4における廃棄物の性状は、廃棄物に含まれるセルロースの量に関する性状であり、例えば、廃棄物中の紙ごみの重量比や、紙ごみの水分量に関する指標となる紙ごみの質等が挙げられる。廃棄物中の紙ごみの重量比が多ければ、廃棄物中に含まれるセルロースの量が多くなるので、セルラーゼの供給量を多くする必要がある。
【0032】
このような廃棄物の性状を制御装置41が直接取得することは難しいことが多い。この場合には、制御装置41は、廃棄物の性状に関する情報を取得し、この情報に基づいて廃棄物の性状を推定することが好ましい。廃棄物の性状に関する情報としては、例えば、季節(又は日時)や、廃棄物の回収地域の居住者の家族構成等を挙げることができるが、これらに限定するものではない。季節の情報は、制御装置41に設定されている日時から入手可能である。居住者の家族構成等の情報は、バイオガス製造システム1が設置される地域を制御装置41に設定しておけば、インターネットを介して国や地方公共団体のホームページ等にアクセスすることで入手可能である。
【0033】
廃棄物の性状に関する情報として季節を利用する場合には、例えば、夏場及び冬場は贈答品が多いので廃棄物中の紙ごみの重量比が多くなる傾向があり、逆に春や秋は贈答品が少ないので廃棄物中の紙ごみの重量比が少なくなる傾向があることを利用して、紙ごみの重量比を推定することができる。また、贈答品が多い季節は、通常の紙ごみとは紙ごみの質が異なることから、紙ごみの質に相当する紙ごみの水分量を廃棄物の性状としてもよい。さらに、1年単位のインターバルではなく、1週間単位のインターバルである日時の情報を利用して、廃棄物を回収した曜日から、各曜日に回収される廃棄物の種類に基づいて廃棄物中の紙ごみの重量比を推定することもできる。
【0034】
廃棄物の性状に関する情報として廃棄物の回収地域の居住者の家族構成を利用する場合には、例えば、単身者や若者が多い地域では、宅配利用が多くなるので廃棄物中の紙ごみの重量比が多くなる傾向があり、年配者が多い地域ではその逆に廃棄物中の紙ごみの重量比が少なくなる傾向があることを利用して、紙ごみの重量比を推定することができる。
【0035】
制御装置41は、上述したような廃棄物の性状に関する情報と、上述したような廃棄物の性状との関係を機械学習により作成してもよい。これにより、制御装置41は、廃棄物の性状に関する情報を取得し、作成した関係に基づいて、廃棄物の性状を推定することができ、推定した廃棄物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を決定し、決定した供給量でセルラーゼを分解槽4へ供給するようにポンプ40を作動させることができる。
【0036】
セルラーゼを用いることはバイオガスの製造のコストアップとなる。しかし、この実施形態4では、加水分解装置2に供給される廃棄物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0037】
(実施形態5)
次に、実施形態5に係るバイオガス製造システムについて説明する。実施形態5に係るバイオガス製造システムは、実施形態4に対して、廃棄物の性状を取得する動作を変更したものである。尚、実施形態5において、実施形態4の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
<本開示の実施形態5に係るバイオガス製造システムの構成>
図5に示されるように、本開示の実施形態5に係るバイオガス製造システム1は、加水分解装置2の投入口11に投入される廃棄物を撮影する撮影装置であるカメラ50を備えている。カメラ50によって撮影された廃棄物の画像を制御装置41に伝送可能なように、カメラ50と制御装置41とは電気的に接続されている。その他の構成は実施形態4と同じである。
【0039】
<本開示の実施形態5に係るバイオガス製造システムの動作>
次に、本開示の実施形態5に係るバイオガス製造システム1の動作について説明する。実施形態5は実施形態4に対して、廃棄物の性状を取得する動作が異なるので、以下では廃棄物の性状を取得する動作について説明する。
【0040】
廃棄物を加水分解装置2の投入口11に投入する際に、カメラ50が廃棄物を撮影する。カメラ50によって撮影された廃棄物の画像のデータが制御装置41に伝送される。制御装置41は、伝送された廃棄物の画像に基づいて廃棄物の性状を推定する。実施形態5においても実施形態4と同様に、廃棄物の性状は、廃棄物に含まれるセルロースの量に関する性状、例えば、廃棄物中の紙ごみの重量比である。紙ごみは明らかに、生ごみやプラごみ、金属等とは形状が異なることから、画像によってこれらと区別することができる。このため、廃棄物の画像に基づいて廃棄物中の紙ごみの重量比を推定することが可能である。推定した紙ごみの重量比に基づいて制御装置41が分解槽4へのセルラーゼの供給量を調整する動作は実施形態4と同じである。
【0041】
このように、加水分解装置2に供給される廃棄物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0042】
(実施形態6)
次に、実施形態6に係るバイオガス製造システムについて説明する。実施形態6に係るバイオガス製造システムは、実施形態4に対して、バイオガス生成装置3内の処理物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を調整するようにしたものである。尚、実施形態6において、実施形態4の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
<本開示の実施形態6に係るバイオガス製造システムの構成>
図6に示されるように、本開示の実施形態6に係るバイオガス製造システム1は、分解槽4内の粒子のサイズに関する情報を検出する検出装置、例えば、分解槽4内の濁度を検出する濁度センサ60と、発酵槽5内の粒子のサイズに関する情報を検出する検出装置、例えば、発酵槽5内の濁度を検出する濁度センサ61とを備えている。濁度センサ60,61はそれぞれ、検出した濁度のデータを制御装置41に伝送可能なように、制御装置41と電気的に接続されている。尚、濁度センサ60,61の両方を設ける構成に限定するものではなく、いずれか一方が設けられる構成であってもよい。その他の構成は実施形態4と同じである。
【0044】
<本開示の実施形態6に係るバイオガス製造システムの動作>
次に、本開示の実施形態6に係るバイオガス製造システム1の動作について説明する。実施形態6は実施形態4に対して、バイオガス生成装置3内の処理物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を調整する点が異なるので、以下では、この点に関する動作について説明する。
【0045】
分解槽4における処理物の分解中に濁度センサ60が分解槽4内の濁度を検出し、その検出値が制御装置41に伝送される。発酵槽5における分解処理物の発酵中に濁度センサ61が発酵槽5内の濁度を検出し、その検出値が制御装置41に伝送される。分解槽4内及び発酵槽5内のそれぞれの濁度は、分解槽4内及び発酵槽5内のそれぞれの粒子のサイズに相当するので、制御装置41は、濁度センサ60,61の検出値に基づいて、分解槽4内及び発酵槽5内のそれぞれにおける反応の進行度合いを推定することができる。
【0046】
例えば、濁度センサ60,61の検出値が小さい場合には、分解槽4内及び発酵槽5内のそれぞれの粒子のサイズが大きいことを意味することから、制御装置41は、分解槽4内及び発酵槽5内のそれぞれにおける反応があまり進んでいないと判断する。このような場合には、制御装置41は、濁度センサ60,61の検出値に基づいて、分解槽4へのセルラーゼの供給量を増加する。逆に、濁度センサ60,61の検出値が大きい場合には、分解槽4内及び発酵槽5内のそれぞれにおける反応が十分に進んでいて、分解槽4へのセルラーゼの供給量が過剰になっていると判断できるので、制御装置41は、濁度センサ60,61の検出値に基づいて、分解槽4へのセルラーゼの供給量を減少する。
【0047】
このように、バイオガス生成装置3内の処理物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0048】
実施形態6では、分解槽4内及び発酵槽5内の粒子のサイズに関する情報を検出する検出装置として濁度センサ60,61を使用しているが、濁度センサに限定するものではない。粒子のサイズに関する情報を検出できるものであれば任意の装置を使用してもよく、例えば、分解槽4内及び発酵槽5内を監視する監視カメラや、処理物の粘度を測定する粘度計等を使用してもよい(セルラーゼによる分解作用が進むほど粘度は増加する)。
【0049】
実施形態1~6において、加水分解装置2は、廃棄物をバッチ式に加水分解するものであるが、廃棄物を流通式に加水分解するものであってもよい。ただし、流通式に加水分解する加水分解装置では、廃棄物を加水分解装置に供給するために、廃棄物に流動性を持たせ、例えば、廃棄物を小径化して大量の水に供給したスラリーとして供給する方法が考えられる。この場合、廃棄物を小径化するためのエネルギーや、加水分解時にスラリー中の水を昇温するためのエネルギーといった余分なエネルギーが必要になる。これに対し、バッチ式に加水分解する加水分解装置であれば、廃棄物を小径化する必要はなく、そのままの状態で加水分解装置内に供給できるので、流通式に加水分解する加水分解装置で必要となる上記余分なエネルギーを不要とすることができる。
【0050】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0051】
[1]一の態様に係るバイオガス製造システムは、
セルロースを含む廃棄物を加水分解する加水分解装置(2)と、
前記加水分解装置(2)で加水分解された廃棄物である処理物中のセルロースをセルラーゼで分解して、前記処理物を発酵させることでバイオガスを生成するバイオガス生成装置(3)と
を備える。
【0052】
本開示のバイオガス製造システムによれば、セルラーゼによってセルロースを分解することにより、セルロースをバイオガスへの発酵に適した状態にできるので、セルロースを含む廃棄物からのバイオガスの生成を促進することができる。
【0053】
[2]別の態様に係るバイオガス製造システムは、[1]のバイオガス製造システムであって、
前記加水分解装置(2)において150~210℃の温度で前記廃棄物が加水分解される。
【0054】
このような構成によれば、廃棄物が加水分解されて、廃棄物中のセルロースがセルラーゼによる分解をされやすい状態になるので、セルラーゼによるセルロースの分解を促進することができる。
【0055】
[3]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[1]または[2]のバイオガス製造システムであって、
前記加水分解装置(2)は、
前記廃棄物を加水分解する第1加水分解装置(2a)と、
前記第1加水分解装置(2a)で加水分解された前記廃棄物である処理物の少なくとも一部を加水分解する第2加水分解装置(2b)と
を含む。
【0056】
タンパク質などの窒素化合物を含む廃棄物を150℃以上の高温で水熱処理すると、メイラード反応によりメラノイジンが生成するおそれがある。メラノイジンのような窒素含有抗酸化物質は、バイオガス生成装置に流入すると、発酵を阻害する。これに対し、上記[3]の構成によると、第1加水分解装置においてメイラード反応を抑制できる温度で水熱処理することにより、第1加水分解装置でのメラノイジンの生成を抑制することができる。また、第1加水分解装置の処理物を固液分離すれば、メラノイジンの生成の原因となるタンパク質などの窒素化合物を可溶化またはスラリー化して、処理物を固液分離した液体又はスラリーとして分離することができ、処理物を固液分離した固体のみを第2加水分解装置で加水分解するようにすれば、固体中の窒素化合物の量を低減できるので、第2加水分解装置における加水分解の温度を第1加水分解装置おける加水分解の温度より高くしても、第2加水分解装置における加水分解でのメラノイジンの生成を抑えることができる。
【0057】
[4]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[1]~[3]のいずれかのバイオガス製造システムであって、
前記バイオガス生成装置(3)は、
前記処理物中のセルロースを前記セルラーゼで分解する分解槽(4)と、
前記分解槽(4)で分解処理された処理物である分解処理物を発酵させることで前記バイオガスを生成する発酵槽(5)と
を備える。
【0058】
このような構成によれば、分解層において処理物中のセルロースをセルラーゼで分解した分解処理物を発酵槽で発酵させるので、発酵を促進することができる。
【0059】
[5]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[1]~[3]のいずれかのバイオガス製造システムであって、
前記バイオガス生成装置(3)は発酵槽(5)を含み、
前記発酵槽(5)において、前記処理物中のセルロースが前記セルラーゼで分解されて発酵されることで前記バイオガスが生成する。
【0060】
このような構成によれば、バイオガス生成装置は発酵槽のみを含むので、上記[4]に比べてバイオガス製造システムの構成を簡素化することができる。
【0061】
[6]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[1]~[5]のいずれかのバイオガス製造システムであって、
前記バイオガス生成装置(3)への前記セルラーゼの供給量を調整する供給量調整装置(ポンプ40)と、
制御装置(41)と
を備え、
前記制御装置(41)は、前記加水分解装置(2)に供給される前記廃棄物の性状又は前記バイオガス生成装置(3)内の前記処理物の性状に基づいて前記セルラーゼの供給量を決定し、決定した前記供給量で前記セルラーゼを前記バイオガス生成装置(3)へ供給するように前記供給量調整装置(40)を作動させる。
【0062】
セルラーゼを用いることはバイオガスの製造のコストアップとなるが、加水分解装置に供給される廃棄物の性状又はバイオガス生成装置内の処理物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0063】
[7]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[6]のバイオガス製造システムであって、
前記制御装置(41)は、前記廃棄物の性状に関する情報と、前記廃棄物の性状との関係を機械学習により作成し、
前記制御装置(41)は、前記廃棄物の性状に関する情報を取得し、前記関係に基づいて、前記廃棄物の性状を推定する。
【0064】
このような構成によれば、加水分解装置に供給される廃棄物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0065】
[8]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[6]のバイオガス製造システムであって、
前記加水分解装置(2)に供給される前記廃棄物を撮影する撮影装置(カメラ50)を備え、
前記制御装置(41)は、前記撮影装置(50)によって撮影された前記廃棄物の画像に基づいて前記廃棄物の性状を推定する。
【0066】
このような構成によれば、加水分解装置に供給される廃棄物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0067】
[9]さらに別の態様に係るバイオガス製造システムは、[6]のバイオガス製造システムであって、
前記バイオガス生成装置(3)内の粒子のサイズに関する情報を検出する検出装置(濁度センサ60,61)を備え、
前記制御装置(41)は、前記検出装置(60,61)による検出値に基づいて前記バイオガス生成装置(3)内の前記処理物の性状を推定する。
【0068】
このような構成によれば、バイオガス生成装置内の処理物の性状に基づいてセルラーゼの供給量を適切に調整できるので、セルラーゼを用いることによるコストアップを抑制することができる。
【0069】
[10]一の態様に係るバイオガス製造方法は、
セルロースを含む廃棄物を加水分解するステップと、
前記加水分解するステップで加水分解された廃棄物である処理物中のセルロースをセルラーゼで分解して、前記処理物を発酵させることでバイオガスを生成するステップと
を備える。
【0070】
本開示のバイオガス製造方法によれば、セルラーゼによってセルロースを分解することにより、セルロースをバイオガスへの発酵に適した状態にできるので、セルロースを含む廃棄物からのバイオガスの生成を促進することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 バイオガス製造システム
2 加水分解装置
2a 第1加水分解装置
2b 第2加水分解装置
3 バイオガス生成装置
4 分解槽
5 発酵槽
40 ポンプ(供給量調整装置)
41 制御装置
50 カメラ(撮影装置)
60 濁度センサ(検出装置)
61 濁度センサ(検出装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6